ゆめとわのblog

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カテゴリ: 顔面・頭部

 無呼吸症候群を気にされている人は最近増えているようです。少し前まではいわゆる「中年」以降の男性に多い症状と考えられていましたが、今は30歳代の男性や、女性の人でも気になっている人が結構いらっしゃるようです。
 また、「しゃべり」に関して、滑舌が悪い、喋っていると息苦しくなってしまう、大きな声が出せない、発声が長く続けられない等々、困っている人もいらっしゃいます。

 今回は、舌に関係して、私が気になること、また最近発見したことなどを説明させていただきたいと思います。

舌のトレーニングは要注意

 無呼吸症候群に対する対処法として舌を大きく出したり、回したりするトレーニング方法が有効であるという情報があるようです。
 そのトレーニング法について、「どう思いますか?」と度々聞かれます。
 そして、この問いに対する私の応えは一貫して「止めてください」です。

 無呼吸症候群の原因の一つとしまして、舌(舌筋)がたるんでいるので、寝ている間にそのたるみが気道に落ちてきて、気道を塞いでしまうために無呼吸状態になってしまうというのがあります。
 ですから対策として、舌筋を鍛えてたるみを解消する必要がある、という理屈のようです。

 そして、その情報通り、真面目に、一年間毎日トレーニングを続けている人(女性)が来店されました。
 この女性の来店の目的は、頭痛と顎周りを中心とした顔面のこわばりと、首肩の張りの解消でした。現在は精神的ストレスもかなり強いとのことで、知らず知らずのうちに噛みしめてしまっているとも仰いました。
 そして、顔のこわばりに対する施術行いながら喉周辺を触ったときに、かなり硬くなっていましたので、「喉周辺が硬いのですが、何かありましたか?」と尋ねたところ、舌のトレーニングの事を話してくださいました。
 「一年間、毎日舌のトレーニングをしていたのでは、喉周辺がこれだけ硬くなるのもわかる」と内心思いました。そして、喉元~舌骨周辺~オトガイ(顎先)にかけのこわばりをじっくりゆるめていきました。
 すると次第に顎周辺~喉元にかけてのこわばりはゆるんでいき、顔のこわばりも解消されて、顔の表情が豊かになりました。首や肩からも力が抜けて「あぁ、ゆるんだあ~!」と仰いました。

 この女性は60歳代ですが、テレビの情報番組を見て「無呼吸症候群にはならないぞ」ということで、舌を大きく出すトレーニングを毎晩数分行っているとのことでした。

 情報番組の情報は、良いような、悪いような、どちらもあると思いますが、気をつける必要があるのだろうと思います。
 普通の人にとって、情報番組の情報が正しいか誤りかを識別することは非常に難しいことです。テレビなどでは、その情報は「正しい」というのを前提としていますし、「テレビが言うのだから、まず間違い」と私たちの多くは思っていますので、つい信じてしまうのは仕方のないことかもしれません。
 ですから、私は、「とりあえず2週間やってみてください」、そして2週間続けても良い効果や変化が感じられないなら、それは止めたほうがいいです、と申し上げたいです。
 からだに対して適切なトレーニングであれば、2週間も続けていれば必ず変化が現れると思います。そして、不適切なトレーニングであれば、速ければその場で、遅くても2週間で、悪い影響が現れると思います。
 今回の舌のトレーニングは、後者(2週間)の方だと思いますが、喉元や顎周辺や顔が硬くなったり、首や肩にコリを感じるようになると思います。

 さて、舌(舌筋)はからだの中でも非常に複雑な筋肉の一つです。
 筋肉には腕や足の筋肉などのように骨格を動かして動作を生み出す「骨格筋」と、食道や胃や小腸・大腸といった内臓系の「平滑筋」があります。
 カエルやカメレオンは舌を長く伸ばして獲物を捕獲しますので、その舌は私たちの手と同じような働きをしています。ですから、舌は骨格筋の側面を持っていると考えることができます。私たちは喋るときに舌を操りますが、それも骨格筋としての性格を現しています。ところが、食べ物を口に入れた後、そしゃくにともなって舌を巧みに使います。そして食塊を嚥下して食道~胃に送りますので、その意味では、舌は消化系の内臓の働きも担っています。ですから舌筋は内臓系の筋肉としての側面も持っています。
 
 ちょっと話は難しくなりますが、手や足を動かす骨格筋は、意志によってコントロールできる随意神経によって支配されています。一方、内臓系の筋肉は意志に影響されない自律神経によって支配されています。ですから舌筋は、随意神経と自律神経の両方の支配を受けている筋肉になります。
 舌筋を鍛えるためのトレーニングで舌を動かし続けたとします。それは随意神経のコントロールですが、舌からしますと普通とは違う種類の随意神経系です。普通は発声したり、喋ったりする種類の神経信号ですが、大きく舌を出し、その状態で大きく動かすのは舌からしますと不自然な神経信号であり行為です。
 このようなトレーニングを続けていますと、やがて舌はその運動を「普通の行為」にするために少し変質するようになります。舌先でいろいろな技をする人がいますが、舌には順応性と可能性があるのだと思いますが、舌筋は変化する可能性に富んでいる筋肉であるとも言えます。

舌を大きく出す行為は舌筋を強く収縮させる行為です。

 舌のトレーニングによる舌筋の強い収縮行為が1回、1日、1週間、あるいは2週間であれば、まだ大きな問題を起こすようなことにはならないかもしれません。ところが、半年、1年と続けていますと、それはある種の変化を固定化してしまう危険性があります。形状記憶に似た状態をもたらしてしまうとも考えられます。
 毎日のようにトレーニングを継続していますと、舌筋はこわばった状態になり、それがやがて固定化してしまいます。そして、そのこわばりはやがて周囲の組織に影響を及ぼすようになり、喉(甲状軟骨、甲状腺)や顎関節周辺や顔面の筋肉にこわばりをもたらすことになります。そして、それがからだのいろいろな不快感や不調を招いてしまう可能性があります。
 舌が強くこわばったり、あるいは反対にゆるんだりして働きが悪くなりますと、それは当然、自律神経経にも影響を及ぼします。スムーズな嚥下ができなくなったり、呼吸が不調になったりする可能性も考えられます。(現に、舌の問題で呼吸が悪くなっている人はたくさんいます)

 わざわざ無理なトレーニングをしなくても、普通に食べて、普通に喋っているだけで舌はたくさん動きますので、それで十分だと私は思います。本来、私たちのからだはそのようにできているはずです。
 誰とも会話することなく、食事でのそしゃくも不足しているのであれば、舌のトレーニングは或る程度必要かもしれませんが、そうでないのであれば全く必要ないと、私は考えています。

