ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

カテゴリ: 筋・筋膜・骨

 皆さんが辛く感じる「肩こり」を専門家として観察しますと、まず大きく2つのタイプに区分することが出来ます。
 一つ目はマッサージや指圧や揉みほぐしなどの手法で症状を軽減することのできるタイプの肩こりです。
 これは筋肉(筋線維)の中や筋膜と筋線維の間に水分や老廃物が停滞して、全体的にパンパンと硬くなってしまっているものです。血液やリンパ液の循環不良と考えても良いかと思いますが、揉みほぐすことによって停滞している水分や老廃物を流し去ることで「こり状態」は改善します。
 二つ目は筋肉がこわばって張っている状態です。何らかの理由で筋肉がこわばりますと筋線維は太く硬くなります。さらに筋線維自体が縮む方向に働きますので、筋肉を伸ばすような動作で痛みを感じますし、じっとしていても重苦しさを感じるようになります。そしてこのタイプの肩こりは揉みほぐしなどの方法では解決に向かいません。筋肉のこわばり状態を解消する手段が必要です。
 ただ、筋肉の能力を奪うほどにたくさん揉みほぐしたり、強い指圧をしたり、あるいは鍼治療をたくさんおこないますと、筋肉は質が変化してこわばり状態は消えます。すると一時的に肩こりは改善されますが、変質した筋線維は別の問題につながる可能性が高くなります。

 そして、多くの人たちが感じる実際の肩こりは上記の2つのタイプを両方持っています。ですから、皆さんが訴える「肩こり」に対して誠実に対応するためには、揉みほぐして停滞している水分や老廃物を流し去り、加えて筋肉や筋膜の状態を整える施術の両方を行う必要があります。

 今回の話題は、肩こりの2つ目のタイプ=筋肉や筋膜がこわばっている状態の肩こりについてですが、O脚(外側重心)との関係について取り上げてみます。
 「O脚(外側重心)」というのは、スタイル的に言われるO脚に限らず、立った時に足の小趾側(外側)に重心の掛かってしまう状態のことです。「内股」の人はこの中に入りますし、おそらく私たちの半分くらいにあてはまる状況だと思います。
 小趾側に重心が掛かってしまいますと、それだけで肩こり状態になりますが、そのことについて説明させて頂きます。

外側重心と小菱形筋(しょうりょうけいきん)のこわばりの関係

 「肩こりが辛い」と感じて、肩の後の方、肩甲骨との間についつい手をやってしまうタイプの肩こりは小菱形筋のこわばりです。手の人差し指、中指、薬指の3本でグーッと掴むように指圧しますと気持ちよく感じますが、指圧と解いてしまいますと再び肩こりを感じる状態になってしまいます。



 小菱形筋は頚椎の下方と肩甲骨の上方を繋いでいる筋肉ですが、筋肉の連動関係によって太もも内側の薄筋(はくきん)と密接に関係します。ですから、何らかの理由によって薄筋がこわばりますと、小菱形筋もこわばってしまい肩こり状態になってしまいます。
 ですから原理は非常に単純です。しかしながら薄筋のこわばり状態を解消しない限り、小菱形筋をいくら揉みほぐして軟らかくしようとしてもまったく効果は現れないという現実となってしまいます。

外側重心と薄筋のこわばり

 立った時に小趾側に重心が掛かってしまう「外側重心」と「薄筋のこわばり」を説明する上で解りやすくするために、膝から下が外側に歪んでいるO脚を例に取り上げてみます。

 薄筋は股関節内側の恥骨を出発点(起始)として太もも内側中央(ずぼんの内側ライン)を膝下まで進み、膝下の脛骨内側に付着(停止)しています。太もも内転筋のひとつですが、太ももと脛骨が外側にずれないように働いている筋肉と考えていただいてよいでしょう。
 O脚ではない普通の状態の人は、骨格的な理由で薄筋がこわばることはほとんどありません。ところが脛骨が外側にずれているO脚の人は薄筋の出発点(起始)と付着点(停止)の間の長さが少し離れることになりますので、自然現象として筋肉(薄筋)は自ら収縮して骨(恥骨)と骨(脛骨)の間が離れないように働くようになります。専門的には「付着している骨と骨の間が本来よりも離れると筋肉はこわばる」という原理がありますが、この説明の方が解りやすいでしょうか。

 そして脛骨が外側に歪んでしまう理由は3つほど考えられます。
 一つ目の理由は股関節や太ももと脛骨外側をつないでいる筋肉が縮んでことです。この対象となる筋肉は大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)~腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)と外側広筋(がいそくこうきん)です。
 二つ目の理由は、脛骨を内側に引き付ける働きをする筋肉の働きが悪くなって締まった状況です。内側広筋(ないそくこうきん)、縫工筋(ほうこうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)などのどれかの働きが悪い可能性が考えられます。(薄筋もその一つですが、ここでは薄筋がこわばる理由を話題にしていますので薄筋は除外します。)
 三つ目の理由は膝窩筋(しつかきん)のこわばりです。

 ここでは立った時に足の小趾側(外側)に重心が掛かっていることに的を絞っていますので、上記三つの理由の中で一つ目と三つ目について考えてみます。

 大腿筋膜張筋(および腸脛靱帯)は太ももの外側真横、つまり薄筋と正反対に位置していますが、この筋肉はふくらはぎ外側の長腓骨筋と連動関係にあります。長腓骨筋は腓骨の上部に始まり(起始)、真っ直ぐ腓骨を下り外くるぶしの後側を回り込んで足裏に入り、母趾中足骨などに付着しています。その働きは足の外返し、つまり小趾側を引き上げるように足を捻ることです。

 小趾側に重心の掛かっている人は歩行の時に小趾を持ち上げるようにして足首を曲げますので長腓骨筋(および第3腓骨筋、長趾伸筋)が酷使される状況になります。ですから長腓骨筋がこわばってしまう可能性が非常に高いと言えます。
 つまり小趾側に重心のある人は長腓骨筋がこわばっている傾向にありますが、その連動関係にある大腿筋膜張筋(及び腸脛靱帯)もこわばることになりますので、太ももの外側がピンとはってしまい、結果的に脛骨を外側に引っ張り薄筋がこわばってしまう状況になってしまいます。

膝窩筋のこわばりと薄筋の関係

 膝窩筋は膝裏のもっとも深部にあります。その主な働きは真っ直ぐに膝が伸びた状態から膝を曲げ始める動作を誘導することです。私たちの膝関節は、膝が曲がった状態から伸ばしていきますと最後の段階で脛骨が少し外側に捻れますが、それによって膝関節にロックがかかった状態になります。ですから真っ直ぐに伸びきった膝関節を曲げるためには脛骨を少し内側に捻ってロックを外すプロセスが必要になります。膝窩筋はこの時に働きます。
 余談になりますが、膝を深く曲げる動作ではまったく問題ないのですが、歩くなど、真っ直ぐに立った状態から足を前に踏み出そうすると痛みを感じる症状があります。何の心当たりもないのに突然「膝が痛くて歩けない」状況になってしまうために、本人はとても不安に感じますが、実は膝窩筋の働きが悪くなっただけだったと言う場合もあります。

 膝窩筋は収縮することによって脛骨を内側に捻りながら外側に引き寄せる働きをします。(それによって膝関節がロックした状態を解除します。)
 ですから膝窩筋がこわばった状態では脛骨が外側に歪んだ状態になりまが、これによって薄筋はこわばった状態になってしまいます。

