ゆめとわのblog

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カテゴリ:顔面・頭部 > 顎関節


(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

 噛み合わせや舌に関係する症状などについては過去に取りあげましたが、悩んでいる人が度々来店されますので、改めて整理してみます。

噛み合わせと噛み方

 過去に歯科治療で歯を削ったり、歯列矯正を行ったり、あるいは片噛みの癖など影響で噛み合わせがおかしくなったと感じている人がいます。噛み合わせが気になり出しますと心理的にもスッキリしませんし、体調もなんとなく悪くなりますので、都心の専門的な歯科クリニックに遠くから通われている人もいます。
 実際、噛み合わせが合わないことは、単に「噛み合わせがおかしくて不快」という心理的な問題を超えて、必ずからだに悪い影響を及ぼすと私は考えています。

 自然界には陰陽・表裏という原理原則があります。陰と陽、表と裏はまったく性質の違う存在ですが、二つを切り離すことは不可能で、陰があるから陽があり、表があるから裏があるという考え方です。そして陰と陽、表と裏は互いに従属しあい、依存し合う関係になっていますが、それが自然界の在り方であるという原理原則です。

 私たちのからだにおける陰陽の原理は腹側と背側の関係にあてはまります。
 尾骨の近くにあります“会陰”を境に陰(腹側)と陽(背側)が始まりますが、その帰着するところは上顎と下顎の接点です。つまり顎関節であり、歯の噛み合わせです。
 ですから噛み合わせが合いませんと「陰と陽の境界がずれる」ということが起こりますが、そこから派生するいろいろな症状が現れます。
 その一つが「不快感」であり「落ち着かない心」であると考えられます。その症状を軽減したいがために、噛みしめたり、横向きで寝たり、顎を突き出したりと、いろいろな癖を持ってしまう可能性は高いと思います。

 私の知る限り、顔が下がっていますと噛み合わせや噛み方が「どうもしっくりこない」と感じる可能性が高くなります。歯科治療で微妙に歯を削ってみたり、マウスピースで調整してみて、その場では快適になったように感じても、時間が経つとまた噛み合わせが気になりだしたり、ご飯を食べていても顎や口周りが疲れたり、噛むこと自体が不快に感じたりするようになってしまうことがあります。
 「歯を削って噛み合わせをいくら調整しても解決しないのになぁ」と私は思っています。

 からだが捻れていたり頭蓋骨が歪んでいたりして、その状態が許容範囲(からだの対応範囲)を超えますとますと顎関節がおかしくなります。ですから順番としては、からだや頭蓋骨の歪みを改善した上で歯の調整に進むべきだと思います。
 さらに、顔(上顎骨、鼻骨、頬骨、前頭骨など)が下がった状態では、口元から力を抜くことができません。口を閉じたときにオトガイ(顎先)に“梅干し”のような筋肉の塊ができてしまう人は、このような状態の人です。口角も下がってしまうことでしょう。

 からだをいろいろ調整して顔の下がった状態を解消しますと、噛み方がすっかり変わります。言葉で表現することは難しいのですが、それは根本的な変化です。
 「顎からただ力を抜くだけで口(顎)が開く」状態になりますので、口を開くのに力を使いません。ですから、ご飯の噛み方も噛むとき(顎を閉じるとき)だけ力を使えばよくなります。ところが顔の下がった状態では、顎を開くときも力を使わなければなりません。下顎の底面や喉、首前面の筋肉を意図的に使わないと口を開くことができませんので、その辺りがこわばってしまいます。

下顎を引き下げる筋

 顔の下がっていない人は顎を開くとき“ただ脱力する”だけで顎のロックが外れますが、同時に鼻から自然と空気が入ってきますので、口を閉じてモグモグしながらでも呼吸が苦しくなりません。
 一方、顔の下がっている人はそのようにはなりませんので、口を閉じたままモグモグそしゃくを続けることができず、口を開けてクチャクチャ噛むようになってしまいます。

 眼の下に頬骨があります。手先を使って頬骨を軽く上に押し上げなら顎を動かし見てください。すると顎関節を脱力する感じで顎を開くことができますし、同時に鼻から空気が入ってくるのが感じられると思います。
 次に、頬骨を軽く下に下げるようにして顎を開く動作を何回か繰り返してみてください。顎関節を脱力する感じではなくなり、喉元の筋肉を使い、顎先の筋肉を使って顎を開いているのが感じられると思います。そして鼻からの空気の流入量も減り、何度かモグモグしていると息苦しくなってしまうのが感じられると思います。

舌の動き

 自分の喋り方に納得がいかない、滑舌に不満を感じている、発声に不満がある、喋ると疲れてしまう、そんな症状に共通しているのは舌の状態です。
 舌は筋肉の塊ですが、幾つもの筋層が複雑に絡み合って、微妙で、複雑で、独特な動きができる仕組みになっています。

 舌のおかしな状態としては、「舌足らず」の状態と「舌余り」と呼べる状態があります。
 舌足らずは、舌が引っ込んでいて前に出ない状態です。舌先を大きく出して上下に動かし、鼻先に向けてみたり、顎先に向けてみたりしたとき、うまく力が入らず思うように動かせない状態は舌足らずと言えます。
 確実にそうだとは言い切れませんが、舌筋がゆるんで働きが悪くなり、力が入りにくくなりますと舌足らずの状態になります。このような状態では、寝ている時に舌がたるんで気道をふさぎやすくなります。無呼吸症候群になったり激しいイビキをかいたりする原因になることもあります。

 また反対に舌が余った状態は、舌が長くなっていたり、大きくなっていたりする状況です。この状態の人は舌先で歯を押してしまいますので、歯列が前に動く可能性もありますし、舌に歯型の痕が残ったりします。
 舌の動きが少し緩慢になりますので、滑舌に影響したり、舌を噛んだりしてしまうかもしれません。

 喉元や顎の底面を触ったときに奥が硬くなっているようでしたら、それは舌筋がこわばった状態です。噛み方のところで説明しましたが、顔が下がった状態で顎を開くときにはこの辺りの筋肉をたくさん使わなければなりませんので、必然的に舌がこわばってしまいます。ですから顔の下がっている人は、喉元が硬くなり、舌が余った状態で滑舌が悪くなる、という傾向があります。

