ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

カテゴリ:顔面・頭部 > 頭痛

 兵庫県在住の65歳の女性から問い合わせがありました。その方は強い肩こりを持っていまして、定期的に鍼灸治療院に通っております。なかなか肩こりが軽くならないので昨年10月から中国鍼(長くて太い)の治療院に週一回のペースで10回ほど通ったそうです。そこでの治療は首や肩に何本かの鍼を深めに刺して、少し強めの低周波をかけるというものだったようです。するとやがて頭痛にみまわれるようになり、一時軽くはなったものの年が明けてから耐えられないほどの頭痛になったとのことです。近所のいろいろな治療院や病院を廻ってみても楽になることはなく、そんな時に私のブログ(電気治療器などで損傷することもある)を読まれてお電話をくださいました。
 低周波治療器が影響して頭痛になったということは、どの病院でも治療院でも「あり得ない」と信じなかったようです。本当は近所で治したかったようですが、結局、先週、小田原のホテルに泊まって3日間来店されました。
 来店される日の前の晩は頭痛が激しく一睡もできなかったとのことでした。一人で新幹線に乗り小田原まで来るのは厳しいということでご主人が付き添って来られました。
 来店される前に電話でのお話しを聞いて、首や肩など鍼を刺して電気を流したところがやられてしまって、その影響で強く噛みしめてしまい頭痛になってしまったのではないかと予想しましたが、実際そうでした。
 頭と首と肩甲骨の位置を正常に保つための筋肉には僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋などがありますが、ことごとく全部ゆるんでいて肩甲骨がフワフワとぶら下がったような状態でした。何本かの鍼だけではこんなふうにはならないと思いますので、低周波による影響の方が強かったのかもしれません。
 兵庫県の方にも幾人か知り合いがいますが、皆さん親しみやすく、気さくで、よくお話しになります。ところが最初の施術を始めてからはしばらくは口もききたくないような状態だったと感じました。
 頭痛の直接的な原因は強い噛みしめによるそしゃく筋のこわばりによって頭が締めつけられていることですから、ともかく最初の1時間くらいは噛みしめや側頭部のこわばりを取ることばかりに専念しました。耳と顎のエラがくっついてしまうくらい咬筋がこわばって短くなっていました。
 その後うつ伏せになっていただき、ゆるんでしまった首肩周辺の筋肉や筋膜を修復することに専念しました。その頃から少しずつ会話をするようになり、電話で聞けなかったことをいろいろ伺いました。初回は120分施術でしたが、60分は噛みしめをゆるめること、40分くらいは首肩周りの修復、20分くらいはその他、頭痛の原因となる可能性のところを施術しました。
 初日の施術は以上の通りですが、施術後顔色が少し良くなっていましたので「なんとか今夜は眠れますように!」と祈りました。
 「頭痛が始まったら、もう駄目ですわ。何もできんくなります。おかげで料理がうまくなりましたわ。」というご主人の言葉が印象的でしたが、帰り際は本人もちょっと元気になっていましたので、私も少しホッとしました。

 次の日の夕方に再び来店されましたが、初日の晩は睡眠薬を飲んだもののぐっすり朝まで眠れたようです。まだ頭痛は残っているものの、昼頃から首肩が楽になって温かくなってきたということでした。小田原城址公園の周りをお二人でブラブラされたようです。
 初回の施術ではひどい頭痛をなんとか軽減するためにそしゃく筋をゆるめること主にしましたが、2回目は疲弊している筋肉や筋膜を回復させることが主です。最初に比べれば多少ゆるみは改善されていましたが、私の思いとしては「ともかくこのゆるみを短期間で回復させなければ」という感じでした。ですから最初からうつ伏せになっていただき1時間以上にわたって疲弊してゆるんでいる筋肉や筋膜に手を当てて修復させるだけの施術を行いました。
 その後仰向けになっていただき、元々肩こりだった原因として考えれるところを探しては施術を行いました。“噛みしめる癖があったから肩こりが強かったわけで、その原因はどこだ?”という感じです。今症状が緩和したとしても、噛みしめがなくならなければすぐまた頭痛になってしまうからです。過去のいろいろなことを伺いながら、そして他に気になるところを伺いながら原因探しの見当をつけていきます。その話しの中で、鍼灸が好きで、過去に一度に何十本も鍼を刺す治療院に通っていた経験もあることがわかりました。それはそれでやはり問題だと思いました。話がそれますが、膝痛や五十肩痛で痛み止めの注射を何度も何度も打っている人は、その針の傷が原因で症状が悪化している場合もあります。
 また、昔は力仕事もしていて右手を酷使したために人差し指が詰まったような状態になっていました。そしてその影響で右の咬筋がこわばってもいました。その他にも一通り考えられるところを調整して、頭の筋膜、そしゃく筋のこわばりをゆるめて2回目の施術を終えました。