 また膝窩筋は足底にある母趾内転筋、股関節の小殿筋と連動関係にありますので、それらの筋肉がこわばりますと膝窩筋がこわばり、脛骨が外側にずれて薄筋がこわばり、それが連動して肩こり(小菱形筋のこわばり)を感じてしまうという状況が起こります。
 仕組みの詳細は省きますが、O脚の人は股関節の小殿筋がこわばっている可能性が高いですし、O脚や内股で爪先が内側を向いた人の母趾内転筋はこわばっている可能性があります。

O脚や外側重心による肩こりを改善するために

 筋肉の中の水分が溜まって硬くなってしまった「こり」の類は筋肉を揉みほぐすことで改善することは可能です。ですから、マッサージや指圧、あるいは低周波治療器などは有効な手段と言えます。
 ところが上記で話題にしました小菱形筋のこわばりによる肩の張りに対しては効果は期待できません。筋線維(筋肉)が損傷して収縮する能力が低下するほどに揉みほぐしたり、指圧したり、あるいは治療器を何度も何度も使いますと、確かに「こり」や「張り」は取れることでしょう。しかし、それはまったくの邪道であり、別の大きな問題をもたらすきっかけになってしまうことでしょう。

 私はこのブログにおいて、なるべく自分でできるセルフケアをアドバイスしたいと考えていますが、今回の話題はセルフケアでの対処は難しいように思っています。
 ポイントは外側重心(O脚)の状態を改善することになりますので、やはり専門家が対応するのが効率的であると考えます。
 

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 ここからかなり遠くにお住まいのOさんが来店されました。2年ぶりくらいの来店です。以前は膝の不具合でしたが、今回は坐骨神経痛で、かなり症状が悪化した状態でした。当院までは新幹線を使って4時間近くかかるところにお住まいですので、症状がではじめた当初はお住まいの近くの接骨院や治療院に通われていたとのことです。ところが次第に症状が悪化していき、坐骨神経痛の痛みもかなりきつくなったということで来店されました。

 坐骨神経痛につきましては前回の投稿でも取り上げましたが、症状が軽いうちは「時々シビレを感じることがある」「皮膚を触ると何か表面に膜が一枚あるような感じの感覚異常を感じる」というものです。しかし症状が進みますと、シビレを感じる頻度も多くなり、更に症状が悪化しますとシビレが痛みに変わって、歩くことや座ることができなくなるほど辛くなります。

 Oさんの症状は「やや重症」ぐらいの段階でしたが、とても一度の施術で解決できる状態ではありませんでした。
 いろいろ経緯をうかがいますと、接骨院や治療院では電気を掛けたり、揉みほぐすことが主体の治療を行っていたようです。
 「坐骨神経痛なので、背中から殿部、そして太ももにかけてたくさん揉んでもらったけど良くならなくて‥‥」と仰っていましたが、今回も対処の間違いで症状が悪化してしまった事例でした。

 揉みほぐしたり電気を掛けたりすることで筋肉や筋膜はゆるみますが、それも程度が大切です。筋肉や筋膜が耐えられる範囲を超えてゆるめる施術ばかりを行いますと、やがてそれらは損傷状態になって本来の機能ができない状態になってしまいます。
 筋肉であれば収縮できない筋線維ができてしまい、筋膜であればブヨブヨと腑抜けの状態になり正常な機能が果たせない部分ができてしまいます。

 Oさんの場合、背中(腰部)~殿部を超えて太ももの裏側までの筋膜全般と、殿筋や腰部の筋線維に「ゆるみ過ぎの損傷状態」ができていました。
 この坐骨神経痛を改善するためには、これらの損傷状態を回復させる必要があります。
 おそらく最初は「単純な坐骨神経痛」だったと思います、ところが間違った対応を続けたことによって腰部から大腿部にかけての広い範囲で筋膜が機能低下状態になり、収縮することのできなくなってしまった筋線維ができてしまたのだと思います。この状態では骨盤や下半身を安定して保つことができませんので、からだは別の筋肉を強制的に収縮させて骨格を保つように働きます。そしてその収縮を強いられて硬くなった筋肉によって坐骨神経がさらに圧迫を受け、坐骨神経痛の症状が悪化してしまったのだと思われます。
 ですから、解決のための段取りは損傷状態にある筋線維や筋膜を本来の状態に戻し、坐骨神経を圧迫している筋肉の過緊張状態が自ずと解消されるように促すことになります。
 この時に、坐骨神経を圧迫している筋肉をゆるめようとして、直接筋肉を伸ばしたりほぐしたりするような対処を行いますと、さらに状況は悪化していくということになってしまうことでしょう。

損傷状態を回復するために

 ところで、損傷状態になっている筋肉や筋膜を回復させることは、硬くなっている筋肉をほぐすよりも何倍も労力と時間が要ります。
 私はしばしば「伸びきってしまったゴム」を例えに説明させていただいていますが、ゴムが疲労したり、負荷が掛かりすぎて伸びきった状態になりますと収縮力を失います。筋線維で言えば、収縮ができない状況です。そうなってしまいますとゴムの収縮力を回復させることは不可能になりますが、私たちの筋線維には再生力がありますので、許容範囲内の損傷であれば元の状態に戻すことができます。ただし、それは簡単にはいきません。

 このような場合、わたしは文字通り「手当て」の施術を行います。筋線維や筋膜に手指を当てていき、先ずは損傷部位を確認していきます。損傷部位は簡単に表現しますと「ヘニョッ」としています。いわゆる「ハリがない」状態ですが、エネルギーが足りない状態、力が乏しい状態と表現することもできます。
 その部位に丁寧に心を込めて手指を当て続けていますと、そのうちに血液が流れてくるのが感じられるようになり、そしてモコモコと反応し始め、やがてハリが戻ってきます。そうなるまで根気強く静かな施術を続けます。

 この手当ての施術は次のようなイメージです。
 たくさんの楽器で構成されているオーケストラの中で、楽器のいくつかが故障してしまい正確な音が出せない状態だったとします。(=筋線維のいくつかが収縮できない状態)
 この状態では音楽になりませんので、楽器を直す職人が一人やってきて、故障してしまった楽器の一つを調整しはじめます。やがてその楽器はチューニングされ正確な音を発することができるようになります。すると職人は次の故障した楽器を調整していきます。すると二つの楽器が直り、互いに音を発しては呼応し合うことができるようになります。しかしそれだけでは、まわりの楽器たちはまだやる気がでませんので、ただ見ているだけです。
 やがて職人が3つ、4つ、5つと楽器を直していきますと、それらは呼応し合い、きれいな和音を奏で始めるようになります。するとそれまではただ見ているだけだった楽器たちの中に自ずと共鳴して反応するものが現れはじめます。そして、その輪が次第に拡がりはじめます。音の共鳴がさらなる共鳴へと拡がり、やがてすべての楽器が音を奏でるようになります。するといつの間にか、一つの意志をもった音の躍動的なうねりを生じるようになります。全体がその流れの中で一体化します。オーケストラが本来のエネルギーを取り戻した状態です。

