ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

カテゴリ: 体型

 O脚修正の3回目は膝下から足首周辺と足についてです。
 前回説明させていただきましたように、O脚の人は膝窩筋のこわばりなどによって膝関節でふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)が外に飛び出したようになり、かつ内側に捻れていますが、多くの場合、その状態が足首に向かうにつれて悪化しています。つまり、膝関節のところでは小さな内側への捻れだったものが、足首手前では捻れ方が大きくなっているということです。
 この直接的な原因はふくらはぎの皮下筋膜(皮膚の下にある膜)が捻れた状態になっているからです。器と中身があったとして、器が捻れてしまったので中身もそれに合わせるように捻れてしまったという状況に似ています。
 そして、ふくらはぎの筋膜が捻れてしまう原因は膝窩筋のこわばりだけでなく、膝下の筋肉の変調と足首周辺の靱帯や筋膜などの状態です。膝下の筋肉がアンバランスな状況になって足首に負担が掛かるようになりますが、それに耐えるために足首周辺の靱帯や筋膜が硬くなって対抗している姿が感じられます。
 この状況が慢性化して何年、何十年と経ちますとO脚は頑固なものになり修正するにも手間と時間を要することになります。

O脚の人の足首と足

長趾屈筋の強いこわばりによって捻れるふくらはぎ
 O脚の人だけでなく、ふくらはぎが足首に向かって内側に捻れている人はかなり多くいます。内股の人は間違えありません。それ以外にもかかと体重の人、上半身を前に倒しながら歩いている人、足を引きずるように歩いている人などはその可能性があります。

長趾屈筋のこわばりと脛骨の捻れ

 さて、このふくらはぎに内側への捻れをもたらす筋肉を長趾屈筋(ちょうしくっきん)と言います。長趾屈筋につきましては以前にも取り上げましたが、ふくらはぎの一番奥、脛骨の内側面から出発し、脛骨の縁に沿って下り、内くるぶしのすぐ下を通って2~4趾の指先(末節)に繋がっています。収縮することで母趾(足の親指)以外の指先を曲げる働きをします。O脚の人の場合、足の外側に重心が掛かっていますので、歩行時などで普通の人以上に長趾屈筋を使うことになります。ですから、O脚の人の長趾屈筋は強くこわばってしまいますが、それによってふくらはぎが足首に向かって内側に捻れていきます。
 そして実際の現象として、長趾屈筋のこわばりをゆるめていきますと、ふくらはぎの内側への捻れは改善していきます。

足首内側の靱帯などを整える
 O脚ではないとしても足の外側に重心が掛かってしまう、あるいは重心が外側に逃げてしまうような立ち方の人は多くいます。内股の人もその傾向にありますし、過去に足首を捻挫した経験のある人もそうなりやすいと言えます。
 そして足の外側(小趾側)に重心が掛かったまま何年もあるいは何十年も経過してしまった人は、足首周辺の靱帯や筋膜(屈筋支帯含む)が柔軟性を失った状態になっています。そして前述の長趾屈筋の強いこわばりもあいまって、ふくらはぎの皮下筋膜を内側に捻れさせO脚特有の足首状態をもたらしているようです。

O脚の人の足首と足2

 重心が小趾側にある人の特徴の一つとして、足首が内側に倒れている(内反状態、足首の内側が縮んで外側が伸びている)ことがあります。その直接的な原因として、外くるぶしが下がっていること、足首内側の靱帯が縮んでいること、かかとの内側の屈筋支帯と呼ばれる結合組織(筋膜)が縮んでいることなどが考えられます。

 足首周辺には幾つもの靱帯があります。靱帯は筋肉のように伸び縮みする働きをするものではありませんが、直接骨と骨を結び付けている紐や鎖のような役割りをしています。強い衝撃や引っ張りがあったとしても頑張って骨と骨の間がある範囲を超えて離れないようにしています。
 捻挫は足首をくじいたりして頑丈な靱帯でも耐えられないような力が掛かってしまったために、靱帯が伸びてしまったり損傷してしまった状況ですが、そのために関節がグラグラして不安定になってしまいます。そして靱帯は伸びたり損傷したりすることだけでなく、硬く縮んだ状態になることもあります。

足首内側の靱帯

 足首の内側には三角靱帯がありますが、小趾側重心の人はこの靱帯が縮んで硬直しています。それによって母趾側の土踏まずが内側に持ち上がった状況になり、かかとが内側に入った内返し状態の足首になっています。この状態を改善するためには、指圧などの手法により靱帯の硬直を解除する必要があります。

足首の屈筋支帯

 また、内くるぶしからかかと内側にかけて屈筋支帯(くっきんしたい)という結合組織がありますが、これも硬くなって縮んでいます。そして、かかとの内側にはアキレス腱が延長して筋膜となった部分もありますが、O脚の人などはこれらがとても硬くなっています。足首を正しい状態に戻すためには、これらを揉みほぐして柔軟性を回復する必要がありますが、揉みほぐしには痛みを伴います。

足首外側を整えて小趾側アーチを整える
 O脚や小趾側に重心が掛かってしまう人の足首外側では、外くるぶしが下がっていて、かかとの外側~小趾先にかけてダラッとして頼りない感じになっています。足首の内側が硬くなって頑固な状態とは相対的で、外側は頼りない感じです。

足の外側の骨格(小趾アーチ)

 O脚の人や小趾側に重心が掛かっている人は足が内反状態で、母趾側の土踏まずが浮いて小趾側が墜ちているのが特徴的ですが、そのため小趾側の縦アーチは失われた状態になっています。
 「偏平足」は母趾側の縦アーチが失われた状態で本来「土踏まず」として浮いている部分が地面に着いてしまう「平らな足裏」のことを言うようですが、小趾側の縦アーチも重要です。
 母趾側のアーチが失われますと、歩行時など地面からの衝撃に対するクッション作用の働きができないため、足腰に負担が掛かると言われています。このことにつきましても私は言いたいことがありますが、今は小趾側のアーチについて申し上げます。これまでたくさんの人に施術をしてきましたが、“下がった口角を上げる”、“目をパッチリと開くようにする”、“お腹の調子を整える”、”鼡径部をスッキリさせる”等々、からだを整える上で小趾側のアーチを整えることは重要です。
 少し前に“からだに内在する上昇する力”について云々させていただきましたが、小趾側のアーチはこの力に関係があるようです。そう言う意味でも、小趾が墜ちている人はそれを整えて小趾側のアーチをしっかりとしたものにしていただきたいと思います。
 尚、小趾側のアーチを整える方法は簡単には説明できません。幾つかのパターンによって小趾が墜ちてしまう状況になるのですが、O脚を改善する手段を用いれば小趾側アーチがしっかりとする、というものでもありません。しかし、O脚特有の足首状態を整えようとするなら、小趾側アーチを整えることは必要事項であるということです。

重度なO脚は足首が潰れた状態になっている
 上記に掲載した写真のモデルは私の母です。母は元々はO脚ではありませんでした。10年ほど前にリウマチを患い、左膝関節が変形してO脚状態になってしまいました。ですから、ずっとO脚だった人に比べますとふくらはぎの内旋(内側への捻れ)は軽微です。そして足首自体の状態もそれほど悪いわけではありません。
 ところが若い頃からずっとO脚で、高齢になって変形性膝関節症になり、膝の内側がいつも痛いような人、つまりO脚が重症化してしまった人の足首は潰れたような状態になっていることが多いです。
 そしてこのような人は、歩くときに、膝に体重の重みが掛かると膝下が外側に動き、足首に重みが掛かるときには足首の内側がグニュッと沈み込むような動きをしますが、からだがとても可哀想な状態だと思ってしまいます。