 3日目はともかく最終日ですので、私自身緊張した気持ちでした。「今日で何とかしなければ‥‥」そんな感じでした。前回の施術後の状態を尋ねますと、私の願いとは違って、それほど眠れなかったようです。明け方3時半くらいまで悶々と過ごし、そのご7時過ぎまでは寝たということです。ただ、少し頭痛はするものの人と会話をしていてもうっとうしく感じることはなくなった、ということでした。精神的に楽になって、肉体的にも改善の兆しが現れ始めたのかもしれないと感じました。
 最後の施術も120分でしたが、総合的に行いました。噛みしめも取り、頭もゆるめ、首肩のゆるみを手当てし、手指を調整しました。そして残りの20分くらいは普段自宅でやって欲しいケアをご主人に教えました。帰りがけの顔が明るくなっていて、ご主人も明るかったので、私にとっては緊張の3日間でしたが、それなりに何とかできたという感じでした。
 「もうお会いすることのないように祈ってます。」と申し上げて見送りました。

 硬くこわばってしまったものをゆるめることは難しいことではありません。短期間ですみます。ところが疲弊して機能しなくなっている筋肉を元の状態に戻すのは時間がかかります。前にも記しましたが、それが点や小さい範囲であればそれほど厄介ではありませんが、電気治療器で疲弊してしまった場合は範囲が広くなります。今回の方の場合もそうです。確かに鍼を刺したのは数カ所かもしれませんが、そこに電気を流すことによって、その周辺全体が損傷状態になっていました。それを数少ない施術ですっかり元の状態に戻すことはとても難しくなってしまいます。(特殊能力を持った人はできるかもしれませんが)
 最初にこの方の筋肉を触ったとき、直感として7~8回の施術が必要かもしれないと感じました。しかし事情が許しませんので、自分なりに気合いを入れて、3回の施術で日常生活が支障なく送れる程度にはしたいと考えました。
 施術を終えてから一週間になろうとしています。その後の状態がどうなのか気になるところですが、それよりも“楽になってほしい”との祈りの方が強いかもしれません。

 これまでこのブログには、来店された方の施術内容についてはあまり細かく触れないようにしてきました。しかし帰り際、「ブログに書いてもいいよ!」と仰いましたので、このような施術日記風な内容になりました。
 この方と同じような悩みを持たれた方が情報の一つとして“参考になれば”という想いから、そう仰ったのかもしれません。

追記(3/12)
 本日午前中、ご本人から電話が入りました。(早速ブログを読んで下さいました。)
 外出なのか外泊なのかは聞きませんでしたが、お嬢さんにところにいらっしゃるということで、私は内心「出かけられる状態なんだ」と一安心しました。
 先週の土曜日(3/5)に兵庫に戻られて一日二日すると首がしっかりしてきたということでした。現在はご主人のケアで順調な経過をたどっているようです。私が施術中でしたので長話はできませんでしたが、とても嬉しかったです。 

 頭痛で一番多いのは“緊張型頭痛”と呼ばれる、頭皮や筋膜が縮んで頭蓋骨を外側から締めつけるタイプのものですが、これとは反対に頭蓋骨の内部圧力が高まって頭が重くなり、ボーッとして脳の回転がうまく機能しないように感じる頭痛や頭重もあります。計算もスムーズにできないし、理路整然と話すこともできなくなり、“自分の頭はおかしくなった”と感じたりすることもあるようです。
 こういう訴えを持っている人の頭を触ると、中身がぎっしり詰まって身動きできない感じで、“血液が流れていないのではないか”と感じてしまいます。理屈はともかくとして「頭がパンパンに詰まっていますね」と指摘しますと、ご本人も実感として理解できるようです。