 このオーケストラの中の楽器の一つ一つが私たちの筋細胞です。損傷によって働けなくなった細胞を手当てすることで細胞の機能が戻ってきますが、そのような施術を幾つもの細胞に行います。すると、ある瞬間を境に休憩中だった周辺の細胞群がやる気を取り戻し、そしてヘニョッとしていた部分が様相を変えて活力を取り戻すようになります。時にそれはとても躍動的な動きとして私の手に感じられることがあります。
 皆さんから見ると何気なしに手を当てているだけに映るかもしれませんが、私はこのような想いを込めて手当ての施術を行っています。

 さて、Oさんに話しを戻しますが、Oさんの損傷部位はとても広い範囲でした。ですから手当ての施術にとても時間を要しました。
 結論を申しますと、120分の時間をとりましたが一回の施術では不十分な状態に終わってしまいました。しかしOさんは手応えを感じたようで、再び来店されたいと仰いました。翌日は仕事があるので一端で自宅に戻らなければならなけど、改めて予約する仰いました。そして、当日の夜に予約が入りまして、翌々日に再び来店されることになりました。施術時間は180分の希望でした。
 手当ての施術は静的なものですが、私自身は集中力をずっと継続しますのでかなり消耗します。「はたして180分も持つだろうか?」とも思いましたが、遠くから来てくださるOさんのことを思えば「頑張るしかない」と思い、体調を整えることを心がけました。

 翌々日に来店されましたが、やることは唯一つ「手当て」のみです。Oさんもずっと寝続けなければなりませんので、それなりに大変でしたが頑張って耐えてくれました。そして結局150分間の施術になりましたが、私はずっと神経を集中して、ひたすら細胞を触り続けていました。
 状態はかなり良くなったと思います。
 その数日後、Oさんから「軽いシビレ感は残っているものの、耐えがたい痛みは消えた」と
メールがありました。
 Oさんの坐骨神経痛はけっこう重症状態でしたから、2度の施術だけで「すべて解決」とはいきませんでしたが、「まあまあ合格」と自分自身評価しました。
 あれから3週間程度経っていますが何の連絡もありませんので、苦痛なく暮らされているのだろうと思います。

ゆるめるのは簡単

 私の属する業界は、傾向として、こわばってしまった筋肉、硬くなってしまった筋肉や筋膜をゆるめることを得意にしています。指圧、揉みほぐし、マッサージ、鍼、電気治療(低周波)、ストレッチ、体操など、手法もいろいろとあります。ですから専門家の多くは、ゆるめることを得手にしていると言えます。
 しかしながら反対にゆるんだ状態、疲弊した状態、損傷した状態を元の活力ある状態に戻すことはあまり得意ではないようです。

 ところが、痛みや不具合や不調の根本的な原因が、筋肉や筋膜や靱帯の損傷による場合もあります。ギックリ腰、寝違え、肉離れ、捻挫、骨折などはその類ですが、これらに対して「硬いところをゆるめる」ような対処法を用いることは間違いです。「損傷部位を回復させる」ための手法を用いなければなりません。

 疲労や疲弊部位の回復、損傷部位の回復するための方法は下記ぐらいしかなく、それほど多くはありません。そしてこれらは自然治癒力(自己治癒力)活躍を促す方法であるとも言えます。

  • 温める‥‥血行を良くして細胞の働きを活性化する。
  • じっくりとした運動‥‥筋線維などを意識的にじっくり、ゆっくり収縮させる運動をすることで、その働きを取り戻す。
  • 体内電気の流れを整える‥‥電気治療機なども含めて、やり方次第で筋線維の働きを回復させることができる。磁気治療(エレキバン)などもこの類。
  • 手当て‥‥上記で説明済み

 これらの手法は地味であり、効果が実感できるまでに時間がかかります。そして施術する側にも忍耐が要求されます。
 私の仕事は「接客業」でもありますし、お客さんは実感できる効果を期待しますので、施術者としてはその期待に応えたいと考えます。肩こりを揉みほぐすとか、手足のむくみを軽減したり、顔の歪みを整えたりするのは、その場ですぐに変化が実感できますので、私にとっては容易い部類の作業になります。ところが、損傷してしまった部位を修復する作業は地味であり、Oさんのように損傷範囲が広い場合は多時間で効果を実感できる状態にすることは困難です。幸いにしてOさんの場合は、120分とか、180分とかという長い時間を私に与えてくれましたので、効果を実感できる状態まで回復させることができました。もし、60分間の時間しか与えられなかったとしますと、「なんだか、変化がよくわからない」という感想になっていたと思います。

 赤ちゃんや幼児が転んだり、どこかに打撲したりして痛みを感じたときに、お母さんがすかさず手を当てて「痛いの、痛いの飛んでいけ!」とするのが、「手当て」のイメージだと思いますが、それは「気を紛らわす」など心理的な効果が高いといった見解があるかもしれません。
 しかし、心理的な側面(副交感神経)だけでなく、肉体的な側面でも確かに効果があります。私は長年の経験から断言します。
 「手当て」に似たようなものとして、「手かざし」「ヒーリング」「(外)気功」などもありますが、それらと「手当て」は違う手法であり、目的が異なります。
 昔のいわゆる「お医者さん」は診断と治療の手段として普通に手指を患部に当てていたと思います。機械化が高度に進んだ現代では「手当て」というのは迷信の類に受け取られるかもしれませんが、それこそ偏見であると私は思います。

 もっとたくさんの人に、手を当てることの効用を知っていただきたいと私は思っています。お腹に手を当てれば頭痛が消えるかもしれませんし、打撲やムチウチで損傷した後頭部に手を当てるケアを続けることで歩き方が良くなったり、腰の痛みが消えたりすることが起こります。
 私はセルフケアとして、手当てが必要だと思う人には、その方法を教えています。ところが皆さん半信半疑で、ほとんどの人が三日坊主状態です。
 湿布をペタペタ貼ったり、エレキバンを幾つも貼ったりすることは毎日欠かさず行うのに、手当てのケアは行ってくれません。とても残念に思います。

 「手当て」は確かに原始的な療法です。でも、私たちが世の中に出現したときから現在まで途切れることのなく続けられている療法です。確かな療法であるからこそ、これまでも続いて来ましたし、この先も永遠に続く療法です。
 もっともっと活用していただきたいと思っています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 下半身に痛みや不快感をもたらす有名な症状に坐骨神経痛があります。
 症状が非常に軽い状態ですと、太ももやふくらはぎなどが「だるい」と感じたり、「むくんでいるのかなぁ」と感じたり、あるいは皮膚の上に膜が一枚あるような皮膚感覚で違和感や不快感を感じる状態になります。
 それよりも症状が重くなりますと、シビレを感じたらり、特定の動作や姿勢によって耐えがたい重だるさや痛みを感じるようになります。座り続けていられない、腰を伸ばして立つことができない、痛くて歩けない、などもこの中に入ります。(腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症なども坐骨神経痛を発症します)
 そして、さらに症状が悪化しますと、まったく下半身を動かすことができなくなったり、楽な姿勢が見つからないような状態になります。たまらず整形外科を受診して神経ブロック注射などの処置をしなければしのげない状態になりますが、その苦痛は大変なものです。

