ゆめとわのblog

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カテゴリ:下半身 > 足首

 今回は筋肉の話題です。
 ふくらはぎの外側に第3腓骨筋(だいさんひこつきん)と呼ばれる小さな筋肉があります。そして、この筋肉が非常に強くこわばっている人がたくさんいます。
 第3腓骨筋は足首を曲げる時に働く筋肉ですが、特に小趾側を引き上げる時に働きます。
 骨格的に問題があったり筋肉の働き方に問題があったりして股関節内側の筋肉を使って股を上げることが出来ない人は、太股やふくらはぎの外側の筋肉を使って歩くようになりますが、すると第3腓骨筋がこわばってしまいます。
 内股やO脚の人は、大方第3腓骨筋がこわばった状態になっていると思います。

 今回、第3腓骨筋のこわばりを取り上げた理由は2つあります。
 一つは、膝関節が歪んでしまい、膝の裏側が腫れぼったくなってしまい、リンパや静脈の流れも悪くなりますので、慢性的に下半身に違和感や不快感を感じ右ようになってしまう可能性が高くなることです。
 もう一つは、膝関節に不具合や不調を感じる頻度が高くなることです。第3腓骨筋と兄弟のような関係にある筋肉に長趾伸筋(ちょうししんきん)がありますが、これらの筋肉がこわばりますと、深くしゃがみ込むことができなかったり、しゃがんだ状態から立ち上がる時に膝やふくらはぎの外側に痛みを感じるようになったりします。あるいは、常にふくらはぎの外側に筋肉の張りを感じるようになるかもしれません。

 今回は第3腓骨筋のこわばりによる影響と日々のセルフケアについて説明させていただきます。

第3腓骨筋と長趾伸筋

 膝下から足首にかけてを一般的にはふくらはぎ、英語ではレッグ(reg)と呼びますが、専門用語では下腿(かたい)と言います。
 下腿には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の2つの骨があります。
 膝関節の外側にある骨の出っ張りは腓骨(腓骨頭)ですが、その骨に沿うようにして足首を超え、足につながっている筋肉を腓骨筋と呼びますが、それは3つあります。

 第3腓骨筋はそれらの中で最も小さい筋肉ですが、他の2つの腓骨筋とは違う特徴として外くるぶし(外果)の前を通過していることがあります。
 ですから第3腓骨筋がこわばりますと、外果が前にずれたり、足の小趾側に近づいたりするといった現象が起きます。(小趾中足骨を腓骨の方に引き寄せる結果として)

 そしてこのことは腓骨が歪んで、膝下の腓骨頭の位置がずれる状態を招きますが、それによっていろいろな弊害が生じます。

膝裏の腫れぼったさ

 膝関節の裏側は凹んだ状態になっているのが、正しい在り方です。膝関節の裏側では、ふくらはぎ(下腿)~太股(大腿骨)につながっている腓腹筋と反対に大腿骨から下腿につながっている大腿二頭筋(だいたいにとうきん)と半腱様筋(はんけんようきん)・半膜様筋(はんまくようきん)が交叉していますので、交叉している部分(膝関節裏側外側部)には筋肉と腱による盛り上がりあります。ですから、その間(膝関節裏側中央部)は相対的に凹んだ状態になります。(膝窩と呼ばれます)

 ところが何かの理由で大腿骨と下腿の関係に歪みが生じますと、その凹み(膝窩)は消えてしまい、反対に腫れぼったい感じになってしまいます。
 このような人は意外に多くいますが、そのほとんどの人は「脂肪」や「むくみ」による膨れだと思っているようです。
 「むくみ」であることは半分当たっています。膝関節が歪んだことによって膝周辺の静脈やリンパの流れが停滞してしまい、むくんだ状態になるからです。
 むくみ以外では、筋肉のこわばりが腫れぼったさの原因です。筋肉はこわばりますと、硬く太くなりますので、膝裏やその周辺やふくらはぎやが太くなってしまうのです。
 ですから、膝裏をスッキリした状態にしたいのであれば、膝関節の歪みを整えて筋肉のこわばり状態を解消する必要があります。
 膝関節の歪みを放って置いたまま、たくさんマッサージなどをしたところで、少しの間はスッキリ感を味わうことができるかもしれませんが、根本的な解決には繋がりません。

