ゆめとわのblog

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 世の中がまぶしすぎてサングラスをかけないと目が開けられない、視界に黒いものが見えてしまう(飛蚊症)、目の奥が痛い、乱視や目やに等々、目の症状はいろいろですが、眼科では解決できない状態があります。今回は首の斜め前面にある前斜角筋の強いこわばりによってもたらされてしまう目の症状について、これまでの経験からお話しさせていただきます。

前斜角筋から腋の下にかけてのラインにこわばりがあると目が不調になる
 首の骨(頚椎)から鎖骨の直下にある第1肋骨につながっている斜角筋という首の運動と呼吸に関係する筋肉があります。(頚椎から第1肋骨につながっているのは前斜角筋と中斜角筋、頚椎から第2肋骨につながっているのは後斜角筋)

斜角筋02

 斜角筋の中で前面にあるのが前斜角筋ですが、この斜角筋のラインを延長していきますとちょうど腋の下の前鋸筋につながります。目がまぶしくてサングラスがないと日中外に出られない、目やにが出てくる、視界に黒いものが現れてしまう(飛蚊症)、目が乾くなどの症状があって、さらにこの前斜角筋のラインがこわばっているようなら、それは施術経験的に言って、斜角筋のこわばりに根本的な原因がある可能性が高いです。

前斜角筋から前鋸筋にかけての「こ」

 本日、飛蚊症の方が来店されました。右目の斜め右上方向に黒いものがかなり大きく現れているということでした。座っていただき骨格や筋肉の状態を確認すると、案の定、右側の前斜角筋が強くこわばっていました。その部分を軽く押さえただけでも痛がります。前斜角筋がこわばっていたのは第1肋骨の位置が悪いことと頚椎の中ほどが左側にずれていたからです。第1肋骨のずれによって前斜角筋と中斜角筋はこわばり、さらに頚椎がずれていることで前斜角筋がさらにこわばってしまったため、軽く圧するだけで痛みを感じるほど強いこわばりとなってしまったのだと思います。
 試しに私の手で、こわばっている前斜角筋を(手動で)ゆるめますと、視界の黒いものが動き出しました(本人の弁)。それに加えて腋の下の前鋸筋のこわばりをゆるめますと更に黒いものは視界の上の方に移動していき、視界から遠ざかるようになるということでした。これで、前斜角筋から前鋸筋にかけてのラインに原因があることがわかりましたので、その後の施術においてそれを整えました。
 この方の職業は画家ですが、右手で筆を持ち、左手にはドライヤーを持って絵の具を乾かしながら色を重ねていく方法で絵を描いていくとのことです。「絵を描いているときに、首の右側にピキッと音がして、それから数時間後に視界に黒いものが現れた」ということでしたので、施術するポイントも的を絞ることができ、一度の施術で症状は改善しました。「飛蚊症は治りにくい」という通説があるので、画家という職業上のこともあって、改善までに時間がかかるのではないかと配していらっしゃいましたが、すんなりと改善しましたので、とても安心した様子でした。

 また、目がまぶしくて昼間は外に出たくないという方が月1~2度のペースで一年間ほど来店されていました。症状は10年ほど前からとのことでした。この方も結局は前斜角筋から前鋸筋にかけてのライン上に根本的な原因がありました。しかし、長い年月で眼球の運動に関係する筋肉も硬くこわばっていましたし、その影響で首や肩~背中にかけて慢性的な非常に強い凝りもありました。全身の血流が停滞している感じでしたので、その分、改善までに時間がかかってしまいました。「時はエネルギー」ということなのでしょうか、症状を長く患っている人は、やはりその症状自体が力を持っているようで、なかなかすぐに改善できないこともあります。「形状記憶」のように器質的に変化してしまうと、その時は良くなったとしても時間の経過とともに元の状態に戻ってしまう力が働くようです。「三歩進んで二歩下がる」状態がしばらく続くことがあります。
 この方の場合、しばらくはそんな感じでした。施術が終わって帰られるときには、太陽が燦々と輝いていてもサングラス無しで普通に目を開いて外に出ることができましたが、2週間後に来店されるときにはやはりサングラスをかけて来られるという状態が半年ほど続きました。その後は来店されるペースが3週間に一度となり、やがて用事ができると優先順位が逆転し、来店を1週間延ばされるようになったりして、最後の三ヶ月は月一度のペースになりました。そして最後の時はサングラスをかけずに来店されるようになりましたが、それ以来もう三ヶ月以上来店されていませんので、症状は改善されたのでははないかと思います。