 さて、こういう場合の特徴は3つほどあります。目が凝っていてこめかみがパンパンに張っていることが一つ。鎖骨と肋骨の関係がおかしく、鎖骨下静脈の流れが悪くなっていることが一つ。もう一つは頭が開放的でなく、閉じているように感じることです。その他には噛みしめによってそしゃく筋が強くこわばっていることも少なからず関係があります。
 目が強く凝ってこめかみがパンパンに張ってしまうと、どうして頭の中が詰まったようになるのかの理由はよく解りませんが、こめかみの張りをじっくり取っていくと、やがて私の手に血液が流れ出す感触が伝わるようになります。ですから、現象として、目の凝りは頭の詰まりに関係していると考えています。
 
鎖骨下静脈と鼡径部

 鎖骨下静脈の流れについてはこれまで幾度か取り上げています。全身の血流を考えるとき、私が真っ先に確認するところは鎖骨下静脈と股関節の鼡径部です。この2箇所は静脈血が心臓に還る最後の関所のようなところで、他が良くてもこの部分の流れが悪いと全身的に影響が及びます。また動脈と静脈の関係で言いますと、心臓の働きも快適で、血管の状態も万全で、動脈の流れを阻害する要因が全くなかったとしても、動脈と静脈は最終的につながっていますので静脈の流れが悪いと動脈の流れも停滞してしまいます。そうしますと動脈の血管に血液が溜まってしまう可能性が考えられます。それは車の交通渋滞に似ています。出口が渋滞しているのに後から後から血液が入ってきてしまうので血管が膨れあがった状態になり、それが頭蓋骨内部や脳の内部を圧迫するので、頭痛や頭重、そして脳の働きを低下させる原因になると考えることもできます。
 3つ目の“頭が閉じている”ことに関しては、おそらく現代医学では認められないことだと思いますが、実際に頭を触ると「この人の頭は閉まっている」と感じてしまうのです。そして、そんな時は眉間の少し上、額の中央を軽く開くように手をあてます。そこは前頭骨という一つの骨ですから、関節ではないので物理的には開きようがありません。しかし私は、骨のそこが閉じているように感じるので、骨を開くように手をあてます。そうしていますと頭の内部が動き始めるのを感じるようになります。そしてしばらくの間同じようにしていますと、次第にリラックスしだし眠りに落ちてしまう人がたくさんいます。この部分は血流との関係性というより、思考(イメージを思い浮かべる前頭葉の部分なので)との関係性が考えられます。思考の流れが悪くなったことで、血液の流れも悪くなったと考えることができるのかもしれません。

 だいたい以上の3つのうちのどれかを行えば、頭の中身が詰まってパンパンになった頭痛や頭重はすみやかに解消されます。悩みやストレスを溜め込んでいる人は、おそらく頭の中が詰まっていると思います。いつも頭がスッキリしないのは、体調が悪いのではなく、単に頭の中にたくさん溜め込んでいるだけかもしれません。
 血液を溜め込んでいるのか、“思い”や思考を溜め込んでいるのか。解剖学者の故三木成夫先生は、溜まりの場所が病気になりやすいと言っています。体を健康に保つには溜めずにどんどん流すことが肝心だということです。過呼吸は肺に空気が溜まってしまいます。食べ過ぎや消化不良は胃にいつまでも食べ物が溜まった状況をつくり、便秘は大腸に便が溜まった状況をつくります。肝臓も血液が溜まりやすい器官ですが、これらの器官はガンになりやすい臓器でもあります。同じように心(胸)と頭には思いや思考が溜まります。心は心臓に通じると言いますので、心配や不安が心臓に悪い影響を与えると考えることもできますし、ストレスや悩みが多いと脳の病気を招くかもしれません。これらの因果関係は科学的に正しいことかどうかはわかりませんが、直感的になんとなく頷けるところではないでしょう。いずれにせよ、“溜めずにどんどん流す”ことが体と心を快適にするための基本事項であると私は思っています。
 