重症なO脚の足首

 ふくらはぎの骨が真っ直ぐ降りてきて、それを足首の骨(距骨)で真っ直ぐに受け止め、からだの重みが足裏全体に分散して拡がる状態が理想ですが、そのような人は「足首が立っている」と感じます。しかし、このような人が少ないのも実状です。
 しかしながら歩く度に足首がグニュッ、グニュッと曲がってしまうのは良くありません。O脚でなくてもこのような人はいます。是非直していただきたいと思います。



 これまで3回にわたり、O脚について説明させていただきました。
 1回目は股関節を中心に小殿筋に焦点を当てました。2回目は膝関節を中心に膝窩筋と脛骨の内旋に焦点を当てました。今回の3回目は足首周辺と足に焦点を当てました。
 同じO脚でも人それぞれ、細かい部分で違いはありますが、O脚を修正する上での基本的な考え方はこれで良いのではないかと私は思います。と言いますか、本当の意味でO脚を修正するためのであれば、必ずこの3つの項目は確認して修正しなければならないと考えます。

 また、現在いろいろと検証中ですが、上部頚椎(頚椎1番と2番)の状態はO脚に限らず様々症状において影響力があるようです。上部頚椎を整えることで、からだ全体の在り方が落ち着くようで、いろいろな不調や不具合が良い方向に向かいます。これについてはもう少し検証が進んだ段階で改めて説明させていただきたいと考えています。
 そして、今回ちょっとお話しさせていただきました「小趾側のアーチと上昇する力」につきましても、そのうち取り上げようと考えています。


足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html 

 O脚を修正しようとする場合のポイントとして、小殿筋のこわばりを解消することについては前回説明させていただきました。
 今回は膝関節における大腿骨とふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)の関係に着目して考えてみます。私が「O脚は将来の変形性膝関節症予備軍」と考えている理由を今回は説明することになります。

 歩くことは、前足を着地した後は、その着地した足が軸足に変わり、反対側の足が前に出ることで前に進む仕組みになっています。
 また、(O脚でもX脚でもない普通の人は)前足を着地した後に膝が少し前に出ることで重心が前方に移動しますが、その力を利用して歩くことが効率的で、からだに余計な負担を掛けない歩き方であると言うことができます。

歩行:膝が前に出る

 ところがO脚が進行して変形性膝関節症が重症化したような人は、前足を着地して軸足に移行するときに、膝が前に出るのではなく、からだの重みを受けて膝下の脛骨(けいこつ)が外側にグイッと動いてしまいます。そして、その時に膝の内側が痛みを出してしまうという状況になってしまいます。

O脚歩行横ずれ

 写真では解りにくいかもしれませんが、写真の人の実際の歩行を見ますと、左脚が軸脚に変わって、そこに全体重が乗る瞬間に左脛骨は大きく横ずれを起こしますし、その時に強い痛みを感じてしまいます。ですから、室内でも杖を利用して左膝に全体重が乗らないようにされています。

O脚歩行横ずれじゃない

 この人の場合、右膝も良い状態であるとは言えませんが、まだそれほどO脚は進んでいませんので、着地した後に膝が前に出て重心を前方に移動することができます。すると膝関節で横揺れや横ずれが起こりませんので、左膝のように内側に痛みを感じることはありません。

 見た目に「酷いO脚だから」ということも気になることではありますが、それよりも膝が使いものにならず歩くことができなくなってしまうことの方が人生にとって一大事ですから、何とか左膝の使い方が変わるようにしなければなりません。
 「横ずれではなく、膝が少しでも前に出て欲しい」
 これが今の私の思いです。
 そうなれば、形は不格好でも膝が本来の在り方で使えるようになりますので、痛みも飛躍的に軽減すると予想されます。
 また、ここまで膝関節が変形していますと、内側の半月板もかなり傷んでいると思われますので「常に快適に」というわけにはいかないかもしれませんが、日常生活はそれほど痛みを感じずにできるのではないかと思っています。

 膝関節が「横にずれるか、前に出てくるか」たったそれだけの違いなのですが、実際にはそこが分かれ目となって、「快適に歩ける」「痛くて歩けない」という大きな違いとして現れます。
 そして使い方をたったそれだけ修正するだけのことなのですが、それがなかなか厄介で、手間と時間を要することになります。

膝関節が横ずれを起こす理由‥‥膝窩筋と縫工筋が重要
 O脚の進んだ人の膝関節が横ずれを起こすようになってしまう最初の原因として、歩行時に前足を着地して体重を乗せる時に、脛骨が内側に捻れてしまうことがあります。
 典型的なO脚の人のスタイルは、両膝の間が広がっていることの他に、立った時に足の小指側に重心が掛かってしまうことがありますが、この状態は脛骨が少し内側に捻れている状態です。
 膝下が少し外側にはみ出し、なおかつ内旋しているというのが専門的な見方になりますが、そのような状態をもたらす筋肉があります。

・膝窩筋のこわばりと働きの悪い縫工筋
 太股の裏側にはハムストリングと呼ばれる強力な筋肉があります。ハムストリングは骨盤の坐骨結節や大腿骨を出発点として膝関節を飛び越え、ふくらはぎの骨に繋がっています。
 また、ふくらはぎ裏側の表層には腓腹筋がありますが、その出発点はふくらはぎの骨ではなく太股の骨になっていて足のかかとに繋がっています。ですから、ハムストリングの終着点(停止部)と腓腹筋の出発点(起始部)は膝関節を跨いだ状態で交叉しているのですが、これによって膝裏に凹みができます。そして、それを膝窩(しつか)と呼びます。

膝窩筋2

 膝窩の一番奥に小さな膝窩筋があります。収縮することでふくらはぎの骨(脛骨)を少し内側に捻る働きをしています。
 膝関節が曲がった状態から膝を伸ばすようにしていきますと、膝が真っ直ぐになる手前で脛骨が外側に少し捻れます。それによって膝がすっかり伸び、関節にロックがかかって太股の骨(大腿骨)と脛骨があたかも一本の骨になったように一体化します。この仕組みがあるので大腿骨の筋肉とふくらはぎの筋肉の緊張状態がゆるむことができます。

 膝が伸びきった状態は関節にロックが掛かった状態ですから、再び膝を曲げるためにはロックを外さなければなりません。この時にロックを外す働きをするのが膝窩筋です。
 「膝関節が伸びるときに脛骨が外旋してロックが掛かり、膝窩筋が収縮して脛骨が内旋することでロックが外れ、膝を曲げることができる」このような仕組みになっています。

 そしてO脚の人の場合、この膝窩筋がこわばっていて常に脛骨が少し内旋したままの状態になっています。
 膝窩筋は太股の骨の外側(外側上顆)を出発点として脛骨の内側に付着していますので、収縮しますと脛骨が外側上方に引っ張られながら内側に捻れる状況になります。つまり膝窩筋がこわばった状態になりますと、膝下が外側に少しはみ出し、なおかつ内側に捻れているので、外側の出っ張り(腓骨頭)が目立つ状態になります。

O脚と変形性膝関節症

 膝窩筋がこわばった状態は自ずと脛骨が内側に捻れた状態をもたらしますが、歩いたり、立ったりして体重が掛かったときには、それが更に強調されて、脛骨が外側に引き出され且つ内側に捻れた状態に動かされます。それは膝関節の内側半月板に負担を掛けますし、膝関節内側の筋肉を引っ張る状態になりますので、そこに痛みが発生します。
 ですから、O脚の人の膝内側の痛みを軽減させるための条件として、膝窩筋がこわばった状態を解消しなければなりません。

