ゆめとわのblog

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カテゴリ: 体型

 誰もがスマホを使い、さらにデスクワークではPC操作が主流になっていますが、それによって肩(肩甲骨)が前に出て、胸が狭くなっている人がたくさんいます。
 そのような人達の多くは「猫背」など普段の姿勢を気にしていますが、それだけでなく、日々の生理機能にも悪影響が出ていますので、今回はそのことを題材にしたいと思います。

猫背‥‥肩が前に出るとむくみやすくなる

 多くの人達が気にしている猫背は背中が丸くなるのが特徴の一つですが、その他に左右の肩甲骨の間が拡がってしまい肩先が前にでてしまうことや、首が前にでてしまうという特徴があります。
 左右の肩甲骨間が拡がっていますので、そこに筋肉の張りができてしまい、常にそれが気になっているかもしれません。(背中の張りや痛み① 参照)
 肩甲骨の間が拡がってしまうのは、肩甲骨を前に引き出す筋肉がこわばっているからですが、それは腕を前に出している姿勢が多いこと、脇を開いて肘を浮かせた状態で手を使ってしまう癖を持っていることなどが主な原因です。

 さて肩甲骨が前に出た状態は、見方によって、背中側が拡がり胸側が狭くなった状態です。鎖骨は肩甲骨と一対になっていますので、肩甲骨の回転に合わせて鎖骨も位置を変化するようになります。

 鎖骨の位置が本来よりずれますと鎖骨と第1肋骨の間にあります鎖骨下静脈の血管が圧迫をうけ、静脈の流れが悪くなります。そして鎖骨下静脈には全身のリンパ液も合流していますので、肩甲骨の位置がずれたことによってリンパの流れも悪くなってしまうということになります。体液(血液+リンパ)の心臓への還りが悪くなりますので「全身がむくむ」という状況を招くことになります。
 頭の中も血液が溜まって循環の悪い状態になりますので、常に頭がスッキリせず重たくて、酸欠に近い症状を感じやすくなる可能性があります。つまり、ボーッとして思考力や集中力が乏しくなり、眠気に襲われやすい状況です。(鎖骨下静脈 参照)

上腕骨頭と頚椎と呼吸

 肩甲骨が前に出ている状況に加え、さらに腕(上腕骨頭)が前に出ている人もたくさんいます。
 上腕骨頭が前に出てしまう理由はいくつかありますが、その中の一つに親指と人差し指ばかりを使っている手指の使い癖によるものがあります。

 二の腕(上腕骨)の内側に烏口腕筋(うこうわんきん)があります。この筋肉は親指を動かす短母指外転筋(たんぼしがいてんきん)や長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)の影響を受けてこわばることがあります。

 たとえば、スマホの文字入力やゲームで親指を頻繁に動かしますと短母指外転筋、長母指外転筋は酷使されることになりますが、そうしますと烏口腕筋もこわばってしまい、それによって上腕骨頭が前に出てしまうということがおこります。

 そして上腕骨頭が前に出ますと、骨連動の関係で上部胸郭(肋骨)が相対的に後方に下がるようになってしまいます。つまり胸元が少し凹んだような感じになるわけですが、それは胸郭上部(第1~3肋骨)が後方に歪み、さらに鎖骨と胸骨も喉の方に近づいたからです。見た目としては、鎖骨が埋もれてハッキリ見えないように感じるかもしれません。

 ところで、第1肋骨と第2肋骨には頚椎から斜角筋が繋がっていますが、骨が後方にずれますと斜角筋はこわばります。斜角筋はこわばりますと肋骨(胸郭)の方に頚椎を引き寄せますので、つまり、首が前に出てしまう姿勢となってしまいます。
 さらに、斜角筋はそしゃく筋と連動関係にありますので、本人の意志や癖とは関係なく常にそしゃく筋がこわばった状態になってしまい、噛みしめによる頭痛や顎関節の不調、緊張した表情などの症状を招く可能性が高くなります。

 そして、これらの鎖骨が埋もれ上部胸椎が凹んだ状況は肺を圧迫する、あるいは息を吸っても胸が広がらない状況を招きますので、吸気が中途半端になってしまいます。「もっと気持ちよく息を吸いたい」と感じますし、酸欠状態を助長します。

・上腕骨頭だけが前に出ていることもある

 多いのは肩が前に出ていて、さらに上腕骨頭も前に出ている状況ですが、肩の位置は良いのに上腕骨頭だけ前にでているという場合もあります。
 ご自分は「決して猫背ではない」と思っていても、首の横(斜角筋)が硬くて押すと痛みを感じるし、気持ちよく息を吸うことが難しいと感じるのであれば、上腕骨頭だけが前に出ているのかもしれません。

 また、上腕骨頭が前に出ている人は、筋肉連動の関係で大円筋(だいえんきん)がこわばります。脇の下の後側の壁が硬く感じ、手で摘まむと痛みを感じますが、背中側にあります大菱形筋(だいりょうけいきん)の働きが悪くなりますので、手を後ろに回す動作が十分にできなくなります。さらに歩行においても内股の筋肉(大腰筋と大内転筋)があまり働きませんので、股関節の外側ばかりを使って歩いているように感じると思います。

肩甲骨と上腕骨頭と立ち方や歩行の関係

 詳細は省きますが、肩甲骨が前に出ている、あるいは上腕骨頭が前に出ている人は、大腰筋の働きが悪くなり、大腿筋膜張筋に力が入りやすくなります。つまり、股関節では太股の内側ではなく外側に力が掛かってしまう状態になります。

 ですから、太股~ふくらはぎにかけて外側に重心が逃げてしまいますので、O脚になってしまう可能性が高まります。
 猫背気味で姿勢の悪い人は「自動的にO脚に進んでしまう」ということを私はここで申し上げていますが、実際、そのようになっている人がたくさんいます。
 私たちのからだは筋肉にしても骨格にしても「連動性」がありますので、一箇所を限定して、そこだけを修正を完了させることは不可能です。
 肩甲骨や上腕骨頭が前に出いているので、一生懸命肩周りを揉みほぐしたり、ストレッチして骨格を正しい状態にしようとしても、あるいは骨格をポキポキして整えようとしても、それは困難です。
 O脚を矯正するために膝を縛り付けて骨格を矯正しようとしても、あるいは特殊な靴を履いてO脚にならないようにと試みても、それは理屈に合わない行為です。かえって股関節や膝や足首の関節を傷めてしまうかもしれません。
 それよりも、上腕骨頭が前に出てしまった根本的な原因、たとえば短母指外転筋の硬いこわばりをほぐしたり、手首や肘関節の捻れが解消されるようなことを行った方が効果的です。

 肩甲骨が前に出ないように、パソコンやスマホを操作するときに「肘を下に降ろす」、ボクササイズのトレーニング後は肩甲骨を後に戻すようなストレッチを行いなどした方が良いと思います。
 そして上腕骨頭や肩甲骨の位置が正しい状態になれば、股関節~太股の内側の筋肉が使えるようになりますので、自ずと両膝は寄り、次第にO脚状態は改善されていきます。(O脚がすっかり固定化してしまった場合は、他の手段も必要)


