ゆめとわのblog

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体型

 座る姿勢が悪い、姿勢を正そうとしてもすぐに骨盤が倒れて猫背になってしまう、というような相談をよく受けます。
 このような人の場合、背筋を伸ばして座るためには意識的に背筋に力をいれて姿勢を保つか、あるいは癖として常に背中に力が入った状態(=首や肩にも力が入っている)になっている可能性があります。いわゆる「反り腰」もこの類です。

 このような人の場合、腰椎の構造に問題がある場合が多いのですが、その他に下腹部の腹筋が使えない状態になっている場合もあります。

 腰椎の構造的な面、つまり腰椎の歪みという面では、頚椎のストレートネック同様に、腰椎の前弯が消失している場合が多いです。


頚椎と腰椎の関係01

 腰椎の前弯は、上図のように第3、第4、第5腰椎のところが要です。3つのなかで中心となる第4腰椎がほぼ地面と平行な状態になっているとき、第3腰椎は上を向き、第5腰椎は下を向いている状態が理想的です。腰椎がこのようになっているのであれば、特に意識することもなく自然と背筋が伸びが正しい姿勢を築いて保つことができます。
 図の右側のように腰椎がストレートな状態になっていますと、腰椎より上の部分で後ろに反らさないと上半身が前に倒れてしまいますので、バランスを撮るために腰椎と胸椎の境辺りで背骨を後ろに反らせるようになります。するとその反動として胸椎の上の方で背骨のバランスをとるために後弯をおこないますので、肩甲骨辺りが後ろに飛び出すような猫背の状態となってしまいます。

下腹部の腹筋が使えないために正しい姿勢が保てない状態

 腰椎がストレートというわけでもないのに、座位や立位で心地良い姿勢を保つことができない状況もあります。

 実例をあげます。大学生の若い男性は、座位で正しい姿勢を保つことができなくてすぐに後ろに寄り掛かるように(つまり骨盤を寝かせて)座ってしまう癖があります。骨盤を立たせようと意識するとそれは可能で背筋をのばすこともできますが、すぐに疲れてしまったその状態を保つことができなくなります。立位では、出っ尻出っ腹のいわゆる「おじさん体型」となってしまい、スーッと気持ちよく立っていることができません。つまり、骨盤に寄り掛かるようにして立ってしまうので反動として首が前に出た立ち方になってしまいます。

 ベッドにうつ伏せの状態になってもらったときに私が感じた第一印象は、「腰部が使えない」「腰部が腑抜けのような状態」だと感じました。そして殿部も下がっているのでとても若者のからだとは言えない印象でした。
 腰椎を観察していきますと、本来下向きになっているはずの第5腰椎が上を向いていました。そして第1腰椎が下向きの状態になっていました。その第1腰椎を私の手で修正しますと、第5腰椎は下向くの状態になり、たれていたお尻の筋肉やハムストリングもしっかりした状態になり、頼りなかった腰部にも力感が戻りました。
 ですから、第1腰椎が直るように考えていけば良いわけですが、そのヒントを得るために背骨のさらに上部、胸椎を確認していきました。すると胸椎に限らず肋骨(胸郭)にも何か損傷のようなものを感じました。
 そこで質問をしました。「過去に背中を強打したことがありますか?」
 すると「高校生の時に2階のような高いところから落ちて背中全体をドスンと地面に強打したことがある」とのことでした。

 下腹部の腹筋が使える状態か否かを確認する簡単な方法は、座った状態で上半身を後ろに傾けたときにどこに力を入れてその姿勢を支えるかで知ることができます。

下腹部腹筋のテスト

 腹筋が働かない状態の人は、骨盤の背面や腰部に力を入れて姿勢を支えるようになります。下腹部の腹筋が働ける状態の人は、下腹部や恥骨結合の近辺に力が入ってこの姿勢を支えるようになります。そして、腹筋が働ける状態の人は、この上半身を後方に傾けた状態を前に戻そうとするときに腹筋を使ってその動作を行うようになりますが、それはとても自然で速やかな動作として行うことができます。

 そして、この下腹部の腹筋が働ける状態というのがとても重要です。私たちの骨格筋の大きな特徴として、同じ状態を長く保つことが苦手なことがあります。長い時間収縮し続けたり、弛緩し続けたりすることが苦手です。骨格筋は収縮したり、弛緩したりすることを交互に行っていたいのです。
 ですから、同じ座った状態を保つにも、重心の位置をいろいろと変えながら特定の部位だけに負担が行かないように私たちは無意識の微妙な動作を行っています。
 もっと簡単に言いますと、座り続けるにも重心を骨盤(坐骨)の後側に掛けたり、前側(恥骨結合)に移動したりと何度も何度も繰り返しています。そして、骨盤の後側に重心が掛かったときには腰部(背面)の筋肉を使い、骨盤の前側に重心が掛かったときには腹筋を使う仕組みになっていて、腹筋と背筋がバランス良く使われるようになっています。
 ところが下腹部の腹筋が働かない状態=使えない状態では、重心を骨盤の前側に移すことができなくなりますので、骨盤の背面ばかりで姿勢を支えなければならなくなります。ですから、お尻や腰部の筋肉に負担が強いられるようになってしまいます。そして、この状況は正しい姿勢を保つことができないだけでなく、腰痛の原因ともなります。

 この男性に対しては、背面を強打した名残として背骨(脊椎)がおかしくなっているところを調整しました。3箇所くらい修正しなければならないところがありましたが、それを済ませると本人もビックリ、自然に恥骨側に重心が乗った状態で座ることが可能になりました。反り腰の状態ではなくなりましたので、本人がきにしていた「首が前に出る」状態も自ずと改善しました。