声の出し方に不満がある

 発声は、吐く息が気道を通るときに声帯を揺らすことによって行われます。吸う息の時でも発声することは可能ですが、それはとても限定的で、普通は言葉を発することはできません。ですから、息を長く吐き続けることができませんと言葉を続けて話すことができなくなります。

 「出だしの音は聞こえるのに、尻切れトンボのようで、何を話しているのかよく聞き取れない」という人が時々います。自分の発言に自信がない、という心理的な影響もあるかもしれませんが、息をうまく吐くことができないことが理由でこのようになっている人もいます。
 また、このことを自覚している人は言葉を発する度に緊張しますので、さらに声が出しづらくなるという悪循環に陥ってしまうこともあります。

 息を長く吐き出すこのできない人は、一般的には腹式呼吸がうまくできないタイプの人と思われているかもしれませんが、それだけではないようです。歌を歌うときに「ブレス」(息継ぎ)がうまくできないと声が続かなかったり、リズムに乗り遅れてしまったりしますが、喋りにおいても瞬間的に息を吸う「ブレス」は重要です。
 腹式呼吸を意識的に練習している人は、「胸式呼吸」をおろそかにする傾向があるようです。腹式呼吸の要である横隔膜やお腹のことばかりを重要視している人が多いようです。
 「腹式呼吸」とか「丹田呼吸」など、呼吸法を実践しているときにはそれで良いかもしれませんが、一般的な日常生活では胸郭(肋骨)を動かして息を入れる胸式呼吸も併用しないと息苦しくなってしまいます。

 私たちが呼吸をして、空気を出し入れしている肺にはほとんど筋肉がありません。ですから、肋骨を動かして胸郭を広げ、横隔膜を下げることによって肺を膨らませるのが吸気の動作であり、反対の動きをして息を吐いているのが呼気の動作の実際です。
 したがって、肋骨を動かす筋肉(外肋間筋と内肋間筋など)と胸郭を引き上げる筋肉(斜角筋と胸鎖乳突筋など)、胸郭を引き下げる筋肉(腹筋群)の状態が芳しくないと胸式呼吸がうまくできなくなってしまいます。



 「ブレス」は一瞬のうちに空気を肺に取り入れる動作ですが、それは胸式呼吸です。そして要になるのは肋骨を上下させる肋間筋(外肋間筋の収縮、内肋間筋の弛緩)と胸郭や鎖骨を引き上げる働きをする斜角筋と胸鎖乳突筋です。その他にも肩甲骨を引き上げる筋肉や胸の筋肉(大胸筋と小胸筋)も快適な状態に保っておく必要があります。

 内肋間筋(呼気の時に肋骨を下に向けて胸郭を下げる働きをする)がこわばっていて肋骨が持ち上がらないために瞬間的な息継ぎが苦手な人がいます。時間を掛けて、あるいは大げさな動作で空気を吸い込むことはできるのですが、瞬間的に鼻から「フッ」と息を入れることができません。できないのを無理してやろうとしますと、背中の筋肉を使って肋骨を持ち上げようとしますので背骨を反るような動作になり、緊張感が現れます。
 カラオケなどでテンポの速い曲を歌うのが苦手なのは瞬間的な胸式呼吸ができないので「ブレスが間に合わないから」という理由かもしれません。

 さて、息を長く吐くことができなくて言葉が続けられない人や言葉尻が聞き取りにくい人の対処法として次の練習を薦めています。
 まず呼吸は、吐くことから始めます。長く吐き出すことができない人は心理的にか、たくさん空気を吸い込んでからゆっくり吐こうとします。しかし、日常生活で言葉を話すときはこのような順番にはなりません。ですから呼吸を息を吐くことから始める練習をしていただきたいと思います。
 そして、それに加えて、一息で「あ・い・う・え・お‥‥た・ち・つ・て・と‥‥」と言葉を続ける練習をします。最初はカ行かサ行までしか息が続かないかもしれません。しかし、息が続かなくなるほど吐き出しますと、からだは苦しさのあまり自然と胸やノドを動かして「ブレス」を行います。この無意識の動きが大切です。そして休むことなくすぐにまた「あ・い・う・え・お‥‥」と続けます。これを何回か繰り返しますと、次第に長く言葉を続けることが出来るようになりますし、発声のコツと息継ぎ(ブレス)を会得することができるようになると思います。

 噛み合わせ、噛み方、喋り方、滑舌、舌の位置と動き、これらは関連性があって繋がっています。ですから、それぞれを単独で修正することは合理的な方法だとは思えません。
 噛み合わせを直すために歯科クリニック、滑舌をよくするための舌のトレーニング、喋り方を直すための練習、舌の位置を意図的に良いところに保持する練習、それらを単独で行ったところで、効果はそれほど期待できないと思います。それよりも変な癖がついたりして、かえってマイナスに働いてしまうかもしれません。

 インターネットなどでは、手軽に「自分でできる○○トレーニング」などの情報を得ることができるようです。しかし、実際に実践する際は慎重に行っていただきたいと思っています。

 過去に眼輪筋を鍛えるトレーニングをやり過ぎたせいで眼輪筋がこわばり、眼の下のシワが目立つようになった人もいました。
 舌に負担をかける練習をしすぎて思わぬ不調を抱えてしまった人もいます。
 また、自己流で顔をいじり、トラブルを抱えてしまった人はたくさんいます。


 今回取り上げました、噛み合わせ、喋り、滑舌、舌などの不調や不快感は生活する上で非常に気になるところですから、何とか快適に保ちたいところです。
 ところが、先ほども申しましたが、これらのそれぞれは密接に関係し合っていてますので、どれか一つだけを調整すれば問題が解決するというものではありません。
 これらの問題を“一繋がりの症状”として考え、対応することのできる専門家に相談されることをお勧めします。
 「噛み合わせを調整するためには歯を削ることが一番」と考えている歯科医は避けた方が宜しいかと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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(過去に投稿した記事を修正・加筆したものです)

