ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 子供の頃から何十年も内股の女性がいます。背中のハリ感と不快感、浅い呼吸と内臓活動の不調という慢性症状に悩まされています。
 お腹の筋肉のことを一般的に、一口に「腹筋」と呼んでいますが、腹筋には四つの筋肉があります。誰もが「腹筋」として認識しているのが腹直筋(ふくちょくきん)ですが、その他に2つの腹斜筋(外腹斜筋と内腹斜筋)、そして最も深部に腹横筋(ふくおうきん)があります。腹横筋は腹圧に深く関係している筋肉ですが、腰腹部のコルセットのような働きをしています。

腹筋_前面


 今回は腹横筋にスポットを当てて、先の女性が悩んでいる背中の硬さやハリ感、浅い呼吸、内臓の不調について考えてみます。

 私が観察したところによれば、腹横筋がこわばるとウエストは少し細くなります。(反対に腹横筋が弛んだ状態ではウエストが太くなります)
 しかし、その反動として胸郭(肋骨)が横に拡がって平たくなります。胸部が広がってウエストが細くなるので、一見するとスタイルが良くなったように見えるかもしれませんが、これまでたくさんの人たちを観察してきた私の目にはそうは見えません。
 胸郭が横方向に拡がって平たくなるのを専門的に云々しますと、背骨から肋骨が離れた状態に歪んでいて不安定な状態であるると言えます。
 このような状態になりますと、肋骨に関係している背中の筋肉(脊柱起立筋の胸最長筋や腸肋筋群)は硬くこわばってしまいますが、それが背中のハリ感として認識されると思います。


脊柱起立筋群と背中の痛み

 また、腹式呼吸にとって非常に大切な横隔膜は肋骨を足場として収縮したり弛緩伸張していますので、肋骨が不安定だと横隔膜の働きも当然悪くなります。そして横隔膜の働きが悪くなりますと、内臓の働きも低下しますので胃腸の働きが悪くなったり、肝臓の働きにも影響が及ぶかもしれません。

横隔膜の圧迫による肝臓と大腸


腹横筋がこわばる理由

 さて、胸郭を本来あるべき状態に近づけるためには、腹横筋のこわばりを解消する必要があるわけですが、腹横筋がこわばる理由について考えなければなりません。
 筋肉の連動関係で言いますと、私の知っている限りでは、眼球を外側に向ける外眼筋と肩甲骨と喉(舌骨)を結ぶマイナーな筋肉である肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)と腹横筋は連動します。
 ですから、たとえばテレビやパソコン画面が右側にある、あるいはパソコンに有力するときに書類が右側にあって右側を見る機会が多い人は、右目のこの外眼筋がこわばります。すると、それに連動して右側の肩甲舌骨筋、右側の腹横筋がこわばります。
 あるいは、何かの理由で舌骨が歪んだり、肩甲骨の位置が歪んだりして肩甲舌骨筋がこわばると同側の腹横筋がこわばります。

 ところで、筋連動の関係以外の理由で腹横筋がこわばることもあります。

腹横筋のこわばりと胸郭の扁平と足の関係_01


 腹横筋がこわばっている人によく見られる以下のような状態があります。
 まず仙骨を覆う筋膜が硬くこわばっていて、仙骨が腰椎の方に引き付けられている状況があります。仙骨が前傾していると状況に似ていますので「良い状態」と受け取られるかもしれませんが、仙骨と仙腸関節を覆う筋膜が硬くなっているので仙骨は身動きできないような状態であると考えられますし、仙骨下部と尾骨部分が突出している感じなので、「出っ尻」に近い状態です。
 そして仙骨の両側にある骨盤の骨(腸骨)は上方が外側に拡がるようになっていてます。この状況は骨盤下部の坐骨結節が内側に回転するように狭まっていることが原因でもたらされていますが、ここが修正すべき大事なポイントです。。

 坐骨結節が内側に歪んでしまう理由は幾つか考えられます。
 尾骨と坐骨を結んでいる尾骨筋がこわばっている可能性が考えられます。あるいはハムストリングの変調が原因になっている可能性も考えられます。
 しかしながら、上記のような状況のときにはハムストリングの変調による可能性の方が高いようです。