要になる第1腰椎と第5腰椎

 その他にも第5腰椎の向きが本来とは反対(上向き)の状態であることが理由で、腰部がおろそかな感じになり、お尻が下がり、ハムストリングが力ないのに下半身がむくんでいるという状況の人がいました。まだ20歳代前半の若い女性でしたが、仕事上、とてもストレスが多いようです。
 この女性も上記同様、第1腰椎は下向きの状態になっていましたが、とても気になったのは第5胸椎の硬さでした。第5胸椎やその周辺が盛り上がるように硬くなっていて、肋骨の動きも悪い状態になっていて呼吸も浅い状態でした。(横隔膜の動きが悪いので腹式呼吸が不完全)
 「胸はセンサー」です。そしてその中心は第5胸椎と考えられています。第5胸椎は背骨(脊椎)ですが、その腹側の胸骨上には?中という大切なツボがあります。あるいは、ハートチャクラでもあります。
 強いストレスは胸を締め付けたり、あるいはストレスを体内に取り入れないようにするために胸を締めたりしますが、その中心が?中であり第5胸椎です。
 私は硬くなってしまった第5胸椎及びその周辺をゆるめるために?中を中心に軽く揉みほぐしを行いました。あるいは、大胸筋がゆるむように施術を行いました。すると次第に横隔膜が動くようになって腹式呼吸が始まりました。そして第1腰椎と第5腰椎を確認しますと、それは良い状態に戻っていて、腰部の筋肉も使える状態になりました。

 まだ、「絶対にそうだ」とは言いきれませんが、第1腰椎と第5腰椎、そして第5胸椎には体幹のバランスを取るための大切な関連性があるのだと考えています。

腹筋が使えないその他の理由

 今回は下腹部の腹筋と腰椎との関連性の話題でしたが、下腹部の腹筋が使えない理由はいくつかあります。
 鼡径部が硬くて恥骨結合の状態が良くない。股関節で大腿骨と骨盤の関係が良くない(O脚や内股など)。舌の位置が悪い。噛みしめている。顎関節の状態が悪い。鎖骨の状態が悪い。
 もっと他にもあるかもしれませんが、私たちのからだは腹側(陰)と背側(陽)のバランスが大切です。それは姿勢のことだけでなく、生理機能にも影響すると思われます。
 ジムやトレーニングやストレッチなどでからだをケアすることは好ましいことですが、どうぞ陰と陽のバランスを考えて行ってください。
 たとえば腰痛だからといって腰部の筋肉ばかり鍛えても、腹筋の働きが悪ければ症状は改善しません。整形外科のリハビリでよく指導されるようですが、たとえば膝関節の問題に対して大腿四頭筋ばかり鍛えても、的外れです。
 バランスはとても重要です。

 先日、小学校2年生の男子が祖母につれられて「内股をみてもらいたい」ということで来店されました。
 男子で内股というのは珍しいケースですが、生まれて間もなくのころから内股の気があったとのことです。小学校に入り、サッカーをするようになって内股の状態が顕著になってきたということです。

 内股は見た目以上に、からだに負荷がかかる状態です。今はまだ小さいので、からだに不調が生じているというわけではないのですが、この先10年、20年と年月が経っていきますと、筋肉のバランスが偏った状態で慢性化しますで、将来的に不具合や不調を生じる可能性が考えられます。
 ですからなるべく早いうちに内股状態を改善した方が良いと考えますが、そんなことも含めてホームページにUPしました。

「内股を考える」


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 今回は頻尿などの症状で苦しんでいた人の話題です。二人の40歳代の女性AさんとMさんの具体例を報告します。

子宮筋腫が大きくなって頻尿になってしまった

 Aさんが来店されたのは2年半ぶりのことです。来店された症状は腰痛で、結局それは軽いギックリ腰でした。久々の来店でしたので、いろいろと話しをしていたのですが、その話題の一つが2年ほど前から子宮筋腫が大きくなり、この半年はちょくちょくトイレに行かなければならないほど頻尿になってしまったとのことでした。
 自宅近くにある温熱療法の治療院で治療を受けると少し症状は緩和するけど、それでも効果は長持ちせず時間が経つと頻尿状態に戻ってしまうとのことでした。

 「子宮筋腫と頻尿は関係あるの?」と質問されました。
 「膀胱と子宮は隣接しているので、筋腫が大きければ膀胱が圧迫されて頻尿になることは考えられますよ」と私は応えまして、「ところで、筋腫の大きさはどのくらいですか?」と尋ねました。
 「だいたい10㎝くらい」とAさん。
 「それは、影響はあるでしょう」と私は言いました。

 「しかし、内臓が下垂していなければあまり影響はでないかもしれない」と私はつけ加えました。
 「そういえば、このところ下腹がぽっこりと出るようになってしまって。」
 「内臓下垂と関係あるの?」とAさん。

 「下腹が出てしまったということは、鼡径部が下がったということなので、内臓下垂につながる可能性がありますよ」
 「そうであれば、鼡径部が上がるように整えることで内臓が上がって筋腫がそれほど膀胱を圧迫しなくなるかもしれません。」「頻尿が改善する可能性は考えられますよ」と私は言いました。

 そして、鼡径部が上がって下腹がスッキリするよう全身を整えていきました。

 「どうして鼡径部が上がると内臓があがるの?」とAさん。
 「鼡径部は骨盤の前面から内臓がこぼれ落ちないように、道路のガードレールのような役割をしているので、鼡径部をしっかりさせることで内臓の収まりが良くなるんです。」「だから下腹もスッキリしてウエストも細くなると思いますよ」
 「また、私たちのからだには『上昇する力』があって、その力を発揮するためには鼡径部や舌が上がっていなければならなくて‥‥鼡径部はそういう意味でも大切なところなんです。」と私は言いました。

 このあと、「上昇する力」についていろいろ問答がありましたが、キーワードとして私はミトコンドリアの働きと鼡径部・舌・喉・足のアーチとの関係などについて応えながら施術を進めていきました。