 歯ぎしり、噛みしめ、食いしばりが癖になりますと、からだに悪い影響を与えます。肩こり、首の痛み、頭痛といった直接的な症状を招く可能性が高まるだけでなく、顔やからだに歪みをもたらしますので、肩関節、股関節、膝関節などに不具合が生じる可能性もあります。胸郭が歪みますと呼吸が悪くなったり、動悸や胸の圧迫感、のどの詰まり感といった症状をもたらすことがありますが、その原因は“噛みしめ癖”だったということもよくあることです。
 テレビやいろいろな媒体を通じて「普段は奥歯を合わせないようにしましょう」「噛みしめないように常に注意を払いましょう」みたいな情報は多くの人にも届いていると思いますが、それだけではまったく不十分で、解決には至らないと私は常々思っています。
 寝ている間に行ってしまう噛みしめや歯ぎしりは“注意のしようがない”ですし、歯科医師はマウスピースで対策することを奨励されているようですが、確かに歯や歯茎は守られますが、歯ぎしりや噛みしめの癖が改善されるわけではありません。たとえば、顎関節の不具合をマウスピースで対処しようとする試みの道理が私には理解できません。反対に、マウスピースの厚さの分、顎が開いた状態になりますので、口呼吸の可能性がでてきますし、噛みしめる筋肉(=そしゃく筋)には余計に力が入ってしまうのではないかと思えてしまいます。


噛みしめてしまう理由を2つの面で考える

 精神的に緊張状態になりますと自律神経の交感神経が優位な状態になります。イライラ、心配、不安、恐れなども交感神経を優位にしてしまう原因になりますが、このような状態の時には、無意識下に噛みしめてしまったり食いしばってしまったりすることは誰もが経験されていることだと思います。ですから「精神的な要因で噛みしめてしまう」という現実は存在しますが、精神面は私の専門外ですので、ここでは肉体面を中心に噛みしめてしまう理由について考えてみます。

①エネルギーや血液の循環が悪い可能性

 私たちは馬鹿力を出そうとするとき、歯を食いしばって最大限の力を発揮しようとします。それは噛みしめる筋肉(=そしゃく筋)が全身筋肉の司令塔のような役割をしているからです。先ずそしゃく筋を収縮させることによって全身に力(エネルギー)が伝わります。ポカンと口を開いたままでは強い力を発揮することはできません。
 また、例えば鉄棒にぶら下がったとして、最初のうち、手や腕などが疲労していない間は歯を食いしばることもなく平然と鉄棒を握り続けることができます。ところが手や腕が疲労してきますと口元に力が入り出し、いよいよそれだけでは耐えきれなくなりますと歯を強く食いしばって頑張ろうとします。
 この二つの状況の時、つまり一つはエネルギーをたくさん回して強い力を発揮しようとする時、もう一つは筋肉が疲労状態になり、そのままでは負荷にからだが負けてしまうような時、私たちは食いしばったり、噛みしめたり、歯ぎしりをするのかもしれません。

 このように考えますと、からだから力を抜いた状態(リラックス状態)では体内エネルギーが順調に回らないので“噛みしめてエネルギーを回そうとしている可能性がある”と考えることができます。あるいは、眠っている時には血液循環が不良な状態になってしまい内臓の働きを保つことができないので、歯ぎしりをして頑張っているのかもしれない”と考えることもできます。

 血液循環について考えてみます。昼間(活動時)は交感神経が優位になって心臓の働きが活発化しますが、心臓はそのポンプ力(=血圧の力)で動脈血を回していますので、肩関節や股関節などが多少歪んでいても血液を循環させることができます。しかし夜中(睡眠時)は、心臓は休養時間となって機能を低下させますので血圧も低下します。睡眠時は副交感神経が優位になって内臓の働きが活発になります。血液は小腸に集まって、その日に摂取した食物からの栄養を血液の中に吸収しますが、小腸に血液を集める力は心臓のポンプ力よりはるかに小さいですから、肩関節や股関節に歪みがありますと全身の循環が上手くできなくなってしまうと考えることができます。そうなりますと消化・吸収・栄養という私たちの生命を維持するための内臓の働きが悪くなってしまいますので、無意識に歯ぎしりをしたり、噛みしめたりして力を伝え、血液循環やエネルギー循環を高めようとしているのではないかと私は考えています。
 実際のところ、歯ぎしりの悩みを持っている人には、股関節に歪みや問題を抱えた人が多くいます。四十肩や五十肩の経験者で、肩関節をしっかり改善することなく中途半端な状態にしている人などには、噛みしめ癖を持った人が多くいます。

 また循環の問題では“冷え”も考えなければなりません。寒いところに長時間いますと、からだがとても冷たくなって血液循環が低下しますが、やがてからだが震えだしたり、顎がカタカタしたりします。これは熱をつくるためにからだが勝手に起こす反応ですが、歯ぎしりの原理にも通じるように思います。

②筋連動の影響や骨格の歪みで噛みしめ状態になっている

 筋肉が硬くなっている場合、それは“肩こり”などと同じように単純に凝り固まっている場合と、筋肉自体が収縮していて硬くなっている場合があります。単純に凝り固まっている場合は揉みほぐしたり指圧したりしますと初めのうちは強く痛みを感じますが、次第に気持ち良さが感じられるようになります。いわゆる「痛キモ」状態です。ところが筋肉が収縮してこわばっている場合は、軽く触れただけでも痛みを感じたり、引き伸ばそうとしますと辛い痛みだけを感じ「痛キモ」の感じにはなりません。

 単に噛みしめや歯ぎしりの癖によって顎周辺がガチガチに硬くなっている場合は、筋肉の使いすぎによる硬さ(硬結)ですから持続的指圧などで硬さは次第にほぐれていきます。
 一方、筋肉(そしゃく筋)が収縮状態にあって硬くなっている場合は、収縮している原因を解決しなければなりません。それをせずに硬い部分を強く指圧して無理やり柔らかくしようとしますと強い痛みを感じ続けますし、筋肉を傷めてしまう可能性もあります。

 歯ぎしり、噛みしめ、食いしばりに直接関係しているそしゃく筋は、胸鎖乳突筋、斜角筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋など首周りの筋肉と連動関係にありますので、それらの筋肉の状態によってこわばったり(収縮)、ゆるんだり(弛緩)します。骨格の歪みは首回りの筋肉に変調をもたらし、その影響で連動するそしゃく筋がこわばって噛みしめ状態になってしまうことがあります。