 今回は、「肩が前に出ている」という、大変多く見られる骨格の歪みについて取り上げました。些細なことと言えば、それまでですが、呼吸を改善して楽に生きる、ドライアイを改善する、歩くことが心地良くなる、立ち仕事でも疲労を少なくする、といったことに関係する話題でした。
 

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 骨盤前面の中央には恥骨結合という頑丈な関節があります。

 この恥骨結合が硬直化しているのか、左右の恥骨間が狭くなっている女性がたくさんいます。
 恥骨および恥骨結合と鼡径部は股関節や骨盤前面の血液やリンパの“流れ”の要になる部分ですので、上半身と下半身の流通を快適に保つためにはとても大切です。
 そして、恥骨と恥骨結合は思いの外、重要な役割を果たしているようです。今回は、恥骨結合を中心にした話題です。

 例えば電車に乗って座った時、男性の多くは股間について殆ど意識しないと思います。隣の人に迷惑を掛けないように意識するかもしれませんが、膝の間が開かないようにと意識することはほとんどないと思います。
 ところが女性は、スカートを履いていることが多いせいなのか、無意識的に股間を締めて膝が開かないようにしているように察します。電車だけでなくオフィスでも、レストランなどでも同じかもしれませんが、このような行動は自然と太股の内側(内転筋群)に力を入れる体勢ですので、自ずと左右の恥骨間は狭くなり、恥骨結合が硬くなってしまう原因になると思われます。

恥骨結合と内側広筋

 太股前面には有名な大腿四頭筋(だいたいしとうきん)がありますが、その中の一つ、内側広筋(ないそくこうきん)が太く硬くなっている女性がたくさんいます。筋肉はこわばって常に収縮している状態になりますと硬く太くなりますので、膝の内側が太くて硬いと感じている人は内側広筋がこわばっている可能性が考えられます。

 そして太股の内側には大伏在静脈が通っていますので、内側広筋やその他の内転筋がこわばった状態になりますと膝関節での静脈血の流れもわるくなり、膝周りがむくんだ状態になりやすくなります。
 体型的には痩せているのに、膝周りがスッキリしなくて、太股の内側が太いと感じている人がいますが、その原因は内側広筋や内転筋群のこわばりによる可能性が高いと思われます。そして内股の人にこの傾向は強いかもしれません。

1)内股と内側広筋

 内股の人の最大の特徴は太股内側にあります内転筋群や内側広筋が強くこわばっていることです。そのこわばりは非常に頑固な状態、つまり形状記憶のような状態になっていますので、筋肉に変調のない普通の状態に戻すことに時間と労力がかかります。

 私は内股の人に対して「どうして内股になってしまったのだろう?」「どこを調整すれば内股状態が良くなっていくのだろうか?」と考えるときに、着物や浴衣を着た状態での動作をイメージして下半身各部の使い方を思い浮かべています。
 そうしますと、例えば歩くときには靴を履いて、大きな歩幅でさっそうと歩く姿は想像できません。小股で主に膝から下を使いながら、足はつま先側が狭くなった「ハの字」型で、小趾側を前に出しながらつま先から着地するような、ツンツンと突っ込むような歩き方が頭に浮かんできます。(音をたてない「忍び足」ができない歩き方です。)
 両膝は少し内側を向き合い、擦れるようにして膝を前に出すようになりますので、内側広筋がたくさん使われるようになります。それは内側広筋がこわばる理由の第一ですが、さらに、股(恥骨結節)を締めるようにして動きますので、左右の恥骨間は狭まった状態になります。骨盤も狭くなりますが、恥骨結節も硬くなります。そして、それが内側広筋のこわばりを頑固な状態にしているのではないかと考えています。

参照‥‥内股について

2)腰椎椎間板ヘルニアと内側広筋

 腰椎椎間板ヘルニアは坐骨神経痛を伴う腰部の疾患ですが、MRI診断などで発症部位は特定することができますが、その原因を探し出して(手術以外の)効果的な治療を行うことは難しいようです。
 「第4腰椎と第5腰椎の間が狭くなって、椎間板が潰された状態ではみ出し、神経を圧迫している」というのが一番多いのかもしれませんが、では、「どうしてその椎間が狭くなってしまったのか? どうすれば椎間が拡がるのか?」という問いには、医学はなかなか的確な答えを出してくれないようです。

 さて、私が知る限り、同じ椎間板ヘルニアでもいろいろなケースがありますが、今回のテーマに関連してのケースを紹介いたします。

 腰椎が軽く側弯状態になっていて、それが椎間板を扁平させる原因になっていることがあります。
 腰椎椎間板ヘルニアの症状の多くは坐骨神経痛です。
 坐骨神経は第4、第5腰椎と仙骨の椎間を通って骨盤の中に入り、そして殿部から再び表に現れて太股の裏を下方に降りていく太い神経ですが、この神経が圧迫されるなどの理由で異常な状態になりますとシビレ、痛み、筋肉の異様なこわばりなど坐骨神経痛の症状が現れます。

 腰椎を側弯状態にする原因としまして、腰部筋肉のこわばりがあります。骨盤と腰椎にに関係する筋肉としましては、脊柱起立筋群、腰方形筋、外腹斜筋、内腹斜筋、大腰筋などがあります。

 例えば右側の内腹斜筋がこわばります(常時収縮状態)と右側の胸郭と骨盤の間が左側に比べて狭くなります。
 (左側を下にして)横に寝転びながら左手で頭を支えてテレビや雑誌などを見る姿勢では背骨が「Cの字」型に歪みますが、右側の内腹斜筋がこわばりますと同じような状態になります。そうなりますと腰椎の椎間は右側が狭くなりますので、椎間板が圧迫されて右側にはみ出す可能性が生じます。そして、それが神経を圧迫して坐骨神経痛の症状が現れるという理屈が成り立ちます。
 食卓に普通に座っている間は何も感じないけれど、食後、畳に横になってテレビを見始めると脚が重くなったり、シビレを感じたりすることがあるという人は、このような原理で坐骨神経痛が発症している可能性が考えられます。

 腰椎が「Cの字」型に歪んでいる場合、その原因の多くは筋肉の問題ですから、右側の内腹斜筋、外腹斜筋、腰方形筋などを整えますと、腰椎が真っ直ぐになり、ヘルニア状態は改善されて症状は消失すると考えることができます。
 ところが、それらの筋肉を整えても腰椎の側弯が僅かに残ってしまう人がいました。そしてその原因を追及していったところ、なんとかたどり着いたのが内側広筋のこわばりであり、恥骨の変位でした。
 右側の恥骨が僅かに浮いた状態になっていたために内側広筋がこわばっていたのですが、そのこわばりが腰椎の際の筋肉(脊柱固有筋群)に連動して、第3~4腰椎の右側が左側に比べて硬くなっていました。その部分は狭い範囲でしたが、キュッなっていて、硬い側弯状態をもたらしていたのです。
 浮いていた右側の恥骨を整えることで内側広筋のこわばり状態が解消したのですが、同時に腰椎右側の硬いこわばりも取れて、腰椎に余裕が生まれました。
 結局、この人に対しては右側の内腹斜筋を整え、内側広筋を整えることをしましたが、それで例の左側を下にして横になり、背骨が「Cの字」になる姿勢をしてもらっても、右下肢に何の異常や違和感も現れない状態を実現することができました。
 あらためて恥骨の大切さを感じた次第です。