 施術を終えたとき、まだ頻尿の問題については様子を知ることはできませんでしたが、ウエストが細くなって、下腹が引っ込んだことは実感されていました。そして、腰の状態も非常に楽になったとのことでした。

 その後、一週間ほどして来店された時に様子を伺いましたが、頻尿はかなり改善されていて、職場で午前中は一度もトイレに行かないで済むようになったとのことでした。
 「頻尿になる前とほとんど変わらない感じになった」
 「それまでは15分くらいしか持たない感じだったのでいつもそわそわしていたけど、そんな心配はまったくなくなった」とのことでした。

腰椎の問題で頻尿になり、下腹部に強い不快感

 Mさんの症状は幾つもありました。喉の痛みと不快感、腰痛、極端な頻尿、下腹部~陰部にかけての熱感と強い不快感、火照り、頭痛などです。
 座ることが非常に辛くて、横になるもの辛いので、一日中立った状態で過ごしているとのことです。夜もほとんど眠ることができないので、肉体的にも精神的にもまいっていしまい困り果てている様子でした。

 Mさんは更年期障害に該当する年齢でもあり、火照りや下腹部の不快感など、その影響もあるのかと思いそれなりに対応はしてきたとのことですが、最近になって座っていることが全くできなくなってしまったので、他に原因があるのではないかと考え、私のところを紹介されて来店されました。

 初回は、喉の痛みと不快感が最も気になるということと、全身をリラックスさせたいという要望でしたので、一通り通常の施術を行いました。
 頭痛、腰痛、頻尿、火照り等の症状に対応するつもりで、首肩を揉みほぐすことから始め、腰部では腎臓が膨らんでいましたので腎臓の反射区を刺激したり、骨盤を整えたりしました。
 腎臓が膨らんでいたことから、それが影響して頻尿になっていたのかもしれないと考えたり、全身がカチカチに硬くなっていましたので、血流も悪く、首から上への血流不足なども考えられます。そして、それによって火照りや頭痛といった症状がもたらされたのかもしれないとも考えました。
 また、喉の痛みと不快感は頚椎を整え、甲状舌骨筋など喉周辺の筋肉を整えることで症状は解消しました。
 一通り施術を終えますと、「スッキリして楽になった」ということで帰られましたので、その後、Mさんのことはほとんど気に留めていませんでした。

 ところが、2週間ほどしますとまた来店されまして、「まったく座っていられなくなってしまった」「あの時はスッキリしたけど、しばらくするとまた火照りが始まり、特に下腹部から陰部にかけて火照りが酷く、昨晩、一昨晩と全然眠れなくなってしまった」と仰いました。
 「ただ、腰の下の方を少しマッサージするとちょっと症状が落ち着くので、腰とか骨盤とかが関係しているのでは?」とも仰いました。

 そこで、今回は腰部に着目して施術を行うことにしました。
 細かく骨盤と腰椎を観察していきますと、第5腰椎が少し前方にすべっているのが確認できました。(正確には第4腰椎と第5腰椎の関節部分が前方に落ち込んでいました。)そして仙骨が後方にずれていて更に後傾していました。
 「これが原因かな~?」と疑いを持ちながら、いろいろ様子を探っていきました。

 そうであれば、下腹部から陰部にかけての火照り(熱感)や不快感は神経異常の症状であるとも考えられます。極端な頻尿も神経の働きがおかしくなっていることが原因なのかもしれません。
 また、座っていることができないという症状も、第4腰椎~仙骨にかけての不安定さが原因である可能性があります。骨盤(仙骨)と背骨(腰椎)との接点が不安定で、骨盤に上半身を乗せることが耐えられないと考えることができます。
 このようなことを思いながら、腰椎と仙骨の状態を修正する施術を行っていきました。

 ところで、Mさんの下半身は内股状態です。太ももが内側に少し捻れているのですが、それは子供の頃からの体型だということです。

 ところで、腰椎と大腿骨は大腰筋を介して直接的な関係があります。大腰筋は腰椎の椎体を起点(起始)として大腿骨の小転子というところにつながっていますので、内股で大腿骨が内側に捻れている状況は大腰筋をこわばった状態にします。
 つまり太ももが内側に捻れた内股状態の人は大腰筋がこわばってしまい(=収縮状態)、腰椎を前下方に引っ張っている状態になっている可能性があります。
 ですから、まず内側に捻れている大腿骨の状態を正すことから施術を始めました。
 大腿骨を内側に捻る(内旋する)働きをする筋肉には大腿筋膜張筋と小殿筋がありますが、それらの筋肉は強くこわばっていました。ですから、そのこわばり状態を解消するために多くの時間を足裏や踵や足首周辺の施術に費やしました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋のこわばり状態が弱くなるにしたがって、前方に落ち込んでいた腰椎が少しずつ少しずつ後方に戻ってきましたので、この施術が正しい方向性であることはわかりました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋の状態がある程度改善しましたので、次に仙骨が後傾している問題に取り組みました。
 Mさんの仙骨は単に後傾しているだけでなく、後方に出っ張った状態になっていました。ですから第4腰椎と第5腰椎の関係だけでなく、第5腰椎と仙骨の関係も悪かったわけです。
 骨盤内の臓器に対する神経は仙骨から出ていますので、仙骨の状態を改善することで膀胱の働きや下腹部から陰部に掛けての感覚異常などにも対応できるかもしれません。そのように私は思いました。

 仙骨の整え方は、実際いろいろ複雑でしたのでここでは説明を省略しますが、頚椎や頭部からの影響もありました。
 60分間、ほとんどの時間を腰椎と骨盤の調整に費やしましたが、前方に落ち込んでいた腰椎、後方に出っ張り後傾していた仙骨などはすっかり整いました。
 そして、ベッドに座っていただいた状態で、5分間くらいいろいろ微調整を行っていました。そしてその後、座っている間の様子を伺いました。
 「座っていることの辛さはまったく感じないし、違和感も火照りも感じない。ごく普通な感じです。」という返答でした。
 一応、症状の原因に対する予想も正しかったようで、思惑通りの結果は得られました。