 膝関節の歪みによる筋肉の変調(こわばって太くなる)や位置のずれが原因と考えられますので、関節の状態を改善しませんと、根本的な問題解決には結びつきません。いくらマッサージなどしても「その場限り」の改善となってしまいます。

 さて、第3腓骨筋が強くこわばりますと、膝関節でふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)が外側後方にはずれ、足首にかけて内側に捻れた状態になると私は感じています。この表現は実際にはかなり大げさですが、解りやすいイメージを思い浮かべていただくためには、適当な表現だと思います。

 細かく説明しますと以下のようになりますが、マニアックすぎると思われる人は、「第3腓骨筋がこわばると膝関節が外側に外れたような状態になって、膝裏が硬く膨らんでしまう」と簡略して理解していただければと思います。

 第3腓骨筋が強くこわばった状態になりますと、ふくらはぎ(下腿)が足首に掛けて内側に捻れるような状態になります。その原因は先ほど申しましたが、外くるぶし(外果)が前下方に引き寄せられた状態になってしまうからです。
 下腿全体を包んでいる筋膜(皮下筋膜)も腓骨(外果)の動きに合わせるように捻れますので、下腿全体を足首にかけて内側に捻れさせる力が働いてしまうからだと考えられます。そして、その反動のように、膝関節の周辺では腓骨頭が後に動くような力が働いてしまいます。つまり、膝関節で腓骨頭は後下方に歪み、さらに後ろ向きの力が働いてしまいます。 
 言葉にするととても解りにくい説明になってしまいますが、結論的に申しますと、腓骨が、足首周辺では前の内側に引っ張られ、膝周辺では後下方に引っ張られるような状態になってしまうということです。普通に考えますと、このような状態は「起こりえない」となりますが、皮下筋膜のバランスを取る働きによってこのような状態になるのではないかと、私は考えています。

 膝関節で、腓骨頭を後下方に歪める力が働くことによって、腓骨頭から大腿骨に繋がっています大腿二頭筋(だいたいにとうきん)短頭にはテンションが掛かります。そして大腿二頭筋短頭は何とか腓骨(腓骨頭)を本来の位置に戻そうとしますので、腓骨を大腿骨の方に引き寄せようとしますが、それによって筋線維がこわばり、太股裏側の外側が棒のように硬くなってしまうことがあります。(実際には大腿二頭筋短頭と外側広筋や大殿筋の一部がこわばります)
 そして膝関節で腓骨頭が後下方に引っ張られた状態は膝裏の深部にあります膝窩筋にも影響を与え、膝裏が硬くなると同時に膨れあがった状態になる原因になります。

第3腓骨筋への施術

 実際、第3腓骨筋のこわばりによって膝関節の裏側が硬く腫れぼったくなっている人の第3腓骨筋は、頑固にこわばっています。
 「どうしてこんなに硬くなるのだろう?」と不思議に思いながら施術を行うこともありますが、長年の、からだの使い方の癖による蓄積なのかもしれません。
 ですから、私はただひたすらにこわばっている第3腓骨筋とその付着部(停止)である外くるぶしから小趾側にかけての硬さをゆるめる施術を行うのですが、施術を受ける側もかなりの痛みを感じてしまいます。

 そして片方15分くらい掛けてゆるめていきますと、外側後方にずれていた膝関節も「しっかりはまった」と感じるようになりますし、内側に捻れていた足首周辺の状態も改善されるようになります。左右両方で30分くらいの痛い施術になりますが、その後は、膝周辺もスッキリして膝裏に凹みが現れるようになります。
 足の着地状態も良くなって「足全体でしっかり立っている感じがする」と皆さん言います。そして「これがこの人の本来の脚の状態だ」と私は感じるのです。
 太くても、細くても、スマートな状態というものはありますし、それが本来であり、魅力的だと感じます。

軟らかすぎる足首の弊害

 今は私のからだも硬くなってしまいましたが、数十年前、運動をたくさんしていた頃の私は結構からだが軟らかい方でした。
 しかし、踵を上げないまま、膝を曲げてしゃがみ込むことはできませんでした。