(余談ですが、通常では、仙骨が上方にあがる(前傾する)と骨盤の下部(坐骨結節)が拡がり骨盤全体が前傾します。仙骨が下がると骨盤下部がすぼむように狭くなって骨盤全体も後傾します。ですから、上記のような仙骨が上がりながら骨盤下部が狭くなる状況は「通常ではない」と判断できます。)

半膜様筋が要
 ハムストリングは太ももの裏側にある筋肉群のことで、通常は半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋のことを指します。
 半腱様筋と半膜様筋は坐骨結節と膝裏内側(脛骨)を結んでいます。大腿二頭筋の長頭は坐骨結節と膝裏外側(腓骨)を結んでいます。
 これらの中で坐骨結節の左右の歪みに関係が深いに筋肉は半膜様筋と大腿二頭筋長頭になります。そして坐骨結節が内側に歪む現象は、坐骨結節を外側に引っ張る役割をしている大腿二頭筋長頭が損傷したり、疲弊したりしてゆるんでしまったか、あるいは坐骨結節を内側に引き寄せる働きをする半膜様筋がこわばって縮んでいるかのどちらかが考えられます。

半腱様筋・半膜様筋の変調と坐骨結節の歪み


 私のこれまでの施術経験では、今回の腹横筋のこわばりの原因となっている件としては、半膜様筋のこわばりが原因になっていることが圧倒的に多いです。

 さて、ではどうして半膜様筋がこわばってしまうのか? という問題が次に訪れます。
 膝関節が歪んでいる場合が一つ考えられます。もう一つは筋肉の連動関係によるものが考えられます。

 膝関節の歪みは、またいろいろと原因が考えられますので、今回は筋肉の連動関係による原因について考えてます。

 半膜様筋と連動関係にある筋肉はふくらはぎのヒラメ筋の内側線維と足では母趾MP関節の先の内側の筋膜です。

腹横筋のこわばりと胸郭の扁平と足の関係_02


 極端な例で話しますと、歩くときにちゃんと母趾先を使って地面を蹴っているのではなく、このMP関節先の内側部分を使って母趾を捻るようにして地面を蹴っている状況が目に浮かびます。
 たとえば外反母趾の人は、母趾のMP関節がはみ出しているので母趾が斜めになっています。この状態では正しく母趾を使って歩くことはできません。母趾を回転させて捻らないと地面を蹴ることができません。
 ですから母趾MP関節の先にはタコができて硬くなっていると思います。そしてその硬さがヒラメ筋の内側線維にこわばりをつくり、半膜様筋のこわばりへと連動して坐骨結節を内側に引っ張ってしまうことになります。

外反母趾と内反小趾の骨格


 今回は足の指と骨盤の歪みと腹筋や呼吸のかんけいについて私が真実だと思っていることを記しました。
 「楽に生きる」、「楽なからだになる」、そのためには呼吸が最も大切だと思います。理想的な呼吸状態はそれだけで全身のマッサージ効果になりますしし、宇宙のリズムと呼応しますので、伸びやかになることができます。ヨガや様々な呼吸法は理想的な呼吸状態をもたらすための手段でもありますが、私は整体の施術でそれを実現することもできると考えています。
 今回の話が、皆様の参考になればと思っています。


余談:甲高の人は注意してください

 私はしばしば「踵重心は改善しなければならない」「小趾アーチが沈んだ状態は改善する必要がある」と言っています。なぜならば、これらの人たちは足裏を伸びやかに使うことができないからです。
 本来は、ふくらはぎ(脛骨)と足の関節となっている距骨に体重が乗っていることが望ましい状態です。そうであれば、体重の負荷は足裏で分散されますし、足の指は伸びやかな状態を保つことができます。
 ところが踵に重心が乗ったり、小趾側に重心が乗ったりしますと、立った時に足の筋肉は緊張状態(収縮状態)になってしまいます。平たく言いますと「足の指で踏ん張って立っている」状態です。足の指に力を入れてバランスをとり続けないと立っていられないのです。(この状態に馴れている人は、それが当然なので何とも感じないかもしれません)

 甲高の人は、足をすぼめた状態であると認識した方が良いと思います。もちろん生来の体型的なものによる個別差はあると思いますが、踵や小趾側に重心のある人は平たい足でも足首の先の部分(楔状骨)は高くなっているはずです。