 さて、坐骨神経痛を発症してしまう原因はいろいろとありますが、今回は殿部の筋肉の問題が原因になっていることについて取り上げます。

梨状筋(りじょうきん)と坐骨神経痛

 その原因が腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症や神経の病変などの場合を除きますと、坐骨神経痛の症状があるときに最も注目すべきポイントは梨状筋になります。
 梨状筋はちょうどお尻の真ん中辺りの最も深いところにあります。
 仙骨と大腿骨を繋いでいる筋肉ですが、その直下を通って、人によっては梨状筋の中を貫通するようにして太い坐骨神経が骨盤の内部から表に出てきます。

 ですから、梨状筋が強くこわばって硬くなり太くなりますと坐骨神経を圧迫する状況になります。それによって坐骨神経の神経伝達に支障が生じたり、神経管が不具合を呈していろいろな神経異常症状を現すようになりますが、坐骨神経痛の多くはこのような仕組みよって発症していると思われます。

 坐骨神経は太股の後側を膝関節の手前まで真っ直ぐに下り、膝関節の手前で二手に分かれます。一方(脛骨神経)はそのままふくらはぎの裏側を下って足裏を経由して足先に進んでいきます。
 もう一方(総腓骨神経)は、ふくらはぎ前面の外側を下って足の甲に進んでいきます。

 これら神経の大元である坐骨神経は太もも裏側のハムストリングやふくらはぎや足の筋肉を支配していますので、坐骨神経にトラブルが生じますと、太ももの裏側と膝下のどこかにシビレや熱感や痛み、場合によっては運動障害が起こります。

 また、坐骨神経の症状の一つとして太ももの外側に違和感やシビレや痛みが現れることがしばしばあります。太もも外側の筋肉は坐骨神経によって支配されているわけではありませんので「そこの異常も坐骨神経の問題であり、梨状筋が絡んでいる」と言うのは理屈に合いません。しかし、ふくらはぎ前面外側や側面の筋肉が神経異常による強い張りやこわばり状態になりますと、筋肉連動の仕組みで太もも外側や側面の筋肉がこわばることが起こります。

殿部の損傷による坐骨神経痛

 坐骨神経痛の多くは梨状筋の強いこわばりによってもたらされますが、そうなる理由はいくつか考えられます。骨盤や股関節の歪み、筋連動による梨状筋の強い緊張状態(こわばり)、殿部筋肉の使いすぎ、打撲やその他の理由による殿部筋肉の損傷などが主なものになります。
 これらの中で、今回は殿部筋肉の損傷における坐骨神経痛について取り上げます。

1.打撲による大殿筋(だいでんきん)の損傷が原因

 Sさんはお椀をつくっている職人です。多くの時間を座った状態で、かなりの腕力を使って作業を行っています。ですから、手も腕もいつもカチカチに硬くなっています。隔週のペースで来店され揉みほぐしを行っていますが、私もかなりの力を使わざるを得ないので、施術の後はくたくたになってしまいます。
 そのSさんは現在、左殿部から太ももにかけて坐骨神経痛を抱えています。職人さん気質で言葉が少ないSさんはあまり語りませんが、その左殿部の筋肉が弱々しい状態なので、「尻餅をついたとか、何かありましたか?」と尋ねました。
 すると自宅で足を滑らせて尻餅をついたとのことです。そして、その時にテーブルの角に大殿筋の大腿骨との境あたりを強く打撲したとのことでした。

 大殿筋の損傷が原因で坐骨神経痛になってしまったことがわかりましたので、私がするべきことは損傷した大殿筋が修復するように促すことです。
 Sさんの具体的な症状は次の2点です。

  1. 1時間ほど立ち続けていると左下肢にシビレと痛みが現れる
  2. 仕事で、座った状態で左殿部に体重が掛かるような作業になると坐骨神経の症状が現れる。ただし、その時に大腿骨を内側に捻ると症状が軽減する。

 打撲による損傷が大きな原因であると判断しましたので、大殿筋の損傷していると感じられる部位を探しだし、そこを重点的に10分ほど手当てし、いつものようにダイオードを貼って、大殿筋の回復を促すようにしました。すると殿部の状態もしっかりして坐骨神経痛の症状は改善しました。左殿部に荷重がかかるように座っていただいてもまったく症状は感じられない状態になりました。

 Sさんの坐骨神経痛について簡単に解説しますと以下の通りです。
 梨状筋の表層には大殿筋があります。ともに骨盤(仙骨)と大腿骨をつないでいる筋肉ですから、互いにバランスを取り合って殿部の状態を安定させる働きを担っています。
 この状態をもっと簡単に表現しますと、大殿筋と梨状筋の二つの筋肉が働いて仙骨と大腿骨の関係を維持していますので、どちらかの筋肉がおかしくなりますと、他方の筋肉に必ず影響が現れます。Sさんの場合は大殿筋が働けない状態=大腿骨を支えられない状態になってしまいましたので、梨状筋により頑張っていただかなければならない状態になってしまいました。そして、この状況が梨状筋の緊張(こわばり)につながり、坐骨神経痛を発症しやすい状況になりました。

 また、大殿筋の働きは太ももを後方に伸ばす(=股関節の伸展。階段を上る、座位から立ち上がるなど、特に屈曲位から大腿を伸展させる。)ことですから、その損傷は長時間立ち続けることができない症状につながります。
 さらに座った時に左の殿部や太ももに体重が掛かりますと、大殿筋がその重みに耐えられなくなり、骨盤が歪んだり梨状筋がさらに強くこわばって坐骨神経を圧迫する状況を招いたのだと思います。
 座りながら大腿骨を内側に捻ると症状が軽減したことにつきましては、大腿骨を内旋させると、そのゆるみ過ぎ状態を少し緩和することができることが理由です。(詳細は省略)

2.鍼治療のやり過ぎによる坐骨神経痛

 Tさんは腰痛持ちです。膝も時々不具合になります。長年のお客さんですが、症状がかなり悪化しないと来店されないという特長があります。
 このたび半年ぶりくらいに電話が入りまして、坐骨神経痛がひどくて歩くことがままならないと症状を仰いました。
 来店されて経過を尋ねますと、症状が出始めたのは二月ほど前で、周囲の人達の意見を聴いて、整体院ではなく鍼灸治療院を選択したとのことです。
 二月も経過したのに歩くことがままならない状態であるというのは、症状をこじらせてしまっていると私は判断します。「すぐに来れば、症状が悪化することもなくすぐに良くなったのに」と私は内心思いましたが、それは口にしませんでした。

 坐骨神経痛の症状が出始めた頃は、歩くことは苦ではなく、仕事で座り続けていることが辛かったとのことです。その後、鍼灸院での治療を続けていると症状に変化が現れはじめ、座ることは苦でなくなくなった反面、からだを真っ直ぐにして立つことができなくなり、やがて普通に歩くことができなくなってしまったということです。
 からだを屈めたまま両手を太ももにつけて上半身を支え、手と足を一緒に出すような動き方でないと歩くことができない状況です。

 経過を聞いたので施術に移ろうとしたのですが、ベッドにうつ伏せになることも、仰向けで寝るとこともできません。坐骨神経痛を悪化させるとこのようになってしまうことがあります。
 左下肢に神経痛の症状が出ていましたので右側を下にしてベッドに横になったもらいました。しかし、この姿勢では骨盤や股関節の状態を詳細に把握することができません。ですから私は、まずうつ伏せになれる状態にすることを目指して施術を始めました。
 ところが、しばらくしますと横に寝ていることも辛くなってきたと仰いました。それでしかたなく、ベッドに座った状態で施術を継続することにしました。座っていることはまったく苦ではないとのことでしたが、この時点で普通の坐骨神経痛ではないと感じました。