踵を上げないでしゃがむ

 ところが、写真のように膝を揃えたままの状態で踵を上げることなくしゃがみ込むことが難なくできる人がいます。
 私が若い頃の時代、いわゆる「ヤンキー」と呼ばれていた人達の代表的なスタイルは股を開いて地べたにしゃがみ込む姿でした。しかし、それは両膝が開いているからできるのであって、膝を閉じたまましゃがみ込む人はいなかったです。
 しゃがみ込み続ける姿としては野球の捕手が思い浮かびますし、相撲や剣道で行われる蹲踞(そんきょ)もそうですが、踵を浮かせて、足首にからだを乗せるような状態でしゃがみます。ですから、普通はそうであると私は思い込んでいました。

 踵を浮かすことなくしゃがみ続けていられる人がいることを知り驚いたのですが、そのような人達の多くが膝にトラブルを抱えやすい現実も知ることになりました。
 そのような人達は膝関節が悪いということではないのですが、「しゃがみ込むときに最後まで深く膝を曲げることが厳しい」とか、「しゃがみ込んだ姿勢から立ち上がる時に膝周辺やふくらはぎの外側に痛みを感じる」、「膝がはまっていないように感じ、深く曲げるとツッパリ感を感じる」などの症状を時々訴えることがあります。

 このような状態の時は、第3腓骨筋や長趾伸筋(ちょうししんきん)や小趾外転筋(しょうしがいてんきん)が強くこわばっています。さらに関係する靱帯も硬く縮んだ状態になってしまいます。
 それは踵を上げることなくしゃがむことができ、その姿勢を苦に感じることなく長時間持続することができるので、これらの筋肉や靱帯が収縮しっぱなしの状態になっているからではないかと思っています。筋肉は収縮した状態を長時間持続しますと、こわばった状態になるからです。

 今は昔ですが‥‥、たとえば和式トイレでしゃがみ続けていますと、ほとんどの人は足首に対する負荷に次第に苦痛や居心地の悪さを感じるだろうと思います。ときどき立ち上がって足首を解放するなどして疲労感を和らげたくなるのだろうと思います。つまり、そうすることで第3腓骨筋や長趾伸筋の収縮状態を一端リセットして筋肉がこわばらないようにしていることになります。

 さて、このように踵を上げることなくしゃがむことの出来る人は、そのしゃがみ込んだ姿勢が楽だと言います。
 大工のTさんは、たとでば建築現場での業者同士の打ち合わせの祭、30分くらいであれば平気でしゃがみ続けていられると言います。そして、その姿勢が最も楽だと言うのです。
 ところが、しばしば膝がおかしくなり、ふくらはぎの外側が「張って、張って!」と訴えるようになります。
 「その姿勢が楽かもしれないけど、足首には負担なので、踵を上げないでしゃがみ続けるのは止めてください」と私は申し上げます。
 そして、「蹲踞(そんきょ)のように、踵を浮かせて足首の前面を伸ばすようにしてしゃがむようにしてください。」と申し上げます。
 何故なら、そうすることで第3腓骨筋や長趾伸筋はこわばらなくなり、足首前面の靱帯は縮んだ状態にならないからです。

セルフケア

 第3腓骨筋および長趾伸筋のこわばりを改善するためのケアは、単純にこわばって縮んだ状態になっている筋肉を指圧等で引き伸ばすようにストレッチすることです。
 私は仕事として行っていますので、それぞれの筋線維に的を絞って施術を行いますが、普通の人は長趾伸筋と第3腓骨筋を区分けして把握することはできませんし、自分で自分のふくらはぎを伸ばす姿勢や作業は疲労しやすいとも言えます。ですからある程度的を絞って、外くるぶしの上4~5㎝くらいのところの深部にあります筋肉のコリッとした塊をゆるめるように指圧してください。