 そして、第4腰椎と第5腰椎のこと、内股で大腿骨を内側に捻る筋肉が硬くこわばっていることなどが主な原因であることを伝えまして、「もし、また違和感などを感じるようになりましたら、太ももを外側に捻るようなストレッチを行ってください。あぐらをかいてしばらく座ってみるだけでも症状は緩和されると思いますよ。」とアドバイスして施術を終えました。

神経と血流について

 子宮筋腫ができてしまう理由、そして筋腫が大きくなってしまう理由については未だ原因が明確ではないようです。女性ホルモンの分泌には関係性が見られるようですが、はっきりしないことも多いようです。ところで、私は若い女性に子宮筋腫に限らず婦人科系の病気が目立つのが気になっています。
 女性ホルモンは卵巣が分泌しますが、そのコントロールは脳で行っているとされています。脳下垂体から血液の中に分泌される性腺刺激ホルモンが卵巣に届いて女性ホルモンが産生さる仕組みになっているとのことです。
 ですから、血流は重要です。脳と卵巣との間の血流状態に問題がありますと、女性ホルモンの分泌に問題が生じると考えることができるからです。

 また、子宮や膀胱、骨盤内臓物に関係する神経としては自律神経の骨盤内臓神経(副交感神経)と随意神経の陰部神経(感覚神経と運動神経)がありますが、どちらも仙骨(仙髄)に深く関係しています。
 そして神経というのは、神経管(ファイバー)とその中で働く神経伝達物質で構成されていますので、神経管も神経伝達物質もどちらも重要です。
 神経管を養うために動脈が伴行していますので、神経の働きという面でも血流は重要ということになります。

 Mさんが感じていた下腹部から陰部にかけての熱感や不快感は陰部神経の異常状態が原因だったかもしれません。
 腰椎が前に落ち込んだことで神経管が圧迫されて内部の神経伝達物質の働きがおかしくなったのかもしれません。あるいは正座をし続けるとやがて血流が途絶えて脚がしびれだしますが、同じような原理で感覚神経である陰部神経の反応がおかしくなったり、骨盤内臓神経が異常状態になったのかもしれません。

 私にはどちらが本当の原因かを判断する能力はありませんが、いずれにしても血流を邪魔する要因を除去して血液の流れを改善することは必要不可欠です。また、神経管を圧迫するような要因を除去するために、骨格を整えることも大切だと考えることができます。

内臓下垂を改善する‥‥鼡径部の大切さ

 Aさんに話題を戻しますが、Aさんの場合は子宮筋腫が大きくなって膀胱を圧迫しているために頻尿になってしまったという可能性が考えられました。子宮が大きくなる現象としましては妊娠があります。妊娠初期にはやはり膨らんで大きくなった子宮が膀胱を圧迫するために頻尿になったり、残尿感が残ったりする症状が現れると言います。ところがある時期を過ぎますと、子宮が膨らむ向きが上方(お臍の方)になるので、膀胱への圧迫が消えて頻尿や残尿感の症状が消えるということです。
 ですから、同じ理屈で考えますと、たとえ10㎝大の子宮筋腫であったとしても、その向きが上方に向かうようであれば膀胱への圧迫は改善すると考えることができます。

 胃下垂は内臓下垂の代表的な症状ですが、小腸が下垂して骨盤内臓物を圧迫する状況もあるかと思います。鼡径ヘルニア(脱腸)はその典型例ですが、妊娠が進んで子宮が大きくなり、鼡径部を圧迫して鼡径ヘルニアに近い状態になった妊婦さんをケアしたことがあります。
 その人は足首周辺が静脈瘤状態でしたが、体表の筋膜(皮下筋膜)がゆるんだ状態になっていて、鼡径部も下がった状態になっていました。お腹が大きいのに、加えて鼡径部も下がっていましたので、お腹が骨盤からはみ出てしまうような状態でした。私はひたすら筋膜の状態を整えることと、鼡径部を上げることの施術に専念していました。何回かの施術で鼡径部も安定し、鼡径ヘルニアに近い状態も足首周辺の静脈瘤も改善して無事出産されましたが、そのときに鼡径部の在り方は内臓の収まり方にとって大変重要だと知ることができました。

 Aさんに対しては鼡径部が上がるような施術も行いましたが、おそらくそれによって内臓全体の収まりが改善したので、筋腫で膨らんだ子宮が膀胱を圧迫する状態も改善されたのではないかと思います。
 女性で下腹が出ていることが気になっている人も結構いますが、それは「脂肪がついた」というよりも鼡径部が下がって内臓下垂の状態になっている方が多いのだと思います。
 ですから、鼡径部が上がるように調整することで、スタイルに対する悩みはけっこう解決できるのではないかと思っています。
 鼡径部の上げ方については、これまで幾度かブログに記してきましたので、そちらを参考にしていただくのもよいですが、ちょっとセルフケアでは難しいかもしれません。

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 当院では、まずベッドに伏臥位(うつ伏せ寝)になっていただいた状態から施術を始めることが多いのですが、それは症状の別に関わらず、全身の状況を確認するところから施術に入りたいと考えているからです。
 背面の歪みを観察し、軽く擦ってからだを揺らしながら背骨の状況、筋肉の大きな変調、骨盤の状態などを確認していきます。
 そして時々、「この人は今、胴体(上半身)が本来よりも長くなっていて短足に見える状態だ」と思うことがあります。

