ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

カテゴリ: からだの仕組み

 今年の夏も大変暑くて、マスクのことなどもあり、外出がとても辛い状況になっています。
 今回は、最近感じたり思ったりしていることについて書いてみました。文章ばかりの内容です。
 さて、毎年のことなのですが、この時期になりますと「お腹の冷え」が根本的な原因になっている症状の人がしばしば来店されます。

 エアコンをかけっぱなしにしていることで寝冷えをしている。
 ビールなど冷たいものをガブガブ飲んでお腹を冷やしている。
 アイスクリームを食べ過ぎている。
 シャワーだけで済ませ、湯船に浸からない。

 だいたい以上がこの時期にお腹を冷やしてしまう主な原因です。
 室内での仕事とは言え、私も肉体労働者ですから、汗をかきながら仕事をしています。ですから皆さんの気持ちは良くわかります。しかし、からだのことを思いますと、お腹の冷えには十分に注意していただきたいと思っています。

突然の腰痛はビールの飲み過ぎが原因?

 前回の投稿で症例を紹介しましたSさんは坐骨神経痛持ちですが、施術後3日ほど経って電話がかかってきました。今度は腰が痛くなってベッドから起き上がることも歩くこともままならない状況になってしまったとのことでした。
 「施術を間違えたのかな?」と私は一瞬思いましたが、「そんなはずはないのに‥‥」との複雑な思いを抱きながら、とりあえず来店していただきました。
 症状を見ますと、坐骨神経痛ではなく、急性腰痛(ギックリ腰などのような)です。痛みがあるのは坐骨神経痛と同じ左腰部と殿部ですが、股関節を外に開く動作が全くできません。そして経過など話を伺ったところでは、ギックリ腰でもないようです。
 一通り施術を行っていきましたが、その過程で腹筋の左側が非常に硬くこわばっているのを発見しました。その腹筋は内腹斜筋(ないふくしゃきん)と言います。
 「腹筋が硬くて伸びないので腰痛になっているようです。原因としてはお腹の冷えが考えられますが、心当たりはありますか?」と尋ねました。
 重ねて「寝るときにエアコンは掛けっぱなしですか?」とも尋ねましたが、案の上、それは当たっていました。
 「そういえば、おとといの晩が異常に暑くて‥‥、普段より設定温度を下げてエアコンを朝まで掛けていたし‥‥、そういえばビールを1リットル、ガブガブ飲んでしまったけど‥‥」と仰いました。
 「おそらく、それが原因ですね。お腹が冷えて腹筋が硬くなってしまったので、腰や股関節が動かせなくなったしまったのだと思います。」と申し上げました。
 そして、「お腹の冷えを和らげる施術をしますけど、かなり痛いですが、我慢してください」と申し上げて、足裏の小腸反射区を指圧しました。
 お腹の冷えていない人にとっては、心地良く感じる刺激なのですが、お腹が冷えている人にとっては涙が出るほど痛みを感じます。そんな刺激を5分以上続けていましたが、すると小腸の働きが良くなるのか、お腹が温まりだします。(こちらを参照してください。)

 結局、この足裏反射区への指圧が決め手になって、硬くこわばっていた内腹斜筋とそれに関連する股関節周辺の筋肉はゆるんでリラックスした状態になりました。そして、それまで痛くてできなかった腰部を捻る運動もできるようになりました。
 まだ完全にお腹の冷えが解消された訳ではありませんので、多少の不具合は残っていましたが、自力(手を使うことなく腹筋の力だけで)でベッドから起き上がることもできるようになりましたし、歩行しても痛みを感じることはありませんでした。
 「結局、お腹の冷えが根本的な原因ですから、今日はスーパー銭湯でも行って、よくからだを温めてください。そして、エアコンを掛けたまま寝るのなら腹巻きをしてお腹を冷やさないようにしてください。」と申し上げました。
 そして、次の日にSさんから電話が入り、すっかり状態は良くなったと報告してくれました。

 私たちのからだには不思議がいっぱい詰まっています。
 お腹の冷えが取れていきますと、からだが何かを許すような感じで、その周辺がゆるみだします。腹筋もゆるみ、股関節周りの筋肉もゆるみだしますが、するとそれまでできなかった動作が行えるようになります。
 筋肉が硬くなっているからと、一生懸命揉みほぐしてみても、筋肉がその行為(施術)を要求していないときは、努力は単なる徒労に終わってしまい効果はほとんど現れません。ところが今回のように、腰痛とは直接関係ないように思える「お腹の冷え」を取り除くだけで、筋肉はすっかり様相を変えて異常な状態が解消されることがあります。そして私は職業柄、そのような場面をたくさん経験して知っています。

シャワーばかりでなく、ときどき湯船に浸かりましょう

 私は室内での仕事ですから、エアコンの中で働き続けています。若い人には解らないかもしれませんが、エアコンの風はやはり自然の風とは違います。どんなに軟らかい設定をしようとも、エアコンの冷気はからだに負荷を掛けるようです。
 ここまで酷暑になりますと熱中症の心配もありますので、母親(82歳)には、昼間はエアコンを使うように言っていますが、エアコンの冷気が好きではないようで、あまり使っていないようです。それはおそらく、高齢の女性はエアコンの冷気をかなりの負担に感じるからなのではないかと思います。

 このように、知らず知らずのうちにからだの負担となっているエアコンの冷気は、からだに溜め続けてはいけないと私は考えています。
 「冷気が蓄積している」という感覚が理解できる人がどれだけいるか知りませんが、食欲が減退したり、膝の調子がおかしくなったり、体表は暑いのにからだの芯は冷たいと感じるのであれば、それは冷気の蓄積による影響かもしれません。
 体内に蓄積された冷気は外に出されなければなりません。そして日本に住む私たちにとって、その最も簡単な方法はちゃんと湯船に浸かることです。そうしてからだの芯が温まるようにすることです。私は必ず湯船に浸かるようにしています。

 「くそ暑いのに、湯船に浸かることなどできない!」という意見をよく聞きます。その気持ちはわかります。しかし、一日の大半をエアコンの冷気の中にいて、あるいは寝るときもエアコンの冷気の中にいるようでは、冷気は間違いなくからだの中に蓄積されていくと思います。
 そしてある時、ちょっと腕を伸ばした瞬間に背中の筋肉をピリッと損傷してしまったり、ちょっとした瞬間にギックリ腰になってしまったり、あるいは朝方になる毎朝のようにとこむら返りで苦しんだりするようになってしまうかもしれません。
 また生理現象にも影響が現れ、食欲が減退したり、下痢や便秘になってしまうかもしれません。

 仕事中も、通勤の時もエアコンの風の中にいて、帰宅後も同様で‥‥、つまり終日エアコンの風の中にいる私たちは、一度からだの状態をリセットする意味でも、あるいは冷気の中で頑張り続けている細胞たちに休憩時間を与える意味でも、ゆっくりと湯船に浸かって冷気をからだから放出していただきたいと思っています。
 そして私の経験で申せば、「冷えたからだを温める」という意識よりも「体内の冷気を放出してからだをリセットし、細胞を休ませる」という意識で湯船に浸かることをおすすめします。