舌のトレーニングより、舌の位置が大切

 無呼吸症候群に関して、舌が気道を塞がないようにするためには、舌の位置とむくみの無い状態の方がよほど大切であると私は考えています。そして、現に、そのような結果がもたらされています。
 以前に取り上げたことですが、舌の位置は呼吸と喋りにとって重要です。舌が正しい位置にある人は、口を閉じてリラックスした状態でも口蓋(口の中の天井)を少し押し上げるような状態になっています。それは上顎骨を微力ながら持ち上げている状態ですので、鼻骨も上がり副鼻腔に空気を通しやすい状態にします。また、そしゃく筋など顎に関係する筋肉を作動させなくても口を閉じていられますので、頭部もゆるんだ状態なり、呼吸に合わせて頭蓋骨が拡がることを可能にします。つまり、静かでゆったりとした呼吸が可能な状態になります。

 これとは反対に舌の位置が下がって下の歯を押してしまうような場合(低位舌)は、そしゃく筋を脱力させた状態では、口が開いてしまいますので口呼吸になってしまいます。口呼吸を避けるために口を閉じようとしますと、顎先やそしゃく筋を収縮させることになりますが、それは顔に力が入った状態であり、頭部も硬くなります。上顎骨も下がり鼻骨も下がりますので、副鼻腔には空気が入らず、ゆったりリラックスした良質の呼吸は望めなくなります。
 また、舌の位置が下がっていることは、舌に締まりがなく、ゆるんでいることでもあり、そのゆるんだ舌筋が気道に落ちて無呼吸になる可能性も考えられますし、イビキをかく可能性も高まります。

 さらに、無呼吸症候群を考えるときに、舌のむくみも気になるところです。
 東洋医学では「舌の大きさ」を体質を診断するときの尺度の一つとしています。舌は心臓と関連性のある器官とされていますが、体質が弱くなりますと舌が腫れて大きくなり、口からはみ出すようになると考えられています。そしてその目安が「歯痕(しこん)」と言いまして、舌が歯を押してしまうために舌の縁に歯型がついてしまう状況です。鏡の前でご自分の舌をだして観察したときに、歯型があるようでしたら注意が必要です。
 舌がむくんで大きくなった状態は、当然気道を塞ぎやすくなりますので無呼吸症候群やイビキの原因になります。
 ですから、舌のむくみを解消しなればなりませんが、舌だけのむくみを改善することは不可能です。東洋医学では舌と心臓が密接な関係にあると申し上げましたが、即ち、心臓の働きも含めて全身的にむくみを改善する必要があります。
 (参照 循環のポイント‥‥鎖骨下静脈と鼡径部
 あるいは、口の中で「舌が邪魔」なほどに余っているように感じるのであれば、心臓の状態についても確認する必要があるかもしれません。

舌や周辺の動きに関して大切な首の筋肉

 何年も舌の動きと喋りに関して苦しんでいる青年がいます。まともに喋ることができなくなってしまったきっかけは、英語の発音練習をしていて、かなり舌に無理を強いてしまったことだと本人は仰っていますが、確実なところはわかりません。
 喋ることができなくなって、病院(言語聴覚士)やボイストレーニングのところなどを頼ったそうですが、何の改善も見られなかったようです。
 現在は、舌の動きも戻って言葉は普通に喋ることができるのですが、喋りながらのブレス(息継ぎ)ができないので、息苦しくなって喋れなくなるといった状態です。
 この青年は、長年の苦労によってか、あるいはトラブルを起こしたときのトラウマによるものか、舌や喉を動かすときに、どうしても口先から喉元にかけての部位しか動かさない癖になっています。

 ここで構造的な話題になりますが、学問的な見解として、舌と喉を動かす筋肉は舌骨を境にして二つの群に分かれています。舌骨は喉仏(甲状軟骨)のすぐ上にありますが、舌骨から頭蓋骨の下顎にかけての筋肉群を舌骨上筋群、舌骨から胸にかけて筋肉群を舌骨下筋群と言います。



 顎を開いて開口する場合、顎を閉じる働きをするそしゃく筋がゆるんで伸びますが、同時に、舌骨から下顎骨に繋がっている顎二腹筋(前腹)と顎舌骨筋、そしてオトガイ舌骨筋が収縮して下顎を舌骨の方に引き寄せます。
 また、食物を嚥下して食道に送る際は、食塊を飲み込む最初の段階で一度喉仏(甲状軟骨)が上にあがり、そして下がって「ゴクン」という嚥下動作が完了します。
 この嚥下動作では舌骨上筋群と舌骨下筋群が協働して舌骨と喉仏(甲状軟骨)を動かすことになります。そして唾を飲み込んだり、発声で声帯を動かしたりするときにも、同じように舌骨上筋群と舌骨下筋群が協働して甲状軟骨を動かします。(声楽家の喉仏が大きく上下に動くのはビックリしますが、これらの筋肉の働きによるものです)
 ですから、舌骨上筋群と舌骨下筋群、そして口を閉じる働きをするそしゃく筋の状態が良ければ、舌に関係する動作は滞りなく行えるという理屈が成り立ちます。
 ところが、実際は、それだけでは事足りません。

 舌と喉を動かすためには、僧帽筋や頭板状筋など首の背面の筋肉がしっかり働ける状態にあることが必要になります。

 頚部(首)を前後二つに分けたとき、舌や舌骨や喉、舌骨上筋群や舌骨下筋群は前側にあります。そして僧帽筋や頭板状筋、肩甲挙筋は後側に属しています。(胸鎖乳突筋も後側に属している筋肉と考えます)
 舌や舌骨、甲状軟骨に直接繋がっている筋肉のすべては前側にありますので、前側の筋肉の働きだけで、そしゃく、しゃべり、嚥下などの動作は完了できると理屈ではそうなります。しかし、実際は後側の筋肉が働かないと前側の筋肉がスムーズに働くことはできません。

 話を青年に戻しますが、彼は現在、毎日そしゃく筋や舌骨上筋群や舌骨下筋群を意識的に動かすように努力しています。顎の使い方を工夫したり、息の吸い方や吐き方を自分なりに調整しながら、昨日より今日、今日より明日、ちょっとずつでも前進しようと努力し続けていますが、どうしても首の前側だけに意識を向かわせてしまいます。
 「もっと首の後側を意識して顎を動かしてみて」とアドバイスするのですが、首の後側の感覚が乏しいので、使い方がまったく解らないと言います。

 通常、口を開いて下顎を下げるとき、鼻から息が入ってきますが、この時に同時に僧帽筋がゆるんで肩甲骨が少し下がります。そして頭板状筋は収縮して首の後面をしっかり支える働きをします。もし、頭板状筋が収縮できなかったり、あるいは僧帽筋(上部線維)がゆるまず肩甲骨が下がらない状態になりますと、顎を上手くゆるめることができず、顎を開いても鼻から息を取り入れることができません。