前斜角筋から前鋸筋にかけてのライン
 斜角筋は前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3本がありますが、首と肋骨を結んでいて、首の運動や呼吸時に胸郭を引き上げる働きを行っています。噛みしめの癖を持っている人は斜角筋がこわばりますので、首が硬くなって動かしづらくなります。「首が凝って動きが悪い」と感じる時は大方斜角筋のこわばりが原因です。
 斜角筋の中で前斜角筋と中斜角筋は頚椎と第1肋骨をつないでいます。ですから前斜角筋のこわばりを考えるときには噛みしめと第1肋骨の状態をまず考える手順になります。
 
前鋸筋02

 腋の下にある前鋸筋は、肩甲骨の内側縁と肋骨のほとんどを結びつけている筋肉です。肩と腕を前方に突き出す働きをしますが、パソコン業務の多い今日、キーボードを操作するために多くの人が腕を前に出していますが、それによって前鋸筋が強くこわばっている人が大変多くなっています。そして前鋸筋は第1肋骨にもつながっていますので、そのこわばりは第1肋骨を外側にずらすことになります。噛みしめの癖によって前斜角筋はこわばり、前鋸筋のこわばりによってさらに前斜角筋は強くこわばってしまうという状態になってしまいます。

前斜角筋の「こ」で鎖骨の内側が痛む

 また右利きの人は、右側の胸郭(肋骨)が下がる傾向にあります(腹直筋のこわばりによって)ので、第1肋骨は下方向に引っ張られることになり、それらが重なって前斜角筋及びその周辺の組織はとても固くなってしまいます。すると下顎の底面、舌のつけ根辺りから鎖骨の内側の凹みにかけて突っ張った状態となり、それが目の働きに大きく影響を与えてしまうのではないかと私は考えています。こうなってしまいますとコメカミを押して目の疲労を取ったところで、あるいはいろいろな目薬をさしたところで、それらは何の効果ももたらさない単なる気休めになってしまいます。

前斜角筋のこわばりによるその他の影響
 斜角筋は、それ自体が多少変調をおこしたとしても首の運動が少し突っ張る程度で、腰や股関節が痛む、膝が痛む、腕の自由がきかないなどとは違い、日常生活での動作にそれほど大きな影響を与えることはありません。しかしながら、頭部や全身の血流にとっては非常に重要な筋肉です。前斜角筋のすぐ前面を鎖骨下静脈が通っています。鎖骨下静脈には頭部からの静脈、ほとんど全身の体表の静脈、そして全身のリンパが合流します。鎖骨と第1肋骨の狭い隙間を静脈が流れて心臓に還りますが、前斜角筋がこわばりますと、肋骨と鎖骨の関係に歪みが生じ鎖骨下静脈の流れに影響を及ぼします。顔がむくんだり、場合によってはふくらはぎや足先のむくみまでもがこの静脈の滞りによってもたらされることがあります。

鎖骨下静脈2

 また、前斜角筋のすぐ後に中斜角筋がありますが、その二つの筋肉の間に神経(腕神経叢)と鎖骨下動脈が通っています。腕神経叢は腕~手先にかけての神経の大元です。頚椎ヘルニアやムチウチなど頸部の損傷によって手先にしびれが出ることがありますが、それはこの神経の状態が悪くなったからです。筋肉はこわばると太く固くなりますので、前斜角筋の強いこわばりによって神経が圧迫されてしまう可能性は十分に考えることができます。

 “首・肩の凝りと目の不調”は関係性が深いと思われている方は多いと思います。ですから、目の調子が悪いときには「肩こりをほぐさなければ」と体操をしたり、自分でマッサージをしたり、あるいは私と同業者のようなところに行き施術を受けることもあるかもしれません。ところが今回取り上げた“前斜角筋や第1肋骨が関係する”ような場合は、いくら揉みほぐしたり、ストレッチをしたりしても、その効果はきわめて一時的なものになってしまうことでしょう。
 根本的な原因をしっかりと突き止め、適切に対処すれば、それまで何カ所もの眼科医院や治療院を訪れても症状が改善しなかったものも確実に改善されていくと考えています。

 ドライアイにつきましては、眼科の先生が出された本をご紹介しました。(2014.12.7投稿)
 私のところにはドライアイを改善することを主目的として来店される方はいません。いろいろ施術する中で「目がだいぶ凝ってますね」と言いますと、「ドライアイなので‥‥」という返事が返ってきて症状を知るというのがほとんどです。
 さて、ドライアイの全てが上手くいくとは考えていませんが、ドライアイに対する整体的アプローチの手段はあります。そして、だいたいがそれで上手くいっています。そのことをお話しさせていただきます。