 さらに、歩行時に膝が前に出てくるようにするためには、大腿骨と脛骨の位置関係を正す必要があります。と言いますのは、膝窩筋の影響で脛骨が内旋している状態は、膝の内側に着目しますと、大腿骨に対して脛骨が後に下がった状態になっているということです。この状態では、立った時に膝の後側に重心が掛かってしまいます。“かかと重心”の原因の一つになりますし、反張膝の原因になります。

O脚と反張膝

 歩く動作は、一歩一歩が膝を曲げたり伸ばしたりの繰り返しです。また短時間であっても全体重が片方の脚に乗ることになります。ですから大腿骨に対して脛骨が後方にある人は、重心が前方に向かうのではなく、かかとの方に掛かってしまいます。そしてそれでは前に進むことができませんので、上半身を前に倒すようにして前方に進む力を得ています。「前のめりになって、後から足がついてくる」そんな歩き方です。
 この歩き方もまた膝に負担を掛ける歩き方ですので、そうならないように膝下で後方に引っ込んでいる脛骨を前方に出さなければなりません。その方法の一つがこわばっている膝窩筋の状態を改善することですが、それ以外に脛骨を前方に引き出す働きをする筋肉を整えることがあります。それは大腿四頭筋(大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋)であり縫工筋(ほうこうきん)になりますが、縫工筋の働きが悪くて脛骨の内側が引っ込んでいる場合が多くあります。

鵞足の働き

 また、同じ鵞足でも半腱様筋がこわばりますと脛骨をさらに内旋させて後方に引っ張りますし、半膜様筋のこわばりも脛骨を後方に引っ張ってしまいます。O脚を修正する場合には、これらの筋肉も確認する必要があります。

 さて以上説明してきましたように、O脚が進行した変形性膝関節症にならないようにするためには、膝窩筋、半腱様筋、半膜様筋のこわばり状態を解消し、縫工筋の働きを高めることが必要です。そしてこれらの筋肉は、ほとんどの場合、連動する他の筋肉の影響をうけて変調していますので、直接これらの筋肉を揉みほぐしたりしても解決にはつながりません。

 専門的になってしまい解りにくいかもしれませんが、
 膝窩筋は小殿筋、棘上筋、肘筋と連動しますので、肩や肘の状態の影響を受けます。足の方では足底の骨間筋と連動しています。立った時に小指側に重心が掛かってしまう人は、足裏全体で安定して立てませんので、足の親指と2趾(人差し指)のところに力を入れてこらえながら経っていたりします。昔のサンダルや下駄では鼻緒のあるところです。するとそこの筋肉(骨間筋)がこわばりますが、それが膝窩筋のこわばりへと繋がります。
 半腱様筋、半膜様筋は腓腹筋(外側頭)、ヒラメ筋と連動しますので、ふくらはぎやアキレス腱、かかとなどの状態の影響を受けます。
 そして縫工筋は肩甲骨と上腕骨を繋いでいる烏口腕筋(うこうわんきん)と連動しますので手や肩に問題ありますと働きが悪くなることがあります。

O脚歩行横ずれ施術後

 写真の方は後期高齢者で、5年ほど前に脊柱管狭窄症の手術を行っていますが、未だに腰痛は残ったままです。さらに1年前に肩関節近くの上腕骨(二の腕)を骨折して手術を行いましたが、まだ万全な状態ではありません。
 このような既往症を抱えながら両膝の調子も悪く、特に左膝はO脚が進んだ変形性膝関節症で立っていても痛みを感じ、全体重を左膝に掛けると痛みが強くなりますので家の中でも歩行時は杖を使っているという状況です。

 前回はO脚における小殿筋の説明をさせていただきましたが、今回取り上げています膝窩筋は小殿筋と連動しています。そして肩の棘上筋、肘の肘筋とも連動関係にありますので、上腕骨の骨折とその手術によるマイナス面は膝窩筋のこわばりや烏口腕筋と連動する縫工筋の働きに対して大きな影響をもたらしています。ですから、施術のスタートは肩周辺や肘を整えることから始まります。
 そして、小殿筋を整え、今回の膝窩筋や縫工筋など膝周りを整え、次回説明させていただきます足首周辺と足を整える施術を行います。さらに脊柱管狭窄症を手術した腰部も気になりますのでケアを行いますが、膝関節を調整するためにたくさんの部位を施術しています。

 一通りの施術が終わりますと、歩く姿が施術前と変わり上の写真のようになります。O脚自体はそれほど変化していないように感じられますが、膝関節の使い方が変わります。前足として着地してから軸足に移行するときに全体重を左脚で支えるわけですが、施術前は膝関節が横ずれを起こして痛みを発症していました。しかし施術後は膝が前に出るようになりましたので横ずれがほとんど起こらなくなりました。ですから膝に痛みを感じることもなくなり、さらに重心が自然と前方に移動するようになりましたので、上半身を前に倒すこともなく反対側の足を前に運ぶことができるようになりました。

O脚施術前・後

 O脚を調整する場合は、「形」ではなく「使い方」が変わることが何よりも大切であると私は考えています。施術やその他の手段で形を整えたとしても使い方が変わらなければ、結局は元に戻ってしまいます。それも短時間で。
 使い方が変われば、少しずつ少しずつですが着実に筋肉や骨格の状態が変化していきます。そのO脚のしぶとさにもよりますが、良い使い方をしていれば半年、1年と時間が経つうちにO脚は改善されていくと考えています。ですから私の仕事は自然と使い方が良くなるような状態になるよう調整を行うことだと考えています。
 筋肉や骨格に問題があるために良い使い方ができない状態なのに、「頑張って使い方を変えてください」みたいなことを要求する整体師もいるようですが、私はそのようなことは要求しません。それはプロの仕事ではないと考えているからです。

 O脚の調整を望んで来店される方々の多くは長い間の使い癖がありますし、筋肉なども「形状記憶」みたいに頑固になっていて、すんなり変調を改めてくれないこともあります。ですから、施術を始めた頃は「施術すると良くなるけど、1週間するとまたダメになってしまう」
というような状況になったりします。そんなことを何度も何度も繰り返しながら、ある日突然筋肉の状態がすっかり変化して一気に良い方向に向かう、ということも多々あります。

 「O脚を直したい」ということで多くの方が来店されましたが、何度か来店されて来なくなってしまう人がほとんどです。今回登場していただいた人のように「もう手術はしたくない。しかし膝の痛みが辛いのでなんとかして欲しい」と思われている人や、1回の施術で「明らかに変化した」という実感を得られた人などは定期的に来店されますが、そうでない人は来店されなくなってしまいます。それは残念なことだと思っています。先ほども申しましたが、「使い方が変わらなければ形を変えても無理。使い方が変われば将来必ず形が変わる。」と私は確信しています。しかし、往々にしてそれは時間のかかることです。
 冒頭に申し上げましたが、O脚が進行しますとやがて変形膝関節症になり、将来歩行が辛くなる可能性が高まります。「今は痛みもないし、多少のO脚でもやむを得ない。そんな人もたくさんいるし。」などと思っている人も多いと思いますが、O脚には十分注意をして頂きたいと考えています。

 今回は膝周辺の問題について取り上げましたが、O脚を調整するときには足元、つまり足首周辺や足、足趾なども重要です。次回は足元について説明させて頂きます。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html   