 この状態をそしゃく動作で説明しますと、一般的にそしゃくは「モグ・モグ」ですから、口を閉じた状態のままで顎だけ上下左右に動かしています。
 例えば「モグ」の「モ」のときに顎を開いて、「グ」の時に顎を閉じたとします。普通であれば、「モ」のときに鼻から息が入り、「グ」の時に鼻から息が出ていきます。このような仕組みになっていますので、口を閉じたまま「モグ・モグ」していても息苦しさを感じません。
 しかし、これができない状態ですと、「モグ・モグ」していると苦しくなってしまいますので、口を開けて「クチャ・クチャ」そしゃくするようになってしまいます。

 喋るときも同様です。私たちは喋りながら(=息を吐きながら)、無意識に、合間合間で瞬間的に吸気を行っています。それをブレスと言いますが、効率よいブレスを可能にするためには、首の後側の筋肉の働きが不可欠になります。その他に舌や鼻が下がっていないこと、舌骨筋群の状態が良いこと、頭皮や頭部の筋筋膜が硬すぎないことなどが条件になりますが、僧帽筋をはじめとして、後頚部の筋肉の状態が隠れた要となります。

 この青年が、どうアドバイスしても上手くブレスができず、すぐに息苦しくなってしまい、喉元の動きばかりを気にするようになってしまいますので、究極の策としまして、ベッドにうつ伏せになった状態で顔だけ上げた状態になってもらいました。普通に見ますと姿勢の悪い格好ですから、良いことだと思われませんが、後頚部の筋肉を収縮した状態にしたかったので、あえてこの格好をしてもらいました。

 すると、これまで長い間の苦しみが何処かに行ってしまったかのように、ごく普通に喋ることができるようになりました。後頚部の筋肉を収縮したままの状態にしたわけですが、それによって前頚部の舌骨上筋群、舌骨下筋群、舌筋がリラックスして使えるようになり、ブレスもごく普通にできるようになりました。そして長い時間喋り続けることが可能になりました。
 後頚部の筋肉を収縮させたことで、頭部と頚部をしっかり支えることができる状態になったのですが、それによって鼻腔が拡がり、自然と顎から力が抜くことができるようになったことも要因の一つだと思います。そしておそらく、頭板状筋を収縮させたことで僧帽筋をゆるめることが可能になり、開口と同時に息が吸える状態になったのだと思います。

 「この首の後側の使い方を、からだで覚えて‥‥!。これまでとは全く違った感覚だと思うけど、今までの使い方の癖を脱するために、うつ伏せになり、声を出して本を朗読するなどして、首全体を使って舌を動かす感覚を覚えて欲しい。」と申し上げました。

 その後、うつ伏せ状態を解除して、座った状態になりますと、やはり上手く使えなくなり、息苦しさが戻ってしまいました。しかし、また一つ、前進のための光明が見えました。
 後頚部の状態がこんなにも舌やその周辺の動作に影響を与えるとは私自身思っていませんでした。良い発見ができたと思っています。



 これまで舌についても何度か取り上げてきましたが、私はやはり、とても重要なものだと考えていますし、舌の重要性を益々感じるようになっています。
 舌は味を感じる感覚器官の一つであると同時に、喋りやそしゃくや嚥下の要ともなる大切な行為器官でもあります。
 ですから、大切に、大切にしてください。
 妙なトレーニングなどして舌を壊さないでください。

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(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

 噛み合わせや舌に関係する症状などについては過去に取りあげましたが、悩んでいる人が度々来店されますので、改めて整理してみます。

噛み合わせと噛み方

 過去に歯科治療で歯を削ったり、歯列矯正を行ったり、あるいは片噛みの癖など影響で噛み合わせがおかしくなったと感じている人がいます。噛み合わせが気になり出しますと心理的にもスッキリしませんし、体調もなんとなく悪くなりますので、都心の専門的な歯科クリニックに遠くから通われている人もいます。
 実際、噛み合わせが合わないことは、単に「噛み合わせがおかしくて不快」という心理的な問題を超えて、必ずからだに悪い影響を及ぼすと私は考えています。

 自然界には陰陽・表裏という原理原則があります。陰と陽、表と裏はまったく性質の違う存在ですが、二つを切り離すことは不可能で、陰があるから陽があり、表があるから裏があるという考え方です。そして陰と陽、表と裏は互いに従属しあい、依存し合う関係になっていますが、それが自然界の在り方であるという原理原則です。

 私たちのからだにおける陰陽の原理は腹側と背側の関係にあてはまります。
 尾骨の近くにあります“会陰”を境に陰(腹側)と陽(背側)が始まりますが、その帰着するところは上顎と下顎の接点です。つまり顎関節であり、歯の噛み合わせです。
 ですから噛み合わせが合いませんと「陰と陽の境界がずれる」ということが起こりますが、そこから派生するいろいろな症状が現れます。
 その一つが「不快感」であり「落ち着かない心」であると考えられます。その症状を軽減したいがために、噛みしめたり、横向きで寝たり、顎を突き出したりと、いろいろな癖を持ってしまう可能性は高いと思います。

 私の知る限り、顔が下がっていますと噛み合わせや噛み方が「どうもしっくりこない」と感じる可能性が高くなります。歯科治療で微妙に歯を削ってみたり、マウスピースで調整してみて、その場では快適になったように感じても、時間が経つとまた噛み合わせが気になりだしたり、ご飯を食べていても顎や口周りが疲れたり、噛むこと自体が不快に感じたりするようになってしまうことがあります。
 「歯を削って噛み合わせをいくら調整しても解決しないのになぁ」と私は思っています。

 からだが捻れていたり頭蓋骨が歪んでいたりして、その状態が許容範囲(からだの対応範囲)を超えますとますと顎関節がおかしくなります。ですから順番としては、からだや頭蓋骨の歪みを改善した上で歯の調整に進むべきだと思います。
 さらに、顔(上顎骨、鼻骨、頬骨、前頭骨など)が下がった状態では、口元から力を抜くことができません。口を閉じたときにオトガイ(顎先)に“梅干し”のような筋肉の塊ができてしまう人は、このような状態の人です。口角も下がってしまうことでしょう。

 からだをいろいろ調整して顔の下がった状態を解消しますと、噛み方がすっかり変わります。言葉で表現することは難しいのですが、それは根本的な変化です。
 「顎からただ力を抜くだけで口(顎)が開く」状態になりますので、口を開くのに力を使いません。ですから、ご飯の噛み方も噛むとき(顎を閉じるとき)だけ力を使えばよくなります。ところが顔の下がった状態では、顎を開くときも力を使わなければなりません。下顎の底面や喉、首前面の筋肉を意図的に使わないと口を開くことができませんので、その辺りがこわばってしまいます。

下顎を引き下げる筋

 顔の下がっていない人は顎を開くとき“ただ脱力する”だけで顎のロックが外れますが、同時に鼻から自然と空気が入ってきますので、口を閉じてモグモグしながらでも呼吸が苦しくなりません。
 一方、顔の下がっている人はそのようにはなりませんので、口を閉じたままモグモグそしゃくを続けることができず、口を開けてクチャクチャ噛むようになってしまいます。

