ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

施術日記

 私が子供の時分には耳にした記憶のない言葉で、最近ときどき耳にする言葉に「発達障害」があります。
 発達障害と診断されている子供たちを何人か施術してきましたが、私の感覚では、半分くらいの子供たちは、文字通りの発達障害、つまり心身の発達に問題があるとは思えませんでした。
 現代はいろいろなものにレッテルを貼りたがる風潮のように感じますが、私は個人的にとても残念に思いますし、悲しい気持ちになることもあります。
 私たち一人一人は個性として、能力に特色や違いがあるものの天からの目といいますか、大きな視点で見れば、誰もが大差ないのに、どうして区別したがるのか、不思議に思います。

 さて、現在月に一度のペースで来店されている20歳前の青年がいます。自称ニートで、日々ゆったりと気ままに暮らしているようです。 
 肉体的に細かい問題を多く抱えていますが、施術中の会話は彼の好きな音楽の話題が中心になります。そして肉体的な問題の原因は小学生時代に多く、空手を習っている時によく頭を叩かれたこと、同級生からのいじめでいくつかのキズが残っていることなどがありました。さらに乳児の頃は脱腸を患ったとのことですが、その影響もありました。

 直近の施術で彼は、自分が発達障害だったこと、小学生時代から貧乏揺すりをしていて先生に激しく注意されていたこと、授業がまったくつまらなくて授業中は図書室から借りていた本ばかりを読んでいて先生に怒られてばかりいたことなどを話してくれました。

 私はどんな状態に人に対しても希望をもって施術を行うようにしています。その希望というのはこういう(以下のような)感じです。
 たとえ今、最悪な状態であったとしても、きっかけになるポイントさえクリアすれば、必ず状況は好転していき、その人がそれまで気づかなかった何かに気づき、将来に希望を抱いていけるようになってくれるだろう、というものです。

 彼は発達障害と診断されて、いじめに遭い、心だけでなく肉体もキズを負い、そして社会に馴染めず、大方の人から見れば歪んだ生き方をしています。
 そして発達障害と診断された大きな理由は、じっとしていられない、集中力が散漫で同じことを長く続けることができないというものだったそうです。
 多動症は発達障害の診断基準の一つのようですが、私は「単に、肉体的にじっと座っていられないことが原因なのではないか?」と考えてみることから施術を行うようにしています。
 今回、彼から「小学校に入る前から貧乏揺すりをしていた」と聞きましたので、それは心理的な何かが原因しての貧乏揺すりではなく、肉体的な問題を抱えていて貧乏揺すりせざるを得なかったのではないかと考えました。
 小学校の低学年の時、国語や算数を習いたくともじっと座っていることができないので、注意は散漫になるし、貧乏揺すりをしていないと椅子にいることができなかったことが元々の始まりなのかもしれないと考えてみました。

 そして、ベッドの上に座ってもらいテストをしてみました。
 私は貧乏揺すりをすることができませんが、彼は易々と長い時間貧乏揺すりをすることができました。私はちょっとビックリしました。
 貧乏揺すりを停止してもらうと、やはり座っているのが落ち着かない感じです。「なるほどなるほど、そういうことか」と思いまして、彼が落ち着いて座ることのできない原因を探していきました。
 座位では骨盤底が弛んでいましたが、それを私の手で締めると重心が骨盤に乗って安定し、貧乏揺すりせずとも座っていることができるようになることが解りました。
 ですから、次は骨盤底がゆるんでいる理由を探すことになりますが、それには手間がかかりました。左足の距骨の歪みを正すことで骨盤底がしっかりすることはわかりましたが、その理由は第1頸椎の捻れにあって、それは喉の右側が下がっていることが影響していて‥‥‥‥結局、右足の立方骨が歪んでいることが原因でした。おそらく乳幼児の頃に強い捻挫でもして、それが完治しないまま今日まできているのだろうと思います。
 つまり幼い頃の右足首の捻挫が原因で、じっと座り続けることができなくなり、小学校低学年のときから注意散漫と多動症を指摘され、そしていじめにあって心理的にもストレスを抱え、勉強も嫌いで、一般社会に馴染めない存在になってしまったのかもしれません。

 彼は現在、通信制の大学を受験することになっています。今から間に合うのかどうかは解りませんが、今回の施術で安定して座ることができるからだになりましたので、集中力も生まれてくるものと思います。
 まだ20歳前ですから、これからの長い人生、これまでとは違った自分づくりをしていただきたいと願っています。