脳の水分‥‥血液と髄液の循環
 脳には全身血液の15%程が循環していると言われています。これは安静時の数字ですので、考え事をしたりして頭を働かせている状態ではもっと多くの血液が循環していると思われます。また脳と脊髄には、血液とは別にそれ自身を養い、健康に欠かすことのできない髄液がゆっくりと循環しています。(髄液の役割はよく解っていない部分も多いようです。)
 脳細胞の活動を行うためには酸素が必要ですが、それは心臓のポンプ力(血圧)によって動脈血が脳の隅々まで行き渡ることによって可能になります。心臓から頭部に行く動脈は頚動脈(外頚動脈と内頚動脈)と頚椎に沿って昇る椎骨動脈の二つの経路があります。そして脳内で役目を終えた血液と髄液は、いくつかの静脈洞と呼ばれる池のような溜まりに集められ、そこから内頸静脈という大きな静脈に入り、胸郭の入り口で鎖骨下静脈と合流して心臓に戻ります。
脳の静脈
髄液循環

 脳に血液や水分(髄液)が溜まった状態になってパンパンになるといった場合、上記の循環が上手くいっていないことがまず考えられます。脳梗塞など動脈の詰まりを除いて考えますと、静脈洞→内頸静脈→鎖骨下静脈→心臓という脳内水分の出口経路のどこかに流れが悪い部分があるため、頭痛や頭重を感じてしまうのではないかと考えて対処するのが道理だと思います。CTやMRI画像を撮影して「脳には異常がありません。きれいな脳です。」と言われたところで、それが医療の答えで頭痛薬が処方されるだけなら、なんとも中途半端と言わざるを得ません。
 
外頚静脈と鎖骨下静脈の停滞

 この経路の中で、静脈洞も内頸静脈も心臓も、整体の施術では直接的には何もすることはできません。ところが鎖骨下静脈だけは対処の方法があります。鎖骨下静脈は前斜角筋の前、鎖骨と第1肋骨の間というとても狭い場所を通っています。ちょっと鎖骨がずれただけで、あるいは肋骨が捻れただけで流れが悪くなってしまいます。解剖図を見る限り、内頸静脈と鎖骨静脈が合流する場所は肋骨の内側、つまり鎖骨下静脈が狭い場所を通過した後ですから、私は当初、内頸静脈の流れと鎖骨下静脈の流れは関係ないと思っていました。しかし実際に施術を行って鎖骨と第1肋骨の関係を改善すると頭部の血液の流れが良くなるので、今は関係が深いと考えています。

頭が閉じている
 「頭の形は刻々と変化しています」と表現しますと、現在の科学的見地では“ほら吹き”と言われてしまいそうです。頭が詰まった状態、眉間に縦皺がよりやすい状態、これらを確認する時、私は額のところをまず触ります。そこは骨で言えば前頭骨です。上顎骨と頬骨は左右に分かれていますので、狭くなったり広くなったりすると言ってもそれほど不思議ではないかもしれません。ところが前頭骨は一つの骨ですから、骨自体が“閉じたり狭くなったりするはずはない”と言われても仕方がありません。私も理屈ではそう思います。
 しかし実際の施術では理屈よりも現象を優先し、骨の感触と内部の感触を繊細に捉えて判断しながら作業を進めています。
 ところで、眉間に縦皺がよりやすい人はかなり多くいます。中にはくっきりと深い縦皺が刻まれている人もいます。そのような人は、すぐに顔の中心部に力を入れてしまう人、しかめっ面が得意な部類の人です。このような人は頭(前頭部)が閉じています。あるいは尖っています。あえて文学的に表現しますと“ストレスや悩みが多くいつも緊張状態にあるので頭(思考)が開放的ではなく、気持ちが内向きになっていることを、頭も形として現している”ということになります。

脳の動脈

 頭内部の内圧が高まった頭痛には動脈から出血する脳出血も当然考えられますので、緊急時を除いても幾日か症状が続くようであれば病院等で検査を受けるのがよろしいかと思います。その結果、異常が見つからない場合は、今回取り上げたことも考慮に入れて整体施術を受けることをおすすめします。そして頭痛の改善のみならず頭をスッキリさせて快適な日々を過ごされるようにしていただければと思います。