恥骨の損傷による影響

 現在30歳前後のOさんは、子供の頃はおてんばだったようで、たくさんのケガを経験しています。そのケガの中に恥骨に関係する出来事は2つありました。
 一つは子供の頃遊んでいて転び、地面に正面から恥骨を強打したことでした。
 もう一つは鉄棒遊びをしていて、股(恥骨の下方)に鉄棒を強く強打したことでした。
 Oさんは親からのDVなどもあり、その影響でいろいろな症状を抱えています。
 その症状の一つに、どうしても首肩顔に力が入ってしまい、反対に腹部や下腹部には力が入らないために、肉体面での「頑張りが効かない」というものがあります。そして、それは恥骨の一つ目のケガ、正面から打撲したことに関係がありました。
 恥骨をそっと触りながら観察していきますと、右側の恥骨に骨膜がゆるんでいる部分がありました。打撲によって骨膜が損傷したのだと思います。
 骨膜は骨を包む筋膜ですが、骨に栄養を与えたり情報を与えたりする役割も担っていますので骨の生育や在り方にとって重要です。骨折した場合、骨が元の状態にもどったとしても骨膜が損傷したままだったり、捻れていたり、皺が寄っているように感じられるままだったりする場合があります。 そのような状態では関係する筋肉は十分に力を発揮することができません。そして、その状態は自然治癒することなく何十年経ってもそのままになっていることが多々あります。強い捻挫などによる靱帯の損傷も同じような感じですが、痛みがなくなると「それで大丈夫」と考えられているようです。しかし、それでは不十分です。ですから、骨折や捻挫は、形だけでなく機能が正常に戻るまでしっかりと直す必要があります。

 話をOさんに戻しますが、その恥骨の骨膜が損傷していると思われる部分に手を当ててケアをしますと、顔から力が抜け、首肩の筋肉もゆるみ、だるさを感じて力が入りにくいと訴えていた手や腕にも力が入るようになりました。
 恥骨に関係する、例えば腹筋や骨盤底筋などの働きが良くなったために体幹がしっかりするようになったのだと思います。

 二つ目の恥骨下方の損傷につきましては、さすがに私は手をあてることはできませんので、Oさん本人に手を当てていたでき、私が言葉で指示しながらセルフケアをしていただきました。Oさんの右目は瞳が少し内に向いてしまう斜視だったのですが、恥骨のケアをしていただきますと、その斜視が改善されていきました。本人もビックリしていましたが、希望の光が灯った瞬間でした。
 このことについての原理は、まだ私にはわかりませんが、恥骨と恥骨結合の大切さを再認識した現象でした。
 

恥骨結合へのケア

 ガニ股の人を除いて、多くの人は恥骨結合が硬くて左右の恥骨間が狭まっていると思いますので、硬くなった恥骨結合をゆるめ、恥骨および骨盤をゆったりさせる目的のケアを紹介させていただきます。

 お臍に手をあてて、その手をゆっくり下方に降ろしていきますと恥骨の手前で骨の存在感を感じることができます。それが恥骨であり、右と左の対になっています。そしてその間に恥骨結節がありますが、ご自分でケアされるなら直接的に恥骨結節に手を当ててゆっくりそっと持続的な指圧を行うことで恥骨結節の硬さをゆるめることができます。あるいは、恥骨結節を直接触るのはなく、左右の恥骨に手をあてて、そっと、しかししっかりと両手を1㎜くらい拡げる感じで、縮んでいる恥骨結節を伸ばすようにゆるめてもよいかと思います。

 私が施術で行う時は、深く恥骨結節を触ることはしませんので、恥骨と恥骨結節の上辺に手をあてて行っています。
 どのくらいの時間、手を当てていればよいかということに関しましては個人差がありますので、それぞれ「適当な時間で」という答えになってしまいます。
 人によっては最初の2~3分間はほとんど変化を感じることもなく、その後次第に内側広筋や内転筋やふくらはぎの筋肉から力が抜けていくのが感じられ、さらにケアを続けていますと全身がゆるんで脚もほっそりし、お腹がゆるんで胃の調子も良くなったりすることもありました。

 セルフケアにとって大切なことは、心を静かにして集中(フォーカス)することです。私は実際、その部分の細胞に語りかけるような気持ち、細胞の言葉に耳を傾けるような集中力で施術を行っていますが、“手当て”とはそういうものだと思います。
 ですから、テレビやスマホを見ながらだったり、何か別の考え事をしながらだったりでは、セルフケアの効果はまったく望めないと思います。願望みたいな邪心があっても効果は薄いと思います。
 最初は、なかなか効果が実感できないかもしれませんが、自分のからだを心の底からいたわる気持ちで毎日粘り強く行っていただければ、コツがつかめると思いますし、必ずやからだから何らかの反応が返ってくると思います。

 また、例えば出産後のケアが不適切だったりして、恥骨結合や仙腸関節がゆるんだまま戻らず、骨盤が不安定になって様々な症状が現れてしまっている人もいらっしゃると思います。この場合は、「ゆるめるケア」ではなく、「締めるケア」「機能を回復させるケア」が必要です。
 本当に軽い力で恥骨結節にソーッと手を当ててじっくりエネルギーを注入するようなイメージでケアを行うようにしてください。ケアが上手くいきますと、ズーンと重苦しさを感じたり、からだの別の部分が反応したりする状態が訪れるかもしれません。嫌な感じでなければ、ケアを保持しながらその状態をじっくり観察してください。大切なことはフォーカスを途切れさせないことです。するとやがて、ズーンという感覚やその他の反応も自然とおさまっていくと思います。そのようなことを何回か繰り返していれば恥骨結節は能力を回復して、骨盤がしっかりすると思います。

恥骨と鼡径部

 長年仕事をしていますが、恥骨や恥骨結合に着目するようになったのは最近のことです。それまでは、例えば下半身のむくみに関しては「鼡径部の流れ」を中心に腸腰筋や大腿部の筋肉を調整することに主眼をおいていました。
 ところが恥骨と恥骨結合に着目し、それらを調整することで、もっと大きな効果を期待できることがわかりました。
 ですから新たな認識として、むくみのないスッキリとした下半身を実現するためには、恥骨、恥骨結合、鼡径部に主眼を置くことが重要で、加えて骨盤全体の在り方も大切だということが言えると思います。


 膝の内側が太くなって、膝周りがスッキリしていない人はたくさんいます。それは骨格の歪みだったり、内転筋や内側広筋のこわばりが原因であることはわかっていました。ところが内側広筋のこわばりを合格レベルまで解消することはなかなか難しいことでした。
 しかし、恥骨と恥骨結合のことを知ってからは、一つの壁をクリアした感じがします。