 座っている状態=からだを屈めた状態は大丈夫でも、立ち上がって腰を伸ばそうとすると、その姿勢ができません。つまり股関節の伸展ができないのです。
 この状況を筋肉の働きに置きかえますと、腹筋を伸ばすことができないか、大殿筋やハムストリングを収縮することができないか、という状態が考えられます。そして大殿筋を観察しますとユルユルになっていてほとんど収縮することができない状態でした。
 「??? どうして?」と思いましたので、「鍼灸院ではお尻に鍼をたくさん刺したのですか?」と尋ねました。すると、毎回の治療でお尻に20~30本くらいは刺していたと仰いました。
 鍼の刺しすぎで、筋肉が損傷状態になってしまったことが考えられます。

 これまでの経験から、鍼の刺しすぎによる損傷は、その範囲が広い場合、筋・筋膜の働きを回復させるのは大変なことだと知っています。手間と時間がかかります。
 ギックリ腰や肉離れや寝違えのように損傷部分の範囲が小さく点に近い状況であれば、マグレインやダイオード、あるいはピップエレキバンなどを使うことでかなりの改善を期待することができます。しかし「左殿部の全部」というように範囲が広い場合は、それは叶いません。
 結局、手当てによる施術を行って、最後にキネシオテープを貼って施術を終えましたが、それでもかなりからだを伸ばすことができるようになりました。そしてまだ痛みは感じるとのことですが、歩く姿も「まぁまぁ」といった状態になりました。

 Tさんの状況を簡単に説明し直しますと以下の通りです。
 最初は普通の坐骨神経痛でした。座って体重が掛かるなど梨状筋に負荷が掛かると坐骨神経痛の症状がでる状態でした。慢性的な腰痛と膝痛持ちでしたから、それらに関連して坐骨神経痛になってしまったのかもしれません。
 坐骨神経痛に対しては、鍼灸治療を行う選択をしました。それが間違いだというわけではありませんが、通われた治療院では殿部の硬くなった筋肉に直に鍼を刺す治療を行いました。それによって坐骨神経痛の症状は軽快したのかもしれません。しかしながら、鍼の刺しすぎで殿部の筋・筋膜がゆるみきった状態になってしまい大殿筋が収縮できなくなってしまいました。
 ですから、腰(股関節)を伸ばして立つことができなくなり、さらに歩行で地面を蹴る動作もできなくなってしまいました。股関節を伸ばすことができないので、からだを屈める姿勢をとるしかありませんが、その影響で腹筋は縮んで硬くなり、ますます股関節の伸展が難しい状況になってしまいました。

 首肩の凝りに対して鍼灸治療のやり過ぎで筋肉が鍼の刺激に負けて損傷状態になった人もいました。肩の筋肉(僧帽筋)が働かなくなり、肩甲骨を保つことができなくなって、首肩の筋肉が引っ張られ、非常に苦しい状態になってしまった人もいました。
 また、鍼ではありませんが、低周波治療器の使いすぎや刺激に筋・筋膜が耐えられなくなって坐骨神経痛を患った人、膝関節をおかしくしてしまった人もいました。
 小顔整体で頭蓋骨を強引に動かされて頭蓋骨の縫合関節がゆるんでしまい、マシュマロのようにフワフワした頭蓋骨になってしまった人もいました。
 私のような業界では、肩こりなどに代表されるように、硬くなってしまった組織や筋肉をゆるめることを得意としている人達はたくさんいます。ところが、ゆるんだり損傷したりして働きの悪くなっている筋肉を本来の状態に戻すことは一般に苦手です。ですから、なんでもゆるめたがります。
 そしてお客さんの方も「揉みほぐせば良くなるかも」という観念に囚われている人がたくさんいます。しかし、揉んだりほぐしたりすることで良くなる状況もありますし、反対に症状の悪化を招く状況もあります。
 今回取り上げた事例は、揉みほぐしてはいけない症例です。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 薬局を経営されている60歳代後半の女性Sさんが、4ヶ月ほど前から首を普通に保つことが出来なくなってしまったと来店されました。「年末の仕事が忙しく、ずっと下を向いた状態でいたのがいけなかったのかなぁ?」と仰っていました。

 からだの状況を観察しますと、立位では、首はその根元(第7頸椎)のところからすっかり前に倒れていて、無理をしないと首を起こして正面を向くことができません。
 首が倒れたままの状態で頭を回旋させ、横を向きながら覗き込むような感じで目の前の相手と会話しなければならない状況です。
 そして、下腹を大きく前に出すような反り腰で、その反動として猫背であり、確実なかかと重心です。骨盤はすっかり後傾していて、お尻はすごく垂れた状態になっていました。

 座位では背もたれもないのに、背もたれのある椅子に座っているように上半身が後に傾いています。
 「少し上半身を前傾させるように座ってみてください」と申し上げても、それができません。坐骨のかなり後側に重心があって、そこから重心を前に移動することができないので、前傾姿勢ができないのです。

ポイントは3つ

 Sさんは、これまでにギックリ腰の経験はなく、腰痛の経験もそれほどないとのことです。それなのに下腹を前に突き出すような反り腰の立ち姿になってしまったのは何故なのか? という疑問が生じます。(この疑問に対する明確な答えはまだ掴みきれていません)

 反り腰の姿勢は、それだけで猫背をまねき首が前に出てしまいますが、おそらく何十年もその姿勢を続けていたと予想されますので、背面の筋肉はゆるみきった状態になっていると思われます。そして前に出た首を支えるために、首前面や胸元の筋肉は反対に硬くなっていると思われます。

 そして全身を触りながら確認していきましたが、実際そのような感じになっていました。
 お尻の筋肉はとてもゆるゆるで、「しっかりした状態に戻せるだろうか?」と考え込んでしまうほどの状況でした。
 それでも、この問題(反り腰)が1番の要だと感じました。骨盤の後傾が改善され、お尻の筋肉がしっかりすれば、骨盤を中心に動くことができるようになって反り腰は改善されると思います。反り腰が改善されれば、猫背も改善され、首は自ずと立ってくると思います。
 ですから、次の3つのポイントに重点をおいて施術を行うことにしました。

  1. 反り腰の改善‥‥かかと重心にも通じることですが、骨盤が前傾して中殿筋に力が入る状態になれば、骨盤を中心に立ったり座ったりすることができるようになります。すると自然と反り腰状態は改善されていきます。
  2. ゆるんだ背面筋肉の機能回復‥‥長年の姿勢や下を向き続けることの多い仕事の影響で、首の後側の筋肉が伸びきった状態になっています。そして、その状態は首の後側だけでなく、背骨を支える筋肉(脊柱起立筋群)にまで及んでいますので、普通の人なら何の苦もなく行える「顔を上げる動作」ができない状態になっています。
     うつ伏せで寝た状態で、頭を上げて前を向くことが出来ないことからも、それがわかります。
  3. 首の前面~胸にかけてのこわばった筋肉の改善‥‥猫背で首が前に出てしまった姿勢であり、さらに首背面の筋肉が働きの悪い状態でありながら、なんとか首の状態を支えるためには、首前面の筋肉で頑張るしかありません。
     ですから、首前面の筋肉は強くこわばった状態になっていましたが、こわばりは胸回りの筋肉にまで及んでしました。顎は噛みしめ状態になって緊張していますので、肩こりも酷くなってしまいます。