 ドライアイは“乾いてしまう”ということですから、“水の流れが悪い状態”であると考えることができます。涙として出てきて欲しい水が分泌されにくい状態かもしれなということです。目の他にも鼻が乾く、口の中が乾くというのも同じように考えることができます。
 体内の水の流れといえばリンパの流れであり、リンパは最終的に静脈と合流しますので、静脈の流れが局所的にあるいは全身的に悪いのかもしれません。私はそう考えて施術にあたっています。
 ちなみに、私たちの感覚器官はすべて水に浸された状態でないと順調に機能しません。口の中が乾いた状態では、食事もうまく摂れませんし、言葉もうまく話せません。鼻は匂いを嗅ぐことの他、空気をきれいな状態にして肺に送るというとても大切な働きをしていますが、鼻の粘膜が乾いていると空気中のバイ菌や有害物質を除去することができなくなります。耳は平衡感覚と音を捉える働きをしていますが、最終的には内耳の水の中でその仕事を行っています。皮膚は触覚の働きをしていますが、最外層の角質層にはある程度の水分が必要です。その水分がなくなると痒みが出、皮膚炎や湿疹などの症状が現れます。そうなれば繊細な触覚を期待することはできなくなります。
 ドライアイ、緑内障、鼻炎、気管支炎、難聴、めまい、口内炎、皮膚炎、これらは少なからず水の流れと関係しますので、そのことを抜きにして治そうと考えても上手くいかないだろうと私は思います。

 さて、水の流れは静脈の流れの延長線上にあると考えて、私たちの体には大きな関所が二ヵ所あります。関所と言いますのは静脈の流れを停滞させやすい所という意味です。一ヵ所は鎖骨と第1肋骨の間(鎖骨下静脈)であり、もう一ヵ所は股関節の前面である鼡径部(大腿静脈)です。全身には関所のようなところはまだまだたくさんありますが、全身的に大きな影響を及ぼすという意味では、この二ヵ所です。
 鎖骨下静脈は頭部と上半身と体表の静脈や全身のリンパを心臓に戻す血管です。ですから感覚器官に関する全ての水の流れと関わります。これほど大切な血管なのですが、その通り道は鎖骨と第1肋骨の間という非常に狭いところになっています。鎖骨や肋骨が歪みますとすぐに通りが悪くなります。
 
鎖骨下静脈01

 絵を見ていただくと理解できると思いますが、例えば鎖骨が下がった場合や肋骨が上がってしまった場合、鎖骨と肋骨の隙間がさらに狭くなりますので流れが悪くなります。また、鎖骨が後にずれた場合も狭くなります。頭部からの静脈は内頚静脈ですが、絵を見る限り鎖骨と肋骨の位置関係には影響を受けそうにありません。しかし実際は影響を受けています。
 ご自分の鎖骨を前から押して後方に少しずらしてみてください。次第に息苦しくなり、頭が詰まるような感じがしませんでしょうか。そして今度はその手を離してみてください。すると途端に楽になったような感じがしませんでしょうか。今、鎖骨が正常な位置にある人はこの感覚がわかると思います。よくわからない人は、すでに鎖骨が後にずれている状態なのかもしれません。

 ドライアイに対する施術では、この鎖骨下静脈の流れを改善することをまず行います。その上で、眼精疲労を解消するとか、顔のこりを解消するとかの施術を行います。
 本日来店された50歳くらいの女性は、首を後に傾けることができないのでそれを直して欲しいということでした。施術もそろそろ終わりに近づいたとき、「もう10年以上もドライアイで‥‥」と言い出しました。さすがに僅か3~4分ではドライアイに対する施術は満足にできませんでしたが、鎖骨が前に出るようにやってみました。鎖骨が後にずれているということは肩甲骨が後にずれているということです。そして肩甲骨が後にずれる理由として多いのは、①そしゃく筋がこわばっていて胸鎖乳突筋という耳の側から鎖骨の中央部につながっている筋肉がこわばり、鎖骨を後方に引っ張っている場合か、②骨盤が後に傾いていて、それに合わせるように肩甲骨も後に傾いてしまう場合です。この方は骨盤が後に傾いていることによるものでした。
 本当に僅かな時間でしたが、骨盤を後に傾けているのは股関節の内転筋(長内転筋)がこわばっていたからでしたので、それを弛めました。すると「目の渇きが良くなってきた」と仰いました。あとは自分で内転筋を弛めるケアの仕方をお教えし、毎日片方2~3分くらいずつやっていただくということにしました。
 時間があれば内転筋がこわばっている原因を探し出し、それを施術することで鎖骨の位置をきちんと戻すようにしたかったのですが、それでも毎日ケアしていただければ目の渇き方はかなり良くなると思います。