 骨盤は、私たちのからだの基礎です。その骨盤が窮屈な状態では、私たちの生理機能は十分な状態であるとは言えません。しっかりしながらも、ゆったりとしている骨盤の在り方が理想だと思います。そしてそのためには、今回取り上げました恥骨と恥骨結合、骨盤後方の仙腸関節、そして会陰と称される骨盤底の在り方が重要だと私は考えています。

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 昨年の4月の検査で側弯症と診断された、当時中学1年生(現在は2年生)の女子が昨年8月から月2回のペースで来店されています。
 その時の検査で角度(コブ角)が30°だったということで、学校側の指定する医療機関で装具を装着するように強く勧められているとのことでした。

 本人と母親の希望もあって、「装具を装着することなく側弯症が良くならないものだろうか?」と相談を受けました。からだを観察しますと、明らかに側弯症と認識できる状態でしたが、症状がかなり進行しているというレベルでもありませんでしたので、「装具は必要ないと思いますし、安心できる状態になるまでは時間は掛かりますが、十分に対応できますよ。」と申し上げて、施術で対応することに決めました。
 施術を始めて8ヶ月が経ちましたが、今年の4月に再び学校側の検査がありました。レントゲンによる診断では、昨年30°だった角度が18°になっていて、医師から「装具を装着する必要はない」と言われたとのことです。
 私自身は「まだ18°もあるのか‥‥」と少し残念な気持ちでしたが、母親はご自分の選択(当院での施術を選んだこと)で改善が見られたことで一安心といった様子でした。同じように側弯症と診断されて装具装着を選ばれたクラスメイトの女子は、昨年に比べて更に側弯が進行していたということでした。

側弯症への具体的対応

 成長期の側弯症進行を阻止する目的で、装具を装着させる治療法があります。装具によって側弯のさらなる進行が抑えられると考えての方法かもしれませんが、私にはその理屈が理解できません。

 歯列矯正のために装具を用いることはなんとなく理解できます。歯は軽い力で横方向には動きますので、装具を装着して軽い力をかけ続けていれば、歯列がそのようになるのだろうと思います。
 あるいは、ムチウチをしてしまった頚椎を保護するために装具をつけたり、捻挫や骨折から骨格や組織を保護するために装具を装着するのも理解できます。
 ところが背骨の歪みを進行させないように、大がかりな装具を、それも一日中窮屈な思いをしながら装着したとして、どれだけの効果が期待できるのか、私はとても懐疑的です。
 背骨はからだのセンターラインです。ですから、からだが望むようなバランスを反映するようにして背骨は歪みます。例えば、いつも右側にばかりからだを捻っている人は、その状態でバランスが取れるように背骨が捻れます。からだが右に捻れているのに背骨だけ捻れない状態でいることはできません。装具を使って強制的に背骨だけ捻れない状態にしたとしますと、からだ全体と背骨の在り方が乖離していしまいますので、からだにとってはとても辛い状況になってしまいます。ですから、背骨の捻れや歪みを改善したいと考えるのであれば、からだの捻れや歪みが改善するようにすることが王道であると私は考えます。
 「どうしてからだが歪んでしまったのだろう?」、このことを追求することなく形だけ強制的に整えようとしても、からだはそれに応えてくれません。細かく、繊細で、多くの忍耐を要求される作業になりますが、歪みが生じた原因を探し出す作業を欠かすことはできません。そして、それこそが解決に至るための最も重要なポイントであると私は考えています。

きっかけがあって歪み始める

 病気や先天性の要因による場合は別にして、からだや背骨が歪んでしまうのには必ず原因ときっかけがあると私は考えて観察と施術を行っています。
 「いつもの姿勢が悪かったから、歪んでしまったのだろうか?」という問いかけをされる人がいます。確かに姿勢の悪さは歪みの原因ですが、「どうして姿勢が悪くなってしまったのだろう?」というところに着目しなければならないと思っています。
 3歳とか、5歳とか、小学校低学年の子供たちの中には、落ち着きがなくてじっとしていることが苦手な子がいます。食卓に座ってご飯を食べることができなかったり、いつも肩肘をついてダラダラと食事していたりと、「ちゃんと座ってご飯をたべなさい!」と母親をイライラさせる子供がいます。そんな子供たちは将来、側弯症になる可能性を秘めていますが、ちゃんと座ることができないのは性格などの問題ではなく、骨盤に問題があったり、腹筋に力が入らなかったりと、肉体的な問題が原因になっていることが多いと思います。
 乳幼児と呼ばれる頃の子供たちは関節がとても柔らかいので、肩や股関節が瞬間的に脱臼したとしてもすぐに戻ったりします。そして親にぶら下がってブン回されたりする遊びが好きです。もしかしたら、それによって肩関節や股関節がゆるんだ状態になってしまい、骨盤が不安定になって座位で体重を支えることができないために、ちゃんと座ることができないのかもしれません。あるいは出産時の臍の緒の処理に問題があって、腹直筋の働きが悪く、舌の動きも悪くなって、なんとなくしゃべり方もおかしく、しっかり座位を保つことができない状態になっているのかもしれません。
 「そんなことが影響しているんですか!?」と、皆さんにとっては思いも寄らないことが原因やきっかけになって、からだが歪んでいることは実際とても多いのです。

 今回の女子は、やはり小学校高学年の頃から食卓の椅子に真っ直ぐ座って食事することができず、いつも脚を曲げているような変な格好をしていたとのことでした。
 そこで本人に「小学生の時、何か大きなケガなどしたの?」と尋ねました。同伴した母親にも尋ねてみましたが、特に大きなケガをした記憶はないとのことでした。しかしながらからだを観察していきますと、腹部左側の肋骨とみぞおちの境辺りに他の場所とは感触の違う場所がありました。
 「ここ少しおかしいのだけれど、何かあったのかな?」と本人に尋ねました。すると「小学校4年生の時、体育の跳び箱の授業で踏切のタイミング合わなくて、そのまま真っ直ぐ跳び箱に突っ込んでしまいお腹を強打してしまった」とのことでした。
 「しばらくの間、息ができなくて苦しかったけど、少し休んでいたら大丈夫になったので‥‥」
 これは場所的に見て、充分に歪みのきっかけになる出来事だと思いました。
 また、その後の母親との会話からいろいろな情報を得ました。幼い頃から、歩いていてしょっちゅう何かにぶつかってしまう、つまり本人はぶつかるつもりはなくても廊下の壁にぶつかったり、テーブルにぶつかったりしてしまう癖があったとのことでした。これも貴重な情報です。1歳の時に髄膜炎を患ったとのことですが、それが関係しているのかもしれません。