 この時期もそうですが、この先秋の気配が感じられる頃になって、それでも真夏と同じような習慣でエアコンをかけたまま寝てしまいますと、「寝冷え」状態になる危険性が増します。そして、その頃になりますと、寝違えやギックリ腰で来店される人が多くなりますが、それは「冷え」と密接に関係していると考えられます。
 秋が近づきますと、朝方の気温は下がります。くれぐれも注意してください。

 今もそうですが、エアコンをかけたまま寝るのであれば、特に女性は腹巻きをされるようにしていただきたいと思います。
 「女の子は、お腹を冷やしちゃいけないよ!」
 昔の「おばあちゃん」たちは若い女子に対して必ず口にしていたものです。
 マドンナが「ヘソだしルック」を流行らせてから、お腹を冷やす女子たちが増えたのかもしれないなどと思いを巡らせることがあります。そして、それにともなって若い女性にも子宮筋腫や内膜症など婦人科系の病気が増えたのかもしれないなどと思ったりしています。

酵素の働きと体温

 私たちのからだには魔法使いがたくさんいます。その魔法使いたちを科学の言葉では酵素と呼んでいます。タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)、脂肪分解酵素(リパーゼ)、糖質分解酵素(アミラーゼなど)は消化酵素として有名ですが、私たちの体内には非常にたくさんの酵素がいて、細胞内外で行われるあらゆる化学反応で活躍しています。
 タンパク質分解酵素系は私たちが摂取したタンパク質を分解してペプチドやアミノ酸に分解していくわけですが、反対にアミノ酸を合成してホルモンにしたり、タンパク質にしたりする働きをする酵素もあります。
 つまり酵素はAという物質を別のBという物質に分解したり合成したりする働きをしていますが、視方を変えますと、ある物質を使って別の物質を生み出す働きをしているということです。シンデレラの物語では、魔法使いによってカボチャが馬車に変わりましたが、酵素も体内で同じような働きをしています。
 酵素がなければ、私たちが食べる肉や魚のタンパク質は、歯で細かく砕くことはできても分解できませんので、消化・吸収・栄養といった生命現象を行うことができません。細胞の新陳代謝で細胞分裂を行うためにDNAが複製されますが、そこでも酵素が働いています。ですから、私たちの生命現象は酵素の働きに支えられていると言っても過言ではありません。
 そして、体内の酵素が順調に働くためには37℃という体温が必要です。それゆえに私たちのからだは自律神経を働かせて体内の深部温度を常に37℃に保つようにしています。外気が冷たければ、血液を外気から遠ざけるように、つまり皮膚表面への血液供給を制限して体温が下がるのを阻止しています。外気温が高ければ、汗をたくさん出して熱を放出しながら体内温度が高くならないようにしています。それは酵素の働きを護るためです。酵素さえしっかり仕事できる状態になっていれば生命現象は維持できます。
 凍死は、からだが凍って死んでしまうことではなく、体内温度が下がって酵素が働けなくなり生命現象を維持することができなくなり死んでしまうことです。
 熱中症は、体内温度が高くなりすぎて酵素の働きに支障が生じ、正常な生命現象ができなくなってしまう症状です。

 私たちは基本的に、自分のからだに対して自己責任があります。自分の健康は自分で維持増進しなければなりません。医者任せ、薬任せで、自己責任を放棄しているように見える人も少なからずいます。
 いろいろな健康情報が溢れていますし、サプリメントの情報も溢れています。情報収集は大切なことだと私も思います。しかしながら、今回話題にしている「からだを冷やさない」という大原則をないがしろにしながら、その他のことに夢中になったとしても、それは「どこかが違う」という結果に行き着くしかないのではないかと思います。

 哺乳類である私たちは、咀嚼(そしゃく)をたくさんしましょう。そしゃく筋を使うことが私たちの原動力に直接結びついています。
 そして脊椎動物でもある私たちは歩きましょう。魚が海の中を游ぐように、四足の動物が食物を求めて移動し続けるように、それによって体内の血液やリンパの循環が良い状態に保たれます。
 「よく噛むこと」「よく歩くこと」。それは面倒に感じるかもしれませんが、私たちの底力を養い健康を維持するための基本です。
 そして、トラブルを起こさないためにも、からだを冷やさないように工夫してください。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 呼吸に関係する筋肉と骨格の動きについて、今一つ理解できないので説明して欲しいという要望がありました。
 横隔膜が腹式呼吸の要であることは理解されているようですが、息を吸ったときに腹筋がゆるむということに合点がいかない様子でした。
 ですから、今回はその方の疑問に応える内容ですが、皆さんの参考になれば幸いです。

吸気と呼気

 呼吸は吸気と呼気の組み合わせのことですが、息を吸う過程は吸気であり、息を吐く過程は呼気です。
 一般に言われている「呼吸」は肺呼吸、または外呼吸のことですが、肺に空気を取り入れる運動と肺から空気を吐き出す運動であるとも言えます。

 ところで、私たちの肺にはほとんど筋線維は存在しないと言われています。ですから、肺は自身の力で膨らんだり縮んだりすることはできません。周辺筋肉の働きや骨格の変化に依存して膨らんだり縮んだりしています。

 肺の周辺骨格は胸郭であり、肋骨と背骨でできている籠のようなものですが、胸郭の底面には胸部(肺と心臓と食道)と腹部の境界となる横隔膜があります。
 横隔膜は筋肉ですが、弛緩しているときは天井が高くなったドーム状の形をしています。そして収縮しますと天井が降りてきて平らに近づく仕組みになっています。

 肺活量の高い人は肺の中に5000cc以上の空気が入りますが、からだの大きさをほとんど変えることなく、どのようにしてそれだけの空気を肺の中に取り入れるのかは、ちょっとした人体の不思議です。

横隔膜と肺の容量

 さきほど横隔膜が胸部と腹部の境になると申しましたが、胸郭内部の容量を拡げる一つの方法は、横隔膜を収縮してドーム状になっている天井を下げることです。
 単純に考えますと、それによって肺が下の方に拡がることができますので、その分だけ空気を取り入れることができるようになります。
 また、横隔膜に接している胃や肝臓は圧迫されてお腹が前に膨らむようになりますが、これはこれで重要な意味があります。

胸郭(肋骨)の動きと筋肉

 肺を膨らませる方法のもう一つは胸郭の容積を増やすことです。
 そして、その具体的な方法は胸郭の厚みを増すことです。

 胸郭を形成している肋骨の間には外肋間筋と内肋間筋があります。外肋間筋は収縮することで下位の肋骨を引き上げる働きをします。そして、内肋間筋は収縮することで上位の肋骨を下方に引き下げる働きをします。



 上図の左図のように通常時胸郭を形成している肋骨は腹側に向かって斜め下向きの状態になっています。
 吸気の動作に移ったとき、外肋間筋が収縮して下位肋骨を引き上げますが、外肋間筋の筋線維は斜め前方に向かって走っていますので、収縮することで下位肋骨を斜め後方に引き上げるようになります。ですから、上図の中央図のように斜め下方に向かっていた肋骨が平らに近い状態になります。つまり、胸郭の厚みが増すようになるのですが、それは胸郭が拡がることを意味します。