 「O脚は未来の変形性膝関節症予備軍」ということで、O脚はできれば直した方が良いですし、そうでなくても進行させないようにケアしてほしいと、これまで説明してきました。O脚がスタイル面でマイナス要素であるだけなら、それはたくさんある“O脚矯正”を宣伝文句にしている整体院や、あるいはO脚矯正グッズなどに頼ればよいと思います。その方が見栄え的にO脚が改善されたように見せるには即効的かもしれません。
 しかしながら「使い方によって、肉体は変化する」という原理原則みたいなものがありますので、使い方が変わらなければ外見的に矯正したとしても結局元に戻ってしまいます。
 からだを修正するためには“使い方が変わる必要がある”ということを是非理解して、O脚の修正に取り組んでいただきたいと考えます。

 今回は、実際に毎週来店されております“O脚”、“変形性膝関節症”、“膝の痛みで歩行困難”の症状を抱えております後期高齢者の女性を例に、どのように考えて施術しているかを説明するとともに、O脚についての理解を深めていただければと思っています。

 その女性が来店されて2ヶ月ほどが過ぎました。この方はだいぶ前に、脊柱管狭窄症の手術を経験されていますが、慢性腰痛の状態は改善されていません。大きなコルセットを常時装着している状態です。そして1年前に左肩を骨折して手術をされました。手術後、病院でのリハビリを行っていましたが、腕の上がらない状態が残ったままになっていました。洗濯物を干すことや台所仕事がつらく、腕を動かすと痛みを感じる状態です。ですから当初の来店の目的は「左肩をどうにかして欲しい」というものでした。
 手術痕の影響についてはこれまで再三説明してきましたが、年齢的なこともあってか、手術して1年経っても肩周辺の筋肉と筋膜の状態が回復していない状況です。「関節がゆるんでいる」という表現になってしまいますが、肩関節で腕と肩(肩甲骨)がしっかり結びついていませんので、いわゆる五十肩のような状態であり、腕を思いのままに操作することができない状態です。それでも、施術を行い、私がしばしば使っているダイオードを適切に貼りますと、腕は上まで上げられるようになりますし、痛みも感じなくなりますので、私としては肩の問題は時間は要するもののやがて解決されていくと思っています。
 ところが、左膝はかなり酷い変形性膝関節症です。腰痛もあってか、歩行時に杖を手放すことはできません。室内のわずか3メートルくらいを歩くときでも杖を使わずにはいられません。

 ちょうど1年前に、私の母はリウマチによる変形性膝関節症がかなり悪化したために左膝の人工関節置換手術を受けました。現在、毎朝私が10分程度のマッサージ的リハビリを行っていますが、膝の状態は非常に良好です。今は普通に歩いています。往復2㎞くらいの買い物も杖など使わず毎日気持ち良くこなしています。
 ですから、この女性にも「膝の手術を考えてはどうですか?」と話をしてみました。私の母と同等、あるいはそれ以上に膝の具合は悪いと感じたからです。ところが、脊柱管狭窄症と肩関節の手術の予後が思わしくないことからか、膝の手術に対しては気が進まないようです。
 そんなことから、現在は左肩のケアに加えて左膝の不具合を軽減する施術を週一度のペースで行っています。

変形性膝関節症の痛み
 膝関節の変形には、いわゆるO脚とX脚のパターンがありますが、日本人に多いのはO脚タイプの変形性膝関節症です。
 O脚の膝関節を骨格的に説明しますと、大腿骨に対してふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)が外にはみ出ていて、更にふくらはぎの骨が内側に捻れており、立った時に小趾側に重心が掛かってしまうのが特徴です。
 そして変形性膝関節症にまで進んでしまい、膝が腫れぼったくなり、歩くと膝の内側が酷く痛む人は、歩行時地面を蹴ろうとしますと膝関節でふくらはぎの骨が外側にグイッとずれる状態になっています。この、ふくらはぎの骨が外側にグイッとずれるとき、膝の内側の筋肉が引っ張られることになりますので強い痛みが発せられます。
 ですからO脚タイプの変形性膝関節症の進んだ人は、歩くときに膝が前に出て進んでいるというよりは、着地した後の膝下が横に拡がってしまい、その反動を利用してからだを前に押し出しているような歩き方になっているように見えます。つまり、膝が痛くて辛いのに、普通の人以上に膝に
負担を掛けてしまうような歩き方になっているということです。

O脚状態を脱するためのポイント
 O脚は両膝の間が拡がってしまう“脚の形”が最も目に付きますので、その点ばかりに注目が集まりますが、修正しようとする場合はまず太股の出発点である股関節に着目する必要があります。人体の骨格模型を観察しますと、股関節から出ている大腿骨は膝に向かって内側に入った形をしています。男性に比べて女性は骨盤が広いので、なおさら内側に向かっています。
 まず何より、この内側に向かう角度がしっかり取れていることが最も重要です。股関節で大腿骨が垂直に近い角度で降りているようでしたら両膝が近づくことは不可能ですし、実際O脚の進んだ人はそのようになっています。

普通の下肢(O脚ではない)

 私たちの下肢(脚)は真っ直ぐではありません。股関節から膝までの大腿は内側に向かっていき、膝で角度を変え垂直に地面に向かっていく形をしています。実際、大腿骨の股関節での関節面、膝関節での大腿骨と脛骨の関節面と骨の形はそのようになっています。
 ですから、O脚を修正しようとする場合、人体模型のように股関節で大腿骨が内側に向くようにすることから始めなければなりません。

・小殿筋がポイント
 股関節で大腿骨を内側に引っ張っているのは短内転筋、長内転筋、大内転筋などの内転筋です。ですから股関節の角度を正しい状態にしようとする場合は内転筋を整えて大腿骨を内側に引っ張る力をアップするのが良いと多くの人が考えると思います。私もそう考えて長い間施術を行ってきました。

小殿筋と内転筋の関係

 ところが股関節の外側に大腿骨を外側に拡げる(外転)働きをする筋肉があります。小殿筋と中殿筋です。中殿筋は大内転筋と協働して殿部をしっかりさせ、お尻にエクボをつくってしっかりした立位を保つ働きをしていますので、大腿骨を外側に拡げる働きをするもののO脚の原因にはなりません。

 ですから小殿筋がとても重要です。小殿筋は股関節外側の一番深いところにある小さな筋肉ですが、股関節を安定させる働きをしています。
 そして施術者にとって重要なことは、この筋肉が肘関節の肘筋(ちゅうきん)、肩関節の棘上筋(きょくじょうきん)、膝関節の膝窩筋(しつかきん)などと連動していることです。肩関節で棘上筋がこわばっている人は肘が浮いて脇が空いたようなスタイルになっていますが、小殿筋も連動してこわばっていますので股関節で太股が外に開きやすいガニ股やO脚のスタイルになっています。
 そしてO脚の人の場合、内転筋群の働きよりも小殿筋のこわばりの方が現象化しやすいようで、大腿骨は外側に引っ張られてしまいます。そして大腿骨が外側に引っ張られていることに対抗しようとして内転筋群もこわばった状態になってしまいます。

小殿筋と連動する肘筋・棘上筋・膝窩筋


 小殿筋がこわばった状態を修正しようとする場合、筋肉連動の仕組みを利用します。
 私は先ず肘筋と棘上筋を確認します。
 肘筋は肘関節にある小さな筋肉ですが、上腕三頭筋と同様に肘を伸ばす働きをしています。そして関節にある小さな筋肉に共通していることですが、関節の運動や動作よりも関節を安定させる働きの方が優先事項になっています。小殿筋も含めて連動する肘筋、棘上筋、膝窩筋は関節の安定に働いている小さな筋肉です。
 例えば、上腕三頭筋の働きが悪くなったとします。すると肘を伸ばす動作がシャキッとしなくなりますが、同時に肘関節があまくなってしまい捻れなどを起こしやすくなります。肘筋はこの状態を許すことができませんので自らをきつく収縮させて肘関節の安定を図るようになります。この状態は肘筋が強くこわばった状態ですが、そうしますと棘上筋も小殿筋も連動してこわばった状態になってしまいます。
 棘上筋も肘筋と同様です。肩関節で肩甲骨(肩)と上腕骨(腕)を結び付けて関節の安定を保つ大切な働きをしていますので、腕や手の使いすぎなどで関節の筋肉があまくなりますと、棘上筋はこわばってしまいます。
 ですから、肘関節を安定させ、肩関節を安定させるなどを行い、肘筋と棘上筋のこわばりを解消することが小殿筋のこわばりを解消する手段の一つです。