 そして、そのような人は母趾と2趾の間に力を入れるようになってしまいますので、その二つの骨の間を跨ぐようにある母趾内転筋(斜頭)、短母指屈筋、長腓骨筋などがこわばってしまい、からだに悪影響を及ぼします。

 実際のところ甲高の状態を自分で直すことは、セルフケアでは難しいことです。ですから、甲高の人は今回の母趾MP関節の先の部分や母趾と2趾の間の深い部分をツボ押し棒などで刺激してゆるめるようにしてみてください。

 夜の銀座で働いている女性が定期的に来店されています。普段はドレスを着て仕事をいしているとのことですが、冬の寒い時期は着物で接客する方がからだの負担が少ないということで、この時期は着物で仕事をしているとのことです。
 先日プライベートで静岡県の久能山を訪れ、たくさんの階段を登り降りしたとのことです。普段運動をそれほどしていないので筋肉痛が激しかったようですが、その数日後になって副鼻腔が腫れぼったくなり発声することが困難になったということで来店されました。

 来店されたときには声もかすれ、普通に会話することも困難でした。
 状態としては、頬骨のところにある副鼻腔(上顎洞)も眉間のところの副鼻腔(前頭洞)も詰まった状態で腫れぼったくなっていました。病院での診察では副鼻腔の炎症ということで、抗生物質が処方されたようです。

 筋肉は連動する仕組みを持っています。そして副鼻腔にも筋肉連動の影響は及びます。まだ正確に把握しているわけではありませんが、上顎洞は外肋間筋、前頭洞は内肋間筋と関係が深いようです。

四対の副鼻腔


 例えば目の下の頬骨のあたりが硬くなっていたり腫れぼったいようですと、上顎洞の副鼻腔の働きに支障が生じるようです。顔の中心に力が入りやすい癖を持っている人は頬骨が中央に寄り、鼻翼から頬にかけて硬くなっていますが、すると上顎洞の副鼻腔に空気が通らなくなり、そこが詰まったり、炎症が生じる可能性が生じるようです。
 あるいは、眉間に力が入る癖をもっている人は額の副鼻腔である前頭洞に空気が通らなくなり、そこが詰まったり炎症を起こす可能性が考えられます。

 また、外肋間筋は外腹斜筋(上腕二頭筋長頭?三角筋前部線維?外腹斜筋?外側広筋?前脛骨筋という連動)と、内肋間筋は内腹斜筋(上腕筋?内腹斜筋?長内転筋?後脛骨筋という連動)とも関係が深いようです。

肋間筋02

 外肋間筋が収縮すると肋骨を引き上げますので、胸郭は上方に動き胸が広がります。つまり外肋間筋は息を吸う動作に直接関与します。ところで、息を吸うときだけ外肋間筋が収縮するなら問題はないのですが、常に収縮した状態=こわばった状態になっていますと、胸郭が下がらなくなりますので息を吐き出す効率が悪くなります。さらに臨床的に気になるのは、胸郭が上がって広がったまま(胸板が厚くなる)になっていますので、それ以上息を吸い込むことも難しくなります。いわゆる過呼吸状態に近い感じです。
 一方、内肋間筋は収縮することで肋骨を下げますので、胸郭は下方に動き胸郭自体も薄く平たくなります。この作用によって肺から息を吐き出す動作がスムーズにいきます。しかしながら内肋間筋がこわばった状態になっていますと、息を吸う動作をしようとしても胸郭が上がって来ませんので、胸が広がらず息を肺に効率よく入れることが難しくなります。

 私の観察によれば、上顎洞の副鼻腔への通りが悪い状態になっている人は外肋間筋がこわばっている傾向がありますし、前頭洞の副鼻腔の通りが悪い人は内肋間筋がこわばっている傾向があります。ですから、おでこ(前頭洞)にも頬(上顎洞)にも両方とも吸気が通らない人は、外肋間筋も内肋間筋もこわばった状態になっていて、胸郭は固まったようにガチガチの状態になっています。胸郭(肋骨)をマッサージすると嫌な痛みを感じると思いますが、この女性がそのような状態でした。