吸気動作‥‥横隔膜と胸郭運動の合わせ技

 胸郭の厚みが増して胸郭が拡がることと、横隔膜が下がることの両方で胸郭内の容積が大きく増えるようになりますので、肺の中に空気がたくさん入るようになります。
 ただし、胸郭と骨盤との間には腹筋群がありますが、吸気の時に腹筋が弛緩伸張しませんと外肋間筋が頑張っても肋骨を引き上げることができなくなります。
 ですから、一連の吸気動作の中で腹筋の状態も重要な要素になります。

胸式呼吸‥‥胸鎖乳突筋と斜角機と小胸筋

 また、胸郭を引き上げる働きを行う筋肉には胸鎖乳突筋、小胸筋、斜角筋などがあります。解説書などによりますと、これらの筋肉は「吸気動作を補助する」となっている場合もあります。
 そして、胸鎖乳突筋は鎖骨と胸骨を、斜角筋は第1~第2肋骨を、小胸筋は第3~第5肋骨を引き上げる働きをしますので、一般に言われている「胸式呼吸」を行う働きに関係しています。

 瞑想とか、ヨーガとか、その他の修行的な呼吸法は別にして、ごく普通の日常生活を送る中では、胸式呼吸も腹式呼吸もどちらも重要です。
 ですから「どちらを優先させるように呼吸をしたら良いか?」という問いや発想は意味のないことだと私は考えています。

 私たちは言葉を喋りながら無意識に息継ぎをしますが、その時は腹式呼吸ではなく、瞬時に胸郭を引き上げて必要量だけ空気を吸い込む胸式呼吸が主体になります。その意味で、胸式呼吸は大切です。
 たとえばカラオケなどでテンポの速い歌を歌うときには、瞬間的な息継ぎが必要ですが、胸式呼吸が上手くできない状態ですと息苦しくなったりリズムについて行けなくなったりします。
 高齢者が伴奏のリズムと合わなくなってしまうのは、リズム音痴になったというよりも、思っている具合に胸式呼吸ができなくなってしまうからかもしれません。

腹式呼吸‥‥横隔膜が要

 椅子に座って休んでいるときや、横になっているとき、寝ているときなどは腹式呼吸の重要性が増します。
 腹式呼吸の要は横隔膜の運動になりますが、その収縮と弛緩の波(リズム)は全身のリズムにつながります。そして、そのリズムが足先、手先、頭部まで拡がることで骨格筋はそれに合わせてゆるやかに収縮し、また弛緩します。
 それは全身の波動を形成しますし、マッサージ効果をもたらします。ですから腹式呼吸がスムーズに行われることによって疲労回復やリラクゼーションが実現すると考えることができます。
 からだは、朝目覚めたときに本来は疲労が取れてスッキリしているはずですが、目覚めたときからからだが重くて疲労感を感じるようであれば、それは腹式呼吸が上手くできていないからかもしれません。

横隔膜の運動と内臓の関係

 また、横隔膜は収縮することで胃や肝臓や大腸(横行結腸)を圧迫しますが、横隔膜が弛緩することでこれらの臓器が圧迫から解放されます。
 この圧迫と解放をゆっくりと繰り返す状況は胃や大腸の運動につながる点で大切ですし、特に肝臓にとっては重要です。肝臓は静脈系の臓器です。ですから、周りの筋肉などの力を借りて内部の血液を動かしています。
 私たちの食べた栄養などは小腸で血液の中に吸収されますが、その栄養などを含んだ血液が肝臓に送られます。血中の有害物質は肝臓の中で解毒され、栄養物質は様々な化学変化を受けて私たちの細胞活動にとって必要な物質に変換されます。そしてその即戦力と化したエネルギーの高い血液が心臓に還り、動脈に乗って全身の細胞に分配される仕組みになっています。
 ですから、肝臓で処理された血液は速やかに心臓に還る必要があるのですが、先ほど申した通り肝臓は静脈系ですから、他の力に依存して血液を循環させなければなりません。そして、この時に横隔膜の収縮・弛緩による圧迫と解放が役立つことになります。
 それは乳搾り(ミルキングアクション)と同じ原理です。圧迫を受けたときにギュッと絞られ、心臓に向かって血液は送り出されます。ですから、肝臓の働きにとって腹式呼吸による横隔膜の運動はとても大切であると言うことができます。

 川などで水の流れが停滞しますと、澱んで害虫が発生したりします。ですから、清潔を保つためには水は常に流れていなければなりません。
 血管や臓器の中を流れる血液も同様に考えることができます。速度は別にして、血液は常に流れている必要があります。肝臓の中の血液はとてもゆっくり流れていますので、ちょっとしたことで流れが停滞してしまうと考えられます。ですから、尚更肝臓の働きに関係する横隔膜の運動には注意深くあるべきだと思います。
 そして、横隔膜を良い状態に保つためには、呼気の在り方が重要です。

呼気の重要性と筋肉

 肺呼吸における肺の働きで最も重要なことは、静脈血の中にある古い炭酸ガスを体外に放出して新しい空気から酸素を取り出して動脈血の中に吸収するガス交換を行うことです。
 ですから、炭酸ガスを含んだ古い空気は全部体外に出したいとです。肺の中に炭酸ガスを含んだ古い空気が残っていますと、肺の健康にとっても良くありませんし、ガス交換の効率を悪くしますので、なるべく古い空気は残したくありません。
 そして、そのためには呼気をしっかり行う必要がありますが、吸気時に収縮した筋肉が今度は弛緩・伸張する必要があります。
 つまり、横隔膜、小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、外肋間筋などです。

 ところで、たとえば歯ぎしりや噛みしめの癖を持っている人は胸鎖乳突筋や斜角筋が常にこわばった状態になっています。ですから上手く弛緩伸張できませんので、しっかりとした呼気動作を望むことができなくなります。
 あるいは、パソコン業務やスマホ操作などで母指をたくさん使っている人は外肋間筋がこわばっている可能性が高いので、いつも息を吸っているのと同じ状態になっている可能性があります。
 これらの人は内肋間筋を働かせて肋骨を下げ、胸郭を薄くして容積を減らそうとしても、なかなか思うようにいきません。
 また、お腹が冷えているなどの理由で腹筋の働きが悪い状態ですと、やはり胸郭を下げることができませんので、「最後まで息を吐く」ということができなくなってしまいます。

 苦しくなるまで息を吐き出しますと、何も考えなくても反動として空気はたくさん肺に入ってきます。それが私たちのからだの自己防衛能力です。
 ですから、呼気が上手く出来ない人に対しては、「吐ききったところから、さらに吐いてください! 腹筋を絞るように吐ききってください!」という練習をしてもらっています。
 呼吸が上手くできないと自覚している人は、「呼吸」は息を吸うことから始めると思っていますが、そんな人はまず吐くことから呼吸を始めるようにするのがよいと思います。「吐けば自ずと空気は入ってくる」、これが自然な在り方です。