 前頭部や眉間のところが痛くなる頭痛の多くは、顔面がお腹の方に引っ張られているか、頬が下に下がっていることが原因であると考えられます。痛みや重さとしては額や眉間の部分に感じられることがほとんどですが、顔の筋膜や皮膚も引っ張られているため、表情がこわばり、なんとなく機嫌が悪いような顔つきになっているかもしれません。
 また眉間にシワを寄せる癖のある人は、それだけでこの部分の筋肉がこわばりますので、頭痛になる可能性もあります。
 それ以外には、頬や鼻の骨が下に下がったため、この部分の筋肉や筋膜がこわばり頭痛や違和感を感じる場合もあります。
前頭部の頭痛
 顔面全体が下に引っ張られる原因として一番に考えられることは、腹筋がこわばり胸(胸郭)を引き下げるため、それにつられるように首の前面から顔面にかけての筋膜が引っ張られ、それらがこわばってしまうことです。
 このような人は頭痛だけでなく、胃や腸や下腹部の不調も同時に抱えていると考えられます。例えばお腹が冷えたとします。すると腹筋の臍辺りの部分の働きが悪くなります。つまりこの部分の筋肉がゆるんでしまうということです。すると、その弛みを補うようにみぞおち辺りの腹筋が収縮して硬くこわばります。この部分の硬いこわばりは胃や大腸を圧迫しますので、それらの働きがわるくなります。そしてみぞおちの部分にできたこわばりに引っ張られるように肋骨(胸郭)が下がり顔面が下がります。
 また骨盤が前傾した状態になり恥骨の部分が下がりますと、それだけで腹筋はこわばりますので同じような状況になります。太りすぎでお腹が大きく前に出ている人は骨盤が前傾している可能性が高いです。そういう人が額や眉間に違和感や重さや痛みを感じるのであれば、お腹を引っ込める努力が必要になると思います。

 顔面全体ではなく頬が下がっている人はかなりいます。私たちは日々食事をしたり会話をしたり、笑ったり、いろいろな表情をしますが、それによって顔面の筋肉もこわばったりします。特に口から頬にかけての筋肉は大変よく使いますので、カチカチにこわばっている人が多いです。するとそのこわばった筋肉に引っ張られるように頬の骨や鼻が下がります。若かった頃に比べて目元から頬骨にかけての部分が拡がっているように感じる人は頬が下がっていると考えられます。
 このような人は頭痛だけでなく上瞼も下に引っ張られているため、目の開け方が不十分になりやすいですし、目を大きく開くとき額の筋肉も使うようになりますので、額にシワができやすくなります。
 施術によってこのこわばりを解消しますと、楽に大きく目を開けることができるようになりますので、顔の印象がかなり変わると思います。

 眉間にシワを寄せる癖のある人は、その癖を改善するするしかありません。視力や見え方、焦点の合わせ方などに弱点があるため眉間にシワを寄せてしまうのであれば、それらを改善する工夫が必要です。考え事をするときシワを寄せてしまうのであれば、気をつけなければなりません。子供の頃はそんな癖は持っていなかったのに、今はそのような癖になっているのであれば、何かが原因してそうなっているわけですから、それを探しだし改善する必要があるでしょう。そうでなければ頭痛と生涯付き合って行かなければならないということになります。

 前頭部に限らず頭に“孫悟空の輪”がはめられたように締めつけられる頭痛もありますが、それは目の疲労や血液循環が関わっている場合が多いです。頭蓋骨の中身にゆとりがない、あるいは頭全体がこわばって硬くなっていると表現した方がいいかもしれません。この原因はケースバイケースなので、“これが原因です”と特定することはできませんが、施術することによって改善することは十分できます。
 また頭頂部が痛む頭痛は、後頭部・側頭部・前頭部の頭痛のどれかにあてはまるか、複数が同時に起こっている可能性もあります。それは実際に施術を行うことによって原因が特定でき、改善できます。

