ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

カテゴリ:顔面・頭部 >

 たくさんの“科”に分かれている現在の医学医療の世界でも、耳と鼻はやはり関連性が深いと考えられているのか“耳鼻科”あるいは”耳鼻咽喉科”が今でも一般に馴染みの深い専門医院として認識されています。また、私のつたない施術経験ではありますが、耳の問題は鼻を抜きに考えてはいけないと最近は特に思うようになっています。
 私が子供の頃、プールからでたあと耳に入った水を抜くために首を曲げて頭をトントン叩いたりしましたが、すると何故か鼻から水が出てきたり、あるいは鼻から入ってしまった水が何となく耳の方へ行ってしまうような感覚を経験したことがあります。それによってなんとなく耳と鼻は通じているのかなと経験的に感じたりしました。
 その他にも、小さい子供達は風邪を引いて鼻づまりになったりすると、その後すぐに中耳炎になってしまったり、花粉症で鼻の調子が悪くなると耳の調子も悪くなってしまったりするなど、耳と鼻の関係性が深い現象はいろいろとあります。

 
耳の構造

 飛行機に乗ると上昇中や下降中に耳が詰まったように感じたりしますが、そのときに唾を飲むとそれが解消する(気圧が調整される)のは、耳(中耳)と上咽頭(鼻咽頭腔)が管でつながっているからですが、その管を耳管と呼びます。
 耳管は普段は閉じていますが、唾を飲んだりしますと一時的に解放されて口の中(咽頭)と中耳(鼓室)の間に通路ができて空気が通じますので、鼓室の気圧と口腔内の気圧が同じになります。耳がふさがったように感じたときに唾を飲むとそれが解消されるのは、こういう仕組みによるものです。

鼻骨の下がりと耳管の関係
 先日、「風邪を引いたあと鼻水をすすると鼓膜がペコペコする」という方が来店されました。鼓膜がペコペコするということは、鼻水をすすったときに鼓膜が内側に引っ張られていると考えることができます。つまり普段は閉じているはずの耳管が何らかの理由で少し開いていて、鼻水をすする、つまり咽頭に陰圧をつくる動作で鼓室も連動して陰圧になってしまうからなのかもしれません。
 そのように仮定した上で、耳管に関係する部位を観察していきました。耳の問題ですから、側頭骨やそしゃく筋の状態を確認するところから始めます。そして鼻骨、副鼻腔に関係する頬骨やその周りの筋肉、前頭骨、というように確認していったところ、鼻骨の右側が下がっていましたが、それが怪しいと思いました。その下がっている鼻骨を手で軽く上に押し上げ、鼻水をすする動作をしていただいたところ「ペコペコしない」ということでしたので、鼻骨が下がっていることが原因であることが明らかになりました。そして鼻骨を整えたところ、それで症状は解消され、さらに「耳の聞こえ方が良くなった」となりました。
 つまり本来は通常時閉じているはずの耳管が、鼻骨が下がったことによって少し開いていたため、口や鼻の中の空気の流れが鼓膜の動きに影響を与え、聴力にも影響を与えていたということがわかった一例でした。

鼻骨と耳管
頭蓋前面
頭蓋骨内部側面

 人それぞれの個性により違いはありますが、鼻は顔の真ん中にあってけっこう大きいものです。鼻骨は鼻の大きさにくらべ思いの外小さい骨で、左右二つが一対になっていて前頭骨、上顎骨と関節しています。鼻骨の深部には篩骨、蝶形骨があり、それらを経由して後頭骨につながっています。臨床的には、鼻骨と後頭骨はとても深い関係があり、後頭骨が上がると鼻骨がさがり顔面が下がる、後頭骨が下がると鼻骨が上がり顔面も上がる、という現実があります。
 鼻骨は眼鏡を引っかける骨でもありますので、常時眼鏡を使っている人は鼻骨が下がっている可能性が高いです。また、鼻の通りが悪いときは鼻骨が下がっていることが多いという現実もあります。これから花粉症の時期ですが、多くの人の鼻(鼻骨)は下がってしまうのです。このことについては後日触れたいと思います。
 
鼻腔の鼻中隔側面

 さて解剖図を見るかぎり、耳管は咽頭の上部に開口(耳管咽頭口)していますので、鼻全体の構造とは近い関係にありますが鼻骨とは距離があって直接的には関係性がないように感じます。ですから鼻骨の状態が直接的に耳管に影響を与えるということではなく、鼻骨の状態が鼻や咽頭の状態に影響を与え、それによって耳管の働きに影響するという関係なのかもしれません。そのあたりの関連性につきましては学者の研究に委ねることにして、臨床的に大切なポイントは、“鼻骨の状態が悪くなると耳管の働きに影響が出る可能性がある”ということです。
 耳管の働きがおかしくなりますと、耳鳴り、耳の圧迫感、各種難聴、中耳炎などの症状を招く可能性があります。ですから、これらの症状があった場合、側頭骨やそしゃく筋、頚椎などを整えることも重要ですが、鼻骨の状態を整えることも大切なことだと考えています。