歪みの始まりを特定して、そこを施術する

 「背骨の歪み」が側弯症ですから、それを修正するためには背骨がどこから歪み始めたのかを特定することが非常に重要です。歪みが一番大きくなる部位は大概肩甲骨の下部辺りになりますが、そこから背骨が歪み始めるということはほとんどないと思います。下半身の問題で背骨が歪んでしまったのであれば、その歪みは骨盤近くから始まります。頭部や手や腕、上半身の問題であれば、頚椎、あるいは胸椎の上の方から歪みが始まります。
 そして、その始まりである脊椎の歪みや捻れに従って上半身が捻れるようになりますが、やがてその捻れが定着するようになってしまいます。そうなりますと「ちゃんと座っていられない」など姿勢の悪い状態になりますが、その悪い姿勢を長く続けていますと、次第に最初の歪みが増幅されて脊椎全体を歪めるようになってしまいます。そして成長期という要因も合わさって背骨が肩甲骨下部辺りで大きく歪んだ状態になってしまうのではないかと思います。

 ですから歪みを修整しようとする場合は、最初の歪み、つまり歪みの始まりの場所を特定して、その歪みが始まった原因を修正する必要があります。
 例えば側弯症の場合、肩甲骨辺りに一番大きな歪みがありますが、そこばかりに着目して、その部位にたくさん施術を行って歪みを正そうとしても、それでは上手くいきません。そこは結果的に歪んでしまった部位、歪みのシワ寄せが最も大きくなって現れた部位ですから、たとえその部位の歪みが一時的に改善されたとしても、原因であり、歪みの始まりの部位が修正されていなければ、すぐに再び歪んだ状態に戻ってしまいます。そしてこれが、私が装具は意味をなさないと考える理由でもあります。
 クラスメイトの女子が、「装具を装着していたのに、一年前より歪みが大きくなってしまった」というのは、このことの具体的な現象です。

 この女子の場合、頚椎から歪みが始まっていました。ただし、歪みの原因は一つだけではありませんでした。腹部の打撲により腹筋の一部の働きが悪くなっていて、それによる胸郭の歪みもありました。また、頭皮やその下の筋膜にも打撲によると思われる損傷が残った状態になっていました。右肘もゆるんだ状態になっていましたが、しばしばテーブルなどにぶつけていたということです。
 頚椎全体が左側に弯曲した状態になっていて、その反動のような感じで胸椎が右側に弯曲し、それが肩甲骨の下部あたりで最大の歪みになっていました。そして、その結果として首の左側筋肉が強くこわばって張っていました。胸郭は右側へ歪んでいましたが、それを強調するかのように右側の肩甲骨が右前方に大きく回った状態になっていました。上半身が逆「く」の字のようになっていましたが、腰部は左側の脊柱起立筋が「ボーン」と棒のように突っ張った状態になっていました。
 このような骨格の状態ですから、当然運動制限もありまして、首を下に向けることも反ることも途中までしかできませんし、腰を捻る動作も不十分な状態です。

 施術は、歪みの始まりであると特定した頚椎の修正からはじめました。左顎が噛みしめた状態になっていて、それが左首の筋肉(斜角筋)のこわばりをもたらし、頚椎を左側に引っ張っていました。さらに腹部の打撲による影響で第7頚椎やその下部の胸椎が、噛みしめによる頚椎の捻れとは反対方向の歪みをもたらしていました。そして右肘の損傷による影響で右肩甲骨が外側に大きくずれる状態になっていました。当初、何回かの施術はこれらの歪みを修整することを主目的に調整していきました。
 左顎の噛みしめ状態を解除すること(噛みしめない状態にすること)。腹部の打撲部位の損傷を改善すること。右肘の状態を改善すること。
 これら3点に集中して4~5回の施術を行いますと、背骨の状態は当初の側弯とは様相が変わっていきました。この女子はバレエ(踊り)を習っていますが、レオタードを着た容姿が大分変わったと10月くらいに母親が仰いました。普通の人がパッと見ただけでは側弯症だとは気がつかない程度にはなったのだろうと思います。

側弯症に対して気になること

 整形外科の先生たちの見解によりますと、成人時のコブ角が30°未満であれば生活にそれほど支障はでないだろうということです。成長期であっても20°(ありは25°)未満であれば装具は必要なく、要観察の状態だということですが、私はこの見解に不満を感じます。
 これまで幾人かの側弯症の人達を観てきたことで申し上げれば、明らかに側弯症であるとわかるようなコブ角が30°程度の人の場合、内臓の配置が通常の人とは異なります。上半身の右側か左側か、どちらかに寄っている状況になっていますので、通常の人とは消化吸収能力に差が出てもおかしくないと思えます。通常の人でも胃下垂などの状況になりますと胃もたれや不快感、消化不良を感じるわけですから、内臓の配置に偏りがある人は不調や不都合があるのが自然な状態になっているのではないかと思います。ただ、本人にとってはその状態が普通ですから、特に不調だとは思わないかもしれません。
 また、胸郭の歪みが大きいわけですから、呼吸運動には確実に影響が出ます。特に胸式呼吸の方への影響が強いと考えられますが、その場合「芯からリラックスする」という状態を達成することが難しくなります。
 このブログでは何回も呼吸の大切さについて記してきましたが、呼吸は単に肺でガス交換を行っているだけのことではありません。大切な脳も含めてからだの隅々の小さな細胞にまで酸素が充分に届けられ、そこでのガス交換がちゃんと行われることが最も重要なことです。肺呼吸がしっかりできていて、血中の酸素濃度にも問題がなかったとしても、脳が酸欠状態で、いつも頭がボーッとして半分寝ているような状態であれば、それは呼吸が良いとは言えません。

 現に、からだが大きく歪んでいる人は噛みしめや歯ぎしりの癖、片噛みの癖などを持つことになりますが、それはからだを緊張状態にします。私は施術で噛みしめや食いしばりの癖に対処する場合、からだの歪みや呼吸状態の改善を試みますが、側弯の大きい人は、そこでつまずいてしまいます。
 ですから、「コブ角30°未満であれば生活に支障がでない」などという医学的ガイドラインがあるとするのであれば、それは無責任な見解であると言わざるを得ません。たとえ成人であったとしても、30°が20°に、20°が10°になるような方策を考えて提供するのが専門家としての在り方ではないかと思います。

側弯症の改善は時間を要するが成果はでる

 この度の女子を受け入れるにあたって、お母様に「時間は掛かりますよ」と最初に申し上げましたが、現に、これまで9ヶ月が過ぎました。当初、コブ角30°だったものが、4月の時点で18°になりました。私はなんとか10°まで持っていきたいと考えています。
 これまでたくさんの人の背骨を観察してきましたが、真っ直ぐな人は一人もいませんでした。多少の歪みは誰にもあります。ですから、おそらく10°以下は標準であり、充分許容範囲であるのではないかと思っています。

 この9ヶ月はこの女子にとっては確かに成長期でありまして、体重が10㎏以上、身長も10㎝以上は増えたのではないかと思います。幸いにして母親の協力がありまして、このように良い方向に進みました。あと半年くらいで施術を終える段階に到達したいというのが現在の目標ですが、半年が1年になったとしても、必ずその時はやって来ると思っています。
 これまでも何人かの側弯症と診断された成長期のお子さんが親御さんに連れられて来店されました。しかし、ほとんどの人達が3回程度来店されて、その後来店されなくなってしまいました。目に見えた結果が現れないので頼りなく感じたのかもしれません。