 もう一つの手段は、筋肉の拮抗関係を利用することです。
 お尻の筋肉を殿筋(でんきん)と呼びますが、殿筋には小殿筋、中殿筋、大殿筋の3つがあります。それぞれに役割がありますが、小殿筋と同じように大腿骨を真横(外)に開く(外転という)働きをする筋肉に中殿筋があります。

殿部の筋肉(小殿筋・中殿筋・大殿筋)

 本来、小殿筋も中殿筋も股関節を外転させるときに働きますので互いに協力関係にある協働筋(あるいは共働筋)です。筋肉の解説書などにはそのように記載されています。ところが、同じような働きをする協働筋は時に、拮抗的な性質になることがあります。
 例えば、先ほども説明しましたが肘筋や棘上筋がこわばった状態になりますと小殿筋もこわばります(収縮する)が、すると大腿骨(大転子)を骨盤の方に引き寄せます。一方、中殿筋も骨盤と大転子を結んでいますので、大転子が骨盤に近づいた状態では中殿筋がたるんだ状態になってしまいます。筋肉はたるんだ状態では上手く収縮することができなくなりますので、お尻がキュッとせずゆるんだ状態になってしまい、立位がシャキッとしなくなってしまいます。

小殿筋の「こ」による中殿筋の「ゆ」


 この理屈は反対からも成り立ちます。今度は、何らかの理由で中殿筋がゆるんでしまい、上手く収縮することができなくなったとします。すると本来は小殿筋と中殿筋の協働作業で大転子が正しい位置を保持できるようになっていたものが、中殿筋が役立たずの状態になってしまったので、小殿筋が中殿筋の分まで頑張らなければならなくなります。小殿筋はリラックスできずに常に緊張(=収縮)していなければなりません。つまり小殿筋がこわばった状態になってしまいました。
 この状態を解消するためには、中殿筋を整えてちゃんと働くことができるようにすることです。中殿筋の働きが戻ってきますと、小殿筋は頑張り続けている必要がなくなりますので、こわばり状態が解消されます。
 そして、実際、このような状況がからだのあちらこちらで見受けられます。

 少し余談になりますが、殿部で一番大きく誰もに「お尻」と認識される筋肉は大殿筋ですが、この筋肉は階段や坂道を登ったり、椅子から立ち上がるったり、走ったりするときなど重力に対抗したり、殿部に強い瞬発力を要求されるときに活躍するということです。歩いたり、立位の姿勢を維持するときには大殿筋よりも中殿筋の方がよく働きます。
 立ちっぱなしの仕事をしている人は、太股とふくらはぎがパンパンになり、足もこわばった状態になりやすいのですが、それは中殿筋の働きが悪くなっている影響もあります。
 そして「どう立ったら楽に立ち続けられるかわからない」と感じる場合は、骨盤を中心に立つことができず、足元の方に力をいれて頑張っている可能性が考えられます。これも中殿筋の働きが悪いことの影響です。
 中殿筋の働きを確認する方法として、「お尻にエクボ」をつくって立ち続けられるかどうかというテストを行うことがあります。中殿筋の働きが良ければ苦もなくお尻にエクボをつくることができますが、働きの悪い人は「どうエクボをつくったらよいのか、わからない」と感じます。
 そしてO脚の人は、このテストが苦手です。皆さん、中殿筋の働きが悪いのです。「お尻にエクボ??? 何それ?」って感じだと思います。
 そんな人には、両足のかかとをつけて、足先を開き、(男のように)逆「ハの字」型になり“気をつけの姿勢”になっていただきます。そして「お尻に力を入れてエクボをつくってください」とやってもらいます。すると少し意味を理解されるようになりますが、同時にお尻(中殿筋)に力が入るほどに両膝が寄ってきますので、O脚と中殿筋の関係を少し理解していただけるようになります。

 冒頭の話に戻りますが、今回膝の痛みの除去に取り組まれている高齢の女性は、腰部と肩部を手術し、体幹も肩関節も不安定ですので、肘筋、棘上筋、小殿筋のそれぞれが、連動関係だけではなくそれぞれの事情でこわばっている状況も重なっています。ですから、良い状態になるまで時間がかかってしまいます。3歩進んで2歩下がる、あるいは3歩進んで3歩下がってしまうこともあろうかと思いますが、ご本人も私も辛抱強く取り組んでいきたいと考えています。

 今回は小殿筋についての説明で終わってしまいましたが、膝窩筋がこわばっているために膝下が外に引っ張られ、尚且つ内側に捻れているために、歩行時の着地の後、膝が前に出てこないという問題も抱えています。さらに、足首や足も正常な状態ではありません。
 これらのことにつきましては、この後、できれば続けて説明していきたいと考えています。
 
足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html   

 私は昭和35年生まれですが、私たちの世代のウインタースポーツの代表は「スキー」でした。ですから、骨盤が不安定な方(お客様)に対して「スキーなどで尻餅をつきませんでしたか?」などとついつい尋ねてしまうことがあります。硬い雪のところでドスンと尻餅をつきますと、尾骨周辺を打撲してしまい、その傷が影響して骨盤や背骨が不安定になることがあります。そして「猫背」「下腹が出る」「顔が下がる」等々、好ましくない症状につながることがあります。

 ところが私よりも若い世代以降はスキーではなくスノーボードがウインタースポーツのメインになっているようで、尻餅ではなく、後頭部の打撲がからだをおかしくしてしまう原因になっていることを知りました。
 私はスノーボードの経験はありませんので、お客さんから聞いた話で想像することだけしかできませんが、後頭部の打撲による影響で思い通りにからだを使うことができない人や姿勢を保つことができない人がこのところ何人も来店されています。

中殿筋、大内転筋、大腰筋の働きが悪くなる
 長距離走の選手が足底腱膜炎(という診断)と腓骨筋(長腓骨筋と短腓骨筋)の痛みで練習ができないと来店されています。じっとしているだけでも右足の土踏まずから母趾のつけ根にかけて常にジワジワ痛みを感じ続け、歩くこともままならない状況だということでした。左足首の方は踵の外側からふくらはぎの外側にかけて(腓骨筋のところ)筋肉のこわばりによる痛みを感じる状態でした。

腓骨筋_前面・側面

 その男性の体型的は、長距離ランナーに多い痩せ型で、下半身はO脚の状態です。O脚の人は重心が外側に行ってしまいますので、走ることによって腓骨筋が酷使されて問題を起こしやすいというのは理解しやすいところです。
 足底腱膜炎と診断されている右足土踏まずの痛みは、実際には短母趾屈筋が痛みを発していて、その原因は付着している骨である立方骨が本来の位置より後方にずれていることでした。

足底腱膜炎(短母趾屈筋)

 この青年の走り方を、故障する前の動画で見せていただきましたが、右脚はまずまずですが、左脚の方は自身で地面を蹴って走るというよりも右脚の動きのリズムにただ合わせるかのように後から左脚がくっついて動いているといった感じでした。つまり、極端に表現すれば「右脚だけで走っている」という感じです。これでは右脚の負担が大きくなって故障しやすくなるのは当然だと考えられますし、ましてO脚というハンデがあれば尚更だと思います。(O脚は長距離走にとってはマイナス要素です)