 今回来店された方は、とてもシンプルな理由で右側の鼻骨が下がっていました。右足の母趾先に力を入れすぎていたため関連する筋肉がこわばってしまい、右側の腹直筋もこわばり、それによって顔右側の中心部に近いところが下に引っ張られていました。その流れで右側の鼻骨が下がっていたのです。ですから施術は右足母趾先の強いこわばりをゆるめることだけでした。それで鼓膜のペコペコが解消しました。施術時間は10分もかかりませんでしたが、今回のようなことは稀なケースです。
 鼻骨が下がってしまう理由は幾つかありますし、耳管の働きが悪くなる理由も幾つもあります。ですから耳の問題はしばしば時間がかかってしまったりするのですが、耳鼻科に通ってもなかなか症状が改善しないと感じていらっしゃる方は整体的なアプローチも手段の一つであるとアドバイスさせていただきます。

 仕事がら、筋肉や骨格に関する専門知識以外のことは、ある程度浅くてもいいから広く知る必要があります。ところが目・鼻・耳といった感覚器官に関する書籍はとても科学的といいますか、専門的で、なかなかすんなりと頭に入ってきません。
 そんな中、このたびブルーバックス(講談社)から発刊された「驚異の小器官 耳の科学」を見つけました。まだ発刊されて間もないのですが、私にとって読みやすい本でした。
 感覚器官は微妙な働きをするところですから、ちょっとした認識の違いが結果を大きく左右すると言いますか、見立てを謝るとまったく何も改善しない領域です。専門知識のほとんどない私が、これまでの施術経験から見いだしてきた見解が果たして正しいのかどうか、医師や科学者はどのように考えてアプローチしているのか、そんなことが知りたかったのです。


 この本はなかなか解りやすかったです。そして私たちが普通に疑問に思っていることなどに正面から答えを出してくれています。
 耳の病気は小さなお子さんを抱えている人にとっては何よりも”中耳炎”が気になるでしょうし、働き盛りの方々にとっては突発性難聴やめまいなども気になるところです。高齢者にとっては加齢性の難聴、補聴器の選び方が身近な問題としてあると思いますが、それについてもストレートに回答を出してくれています。また耳垢や耳掃除についても詳しく書かれていて、「耳かきで皮膚を傷つけないよう気をつけなければいけない」と言ってきた私の見解が正しいことが解って良かったとも思っています。ただイヤホンの使いすぎに否定的な私は、そのことについても触れてあればいいのにな、と思っていましたが、それはありませんでした。

 ところで本日は、はるばる茨城県より右耳の難聴(音が響く)、右側腰痛、右膝の腫れと痛み、という右半身に三つの症状を抱えた方が来られました。予約は60分コースでしたし、茨城ではまた来ていただくというわけにもいかなし、ともかく時間内にこの3つを何とかしないといけいない、という施術を行いました。
 腰痛と膝の不具合に関しては、頻繁にやっている施術ですからそれほど緊張するようなことはありません。ところが難聴に関しては原因として何が潜んでいるかわかりませんので、本当に心を集中して取り組まなければなりません。それも短時間で結果をださないと申し訳ありませんから。
 そこでこの本を読んで知った知識として、左右同じ音を聞かせても右耳だけ響いて嫌な思いをするのは、”耳管開放症”という病名で、本来閉じているべき耳管が開いてしまっているため、音がそこで共鳴し嫌な響きとなってしまう、ということが頭に浮かんできました。つまり、耳管の働きが悪いということです。それを念頭に施術を行いましたが、結局のところはいつもと同じで、強い噛みしめ癖によって咬筋がガチガチにこわばり耳のある側頭骨が大きくずれているのを修正することでした。15分くらい念入りにこわばりを取っていき、最後に音を鳴らして響かなくなったのを確認して施術を終えました。そして「噛みしめ癖が原因ですから、それに注意してください。 仕事に集中しているときとか、きっと噛みしめているはずですから。」とアドバイスをしました。
 結局、60分で要望されていたことをこなすことができて、私もほっとしました。

 本を読んで得た情報が役に立ちました。私の行ったことは耳鼻科の先生とはまったく違うアプローチでしたが、結果をすぐに出すことができて自分なりに改めて自信につながりました。
 難聴でもさまざまな状況があるということを本から学びました。すべての状況に対して私のやり方で結果が出せるかどうかわかりませんが、今後の施術に役立つ情報を得ることができました。

↑このページのトップヘ