 また、肩や胸の骨格が歪んでいますと、それだけで本人の意志には関係なく「噛みしめた状態になってしまう」という現象が起こります。
 例えば胸(胸郭)や鎖骨が本来の位置よりも下がりますと、首の筋肉や筋膜が下顎を下に引っ張るようになります。下顎が下に引っ張られる状況は、”口が開いてしまう力”が掛かり続けているということです。するとからだは、無意識にその力に対抗しようとして、そしゃく筋など口を閉じる筋肉に力を入れて収縮力を高め、口を閉じた状態を保とうとします。運動会の綱引きで、相手に引っ張られると均衡を保つためにこちらも力を増して引っ張るようになるのと同じ原理です。
 この原理を胸や鎖骨が慢性的に下がっている人に当てはめますと、そしゃく筋は本人の意志に関係なく慢性的に収縮している状態になってしまうということです。そして、この状態は即ち、噛みしめた状態になっているということです。このような場合に噛みしめ状態を解決するためには、そしゃく筋をほぐしてゆるめることではなく、下顎が引っ張られている状況を解決することが必要なことです。

 ほとんどの人は、奥歯が噛み合っていなければ「噛みしめていない」と考えています。しかし実際には、歯がくっついていなくても筋肉的に“噛みしめ状態”は存在します。そしゃく筋が常に収縮して緊張している状態です。そしてこのような状態の人に施術を行い、そしゃく筋が緊張状態から解放されていきますと「顎がゆるんで下顎がだんだん離れていく」という驚きに近い感想をいただきます。意志に関係なく顎が動いてゆるんでいくからです。

 以上記しましたとおり、“噛みしめ”に対して施術を行う時には、噛みしめの原因がエネルギー循環にあるのか、それとも筋連動や骨格の歪みの影響によるものなのかを識別しなければなりません。

 実際の施術では、一つの噛みしめ状態を解除するために、からだから得た情報を元に幾つかのアプローチを行っていきます。そして、その人が噛みしめてしまう原因を特定していき、日常生活での注意事項としてアドバイスしています。
 噛みしめてしまう原因は人それぞれですが、多くの人に共通して見受けられるものもありますので、以下に幾つか取りあげてみます。

筋連動による噛みしめ状態の例

・親指の先のこわばりが影響して噛みしめ状態になる

 その若い男性は学生の頃、毎日毎日勉強ばかりしていたということです。顎周辺の問題と座り続けることができないという問題を抱えています。顎周辺の問題はそしゃく筋のこわばりによる噛みしめ状態です。座り続けることができない問題は骨盤(特に仙骨)を立てることができないので、骨盤に体重を乗せることができないからです。座っていてもすぐに寝そべった状態になってしまいます。
 勉強を続けていたことで、ペンを使い続けていたことと、腋の下を開き続けていた(=両肘を上げた状態)ことが連想できました。筆圧も高いので親指と示指に力が入ってしまう癖を持っていることもわかりました。

 この人の問題を改善する要は、右手親指先の強いこわばりを取ることでした。学生時代何年も親指に力を入れていたことから、爪の横から母指球にかけて根深いこわばりがあり、それによって肩甲骨が影響を受け、右のそしゃく筋にこわばりが生じていました。施術で母指のこわばりを解消していきますと、顎が次第にゆるんでいきました。顎の問題はそれだけでほとんど良くなりました。さらに骨盤も立つようになり、座り続けることが可能になりました。

 スマホ操作などで親指の先を酷使している人はたくさんいます。それが噛みしめの原因、顎関節症の原因になっている可能性も考えられます。右手母指をたくさん使ってスマホを操作している人で、顔の右側が左に比べて縮んでいたり下がっていたりしていると感じているなら、それは母指先のこわばりが原因かもしれません。

・胸が下がっているために噛みしめ状態になっている

 バストの位置が下がったように感じている人は「加齢のせい?」と考えているかもしれませんが、多くの場合、実際に胸郭、つまり肋骨全体が下がって骨盤に近づいているからです。その原因についてはここでは取り上げませんが、胸が下がった結果として首の筋肉が緊張します。するとそれはそしゃく筋に連動し、自ずと噛みしめ状態を招いてしまいます。その他にも喉の調子が悪くなったり、舌も硬くなりますので滑舌が悪くなったり、息苦しさを感じ続けたりするかもしれません。
 この問題を解決するためには胸郭を正しい位置に戻すことが必要ですが、それは腹筋の状態(縮んでいる)を改善することがポイントになります。お腹が冷えていると腹筋が縮んで胸が下がってしまうことはよくあることですが、それ以外では足や足底の問題が原因になっている場合が多くあります。硬く平なコンクリートのなど上を歩いている現代人は、足や足底が柔軟性を失いこわばってしまう傾向にあります。そのこわばりが腹筋のこわばりにつながり胸を下げ噛みしめ状態や舌の硬さをもたらしている可能性があります。足首を柔らかく動かしたり、足底や足趾を揉みほぐしたり、硬くなっている踵の両側を揉みほぐしたりすることは対策として有効です。

・膝下の骨がずれていることによる噛みしめ状態

 欧米人に比べますとO脚だったり、O脚気味だったりする割合が高いのが私たち日本人の体型ですが、それが膝下の骨(脛骨と腓骨)の外側へのずれによるものだとしますと、いろいろと問題が生じてきます。

 膝下の骨が外側にずれる理由はいくつかありますが、一番多いのは太股外側の筋肉が緊張(収縮)して膝下の骨を外側に引っ張っていることです。立った時に足の小趾側に体重が掛かってしまう人(重心が外側に逃げてしまう人)は、この傾向にあります。膝下が外側にずれますと太股内側の筋肉は緊張して張ります。(途中の原理は省略しますが)すると結果的にそしゃく筋は収縮します。顔の表情にも緊張感が生じると思います。
 また膝下の骨は外側だけでなく後側(踵側)にずれることもよくありますが、すると股関節の働きや鼡径部の血流にも影響が生じ、エネルギー循環の問題から噛みしめや歯ぎしりの問題を生じてしまうことも考えられます。
 階段をゆっくり降りることが苦手な人(パタッと足を着いてしまう人)、正座した状態から立ち上がるのが苦手な人、「膝小僧が目立つ」と感じている人は膝下が後方にずれているかもしれません。