 発達障害の症状の一つである自閉スペクトラム症だと思われる少年がいました。彼は頭の働きが鈍かったのですが、それは頭蓋骨の歪みなども関係していました。小学校低学年の頃は発達障害のクラスにいましたが、現在は普通のクラスにいます。ですから発達障害の診断は適当でなかったと私は思います。
 また、興味のあることには非常に熱心ですが、興味のない勉強や宿題はまったくできない小学生の女子もときどき来店されます。現在は5年生ですが、2年生の頃はお母さんがとても心配していました。私から見ると普通にまともで、嫌いな勉強は一切したくないという意志を貫き通す大した子だなと思っています。まったくの新人類だと思っています。この子も読書が好きで、何時間でも本を読み続けていられるという才能をもっています。私にはできないことなので感心しています。
 親心として「皆と同じようにいてほしい」という気持ちはわからなくもないですが、もう私たちがこれまで常識と思っていた世の中を、若い世代に要求するのは止めにするときではないでしょうか。
 なぜなら、不正が堂々とまかりとおり、不安感や恐怖心に支配されてしまったような世の中になってしまったのですから。今の若い人たちにこの世の中は引き継いで欲しくはないと、私は思います。
 

 私の整体施術は技術的な面では現代科学(現代医学)をベースにして行っています。それは具体的には、骨、骨格筋(筋線維)、結合組織(筋膜や靱帯)を触ることから検査を始め、それらを直接揉みほぐしたり、指圧したり、手当てすることで施術を行っているということです。
 そして頭の中では、筋肉の連動、骨格の連動、熱、エネルギーの流れなどをイメージしながらその場その場での効率を考えながら、目的を達成できるようにしようとしています。ですから、ある症状に対しては”こうしなければならない”といった「施術マニュアル」のようなものはありません。

 ですから、たとえば「腰痛に対してはどのように施術するのか?」とか「顔の整体ってどんなものか?」と尋ねられても、サッと答えることができません。
 これまでブログやホームページにいろいろと書いてきましたが、それらは「傾向として」とか、「考え方として」とか、といったものであり、あくまでも「私の真実」というものです。

 私は筋肉の性質をざっくりと知っていると思います。それでも、触診をされない類の整形外科の先生よりはよく知っていると思います。しかしすべてを知っているわけではありません。
 ですから、常に謙虚でいることができます。言葉として発するわけではありませんが、解らないことは直接筋肉に話しかけたり、あるいはこちらの願いを訴えたりしています。

 「こうなってほしいんだけれど、どうすればいい?」

と話しかけています。

 ときどき自分の頭でたくさん考えても、あるいは筋肉や筋膜をいくら施術しても、らちのあかないことに出くわすことがあります。

 たとえば、ある人が坐骨神経痛の症状を抱えていたとします。私なりに施術をおこないますと施術後は症状が消失して快適になります。
 ところが、次回また同じような坐骨神経痛の症状を訴えて来店されます。すると、私は前回とは違う観点からアプローチしてみようと考えて施術を行います。そして前回とは違う理由で坐骨神経痛になっていたことがわかり、このときも施術後は症状が消えます。
 しかしまた坐骨神経痛の症状を訴えて来店されますが、そんなことが何度か繰り返されますと、さすがに私の見方のどこかが違っているのだろうか? と思うようになります。

 これまでの経験に照らし合わせても、自分の考え方ではどうにも根本的な解決に至りそうもないと感じることがあります。そんなときには自分の理屈や感性を一端全部オフにして、まっさらな心境で単純にクライアントを眺め、心の内側から答えがやって来るのを待つことがあります。5秒間くらいでしょうか、手の動きも、頭の動きも止めて心からひらめきがやって来るのを待ちます。
 すると大抵は、ヒントのようなものがやって来ます。そして、そのヒントに即して新たに考え方と施術を展開していきますと上手くいくようになるのがほとんどです。

 あるいは、施術の具体的作業をしている間に、次のヒントらしき思考がやって来ることもあります。

 こういった現象の具体的なイメージは私にしかわからないものだと思いますが、きっとこのようなことは皆さんにも起こることだと思います。
 但しそのためには、対話が必要不可欠なんだと思います。お客さんのからだや細胞と心の中で対話することによって、何が必要か、何をしてほしいのか、それを教えてくれているのだと思います。

 先ほど、私の施術にはマニュアルのようなものは無いと記しましたが、考え方や施術方法についての指針みたいなものはあります。しかし、それらは今説明しましたように、皆さんのからだと対話しながら、皆さんのからだから教えていただいたものによって築かれています。そして、それらの具体的なことについてブログやホームページに掲載しています。
 ですから、私の説明していることが優れているとか、正しいとか主張するつもりはありません。ただ、私の真実として受け止めていただければと思っていますし、それが少しでも皆さんの役に立つ情報になれば幸いですし、あるいは私の施術に興味を持って頂いて来店して頂ければ幸いだと思っています。