 眼の下に頬骨があります。手先を使って頬骨を軽く上に押し上げなら顎を動かし見てください。すると顎関節を脱力する感じで顎を開くことができますし、同時に鼻から空気が入ってくるのが感じられると思います。
 次に、頬骨を軽く下に下げるようにして顎を開く動作を何回か繰り返してみてください。顎関節を脱力する感じではなくなり、喉元の筋肉を使い、顎先の筋肉を使って顎を開いているのが感じられると思います。そして鼻からの空気の流入量も減り、何度かモグモグしていると息苦しくなってしまうのが感じられると思います。

舌の動き

 自分の喋り方に納得がいかない、滑舌に不満を感じている、発声に不満がある、喋ると疲れてしまう、そんな症状に共通しているのは舌の状態です。
 舌は筋肉の塊ですが、幾つもの筋層が複雑に絡み合って、微妙で、複雑で、独特な動きができる仕組みになっています。

 舌のおかしな状態としては、「舌足らず」の状態と「舌余り」と呼べる状態があります。
 舌足らずは、舌が引っ込んでいて前に出ない状態です。舌先を大きく出して上下に動かし、鼻先に向けてみたり、顎先に向けてみたりしたとき、うまく力が入らず思うように動かせない状態は舌足らずと言えます。
 確実にそうだとは言い切れませんが、舌筋がゆるんで働きが悪くなり、力が入りにくくなりますと舌足らずの状態になります。このような状態では、寝ている時に舌がたるんで気道をふさぎやすくなります。無呼吸症候群になったり激しいイビキをかいたりする原因になることもあります。

 また反対に舌が余った状態は、舌が長くなっていたり、大きくなっていたりする状況です。この状態の人は舌先で歯を押してしまいますので、歯列が前に動く可能性もありますし、舌に歯型の痕が残ったりします。
 舌の動きが少し緩慢になりますので、滑舌に影響したり、舌を噛んだりしてしまうかもしれません。

 喉元や顎の底面を触ったときに奥が硬くなっているようでしたら、それは舌筋がこわばった状態です。噛み方のところで説明しましたが、顔が下がった状態で顎を開くときにはこの辺りの筋肉をたくさん使わなければなりませんので、必然的に舌がこわばってしまいます。ですから顔の下がっている人は、喉元が硬くなり、舌が余った状態で滑舌が悪くなる、という傾向があります。

声の出し方に不満がある

 発声は、吐く息が気道を通るときに声帯を揺らすことによって行われます。吸う息の時でも発声することは可能ですが、それはとても限定的で、普通は言葉を発することはできません。ですから、息を長く吐き続けることができませんと言葉を続けて話すことができなくなります。

 「出だしの音は聞こえるのに、尻切れトンボのようで、何を話しているのかよく聞き取れない」という人が時々います。自分の発言に自信がない、という心理的な影響もあるかもしれませんが、息をうまく吐くことができないことが理由でこのようになっている人もいます。
 また、このことを自覚している人は言葉を発する度に緊張しますので、さらに声が出しづらくなるという悪循環に陥ってしまうこともあります。

 息を長く吐き出すこのできない人は、一般的には腹式呼吸がうまくできないタイプの人と思われているかもしれませんが、それだけではないようです。歌を歌うときに「ブレス」(息継ぎ)がうまくできないと声が続かなかったり、リズムに乗り遅れてしまったりしますが、喋りにおいても瞬間的に息を吸う「ブレス」は重要です。
 腹式呼吸を意識的に練習している人は、「胸式呼吸」をおろそかにする傾向があるようです。腹式呼吸の要である横隔膜やお腹のことばかりを重要視している人が多いようです。
 「腹式呼吸」とか「丹田呼吸」など、呼吸法を実践しているときにはそれで良いかもしれませんが、一般的な日常生活では胸郭(肋骨)を動かして息を入れる胸式呼吸も併用しないと息苦しくなってしまいます。

 私たちが呼吸をして、空気を出し入れしている肺にはほとんど筋肉がありません。ですから、肋骨を動かして胸郭を広げ、横隔膜を下げることによって肺を膨らませるのが吸気の動作であり、反対の動きをして息を吐いているのが呼気の動作の実際です。
 したがって、肋骨を動かす筋肉(外肋間筋と内肋間筋など)と胸郭を引き上げる筋肉(斜角筋と胸鎖乳突筋など)、胸郭を引き下げる筋肉(腹筋群)の状態が芳しくないと胸式呼吸がうまくできなくなってしまいます。



 「ブレス」は一瞬のうちに空気を肺に取り入れる動作ですが、それは胸式呼吸です。そして要になるのは肋骨を上下させる肋間筋(外肋間筋の収縮、内肋間筋の弛緩)と胸郭や鎖骨を引き上げる働きをする斜角筋と胸鎖乳突筋です。その他にも肩甲骨を引き上げる筋肉や胸の筋肉(大胸筋と小胸筋)も快適な状態に保っておく必要があります。

 内肋間筋(呼気の時に肋骨を下に向けて胸郭を下げる働きをする)がこわばっていて肋骨が持ち上がらないために瞬間的な息継ぎが苦手な人がいます。時間を掛けて、あるいは大げさな動作で空気を吸い込むことはできるのですが、瞬間的に鼻から「フッ」と息を入れることができません。できないのを無理してやろうとしますと、背中の筋肉を使って肋骨を持ち上げようとしますので背骨を反るような動作になり、緊張感が現れます。
 カラオケなどでテンポの速い曲を歌うのが苦手なのは瞬間的な胸式呼吸ができないので「ブレスが間に合わないから」という理由かもしれません。

 さて、息を長く吐くことができなくて言葉が続けられない人や言葉尻が聞き取りにくい人の対処法として次の練習を薦めています。
 まず呼吸は、吐くことから始めます。長く吐き出すことができない人は心理的にか、たくさん空気を吸い込んでからゆっくり吐こうとします。しかし、日常生活で言葉を話すときはこのような順番にはなりません。ですから呼吸を息を吐くことから始める練習をしていただきたいと思います。
 そして、それに加えて、一息で「あ・い・う・え・お‥‥た・ち・つ・て・と‥‥」と言葉を続ける練習をします。最初はカ行かサ行までしか息が続かないかもしれません。しかし、息が続かなくなるほど吐き出しますと、からだは苦しさのあまり自然と胸やノドを動かして「ブレス」を行います。この無意識の動きが大切です。そして休むことなくすぐにまた「あ・い・う・え・お‥‥」と続けます。これを何回か繰り返しますと、次第に長く言葉を続けることが出来るようになりますし、発声のコツと息継ぎ(ブレス)を会得することができるようになると思います。