 こういう練習を毎日繰り返していますと、次第に腹筋の働きも良くなり、胸が下がるという感覚が理解でき、やがて首肩や顎などから力が抜けるようになると思います。


 以上、呼吸運動に関して筋肉の働きと骨格の変化を中心に説明した来ました。
 しかし、心臓の拍動と同様に、呼吸とは生命体としての根本ですから、本来は何も考える必要のないもののはずです。理屈を考えながら呼吸を行うこと自体がおかしなことであり、現代社会に生きる私たちは、そのくらい自然界から逸脱してしまっているのかもしれません。
 

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 「食が進まない」「食欲がない」「食べるのに苦痛を感じる」といった状態を一般的に食欲不振と言うのかもしれません。
 私はこれまで「食欲不振」と聞きますと、すぐに「胃の不調」を連想していました。膨満感や胃もたれ、胃下垂などをはじめ、胃が硬くなっている、胃が動かないなど、胃の不調や不具合による症状はいくつかあります。
 また、歯や歯茎、顎や顎関節の状態が悪くて食物をそしゃくすることができない類の食欲不振もありますが、このたび、食物を飲み込むことに苦労したり、苦痛を感じることも食欲不振の一つであることに気がつきました。

 食物を飲み込むことを嚥下と呼びますが、私たちが何も考えることなくごく普通に行っている食物のそしゃくから嚥下までの一連の動作は、実はとても複雑で微妙です。
 多岐にわたる要素が絡み合っている複雑な専門領域に、一整体師である私が云々するのはおこがましい気持ちもありますが、一つの情報として、専門家や悩んでいらっしゃる方々の役に立てれば幸いだと考えています。

 私の仕事は骨格筋を主に扱う分野ですから、骨格筋から見た嚥下動作の説明になりますが、それは「喉の動き」のことでもありますので、発声にも通じるところがあります。

喉の動きに関わる舌骨下筋(胸骨甲状筋と甲状舌骨筋)

 食事で食物を噛み砕いてから飲み込むまでの概略を簡単に説明しますと、以下のようになります。(詳しくはこちらを参照してください。)

  1. まず食物を噛み砕いてそしゃくし、唾液を混ぜて柔らかくします。食物が飲み込める状態になったものを食塊(しょっかい)と呼びます。

  2. 食塊ができますと、それを舌を使って口の奥の方(咽頭)へ送りますが、このときに舌先を挙げることが重要です。舌先を口蓋(口の中の天井)につけることができませんと、食塊の送り込みができませんので、いつまでも口の中に食物が残ってしまいます。
     いくら噛んでも、なかなか咽頭部分に食塊を送ることができないために、食べることが苦痛だと感じている人は、この段階が上手くできない状態なのかもしれません。

  3. ここから飲み込みの段階に進みますが、舌がしっかりと口蓋に付き、さらに舌が口蓋を押し上げるとともに喉頭と舌骨が引き上げられる動きが重要です。
     私たち人間は、息が通る気道と食物が通る食道が咽頭で交叉する構造になっています。普段は息が通る気道(喉頭)が開いている状態になっていて食道は塞がれた状態になっています。
     ところが食物(食塊)を飲み込む段階になって舌骨と喉頭(甲状軟骨)が上前方に引き上げられますと、自然と喉頭に蓋がされて気道が塞がり、食道への通路が開くようになっています。
     この仕組みによって食物は気道の方ではなく、間違いなく食道の方に進むことなっているのですが、喉頭と舌骨が上がりきることができない状態になったり、喉頭(気道)を塞ぐ蓋(喉頭蓋)の働きが悪かったりしますと、気道に食物や唾液が流入してしまう誤嚥が起こってしまいます。

  4. 食塊が食道に進みますと、舌がゆるんで舌骨と喉頭は下がります。そして3の段階で塞がれていた鼻腔と咽頭のつながりが解放され、喉頭も開いて気道が確保されますので鼻呼吸ができる状態に戻ります。
     ただし、咽頭から食道に食塊を進める段階では、喉(甲状軟骨)をしっかり下げる力が必要になります。この力が弱い状態ですと、唾を飲み込むのもスムーズに行うことができないと感じてしまいますが、要になる筋肉として胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)と甲状舌骨筋(こうじょうぜっこつきん)の働きが大切です。

甲状軟骨と胸骨甲状筋と甲状舌骨筋

 私たちが普段「のど仏」と表現している部位は、専門用語では甲状軟骨(の中の喉頭隆起)と呼びます。甲状軟骨の内部に声帯がありますが、気道を通過する空気を利用して声帯を振動させることで私たちは発声を行っています。
 また、声楽家の喉の動きに注目しますと、のど仏(甲状軟骨)を上下に非常に大きく動かしながら発声しています。その意味するところは私にはわかりませんが、声楽家の方々は自由自在にのど仏を動かすことができるのだと思います。ですから、つまり、発声にとっても甲状軟骨の動きは大切なポイントであると言うことができます。



 甲状軟骨はその上にあります舌骨と甲状舌骨筋や結合組織で硬く結ばれています。そして体幹とは胸骨からつながっている胸骨甲状筋で結ばれています。
 ですから、甲状軟骨が上下に動く現象は、甲状舌骨筋と胸骨甲状筋、さらに舌骨と体幹や下顎を結ぶ筋肉の伸縮によりなされるものです。

嚥下の初期段階
 舌は舌骨を出発点としていますので、食物を飲み込む嚥下の初期段階において、舌が口蓋を押しつけるように上がることは、舌骨と甲状軟骨が上がるということでもあります。
 つまり筋肉の働きとして重要なのは、舌骨を引き上げる舌骨上筋群、甲状軟骨を引き上げる甲状舌骨筋がしっかり収縮することです。そして、同時に体幹と甲状軟骨をつなぐ胸骨甲状筋と体幹と舌骨をつなぐ胸骨舌骨筋がゆるんで伸びることができる状態にあることです。

嚥下の終了段階
 次に嚥下動作の終了段階、つまりゴックンと食塊を喉から食道に送る段階では、上がっていた舌と舌骨と甲状軟骨がグーッと下に下がる必要があります。この動作がスムーズにできなければ、食物が喉でつかえたような状態になり、不快感を感じると思います。
 そして動作におけるポイントは甲状軟骨と舌骨を引き下げる働きをする胸骨甲状筋と胸骨舌骨筋がしっかり収縮することと、肩甲舌骨筋が収縮すること、そして舌骨上筋群がゆるんで舌骨が下がることの妨害にならないことです。

 ですから嚥下動作においては、甲状軟骨の動きに直接関わる胸骨甲状筋と甲状舌骨筋の状態は非常に重要であると言うことができます。そして舌骨の動きに関わる胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、舌骨上筋群の状態も大切です。

筋肉の連動関係による影響

 ここで、胸骨甲状筋と甲状舌骨筋に的を絞って、その状態や働きついて考えてみます。
 喉を打撲したりして筋肉や組織が損傷した場合を除いて、胸骨甲状筋や甲状舌骨筋の状態が悪くなることは、なかなか考えにくいところです。
 ですから、何か別の理由で筋肉の働きが悪くなり、発声や嚥下動作に問題が生じたのではないかと考えてみます。