 以上の項目以外にもそしゃく筋がこわばってしまう原因はありますが、最近目立つのは以上の3項目です。


 「たかが噛みしめや歯ぎしりくらいで‥‥」と思われる方はたくさんいらっしゃると思います。私もかつてはそう思っていました。ところが、からだを整えることを追求していますと、どうしても噛み方や噛みしめや歯ぎしりの問題と、歩き方の問題は解決しなければならないことであると思うようになりました。
 しかしながら現実的な施術では、時間的制約もありまして、十分に満足するまでやりきれない場合がほとんどです。歯や歯茎や顎周辺などそしゃくに関係することと、“歩くこと”は私たちのからだをしっかりしたものに保つための核心です。そのことを多くの人に認識していただきたいと常々思っております。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 「整体」と「噛み合わせ」とは関連性のない、違うジャンルのものであると認識している人がほとんどだと思います。「噛み合わせは」歯科や口腔科の領域であると一般には考えられていますし、噛み合わせの矯正には歯を削ったり、マウスピースを装着したり、場合によっては歯列矯正が必要になるというイメージを持たれているかもしれません。
 しかし、噛み合わせで悩んでいたり、違和感や不快感を感じ続けている人たちの話をうかがいますと、これらの手段を駆使しても問題は解決されないとのことです。
 そして噛み合わせのことが気になりだしますと、その調整の為に歯をどんどん削ることになり、不安を感じつつも深みにはまっていくような、そんな感じになっていくと仰った人もいました。

 「そしゃく」は哺乳動物である私たちにとって非常に重要です。そしゃくすることが心地良いのであれば、自然と私たちはそしゃくを増やすようになりますが、そしゃくすることに違和感や不快感を感じたり、疲労を感じるようであれば、自然とそしゃくをおろそかにして食物をすぐに呑み込んでしまうことになってしまいます。それは食物の消化という意味でも良くないことですが、それ以外にそしゃく筋がたるんでしまうと意味でも良くないことです。(そしゃく筋は全身筋肉の司令塔のような役割)
 ですから、そしゃくを心地良いものにするために、噛み合わせの問題を解決することはとても重要なことであると言えます。

 噛み合わせに関しましては、歯科や口腔科が専門とする「歯」と「歯茎」などの状態は重要です。しかし、それだけでは不十分で、「顎関節」の状態がとても重要です。噛み合わせの問題に取り組むときに顎関節の問題を外していろいろ調整してみたところで、根本的な解決には結びつきません。
 顎関節のバランスが悪く、上の歯列のある上顎骨と下の歯列のある下顎骨が歪んだ関係にあるなら、いかに歯や歯列を修正したところで、噛み合わせが合って、心地良くそしゃくできる状態になるとは考えることができません。顎関節が歪みなく正しく機能できる状態になっており、その上で、さらに歯列や歯の状態も良好であるとき、心地良いそしゃくが達成できるのだと、私はそう考えています。
 また、顎関節の状態を重要視されている歯科や口腔科の医師がかなり多くいらっしゃることは知っています。そして、いろいろな研究をされていらっしゃるのだろうと思います。そのような書籍も拝見したことがあります。しかしながら、歯科や口腔科の専門範囲内だけでの対応では、やはり限界があり、結果的に不十分な対応になってしまうと言わざるを得ません。

噛み合わせ(顎関節)は背側と腹側の接点


 私たちのからだは大きく背側と腹側に分かれています。そして構造的に上顎は背側であり、下顎は腹側です。ですから顎関節を修正するときには、「からだの背側と腹側」という観点を外して考えることはできません。単に上顎(側頭骨)と下顎のことだけにスポット当てて、部分に切り分けて対応しようとしますと、全然違った方向に答えを求めてしまうことになってしまいます。
 (例えば顎関節の開きが片側だけ悪いのは「咬筋が硬くなって伸びないからだ」と判断して、咬筋を伸ばすための対処として筋肉弛緩剤(ボトックスなど)を投与して解決したり、奥歯にゲタを履かせて強制的に咬筋を伸ばそうとしたりする等)

 具体的な例を一つ取り上げてみます。
 右腕を使い過ぎたり、他の理由で右の肩甲骨が外側にずれてしまうことがあります。すると肩甲骨から後頭部や頚椎に繋がっています僧帽筋や肩甲挙筋が引っ張られた状態になりますが、それによって後頭骨が捻れます。そして後頭骨の捻れは前頭骨、上顎骨へをつながり、上顎の捻れとともに上の歯列に歪みをもたらします。(上顎が左側に捻れる)

 また腹側では、右肩甲骨が外側にずれるのに合わせて右鎖骨が外側にずれますが、それによって首前面の筋肉が変調起こし、喉や舌骨が右側にずれます。舌骨から下顎骨には舌骨上筋群がつながっていますので、舌骨が右側にずれることによって下顎骨も右側に捻れますが、それは下の歯列を右方向に歪ますことになります。

 このようにして、肩甲骨が右側にずれたことによって上の歯列は左方向に、下の歯列は右方向に歪みますので噛み合わせが合わない状態が生じます。
 それでも、からだが健康な状態であり、筋肉の働きなども良い状態であれば、からだは自己修正する力を発揮して、肩甲骨の歪みが頭部の歪みにつながらないように何処かで調整し、噛み合わせへの影響が少ないように調整してくれると思います。ところが疲労が溜まってしまったり、体力が落ちたりして筋肉の能力が今一つ発揮できない状態になりしますと、自己修正能力を発揮することができず、肩甲骨の歪みがダイレクトに顎関節の歪みにつながってしまいます。
 このような場合、根本的な解決策は右手や右腕の疲労を回復させて筋肉の状態を整えることです。そうすることで肩甲骨の位置が本来の位置に戻り、頭部の歪みが解消されて顎関節および噛み合わせの不具合が改善されます。ですから、例えば顎関節周辺や頭部をいろいろいじってみたり、あるいは右の僧帽筋の張りがゆるむようにマッサージなどしてみても効果は期待できません。「効果があった」と感じたとしましても、極めて一時的なものでしかありません。肩甲骨の位置が本来の位置に戻らなければ何をやっても無駄になってしまうと私は思っています。

 以上は、非常に単純なものの例ですが、実際にはもっと多くの要因が絡み合って顎関節の不調や噛み合わせの不具合をもたらせています。ですから、顎関節を整え噛み合わせを整えるためには、からだ全体を細かくチェックして、全身の歪みを改善する作業が必要となります。

 顎関節は背側と腹側の接点であると申しましたが、それは陰と陽の接点であり、からだの陰陽のバランスとも関係しますので、単に「噛み合わせの問題」だけではありません。
 からだの腹側(陰)と背側(陽)のバランスが良ければ噛み合わせのバランスも良くなりますし、反対に噛み合わせのバランスが良くなれば、からだの陰陽のバランスが良くなると考えることもできます。
 ですから噛み合わせは「からだのバランス」という面でも、「重要事項である」と言うことができます。