 世の中には、たくさんの情報が溢れています。正しいモノもあれば、まったく嘘の情報もあります。
 私はずっと一人で細々と整体院を運営していますが、私の真実、これだけがセールスポイントです。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ https://yumetowa.com
web予約 https://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 私のような仕事をしている人は解剖学をある程度学ばないと、できることがとても限られてしまいます。しかし、実際のところ解剖学の本は退屈です。(少なくとも私には) 実際の問題に遭遇したときは、筋肉や骨格を確認するために参考にしますが、普段から読みたいとは思いません。「自分が好きな仕事に関することなのに何でだろう?」と思ったりしますが、そこには心を引き込むようなストーリーがないからかもしれません。
 ところが三木成夫(故人)先生の本に巡り会ってからは考え方がすっかり変わりました。三木先生の著されている本は一見解剖学とは関係のないような本が多いのですが、普通の人が「何故?」「どういうこと?」と思われるような素朴な疑問にわかりやすく答えてくれています。
 なんで赤ちゃんは哺乳瓶より母乳で育てた方が良いのか? なんで赤ちゃんは畳を舐め回すことが好きなのか? 顔は私たちにとってどういう意味を持っているのか? 舌は生命にとってどういう位置づけなのか?  植物と動物は何が違うのか? 自律神経の本質は何か? そういったことについて魚から人間にまで進化を続けてきた変遷と変化を考察しながら具体的に教えてくれています。
 私は直接お目にかかったこともありませんし、講演を聴いたこともありません。そして残念ながら三木先生の著した文献をたくさん持っているわけでもありません。しかし私にとって未知の症状を抱えた人が来られたときには、「三木先生の観点ではどのように考えるだろうか?」とまず考えてしまいます。

 三つ前のブログで投稿した舌の問題を抱えた若者に対しては、三木先生の言葉を多いに参考にさせていただいています。そして実際、施術を続けていく過程で変化を感じるたびに、三木先生が著していたことを自分が実際に体験しているのだと知ることになります。(ちなみに、おかげさまで彼の症状は順調に良くなっています。)
 この7年半、いろんな病院、最新設備を整えた大学病院、様々な治療院を巡ってもらちがあかなかった状態は、三木先生の言葉をヒントに毎日同じような施術を忍耐強く行っていた結果、大きな変化をもたらしています。施術はとてもシンプルです。毎回60分の間、そのシンプルな施術をじっと続けているだけですが、舌が徐々に本来の状態を取り戻し、そしゃく筋が働き出し、喉の筋肉が働き出すと、筋肉の連係プレイが復活し始め、状態は確実に進展しています。

 私はよく知りませんが、おそらく三木先生は解剖学の世界では有名な学者だったのではないかと思います。そうであれば、現在、医学の最前線で活躍されている医師の中には、三木先生のお弟子さんのような先生方もいらっしゃると思います。そうであるならば、どうぞ医療の現場で三木先生の智恵を活かしていただきたいと思います。

 三木先生が著された書籍や文献の中から、皆さんの実生活に参考になると思われる文章を時折掲載させていただきます。
 解剖学的に顔は内臓(腸管)が表に露出したものだと考えられています。そして顔のあらゆる筋肉や組織は、元々は魚の鰓(エラ)に相当する部分だったと考えられています。そのことを予備知識として下記の内容をお読みください。


 「顔は内蔵の前端露出部だが、唇から舌にかけての感覚はとくに鋭敏で、これら尖端部の構造は食物を選別する精巧無比の内蔵の触覚となる。この機能は正常な哺乳によって日々訓練されていくが、やがて赤ん坊はすべてを舐め回し、将来の『知覚』の成立に備える」

顔と口と舌
 われわれの内臓は、手で腹壁を通してわずかに触れることができるだけです。この中の出来事は、だからおぼろにかすむ、遠い世界の出来事です。しかし、その入り口と出口は当然外に開かれて、この現実世界と交流していないといけない。
 出口のところは、体壁がきんちゃくのようになって内臓は露出しないようにできている。
 だいたい腸の内容がS状結腸、直腸あたりにまでこないと、本当の便意は起こらない。
(中略)
 ところが我々が実際に意識できるのはノド元までで、ノド元過ぎたら熱さを忘れる。ここから下の感覚は大脳皮質までのぼってきません。これに対し、前端部分の顔面、とくに目玉とその周辺、さらに耳、鼻など穴の開いている場所は敏感です。その中でも口の穴、すなわち唇から舌にかけての感覚はさらに敏感です。
 ですから、内臓感覚といった場合、私たちはこの感覚がもっとも高度に分化した場所として、この唇と舌を考えればいいわけです。
 なぜここがこんなに敏感かというと、この入口こそ、食物を取り込む、つまり毒物と栄養物とを選択する“触覚”に相当する場所だからです。いってみれば、大切な秘密工場の厳重な守衛所ですね。