 さて、このような状態を整体的に解決する方法を考えたときに、外肋間筋と内肋間筋を中心に、それぞれの変調を改善することで対応しようと考えました。

 外肋間筋は「外腹斜筋―外側広筋―前脛骨筋の連動関係」と深い関係がありますので、例えば前脛骨筋がこわばっていますと外肋間筋がこわばってしまう可能性は高いと考えられます。
 そこでヒントになったのが、久能山に行き、たくさんの階段を昇り降りしたことの影響と和装の草履や足袋と前脛骨筋の変調です。下り坂や階段を降りる動作では、中間広筋と外側広筋が酷使されます。登山などで上りはふうふうしながらも心地良く昇れるのに、下山した後で膝がガクガクしてしまう経験をしている人もいるかと思いますが、それは上りと下りでは主に使われる筋肉が異なることと、下りでは「筋肉の粘り」が必要になりますので、太もも筋肉が変調を起こしやすいからです。(中間広筋と外側広筋がかなり変調していましたが、外側広筋の変調は前脛骨筋の変調へとつながります。)
 また、和装の草履の鼻緒はちょうど前脛骨筋の停止に近いところに当たりますので、前脛骨筋が変調を起こす可能性も考えられます。そして案の上、前脛骨筋の停止付近がとてもこわばっていて、揉みほぐすと強い痛みを感じました。


鼻緒と前脛骨筋腱

 痛みはかなり激しかったですが、痛みに耐えていただきながら揉みほぐしていきました。3分程した後には痛みも和らぎましたし、目的であった外肋間筋のこわばりも解消されていきました。鼻の通りも少し良くなり声のかすれも良くなりつつありました。

 次に内肋間筋のこわばりの変調に取り組みました。
 この女性は元々眉間に力を入れてしまう癖を持っていますので、素地として前頭洞の通りが悪く、内肋間筋がこわばりやすい傾向があります。
 それに加え、今回は中間広筋が疲弊状態にあったことの影響が内肋間筋のこわばりを強くしていました。
 久能山に行く前は気にならなかったことで、その時気になっていることに足袋が母趾と2趾の間に「食い込んで痛い」という訴えがありました。
 詳細を省いて結論だけ申しますと、たくさんの階段を降りたことで中間広筋が疲弊状態になっていましたが、それは短母趾伸筋がゆるむという形で連動します。そして、その影響で母趾と2趾の間の筋膜がこわばってしまい、そこに足袋の凹んだ生地が接触するので痛みを発していました。痛いので気になってそこに力が入るようになるので、さらに痛みが強くなるといった状況です。ですから短母趾伸筋のゆるみ過ぎの変調を解消することでこの症状は治まりますが、そのためには中間広筋の状態を回復させることが必要となります。
 そして中間広筋の変調が、結論として眉間~額にかけてのこわばりをもたらしていて前頭洞の通りを悪くしている原因になっていました。
 右足首はこれまで幾度となく捻挫をした経験があるようで、慢性的に短母趾伸筋(中間広筋―恥骨筋等々に連動)の働きが悪い状態なので右側の恥骨の位置も歪んでいて腹筋から喉元の筋肉まで少し変調していますが、それが眉間に力が入ってしまう要因の一つだと思われます。

 今回の整体に対する結論としては、足指や足元の問題が、階段をたくさん昇り降りしたことで胸郭を硬くして副鼻腔の通りに影響をもたらしていたということです。そして一時的な副鼻腔炎となり、喉元まで影響を受けて声が出なくなったしまったという一連の繋がりが考えられます。
 施術が終わりますと、本来の声まですっかり戻ったわけではありませんが、普通に会話ができるようになりました。仕事ができるようになったのでホッとしたようです。

 しばらくホームページを更新していませんでしたが、本日「踵(かかと)の沈みを改善しましょう」という内容をアップしました。


 この数ヶ月、原稿を書き始めると強い眠気に襲われるという状態が続いていまして、なかなか記事を完成することができませんでした。
 本日は、意を決して、いつもに比べて短めの内容ですが、なんとか書き上げることができました。