 噛み合わせ、噛み方、喋り方、滑舌、舌の位置と動き、これらは関連性があって繋がっています。ですから、それぞれを単独で修正することは合理的な方法だとは思えません。
 噛み合わせを直すために歯科クリニック、滑舌をよくするための舌のトレーニング、喋り方を直すための練習、舌の位置を意図的に良いところに保持する練習、それらを単独で行ったところで、効果はそれほど期待できないと思います。それよりも変な癖がついたりして、かえってマイナスに働いてしまうかもしれません。

 インターネットなどでは、手軽に「自分でできる○○トレーニング」などの情報を得ることができるようです。しかし、実際に実践する際は慎重に行っていただきたいと思っています。

 過去に眼輪筋を鍛えるトレーニングをやり過ぎたせいで眼輪筋がこわばり、眼の下のシワが目立つようになった人もいました。
 舌に負担をかける練習をしすぎて思わぬ不調を抱えてしまった人もいます。
 また、自己流で顔をいじり、トラブルを抱えてしまった人はたくさんいます。


 今回取り上げました、噛み合わせ、喋り、滑舌、舌などの不調や不快感は生活する上で非常に気になるところですから、何とか快適に保ちたいところです。
 ところが、先ほども申しましたが、これらのそれぞれは密接に関係し合っていてますので、どれか一つだけを調整すれば問題が解決するというものではありません。
 これらの問題を“一繋がりの症状”として考え、対応することのできる専門家に相談されることをお勧めします。
 「噛み合わせを調整するためには歯を削ることが一番」と考えている歯科医は避けた方が宜しいかと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

「顔を下げる筋肉」シリーズの今回は大腿四頭筋の中の大腿直筋とその連動筋である腹直筋について説明させていただきます。
 大腿直筋は太股前面の表層にあって大腿四頭筋の中で一番触りやすい筋肉です。大腿四頭は四つの頭(起始)を持ち、それが膝関節のところで一つにまとまり、膝小僧(膝蓋骨)を越えてスネの骨(脛骨)に付着(停止)している筋肉ですが、他の3つの筋肉(内側広筋、外側広筋、中間広筋)が太股の骨から始まるのに対して、大腿直筋は骨盤から始まっているのが特徴の一つです。その構造から膝関節を伸ばす働きをするだけでなく、膝を骨盤の方へ引き寄せる、つまり腿上げをする働きもします。
 そして、膝から下の部分では長母趾屈筋という、歩行時に足の親指(母趾)の先端を曲げて踏ん張り、地面を蹴る動作を行う筋肉に連動します。
 また、腹部・胸部では、多くの人が「これが腹筋だ!」と思っている腹直筋に連動し、大胸筋に連動します。

 立った時に、ふくらはぎの裏側に突っ張り感や重みを感じたり、長く歩くとふくらはぎの裏や外側がつらくなってしまう人は“かかと重心”の傾向にありますが、特徴の一つとして“足の指先が曲がっている”ことがあります。この原因の一つは立った時に重心がかかとに掛かってしまうため、そのままでは後に倒れそうになってしまいますので、「指先を曲げてこらえる」反応が無意識に行われることです。ですから足趾(足指)の先端を曲げる筋肉が常に作動しているような状態になりますので、それらの筋肉がこわばった状態になります。そして、足趾の先端を曲げる筋肉はふくらはぎの裏側にあります(長母指屈筋と長趾屈筋)ので、ふくらはぎの裏側が辛くなります。
 かかと重心ではなく、足底に均等に重心が掛かっている人は立ったときに体重の負荷が指先の方に抜けていくような状態(重みの負担を逃がしている)になりますので、足趾はまっすぐな状態になります。このような人は指先を曲げた状態で立ち続けることはできません。

 さて、母趾の指先が曲がっているということは長母趾屈筋が収縮しっぱなしのこわばった状態にあるということですが、そうなりますと大腿直筋、腹直筋、大胸筋も連動してこわばります。

 腹直筋は恥骨とその周辺(恥骨上肢)から始まり、胸郭の前面に付着していますので、腹直筋がこわばりますと胸郭が下方向に引っ張られます。
 以前に取り上げました”内側広筋のこわばり”は腹直筋のセンターラインに影響を及ぼして胸骨を下方に引っ張りますが、大腿直筋と連動する腹直筋の部分はその外側になりますので、胸骨よりも肋骨を下方に引っ張った状態になります。そしてその引っ張りは首前面の斜め横あたりの筋膜に及び、その流れは口角~頬~目の周辺へと繋がります。ですから右側の大腿直筋がこわばっている人のは、右胸が下がり、右の口角~右頬~右目~右眉といったところが左側に比べて下がった状態になります。そして、左目に比べて右目を開くことに引っ掛かり感や重さを感じ、“心地良くない”と感じるかもしれません。

小指球のこわばりは腹直筋のこわばりにつながる

 手を酷使している人‥‥例えば私の仕事もそうですが‥‥、そのような人は掌の母指球や小指球が硬くこわばっています。
 母指球や小指球が強くこわばっている人の特徴として、指圧しても硬くて奥まで圧がなかなか届きませんので、指圧や揉みほぐしの最初の段階では痛みを感じません。ですからご自分の母指球や小指球がこわばっているとは感じません。ところが、圧し続け、揉みほぐしを続けていますと少しずつ奥に圧が届くようになり、痛みを感じ始めます。そして更に圧を加え続けていきますと、痛みが強くなり、もだえるほどになるかもしれません。

 さて、小指球のこわばりは尺側手根屈筋と呼ばれる小指側ラインの筋肉に連動し、その先は上腕二頭筋(短頭)、大胸筋のこわばりへと連動します。つまり、手を酷使している人は腹直筋~大腿直筋~長母趾屈筋のこわばりを招くという理屈になります。そしてこのような人は実際、大変多いです。
 そのような人に対して、「手のこわばりが原因で、腹筋がこわばり、胸が下がって顔も下がっています」と説明することがありますが、原理は上記の通りです。

腹直筋がこわばる理由

 上記では、かかと重心などの理由で足の指先が曲がっている人(長母指屈筋のこわばっている人)や手の使いすぎで小指球が強くこわばっている人は、筋肉連動のしくみから、腹直筋もこわばり、胸郭を下げ、喉を下げ、顔を下げてしまう、という内容を説明しました。
 これ以外にも腹直筋がこわばってしまい顔が下がってしまう状況があります。