 この中でも、とくに舌は、脊椎動物が魚類から両生類になって、水から上陸して、ものを食べるときにどうしても必要な手となってくるんです。
 こういった舌の運動のはっきり見られるのがカエルです。舌でハエなどをパッと捕らえますね。それから異常に発達したのがカメレオン、さらにアリクイ。
 ですから舌というのは、早く言えば、生命を維持するための大切な触覚と捕食器官を兼ね備えているということになります。
 ただ、舌の筋肉だけは、さすがに鰓の筋肉、すなわち内臓系ではなくて、体壁系の筋肉です。
 顔面の表情筋が全部鰓の筋肉であるのに対し、舌の筋肉だけは手足と相同の筋肉です。舌といえば、ノドの奥にはえた腕だと思えばいい。ただし感覚の方は、体壁系の皮膚感覚とは違って、あくまでも内臓系の鰓の感覚です。ですから舌というものは、内臓感覚が体壁運動で支えられたものだと思えばいい。
 非常に鋭い精巧無比の触覚によって我々脊椎動物の祖先は、営々と五億年の間、食物を取り込んできたわけです。それが哺乳動物になると、大抵は首が発達して、首で襲いかかれるようになります。しかし、それは大人になってからで、子どものときは、すべての哺乳動物はやはり両生類以来の舌を使って母親の乳首から吸い取ります。ですから「この精巧無比の内臓触覚の機能は、正常な哺乳によって日々訓練されてゆく」ということになります。これが非常に大切なことです。
正常な哺乳
 正常な哺乳とは、母親の乳首から直接吸うことです。この唇と舌の、もっとも鋭い内臓感覚でもって、母親の乳首のあの感触を味わい尽くす。哺乳瓶のゴムは、あれこそ子どもだましです。まったく異質です。
 その上、赤ん坊は鰓の感覚が一面に拡がった“顔面”のすべてを動員して、乳房まるごとの肌触りを、一日中来る日も来る日も味わい尽くすわけですが、哺乳瓶ではもう味もそっけもない。
 それからもっと大切なのは、初めて吸うときです。赤ん坊と母親は、まるで死にものぐるいです。最初はうまく出ないものですから‥‥。母親はイライラするわ、赤ん坊は吸えないわ、でもう大変です。
 やはり赤ん坊の時には、まず哺乳動物であることの最低の条件を満たすためにも、母親を経験させないといけない。それで育ってきた赤ちゃんと、なんだかモルモットに水をやるようにして育てた赤ちゃんと、いったいどちらが幸せだと思いますか。
 ところで、これに協力しないといけないのは世の男性です。ストレスを家庭に持ち込むとピタッと止まる。これは汗腺が分化したものだから。カンガルーよりももっと古いカモノハシは、腹の汗の中に脂肪球が出てくるのですが、その汗をペロペロなめて育つ。これが哺乳のはじまりです。緊張すると汗がサッと引くでしょう。それと同じことです。ストレスで瞬間にお乳が出なくなる。男の責任は大きい。もっとも現代は世相そのものがストレスの塊のようなものですから。お乳の少ない母親がずいぶん多いでしょうね。

なめ廻し
 “なめる”ということは学問的に見て大切な意味があります。このときに鍛え抜いた感覚と運動があとになって、どのような形でいかされてくるか。
 心理学のことはわかりませんが、たとえばコップを見て“丸い”と感じるでしょう。これは類人猿には見られない、まさに、ホモ・サピエンスの特徴です。この“丸い”と感じる、その奥には、この“なめ廻し”のものすごい記憶が、それは根強く横たわっているのです。コップの縁に沿って、ゆっくりゆっくり、そして何度も何度も、それこそ丹念に舌を這わせ続けた、その時の記憶です。もちろん、そこには手のひらの“なで廻し”の記憶も混然一体となっているはずです。手と舌とは“年子”のようなものですから。

 六ヶ月をすぎてから、畳の目をどれだけなめさせたか‥‥。“なめる”という世界は大切です。決しておろそかにしてはいけない。

 さらに“なめる”ことには命に関わる重大な意味もあります。畳には適度のバイ菌がいます。そのバイ菌を入れてやると、腸管のリンパ系が心地よく刺激されて、過不足ない防御体制ができあがるからです。
 少々の毒物は、ですから舌を通してどんどん入れてやることです。それを衛生だとかなんとかやりますと無菌動物になる。世の荒波にもまれたらひとたまりもありません。
 このように、畳の目をなめるというのは、形態の把握と外敵の防御の基礎訓練という。二重の意味をもったものになります。

胃袋感覚
 胃は膀胱型の収縮を営むが、一方、手足の骨格筋と同じく日リズムに乗って、夜は眠り、昼間は収縮して食物をねだる。こうした波は年間を通しても見ることができるが、これら宇宙的な要因による収縮は、内臓感覚の、もう一本の柱をつくる。

 この胃袋感覚が非常に大切です。同じ袋でも、膀胱感覚とはかなり勝手が違うからです。膀胱の場合は中身の圧を受け、それに対する逆圧として収縮が起こる。ところが胃袋の場合は、なんと空っぽのとき収縮するのです。この空っぽの収縮はちょうどさっきの大腸や膀胱にも起こります。そのときの尿意と便意にわれわれは欺かれますが、胃袋の空っぽの収縮は、食物を催促するための、それは大切な営みです。もちろん、いっぱいになって中身を十二指腸の方に送るためにも収縮します、膀胱と同じように。
 胃袋は空っぽの時に収縮する。いわゆる“ハラが鳴る”、これが健康な空腹感です。