 こめかみ(目尻と耳の間)や側頭部(耳の上)の頭痛や片頭痛の原因として最も多いのは噛む筋肉(そしゃく筋)のこわばりによるものです。そしゃく筋には咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の四つがありますが、体表で観察できるものは咬筋と側頭筋です。咬筋は下顎の下端の角(エラと多くの人が呼ぶところ)と耳から頬にかけてある骨(頬骨弓)との間を結び、側頭筋は下顎の上端とこめかみの上部にあたる側頭窩を結んでいて下顎を上方に引き上げ、口を閉じたり、そしゃくを行う働きをしています。

側頭部の頭痛(咬筋と側頭筋)

 歯ぎしりや噛みしめの癖を持っている人は恒常的にそしゃく筋がこわばっています。筋肉は強くこわばりますと痛みを発しますので、歯ぎしりや噛みしめの癖を持っている人は、いつ側頭部の頭痛になってもおかしくない状態にある言えます。
 また多くの人が誤解しているのですが“噛みしめ癖”というのは、グッと力を入れて噛みしめる癖のことだけではありません。普通の人はリラックスしたとき、口は閉じていても上の歯と下の歯は離れた状態にあります。それがそしゃく筋が作動してない状態です。ところが口を閉じたときには歯も閉じるのが当たり前だと誤解している人がたくさんいます。いかに軽い力だったとしても、上の歯と下の歯があっている状態はそしゃく筋が作動している状態です。その状態でずっといますと筋肉はこわばった状態になりますので、頭痛や頭重を起こしやすい状態になってしまいます。
 歯ぎしりの癖を持っている人も同様です。またこれらの癖を持っていなくても、一時的に重たいものを運ぶなど力を目一杯使ったために歯を食いしばり、筋肉がこわばって頭痛を起こしてしまう場合もあります。一時的なこわばりであれば頭痛薬で痛みを和らげ、食事や会話をしているうちに筋肉のこわばりが取れてきて普通に戻ることが考えられます。(口を開く動作はそしゃく筋を引き伸ばす動作なので筋肉が弛む)それでもスルメやおかきなど硬いものをたくさん食べたりしますと筋肉は強くこわばることが考えられますので、好きでもほどほどにしておくのがよいと思います。

 こわばってしまったそしゃく筋を弛めるための一番簡単な方法は口を大きく開けて筋肉を引き伸ばすようストレッチすることです。そしゃく筋を指圧してみて硬さや痛みを感じると気づいたときには、あくびをするように口を大きく開けて筋肉を引き伸ばしてください。それだけで側頭部の頭痛が軽減するかもしれません。
 ところが筋肉のこわばりが非常に強くしぶとい場合は、それだけでは無理なので強制的に筋肉を弛める方法を用いなければなりません。
 噛みしめや歯ぎしり、食いしばりによる筋肉のこわばりが原因の頭痛は、そしゃく筋がゆるんでしまえば、それだけで症状は解消します。

 上記以外の理由で側頭部に頭痛や片頭痛を起こしてしまう理由としては、肩甲骨や肋骨の位置が歪んでいることや血行が悪いことが考えられます。
 肩甲骨や肋骨が歪むと、その歪みに合わせて首の筋膜が緊張状態になります。それが側頭部や頬の筋膜を引っ張ってしまい頭痛を起こしてしまう可能性が考えられます。これについては一般の人では判断がつけられないと思いますので専門家に委ねることをおすすめします。(整形外科ではわからないと思いますが)
 血行不良による片頭痛に関しては、静脈の流れが悪く血液がなかなか出て行ってくれないところに後から後から動脈が入ってきてしまうためズキンズキンとなってしまうとイメージしていただくのがよいかと思います。
 ポイントとなるのは“静脈”であり、鎖骨下静脈が一番の目のつけどころですが、それは鎖骨と肋骨の関係になりますので体の歪みが関係します。あるいは顎関節や頭蓋骨の歪みによって頭部表面の静脈の流れが悪いというのも考えられます。いずれにしましても骨格と筋肉の状態を整えることで片頭痛もすぐに改善されることがほとんどです。