 骨盤の位置が本来より下がってしまい、お尻も垂れてしまっているために短足に見えることもあります。
 あるいは、骨盤と胸との間が間延びしたようになっていて胴が長くなっていると感じる場合もあります。
 今回は、からだの歪みの一つとして、胴(上半身)が本来よりも長くなっている状態について取り上げてみます。

筋骨格系の問題で上半身が長く見える

 私たち日本人は欧米人やアフリカ系の人達と比べますと、お尻が下がって短足に見える傾向があります。実際に脚の長さが違う面もありますが、お尻(=骨盤)の在り方次第で見栄えといいますか印象がかなり違ってきます。

 骨盤が前傾していてお尻がプリッと上がっている人達は、やはり脚が長く見えます。反対に骨盤が後傾していてお尻の肉も下がっている場合は、実際以上に脚が短く見えてしまいます。
 ですから傾きも含めて骨盤のあり方はスタイルにとって重要です。

 そしてもう一つ、骨盤の傾きにも関係することですが、実際に骨盤の位置が下がってしまう場合があります。
 それは、お尻の筋肉である小殿筋と中殿筋に関係しています。

 小殿筋も中殿筋も骨盤(腸骨)から始まり、大腿骨の大転子というところに繋がっています。ですから、股関節で大腿骨を外側に開く(外転)働きがあると、解剖学などの専門書には記載されています。書物によっては股関節の内旋など違う働きをするとの記述もありますが、概して、小殿筋も中殿筋も同じような働きを行い、股関節を支え、歩行を支えるために働く筋肉であるとされています。

 ところが、私はまったく別の見方をしています。
 それは連動する筋肉のことを知ることでわかります。
 小殿筋は中殿筋に比べて短い筋肉ですが、膝関節では膝裏にある短い膝窩筋(しつかきん)と連動します。上半身の肩関節ではやはり短い棘上筋(きょくじょうきん)と連動し、肘関節でも短い肘筋(ちゅうきん)と連動します。
 短い筋肉は大きな動作に関わるよりも、関節において骨と骨の関係を正しい状態に整える役割を有していると私は考えています。
 ですから小殿筋は、股関節で骨盤と大腿骨の関係を適切な状態に保つ役割として重要です。

 一方、小殿筋より大きくて筋の長さも長い中殿筋は動作を支え、姿勢を保つ働きをします。理想的な状態で立つことのできる人は、立った時にお尻にエクボができますが、それは中殿筋の働きによるものです。

 そして、歩行の時に片脚立ち状態をしっかりした状態に支える役割を担っていますが、上半身で歩行運動に関わる腰方形筋(ようほうけいきん)と連動関係にあります。歩くときにお尻(=骨盤)がプリッ、プリッと左右交互に持ち上がるようになりますが、それは中殿筋と連動して上半身の腰方形筋が収縮することで骨盤を引き上げている姿です。
 ですから、中殿筋の働きが悪い状態になりますと、腰方形筋も収縮力を発揮することができませんので、骨盤の動きが感じられないトボトボとした、脚だけで歩いているような歩き方になってしまいます。

 さて、小殿筋も中殿筋も股関節を支える重要な筋肉ですが、互いに拮抗する関係になることがあります。つまり小殿筋が収縮してこわばった状態になりますと、中殿筋はゆるんで伸びた状態になります。そして、このような状態の人がたくさんいます。

 小殿筋と連動する筋肉の一つに膝裏の膝窩筋がありますが、膝裏がボーン膨らんで張っているような人のほとんどは膝窩筋がこわばった状態になっています。

 膝窩筋がこわばってしまう理由はいくつかありますが、踵重心やO脚で膝の裏側にテンションが掛かってしまう人(反張膝など)はこわばっている可能性が高いです。また、足首が硬くなっていて上手く軽やかに回すことのできない人も膝窩筋がこわばっています。
 足首の問題はもっと詳しく説明しなければならないと考えていますが、簡単に概要だけ申し上げます。

 足首(足関節)にはいくつもの大きな靱帯があります。捻挫の症状はその靱帯が損傷して伸びてしまったためにもたらされますが、足首の運動が足りなくなったり、あるいはしゃがみ込んだ姿勢や重心の掛かり方が偏ったりしますと、捻挫とは反対に靱帯が縮んで硬くなってしまいます。
 足首を回すと痛みを感じたり、あるいは一部(足首より前)は動くけど踵も含めた足全体を回旋することができないような人は足首の靱帯が硬くなっていると考えられます。
 足首の靱帯が縮んで硬くなりますと、ふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)を足の方(=下方)に引っ張る状態になります。
 そしてこの時、膝関節に注目しますと、脛骨が下方に引っ張られたことによって大腿骨との関係で微妙に隙間が大きくなってしまいます。すると大腿骨と脛骨の関係を適切に保とうと働いている膝窩筋は自身を収縮させて関節を保持しようと頑張るようになりますが、これが膝窩筋のこわばり状態を招いてしまいます。

 膝窩筋のこわばりは筋連動の関係にある小殿筋をこわばらせますが、それによって拮抗する中殿筋はゆるんで働きの悪い状態になります。そして、それがお尻のたるみに繋がります。
 さらに、中殿筋と筋連動の関係にある腰方形筋もゆるんでしまいますので、肋骨と骨盤との間(距離)が拡がってしまい、胴が間延びしたような状態になりますし、骨盤が下がった状態になってしまいます。

 以上がよく見かける、小殿筋と中殿筋の関係による胴が間延びした状態の例ですが、小殿筋がこわばってしまう理由は膝窩筋のこわばりによる以外にもありますし、中殿筋がゆるんで腰方形筋の働きが悪くなる理由もいくつかあります。
 ですから、お尻を上げて脚が長く見えるようにしたいと考えるのであれば、小殿筋と中殿筋の状態に着目して、からだを整えることが筋骨格系での施術方法になります。