①お腹の冷え
 「冷えは筋肉の働きを悪くする」という説明たくさんしてきました。今の若い人たちはそうではないかもしれませんが、少し前の時代「ヘソ出しルック」が流行っていた頃、「将来この人達は大丈夫かな?」と思っていました。
 湯船に浸かる習慣がない外国の人たちは、少々寒くても半袖で過ごしたりして、民族性としてきっと冷えに強いのだと思います。ところが昔から温泉が好きで、湯船に浸かることが日課のようになっている私たちは、「お腹を冷やしてはいけない」のです。お腹が冷えますと、酵素の働きが低下しますので内臓の働きが弱まります。そしてお腹の筋肉である腹筋も働きが弱まりますが、すると姿勢を保つことができなくなってしまいます。それでは困りますので、腹筋は自らを硬くこわばらせて頑張るようになります。その硬くこわばった部分がみぞおちの辺りになれば、胃や大腸(横行結腸)を圧迫したり呼吸運動を邪魔するようになりますので、慢性的な胃の不調や便秘、息苦しさを感じるようになるかもしれません。
 また想像していただきたいのですが、例えば冬場、布団で寝ていたとします。寒い明け方は気温が一番下がる時間帯ですので、からだから熱が逃げないように横を向いて背中を丸め、お腹をカバーするようになると思います。「大の字」で眠り続けることはできないと思います。つまり、冷えると、私たちは無意識にお腹を冷やさないような姿勢をとるのです。そしてその姿勢は背中を丸め、腹筋を縮める(こわばらせる)姿勢ですが、この自然な行いは私たちだけでなく犬や猫など哺乳動物の本能のようなものだと思います。(反対に夏場はお腹を出して冷やそうとする)
 ですから、「冷えると腹筋はこわばる」という現象が自然に起こると考えることができます。

②鼡径部が下がっている
 太股の付け根には鼡径部があります。場所的に骨盤の一部とも言えますし、股関節の一部とも言えるかもしれませんが、恥骨も含めて、腹筋群の出発点になっている点で重要です。また内臓との関係でも大切な役割をしています。

 下腹部から骨盤にかけて小腸がありますが、鼡径部は小腸が骨盤からはみ出さないように防ぐ働きをしています。さらに体幹から下肢に繋がる動脈、静脈、リンパ管は鼡径部の中を通っていますので、鼡径部の状態が悪くなりますと、血行不良やむくみの問題が起こってきます。

 さて、鼡径部の下がっている人がいます。便秘、下痢、胃腸の調子が悪い、お腹が張る、お尻が落ち着かない、そんな症状を感じているようでしたら、鼡径部が下がっているかもしれません。
 お腹が冷えていなくても、鼡径部が下がっていますと腹筋は緊張状態になりますのでこわばってしまいます。ついどちらかの下腹部に手がいってしまう人は鼡径部が下がっていてお腹(内腹斜筋)が張っているのかもしれません。鼡径部を手で引っ張り上げるとなんとなく安堵感を感じるのであれば、それは間違いありません。
 鼡径部が下がった状態は、顔を引き下げてしまうだけでなく、「なんとなくしっくりこない」という骨盤周りの不安定さにつながり、お腹の不快感や違和感をもたらす可能性があります。

 鼡径部が下がってしまう理由の一つとして、外腹斜筋あるいは内腹斜筋の働きが悪くなって伸びた状態になっていることが考えられます。あるいは恥骨に付着している内転筋がこわばった状態になって恥骨を下方に引っ張り下がってしまう状況も考えられます。また、「出っ尻出っ腹」の体型で骨盤が極端に前傾している場合も考えられます。これらによって腹筋がこわばり、顔を引き下げている状況はしばしば目にします。
 しかしながら、「お腹の調子も悪い」「なんだか落ち着かない」いったことが重なった場合は、足の小趾側の縦アーチが崩れている可能性があります。

 「悪い足」の一例である扁平足は母指側のアーチが崩れた状態ですが、小指側にもアーチがあります。その他に横アーチの崩れによる開張足や甲高の問題もありますが、小趾側の縦アーチの崩れた状態はあまり問題として取り上げられません。しかし、鼡径部の状態、舌の状態と密接な関係があるようです。

 足の小趾アーチにつきましては
足の小趾側アーチと上昇する力」を参照してください。



 今回は「顔を引き下げる筋肉」というテーマで腹直筋及びその関連を取り上げました。実際のところ、ほとんどの人の顔は下がっています。テレビに映る芸能人の方々も顔の下がっている人がたくさんいます。「施術して顔を上げてあげたいなぁ」といつも思ってしまいます。本来は、みなさんもっと顔が上がっていて、目も赤ちゃんのようにパッチリ開くはずなのです。
 

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(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

 私が毎日数人の人達を観察していますが、顔の下がっている人は大変多いです。と、申しますか、程度の差こそあれ、ほとんどの人の顔は下がっています。地球に重力があって、その中で生活している以上、それは仕方のないことでもあります。
 しかし健康面において不調や不具合がでる程、あるいは美容的に問題を感じる程、顔が下がってしまうのは改善したいところです。

 「顔が下がる」というのは、その人の本来の状態に比べて頭蓋骨の顔面部が歪んで下がっているということです。加齢によって顔の皮膚や筋肉がたるんで顔が下がったように見えてしまう場合もありますが、ここでは顔の骨格が下がっていることを中心に説明させていただきます。

 「頭蓋骨が歪んで下がってしまうなど有り得ない!」と思われている人は多いと思いますが、しかし、実際そのようなことは普通に起こっています。
 そして、顔の骨格を下げてしまう理由はいくつもありますが、大きく二つに分けますと、頭蓋骨の関節(縫合)や顔面・頭部の筋肉の問題が原因になっている場合と、顔面頭部以外の原因で顔の骨格が下がっている場合があります。

 今回は、顔面・頭部以外の原因で顔が下がってしまうことについての話になりますが、太股の筋肉が問題になる場合について取り上げます。
 太股の前面には膝を伸ばす働きをする大腿四頭筋(だいたいしとうきん)があります。筋肉についてある程度知識のある人は「大腿四頭筋」という名前はご存じだと思います。
 この大腿四頭筋は、四つの頭(起始=筋肉のはじまり)を持つ筋肉で、膝のところで合流して一つの停止(筋肉のおわり)となりますので、このような名前になっています。つまり、元々は4つの別々の筋肉であったのですが、そのことが施術の実際ではとても重要です。
 からだの基本的な仕組みとして全身の筋肉(骨格筋)は必ず他の筋肉と連動して働きます。大腿四頭筋の四つの筋肉はそれぞれ連動する筋肉が違いますので、「筋トレ」では大腿四頭筋を一つの筋肉として扱うかもしれませんが、整体的には別々の筋肉として扱う必要があります。

 大腿四頭筋の中の一つに内側広筋(ないそくこうきん)があります。大腿骨の内側に沿って位置し、太股の中程~膝にかけての内側面に筋腹が感じられますが、内股の人はこの筋肉が硬くこわばっています。(こわばる≒いつも収縮している状態)

 さて「内側広筋がこわばると顔の中央が下がる」という現象が起きます。
 顔が下がってしまう、あるいは顔を下げてしまう原因は幾つもありますが、内側広筋が強くこわばりますと、腹直筋の中央ライン部がこわばりますので、みぞおちや胸骨を下に引っ張り、喉の中央ライン、オトガイ(下顎の先端)、鼻筋といったところを引っ張ります。
 大きく息を吸い込むと胸や肩が上がって顔の方に迫ってきますが、なんとなく胸郭の中央部や喉の上がり方が悪いと感じたり、制限されているように感じる時は、内側広筋のこわばりが原因している可能性が高いと考えられます。