 皆さんは眠気に襲われませんか? 
 日本のニュースではほとんど出てきませんが、今、世界中が激しい混乱の真っ只中です。洪水は至るところで発生していますし、ブラジルなどでは雪が激しく降ったり、大きな山火事が発生していますし、地震もいたるところで発生しています。
 UFOの目撃情報もたくさんありますし、アメリカの国防総省はUFOの存在を公式に認めました。私たちの地球は大きな変化の中にあるのをとても強く感じますが、皆さんはいかがでしょうか。

 いくつか書き始めている原稿もありますので、今度は相遠くない時期にホームページを更新できると思います。
 とても暑くて天候不順が続いていますが、皆さん、体調管理をしっかしとしてこの時期を無事に乗り越えてください。
 エアコンでお腹を冷やさないように注意してください。


足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 “足つぼ”、”足リフレ”の施術にはエステの施術に近い、あまり痛みを感じないものと、強い痛みを感じる施術があります。テレビ版組などで話題性のために取り上げられるのは、まるで罰ゲームのように強烈な痛みを感じる場面になりますが、実際、足裏や足の指(足趾)には強烈に痛みを感じるポイントがあります。
 今回は足裏で、とても強い痛みを感じる部分についての話題です。と申しましても足の反射区(足裏のツボ)についてではありません。
 普段はまったく気にならないけれど、実は非常に強くこわばっているポイントが足裏の深部にあります。そして、それによってふくらはぎや太股がおかしな状態になっていたり、骨盤が歪むなど体型に影響を及んでいることがあります。また、その影響が手先にまで及んで、ペンの握り方がおかしかったり、筆圧に問題があったり、箸が上手く使えなかったりという問題が生じている場合もあります。

足裏(足底)の一番深い場所

 足裏は地面と接触するばしょですから、とても強靱にできています。筋肉も三層あって、その表層に厚い筋膜(足底腱膜)がありますので、本来は裸足でも生活できるようになっているのだろうと思います。
 
 今回、取り上げますのは足底の最も深くにあります長腓骨筋腱(ちょうひこつきんけん)と前脛骨筋腱(ぜんけいこつきんけん)の関係と、その影響についてです。
 「腱」というのは筋肉が骨に繋がる部分のことですが、手と足の腱は細長くなっていて、人形劇で人形を動かす紐のような役割をしています。つまり、筋肉の本体(筋腹)が伸び縮みすることによって腱を動かしますが、それによって腱の繋がっている骨が動くという仕組みになっています。

 足底の最も深いところには、足趾の奥の骨(中足骨といいます)同士を結び付ける骨間筋(底側骨間筋と背側骨間筋)があります。主な働きは中足骨同士を結び付けることで足の骨格を安定させ、体重の重みなどに負けない足を保つことですが、もちろん足趾を動かす時にも働きます。そしてふくらはぎの長腓骨筋、前脛骨筋、後脛骨筋の腱があります。

 多くの人達に共通する実態としまして、これら前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋と、それらが連動している他の筋肉の変調が、からだの歪みや動作の不具合に繋がっているケースが多くあります。
 一例を簡単に紹介します。

 前脛骨筋は手の親指を曲げる短母指屈筋、長腓骨筋は親指を伸ばすときに使う短母指外転筋、後脛骨筋は親指を閉じる母指内転筋と深い関係にありますので、これらの筋肉が変調をおこしますと、手の親指の働きがおかしくなったり、手の形がおかしくなったりします。そして、ペンや箸の持ち方がおかしい、手や腕を使う時に脇が開いてしまう、腕立て伏せをすると肩に負担が掛かる、息を大きく吸うことができない、股関節で太股が外に出っ張ってしまう、いつも太股やふくらはぎの外側が張っている、O脚になりやすい、靴が外側(小趾側)ばかり減ってしまうなどの症状がもたらされる可能性があります。

長腓骨筋と前脛骨筋の関係

 ここで、とても多く見受けられるケースを例にだして説明させていただきます。
 私のところに来店される人達は、からだの何処かの調子が悪い状態です。そういうこともあってか、多くの人達が踵重心(踵に重心が乗っている)の状態です。ふくらはぎに張りを感じやすい、というのは踵重心の人の特徴でもありますが、O脚やその傾向にある人も踵重心です。