 頭痛や片頭痛に悩まされ、頭痛薬を飲まずにはいられないという人もかなりいるようです。いつもより激しい痛みに襲われたりしますと、「脳に異常があるのかも」と考えて脳外科を受診し、CTやMRI検査を受ける人もいます。
 非常に大切な頭の問題ですから、そういう行動をとられるのは正しいことだと思います。何も異常がなければそれだけで安心感を得られるわけですから。
 ところで、検査の結果“異常なし”と診断されても相変わらず頭痛が治まらない場合、「どうすればいいのだろう?」という次の問題が発生します。肩こりが強すぎて頭痛になったのか? あるいは別に原因があるのだろうか? もしかしたら体質なのかもしれない、などと疑いが湧いてくるかもしれません。

 さて、頭痛の多くは“緊張型”に分類される、筋膜のこわばりによるものです。つまり、簡単に表現すると“頭の皮が頭蓋骨を締めつけている状態”です。ですから、その締めつけを弛めますと速やかに頭痛は解消されます。そのためには筋膜のこわばりを解消する必要があるのですが、肩こりとは違って、いくら揉みほぐしたりマッサージをしたところでそうやすやすとこわばりが取れるものではありません。その場は少し良くなったように感じるかもしれませんが、次の日起きたらまた頭痛に襲われてしまうことも多いと思います。
 筋膜のこわばりというのは、“どこかが頭の皮を引っ張っている”というものですから、その引っ張りの原因を改善しなければなりません。この原因をそのままにして筋肉や筋膜をいくらマッサージしたところでこわばりは解消されないのです。
 頭痛の場合、その痛む場所によって原因が異なりますが、第一回目は後頭部の痛みについて取り上げます。

 首の付け根から後頭部にかけての頭痛に対しては、二つのケースを考える必要があります。
 ①後頭骨が上にずれてしまっているため、後頭部から首の後側の筋肉や筋膜が張った状態で緊張している場合と
 ②脊柱起立筋など背中の筋肉がこわばっているため、その連続性で首の後面の筋肉がこわばり後頭骨を下の方に引っ張るように緊張して痛みとなる場合です。
 
ヒラメ筋内側と仙骨・後頭骨

①後頭骨が上にずれている場合
 全身骨格の仕組みとして、通常、後頭骨は仙骨と対をなし連動性をもって上下に動いています。呼吸の際、正常であれば息を吸うとき後頭骨は下がり仙骨は上がります。息を吐くときはこの反対になります。つまり仙骨が上に動くと後頭骨が下がり、仙骨が下に動くと後頭骨が上がる、と捉えていただいて良いと思います。この原理で、後頭骨が上にずれていることを考えますと、仙骨、つまりお尻(骨盤)が下がっている状態であると想像することができます。その原因としてまず考えられるのはふくらはぎや足の筋肉の疲弊です。“足の筋肉が弱ってくるとお尻が下がり後頭骨が上がってしまう”と言ってもいいでしょう。
 また、頭蓋骨の骨の連動性として頭部の前面(顔面部)が下がると後頭部が上がってしまうというのもあります。顔面部はお腹側の影響を受けますが、お腹の冷えなどで腹筋が硬くこわばり、顔面を下に引っ張っていることが原因である場合もあります。

②背中の筋肉がこわばって後頭部を引っ張っている場合
 骨盤の背面から始まり、背中を真っ直ぐ上がって首の後面を通り後頭部につながっている筋肉があります。大雑把に脊柱起立筋群と呼ばれますが、この筋肉がこわばって首の背面から後頭部にかけてこわばりをもたらせている場合もあります。後頭部痛と同時に腰痛もあるようでしたら、このケースが疑われます。
 ふくらはぎや太ももの裏側に張りを感じるようならまず間違いないかもしれません。この場合は、骨盤を整え下半身や腰部のこわばりを改善することで脊柱起立筋のこわばりを解消する手段を取る必要があります。

 以上の二つ以外にも、頚部の骨(頚椎)が歪んでいるために、後頭部にこわばりができてしまい頭痛になっているという場合もあります。
 いずれにしましても後頭部痛の場合、腹部、背部、骨盤部の状態が影響を与えていますので、それを改善することが頭痛解消の方法になります。

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