 筋肉が強くこわばって硬くなっている段階では、指圧してもほとんど痛みを感じないと思います。しかし指圧を続けていますと硬さが和らいできますが、そうなりますと痛みを感じるようになり、そしてだんだん痛みが強くなると思います。そして、ここからが勝負です。痛いからといって指圧の力をゆるめないでください。
 その痛みは強くなりますが、やがて少しずつ弱まっていき、そしてほとんど痛みを感じない状態になります。ここまでやっていただきたいのです。これで、その部分のこわばりが解消されたことになります。

 次にケアしたい場所は外くるぶしの下から小趾にかけての広い部分です。第3腓骨筋と長趾伸筋の腱が通っている部分になりますが、それらも含めて皮下筋膜も硬くなっています。
 この部分は指圧よりも少し軽めの力で、ぐるぐるマッサージするのがよいと思います。大丈夫な人はゲンコツを握った状態で軽くゴリゴリするようにマッサージしてください。
 その刺激が強すぎると感じる人は人差し指・中指・薬指の指先を使ってぐるぐるとほぐしてください。
 このケアもマッサージを進めているうちに痛みが増えてきて、そして痛みが和らいでいくようになります。ですから、そこまでケアを続けていただくことがポイントになります。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 からだがリラックスできる状態になるためには、喉元の筋肉(舌骨筋群や頭長筋など)の筋肉の状態も大切であることを説明してきました。
 そして、そのためには足首の柔らかさも大切であると説明させていただきましたが、今回はその理由と、ポイントになる骨格と筋肉と靱帯について説明させていただきます。

足首が硬くなると喉元が緊張する理由

 詳細を説明しますと長くなってしまいますし、専門的になりすぎてしまいますので、だいぶ省略した説明になってしまいます。

 私は骨格や筋肉や筋膜の状態を判断するときにベクトル(中学の数学で勉強した「方向性」)をかなり重要視しています。
 それは、その骨が「どこを向いているのか」「どちらに行きたがっているのか」、その筋肉が「縮みたがっているのか、否か」、その筋膜が「どのように捻れたがっているのか」といったものです。
 このようなことを申しますと「変人」扱いされてしまうかもしれませんが、私たちのからだの骨や筋肉や筋膜には、あるいは細胞には、それぞれに意識や意見(訴え)があるよう感じています。それは私たちの意識が集中して繊細になることができれば、誰もが感じられるものだと思っています。そして、それを「ベクトル」と私は表現しています。

 足首が硬い人の特徴として、足のくるぶし(内果と外果)が下がっていて、足首が太くなるという現象があります。そしてくるぶしが靴の縁に当たって擦れてしまう可能性が高くなるかもしれません。
 これは単純に考えますと、ふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)と足の骨が近づいてしまっているということなのですが、足首周辺の靱帯が縮んだ状態になっていて脛骨と腓骨を下に引っ張っている状態です。ですから、脛骨と腓骨を触りますと、ベクトルが下に向かっていると私は感じます。

 ここで視点を膝関節に向けますと、脛骨が下に引っ張られている分、大腿骨との間が少し拡がった状態になります。すると、脛骨と大腿骨を繋ぐ筋肉が緊張してこわばります。

 膝裏では膝窩筋がこわばって硬くなりますので「膝の裏が腫れぼっくて硬い」と感じると思います。また、ハムストリングや腓腹筋もこわばりますので、裏側(背側)の膝周辺も硬くなって張ります。さらに太股に対してふくらはぎが後側に歪んだ状態になりますが、それを前から見ますと膝小僧(膝蓋骨)が目立つ状態となります。

 この状況はかかと重心になってしまう状態ですが、骨盤も後傾しますので、猫背にもなりやすくなり、頭長筋がこわばって首・肩・顔に力が入りやすい状態を招きます。(「気になる頭長筋の状態」参照)

 膝関節の前面では大腿四頭筋がこわばります。ですから、太股の前面が太く硬くなってしまいますが、喉元では胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)がこわばりますので、食物の飲み込み(嚥下)や発声に悪影響がおよびます。(「食欲不振‥‥飲み込めなくて=嚥下の不調」 参照)

 足首の靱帯が縮んで足首が硬くなった状態は、その他に「鼡径部が下がるので下腹が出たり、舌が下がる」といった現象ももたらしますので、噛みしめや歯ぎしり、頭痛といった症状を招く可能性もあります。