 上記の3つのポイントは互いに関連し合っていますので、一度の施術で全部を行う必要があります。
 たとえば、首後面の筋肉を調整を行わないまま首前面のこわばりを取ってしまいますと、首を支えるために頑張っているのものがなくなってしまいますので、症状はさらに悪化してしまいます。
 このことは重要で、一般の人は「硬いところをほぐせば良くなる」と思っているようですが、首後面の調整を行わないまま、硬くこわばっているところを揉みほぐしたり、あるいは低周波などの電気をかけてゆるめたりしますと、とんでもない状況になってしまう可能性もありますので十分に注意してください。

反り腰を改善するために

 反り腰は「下腹を前にだしてバランスを取っている姿」とも解釈することが出来ます。ですから、「どうして元々のバランスが崩れてしまったのか?」という問題を追及しなければなりませんが、多くの場合で、ケガ(ギックリ腰や肉離れも含む)や歯の治療や手術といったことがきっかけになっています。ところが、Sさんの今の段階では記憶では、そのようなものは覚えもなく思い出せないとのことでした。(何度か施術しているうちに、フッと思い出すかもしれません。そのような人は多いので)

 Sさんの下腹を前に出す姿は骨盤に寄りかかっている状態であるとも解釈できます。このような状態をほとんどの人は骨盤を使って立っていると認識するかもしれませんが、それは間違いです。ただ骨盤に寄りかかっているだけです。

 反り腰の人は、骨盤が後に傾いていてお尻の筋肉がたるんでいるという特徴があります。若い人や子供たちはお尻の筋肉がプリプリしていますのでたるんでいるようには見えないかもしれませんが、年齢や若々しさに関係なく、骨盤が後傾しますとお尻の筋肉はたるみます。

 ですから、反り腰を改善するためには骨盤の後傾を改善する必要がありますが、要となるのは骨盤の中心である仙骨・尾骨です。

 仙骨は直接背骨(脊椎)に繋がっていますので、頸椎の状態や頭蓋骨(後頭骨)の影響を受けます。また尾骨は会陰や肛門を含んでいる骨盤底筋と直接関係していますし、間接的には太股裏側のハムストリングや大内転筋などの影響を受けます。

 椅子に座り続けることの多い人は骨盤底筋が硬くなっていますので、ストレッチは有効です。

 また、ふくらはぎがガチガチに硬くなっているのに反して、太股の裏側がユルユルになっている状態の人がいます。それはかかと重心の兆候であり、足裏の筋肉も硬くなっているはずです。ですから足裏の筋肉をよく揉みほぐすことは対症療法として有効です。
 ふくらはぎの筋肉は足の指(足趾)や足裏の筋肉の状態が反映されますので、硬いふくらはぎを揉みほぐすよりも足裏や足趾をよく揉みほぐした方が効果的です。
 そしてふくらはぎの筋肉の硬さが改善されますと、太股裏側のユルユルも良くなってしっかりとした感じになりますが、仙骨の状態もしっかりして、ある程度骨盤の後傾は改善されると思います。
(専門的には、半膜様筋と大内転筋の状態が良くなることが肝心です)

 頭部や頚部の問題で脊椎が歪み、その影響で仙骨が下がって骨盤が後傾している状況もあります。これについては、他(以下)の2つのポイントを調整することで修正します。

ゆるんでいる背面筋肉の回復

 ゆるんで働きの悪くなっている状態の筋肉を、私が専門家として施術で回復させるためには、以下の2つのことを行います。

  1. 筋肉の働きを邪魔する要因となっている骨格(脊椎)を調整する
  2. 細胞の働きが悪くなっている部分にエネルギーがやって来て細胞の働きが活性化するように手を当てる

 背骨は24個の脊椎が繋がって形成されていますので、一つ一つの脊椎(椎骨)はある程度自由に動ける状態になっています。そしてそれが故に、骨格は歪みやすいわけですが、椎骨が下を向いた状態(背骨の出っ張り=棘突起は上を向いた状態)では、その部分の筋肉は収縮しづらい状況になりますので、仙骨を引き上げる能力が低下してしまいます。
 ですから、脊椎の一つ一つを確認しながら椎骨が下向きになっているものを正すように調整を行います。(施術の詳細は省きますが、背骨をバキバキすることは全くありません)

 このブログを読んでくださっている人には何度もこの話を出して恐縮しますが、筋肉がゆるんで働きが悪くなってしまった状態は、伸びきってしまい戻らなくなったゴムにたとえることができます。ジャージやパジャマなどのウエストのゴムは使い続けているうちに伸びてしまい、ダラーンとしてしまいますが、筋肉も疲弊してしまいますと同じような感じになってしまいます。

 猫背の姿勢では、肩甲骨周辺の山(出っ張り)の部分の筋肉は伸びやすくなってしまいます。加えて首が下に向いているわけですから、首後面の筋肉は伸ばされ続けているわけで、疲弊して戻らないゴムに近い状態になってしまうのは当然のことであると言えます。
 ただ、ゴムはその弾力性や収縮力を取り戻すことは不可能ですが、筋肉の場合は、少しずつでも機能を回復することができます。そこに望みはあります。そして、そのためには筋細胞がしっかり働けるようになることが必要ですし、エネルギーが必要です。ですから、手当ては有効な手段です。

首前面~胸にかけてのこわばり

 私たちのからだには「補ってバランスをとる」という仕組みが備わっています。
 たとえば、左足の小指をケガして小指側に荷重をかけられない状態になったとします。すると、からだが勝手に調整して自動的に右足を主体にして動くようになったり、あるいは左足の親指側で頑張るようにして小指側の負担がなくなるような使い方をするようになったりします。

 Sさんの場合もこの仕組みが働いて、ゆるんで働きの悪くなっている背側の筋肉を補うように自動的に腹側の筋肉が頑張って姿勢を支えるようになります。つまり、腹筋や胸筋や首前面や喉の筋肉が背筋の分まで頑張るのです。ところが、反り腰の姿勢が影響して下腹の筋肉(腹筋)もゆるんでしまい力が入らないので、胸~首にかけての筋肉で頑張るしかない状態になってしまいます。
 ですから、胸回りの筋肉と首前面の筋肉はこわばった状態になっていますが、それもまた、首を上げることが出来ない原因になっています。

 斜角筋(しゃかくきん)はこのブログでもしばしば登場する筋肉ですが、首の運動と運動制限に深く関与する筋肉です。
 文献上は、その本来の働きは呼吸運動を補助することになっています。しかし実態は、頚部の不快感や首のコリと運動制限などの原因になる筋肉です。さらに、そしゃく筋と深い関係にありますので、噛みしめや歯ぎしりなどの癖に直接関わっています。
 また、頚椎を歪める筋肉ですので、脳神経の働きにも影響をもたらします。中斜角筋が強くこわばって眼の働きが悪くなっていることは頻繁に見受けられる現象です。

 Sさんの場合、普通はあまり見られない現象として3つある斜角筋のすべてがこわばった状態になっていました。つまり、3つの斜角筋のすべてが首(頚椎)を前下に引っ張っている状態でした。この状態では、首を起こすことは難しいですから、斜角筋のこわばりを解消することが必須事項となります。