 踵に重心が乗っている人は、そのままでは不安定で後に倒れてしまいますので、下腹を前に出して、反り腰の状態にしてバランスを保つようになります。この状態では、足の指を曲げて「足趾で踏ん張る」立ち方になってしまいますが、それが足底の深い部分に影響をもたらすことになります。足趾を曲げて踏ん張る状態は、必然的に第1背側骨間筋や土踏まずのところに力が入ってしまうのです。
 ちなみに重心の位置が正しい人は、立っていても決して踏ん張る状態にはなりません。

 このような状況が常態化しますと、当然土踏まずの筋肉はこわばることになりますが、最も深いところにあります第1背側骨間筋や長腓骨筋腱の停止部(中足骨付着部)のこわばりは頑固なものになります。すると第一中足骨は内側に捻れた状態なりますが、それによって前脛骨筋腱が引っ張られ、前脛骨筋もこわばった状態になります。
 つまりふくらはぎの外側面にあります長腓骨筋と前脛骨筋の両方がこわばって張った状態になりますので、「常にふくらはぎの外側に張りを感じてうっとうしい」といった心境になってしまいます。
 この状態を解消するためには、第1背側骨間筋や頑固にこわばっている長腓骨筋腱の状態を改善しなければなりません。ですから私は、指圧やその他の手技で念入りにし施術を行うのですが、これがとても強い痛みを伴います。
 施術が痛いのは心苦しいのですが、「かなり痛いですけど‥‥」と前置きしながら、状態が良くなるまで施術を行っています。


 今回取り上げました“足底深部の強いこわばり”は、「雑草の根」に似た存在に喩えられます。つまり、雑草が邪魔だから草刈りをしたところで根が土中に残ったままですと、また同じようにすぐに雑草が生えてきてしまいます。しばらく、あるいは永遠に雑草とお別れしたいのであれば、「根こそぎ」除去しなければなりません。
 足底深部に「芯」のように存在するこわばりが残っていますと、一時的に状態が良くなったとしましても再び同じような症状が現れてしまいます。
 ですから、私はそのような気持ちで施術を行っています。しかし、それまでのからだの使い方の癖が改善されませんと「しばらくするとまた根付いてしまう」という状況になってしまいます。「
 ほとんどの人は、症状が軽くなりますと来店されなくなります。しかし、こんかいのような場合は、使い方の癖」が改善されるまで来店していただきたいと思っています。

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 時々、足を着くと足裏やかかとや小指のライン、親指のラインが痛むという人が来店されます。
 痛む場所や、痛みを出す状況によって原因は異なりますが、今回は“着地すると小指側が痛む”、“歩くと小指側が痛む”ことについ説明させていただきます。

 痛みを出すのはほとんど筋肉の問題です。着地の時は、からだの重みを受け止めるために足のアーチが沈むわけですが、その時に筋肉は伸びるようになります。もし筋肉の中にこわばって伸びることのできない部分(筋線維)がありますと、そこが痛みを発するようになります。
 あるいは着地の時ではなく、歩行時など地面を蹴って前に踏み出そうとするときに痛むのであれば、それは筋肉がうまく働くことのできない状態になっているために、地面を蹴ることができないからです。
 その判別は、体重が掛かっていない状態で痛みを出す部分を指圧するとわかります。指圧で痛むのであれば、それは筋肉のこわばりによるものです。状態がひどくなりますと、そっと触れるだけでも痛みを感じることがあります。
 指圧しても痛くないのであれば、それは筋肉のこわばりによるものではなく、力が入らないために小趾を上手く動かすことができないからだと考えられます。小趾を支え、動かす担当をしている筋肉の働きが悪いので、他の筋肉に負担が掛かっていることが考えられます。

筋肉のこわばりによって着地時に痛みが生じる

 筋肉がこわばってしまう理由はいくつか考えられますが、足の小趾側の筋肉に限定しますと、だいたい二つの理由に絞られます。

①小趾中足骨が不安定な場合

 踵から小趾先にかけて中間のところに第5(小趾)中足骨があります。

 この骨が不安定ですと、そこに付着している筋肉(短小趾屈筋)はこわばってしまいます。骨は筋肉が働くための足場としての役割を担っていますが、骨格が不安定だということは足場が不安定になっているということですので、筋肉はリラックスすることができないで常に緊張状態になってしまいます。