内股=内側広筋のこわばり

 たくさんの人を見てきた経験から申し上げますと、内股の人は内側広筋が強くこわばっています。そして内股の人の内側広筋をゆるめるために施術するポイントを探していきますと、ほとんどの場合、母趾の内側にたどり着きます。
 例えば、着物を着て草履で歩くときは、普通に歩くように膝を上げて足を大きく前に出して歩くことはできません。ですから内股歩きかガニ股歩きになってしまいます。そういうこともあってか、昔の男性にはガニ股の人が多く、女性には内股の人が多いという印象があります。実際、着物の女性は内股歩きがスマートであり、着物を着て大股で歩くのは不格好に見えます。
 その、チョンチョンとした内股歩きでは足の向きが「ハの字」になるわけですが、すると地面を蹴るところが足底の内側になりますが、一番力を使う部分は母趾第一関節の内側になります。ですから、その部分が強くこわばって硬くなります。皮膚が厚くなってマメができている人も結構います。

 この部分のこわばりはスネ(脛骨)の前面、少し内側の筋膜に緊張をもたらし内側広筋にこわばりをもたらします。そして恥骨から胸骨に向かう腹部のセンターラインにこわばりをつくり、胸骨上の筋膜~首前面のセンターライン、喉仏(後頭隆起)~オトガイにつながる筋筋膜を収縮状態(こわばり)にします。
 この一連のこわばりライン上には胃(みぞおち)がありますので、慢性的に胃の調子は冴えることなく、胸骨も下がっていますので胸が少し窮屈で、息を大きく吸う深呼吸をしても気持ち良いとは感じないと思います。鎖骨の形は「V字」で、首の前面から胸にかけての部分が広く感じられ上を向き続けることは辛く感じてしまうことでしょう。
 そしてオトガイ(下顎の先端)が下がっていることから、その延長線上にある人中(鼻の下)、鼻、眉間など顔のセンターラインも下がっています。
 オトガイは常に下方に引っ張られていますので、食事や会話など口を閉じる動作でそしゃく筋を通常以上に強く使わなければなりませんので、そしゃく筋もこわばり、噛みしめ癖の人と同じような症状(側頭部の頭痛、顎関節の不調など)を持ってしまう可能性も出てきます。
 また、内側広筋のこわばっている人の特徴として、太股が硬く棒のような感じで、膝関節の伸びが悪いというのがあります。長時間仰向けで寝ることは苦手に感じるのではないかと思います。

内股による内側広筋のこわばりは手強い

 内股のスタイルでなくても内側広筋がこわばっている人はいます。
 例えば、O脚の人の多くは膝から下(下腿)が外側にずれていますが、すると太股内側の筋肉には「外側に引っ張られる」という負荷がかかりますので、内側広筋を含む膝内側の筋肉はこわばってしまいます。あるいは太股(大腿骨)と膝下との関係がずれたり捻れたりしますと、やはり内側広筋は影響を受けこわばったりします。しかし、これらのこわばりはO脚状態を改善したり、膝関節の状態を改善すれば解消されてしまいます。
 ところが、長い年月内股状態で生活してきた人は、内側広筋や長内転筋、薄筋など太股内側の内転筋に力を入れて歩いていましたので、それらの筋肉自体が強くこわばってしまっています。
 40歳、50歳、60歳と、内股で生きてきた人たちに対して内転筋をゆるめる施術を行うのですが、形状記憶のようにしぶとくて、なかなかこわばり状態を解消することができません。何度も何度も同じような施術を繰り返さなければならないという現実があります。
 「使い方が変わらなければ、状態は良くならない」というのが整体的な原則です。つまり、形を整えたとしても使い方が以前と同じであれば、結局元の状態に戻ってしまうということです。ですから使い方が変わるように整えるのが整体師としての仕事ですし、内股の人に対しては、内股ではない歩き方や立ち方ができるようにすることが先ず大切なことです。そしてそのためには内側広筋の強いこわばりを解消することがキーポイントになりますが、それがなかなか手強いのです。

内側広筋のこわばりを解消するためのセルフケア

 原因の別に関わらず、内側広筋のこわばっている人のほとんどは母趾先の内側が非常にこわばっていて、奥がマメのようになっています。

 これを揉みほぐすことは有効です。母趾の第一関節付近から母趾先に向けて揉みほぐしたり指圧を加えたりします。この部分の表層は硬くなっていますので、なかなか奥まで圧が届きません。ですから最初のうちは痛みを感じることはないかもしれません。だからといって「特にこわばっているわけでもなさそう」と判断して、それで終わりにしては何の意味もありません。1分、2分、3分と揉みほぐしたり、奥の方へ圧を加えたりしているうちにだんだんと痛みを感じるようになり、やがて痛みが増して非常に痛く感じるようになります。ここからが本番です。
 その痛みに耐えながらも圧を加え続けていますと痛みが少し和らいだり、太股の内側が温かくなったり、あるいは反対に涼しく感じたり、伸びたように感じたりするような変化が現れると思います。そこまで行うことがポイントです。
 馴れないうちは、片方の母趾先だけで10分くらい掛かってしまうかもしれません。しかしやがて要領がわかるようになりますと3分で大丈夫になるかもしれません。
 このように母趾先のその部分がゆるみますと、それまで曲がっていた母趾がなんとなく伸びたように見えると思いますし、第一関節もゆるみますので、首や足首を回すように、母趾先を第一関節のところで回すことができるようになると思います。


 今回は、内側広筋のこわばりによって顔のセンターラインが下がってしまうことについて説明しました。顔だけでなく、胸のセンターラインが下がり、みぞおちが圧迫されて胃の調子も悪くなり、息を大きく吸うことができません(胸が上に上がりきらない)ので、呼吸も浅くなってしまうという状態を招いてしまう可能性があります。
 内股の人に限らずO脚の人も含めて内側広筋のこわばっている人は、スタイルのことだけでなく生理機能にも影響が及んでいることを知っていただければと思います。
 そして顔を下げてしまうからだの筋肉は、まだまだありますので、追々取り上げていきたいと考えています。

追記
 この記事の元原稿は2018年2月に書きました。今回の投稿で文章を少し修正しましたが、加えて2019年8月に投稿しました「恥骨と恥骨結節の大切さ」の中で、恥骨結節と内側広筋の関係について記しました。そちらも参考にされてください。

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 今年の梅雨はここ数年とは違った様相で、梅雨入りする直前は気温の高い日も続き「今年も猛暑なのかな~」とガッカリした気持ちになりました。ところが梅雨入りしてからは気温がガクンと下がり、肌寒い日が何日か続きました。この気温の大きな変化にからだが適応しきれず、体調を壊した人も多かったようです。
 今回は「天候不順によって感覚と呼吸状態が悪くなってしまった」という話題です。