 私が観察したところ、胸骨甲状筋と甲状舌骨筋は股関節の恥骨筋、膝関節の中間広筋(大腿四頭筋の一つ)、足首の短趾伸筋と連動関係にあるようです。

 膝関節の状態が悪い、膝小僧(膝蓋骨)目立つ、歩くと股関節にズレを感じる、股関節から下がむくみやすい、太い、足首が詰まっているように感じる、足首がグラグラしている等々の症状があって、喉の調子も悪かったり、喉に違和感を感じたり、嚥下や発声に不満や不具合を感じている人は、恥骨筋や中間広筋や短趾伸筋の変調が症状の原因になっている可能性が考えられます。

 また、どのような仕組みでそうなるかはよくわかりませんが、歯茎が弱いことによって飲み込みが上手くできず、食べ物が口の中にいつまでもあるために食欲が減退している人がいます。
 Aさんは理由は定かでありませんが、下歯茎の左側が弱く、左側の下の歯列が内側に倒れている状態になっていました。
 そして、それによって左側の甲状舌骨筋がこわばり、甲状軟骨が斜め左上に歪んだ状態になっていました。甲状軟骨の左側が舌骨に近づくように上がった状態になっていたわけですが、すると自ずと胸骨甲状筋もこわばった状態になってしまいます。

 食べ物(食塊)を口の中から喉の方に送り込もうとするときには、舌先が上がることから動作が始まるのですが、舌を上げるためには舌骨と甲状軟骨が上前方に引き上がらなければなりません。
 ところがAさんの場合、左側の甲状軟骨は甲状舌骨筋がこわばっていることによって、常に引き上げられている状態になっていますので、それ以上引き上げる余地がありません。ですから、左側はなかなか嚥下動作に移れない状況になっています。つまり、極単に表現しますと、食べ物を飲み込もうとするときには、右側ばかりを使って動作を行わなければならない状況です。
 左右両方の筋肉で仕事しなければならないところを、右側の片方だけで処理しなければならない状態ですから、当然仕事の能力は低下します。食べ物を口の中でいくらそしゃくしてもなかなか嚥下に移れない状況が理解できます。

 Aさんに対しては左歯茎に原因がありましたので、歯茎の中でも最も弱っている部分を探し出し、そこに外側(体表)から指を当てて歯茎を回復させるような施術を行いました。
 そして、歯茎の状態から日々のセルフケアが必要だと思いました。
 「適切なポイントに指が当たりますと、唾がスムーズに飲み込めるようになります。ですからそうなるように、繊細な気持ちで施術ポイントを探し出してケアしてください」とアドバイスしました。

追記:
 この施術後2週間くらいしてAさんが来店されました。そして「めっちゃ食欲がでました」と喜んで仰いました。(内心、解っていたこととは言え)喜んでいただけたので、私も嬉しく思いました。
 また、本日は85歳の常連客の女性が来店されましたが、医学を勉強されているお孫さんから「誤嚥」を指摘されたと仰いました。本人の感覚では「これまでよりも喉が細くなって飲み込みがつかえてしまう」ということでした。喉元を確認しますと、右側の胸骨甲状筋がゆるんでいて甲状軟骨が斜めに歪んでいる状態でした。そして、その原因を探っていきますと、非常に硬くなっている足底(短母趾屈筋が主)にたどり着きまして、足底の筋肉をじっくりとゆるめました。するとそれだけで甲状軟骨の歪みはとれて胸骨甲状筋の状態も回復しました。そして唾の飲み込みも快調になりました。
 普段はほとんど歩かないのに、昨日まで3日間旅行に行って「歩いた」とのことでした。
 普段使っていない筋肉を使ったので、硬くこわばってしまい、それが甲状軟骨をゆがめる原因になっていたのです。
 「高齢者」「嚥下に誤嚥の不安」という条件が重なりますと、医学的に検査・治療の対象になるのかもしれませんが、その方法では治らないこと考えられます。
 それはそれとして、(医学的見地の中に整体的な観点がないわけですから)誤嚥や嚥下に不安を感じるのであれば整体的な観点での方法にも目を向けていただきたいと思います。

高齢者に対するケア

 加齢が進みますと、からだの機能は全身的に低下します。そして多くの人が介護を必要とする段階に進みます。
 実際のところ私は介護の現場を知りませんが、食事介助は大変だろうと想像します。なかなか食が進まない状況では、介助する人はずっと忍耐強く付き添っていなければなりません。本人も早く食べたいと思っても、口の中の食物が喉に向かっていきません。両者にとって食事の時間は苦痛なのではないかと思えてしまいます。

 そこで少し視点を変えて、先ほど申し上げました筋肉の連動を利用して、嚥下がスムーズに行えるようになる可能性を考えてみます。

 加齢が進み運動する時間が少なくなりますと足のむくみが強くなりますが、足首も硬くなってしまいます。現在80歳を超えている人が何人か来店されていますが、その人たちの10年間の経過を見ますと、ふくらはぎの筋力低下と足首が太く硬くなってしまった変化が如実にわかります。
 小学生の頃は平気でグングン回っていた足首も、大人になると硬く太くなってしまいますが、それは加齢と運動不足によるものかもしれません。

 胸骨甲状筋や甲状舌骨筋と連動関係にある足首、膝、股関節の筋肉は足首の硬さと深い関係にあります。(足首が硬くなりますとスネの骨を引き下げますが、そのことと膝、股関節は関係します)
 つまり「足首の硬い人は喉元も硬く動きが悪い」可能性があるということです。ですから足首をたくさん回して軟らかくすることは対策の一つとなります。

 ただし、足首を回しているつもりになっていても、足の半分から前ばかりが回ってくるぶしから踵にかけての足の後部分が回っていないようでは、いくらやっても無意味になってしまいます。この点に注意が必要です。

 椅子に座った状態、あるいはあぐらをかいた状態で、例えば左足首を回そうとしたときには、左手でしっかり内くるぶしの上辺りを押さえてスネ(脛骨)が固定された状態にします。そして右手で足裏を大きく掴み、そしてゆっくり大きく踵まで一緒に回るように足首を回します。特に内くるぶしと親指を繋ぐラインが伸びるように心がけていただきたいと思います。
 回し始めの段階では、足首の靱帯や筋肉が硬い状態ですから、思うように足首は回らないと思います。ところが粘り強く、ゆっくりと、なるべく大きく回しているうちに、少しずつ靱帯や筋肉がゆるみ始めますので、やがて大きく足首を回すことができるようになります。
 そして、最初はスネと足がくっついているように感じていた状態が変化し、やがてスネと足に足首(足関節)を境に分離感が生じるようになります。ゴキゴキとか、カクカクとか音が鳴り出すかもしれません。それは筋肉がゆるんできたことの現れですが、このような状態まで足首を柔らかくしていただきたいと思います。