距骨の不安定さと立方骨と短母趾屈筋

 足首の靱帯が硬く縮んでしまう理由について考えますと、二つのことが浮かんできます。

 一つは足首の使いすぎです。「足首の使いすぎ」といってもピンとこないと思いますが、この状態を招く理由としては、歩いたり立ったりするときに足やふくらはぎに力を入れすぎていて、「足で踏ん張っている」「足元で頑張っている」状態になっていることがあげられます。
 たとえば歩行においては、骨盤を中心にその周辺の筋肉を主体的に使って動作をおこなうのが良い在り方です。そうであれば、足元に力を入れなくてもサッサと軽やかに歩くことが出来ます。そしてこのような状態の人の歩き方を見ますと、お尻がプリプリ収縮を繰り返して歩いているように見えます。
 反対に骨盤中心ではなく、足元に力を入れて歩いている人の場合は、お尻はあまり動かず股関節から下ばかりが動いているように見えます。歩き方にバネが感じられません。
 このような人は歩行時における全体重の負荷を膝や足首で受け止めることになりますので、足首がその負荷に負けないようにとガチッと硬くなりますが、それが足首周辺の靱帯や筋肉を縮めてしまう要因になるのではないかと思います。長く歩いているとスネの外側が張って辛く感じる人は、まず間違いなくこのタイプの人と言えます。

 二つ目は、距骨が不安定な状態になっているので、それを補うように靱帯や筋肉が縮んでいる状況です。
 「距骨(きょこつ)‥‥足関節の安定と歩行と重心移動」で詳細は説明していますが、立位の状態で、全身の負荷を足で受け止める直接的な骨は距骨です。ですから、距骨の状態は立位の状態を決める「要」であると言うことができます。

 また、足首周辺の靱帯と距骨との関係では違う側面もあります。
 たとえば足を内側にグキッと捻ってしまった捻挫は、足首外側の靱帯に損傷を招きます。

 前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)や後距腓靱帯(こうきょひじんたい)が伸びて損傷しますと、距骨が小趾側に捻れた状態になる可能性があります。あるいは立方骨(りっぽうこつ)を安定させる靱帯が損傷しますと立方骨がグラグラしますが、あわせて距骨もグラグラして不安定になる可能性があります。
 すると、からだは足首の不安定さを嫌いますので、他の靱帯を固めるように縮めて足首の不安定さが小さくなるようにするのではないかと想像します。

 また、この状況に関連して母趾と立方骨を繋いでいる短母趾屈筋(たんぼしくっきん)がこわばりますと、立方骨が前方に引き付けられ前に歪んでしまいます。すると隣り合う関係の距骨も歪んで足首が不安定になりますが、このような状態の人はたくさんいます。



距骨を整えるための主な考え方と施術

 上記までの内容を要約しますと、足首が硬く縮んでしまう理由は以下の3つになります。

  1. 足首の酷使などの理由で足関節の靱帯がこわばってしまった。
  2. 捻挫などの影響で損傷した靱帯の働きを補うために他の靱帯や筋肉が硬く縮んでしまった。
  3. 立方骨の歪みが距骨の歪みに繋がり、足首が不安定な状態になってしまった。
    (短母趾屈筋のこわばりや捻挫等による靱帯の損傷が原因)

 ですから、それぞれの状況によって施術内容は異なります。

  1. の理由による靱帯のこわばりに対しては、靱帯をゆるめる手法を行います。それはストレッチや指圧などの手技になりますが、それ以外に足首をよく回すことも有効です。
  2. に対しては、損傷や疲弊してしまった靱帯を復活させる施術を行います。
     そして(悲しいことですが)、捻挫などのケガが何十年前のものであったとしても、靱帯の状態が元通りに回復していない現実があります。

     私たちの一般的な感覚では、捻挫をしたとしても腫れが治まって痛みが消失してしまえば、それで捻挫は治癒したと認識しているかもしれません。しかし、それだけでは捻挫の損傷は完全に回復しているわけではありません。靱帯の働きがしっかりと戻って関節のグラグラ感が消え、骨格が安定して周囲の筋肉がしっかり働ける状態になったときが損傷が回復した状態です。そうなりませんと足首(足関節)の要である距骨は頼りない状態のままですので、全体重を距骨に乗せることができません。このような状態ではかかと重心になっている可能性があります。