 ‥‥いわゆる夜型と朝型。胃袋というものは、からだと一緒になって眠ったり、起きたりしている。ですから、朝ご飯の時など、両者とも胃の中は空っぽでも、胃袋そのものの顔つきはまるで違います。一方は、寝ぼけ眼で嫌々ですが、もう一方は身をくねらせて待ち構えている。もっともこれが夜食だと話しは逆ですが。
 そこで、私どもの日常生活を見ておりますと、とうぜん問題になってくるのが、この、いわゆる「夜型人間」ですね。夜は夜で、寝しなに腹一杯食べ、無理に寝かしつける。朝は朝で、食べないと身体に悪い、といって無理やり詰め込まされる。胃袋の方は半分寝ているものだから、ひどいときにはだらりと骨盤まで垂れ下がる。かの有名は胃下垂です。そして、こういうことが度重なってくると、ついに胃袋は自衛手段にでる。つまり胃袋の方から朝食拒否を起こすのです。

以上 内臓のはたらきと子どものこころ (みんなの保育大学)より抜粋

 兵庫県在住の65歳の女性から問い合わせがありました。その方は強い肩こりを持っていまして、定期的に鍼灸治療院に通っております。なかなか肩こりが軽くならないので昨年10月から中国鍼(長くて太い)の治療院に週一回のペースで10回ほど通ったそうです。そこでの治療は首や肩に何本かの鍼を深めに刺して、少し強めの低周波をかけるというものだったようです。するとやがて頭痛にみまわれるようになり、一時軽くはなったものの年が明けてから耐えられないほどの頭痛になったとのことです。近所のいろいろな治療院や病院を廻ってみても楽になることはなく、そんな時に私のブログ(電気治療器などで損傷することもある)を読まれてお電話をくださいました。
 低周波治療器が影響して頭痛になったということは、どの病院でも治療院でも「あり得ない」と信じなかったようです。本当は近所で治したかったようですが、結局、先週、小田原のホテルに泊まって3日間来店されました。
 来店される日の前の晩は頭痛が激しく一睡もできなかったとのことでした。一人で新幹線に乗り小田原まで来るのは厳しいということでご主人が付き添って来られました。
 来店される前に電話でのお話しを聞いて、首や肩など鍼を刺して電気を流したところがやられてしまって、その影響で強く噛みしめてしまい頭痛になってしまったのではないかと予想しましたが、実際そうでした。
 頭と首と肩甲骨の位置を正常に保つための筋肉には僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋などがありますが、ことごとく全部ゆるんでいて肩甲骨がフワフワとぶら下がったような状態でした。何本かの鍼だけではこんなふうにはならないと思いますので、低周波による影響の方が強かったのかもしれません。
 兵庫県の方にも幾人か知り合いがいますが、皆さん親しみやすく、気さくで、よくお話しになります。ところが最初の施術を始めてからはしばらくは口もききたくないような状態だったと感じました。
 頭痛の直接的な原因は強い噛みしめによるそしゃく筋のこわばりによって頭が締めつけられていることですから、ともかく最初の1時間くらいは噛みしめや側頭部のこわばりを取ることばかりに専念しました。耳と顎のエラがくっついてしまうくらい咬筋がこわばって短くなっていました。
 その後うつ伏せになっていただき、ゆるんでしまった首肩周辺の筋肉や筋膜を修復することに専念しました。その頃から少しずつ会話をするようになり、電話で聞けなかったことをいろいろ伺いました。初回は120分施術でしたが、60分は噛みしめをゆるめること、40分くらいは首肩周りの修復、20分くらいはその他、頭痛の原因となる可能性のところを施術しました。
 初日の施術は以上の通りですが、施術後顔色が少し良くなっていましたので「なんとか今夜は眠れますように!」と祈りました。
 「頭痛が始まったら、もう駄目ですわ。何もできんくなります。おかげで料理がうまくなりましたわ。」というご主人の言葉が印象的でしたが、帰り際は本人もちょっと元気になっていましたので、私も少しホッとしました。

 次の日の夕方に再び来店されましたが、初日の晩は睡眠薬を飲んだもののぐっすり朝まで眠れたようです。まだ頭痛は残っているものの、昼頃から首肩が楽になって温かくなってきたということでした。小田原城址公園の周りをお二人でブラブラされたようです。
 初回の施術ではひどい頭痛をなんとか軽減するためにそしゃく筋をゆるめること主にしましたが、2回目は疲弊している筋肉や筋膜を回復させることが主です。最初に比べれば多少ゆるみは改善されていましたが、私の思いとしては「ともかくこのゆるみを短期間で回復させなければ」という感じでした。ですから最初からうつ伏せになっていただき1時間以上にわたって疲弊してゆるんでいる筋肉や筋膜に手を当てて修復させるだけの施術を行いました。
 その後仰向けになっていただき、元々肩こりだった原因として考えれるところを探しては施術を行いました。“噛みしめる癖があったから肩こりが強かったわけで、その原因はどこだ?”という感じです。今症状が緩和したとしても、噛みしめがなくならなければすぐまた頭痛になってしまうからです。過去のいろいろなことを伺いながら、そして他に気になるところを伺いながら原因探しの見当をつけていきます。その話しの中で、鍼灸が好きで、過去に一度に何十本も鍼を刺す治療院に通っていた経験もあることがわかりました。それはそれでやはり問題だと思いました。話がそれますが、膝痛や五十肩痛で痛み止めの注射を何度も何度も打っている人は、その針の傷が原因で症状が悪化している場合もあります。
 また、昔は力仕事もしていて右手を酷使したために人差し指が詰まったような状態になっていました。そしてその影響で右の咬筋がこわばってもいました。その他にも一通り考えられるところを調整して、頭の筋膜、そしゃく筋のこわばりをゆるめて2回目の施術を終えました。