 冒頭に申しましたが、全てのドライアイがこの考え方や方法で良くなるとは思っていません。しかし、ドライアイになってしまった多くの人がパソコンなどの画面を見続けていることによるものであるなら、この整体的な方法は有効だと考えます。なぜならパソコンに向かう姿勢(肩を前に出し、鎖骨をすぼめる)は鎖骨下静脈の流れを悪くするからです。
 パソコンも、可能なら、胸を張って操作できるといいのですが。

太陽

 目尻から少し(2~3㎝ほど)後方(耳の方)にいったところにコメカミがあります。東洋医学では”太陽”というツボにあたります。おそらく西洋医学的、科学的には認められていないと思いますが、実際の現実として、目が疲労していますとコメカミが硬く張ってしまいます。さらに肩甲挙筋という首と肩甲骨をつなぐ筋肉もこわばり、首の後ろ側が辛くなる肩こりになります。
 疲れ目や眼精疲労を訴える人の多くは、「肩こりが強くなりすぎたため目が痛くなった」というような考え方をしていますが、それは反対で「目が疲れたため肩こりが辛くなった」の方が正しいです。
 ドライアイ、かすみ目、目のしょぼしょぼ感、目の奥の痛みなど、目に関わる症状がある人はほとんどの場合、コメカミがとても硬くなっています。
 “痛いところに自然と手がいく”という例えのように、目が疲れた人は自然とコメカミに手がいき、しばらく指圧をしたりすると思います。すると疲労感や不具合感が和らぎますが、それは眼球を動かす外眼筋のこわばりが弛むからだと私は考えています。
 
外眼筋2

 眼球の動きや視力などに直接関係する筋肉は外眼筋と内眼筋の2つに分けられます。視力が低下したり、目がかすんだり、老眼になったり視力に関わるのは主に内眼筋です。内眼筋の働きは整体施術では直接調整することはできませんが、これまでの経験では血液循環と関わっている部分も大きいと考えられますので、全身の血液循環を整えることによって“目がハッキリ見える”状態にすることは可能です。
外眼筋

 外眼筋は6つあって眼球を意図するままに動かす働きをします。ごく普通に使っていれば6つの筋肉はバランスを崩すことはないので、目の疲れを実感することはあまりないと思います。ところが現代の私たちはパソコンの画面をじっと見たり、スマホ画面に集中したりと、一点をじっと見続けることが多いので外眼筋の働きが偏ります。外眼筋が固まってしまうとイメージしていただいてもよいかもしれません。
 テレビが右側にあれば、目は右を向いている状態が長くなりますので、眼球の右側にある外眼筋がこわばり硬くなります。するとそれは右側のコメカミに強い張りとして現れます。あるいは右目ばかりを使って見る癖があれば、やはり右側のコメカミが張ってしまいます。
 左右のコメカミ(太陽の部分)に指を当てて少し押し込みますと、左右で張り具合が異なっていませんでしょうか。両側ともにカチカチに硬くなっている人ももちろんいます。
 疲れ目や眼精疲労、目の見え方が悪いと訴える人のほとんどはこのコメカミ部分が強く張っています。つまり外眼筋がこわばっています。そして、それを改善する一番簡単な方法はコメカミを少し痛みを感じるくらいの強さで指圧し続けることです。ツボの本などには「気持ちよく感じる程度に指圧する」とかいてある場合が多いですが、それではそれほど効果は期待できません。強めに指圧し続けていると次第に張りが取れてきて、“痛い感じ”が”気持ちいい”に変わってきます。そして眼球の奥が弛んでくる感じがするようになります。そこまで指圧を続けてください。人によっては2分くらい指圧師続ける場合もあります。
 また外眼筋は肩甲挙筋とつながっていると思われますので、目の疲れが取れてきますと首から肩甲骨にかけてのコリも改善されていきます。

 実際の整体では、コメカミに対する施術以外にもいくつか施術を行いますが、そのことはまた後日取り上げたいと思います。

 「ドライアイは自分で治す 努力で治る」(著者 石川秀夫)というDVD付きの本を買いました。著者は沖縄の眼科医師です。この本の中で著者は、眼科に行っても良くならないドライアイをはじめ、目の不定愁訴(原因がよく解らない症状)のほとんどの原因は瞬きで目を閉じる動作の不全であると言っています。専門用語で“瞬目不全”と言うそうです。
 DVDでは、たくさんの症例を取り上げて、瞬目(まばたき)の状態をスロー再生映像で解説しています。確かにこの先生が言うように、ドライアイの原因の一つとして瞬目不全は大きく関係しているように私は感じました。