 毎週来店されています女性のAさんは、「胸の周りが突っ張って苦しく、肩こりもいつもより酷く、体調が悪い」と訴えました。細身のAさんは日頃から胸回りが不快になりやすい傾向がありますが、今回はいつもより状態がかなり悪いということでした。
 からだを観察しますと、呼吸をしていても胸郭はほとんど動かない状態でした。そして肩甲骨がいつもより下がっていて骨盤方向に近づいていました。僧帽筋を触りますとゆるんだまま収縮しない状態でした。

 肩甲骨が本来の位置よりも下にあるということは、首筋の筋肉(肩甲挙筋)や背中の筋肉(菱形筋)に辛い状態をもたらしますので、肩甲挙筋と菱形筋は緊張してこわばります。そして、それが「辛い肩こり」として感じられたのだと思います。

脳神経の中の副神経

 脳神経は脳幹僧帽筋をコントロールしている神経を副神経と呼びます。副神経は脳幹にあります脳神経の一部ですが、僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配しています。

 Aさんの場合、副神経の働きが悪かったようで、僧帽筋の収縮力が乏しい状態になっていて肩甲骨が下がっていました。そして胸鎖乳突筋の働きも悪かったので鎖骨も胸郭も下がった状態になっていましたが、胸鎖乳突筋と連動して胸郭を動かす外肋間筋と内肋間筋がほとんど働かない状況でした。ですから胸式呼吸がほとんどできない状態でした。
 私たちは普通の状態では無意識のうちに呼吸を行っていますが、それは横隔膜を中心とする腹式呼吸と外肋間筋と内肋間筋を働かせて胸郭を拡げたり狭めたりする胸式呼吸の両方を行っています。そしてどちらかがうまく行かなくても息苦しさを感じますし、実際、酸欠状態のような症状をもたらすこともあります。

 Aさんは胸式呼吸が行えず息苦しさを感じていましたので、普段以上に息を吸い込むことに意識を向けて胸を開こうとします。ところが肋骨は反応してくれませんので、Aさんの思いからしますと「胸(胸郭)の周りの筋肉や筋膜が突っ張っているために息が気持ちよく吸えない」と感じてしまったのだと思います。
 そしてこれらの問題を解決するためには、副神経の働き、つまり脳幹の働きが本来の状態になるように整えることが必要です。それによって僧帽筋の働きが戻って肩甲骨の位置が整い、胸鎖乳突筋の働きが戻って鎖骨と胸骨の位置が整うのと同時に、外肋間筋と内肋間筋が働きが戻ってくると私は考えました。
 Aさんが訴える症状、すなわち「首肩の強いコリや張り」「胸回りが突っ張って苦しい」の二つは脳幹の働きを整えることで一挙に解消されると感が増して、そのような施術を行いました。

仙骨周辺への施術‥‥オステオパシーと自然現象

 私たちの業態の一つにオステオパシーと呼ばれる考え方と方法(技術)があります。オステオパシーの詳細につきましては、私は無知に等しい状態ですので語ることはできませんが、その技術の一つに「頭蓋骨調整法」があります。説明によりますと「頭蓋骨にやさしく触れ、縫合を整復し、脳脊髄液の流れを促進させ、中枢神経系の働きを高めることにより、様々な効果を期待できる技術です」とあります。
 そして、今回のAさんのケースではこの「頭蓋骨調整法」が頭をよぎりました。そして私は、「もしかしたら大きな気温の変化で骨盤が冷え、脳脊髄液の流れが悪くなったために脳幹の働きが低下しているのかもしれない」と考えました。そこで頭蓋骨ではなく仙骨と尾骨の境辺りを中心に、手を当てたり擦ったりしてみました。5分間くらい施術を続けていましたが、すると僧帽筋と胸鎖乳突筋の働きが戻り、肩甲骨と胸郭の位置が整っていきました。ベッドにうつ伏せの状態でしたが、呼吸の度に胸郭が動くようにもなりました。

 仙骨部への施術を行った理由についてもう一度整理して説明させていただきます。

  1. 肩甲骨が下がり、胸式呼吸ができない原因は、脳神経の中の副神経(僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配)の働きが鈍っているからだと考えました。
  2. 脳神経は脳幹の働きに依存していますので、脳幹全体の働きを本来の状態に戻そうと考えました。そのために私ができる範囲のことは、血流(椎骨動脈→脳底動脈)と脳脊髄液の流れを整えることですが、今回は自然現象(天候)による影響が怪しかったので、脳脊髄液の方に的を絞りました。
  3. 脳脊髄液の流れを整えるための考え方と方法論としましてオステオパシーがあります。その技術の中の頭蓋仙骨療法を参考にしまして、仙骨と尾骨の境目辺りを中心に仙骨部を手当てしたり、擦ったりしました。

 Aさん以外にも、同じように僧帽筋と胸鎖乳突筋の働きが鈍っていて呼吸状態が悪い人が何人か来店されました。目の見え方が悪かったり、顔がたるんでいたり、耳の調子が悪かったりと脳神経の働きに関係する症状を訴えておりましたが、これだけ天候がおかしくなりますと脳に対する影響が具体的に見える形で現れることを知りました。

エアコンによる初夏の冷えに注意

 もう初夏の季節ですから、湯船にゆったり浸かることもなくシャワーだけで済ませてしまう人が多くなってきたと思います。施術後、皆さんに入浴について尋ねますが、高齢でないほとんどの人は「シャワーだけ」と答えます。
 もしかしたら湯船に浸かってゆっくり過ごすという習慣を持っているのは私たち日本人だけかもしれませんが、それ故に私たちは湯船に浸かって一日の疲れを癒すとともに、からだを温める必要があるということでもあります。
 今回、私は仙骨部分を擦って温めるような施術をしましたが、それでかなりの改善が見られましたので、からだ(お腹と腰部)を温めれば、天候不順など自然界から受ける悪影響も緩和されると考えることができます。
 そして、エアコンからの風はからだを冷やしますが、この時期はギックリ腰になりやすい時でもあります。また、オフィスでの仕事でむくみが増えたり、目の見え方が悪くなったり、耳や喉の調子が悪くなったりすることが感じられたのであれば、それはからだの冷えに関係があるかもしれません。

 エアコンによるからだの冷えが気になったり、天候不順や気圧変化による影響が気になったりしたときには、意図的にゆっくりと湯船に浸かってみてはいかがでしょうか。脳脊髄液の流れが良くなって不調が緩和されるかもしれません。


 この原稿を書こうと思い始めたのは先週の木曜日(6/13)にAさんが来店され、その終末にかけて来店された人達の何人かが同じような状態だったからです。
 最近は天候も良くなり気温も安定していますので、もう同じような状態の人はそれほど来店されないと思っていました。しかし状態はAさんほどではありませんが、同じような傾向の人がその後も来店されています。
「梅雨時って、こうなのかなぁ?」などと感じているところです。

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