 3日目はともかく最終日ですので、私自身緊張した気持ちでした。「今日で何とかしなければ‥‥」そんな感じでした。前回の施術後の状態を尋ねますと、私の願いとは違って、それほど眠れなかったようです。明け方3時半くらいまで悶々と過ごし、そのご7時過ぎまでは寝たということです。ただ、少し頭痛はするものの人と会話をしていてもうっとうしく感じることはなくなった、ということでした。精神的に楽になって、肉体的にも改善の兆しが現れ始めたのかもしれないと感じました。
 最後の施術も120分でしたが、総合的に行いました。噛みしめも取り、頭もゆるめ、首肩のゆるみを手当てし、手指を調整しました。そして残りの20分くらいは普段自宅でやって欲しいケアをご主人に教えました。帰りがけの顔が明るくなっていて、ご主人も明るかったので、私にとっては緊張の3日間でしたが、それなりに何とかできたという感じでした。
 「もうお会いすることのないように祈ってます。」と申し上げて見送りました。

 硬くこわばってしまったものをゆるめることは難しいことではありません。短期間ですみます。ところが疲弊して機能しなくなっている筋肉を元の状態に戻すのは時間がかかります。前にも記しましたが、それが点や小さい範囲であればそれほど厄介ではありませんが、電気治療器で疲弊してしまった場合は範囲が広くなります。今回の方の場合もそうです。確かに鍼を刺したのは数カ所かもしれませんが、そこに電気を流すことによって、その周辺全体が損傷状態になっていました。それを数少ない施術ですっかり元の状態に戻すことはとても難しくなってしまいます。(特殊能力を持った人はできるかもしれませんが)
 最初にこの方の筋肉を触ったとき、直感として7~8回の施術が必要かもしれないと感じました。しかし事情が許しませんので、自分なりに気合いを入れて、3回の施術で日常生活が支障なく送れる程度にはしたいと考えました。
 施術を終えてから一週間になろうとしています。その後の状態がどうなのか気になるところですが、それよりも“楽になってほしい”との祈りの方が強いかもしれません。

 これまでこのブログには、来店された方の施術内容についてはあまり細かく触れないようにしてきました。しかし帰り際、「ブログに書いてもいいよ!」と仰いましたので、このような施術日記風な内容になりました。
 この方と同じような悩みを持たれた方が情報の一つとして“参考になれば”という想いから、そう仰ったのかもしれません。

追記(3/12)
 本日午前中、ご本人から電話が入りました。(早速ブログを読んで下さいました。)
 外出なのか外泊なのかは聞きませんでしたが、お嬢さんにところにいらっしゃるということで、私は内心「出かけられる状態なんだ」と一安心しました。
 先週の土曜日(3/5)に兵庫に戻られて一日二日すると首がしっかりしてきたということでした。現在はご主人のケアで順調な経過をたどっているようです。私が施術中でしたので長話はできませんでしたが、とても嬉しかったです。 

 整形外科のリハビリや整骨院、接骨院などでの治療では低周波治療器(一般にいわれる“電気をかける”)がよく使われています。家庭用としても広く販売されている治療器ですので誰もが“からだに良い作用をもたらす”と認識していると思います。ところが使い方によってはからだを損傷することがあります。また低周波治療器に限らず、光線や高周波、レーザーなどでも同様だと思います。

①一日の終わりに、入浴後、殿部から太ももにかけて低周波治療器をあてマッサージがわりに使っていた方がいました。使い始めから少しの間は良かったようです。しかし、しばらく使い続けているといつの間にか坐骨神経痛の症状が現れだしました。
 その方が来店された目的は坐骨神経痛を改善することでしたが、原因について心当たりを尋ねても「思い当たることがない」ということでした。何らかの原因がなければ坐骨神経痛のような症状を起こすことはないと考える私は、いろいろとお尋ねし会話の中で原因を探ろうとしました。すると毎晩低周波治療器を太ももの外側にかけていたということでした。それは十分原因として考えられることです。最初は軽い坐骨神経痛の症状だったはずですが、低周波治療器を使い続けているうちにどんどん筋肉がやられてしまい、重度の神経痛になってしまった例です。

②これまで家庭用の低周波治療器は使ったことがなかった方が、結婚式の引き出物で手に入れたので、どんなものかと思い、膝の不調が良くなればと思い、説明書に書いてある通りに膝関節の上と下に器具をあてて使用してみたところ翌朝になって膝が腫れだし、数日すると歩くこともままならなくなってしまいました。その方も「まさかあれ(治療器)が原因だとは思わなかった」と仰いました。