 「どうして左脚を(能動的に)使うことができないのだろう?」という素朴な疑問がまず湧いてきます。筋肉の状態を観察しますと、このブログでも幾度となく登場している大腰筋の働きが悪い状態でした。特に左側の働きがとても悪い状態でしたので、大腿骨は股関節から離れてしまい、それがO脚の原因になっていることに加え、腓骨筋の痛みにつながっていることがわかりました。
 大腰筋は太股の裏側と内側にあります大内転筋に連動しますので「内転筋を使って太股を引き上げることができないし、地面をしっかり蹴ることができない」(=大腰筋と大内転筋が悪い)ことがわかります。

大腰筋の前面と側面

 大腰筋は腰椎の椎体(前面)及び横突起と大腿骨(小転子)をつなぐ筋肉ですので腰椎(背骨)が不安定ですと筋肉の働きが悪くなります。そして実際、彼はそのような状態でした。背骨に沿って存在している脊柱起立筋(脊柱固有筋群)がゆるんだ状態になっているので背骨が全部下を向いた状態になっていて、大腰筋が上手く機能しない状態になっていました。
 「どうして脊柱起立筋がゆるんだ状態になっているのだろう?」というのが次の疑問です。そして、そんなことを考えながら骨盤から後頭部にかけて観察していきますと、後頭部にとても弱い場所(=筋膜のゆるんだところ)があって、それが根本的な原因であることがわかりました。そして「後頭部の、この部分が弱いのだけれど‥‥」と尋ねますと、「だいぶ前にスノボで後頭部を強打し、脳振とうを起こして気を失ったことがある」ということでした。

立位_中殿筋と大内転筋

 大腰筋、大内転筋の働きが悪い状態ですと走ることだけでなく“忍び足”のようにゆっくり歩くこともできません。軸脚でしっかり体重を支えることができませんので、すぐに反対側の脚を着きたくなってしまいます。(このことについてはこのブログで何回も取り上げています。)
 そして軸脚でしっかり立つことができるようになるためには中殿筋の働きも重要です。最低限、大腰筋と大内転筋と中殿筋の働きがしっかりしていないと、軸脚でしっかりからだを支えて立つことができませんので、歩き方も走り方も、そして立ち方もおかしくなってしまいます。
 しっかり立つことができない、しっかり地面を蹴ることができない、股関節内側の筋肉を使って太股を引き上げることができない、こんな状態であるにもかかわらず陸上選手として練習し続けなければならないわけで、「故障してしまうのは当然の流れかな?」と思えてしまいます。

姿勢が保てず顔が下がる
 若い女性が、「良い姿勢が保てず、すぐ猫背になってしまい、さらに顔も下がっている」ということで来店されました。
 このブログを読んでいただいていて「顔が下がっているのは、きっと後頭部が上がっているからではないかと思った。横顔の自分の写真を見ると他の人たちに比べて頭が尖っているように感じる」と仰いました。
 実際、座っていただいても骨盤を立てて座ることができません。「骨盤を立てる、という意味がわからない」と仰います。「では、背筋を伸ばして良い姿勢を作ってください」と申しますと、背中の中程を反らせて背筋を伸ばそうとしますが、動作に無理があってなかなか大変そうです。瞬間的にはできても、背筋を伸ばした状態を保つことはできそうもありません。
 これらの主な原因は背筋(脊柱起立筋)の働きが悪いことです。
 「ギックリ腰や尻餅をつくなどして、動けなくなったような経験はありますか?」と尋ねました。答えは「No」です。
 年齢的なこともあり、上記(陸上選手)のようなこともありますので、
 「では、スノボなどで後頭部を強打したことはありますか?」と尋ねてみました。すると「Yes」という返答でした。脳振とうを起こすほどひどくはなかったようですが、打撲の後はしばらく動くことができず、安静にしていなければならなかったくらい衝撃は強かったようです。
 そこで、座った状態のまま後頭部に私の手を当ててみました。すると20秒ほど経った頃から変化が現れ始め、次第に骨盤が立ち始めました。骨盤が立ってきますと自然と背筋は伸び、顎が引かれて猫背は改善し始めます。そして上がっていた後頭部も下がって本来の位置に近づきますので、顔も上がってきます。
 その後1分程度手を当て続けますと、明らかに視線が上がり、自然に無理なく目が大きく開くようになりました。それまで力の入っていた首・肩・顔周辺から力が抜け、重心が下がって下腹部で上半身を支えることができるようになったため、何の無理もなく良い姿勢を保つことが出来るようになりました。
 この女性の場合も、スノボで打撲して以来、猫背で顔が下がる症状に悩まされていたことになります。顔が下がり、目を開くのに額の筋肉を使わなければならない状況は、女性にとって心理的なストレスをもたらすことに繋がりますので、原因がハッキリし、対処法がわかって良かったと思っています。
 この方は遠くにお住まいの方で、私のところに通うことは叶いません。ですから日々行っていただきたいセルフケアをアドバイスさせていただきました。

 この仕事をしていますと、毎日いろいろな体型の人に出会います。一人一人の顔が違いますように体型もそれぞれ違いますが、そういう個性的なものとは別に、「からだのケアをすれば、もっと楽に生きられるようになるのになぁ」と思うこともしばしばあります。
 その一つが過去の打撲や捻挫による影響であり、前回投稿させていただきました手術痕の影響です。
 例えばロボットや機械の類は、部品が故障して機能しなくなりますと目的の仕事がまったくできなくなってしまいます。部品の修理か交換が解決策です。ところが私たちには自然治癒力が備わっていますので、ある程度の傷までは、休んでいれば次第に癒えて元の状態に戻ることができます。しかしながら傷のダメージが強いと、自然治癒力だけでは完全な状態に戻ることが難しい場合もあります。そしてダメージを受けた部分が完全に元の状態に戻らなくても、70~80%くらいまで改善すると目的の働きを行うことが出来るようになりますので、「それで良し」と考える傾向にあるようです。
 足首を捻挫しても、腫れが引いて痛みがなくなり、普通に歩くことが出来るようになれば「それで良し」。脳振とうを起こすほど後頭部を打撲しても、頭痛や吐き気がなくなり、普通に歩いて、普通に生活できるようになれば「それで良し」。医師も私たちもそのような暗黙の了解の中にあるのかもしれません。
 ところが、それら「過去の傷」は思わぬところに悪い影響をもたらしていたり、あるいは加齢によって体力が落ちてきた頃に「きっとあの時のケガの影響だ!」という感じで思い出され、「なんであの時しっかり治しておかなかったのだろう」と後悔の念を抱かせるかもしれません。
 しかし、例えそうだったとしても、諦めるものでもありません。私たちの細胞は日々新陳代謝を繰り返しています。加齢によって新陳代謝の力が衰えたとしても、ちゃんと血液が廻るように整えてあげることによって過去の傷によるダメージはかなり軽減できると思います。

 ここで筋肉的な観点を離れて東洋医学的な見解で少し考えてみます。
 前回は腹側の「任脈(ニンミャク)」について触れましたが、今回は後頭部であり、背側の「督脈(トクミャク)」に関連する話題でもあります。