 確かに私たち整体の業界は、一般的な見解として「いいかげん」とか「口からでまかせ」とか「信用できない」などのレッテルが貼られているかもしれません。やはり「医師」の方が権威がありますし、検査機器などの機械が揃っていますので、信用しやすいのかもしれません。しかし現実には、「装具を装着して様子を観ましょう」、症状が進行したら「手術で対処しましょう」ということしかできないようです。それでは、揚々とした将来を持っている少年少女たちが可哀想です。そう私は思ってしまいます。

 側弯症を修正するためには、今回記しましたとおり、元々の原因を特定しなければなりませんし、一つや二つや三つくらいの原因でなったわけではありません。ですから、実際の作業では施術を進めながら別の問題点と直面し、それを修正するとまた別の問題点が表面化するといった工程を何度も繰り返すことになります。
 最初の原因で歪みバランスが悪くなってしまったからだは、どこかに要らぬ負担をかけてしまいますが、その状態を続けていることで別な場所が歪み始めます。すると、さらにその影響で別の場所が歪んでしまうというようなことが繰り返されますが、このような状態が常態化して側弯症という背骨の大きな歪みにつながってしまいます。
 ですから、一つの歪みが解消されるように施術を行いますと、潜んでいた新たな歪みに直面し、それに対処するとまた別な歪みが気になるといった状況になります。ですから、どうしても施術回数が必要になりますので時間が掛かってしまいます。しかし、細かく一つ一つの歪みを修整していきますので、着実に成果が期待できるのです。

 確かに私のところはお金が掛かります。月に2度のペースで来店していただきたいと思っていますので、年間26回で金額としては年122,200円になります。
 この金額をどう思われるかは、それぞれの考え方だと思いますが、私は整形外科が採用する「装具装着で様子を観る」というのは、あまりにも消極的な手段であり、「患者を治す」という医療従事者としての取り組み方ではないと思ってしまいます。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 「出っ尻・出っ腹の体型」と言いますと、一般的には、肥満傾向でお腹が前に大きく出ていて、お尻も大きくて、腰が少し反っているようなイメージかもしれません。ところが、痩せていても、からだの骨格として出っ尻・出っ腹の人がいます。そして実際、そのような人はたくさんいます。

 たとえば「腰(骨盤)にからだを乗せて立つ」という表現を皆さんはどのように受け止められるでしょうか?
 アスリートや骨格に歪みの少ない人はすぐに理解できるかもしれません。しかしこのイメージ的な表現、骨盤にからだを乗せる(委ねる)ということが実感として理解できない人は多いかもしれません。しかしながら、このことは私が皆さんに理解していただき、是非実現していただきたいと思っていることの一つです。
 座っているときも、立っているときも、骨盤にすっかり委ねることができるようになりますと、足や膝や太股にかかる負担は小さくなりますし、自然と顔や首や肩から力が抜けた状態になりますので、噛みしめの癖や肩こりなどもかなり軽減するようになります。

 ところが実際のところ、私のところに来店される人達の多くはこの状態とは違っています。現代はスマホやパソコンなどの影響もあってか、首が前に出いている人が本当にたくさんいます。そして、そのような人達のほとんどは、骨格的に、出っ尻・出っ腹の状態になっています。今回は、首が前にでていることと、出っ尻・出っ腹の関係について取り上げてみます。

第6頚椎と第4腰椎と骨盤の関係

 首の骨である頚椎は7個あります。ガクンと頭を前に倒したときに首の後側つけ根のところに大きく飛び出している突起は頚椎の7番目、第7頚椎の棘突起(きょくとっき)です。そして、その飛び出した第7頚椎のすぐ上にある棘突起が第6頚椎ですが、それが前方に落ちている人がたくさんいます。頚椎がどのような状況にあるのかを把握することは触り慣れないと難しいのですが、首を真っ直ぐに戻したときになんとなく第6頚椎が戻りきらず、前方に取り残された感じがすることで認識できるかもしれません。

 私のこれまでの経験で申し上げれば、第6頚椎が前に落ちている(=第6頚椎が下を向いている)人は第4腰椎も下を向いた状態(=第4腰椎棘突起は上に動く)になっています。そして同時に大腰筋(だいようきん)が働きの悪い状態になっています。大腰筋は腰部を安定させるために非常に重要な働きをしています。

 私たちの骨格は、側面から見ますと頚椎がやや前弯していますが、その反動的に胸椎がやや後弯しています。そして腰椎は再び前弯しますが、第3~第5腰椎の間でカーブが大きくなって仙骨、つまり骨盤に続いています。
 ですから本来であれば、腰を反ったり、骨盤を前後に動かす動作(腰振りダンスなど)では第4腰椎を支点にして脊椎(背骨)が動くことになります。

 ところが第6頚椎が前方に落ち込んでいたり、首が前に出ていたり、猫背の人は第4腰椎が良い状態ではありません。腰椎の前弯が乏しくてストレートに近かったり、酷い場合は前弯ではなく反対に後弯していることもあります。

 先ほど申し上げた「腰(骨盤)にからだを乗せて立つ」と表現できる状態は、上図の左側のような脊椎の状態になっていて、頭部を含めた上半身の重さが骨盤に真っ直ぐ乗っかる状態になっています。
 右側の図のように首が前に出て腰椎の前弯も乏しくなった場合は、頭部も含めた上半身の重心ラインが骨盤より前になりますので、前のめりのような感じになってしまいます。つまり「出っ腹」の状態です。痩せていても下腹だけ出ているような人がいますが、それはこのような原理によるものだと思います。
 上半身が前に出いていることは、全身的に見ますと相対的に下半身(骨盤)が後方にあるということですから、つまり「出っ尻」の状態です。
 上半身が前のめりのような状態ですから、からだはバランスをとるために自然と下半身の重心を後方に移動します。ですから、自ずとからだは「かかと重心」になってしまいます。

 ですから「出っ尻・出っ腹」状態や下腹部が前に出ている状態を改善しようとするのであれば、理屈としましては第4腰椎を整えることを中心に腰椎の前弯を正すことがポイントになります。
 ダイエットするなどしてお腹が出ないように努力してみても、なかなか効果が現れないと感じている人は、是非第4腰椎を中心に腰椎を整えることを行ってみてください。素速く効果が現れるのではないかと思います。
 そして、第4腰椎を整える上で、要になるのは第6頚椎の在り方であると私は考えています。

後斜角筋のこわばりによる影響

 第6頚椎が歪んでしまう理由はいくつかありますが、最も多く見受けられる理由は後斜角筋(こうしゃかくきん)のこわばりによるものです。
 後斜角筋は第4~6頚椎と第2肋骨を繋いでいる筋肉ですから、こわばって常時収縮している状態になりますと、常に第4~6頚椎を下方に引っ張り続ける状況になります。これによって第6頚椎が前方に落ちてしまう状態がもたらされます。

 後斜角筋は、咬筋の深層筋線維と連動しますので、噛みしめの癖を持っている人は常にこわばっています。(耳穴のすぐ側がコチコチに硬い人)