     損傷から回復しきっていない靱帯を回復させる手段は、やはり「手当て」です。あるいは、ピップエレキバンが有効な場合もあります。ともかく血液をたくさん運んできて、細胞の働きが活発になるようにする施術が必要です。(この感覚は実際に体験しないと解らないと思います。)
  3. 立方骨が歪んでいる理由として、立方骨と踵骨、あるいは4趾・5趾の中足骨を繋ぐ靱帯が損傷している場合には上記②と同じ手法を用います。


       あるいは短母趾屈筋(たんぼしくっきん)がこわばっていることで立方骨が前方に歪んでいるケースでは、短母趾屈筋のこわばりを解消する施術を行わなければなりません。

     但しこの場合、単にこわばりを解消するだけでは根本的な解決になりません。「どうして短母趾屈筋がこわばったのか?」について最終的には解決する必要があります。


       短母趾屈筋がこわばる理由として、多くの人のケースでは、歩き方の問題などで短母趾屈筋を必要以上に収縮させなければならない状況になっていることがあげられます。

     ですから、歩き方が良くなるようにからだを整えることが必要になりますが、それは長年の「癖」を克服する道のりでもあります。ですから一朝一夕にいきません。「形状記憶」のような状態を解除するように、時間をかけて着実に進めていく心構えが必要になると言えます。

     とはいえ、とりあえずは立方骨の歪みを改善する必要がありますので、こわばっている短母趾屈筋をゆるめる施術を行います。

 距骨の歪みに対しては、多くの場合で、上記の3つの観点で観察し、適切に施術を行うことで対処できると思います。しかし少数派なのでここでは説明を省きますが、脛骨の捻れが原因で距骨が歪んでいる場合もあります。

短母趾屈筋のこわばり

 上の写真の右側のように、脛骨に対して距骨が前方に歪んでいる状況では、その人はほぼ間違いなくかかと重心の状態になっています。ですから、この状態は確実に改善したいと考えていますが、この状態をもたらしている直接的な原因として最も多いのは、短母趾屈筋のこわばりです。

 ご自分の足を観察して、親指(母趾)が中足骨のところから下を向いているようであれば、ほぼ間違いなく短母趾屈筋はこわばっていると思われます。そして距骨は前に出ていると思われます。ですから、このような人は短母趾屈筋のストレッチをたくさん行う必要があります。

 また、短母趾屈筋は足底筋の中で、からだ全体に影響力の強い筋肉であると私は考えています。
 短母趾屈筋は私たちの日常生活の動きによってこわばりやすい筋肉でありますが、同時に、ストレッチなどしてこわばりを解消しますと、全身の血行が改善したり、縮こまっていた筋肉が伸びやかになるなど「快適さのコツ」に該当する筋肉であると考えられます。

 私の母は82歳になろうとしていますが、この年齢になりますと筋肉の働きが弱くなりますので熱を産生する能力も衰えます。ですからパジャマなど着るものを厚めに着て布団に入りますが、朝は私が20分くらいマッサージをしています。
 彼女は毎日買い物などで5000歩位を歩いていますが、それだけでも短母趾屈筋がこわばります。ですから、マッサージの中で短母趾屈筋をゆるめたりストレッチしたりしていますが、それだけでもからだが非常に温まり、眼がパッチリ開くようになります。そして「(指圧は)痛いけど、温まって気持ちいい~!」と言います。
 短母趾屈筋は、からだの冷えを感じている人にとっては毎日ケアしていただきたい筋肉でもあります。

足首をよく回しましょう

 この話題は3回連続になりますが、足首を丁寧にしっかりと回すことは、誰もが手軽にできて効果の期待できるセルフケアです。
 (イボのない、ツルツルとした)青竹踏みと足首回しは、皆さんにお勧めしたいセルフケアです。非常に単純ですが、是非行ってください。


 今回の話題の中で取り上げました短母趾屈筋については、まだまだ語るべきことがたくさんあります。また、別の話題の中で取り上げていこうと考えています。

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