督脈の傷の影響

 督脈は尾骨から始まり、仙骨~背骨~後頭部~人中(鼻下)まで続く背側の正中ラインですが、ここに傷やダメージがありますと姿勢を保つ、歩く、走る、感覚を鋭敏に保つといった、言わば動物的な機能に影響が現れる可能性が高くなります。
 美容整形などで鼻や人中などにメスを入れたり、中には頭蓋骨を削るなどの手術を行うこともあるようですが、「止めたほうが健康のためです」と私は断言します。そして私と同業者で「小顔整体」と称して頭蓋骨をガツンガツンいじったりする施術もありますが、警戒してください。
 これらを行った後の経過が悪く、苦労している人や後悔の念に苦しんでいる人を何人も知っています。私が施術で対処できる場合もありますが、「もはや難しい」と感じる場合もありますし、あるいは「何度も施術しないと戻せない」という場合もあります。



 今回取り上げました後頭部のダメージを改善する方法は限られています。そこにテープを貼ることができるのであれば対処法も簡単なのですが、後頭部には髪の毛があるので、それができません。ですから手を当てることだけが対処法です。「どのように手を当てれば良いのか?」については場所と深さが大切で、「目が開いて視界が明るくなることを目安に」というのが答えになります。これは来店されないと具体的には理解できないと思いますが、このセルフケアを繰り返しているうちにやがてダメージを受けてエネルギーの低下している部分が復活するようになり、問題が解決されていくことになります。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html    

 普段は海外で暮らされている方が次のような質問をされました。
 「向こう(西欧)で週3回ほどのペースでジムに通っているのだけれど、コーチに指導されて、お尻を突き出して中腰になり、膝を90°曲げたような姿勢をつくろうとするのだけど、太股の裏がきつくてきつくて。どうしてできないのだろう?」
 さらに、「いつも猫背を指摘されるだけれど、どうやったら猫背を直すことができるの?」

中腰


 外国の人たちに比べると我が国の人たちの姿勢は猫背が多く、お尻が下がっている人が多いと言えるかもしれません。私は外国の人では、中国人、韓国人、ブラジル人、フィリピン人のほんの少数しか施術したことがありませんので、もしかしたら間違った見解かもしれませんが、韓国人以外の他の国の人たちは明らかに日本人の体型とは違う印象を持っています。韓国の人も似ているようでやはり少し違うかもしれません。
 そして街で見かけたり、テレビなどを通じて目にするアメリカやアフリカの人たちは、やはり私たちとは体型的にまったく違うことがわかりますが、一番の違いは“骨盤の在り方”なのかもしれないと思っています。
 俗な言い方で表現しますと「外国人はお尻がプリッと上がって大きく、脚が長い」となると思いますし、それに比べて私たちは「お尻が下がって胴長で、ジーンズ姿も今ひとつ冴えない」となるのかもしれません。しかし、反対に着物姿は「やはり日本人が最高」だと思いますし、それは私たちの民族的な体型によるものかもしれません。お尻がプリッと大きな外国人の後ろ姿には帯は似合わないように思います。

お尻が下がるのは仙骨が後傾しているため
 一般的に、日本人は骨盤が後に傾きやすい(後傾)傾向にあると言われています。実際施術をしている実感からしても骨盤が後傾している人が多いですし、それがお尻が下がって見える一番の理由だと思います。

骨盤基礎01

骨盤基礎02

 骨盤は、真ん中に仙骨と尾骨があり、その両側に完骨がつながったものです。後面には仙腸関節があり、前面は恥骨結合があります。
 完骨は、その昔バラバラであった腸骨と恥骨と坐骨が癒合して一つになったものですので、骨盤の話題になったときには仙骨と腸骨の関節である「仙腸関節」、座った時に骨盤が座面にあたる「坐骨」という言葉がしばしば登場します。そして骨盤の底にあって、子宮や膀胱など骨盤内臓物や小腸など内臓が下垂しないように支える強力な筋肉や筋膜がありますが、それらを総称して「骨盤底筋」と呼んでいます。そして、その代表的な存在として「会陰」があります。

会陰01

 骨盤の特徴の一つとして、仙骨が前傾すると骨盤底(坐骨結節間)が拡がるという仕組みがあります。反対に仙骨が後傾すると骨盤底が狭くなり、骨盤底が狭くなると仙骨が後傾するという仕組みです。実感として表現しますと、仙骨が前傾している人はお尻の形が「ハの字」であり、仙骨が後傾している人はお尻の形が「逆ハの字」になっています。

呼吸と骨盤との関係

 普通の状態であれば、骨盤は呼吸に合わせて少し動きます。息を吸うとき、仙骨は下がり(後傾する)ますが、同時に骨盤上部が拡がって骨盤底が狭くなりますので、左右の坐骨間の距離は短くなります。息を吐くときはこれとは反対に動きますので、骨盤底が拡がって仙骨が前傾するように動きます。
 つまり筋肉の状態がおかしくなければ、仙骨が前傾した状態では骨盤底が拡がり、仙骨が後傾した状態では骨盤底が縮んだ状態になります。あるいは、骨盤底が硬くなって縮むと仙骨は後傾し、骨盤底が広がった状態になれば仙骨は前傾しやすくなるということになります。

骨盤の前傾と後傾比較

 この骨盤の仕組みを元に、私たち日本人が外国の人たちに比べて骨盤が後傾し、お尻が下がっている理由を考えますと、「息を吸うことばかりしていて息を吐くことが上手くない=緊張度が高い、交感神経の働きが優位」あるいは「生活様式として会陰を収縮することが多くて骨盤底を硬くしやすい」、「民族性として元来骨盤が後傾している」などが思い浮かびます。
 昔の日本人の生活様式は正座を中心とした着物の生活でしたでしょうから、女性は内股になりやすいので骨盤が後傾しやすいことは理解できます。(O脚と内股の状態は骨盤が後傾してしまうという仕組みがあります)しかし、正座は骨盤底を伸ばす座り方ですので、正座の習慣によって骨盤底が硬くなるというのは考えにくいことです。
 私たちは他の国の人たちに比べて勤勉で真面目だと言われていますが、それは反面、緊張気味で、交感神経が優位の状態で日々を暮らしているということに繋がります。ですから息を吸った状態=骨盤底が狭い状態で生きている傾向がある、と考えることもできます。
 そして民族性として「本来の体型が骨盤が後傾気味」だという考え方に立てば、そのことによって息を吐くのが苦手で、交感神経が優位になりやすいので緊張気味の人生となり、体型的にも内股やO脚になりやすい、と考えることができます。反面、着物姿が「様になる」なるわけですが。

姿勢を正すことは背筋を伸ばすこと?
 普段の自分の姿勢が悪いと感じている人は、姿勢を正そうとするとき「背筋を伸ばす」ことをするようです。それは‥‥つまり、背中に力を入れて背筋を収縮させることなのですが‥‥無理のある不自然な動作と言えます。意図的に背筋を伸ばして座り続けるのは体操疲れますし、自ずと首や肩や顔に力が入ってしまいますの良いことではありません。
 パソコンやスマホやタブレットの操作、その他手作業を主体としている人はどうしても首と肩が前に出た猫背の姿勢になりやすいのですが、気をつけて欲しいことの一つに「骨盤が寝た状態にならない」ことがあります。「骨盤が寝る」というのは仙骨を含めて骨盤が後傾することなのですが、必然的に腰椎も丸くなって後弯するようになります。