 すると膝関節の状態もよくなり中間広筋の変調が良くなると思います。そして胸骨甲状筋や甲状舌骨筋の状態も良くなって、嚥下動作に改善が見られるようになると思います。

 また、高齢者の場合や、あるいは筋力低下の著しい場合などでは、胸骨甲状筋や甲状舌骨筋はじめ、舌骨や舌の動きに関係する筋肉の働きが悪くて、嚥下がスムーズにできなくなっていることも考えられます。
 このような場合は、直接喉周辺を手当てする手段も考えられますが、筋連動の仕組みを利用して、足首や膝の働きが強まるようにする方法も考えられます。
 歩くこと、階段をゆっくり降りること、ステッパーなどを利用して足首を鍛えることなどは良いことだと思います。

 歩くことで足腰の筋肉を良い状態に保つこと、食物をたくさんそしゃくすることは私たち人間にとってとても重要であることが、嚥下動作を通しても知ることがきると私は感じています。


 嚥下動作に不具合あって誤嚥を招いたり、喉の動きが悪くて言葉を発するのが億劫になってしまったりするのは、高齢者や要介護の人ばかりではありません。
 若い人でも、食欲が湧かない、言葉を発したくない、と思っている人はいます。それは性格が関係しているかもしれませんし、精神的・心理的要因が関係しているかもしれません。
 しかし、そういうこととは全く関係なく、今回取り上げましたように骨格筋の状態に問題があるだけの場合も考えられます。
 悩まれているへのメッセージとして、どうぞ、そのことも頭の中に入れていただきたいと思っています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
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 私たちのからだは外界と「気」のやり取りをしながら生理現象を行っているようだ、という話を前回させていただきました。
 そして、手のひらと足裏は体内から外界に向けて気を放出する出口になっていて、そこから気が放出されている状態が望ましい、という話をさせていただきました。

 今回は具体例を示して、前回の続きをさせていただきます。

腎の気は足裏から出す

 しばしば腰痛と間違われるのですが、腎臓が膨らんで肋骨を圧迫しているために腰部から背中にかけて辛い思いをしている人がいます。

 腎臓は胸郭(肋骨)の下部~腰部にありますので、膨れたり腫れたりしますと下位肋骨を内側から押すようになります。
 仰向けで寝たりしと肋骨は背中側から内臓を押し上げるようになりますが、その刺激で腎臓のある辺りが辛くなり、耐えがたく感じる場合があります。あるいは、膨れや腫れが慢性化して硬くなりますと、常に肋骨を圧迫する状態になりますので、どんな体勢でも常に辛くなるという状態を招きます。
 この状態を「腰痛が悪化した」と感じる場合がありますが、からだを前後に動かしたり、左右に捻ったりすることに何の不自由さもなければ、骨格や筋肉の問題ではありません。つまり筋骨格系の腰痛ではありませんので、マッサージなど行っても症状はまったく改善しません。

 このように腎臓は膨らんだり腫れたりすることがあります。それが腎機能と関係しているのかどうかはわかりませんが、疲れが溜まったりしますとこのような状態になりやすいと思います。

 腎臓が肋骨を圧迫しているような状態に対しては、私は次の3点を考えながら施術を行います。
 ・耳と腎臓との関連性
 ・静脈系に問題があるか
 ・気の流れが停滞しているのか

耳と腎臓の関連性

 東洋医学の考え方では、腎臓と耳には深い関係があります。
 そして実際、このことは現象として現れます。

 耳が過敏な状態であったり、頭蓋骨が歪んで耳の位置がずれていたりしますと、その影響で腎臓が膨らむ、あるいはむくむことがあります。また反対に、腎臓の状態が思わしくなかったり、膨れた状態になりますと耳の機能に変調が現れることがあります。
耳の問題‥‥低音難聴 参照)

 耳が過敏な状態とは、それまではほとんど気にならなかった騒音などの音が気になるようになったり、音がうるさく感じたりする状態です。その他に、耳に膜が張っているように感じ音がこもったり、自分の声が頭の中で響いたりする耳管に関係する症状、難聴や耳鳴りなども腎臓と関係している場合もあります。
 これらのように耳の状態がおかしく、同時に腰部(腎臓のところ)に不快感や圧迫感を感じるようであれば、腎臓の膨れや腫れの問題を耳との関連性で考えてみるべきだと思います。

静脈系に問題があるか

 静脈とリンパをあわせてここでは静脈系と呼びますが、静脈系の停滞はむくみにつながります。ただその場合、腎臓だけがむくみということにはなりません。顔や手や足などもむくんでいて、さらに腰部が辛いようでしたら、静脈系のことも考えに入れて対処する必要があると思います。

 ただし私は、どんな人に対しても静脈系は必ず確認して整えるようにしています。私のような仕事は動脈系よりも静脈系を整えることに適していると思います。静脈系についての詳細はこちらを参照してください。

気の流れが停滞している

 通常、からだは足裏から気を放出していますが、その流れを利用して腎臓は自身が放出すべき、いわば「邪気」とか「不要となった気」と呼べるものを放出していると私は思っています。
 ですから、足裏から気が放出できない状態になりますと、腎臓に気が溜まってしまう状態になってしまいます。私はそんなふうに考えています。
 この状態が長引きますと、腎臓が気で溢れたようになり、膨らんでしまうのではないかと思います。そしてその膨らみが肋骨を圧迫して辛くなったり、あるいは腰部(腎臓のあるところ)を手で圧迫すると「ウッ」と不快に感じて思わず声がでてしまう状況になってしまうのだと思います。

 昨年から整体療法の勉強会を行っていますが、先日の勉強会では「気の流れ」をテーマにしましたが、ちょうど参加者の一人の腎臓が少し膨らんだ状態になっていました。背部から腎臓のあるところを圧迫しますと「うっ」と声を出してしまうような不快感を感じます。
 「足裏から気が放出できるようになると、どう変化するか?」
 ということで勉強会を進めました。足裏から気が放出できるようにするためには、基本的には膝から下(下腿と足首と足)を整えることがポイントです。
 施術の詳細は省略しますが、骨格と筋肉を調整しますと、気が出る状態に変化しました。私が施術したのではなく、他の参加者に考えてもらいながら実際にやってもらいました。左右への施術で20分間くらいの時間を要したと思います。そして座ってもらい、腎臓の状態を確認し、さらに圧迫してみましたが、膨らみはなくなり、圧迫による不快感もなくなっていました。
 「腎臓で停滞していた気が足裏から出ていったので、膨らみが消え、腎臓に余裕が生まれた」ということだったと思います。

腎臓の反射区を利用して腎臓の状態を整える

 腎臓の膨らみ状態の程度によりますが、膨らみが大きく硬くなっているような場合は、実際の施術では上記で挙げました3つのことを実行しますが、さらに腎臓の反射区を利用します。
 「反射区」とはいわゆる「足つぼ療法」と呼ばれる施術の時に用いるツボ(正確には反射区)のことですが、そこを刺激することで対応する臓器に影響を与えることができるとされる部分のことです。

 腎臓の反射区は手のひらと足裏にありますが、私は両方を利用します。
 足裏の反射区を刺激するときは、「ここから気が出て行ってね!」という思いを込めて施術をします。そしてその後で手のひらの反射区を刺激しますが、この時の思いは「この刺激が腎臓に伝わって気の巡りが活発になり、腎臓の気がどんどん足裏に向かって欲しい」というものです。