涙器
 目には目頭と目尻がありますが、垂れ目でない普通の人は目尻の方が目頭より上に位置しています。ドライアイは涙と深い関係がありますが、表からは見えない構造として目には涙腺と涙道があります。涙腺は目尻の方に、涙道は目頭の中にあります。瞬きの一つの役割を簡単に言いますと、涙腺で涙がつくられ、瞬きに合わせて涙が眼球を潤すと同時にそこにあった古い涙を洗い流し、目頭にある涙道から排出しています(鼻の奥に落ちる)。その作業が効率よく行われるように目尻の方が目頭より高い位置にあります。また、上瞼と下瞼が共働して目を閉じるのですが、その閉じ方もスローで確認しますと、目尻の方から目頭に向けてチャックを閉めるように行われます。眼球表面にある涙を目頭にある涙器に向けて押し流す動作になっています。
瞬目の動き01
 DVDの映像を見る限り、まずドライアイの人のほとんどは瞬目が正常に行われていませんでした。つまり目がしっかりと閉じていないのです。涙腺でつくられた新しい涙は、瞼を閉じることによって眼球全体に行き渡るようになっているようで、目が完全に閉じない状態では涙が眼球全体に広がらない状態、つまり目が潤っていない状態になってしまいます。正しくドライアイの状態です。

 瞼は眼輪筋という筋肉の働きで閉じたり開いたりするのですが、瞬目不全になるのは眼輪筋、とくに下瞼の方の眼輪筋の働きが悪いからだと著者は言います。実際これについては私にも心当たりがあります。眼瞼下垂というのは瞼が垂れ下がった状態ですが、加齢にともなって次第に瞼は下がってきます。すると目を閉じる動作で下瞼が上に上がりにくくなります。これによって目が完全に閉じなくなってしまうのです。あるいは年齢には関係なく、頬骨の下がっている人はかなりいます。頬骨の上面に眼輪筋はありますので、頬骨が下がると眼輪筋が下に引っ張られるため動きが悪くなります。パソコン画面をたくさん見ながら作業をしている人やいつもうつむき加減で作業をしている人は、頬骨が下がっていて瞬目不全になり、ドライアイになっているのかもしれません。
 私は疲れ目やドライアイなどの症状に対しては、眼球を動かす筋肉(外眼筋)を調整することと、頬骨が上がるよう調整します。それによって目が大きく開くようになりますし、おそらく瞬目も改善されるのだと思います。瞬目の状態を確認するためには、瞬きの動作を撮影しスロー再生しないとわかりませんので確実に改善されているとは言い切れませんが、動作が軽やかになりますし、本人から「ドライアイが良くなったみたい」と反応が返ってくるので、間違いはないと思っています。

 ところでドライアイについてもう一つ考えなければならないことは、涙がちゃんとつくられているかどうかということです。多くの眼科医では、ドライアイの治療に目薬を処方します。ということは、涙の量が足りないと考えているわけです。涙は涙腺でつくられますが、涙腺には涙腺動脈と涙腺神経(副交感神経系)がつながっていますが、涙腺で涙が製造されるには動脈血が行き届いていること、神経の働きが正常であることが必要条件になります。
 先日ドライアイを訴えて来店された60歳の女性に対しては、上記の調整に加え、血流も関係していそうでしたので、鼡径部と鎖骨下での血液の流れを良くする施術を行いました。そうすることで、その方もすぐにドライアイが改善されたと言いました。
 全身の血流に大きく影響を与える、血流の滞りやすい場所が2ヵ所あります。一つは鎖骨下動脈・静脈で、鎖骨と第1肋骨の間です。もう一つは股関節の鼡径部のところです。ともに狭いところを動脈も静脈も通っていますので、骨格がずれたり、周りの筋肉が硬くなったりしますとすぐに流れが悪くなります。下半身ばかりがむくんでしまう人は鼡径部の流れが悪い可能性があります。
 いつも椅子に座った状態で仕事をしている人は鼡径部の流れが悪くなりがちです。下半身にむくみを感じながらドライアイの症状を持った人は、鼡径部の流れを改善する必要もあるように思います。

 この本の著者は眼科医でありながら、今の眼科の治療方針ではドライアイを改善することは難しいと言っています。ドライアイで苦しんでいる方は、一度この本を読んで見てください。その中に、自分でできる眼輪筋の鍛え方なども載っています。それでも上手くいかないようであれば、頬骨を上げ、血流を改善する調整をお勧めします。
 実際、涙腺が壊れて機能不全に陥っていない限り、私はドライアイを改善することは難しいことであるとは思っていません。

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