噛み合わせを整えると、噛むことが心地良くなる

 口の中に何も物を入れない状態で、上下の歯をコツコツと音を立てるように噛み合わせの動作をしたときに、噛み合わせが良い状態であれば音が一つとなって心地良く響くと思います。そして奥歯が適度に刺激され心地良い感じがすると思います。どちらかの奥歯が浮いていたり、ずれていたりしていますとしっかり噛むことができませんので、心地よさは感じられないと思います。音もなんとなく一つではなく二つに聞こえたりします。この状態で長い時間(30秒程度)カチカチしていると疲れてきて不快感を感じるかもしれません。
 これは噛み合わせのことだけでなく全身の筋肉がそうなのですが、バランスが整っていますと筋肉を使うことは心地良いことと感じ、バランスが崩れていますと筋肉を使うことは不快であり、疲れやすいと感じてしまいます。
 私たち人間(哺乳動物)は噛むことと歩くことが健康を保つ上での基本ですが、「噛みたくない」「歩きたくない」と思っている人も少なからずいます。もしからしたらそのような人達は、噛むことに疲れや不快感を感じる状態であったり、歩くことに対して「なにが心地良いのかわからない」と感じてしまう状態であったりするのかもしれません。

 ここで話題がガラッと変わりますが、誕生したばかりの赤ちゃんは、まだ目もまったく見えないのに必死になって母親の乳房をまさぐり、乳首に食らいついて満足するまで一心不乱におっぱいを吸い続けます。この光景は私たち人間だけでなく、犬の赤ちゃんも同様です。それ故に哺乳動物と呼ばれるわけですが、乳を吸うときに働かせる筋肉は舌と頬の筋肉とそしゃく筋です。つまり哺乳動物の最初の動作はそしゃくであって、唇と頬と舌とそしゃく筋を巧みに使いこなす運動が私たちの原点であり、基礎であると言うことができます。ですから、「そしゃく」は本来心地良いものであるはずなのです。
 私たちは毎日食事を摂っていますが、その目的が栄養補給だけであるならば、カロリーメイトや飲む食品やサプリメントの類があれば事足ります。なにもそしゃく筋や舌をたくさん動かしてまで噛む必要はありません。ところが、実際は、私たちのほとんどは食事を好んでいます。それは美味を味わいたいという欲求や空腹を満たしたいという欲求を満たすという目的もありますが、無意識下で、そしゃくをしたいという根源的な欲求があるからなのかもしれません。「そしゃく」は本来心地良いものであることを私たちは潜在意識で知っているのだろうと思います。
 そう考えますと、そしゃくが思うようにできない状態‥‥歯が悪かったり、顎関節が痛かったり、噛み合わせが不調だったりする状態では根源的な欲求を満たすことができませんので、精神的に落ち着かなくなったり、心が晴れない心境になってしまうかもしれません。

・少しの歪みはそしゃくを繰り返すことで改善することもある
 そしゃくが私たちの根源的な動作・運動であるならば、そしゃくすることで私たちは「バランスを取り戻し、活力を回復することができる」という理屈になります。
 そして実際、そしゃく筋を使ってよく噛むことは、全身の筋肉を活性化し、からだに活力を取り戻します。

 ところで、虫歯の治療をして冠をかぶせたりしますと高さ調整を行っても、なんとなく噛み合わせが合っていないように感じたりします。ところが、その状態で何日か過ごしていますと、当初感じていた違和感は消失していることがあります。そしゃくを繰り返すことによって、歯や歯茎が少し動いて違和感の無い状態になったのだと思います。
 歯科の先生はよくご存じだと思いますが、歯はある程度自由に動いてくれます。インプラントは顎の骨にねじ込んでしまいますので全く動くことができませんが、普通の歯は直に顎の骨に繋がっているわけではありませんので、動いてくれます。
 このことは、多少顎関節が歪んでいたとしても、歯列はその歪みを補って噛み合わせを調整してくれる可能性があることを暗示しています。ですから、歯科治療によって歯の高さや傾きに多少の違いが生じたとしても「噛んでいるうちになんとなく揃ってしまう」という状態になるのだろうと思います。
 ところが、噛まないとこのような調整能力は働きません。時々見かけますが、歯のことに過剰に神経質になってしまい、治療によって生じた多少の違いがとても気になっている人は、そしゃくをしっかりすることよりも歯を調整することばかりに気がいってしまうために、心理的に不安定な状態になってしまいます。そして必要以上に歯の調整を要求するために、歯を削ってばかりの状況に陥ってしまい益々マイナスの方向に進んでしまったりします。歯を削りすぎて歯列の高さが低くなりますと、本来よりも深く噛まないと噛み合わない状態になってしまいますが、そうなりますと、また別の問題が発生する可能性があります。
 今現在、歯の高さや噛み合わせのことが気になっていらっしゃる方は、ご自分の状態を今一度省みていただき、神経質になっているようであれば、まずそしゃくをしっかりすることを試みていただきたいと思います。ご飯を一口30回、じっくり、しっかり噛んでみてください。そして、それを何日か続けてみてください。そうすることで、からだの歪みも調整されますし、筋肉の働きも改善されて活力が出てくると思います。精神的にも「落ち着き」が戻ってくるのではないでしょうか。そしゃくには、そういう力があるのだろうと思います。

噛み合わせを修正するために

 噛み合わせが多少狂っていたとしても、そしゃくをしっかり行っていますと違和感や不具合感は緩和されると思います。それは、そしゃくを繰り返すことで調整力が働き、バランスが整ってくるからだと思います。しかし、噛み合わせが大きく狂っていたり、不具合が頑固になっているようであれば、やはり積極的に顎関節と噛み合わせの修正を行う必要があります。
 そして、その場合、歯科に行かれるよりも先に、顎関節を整えることを優先させた方が良いと私は考えます。
 顎関節が歪んだ状態で歯や歯列をいじって噛み合わせを調整した場合、顎関節を後から調整しますと、せっかく調整した噛み合わせの歯列が合わなくなってしまいます。あるいは、歯や歯列のみの調整だけで顎関節を修正を行わなかった場合は、顎関節が歪んだままですから“心地良いそしゃく”は達成できません。噛み合わせを調整することになった、元々の動機と目的を満たすことができないのではないかと思います。