 小趾中足骨が不安定になる理由としましては、ふくらはぎ外側面の筋肉(短腓骨筋、第3腓骨筋)がこわばっていることがまず考えられます。
 また小趾が捻れている場合も小趾中足骨は不安定になります。外反母趾や内反小趾の人は母趾も小趾も基本的に捻れています。足の外側に重心の掛かっている人も小趾が捻れていることが多いです。立ったり歩いたりしたとき、小趾を捻るように使ってしまう可能性が高いからです。
 さらに、足の横アーチが機能していない「開張足」でも小趾中足骨は不安定になります。「だんびろの足」とは、今は言わないのかもしれませんが、力感の乏しいベチャッとした足です。

 開張足を防ぐためには、筋肉としては母趾内転筋(ぼしないてんきん)を良い状態に保っておく必要があります。
 母趾内転筋の働きが悪くなる理由としましては、まず第一に、ヒールの高い靴などによる影響があげられます。ヒールの高い靴を履きますと踵が浮いた状態で着地している状況になりますから、足のMP関節が甲側に曲がった状態で立ち続けることになります。それはMP関節周辺に負担を強いることになりますし、母趾内転筋を伸ばしつづけていることになります。筋肉は伸ばし続けられますと、やがてゆるみきってしまい働きが悪くなってしまいます。つまり、母趾内転筋が疲弊して縮まなくなってしまいますので、足が横に拡がり横アーチが失われてしまいます。

 また、特に高いヒールを履いたこともないのに母趾内転筋の働きが悪くなっている場合もあります。筋肉は「連動する」という大きな特徴をもっていますので、母趾内転筋自体に問題がなくても連動する筋肉がゆるんで働きの悪くなった状態になりますと母趾内転筋の働きも悪くなってしまいます。
 膝裏の一番奥にあります膝窩筋は母趾内転筋と連動関係にあります。膝窩筋は膝を曲げる筋肉(屈筋)に属していますが、例えばO脚などで反張膝(普通以上に伸びた状態の膝、バレリーナの膝)の状態になりそれが固定化しますと、膝窩筋が伸びてゆるんだ状態になってしまいます。それによって連動する母趾内転筋の働きが悪くなり開張足になってしまうこともあります。また、手のひらにも母指内転筋がありますが、手指の使い過ぎなどで手の母指内転筋が疲弊しますと、連動関係で足の母趾内転筋の働きが悪くなります。

 高いヒールを履いたことによって、あるいは筋肉の連動関係によって母趾内転筋の働きがわるくなりますと開張足になりますが、それは小趾中足骨だけでなく足趾や足の骨全体の不安定を招くことになりますので、当然、小趾に関係する筋肉がこわばったり、あるいはこの後に説明いたします「小趾を動かす筋肉の働きが悪くなる」状態を招くことになります。

②小趾の捻れや踵の歪みによる場合

 足の小趾側の一番外側にはMP関節付近から踵にかけて小趾外転筋(しょうしがいてんきん)があります。

 ところで、足のトラブルの一つに“内反小趾”があります。足の小指(小趾)が内側に捻れていて、さらに小趾のMP関節が4趾から離れた状態になり、小趾先からMP関節付近の外側に痛みを伴う状態のことです。外反母趾と対称的な状態ですが、外反母趾の人の多くは内反小趾にもなっています。
 さて、小趾先からMP関節にかけて内側に捻れますと小趾外転筋はこわばります。あるいは踵の骨が歪んだり、外くるぶし(外果)の位置が歪んだりしますと小趾外転筋がこわばることがあります。また、筋肉連動の関係で小趾外転筋がこわばることもあります。

 経験的に申し上げますと、小趾外転筋だけがこわばったとしても、床に着地しただけで痛みを発するということはほとんどありません。①で説明しましたように小趾中足骨の不安定な状態が重なったり、その他の要因が重なったときに痛みを発する場合が大半です。


筋肉の働きが悪くて踏ん張ることができずに痛みを発する

 小趾を支えたり、小趾を動かす筋肉の働きが悪く、荷重に耐えられなかったり、歩行時などで、うまく地面を蹴ることができないので他の足趾(指)に負担が掛かって痛みを出してしまう場合があります。その原因としましては血行不良やケガなど外傷による影響が考えられます。あるいは筋肉連動の関係で、小趾に関係する筋肉の働きが悪くなっている場合もあります。