〇大胸筋のこわばりと前鋸筋のこわばり

 Sさんの斜角筋がこわばっている原因を探していきますと、胸に拡がっている大胸筋が硬くこわばっているところにたどり着きました。中でも腕のつけ根の辺りの線維が強くこわばっていました。
 胸を揉みほぐすようにしてこわばっている大胸筋をゆるめますと、頑固にこわばっていた斜角筋が少しずつゆるみ始めました。

 そして次に大胸筋がこわばっている理由を探しましたが、それは体側にあります前鋸筋(ぜんきょきん)の硬さが原因でした。長年にわたるこわばりの蓄積なのか、ゆるめる施術を行ってもなかなか筋線維がゆるみません。前鋸筋は手の親指と関係する筋肉ですが、脇が開いた状態で手を使い続けていたのかもしれません。
 両側の前鋸筋をしばらくの間ゆるめていましたが、すると呼吸が深くなり始めて次第に全身から力が抜けていきました。そして、大胸筋のこわばりもゆるみ、斜角筋や首周りの他の筋肉もゆるんで、楽な状態になりました。

 私の施術は、筋肉の連動や骨の連動といった仕組みを利用しながら全身を整えていくものですが、前鋸筋と大胸筋が連動し、さらに斜角筋が連動するといった流れがあることは認識していませんでした。しかし、今回は明らかにこのような現象が起きました。
 このことについては追々考察していこうと考えていますが、もしかしたら腹筋が使えない状態だったために、胸回りの筋肉が総動員で頑張っていた結果として前鋸筋も大胸筋も斜角筋も全部硬くなってしまったということなのかもしれません。

 さて、以上の3つのポイントについて施術を終え、ベッドに座っていただきました。すると、すっかり良くなったというわけではありませんが、背もたれに寄り掛かるような姿勢ではなくなっていました。ほぼ垂直な感じで座ることができていて、首も立ち、まっすぐ正面を向くことができる状態になっていました。
 そして、立位を確認しましたが、反り腰状態もだいぶ軽減していました。かかと重心がすっかり良くなったわけではありませんが、施術の方向性は正しいと知ることができました。

 Sさんから話しを伺いますと、若い頃から反り腰だったようです。
 長年にわたるその癖はすぐには改善できないと思いますので、何度か施術を行っても「3歩進んで2歩下がる」というような感じになると思います。しかし、やがては確実に症状は克服でき、さらに反り腰と猫背が改善されれば、この先、効率的で快適なからだの使い方ができると思います。


 前述しましたが、今回の説明で皆さんに知っておいていただきたい大切なことは、3つのポイント全部を調整しなければ良い結果を期待することはできないということです。
 そして3つはバラバラにあるのではなく、密接に関連し合っています。
 反り腰によって猫背になり、背面の筋肉が伸びて首が支えられなくなり、それを支えるために首前面~胸にかけて硬くなり、それが故に益々猫背が進み、それが故にさらに反り腰になってしまう、といった関連性があります。ですから、反り腰も修正しなければなりませんし、背中の筋肉の働きも戻さなければなりませんし、硬くなっている首前面~胸の筋肉もゆるめなければなりません。どれか一つ欠けても良いバランスを築くことはできないと私は考えています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 からだがリラックスできる状態になるためには、喉元の筋肉(舌骨筋群や頭長筋など)の筋肉の状態も大切であることを説明してきました。
 そして、そのためには足首の柔らかさも大切であると説明させていただきましたが、今回はその理由と、ポイントになる骨格と筋肉と靱帯について説明させていただきます。

足首が硬くなると喉元が緊張する理由

 詳細を説明しますと長くなってしまいますし、専門的になりすぎてしまいますので、だいぶ省略した説明になってしまいます。

 私は骨格や筋肉や筋膜の状態を判断するときにベクトル(中学の数学で勉強した「方向性」)をかなり重要視しています。
 それは、その骨が「どこを向いているのか」「どちらに行きたがっているのか」、その筋肉が「縮みたがっているのか、否か」、その筋膜が「どのように捻れたがっているのか」といったものです。
 このようなことを申しますと「変人」扱いされてしまうかもしれませんが、私たちのからだの骨や筋肉や筋膜には、あるいは細胞には、それぞれに意識や意見(訴え)があるよう感じています。それは私たちの意識が集中して繊細になることができれば、誰もが感じられるものだと思っています。そして、それを「ベクトル」と私は表現しています。

 足首が硬い人の特徴として、足のくるぶし(内果と外果)が下がっていて、足首が太くなるという現象があります。そしてくるぶしが靴の縁に当たって擦れてしまう可能性が高くなるかもしれません。
 これは単純に考えますと、ふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)と足の骨が近づいてしまっているということなのですが、足首周辺の靱帯が縮んだ状態になっていて脛骨と腓骨を下に引っ張っている状態です。ですから、脛骨と腓骨を触りますと、ベクトルが下に向かっていると私は感じます。

 ここで視点を膝関節に向けますと、脛骨が下に引っ張られている分、大腿骨との間が少し拡がった状態になります。すると、脛骨と大腿骨を繋ぐ筋肉が緊張してこわばります。

 膝裏では膝窩筋がこわばって硬くなりますので「膝の裏が腫れぼっくて硬い」と感じると思います。また、ハムストリングや腓腹筋もこわばりますので、裏側(背側)の膝周辺も硬くなって張ります。さらに太股に対してふくらはぎが後側に歪んだ状態になりますが、それを前から見ますと膝小僧(膝蓋骨)が目立つ状態となります。

 この状況はかかと重心になってしまう状態ですが、骨盤も後傾しますので、猫背にもなりやすくなり、頭長筋がこわばって首・肩・顔に力が入りやすい状態を招きます。(「気になる頭長筋の状態」参照)

 膝関節の前面では大腿四頭筋がこわばります。ですから、太股の前面が太く硬くなってしまいますが、喉元では胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)がこわばりますので、食物の飲み込み(嚥下)や発声に悪影響がおよびます。(「食欲不振‥‥飲み込めなくて=嚥下の不調」 参照)

 足首の靱帯が縮んで足首が硬くなった状態は、その他に「鼡径部が下がるので下腹が出たり、舌が下がる」といった現象ももたらしますので、噛みしめや歯ぎしり、頭痛といった症状を招く可能性もあります。

距骨の不安定さと立方骨と短母趾屈筋

 足首の靱帯が硬く縮んでしまう理由について考えますと、二つのことが浮かんできます。

 一つは足首の使いすぎです。「足首の使いすぎ」といってもピンとこないと思いますが、この状態を招く理由としては、歩いたり立ったりするときに足やふくらはぎに力を入れすぎていて、「足で踏ん張っている」「足元で頑張っている」状態になっていることがあげられます。
 たとえば歩行においては、骨盤を中心にその周辺の筋肉を主体的に使って動作をおこなうのが良い在り方です。そうであれば、足元に力を入れなくてもサッサと軽やかに歩くことが出来ます。そしてこのような状態の人の歩き方を見ますと、お尻がプリプリ収縮を繰り返して歩いているように見えます。
 反対に骨盤中心ではなく、足元に力を入れて歩いている人の場合は、お尻はあまり動かず股関節から下ばかりが動いているように見えます。歩き方にバネが感じられません。
 このような人は歩行時における全体重の負荷を膝や足首で受け止めることになりますので、足首がその負荷に負けないようにとガチッと硬くなりますが、それが足首周辺の靱帯や筋肉を縮めてしまう要因になるのではないかと思います。長く歩いているとスネの外側が張って辛く感じる人は、まず間違いなくこのタイプの人と言えます。