 冒頭に、「整体」と「噛み合わせ」は違うジャンルのものであると認識されている、と申し上げましたが、「整体的観点」も重要です。歯科・口腔科的調整と整体的調整の両輪があって、噛み合わせの調整は順調に進むのだと思います。

 

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(この記事は過去に投稿したものを修正加筆したものです)

 顎関節の調子が悪い状態にはいろいろあります。
 ①口を大きく開けることができない。
 ②シャリシャリ音がする。
 ③口を開閉するとき下顎がゆれる。あるいは顎がカクンカクンする。
 ④ものを噛むと顎が痛む。
といったところが多いでしょうか。

顎関節


顎関節の構造
 顎関節は耳のある側頭骨と下顎骨をつなぐものですが、頭蓋骨全体を考えますと下顎骨だけが他の頭蓋骨にぶら下がった構造になっています。そして顎関節の動きは、上部の頭蓋骨と下顎骨を結ぶそしゃく筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)の働きに多くを依存しています。ですから、顎関節の調子が悪いときに、まず確認するのはこれらそしゃく筋になります。
 ところが、顎関節を整える上で見逃せないのは下顎骨の下にある筋肉(舌骨上筋群・舌骨下筋群)や筋膜の状態です。
 そしゃく筋を収縮させることで下顎が上に引きつけられ口が閉じます。しかしこの時同時に舌骨上筋群が伸びて(ゆるんで)口が閉じることに協力する必要があります。
 反対に口を開ける(下顎が下に動く)ときは、そしゃく筋がゆるんで舌骨上筋群や舌骨下筋群が収縮します。このように顎関節の動きはそしゃく筋と舌骨上筋群・舌骨下筋群の働きや状態に影響されますので、顎関節の不具合を修正する場合はそしゃく筋と舌骨上筋群・舌骨下筋群の両側の状態を確認して施術しなければなりません。

下顎を引き上げる筋肉

そしゃく筋のこわばりが強い影響を与える
 顎関節に不具合を持った人に共通するのは、そしゃく筋に強いこわばり(収縮したまま伸びない部分)があることです。耳穴のすぐ前方に顎関節が有り、その前方の骨(頬骨弓)の下方から下顎のエラにかけて咬筋がありますが、顎関節症に人はこの筋肉がとても硬くなっていて骨と勘違いしてしまうほどになっていると思います。この部分を強めに指圧しますと強い痛みを感じると思います。
 口を開けるとき、その筋肉が伸びなければならないのですが、あまりにも強くこわばっていて伸びることができないと口が開かない状態になってしまいます。また左右でこわばり方に差がありますと筋肉の伸び方に差が出ますので、口の開け方が歪むようになります。そしてこのような方がたくさんいます。
 このような状態を招く理由のほとんどは、片噛み、噛みしめ、歯ぎしり、食いしばりの癖によるものです。施術を行えばとても楽に口を開けることができるようになりますが、癖を直すことができなければ、また同じように顎関節が開かない状態になってしまいます。
 問題はどうしてそういう癖になってしまったということですが、その理由はいろいろとあります。精神的な面でストレスや緊張など心理的なことは関係すると思います。また肉体的な面では、体の歪みは深く関係します。
 私たちのからだには、何かの力に引っ張られるとその力に負けまいとして自ずと筋肉を収縮させて対抗するという仕組みが備わっています。からだが歪んだり手や腕の筋肉が硬くこわばったりしますと、下顎骨を下方に引っ張る状況が生じることがあります。そうしなりますとそしゃく筋を脱力した状態では口が開いてしまいますので、そうならないように自然とそしゃく筋を軽く収縮させた状態をつくって対抗します。このような状況が一時的であったり短時間であれば特に問題は生じませんが、何日も、何週間も、あるいは慢性的に同じ状況が続きますと、軽い力であるとはいえ、常にそしゃく筋を収縮させることになりますので筋肉が変調してこわばった状態になってしまいます。そして顎関節症を招いてしまいます。
 ですから施術としましては、リラックスした時にはそしゃく筋からすっかり力が抜ける状態になるよう歪みなどを整えることをまず行います。そして次に硬くなっているそしゃく筋をゆるめる施術を行って顎関節の不具合を解消することになります。
 また、ここでは詳細は述べませんが、舌の位置を整えることも重要な項目になります。リラックスした状態での舌の位置が下(下の歯の近く)にありますと、口を閉じた状態を保つためにはそしゃく筋を収縮させ続けなければなりませんし、顎先(オトガイ)の筋肉(口輪筋など)を収縮させて唇を閉じた状態をつくらなければなりません(顎先が梅干しのようになる)。リラックスした状態で舌の位置が上(上の歯のつけ根から口蓋)になっていますと、「顎に力を入れなくても」自然と口は閉じます。そしゃく筋もオトガイの筋肉も使う必要がありません。口元から顎先にかけてスマートな状態で口を閉じ続けることができるようになります(口呼吸にもなりにくい)。

舌骨上筋群や首の筋膜がこわばっている場合
 ‥‥噛むことがかったるくなる

下顎骨を引き下げる筋

 口を閉じるとき舌骨上筋群がゆるんで伸びる必要があるのですが、これが上手くできない状態ですと、口を閉じるときそしゃく筋に必要以上に力を入れなければならなくなります。下顎を上に引き上げるとき下顎の下の方で下に引っ張る力が働いているためです。こういう状態の人は食事で長く噛むと顎に疲れを感じますので、噛まずにすぐ飲み込んでしまったり、硬いものは嫌で柔らかいものばかりを好むようになってしまうようです。
 下顎を下に引っ張る力は舌骨上筋・舌骨下筋群だけでなく、首前面の筋膜も大いに関係します。たとえば胸が下がっている人や腹筋がこわばっている人は首の筋膜が常にお腹の方に下顎を引っ張っていますので、口を閉じている状態を長く続けることすら疲れを感じるようになります。リラックスするとすぐに口が開いてしまう人は、舌骨上筋・舌骨下筋群や首の筋膜がこわばっている可能性が高いです。口が開いてしまうのは“だらしない”のではなく、下の方で引っ張る力が働いていると考えてみてください。こんな状態の時に“口を閉じていよう”と緊張していますと、それだけで口を閉じるそしゃく筋が作動し続けますので、“噛みしめている覚えはないのに”噛みしめた状態と同じになってしまいます。
 また、下方への引っ張り方に左右差がありますと口を閉じる動作に時間差が生じますので“歪んだ口の閉じ方”になってしまうでしょう。この問題で顎関節症になっている人も多くいます。