エネルギー不足で上半身が長くなってしまう

 上記で説明しました筋骨格系の問題で”胴長に見える”状態を整えることは、たいして難しいことではありませんが、なかなか手強い状況もあります。
 それは骨盤を中心とした、からだの中心部が力不足の状態になっていて、腹筋や腰部背筋の働きが悪いために胴長になっている状況です。

 からだを上半身と下半身に分けて考えたとき、肋骨(胸郭)から上を上半身、骨盤から下を下半身として、骨格のない(背骨はありますが)お腹と腰部をその繋ぎ役として見ることができます。
 繋ぎ役である腹筋と腰部背筋がしっかりしているのであれば、それは体幹がしっかりしているということであり、全身が一繋がりのものとして一体的に機能できます。

 例えば、手先を動かして作業するときでも、筋肉連動の仕組みによって足元や下半身からの力を利用することができますので、手先や手の筋肉はたいして疲れません。(同じ仕事をしても、疲れをあまり感じないような人はこのタイプに入ります。)
 ところが繋ぎ役である腹筋と腰部背筋の働きが悪い状態になりますと、上半身と下半身の動きに連動性がなくなってしまいます。手先を動かすときなど、足や下半身の筋肉はその動きに関わることができなくなりますので、腕や肩の力だけで作業を行うようになってしまいます。すると必要以上に力を入れなければならない状態になりますので顔や首に余計な力が入ってしまい、首肩のコリが強くなってしまう可能性が高くなります。もちろん手や腕の筋肉もこわばります。

 ときどき、このような状態の人を見ますが、その原因を私は「エネルギー不足の状態」と考える時があります。
 からだが「エネルギー不足」という状態を論理的に説明することは難しいのですが、感覚的に、やはり「体幹のエネルギーが足りない状態」というのが一番しっくりきます。

 それは仕事や作業のしすぎなどオーバーワークによってからだが疲れ、力が足りなくなってしまったという状態とは異なります。そうであれば休息をとることで解決することができます。
 あるいは、冷えなどの理由で筋肉の働きが悪くなったり、血流やリンパやエネルギーの循環が悪くなって力不足の状態になってしまうことがありますが、それとも違います。

 例えば風邪など引いて高熱がでてしまい、一日中布団の中で寝ていたとします。やがて高熱が治まり、頭も軽快になってきたので布団から出て何か食べようと起き上がろうとしたときに、何となくお腹や腰に力が入らなくなり、歩き方もフラフラしてしまうことがありますが、それに近い状況かもしれません。
 からだのエネルギーが高熱と闘うことに総動員されていたので、体幹のエネルギーがスカスカの状態になってしい、しばらくはエネルギー不足の状況になってしまう、そんな状況です。

 このように考えますと、この状態を解消するためには、本来体幹にあるはずのエネルギーが別の場所に行ってしまったのを(体幹に)呼び戻さなければならないということになります。
 東洋医学の「気の世界」に「導引」という手法がありますが、このことを指しているのかな? などと思ったりします。

 さて、ではどのような施術によって体幹のエネルギー不足状態を解消するかということになりますが、私は「筋肉を使える状態にすること」が肝心だと考えています。
 抽象的な表現ですが、この表現が最も正しいと思います。そして「使えない状態を、使える状態にする」というのは、私の仕事の核心的なところでもあります。

 からだに潜んでいる秘密の一面ですが‥‥、不思議なことに筋肉は、周辺環境を整えて、その筋肉が働きやすい状況になりますと、自ずと働くようになります。そして、その状態で働きだしますと自然とエネルギーが増大するようになります。(ただし、その筋肉にダメージがあったり、よほど疲労したり体力が衰えてしまったりした場合は違います。)
 つまり、エネルギーを高めるためには筋肉が適度に使われることが必要で、そのためには骨格が整っていて重心移動がスムーズに行える状況にあるなど、周辺環境が整っている必要があるということです。
 反対から申しますと、周辺環境など含めて筋肉が働ける条件が整っていませんと、働かせたくても働くことができないということです。

 ほとんどの人は、筋肉は「使えば、使えるようになる」と思っています。例えば腹筋が使えない状態なら、腹筋運動などトレーニングをすることによって腹筋の筋力が強くなりますので、腹筋が使えるようになるだろうと考えていると思います。
 ところが、それは誤解です。このブログでは何度となく申し上げてきましたが、重心移動が正しく行えないと目的の筋肉は作動することができません。

 少し前のブログで取り上げましたが、例えば座った状態で上半身を前傾させる運動では、腹筋が働いて下腹部の踏ん張りによって上半身の前傾を保てている状況が本来のあり方です。ですから、上半身を前傾するに従って恥骨付近に力が溜まってきます。

 しかし、これができない人がいます。上半身を前傾させる動作を背骨や腰部の筋肉で支えてしまうような人です。坐骨に重心(前傾運動の支点)が残ったままで上半身を屈めてしまうので、背中側の筋肉で動作を行ってしまうのです。
 腹筋を使って前傾動作のできる人は、動作の最初に重心を坐骨付近から恥骨の方に移しながら前傾動作を行います。ですから見かけ上は、恥骨や下腹部が前方に出るような感じで上半身を前傾させるようになります。

 重心の在り方によって作動する筋肉は厳密に限定されます。ですから、いくら腹筋を鍛えて筋力をアップしようとも、恥骨に重心が移らなければ腹筋は効率よく作動しません。「腹筋を使おう」「腹筋を使いたい」と意識しても、願っても、それは無理なのです。