 また、付着しているのは第2肋骨ですが、内肋間筋がこわばっている人は常に第2肋骨も含めて肋骨が下にある状態ですから(息を吐き出して胸が下に下がった状態)後斜角筋は下方に引っ張られた状態になっていてこわばっています。息を大きく吸っても鎖骨やそのすぐ下の肋骨がスムーズに上がってこない人はこのような状態の人です。
副鼻腔と肩甲骨と腰部の働き 参照) 

 さらに手指~腕~肩関節にかけての状態によって第2肋骨が歪んでいることがありますが、それによって後斜角筋がこわばっていることもあります。
 私は仕事柄、毎日母指をたくさん使っていますが、その影響で短母指屈筋や短母指外転筋とその関連が常にこわばっています。そして、それによって後斜角筋がこわばった状態になっています。

 私は毎朝30分ほどウォーキングをしていますが、首が前に落ちていて骨盤に上半身がちゃんと乗っていないと感じることがしばしばあります。そんなときは上の写真の赤く塗ったところあたりをキューッと指圧しながら歩くようにしていますが、それだけでからだが真っ直ぐになって気持ち良く歩くことができるようになります。大腰筋の働きも向上して仙骨も前傾するようになりますので、意図しなくてもどんどん脚が前にでるようになり、お尻をプリプリさせながら歩くことができるようになります。運動を盛んにしていた20代の頃に戻ったような感じになります。

第4腰椎と大腰筋と大内転筋

 先ほども申し上げましたが、腰椎の前弯で重要なのは第3~5腰椎の大きなカーブと柔軟性です。子供たちのこの部分はフニャフニャですが、大人たちのこの部分は加齢にしたがって残念ながらどんどん硬くなっていき、柔軟性が失われてしまいます。
 腹ばいになった状態で腕を伸ばして上半身だけ反ろうとしたとき、小学生くらいまでの子供たちはなんの苦もなく腕を真っ直ぐに伸ばしきることができますが、大人たちは腰椎に柔軟性がありませんので骨盤を浮かせないと腕を伸ばすことができなかったりします。腰椎が後弯している人は、この動作すら危なっかしく見えてしまいます。

 ハワイのフラダンスやブラジルのサンバの踊りなどでは腰を非常に柔軟に、そして素速く動かしながら踊るわけですが、そのためには第3~5腰椎の柔軟性が何よりも重要です。この部分が硬い人は腰(骨盤)を振るような動作は非常に負担ですから、踊り続けることはできないと思います。

 加齢に伴って、あるいは悪い姿勢や強い衝撃などによって腰椎椎間板ヘルニアを患ってしまうことがありますが、その最も多い場所は第4腰椎と第5腰椎の間だということです。また、腰部の病気であります 「分離すべり症」「変性すべり症」も第4、第5腰椎に多いということです。
 つまり、腰椎下部の第4、第5腰椎は骨盤(仙骨)との連結部位でもあり、背骨(脊椎)の中で最も負担が掛かかる部位ですから故障を起こしやすいところだと考えることができます。ですから常に良い状態にしておきたいものです。

腰椎の前弯に最も関係が深い大腰筋

 大腰筋は腰椎の椎体を前方に引っ張っています。それによって腰椎の前弯が保持されるわけですが、特に腰椎前弯のカーブが最も大きくなっている第3~第5腰椎においては大腰筋の働きがとても重要です。仮に大腰筋の働きが悪くなりますと腰椎の前弯が乏しくなりますので「出っ尻・出っ腹」の状態になってしまいます。また、腰椎の椎間もしまりがなくなって不安定になりますので、周辺の筋肉がガチッとこわばってしまい、筋肉緊張による腰痛を招いてしまいます。
 また今回説明しておりますように、第6頚椎が落ち込むことと連動して第4腰椎も下方にずれ落ちた状況になりますと、それだけで大腰筋の働きは悪くなってしまいます。するとやはり腰部全体が不安定になります。そして大腰筋と連動する大内転筋の働きも悪くなりますが、すると立った時にお尻に力が入らない状況になってしまいます。

 冒頭に取り上げました、「腰(骨盤)にからだを乗せて立つ」状態というのは、実は「大内転と中殿筋がしっかりと働いて、お尻の穴をキュッと締めるようにして立つことができる」状態と同じことです。しっかり立とうとしますと仙骨が前傾して、太股内側から膝内側にかけて力が集中しますが、その反面、太股の前面やふくらはぎや足には余計な力が入らなくなります。足の指先を曲げることなくしかっりとした立位を保つことができます。
 足の指が曲がっている人が大変多いのですが、そのような人は足の指を曲げることでバランスを取りながら立っている、つまり指先で踏ん張って立っているということですが、それは好ましい状態ではありません。

 体操選手が演技の前にキュッとお尻を絞って立ちますが、それは正しく骨盤にからだを乗せている状態です。このような立位を実現するためには大腰筋の働きが良くなって、連動して大内転筋、中殿筋の働きが良くなる必要があります。
 中殿筋や大内転筋の能力を十分に引き出すためにも、大腰筋がしっかりと働ける状態を保つことは重要です。
(中殿筋や大内転筋をたくさん鍛えても、要である大腰筋がしっかり働けない状況であれば、それら筋肉の能力を十分に引き出すことができません。)


 以上、説明させていただきましたことを要約しますと、出っ尻・出っ腹の骨格を克服してスマートな体型と骨格を実現するためには以下の二つのポイントが重要だと考えられます。
①第6頚椎を整えること‥‥後斜角筋のこわばりを解消する
②第4腰椎を中心に腰椎の前弯を実現する‥‥大腰筋の働きが重要

 そしてキーワードとして、「噛みしめ癖」、「内肋間筋=胸式呼吸」、「手の母指ライン」、「仙骨の前傾」、「中殿筋と大内転筋」などが挙げられます。

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(以前に投稿した記事を修正加筆したものです)

 車や電車や飛行機などに長時間座り続けているとお尻の骨(坐骨付近)が次第にゴツゴツしだし辛くなったり痛くなったりする経験はどなたにでもあると思います。
 その原因は“お尻が疲れるから?”というのが一般的な見解だと思いますが、中には1~2分くらいしか座っていないのに坐骨付近が痛くなってしまう人がいます。ですから一概にお尻の疲労が原因であるとは言えません。今回はこのことについて考えてみたいと思います。