硬いものを噛むと痛む‥‥噛む力が入りきらない場合と口の中の筋肉に問題がある場合
 筋肉には上記のこわばりとは反対に“ゆるんで収縮できない状態”というのがあります。例えばグッと食いしばるとき、そしゃく筋を強く収縮させるわけですが、筋肉のどこかに上手く働けない(収縮できない)部分がありますと筋肉全体の能力が弱まるだけでなく、縮まないところを縮ませようとするので痛みを感じます。「柔らかいものをふんわり噛むことは平気だが、ちょっと硬いものを噛もうとして力をいれると痛みを感じる。」というのであれば、そしゃく筋にゆるんで働けない部分がある可能性があります。
 そしゃく筋は口の内部にもあって(内側翼突筋と外側翼突筋)、下顎骨を横に動かしたり前に出したりする働きをしていますが、それらの筋肉がこわばっていますと顎を自在に動かすことができなくなります。食べ物をそしゃくする動作は砕く動作以外に“こねる”という複雑な動きもします。物が口の中にない状態で、力を入れて食いしばっても痛くないが、口の中に物をいれて噛み砕いてそしゃくすると痛みを感じるのであれば、これら口の中の筋肉に問題がある可能性も考えられます。

 上記以外の顎関節の不具合、たとえば口を開けるとき左右に大きく揺れてしまうという場合は、肩甲骨との絡みもでてきます。あるいは物を食べていると音がする。口を開け閉めすると音がする。そんな場合は側頭骨をはじめ頭蓋骨全体の歪みを修正する必要もあります。
 実際のところ顎関節症を調整する場合は、口から首周辺の調整ですむ場合もあれば、手先、足先まで含めて体全体を調整しないと上手くいかない場合があります。

 ところで顎関節症を歯科医などに相談するとマウスピースを薦められるようですが、それでは解決しないと私は思います。確かに歯は守られますが、原理的に考えてマウスピースで改善させようとする考え方が理解できません。もしマウスピースによって顎関節症が改善したのだとすると、それはマウスピースがなくても自ずと改善するものだったと私は考えます。
 ほとんどの場合、私はその場で解決します(但し、噛みしめや歯ぎしりなどの癖が直らないために再び顎関節症になってしまう人はいます)。顎関節症を改善するのに数ヶ月もかかってしまうというのはおかしいことだと考えています。

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 今回は短い話題ですが、最近の出来事から参考になればと思い書かせていただきました。

 20歳代前半の女性が「子供の頃から姿勢が悪く、毎晩歯を食いしばっているので改善したい」ということで来店されました。
 私との最初の会話は(いつものことですが)、「子供の頃とは、具体的にはいつですか? 小学生の時ですか? その前ですか?」というところから始まります。そして、時期、この場合は、姿勢が悪くなったと自覚した時期がだいたいわかりますと、次に「その頃に何かケガなどをしましたか? あるいは何かありましたか?」と質問を続けることになります。ところが「子供の頃にケガをした記憶はない」との返事でした。
 初対面で、根掘り葉掘り細かいことを尋ねることに躊躇する心はあるのですが、「姿勢が悪い」といった、私たち専門家からすると“漠然とした訴え”に思えることに対して、施術につなげるヒントを得るためには仕方のないことです。

 背の高い細身の女性で、立位では姿勢が悪いという印象はないのですが、座ると背筋を伸ばし続けることができません。腰が丸まってしまうので、自ずと肩甲骨の部分も丸まってしまい、すっかり猫背になってしまいます。
 パソコン業務や事務仕事などが多い人は猫背になりやすい傾向がありますが、その猫背とは違い、まだまだ若いのに高齢者が背中を丸めてしまうような、力ない猫背です。
 「やはり、からだのどこかがおかしくて猫背になってしまう」と私は感じました。

 私が子供だったときも親に「姿勢良くしなさい」としょっちゅう注意されていましたし、小学生の子供さんも時々来店されますが、男子のほとんどはクネクネしていて姿勢が良いとは言えません。ですから普段の悪い姿勢が定着してしまい猫背になる可能性もありますが、この女性の場合、そうではなく、きっと何かの理由があって姿勢が保てなくなってしまったと感じました。
 それで、更に質問を続けました。「それでは、寝ている時に歯を食いしばってしまう癖になってしまったのは、何かきっかけがありますか?」
 すると小学校5年生の時に「食事で噛んでいたときに顎が外れそうになって‥‥、思い切り口を閉じたら顎がガクッとして‥‥、とても痛かった。それからかなぁ」と仰いました。
 「もしからしたら、これかなぁ」と私は思いまして、ベッドに仰向けになっていただき、しばらく顎関節周辺を施術してみました。
 「顎がガクッとして、とても痛かった」ということから連想できますことは、顎関節にある“関節円板”が傷んだのか、そしゃく筋の“外側翼突筋”が傷んだのか、ということです。
 
外側翼突筋と関節円板

 5分間ほど施術した後、もう一度座っていただきました。すると骨盤が少し立つようになっていて、良い姿勢もなんとなく保てるような感じになっていました。そこで、「原因はこれでほとんど間違いない」と思いまして、その後30分近く顎周辺を施術しました。
 問題があったのは左顎関節でしたが、それが影響して右側のそしゃく筋が強くこわばっていました。しかし、時間の経過とともに右顎が弛みだし、やがて噛みしめ状態は解消されていきました。
 施術が終わって再び座っていただきますと、すっかり姿勢も良くなり、猫背が解消された状態になりました。顎もゆるんで「まずまず」という感じになりました。

 きっと小学校5年生の時から姿勢が悪くなってしまったのだと思います。それから10年以上、親や学校の先生などから姿勢について指摘されたり、注意され続けてきたのではないかと想像できますが、本人も辛かったことでしょう。
 表からは見えない、本人も自覚することができないからだの不具合によって、姿勢を保つにも保てない状態だったわけです。
「どうしたらよいか解らない」、きっとそんな状況で来店されたのだと思います。

 このブログでは、以前から古傷の影響、手術の影響などについて取り上げていますが、そのような影響で現在不調を抱え続けている人もたくさんいると思います。
 何か心当たりのある方がいらっしゃいましたら、是非一度ご来店ください。理由が解って、疑問が晴れるかもしれません。

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