③坐骨神経痛になったので会社近くの治療院に何度か通われた方は、その治療院で言う“特殊な電気治療器”を毎回使用されたそうです。最初は“効いているのかな?”と感じたそうですが、次第に症状が悪化していき神経痛の痛みで満足に眠ることもできないほどになりました。痛み止めを毎日飲まなければ過ごせなくなり、いろいろな治療院、大学病院などを訪れても痛みが和らぐことはありませんでした。
 私のところに来店されてからも最初の2週間(5回くらい)は、症状が改善される兆候がでてきません。それでも原因と対策について細かくお話しし、我慢強く来店されることを勧めました。一月くらい経つと痛み止めは飲まなくてもすむようになり、座ること以外は痛みを感じることも少なくなりました。2ヶ月くらい経つと長時間座り続けること以外は普通に暮らせるようになり、3ヶ月くらいすると2週間に一度くらいの来店ペースになり、それ以降は月に一度2~3回来店されましたが、最初の来店から半年くらいですっかり良くなりました。症状が悪化の一途をたどっているときは「一生治らないのでは?」と思ったそうです。

④整形外科で受けた低周波治療器によるリハビリの後、脚を動かすことがほとんどできなくなってしまった方もいます。膝関節のお皿(膝蓋骨)の位置がおかしくなってしまい、膝関節が動かせなくなり、脚にも力が入らなくなってしまったのです。たった15分ほどの、それも病院で受けた治療でそうなってしまいました。おそらく扱う人が治療器のあて方を間違ったのでしょう。

⑤ショッピングセンターのデモンストレーション販売で売られている高電圧健康器具(椅子)にお試しで何度か座ってみた方は、その後膝関節がおかしくなりました。それから降圧剤を出してもらっているかかりつけの内科クリニックで光線による治療を何度か受けましたが膝の調子は改善しません(内科でどうして膝の治療をするのかわかりませんが)。本人はお試しの健康器具も光線治療も膝がおかしくなった原因だとは思っていませんでした。私は光線治療は避けるように言いました。しかし医師から勧められると断り切れないと仰いましたので、かかりつけとは言え、しばらくは通院しないように言いました。

からだは電気仕掛け
 私たちのからだには微弱ですが電気(電磁波)が流れています。それはからだに流れているエネルギーの一つです。心電図や脳波計などは電気の流れを測定するものですから、このことが理解されるのではないかと思います。
 電気の流れに滞りがなければ細胞は順調に働きますが、流れが停滞したり乱れたりしますと細胞の働きが悪くなるため様々な不調が現れると考えることができます。治療器として使われる、低周波、高周波、レーザー、光線、遠赤外線、放射線、これらはすべて電磁波ですから、結局のところ、からだに流れている電気、あるいは細胞を構成している原子や分子や電子に働きかけて治療を行い健康を維持増進させようというものであるということになります。
 ですから使われる電気治療器が良い作用をもたらせば、不調や不具合の改善、健康の維持増進につながります。しかし反対に悪い作用をもたらせば、健康を損ね、からだに不調や不具合が現れる原因になってしまいます。
 そしてこのことは非常に重要です。使い方を誤ればからだに悪い影響をもたらすという認識が欠けていますと、良かれと思って使った治療器が上記のようにからだに損傷を与えてしまうからです。ところが多くの治療家はそのことを深く考えていないのが現実かもしれません。

 私は施術においてこれら外部から電磁波を与えるような治療器は一切使っていませんが、しばしばダイオードを使います。ダイオードはラジオなど電気製品の基盤に使う部品で、電気の流れを整える整流器です。それ自身は電気的な何かをもたらすわけではありませんが、乱れている電気の流れを整えてプラスからマイナスへ電気がスムーズに流れるようにするものです。
 
ダイオード

 ギックリ腰や肉離れなど筋肉や筋膜が損傷した部分、筋肉が伸びてしまって働きが悪くなってしまった部分は局所的に電気の流れが乱れていると考えられます。筋肉を動かすための神経伝達は電気信号の伝達に他なりません。ですから電気の流れが悪い部分がありますと、その部分の筋肉はうまく作動できません。あるいは神経伝達が大丈夫でも、その部分の細胞が働けないため筋肉が収縮できなくなります。
 ギックリ腰をした翌朝ベッドから起き上がろうとすると、腰に力が入らなくて起き上がることができなかったりするのはこのような状態です。部分的に筋肉が収縮できない、つまり力を発揮することができないのです。腰や骨盤はからだの中心ですから、そこに一部分でも力が発揮できないところができてしまいますと全身に影響がでます。肩関節の筋肉を伸ばしたり損傷しますと、全身に影響が出ることはありませんが、腕を上げることができなかったり、腕がすごく重たく感じたりしてしまいます。いわゆる四十肩、五十肩の症状です。
 こんなとき、その損傷している部分の体表にダイオードを貼ります。すると、それまでの状態が嘘だったかのように動けるようになります。瞬時に変わってしまうのです。ただし損傷した部分にピッタリ当たらなければなりません。1㎜のずれは大丈夫かもしれませんが3㎜場所がずれると効果はまったくありません。損傷した部分は内部であり体表から見ることはできませんので、触覚をたよりに探し出すしかありません。
 そしてダイオードの向きを反対に貼ってしまいますと、効果がないばかりか、症状がもっと悪化してしまいます。単なるギックリ腰だったものに坐骨神経痛の症状が加わったりしてしまいます。
 つまり電気の流れが良くなるように補えば筋細胞の働きが良くなってからだは改善に向かいますが、体内電気の流れに逆行するようなことをすると筋肉が働けないばかりかからだを壊す方向に向かってしまうということです。私が使うダイオードは方向を間違ったとしてもすぐに貼り直せばすむことですが、電気治療器を10分、15分と使用した場合は、“時すでに遅し”となってしまう可能性が高まります。
 その治療器の使い方が合っているか間違っているかは、筋力テストをすればすぐにわかることです。つまり治療器のスイッチを入れたときに、膝なら膝の、それまでの筋力よりも荷重に耐える力が増しているのか、あるいは筋力が弱くなってしまうのかを確認するだけですむことです。“Oリングテストもどき”をしてみてもよいと思います。仮に筋力がスイッチを入れる前より弱くなっているなら、それは間違ったやり方をしているということですから、やり直して筋力がアップする場所を探したり、あるいは電気の力を調整する必要があります。体内電圧の微弱さを考えますと、低周波治療器はなるべく弱い力の方が良いように思います。筋肉がグワングワンと動くような強い力は良くないのではないでしょうか。