 そして上半身の前傾運動だけでなく、私たちの日常生活の動きのほとんどで腹筋と背筋は交互に使われるようになっています。
 例えば歩く動作においては、上げた前足を着地するまでの過程では腰部が少し反って重心が後側(軸足)にありますので、背筋が主に働いています。しかし着地した前足が軸足に変わり、地面を蹴るようにからだを前方に移動する段階では、骨盤の前側に重心が移動して腹部前面の筋肉が仕事をするようになります。
 デスクワークにおいては、椅子に座り続けていますと腰が疲労しますので、しばしば姿勢を変えて座面に当たる場所を前後左右にちょこちょこ動かしたりします。それは無意識的な行為ですが、重心の掛かっている場所を変えることで、働く筋肉が特定の筋肉に偏らないようにしているということです。腹筋を使ったり、腰部の筋肉を使ったり、腹筋でも右側を使ったり、左側を使ったりして、特定の筋肉が疲労しないようにしているわけですが、それができるためには重心移動が思い通りにできる状態になっていなければなりません。腰や殿部を傷めたりして、ある一部分が体重の負担に耐えられない状態になっていますと、思い通りの重心移動は実現しなくなってしまいます。

 また、筋肉には特性がありまして、収縮し続けたり、伸ばされ続けたりと、同じ状態を長く続けていることが苦手です。
 収縮し続けたり、過度に使われ続けますと、こわばったり、あるいは疲弊して働きの悪い状態になってしまうことがあります。
 反対に、使われない状態が長く続いたり、伸ばされたまま長時間放って置かれますと、伸びきって戻らなくなったゴムやバネのような状態になって上手く収縮することができなくなってしまうことがあります。
 仮に、骨盤の後側(坐骨)にある重心を前方(恥骨)に移動することができない状態だったとしますと、それは腹筋を上手く使うことができない状態ということです。本人の感覚では「お腹に力が入らない」と感じるかもしれません。
 すると腹筋ではなく背筋ばかりを使ってしまうようになりますので、背筋は疲弊し、腹筋は収縮できない状態を招く可能性があります。

 実際、私が体幹のエネルギー不足と感じるタイプの人の姿勢は、背中が丸まって猫背気味で、骨盤が後ろに倒れている傾向があります。
 骨盤が後ろに倒れているということは、座った時に坐骨より後側に重心が掛かっているということですから、座った状態では常に背中側の筋肉ばかりに負担が掛かるようになってしまいます。
 ですから、体幹の背中側は背筋が使われすぎて疲労し、働きが悪くなって伸びた状態になっています。また、お腹側の腹筋はほとんど使われませんのでゆるんで伸びた状態になっています。
 この状況を言葉で表現しますと「腹筋と背筋の働きが悪いので骨盤と胸が離れて胴が長くなってしまった」ということになりますし、私は「エネルギー不足で胴長の状態になっている」と感じて表現しています。

 ですから、この状況を脱して体幹を本来の状態に戻すためには、恥骨側に重心を乗せることができる状態にして、腹筋を使えるようにすることが必要です。
 腹筋が使えるようになれば背筋に掛かる負担も減りますので、背筋の疲弊状態も解消することができます。体幹において腹筋と背筋のバランスが良くなりますので、エネルギー不足と感じた状態は解消されることになります。

 「おなかに力が入らず、内臓の働きも今一で、背中や腰の辺りがいつも張っている」と感じ、何となく胴も長くなったと感じるようであれば、以上のような状態なのかもしれません。



 以上、本来の姿よりも胴長に見えてしまう状況につきまして、筋骨格系の観点と、エネルギー不足の観点で説明させていただきました。

 先日、高校時代のクラブ仲間と忘年会を行いました。私以外は会社勤めの仕事をしています。来年は私たちは60歳になりますので定年が間近に迫っています。再雇用を考えている友人、別の会社への就職を考えている友人など、それぞれですが、平均寿命が延びた現在は60歳を超えても皆、まだまだ働かなければなりません。
 こんなことを思いますと、みんな歳をとっても若々しく元気でいてほしいと思います。そして、歳をとっても顔の皺は少なく、背中もスッと伸びた状態でいることは、生き甲斐と活力に満ちた生活を送る上で重要なことだと思います。

 これまで「上昇する力」や「舌の在り方」について取り上げてきました。そして、今回の「エネルギー不足」の話も含めて、私たちのからだに潜んでいる見えざる仕組みを知っていただき、活用していただき、人生100年時代を生き抜いていただきたいと思っています。90歳まで背筋の伸びたからだでいて欲しいと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
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 誰もがスマホを使い、さらにデスクワークではPC操作が主流になっていますが、それによって肩(肩甲骨)が前に出て、胸が狭くなっている人がたくさんいます。
 そのような人達の多くは「猫背」など普段の姿勢を気にしていますが、それだけでなく、日々の生理機能にも悪影響が出ていますので、今回はそのことを題材にしたいと思います。

猫背‥‥肩が前に出るとむくみやすくなる

 多くの人達が気にしている猫背は背中が丸くなるのが特徴の一つですが、その他に左右の肩甲骨の間が拡がってしまい肩先が前にでてしまうことや、首が前にでてしまうという特徴があります。
 左右の肩甲骨間が拡がっていますので、そこに筋肉の張りができてしまい、常にそれが気になっているかもしれません。(背中の張りや痛み① 参照)
 肩甲骨の間が拡がってしまうのは、肩甲骨を前に引き出す筋肉がこわばっているからですが、それは腕を前に出している姿勢が多いこと、脇を開いて肘を浮かせた状態で手を使ってしまう癖を持っていることなどが主な原因です。

 さて肩甲骨が前に出た状態は、見方によって、背中側が拡がり胸側が狭くなった状態です。鎖骨は肩甲骨と一対になっていますので、肩甲骨の回転に合わせて鎖骨も位置を変化するようになります。