 二つ目は、距骨が不安定な状態になっているので、それを補うように靱帯や筋肉が縮んでいる状況です。
 「距骨(きょこつ)‥‥足関節の安定と歩行と重心移動」で詳細は説明していますが、立位の状態で、全身の負荷を足で受け止める直接的な骨は距骨です。ですから、距骨の状態は立位の状態を決める「要」であると言うことができます。

 また、足首周辺の靱帯と距骨との関係では違う側面もあります。
 たとえば足を内側にグキッと捻ってしまった捻挫は、足首外側の靱帯に損傷を招きます。

 前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)や後距腓靱帯(こうきょひじんたい)が伸びて損傷しますと、距骨が小趾側に捻れた状態になる可能性があります。あるいは立方骨(りっぽうこつ)を安定させる靱帯が損傷しますと立方骨がグラグラしますが、あわせて距骨もグラグラして不安定になる可能性があります。
 すると、からだは足首の不安定さを嫌いますので、他の靱帯を固めるように縮めて足首の不安定さが小さくなるようにするのではないかと想像します。

 また、この状況に関連して母趾と立方骨を繋いでいる短母趾屈筋(たんぼしくっきん)がこわばりますと、立方骨が前方に引き付けられ前に歪んでしまいます。すると隣り合う関係の距骨も歪んで足首が不安定になりますが、このような状態の人はたくさんいます。



距骨を整えるための主な考え方と施術

 上記までの内容を要約しますと、足首が硬く縮んでしまう理由は以下の3つになります。

  1. 足首の酷使などの理由で足関節の靱帯がこわばってしまった。
  2. 捻挫などの影響で損傷した靱帯の働きを補うために他の靱帯や筋肉が硬く縮んでしまった。
  3. 立方骨の歪みが距骨の歪みに繋がり、足首が不安定な状態になってしまった。
    (短母趾屈筋のこわばりや捻挫等による靱帯の損傷が原因)

 ですから、それぞれの状況によって施術内容は異なります。

  1. の理由による靱帯のこわばりに対しては、靱帯をゆるめる手法を行います。それはストレッチや指圧などの手技になりますが、それ以外に足首をよく回すことも有効です。
  2. に対しては、損傷や疲弊してしまった靱帯を復活させる施術を行います。
     そして(悲しいことですが)、捻挫などのケガが何十年前のものであったとしても、靱帯の状態が元通りに回復していない現実があります。

     私たちの一般的な感覚では、捻挫をしたとしても腫れが治まって痛みが消失してしまえば、それで捻挫は治癒したと認識しているかもしれません。しかし、それだけでは捻挫の損傷は完全に回復しているわけではありません。靱帯の働きがしっかりと戻って関節のグラグラ感が消え、骨格が安定して周囲の筋肉がしっかり働ける状態になったときが損傷が回復した状態です。そうなりませんと足首(足関節)の要である距骨は頼りない状態のままですので、全体重を距骨に乗せることができません。このような状態ではかかと重心になっている可能性があります。

     損傷から回復しきっていない靱帯を回復させる手段は、やはり「手当て」です。あるいは、ピップエレキバンが有効な場合もあります。ともかく血液をたくさん運んできて、細胞の働きが活発になるようにする施術が必要です。(この感覚は実際に体験しないと解らないと思います。)
  3. 立方骨が歪んでいる理由として、立方骨と踵骨、あるいは4趾・5趾の中足骨を繋ぐ靱帯が損傷している場合には上記②と同じ手法を用います。


       あるいは短母趾屈筋(たんぼしくっきん)がこわばっていることで立方骨が前方に歪んでいるケースでは、短母趾屈筋のこわばりを解消する施術を行わなければなりません。

     但しこの場合、単にこわばりを解消するだけでは根本的な解決になりません。「どうして短母趾屈筋がこわばったのか?」について最終的には解決する必要があります。


       短母趾屈筋がこわばる理由として、多くの人のケースでは、歩き方の問題などで短母趾屈筋を必要以上に収縮させなければならない状況になっていることがあげられます。

     ですから、歩き方が良くなるようにからだを整えることが必要になりますが、それは長年の「癖」を克服する道のりでもあります。ですから一朝一夕にいきません。「形状記憶」のような状態を解除するように、時間をかけて着実に進めていく心構えが必要になると言えます。

     とはいえ、とりあえずは立方骨の歪みを改善する必要がありますので、こわばっている短母趾屈筋をゆるめる施術を行います。

 距骨の歪みに対しては、多くの場合で、上記の3つの観点で観察し、適切に施術を行うことで対処できると思います。しかし少数派なのでここでは説明を省きますが、脛骨の捻れが原因で距骨が歪んでいる場合もあります。

短母趾屈筋のこわばり

 上の写真の右側のように、脛骨に対して距骨が前方に歪んでいる状況では、その人はほぼ間違いなくかかと重心の状態になっています。ですから、この状態は確実に改善したいと考えていますが、この状態をもたらしている直接的な原因として最も多いのは、短母趾屈筋のこわばりです。

 ご自分の足を観察して、親指(母趾)が中足骨のところから下を向いているようであれば、ほぼ間違いなく短母趾屈筋はこわばっていると思われます。そして距骨は前に出ていると思われます。ですから、このような人は短母趾屈筋のストレッチをたくさん行う必要があります。

 また、短母趾屈筋は足底筋の中で、からだ全体に影響力の強い筋肉であると私は考えています。
 短母趾屈筋は私たちの日常生活の動きによってこわばりやすい筋肉でありますが、同時に、ストレッチなどしてこわばりを解消しますと、全身の血行が改善したり、縮こまっていた筋肉が伸びやかになるなど「快適さのコツ」に該当する筋肉であると考えられます。

 私の母は82歳になろうとしていますが、この年齢になりますと筋肉の働きが弱くなりますので熱を産生する能力も衰えます。ですからパジャマなど着るものを厚めに着て布団に入りますが、朝は私が20分くらいマッサージをしています。
 彼女は毎日買い物などで5000歩位を歩いていますが、それだけでも短母趾屈筋がこわばります。ですから、マッサージの中で短母趾屈筋をゆるめたりストレッチしたりしていますが、それだけでもからだが非常に温まり、眼がパッチリ開くようになります。そして「(指圧は)痛いけど、温まって気持ちいい~!」と言います。
 短母趾屈筋は、からだの冷えを感じている人にとっては毎日ケアしていただきたい筋肉でもあります。

足首をよく回しましょう

 この話題は3回連続になりますが、足首を丁寧にしっかりと回すことは、誰もが手軽にできて効果の期待できるセルフケアです。
 (イボのない、ツルツルとした)青竹踏みと足首回しは、皆さんにお勧めしたいセルフケアです。非常に単純ですが、是非行ってください。


 今回の話題の中で取り上げました短母趾屈筋については、まだまだ語るべきことがたくさんあります。また、別の話題の中で取り上げていこうと考えています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

↑このページのトップヘ