ハムストと坐骨の関係

 太ももの裏側の筋肉をハムストリング(略して“ハムスト”)と言います。ハムストリングは坐骨から始まって太ももの裏を通り膝下の裏側につながっている筋肉群です。
 ハムストリングは坐骨を筋肉の出発点(起始)としていますので、坐骨の状態に深く関係する筋肉です。筋肉の性質上、同じ筋肉のどこかに働きの悪い部分が生まれますと別の部分がこわばって硬くなるという仕組みがあります。例えばハムストリングの中間部分、ちょうど太ももの裏側、座面についているところにゆるんだ部分ができますと、起始部の坐骨に近いところにこわばりができてしまいます。筋肉はこわばりますと硬くなりますので、“坐骨が尖ってゴツゴツした感じがする”という症状が現れます。
 基本的に、筋肉は同じ状態を長時間保つことが得意ではありません。特に伸ばされた状態で長時間耐えることは苦手です。椅子に座り続けることは、ハムストリングが座面に接触し続けることですが、加えて太ももの重みがかかっていますので、筋肉・筋膜・皮膚が重さに耐えながら伸ばされ続けているということです。時々立ったり歩いたりして筋肉を動かすことができれば、伸ばされ続けている状態は一時的に解消されて、一端リセットされますので筋肉が疲弊することもないのですが、そういうことができない場合は、筋膜や筋線維が伸ばされ続ける状態に耐えられなくなり、疲弊して収縮できなくなってしまう部分ができてしまう可能性が高まります。それは喩えて言いますと、筋肉や筋膜に“伸びきってしまい縮むことができなくなってしまったゴム”のような部分ができてしまうということです。そうなりますと筋肉全体の働き(収縮力)が悪くなりますので、それを補うように同じ筋肉の別の部分にキュッと硬く縮まったこわばりの部分が発生することになります。
 座り続けていますと次第に坐骨部分が尖ったように感じたり、あるいは坐骨周辺に“妙にありありと感じられる硬いもの”が感じられるようになることがありますが、それはこのような原理で生じます。

 坐骨が痛くなる理由は他にもありますが、“座り続けていると痛くなる”といった場合はこのような仕組によるものが最も多いと思います。また、何らかの理由でハムストリングがゆるんでしまっている人は座ると間もなく坐骨が痛くなったり腰が痛くなったりしてしまいます。ハムストリングはスポーツで肉離れを起こしやすいところですが、肉離れを患っている人は座面に太ももをつけるだけでも耐えられなくなってしまうことでしょう。

 さて、映画館などで長時間座り続けていなければならないときに坐骨や腰が痛くなった場合などの対処法としては、太ももと座面の間に手を入れて温めたり擦ったりしてハムストリングのゆるみを改善するようにすることが良いと思います。お尻をモゾモゾ動かしたり、お尻の痛くなったところに手を当てたりするより効果的です。

ハムストリングがゆるんでしまう理由

 上記のように筋肉が何かに長時間接触していたり、荷重がかかり続けていたりしますと筋線維が伸びて収縮できない部分ができ、筋肉の働きは悪くなりますが、それ以外にも筋肉がゆるんで働きが悪くなってしまう状況はあります。
 一つは使いすぎによるものです。これは筋肉疲労のことであり、この場合は休養することによって機能を回復することができます。
 もう一つは血液循環不良によるものです。端的な例は“冷え”です。からだ全体が冷えたり、部分的に冷えたりしますと動脈の巡りが悪くなり、細胞に十分な酸素が届けられないので筋細胞の働きが悪くなって筋肉はゆるんだ状態になってしまいます。
 その他には神経の問題もあります。ハムストリングで申せば、坐骨神経がコントロールしている筋肉ですので、坐骨神経の状態が悪くなりますと筋肉は働きの悪い状態になります。
 また他の筋肉の影響によってゆるんでしまう場合もあります(これが一番多いかもしれません)。例えば腰や膝が悪くて、歩いたり立ったりするときに下半身全体で踏ん張ることができない状況になりますと、自ずと通常以上に足の指に力を入れて頑張ることになります。それによって足裏や足趾(足指)の筋肉はカチカチにこわばりしますが、その影響でハムストリングがゆるんでしまうことがよく起こります。ふくらはぎはパツンパツンに張っているのに、お尻や太ももの裏はユルユルといった感じです。高いヒールを履いている人、靴のサイズが合っていない人、かかと体重の人、歩き方の悪い人、背中の丸まった人、こういう人達の足趾はこわばっていることが多いのですが、すると筋肉の連動関係、拮抗関係でハムストリングはゆるんでしまうのです。

筋肉は同じ状態を長く続けることが苦手

 今となってほとんど死語になりつつある“根性!”は、私の幼い頃、漫画「巨人の星」の時代にはごくごく一般的な言葉でした。「姿勢を正しく保ち続けることができないのは忍耐力が足りないからだ」などとよく言われたものです。今、この仕事についていろいろな方と接していますと、“耐えられる身体”と“耐えられない身体”という判別がつきますので、「今の状態では、それ(姿勢良く座り続けようとすることなど)は無理です」などと申し上げることがあります。
 ところが現実の今の社会では、この“無理”を強いられている場面がけっこうあります。デパートなどの売り場で働いている人は、お客さんが居ても居なくても座ることは許されない、などと耳にします。接客が忙しくて動き回っているのであれば、からだは疲労しますが、筋肉は同じ状態をじっと耐え続けるといった状況にはなりませんので疲弊してゆるんでしまう可能性は少ないです。ところが暇で動くこともないのに、座ることは許されず立ち続けていなければならない状況になりますと、筋肉は無理を強いられることになります。下半身の筋肉が疲労してきて次第に働き悪い状態になるわけですが、それでも立ち続けていなければならないとなりますと、無意識に肩や背中に力を入れて頑張り続けるようになってしまいます。肩こりがきつくなったり、背中の張りに辛さを感じる原因の一つであると思います。
 また反対にPC作業などで一日中座り続けていなければならない、というのも筋肉には良くありません。姿勢が崩れていくのは当然のことだと思います。筋肉は、それ自身が伸びたり縮んだりするようにできています。つまり伸縮を繰り返すのが本来の在り方ですので、どちらか一方に偏るという使い方は間違っているのです。
 職場環境改善を取りざたされている今日、整体的な観点で申し上げれば、企業側はこういうことにも配慮する必要があると思います。売り場の片隅、お客さんから見えないところに少しの時間でも座れる椅子を用意すことも職場環境の改善ではないでしょうか。
 座り続けることの多い仕事では、上司の方が積極的に声を掛けて、時々立ったり歩いたりすることを促すことも大切なように思います。


 今回のテーマは「座るとお尻の骨(=坐骨)が痛くなる」というものですが、その最も多い理由は太股裏の筋肉(ハムストリング)や筋膜がゆるんで働きの悪い状態になっていることだと私は思っています。
 筋肉や筋膜の働きが悪くなっているところに、さらに物(座面)と接触したり、荷重がかかったりしますと、筋肉や筋膜は耐えられなくなって反乱を起こすように、坐骨周辺を硬くして痛みとして訴えるようになります。
 ですから、このような場合は、痛いところ(坐骨周辺)を揉みほぐして弛めることが解決策ではなく、ゆるんで働きの悪くなっている部分の機能を回復させることが正しい対処方法です。そこを間違えますと状態が悪化することがあります。

 お尻が痛いからと、太股の裏に低周波治療器の端子を貼ったりする場合は、細心の注意が必要です。強い力(電力)でハムストリングを刺激し続けた結果、坐骨周辺だけでなく、お尻全体が硬くなって坐骨神経痛に苦しむようになった人を知っています。くれぐれも注意してください。


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