電気治療器は面でやられてしまう
 例えば、腰が“ギクッとした”、”ピリッとした”というギックリ腰などでは、損傷の度合い(強さ)はまちまちでも、損傷範囲はとても小さいことがほとんどです。損傷した範囲は㎜単位の大きさがほとんどでしょう。ですから手当てをする部分も局所であり、ダイオードがピタリとあたれば劇的に効果が現れます。あとは傷が修復されるまでの時間が違うだけだと言ってもいいでしょう。(筋膜や筋肉の深い部分、あるいはじん帯まで損傷しますと完治するのに時間がかかりますが、表層の筋膜部分だけの損傷であれば改善するのにそんなに時間はかかりません。)
 ところが電気治療器で損傷を受けますと、その面積は広くなります。損傷の度合いが軽いとしても、面積が広いので施術には手間と時間がかかります。上記②の家庭用の低周波治療器を試しに一回15分だけ使った方は、膝を挟むように大腿部とスネに治療器の低周波治療器の端子を当てたのですが、その間の距離、30㎝近くの筋・筋膜が全部疲弊していました。それによって太ももから膝下にかけて前面も後面も水が溜まって腫れてしまいました。その疲弊した部分を回復させるまでに5回ぐらいの施術が必要でした。面積が広いのでダイオードは使えませんし、施術以外ではテーピングをするくらいしかできません。
 坐骨神経痛になって特殊治療器で施術された方は、背中~太ももの裏側膝上の部分まで全部ダメでした。ですから施術の回数も増え、ある程度の回復までに3ヶ月という時間がかかってしまいました。

 この記事を読んでくださる方には、例えば治療院や整形外科で電気治療器を使われた場合、スイッチが入ったときに少しでも“イヤな予感”がしたら、その治療を拒否していただきたいと思います。
 電気治療器は良い方向に作用する場合もあれば、反対に症状を悪化させる場合もあること、そして悪化したときには回復までに時間がかかってしまうことをわかっていただきたいと思います。
 病院や治療院でこのような話をされてもまったく無視されると思いますが、実際にそういう弊害に遭われた方を見ていますし、損するのはご自分ですので、断固たる態度で拒否していただきたいと思います。

補足:
 ダイオードは大きさ3㎜厚さ1㎜くらいのものを使っていますが、ピップエレキバンなどを体表に貼り付ける絆創膏を使用しています。ですから「エレキバンですか?」と聞かれたり、「置き針みたいなものですか?」と聞かれたりしますが、まったく違います。エレキバンは磁気を発生していて磁気による治療効果を期待したものですし、置き針は鍼灸治療の理論に則った治療効果を期待したものです。しかしダイオードは、それ自身電気的にも磁気的にも何も発生していません。ですから治療効果を期待したものではないのですが、結果として筋肉の働きが改善される効果があるというものです。
 そしてこのようなものは他にもあります。アロマの精油、色、単なる絆創膏‥‥。手のひらなど絆創膏を貼ることができない部分などには、油性のサインペンで小さな点を描くだけで効果があるときもあります(どの色にするかは選ばなくてはなりませんが)。
 誰もが知っていることですが、私たちの物質としてのからだは原子が集まったものです。原子の集合体ですから電子はグルグル回り続けていますので当然電気的ですし、放射線もレーザー光線も内在していることになります。レーザー治療、電気治療は私たちのからだに内在しているエネルギーに働きかけて症状を改善しようとするものだという認識がもっともっと必要ではないかと思ったりします。
 私は個人的には、外部からエネルギーを与えて、つまり電気治療器具を使って施術や治療を行うことよりも、内在しているエネルギーが自ずから順調に流れるようにからだを調整する方が好きです。

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