 「朝、起きがけの第一歩を踏み出すときなどに痛みを感じる」というのは血行不良によって筋肉の働きが悪くなっていることが考えられます。「動いているうちに、少しずつ痛みが和らいでくる」というのであれば、血液が循環することで筋肉の働きが回復してくるということですから、まず血行不良について考えたり対策する必要があります。
 朝の起きがけだけでなく、座った状態から立ち上がって一歩を踏み出すと必ず痛む、というような場合もありますが、このような場合は血行不良だけでなく、その他の要因が絡んでいると思われます。
 いずれにせよ、筋肉の働きが悪い状態になっているためにしっかり骨格を支えることができくて、踏ん張ることができない状態になっているということです。

 次にケガの影響について考えてみます。例えば足の甲側(外踝の前くらい)を捻挫したり、小趾を骨折したりして、その傷が治りきっていない場合などです。
 ねん挫による最も大きな影響は靭帯が伸びてしまったために関節がグラグラと不安定になってしまうことです。関節は踏ん張りが効かない状態になりますので、体重を支えることができなくなってしまいます。歩いたり、走ったりする運動などから受ける負荷に耐えられない状態ですので痛みを発します。
 骨折の場合は動かすこともできなくなりますので、尚更負荷に耐えられないので痛みをはしますが、医師が「骨折は治った」と診断された後も、骨膜の状態が元に戻っていないことがあります。と申しますか、ほとんどの場合、骨がくっついただけでは完全に治癒しているとは言えません。捻挫も骨折も「腫れが引いて痛みが取れた」だけでは完全に回復したとは言えないと私は考えています。骨に付着している筋肉や関節に関係する筋肉の働きがしっかり戻った状態になるまで治癒させないと、何年経っても、何十年経っても、自然にしっかりした状態に戻ることはほとんどないと言えます。加齢などによって筋力が低下しますと「昔の古傷が痛む」という状況が現れますが、それは「実は傷がまだしっかりと治っていない」ことの現れだと考えています。
 つまり、もうすっかり忘れてしまうほど昔の捻挫や骨折の影響によって、「着地すると痛みを感じる」、「歩くと痛む」という症状が現れることも、十分に考えられることです。
 また、爪を深爪したり、何かに打撲したり、ちょっとした傷がついてしまった、といった「些細なことに思われること」の影響でも同じような状況になることがあります。
 このような場合は、何よりも傷をしっかり治すことが優先されます。いくらマッサージしたり、湿布を貼ったりしてみても痛みの原因は治まりません。


足のバランスと痛み

 たとえば、捻挫や骨折などの古傷がしっかり治っていない状態だったとしても、あるいは多少、小趾中足骨などがグラグラしている状態だったとしても、足裏全体でバランス良く立てる状態であり、効率よい歩き方ができる状態であれば、痛みを感じることはないかもしれません。それは、体重や運動による負荷が足裏全体に均等に分散されますので、小趾に対する負荷がそれほど掛からないからだと考えられます。
 ところが、足の外側(小趾側)に重心が掛かっている人の場合、歩行で着地するときは必ず小趾側に負荷が集まってしまいます。立っていても足の内側が浮き気味なって小趾側に負荷が掛かってしまいます。
 足の骨格がしっかりしていて、筋肉の働きに問題がないのであれば、このような状態でも痛みを感じることはなく、ただ「疲れやすい」という感じがするだけかもしれません。ところが疲労が溜まったり、筋肉が少し変調したり、骨格が不安定な状況になったりしますと痛みを感じるようになるかもしれません。そして、このようなケースは多いかもしれません。しばらく安静にして疲労が回復しますと痛みを感じることがなくなってしまう場合などです。

 一口に「足のバランスを整える」と言いましても、それは何かの運動をしたり、マッサージをすることなどで簡単にできることではありません。からだ全体のバランスを整えることが必要になりますので、やはり専門家に任せるのがよいかと思います。


 今回のテーマについての最初のブログは2015年2月に投稿しましたが、その後も読まれていらっしゃる人が多いようですので、今回は内容を増やして書き直しました。
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