 よほど腎臓の膨らみが頑固な状態でない限り、耳を整え、静脈系を整え、気の流れを整えて腎臓の反射区を刺激しますと、大概はそれで腎臓の膨らみは解消して、腰部に余裕が生まれます。それまで溜まっていた気が抜けていきますので、スッキリしてからだが軽くなった気になると思います。
 ところが、たまになかなかスッキリした状態にならない人がいますが、そのような人は長年の慢性化により腎臓の膨らみがとても頑固な状態になってしまった人だと思います。

頭や心の中のモヤモヤは手のひらから出す

 頭痛や頭重とは違いますが、何となく頭の中がモヤモヤしていたり、たくさん詰まっているように感じる時があります。静脈の流れが悪くて、頭の中に血液がたくさん残っているような場合もありますが、その他に、やはり「気」やその類のものが停滞していると感じられる場合もあります。
 多くの人は、深い眠りの時以外、ずっと頭の中で何かを考え続けていると思いますが、その思考も頭の中に残ったままですと、それは邪気と同じような影響を及ぼすのではないかと思います。
 本人はストレスが多いと感じているだけかもしれませんが、頭の中が「想いで満タン」といった感じの人が時々来店されます。

 また、不安や心配、苦しみや悲しみといった感情が胸に溜まっている人もいらっしゃいます。どうしてそれが右胸かなのか理由はわかりませんが、右胸の鎖骨の下辺りが硬く膨らんでいて、そこの深部を揉みほぐしますと強い痛みを感じる人がいます。
 それが単純に、右胸が硬いだけの問題であるならば、しばらく揉みほぐすことによって柔らかくなりますので、私はそれほど考えません。
 ところが、その硬さが影響して腰が張っていたり、頭部が歪んでいるなどの状況になっていますと、「柔らかくなればいい」と簡単には片付けられません。やはり根本的な原因を追及して、そのような状況にならないことを考えなければなりません。

 精神的ストレスも含めて頭の中を窮屈にしている思考の数々、心(胸)の片隅に巣くってしまったしつこい感情、これらは健康を害し、からだを歪める可能性があります。ですから、からだから排出する必要があります。そして余裕のある頭と心を取り戻していただきたいと思います。

 しかし、このしつこいものを「どうやって出したらいいの?」と、反論されると思います。

 そこで、そのための効果的な方法は、手のひらから放出される気と一緒に、外に出してしまうことだ、と私は考えています。

 手のひらから出すための最も簡単な方法は、手のひらを最大限に拡げることです。太陽に向かって、あるいは大空に向かって手を高々と上げ、手のひらを思いっきり拡げます。
 この状態をしばらく続けていきますと、手のひらの拡がりは大きくなると思いますが、次第に手のひらの真ん中辺りがムズムズしたりスースーしたりし始めると思います。それは気が抜けていく合図のようなものです。そして、その後はしばらくの間、普通にしていても気が通って抜けていく感じがしていると思います。そして、少し頭がスッキリしたり、心がスッキリしたりするのではないかと思います。

 私は整体師として、常にそのような状態であるようにするために、肘や手首や手指を整えます。
 頭や胸からの気は、肩関節~肘関節~手首(手関節)などの関節が歪んでいますと、なかなか流れ出てくれません。そして、これらの関節が慢性的に歪んだ状態になっている理由は、昔の古傷が治りきってないことによる影響と現在の手指の使い方の癖による影響が考えられます。
 詳細は専門的になってしまいますので、ここでは説明しきれませんが、前回記しましたように、手を握ってグーを作るときに人差し指側と小指側のどちらを主に使っているかは重要なポイントになります。
 人差し指と親指側を主体に手を使う人は、字を書く時に筆圧が強くなってしまいます。スラスラ字を書くという感じではなく、いろいろな動作で肘を挙げて脇が開いた状態になってしまう特徴があります。そして首や肩に力が入ってしまいますので、首肩のコリを感じやすくなります。
 そしてこのような人は、前腕(肘から手首にかけて)が内側に捻れ(回内位)ていますが、その反動で上腕(二の腕)が外側に捻れ(外旋位)、さらに肩(上腕骨)が前に出ているという特徴があります。手首も内側に捻れ、親指のつけ根が少し内側に落ち込んでいるかもしれません。
 これはパソコンやスマホを多用している人に多く見られる特徴ですが、このような人達はおそらく気が放出されていませんので、頭や心がスッキリしている状態ではないと思います。

 現在、かつてバイクで転んでしまい、右肩周辺を打撲した影響で不調を抱えている青年が来店されています。当初は、右肩関節周辺の問題以外に呼吸が苦しく、不安症で、少し鬱気も感じるという状況でした。
 これらの症状の主な原因は、右肩周辺と右腕の筋肉の損傷が治りきっていないことによって右腕と右肩の関係がおかしかったからです。
 初回の施術はその辺りの損傷を施術することに集中しましたが、それで呼吸が楽になりました。呼吸が楽になって頭部に酸素が十分行き渡るようになったのだと思いますが、それで不安症も改善したとのことでした。
 2週間後に2度目の施術を行いましたが、その間のことについて尋ねますと、呼吸の苦しさはかなり軽減し、鬱気も消え、不安症の方も良くなったとのことでした。
 しかし私の観点では、まだ手のひらから気が出る状況ではありませんでしたので、そうなることができれば彼の心理的な状況ももっともっと良くなるだろうと思いました。
 そんなことを思いながら、先日4回目の施術を行いました。思いの外、右肩周辺の回復が遅いので「打撲だけではないのかなぁ?」と思いました。そして、改めてからだをいろいろ観察していきました。
 すると、右足首で足趾のつけ根の靱帯が伸びているのを見つけました。捻挫痕のような感じです。そこを調整しますと右腕の状態がパシッとし始め、気が通るようになるを感じました。
 これでやっと手のひらから気が出る状態になることができます。そうなれば、もっと頭の中がスッキリするでしょうから、良い状態で安定すると思います。

 「人間は考える葦である」という有名な言葉がありますが、私たちは深い眠りにあるとき以外、ずっと考え続けています。ですから次から次へと思考が生まれているわけですが、それらがいつまでも頭に残っていますと、それは不調を招きます。
 私は皆さんの頭を触ったときに、「詰まっているなぁ」と感じることがあります。大概は頭部の右側が詰まっていて、実際後頭部の右側が大きくなっています。(そのように頭蓋骨が歪んでいる)
 そして、そんな時は「右手のひらから出して頭を軽くしたい」と思います。施術時間に余裕があれば、そのようにしています。


 今回の話題に対する説明をどれだけの人が信じてくれるかわかりませんが、私は実際に体験していること、つまり私の真実をそのまま記しました。
 そして、このようなことは実際に勉強会でのテーマにしていますので、誰もが知って体験することができます。もちろん、来店された方も知ることができます。
 頭や心がスッキリしない人、不安や恐れとどう対峙すればよいかと悩んでいる人、腰部が辛く感じている人、からだの中に気が停滞していると感じている人、そんな人は機会があればご来店ください。