 鎖骨の位置が本来よりずれますと鎖骨と第1肋骨の間にあります鎖骨下静脈の血管が圧迫をうけ、静脈の流れが悪くなります。そして鎖骨下静脈には全身のリンパ液も合流していますので、肩甲骨の位置がずれたことによってリンパの流れも悪くなってしまうということになります。体液(血液+リンパ)の心臓への還りが悪くなりますので「全身がむくむ」という状況を招くことになります。
 頭の中も血液が溜まって循環の悪い状態になりますので、常に頭がスッキリせず重たくて、酸欠に近い症状を感じやすくなる可能性があります。つまり、ボーッとして思考力や集中力が乏しくなり、眠気に襲われやすい状況です。(鎖骨下静脈 参照)

上腕骨頭と頚椎と呼吸

 肩甲骨が前に出ている状況に加え、さらに腕(上腕骨頭)が前に出ている人もたくさんいます。
 上腕骨頭が前に出てしまう理由はいくつかありますが、その中の一つに親指と人差し指ばかりを使っている手指の使い癖によるものがあります。

 二の腕(上腕骨)の内側に烏口腕筋(うこうわんきん)があります。この筋肉は親指を動かす短母指外転筋(たんぼしがいてんきん)や長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)の影響を受けてこわばることがあります。

 たとえば、スマホの文字入力やゲームで親指を頻繁に動かしますと短母指外転筋、長母指外転筋は酷使されることになりますが、そうしますと烏口腕筋もこわばってしまい、それによって上腕骨頭が前に出てしまうということがおこります。

 そして上腕骨頭が前に出ますと、骨連動の関係で上部胸郭(肋骨)が相対的に後方に下がるようになってしまいます。つまり胸元が少し凹んだような感じになるわけですが、それは胸郭上部(第1~3肋骨)が後方に歪み、さらに鎖骨と胸骨も喉の方に近づいたからです。見た目としては、鎖骨が埋もれてハッキリ見えないように感じるかもしれません。

 ところで、第1肋骨と第2肋骨には頚椎から斜角筋が繋がっていますが、骨が後方にずれますと斜角筋はこわばります。斜角筋はこわばりますと肋骨(胸郭)の方に頚椎を引き寄せますので、つまり、首が前に出てしまう姿勢となってしまいます。
 さらに、斜角筋はそしゃく筋と連動関係にありますので、本人の意志や癖とは関係なく常にそしゃく筋がこわばった状態になってしまい、噛みしめによる頭痛や顎関節の不調、緊張した表情などの症状を招く可能性が高くなります。

 そして、これらの鎖骨が埋もれ上部胸椎が凹んだ状況は肺を圧迫する、あるいは息を吸っても胸が広がらない状況を招きますので、吸気が中途半端になってしまいます。「もっと気持ちよく息を吸いたい」と感じますし、酸欠状態を助長します。

・上腕骨頭だけが前に出ていることもある

 多いのは肩が前に出ていて、さらに上腕骨頭も前に出ている状況ですが、肩の位置は良いのに上腕骨頭だけ前にでているという場合もあります。
 ご自分は「決して猫背ではない」と思っていても、首の横(斜角筋)が硬くて押すと痛みを感じるし、気持ちよく息を吸うことが難しいと感じるのであれば、上腕骨頭だけが前に出ているのかもしれません。

 また、上腕骨頭が前に出ている人は、筋肉連動の関係で大円筋(だいえんきん)がこわばります。脇の下の後側の壁が硬く感じ、手で摘まむと痛みを感じますが、背中側にあります大菱形筋(だいりょうけいきん)の働きが悪くなりますので、手を後ろに回す動作が十分にできなくなります。さらに歩行においても内股の筋肉(大腰筋と大内転筋)があまり働きませんので、股関節の外側ばかりを使って歩いているように感じると思います。

肩甲骨と上腕骨頭と立ち方や歩行の関係

 詳細は省きますが、肩甲骨が前に出ている、あるいは上腕骨頭が前に出ている人は、大腰筋の働きが悪くなり、大腿筋膜張筋に力が入りやすくなります。つまり、股関節では太股の内側ではなく外側に力が掛かってしまう状態になります。

 ですから、太股~ふくらはぎにかけて外側に重心が逃げてしまいますので、O脚になってしまう可能性が高まります。
 猫背気味で姿勢の悪い人は「自動的にO脚に進んでしまう」ということを私はここで申し上げていますが、実際、そのようになっている人がたくさんいます。
 私たちのからだは筋肉にしても骨格にしても「連動性」がありますので、一箇所を限定して、そこだけを修正を完了させることは不可能です。
 肩甲骨や上腕骨頭が前に出いているので、一生懸命肩周りを揉みほぐしたり、ストレッチして骨格を正しい状態にしようとしても、あるいは骨格をポキポキして整えようとしても、それは困難です。
 O脚を矯正するために膝を縛り付けて骨格を矯正しようとしても、あるいは特殊な靴を履いてO脚にならないようにと試みても、それは理屈に合わない行為です。かえって股関節や膝や足首の関節を傷めてしまうかもしれません。
 それよりも、上腕骨頭が前に出てしまった根本的な原因、たとえば短母指外転筋の硬いこわばりをほぐしたり、手首や肘関節の捻れが解消されるようなことを行った方が効果的です。

 肩甲骨が前に出ないように、パソコンやスマホを操作するときに「肘を下に降ろす」、ボクササイズのトレーニング後は肩甲骨を後に戻すようなストレッチを行いなどした方が良いと思います。
 そして上腕骨頭や肩甲骨の位置が正しい状態になれば、股関節~太股の内側の筋肉が使えるようになりますので、自ずと両膝は寄り、次第にO脚状態は改善されていきます。(O脚がすっかり固定化してしまった場合は、他の手段も必要)


 今回は、「肩が前に出ている」という、大変多く見られる骨格の歪みについて取り上げました。些細なことと言えば、それまでですが、呼吸を改善して楽に生きる、ドライアイを改善する、歩くことが心地良くなる、立ち仕事でも疲労を少なくする、といったことに関係する話題でした。
 

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