 本来、仙骨近くの腰椎は前弯しています。普通の状態の人は座った状態で上半身を後に反らす動作をしますと、この仙骨近くの腰椎下部のところを支点として上半身が後方に倒れるようになります。こういう人は、姿勢を正そうとするときには、背筋を伸ばすのでは無く、骨盤を立てる、つまり仙骨を前傾させるようにします。すると腰椎下部で前弯が起こりますので、自ずと背筋は真っ直ぐになりますし、前に出ていた首も戻り、顎が自然と引かれた状態になります。「下腹部がしっかりして腰に上半身を乗せることができる」あるいは「骨盤に上半身を委ねることができる」状態になりますので、背中には力が入りません。顎もゆるみ首の力も抜けます。
 ですから、正しい姿勢に戻す(=姿勢を正す)とは仙骨を前傾させて骨盤を立たせ、坐骨結節部で座る状態になることだと言えます。ところが、猫背+背中(腰椎も)の丸くなった人は腰椎の前弯が失われていますので、骨盤を立てて座ることが辛くなります。座った状態で上半身を反らそうとしますと、背中の中間地点くらいでやっと脊椎を反らすことができる感じで、骨盤近くの腰部はなかなか動かせません。

 さて、このような状態の人でも、お尻の横(外側)から座面と坐骨の間に手を入れて坐骨を外側に引っ張り、左右の坐骨結節間の距離を拡げますと(=骨盤底を拡げる)、骨盤を立てることが比較的容易になり、腰椎下部で前弯が生まれるので背中に力をいれなくても背筋が伸びるような感覚を味わうことができると思います。
 つまり、骨盤底に柔軟性が戻れば骨盤を立てて座ることが容易になり、仙骨が前傾して下腹部に力が集まるので首や肩から力が抜けるようになります。そして自ずと背筋が伸びて姿勢が良くなります。
 ですから姿勢を正す動作とは背筋を伸ばすのではなく、仙骨を前傾させて骨盤を立たし、骨盤底が拡がるようにすることだと言えます。
 骨盤底の硬い人は最初のうちはなかなか思うようにはできないと思いますが、練習してどうにか“感じ”をつかんでいただきたいと思いますし、併せて骨盤底に柔軟性と力を取り戻す運動をしていただきたいと思います。

骨盤底の柔軟性を取り戻すために
 骨盤底が硬くて骨盤が後傾している人に対して、骨盤底をほぐすような施術を行うことがあります。すると、骨盤底をゆるめているにもかかわらず「頬や肩から力が抜けていく」という反応を得ることがあります。つまり、顔や肩に力が入ってしまう原因の一つとして骨盤底の硬さ(=こわばり)があるということです。
 以前にも紹介しましたが、私は骨盤底のトレーニングとしてバランスクッションを使うことを勧めています。骨盤底には骨盤底筋と呼ばれる幾つかの筋肉があります。そしてそれらの筋肉と筋膜は総体として会陰を形成していますが、会陰は顎関節と対称する関係になっているようです。
 「会陰がゆるむと顎関節もゆるむ」「顎関節がゆるむと会陰がゆるむ」「会陰がしっかりすればそしゃく筋もしっかりし、全身の筋肉がしっかりする」。反対に「噛みしめや歯ぎしりの癖などで顎関節がおかしな状態になると会陰も硬くなって柔軟性を失い、骨盤はさらに後傾する」という仕組みのようなものがあります。

 会陰の働きが悪い人は、例えば両足とも床から浮いてしまう高い椅子などに座って、骨盤の力を主体に右のお尻に重心を移したり左のお尻に重心を移動したりして片方のお尻にすっかり体重を乗っけて座る動作を繰り返すことが苦手です。つまり会陰の筋肉(=骨盤底筋)をつかって自分の重心を移動させることが上手くできません。この動作ができないので首を振ってみたり、骨盤より先に肩や腕を動かして重心移動させようとしてしまいます。そして、実際このような人は大変多いです。「会陰の筋肉が働いている実感」が味わえません。
 筋肉を鍛えるためには「使っている実感」が必要です。その実感を味わうために、バランスクッションを使用することを勧めています。バランスクッションは座ると不安定な反面、重心移動が容易です。簡単に右のお尻から左のお尻に重心を移すことができますが、この時の会陰の動きを感じて欲しいのです。

バランスクッション 体幹クッション

 注意事項も含めて使い方を説明しますと
 「骨盤の動きに上半身が抵抗しないようにしてください。バランスが崩れて倒れそうになったら手をついてもいいですから、上半身をくねらせて抵抗して欲しくないのです(右に倒れそうになったとき、首や肩を左に曲げて倒れないように抵抗するなどの動作をすると会陰が動いて要る実感が薄れてしまうので)。クッションの動きにすっかり身を委ねて欲しいのです。そして会陰がどのように働くかを観察してください。」と言っています。

会陰トレーニング

 最初は不安定でバランスが取れないので上手くできませんが、すぐに、何分もしないうちにできるようになると思います。そして、何分間か左右に重心を移す動作をしたり、あるいは回転させて会陰が上下左右に働くことを感じていますと、会陰は柔軟性を取り戻します。バランスクッションを外して、普通に座りますと、それまで座っていた感覚とは明らかに違った感じになると思います。会陰が拡がったため「逆ハの字」だった骨盤は「ハの字」に近くなり座面が拡がったように感じると思います。そして仙骨を前傾させることが容易になるため自然と背筋は伸びた状態になると思います。

 尚、バランスクッションを使わずとも上記のような運動はできます。ただ先ほども申し上げましたが、間違えやすい点は、自分では会陰を使って重心移動させているつもりでも、実際は頭や首や肩や腕を動かすことによって右から左へ、左から右へ上半身を動かしているだけになってしまうのでは、会陰の動きが取り残されて後から付いてくるような感じになってしまいます。これではトレーニングの意味はありません。
 その他の運動としては、「外人さんのようにお尻をプリプリさせながら歩く」というのも会陰を鍛えることになります。お尻をプリプリさせながら左右の骨盤や下半身に、交互に体重をすっかり乗せきって歩くのは、会陰の働きがなければ可能になりません。
 「お尻の穴をしめる」というのは骨盤底筋の一つ肛門括約筋を収縮させることなのですが、それも会陰を鍛える手段の一つです。街を歩いている人をよく観察しますが、会陰を働かせながら=お尻をキュッ、キュッとさせながら地面を軸脚で蹴って進んでいる人はとても少ないです。多くの人が、上半身が前に行くの合わせて脚が後からついてくるような歩き方をしています。これでは、骨盤底はまったく鍛えられないと思います。

 私はよく「モデルさんのように一本のラインの上を腰を捻りながらゆっくり歩いてみてください」と言って、お客さんにやってもらいますが、思いの外、皆さん上手くできません。
 極端に表現しますと、膝から下ばかりで歩いている人は、腰を使って歩いているわけではありませんので(内股歩きが良い例)、腰部の柔軟性に欠けますし、会陰を鍛えることとは無縁の歩き方になっています。“モデル歩き”は、腰を捻って(実際は脇腹に捻りが生まれる)軸脚(後ろ脚)に重心を残したまましっかり立っていられる状態でないと前脚を一本ラインの上に乗せることができません(綱渡りような状態)。この時軸脚のお尻と会陰は収縮しますので、骨盤底を鍛える訓練になります。



 さて、冒頭の外国暮らしの方ですが、この方の骨盤底がこわばっていた主な理由は幼い頃から股関節の状態が悪く内股であったことと、腰椎の4番が捻れていたことでした。そして腰椎の捻れの原因は右手の小指と薬指にあって、一歳の頃の写真を見せていただいたところ、乳母車の取っ手を握る右手が少しおかしかいことから本当に小さいときの出来事が原因だったと思われます。
 いろいろなところを調整して、右手を念入りに調整したところ腰椎の捻れが軽減し、例の苦手のポーズが楽にできるようになりました。あわせて噛みしめの癖も改善し、ひどかったドライアイも改善しました。
 腰椎の捻れが良くなったことで会陰のこわばり状態が改善したため、からだが楽な状態になったのだと思います。
 骨盤も骨盤底も大切です。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html   

↑このページのトップヘ