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 今回は、現代医学(科学)ではまったく無視されているような「気」についての話題です。

 昨年から月二回のペースで整体の勉強会を行っていますが、参加者に私の手のひらを見せて、
 「私の右手からは気が出ていますが、左手からは出ていません。」
 「左手の方は親指と人差し指の間の辺りでは反対に気が入っていってますが、わかりますか?」
 と、唐突に尋ねてみました。
 
 普段は、現代科学に基づく解剖学の用語を使って勉強会を進めていますので、「気」のことに関しては皆さんほとんど無知の状態です。

 「エッ????」という反応でしたが、

 「とりあえず、私の手のひらを触って、左右を比べてみてください」と言いました。

 最初は、戸惑うばかりといった反応でしたが、
 「右手の方は、手のひらの中央部分から何かが出ているような気がしませんか?」
 「左手の方は、同じ部分にそのような感じがないことはわかりますか?」
 と誘導しますと、
 「そう言われると、そのような気がする」と反応が返ってきました。
 いきなり「気」のことを問われても、それは戸惑うばかりだったと思います。

 次に、私は両手を握ってグーを作りました。
 そして、また尋ねました。
 「右手と左手で握り方が違うのですが、何処がどう違いますか?」

 答えは、右手の握り方では、小指と薬指側が中心になってグーを作っていて、左手の方は人差し指と中指を中心にグーを作っているということでした。
 つまり、手のどこを主に使って握る動作を行っているのか、使っている筋肉と気との関係を知って欲しかったのです。

 唐突ですが、
 運動会のリレーで、バトンを握るとき、どこで握るのが良いか? ということにも通じるのですが、小指側を中心に握るのが正しい在り方です。そうであれば、走るときに肩に力が入りませんので、腕を大きく振ることができますし、走りながら「バトンを落としてしまうかも」という心配も感じません。
 反対に、親指と人差し指側を主に使ってバトンを握ってしまう人は、自然と肩に力が入ってしまいますので走りが遅くなってしまいます。また、バトンを落としやすいと不安も感じてしまいますので、ギュッと強く握るようになります。ですから、益々肩に力が入った走り方になってしまいます。

 そして、それは「気」の流れと関係しているのですが、そのことを勉強会の参加者に知っていただきたいと思ったのです。
 手のひらから気が出ている人は小指側を中心に握りますが、それは理にかなっています。
 手のひらから気の出ていない人は親指側を中心に握りますが、それは理に反していますので、からだが不調や不具合を招く可能性が高くなります。
 これが簡単な説明ですが、整体療法の入門としてとても大切なことです。

体内と外界(体外)をやり取りしている「気」

 「気」とは何か? という問いに対しては、私はほとんど答えることができません。
 以前、私が今の仕事を始めて間もない頃、「気」とかオーラとか、そういう面に敏感な人がいまして、私が施術をしている最中、クライアントのからだから「黒い煙のようなものが出ている」と言われたことがあります。
 私の目には何も見えませんでしたし、その頃は気に対してもそれほど敏感ではありませんでしたので、「あ~、そうなんだ」ぐらいにしか思いませんでした。しかし、長い間この仕事をしていますと、私も少しずつ気に対して敏感になり、今は「気の流れ」がなんとなくわかるようになっています。
 そして、次のような見解を持つようになりました。

 からだやからだの部位から気が放出されているとき、それは良い状態です。
 からだから気が出ていない、あるいは外界から体内に向けて気を取り込んでいるような状況は改善が必要な状態です。
 からだ(体内)と外界(体外)は「気の流れ」を通して影響し合っていますが、それが最も顕著にわかるのが、手のひらの中心部と足の裏の土踏まずのところです。その部分は全身的な「気」の出入り口のような役割を担っているのかもしれません。

 私は当初、状態の良い人は足裏や手のひらから気が放出されていますので、いわゆる「邪気」がからだから出ていっている、デトックスされているから好ましい状態だと思っていました。
 ですから、手のひらや足裏から気の出ていない人、気が逆に体内に吸い込まれているような人は、体内で生産される不要な気(=邪気)が出せないので体調が悪くなってしまうのかもしれないと思っていました。
 ところが、それはどうも違うようです。

 私は「気」についての見識があるわけではありませんので、体内での気の巡り方を知っているわけではありません。ただ、状態の良い人は体内の気が充実していて、それをどんどん放出しているかのように感じています。
 手のひらの真ん中あたり、足裏の真ん中から土踏まずにかけてのところからスーッと涼しい空気が抜けていっているように感じます。
 そして状態の悪い人はそのようには感じられず、気の流れが停滞しているか、反対に外からの気を体内に向けて吸い込んでいるように感じています。

「気の流れ」と施術時の私の反応

 私の行っている整体療法は解剖学をベースに、骨格筋と筋膜と骨格を対象としていますので、現代科学で説明のできる類のものです。
 ですから「気」についての詳細を知っているわけではありませんし、「気」を前面に出して施術を展開しようとも考えていません。
 しかしながら、西洋医学(現代医学)ではまったく無視されている「気の存在」を、私は実感として認識しています。さらに施術においては気の流れを指針として頼りにしています。

 また私の手の話に戻りますが、勉強会の参加者の一人に、「気」に敏感に反応する女性がいます。
 彼女自身は自覚しているわけではないのですが、私の(気の出ていない)左手を見ますと上瞼が少し落ちて眠たそうな表情になります。そして左手を見続けますとテンションがどんどん下がってしまうようになります。
 反対に、気の出ている右手を見ますと、瞳が大きくなるように瞼が開き、顔の表情も元気になっていきます。
 そして、彼女は私の手だけでなく、別の人の足裏を見ても同じような反応をします。

 私の左手の「気が出ていない部分」(親指と人差し指の間、生命線のあたり)は実は「気を吸い込んでいる」のだと私は捉えています。
 彼女が私の左手を見たときにテンションが下がってしまったのは、彼女の中にある「気」が私の左手に取られてしまったからかもしれまん。もし彼女が、誰かに気を取られても大丈夫なくらい元気な状態、気が充実している状態、あるいは取られてもすぐに気を補充したり生み出すことのできる状態であったならば、テンションが下がることはなかったのかもしれません。

 そんな、彼女の反応を考えながら、私自身はどんな反応をするのか、それを探ってみました。
 すると、私は施術において、気の出ていない手のひらや足の裏を見たり触ったりしますと舌が下がってしまうことがわかりました。そして、施術を行ってその部位所が整い、気が出るようになるにつれ、次第に舌が上がっていくのがわかりました。
 舌が「上がる・下がる」は、「ら行=ら・り・る・れ・ろ」の喋り易さで判別できます。舌が上がっている状態では、苦もなくスラスラと素速く「ら行」を喋ることができます。
 舌が下がってしまいますと、一々舌を持ち上げてからでないと舌先が動きませんので、素速く「ら行」を喋ることができませんし、喋りたい気分にはなりません。

 クライアントの足や手を施術しながら無音の声で「ら・り・る・れ・ろ」と喋ってみます。施術部位の状態が良くなりますと舌が上がってスラスラと動かすことができますので、施術法が間違っていないことが確認できます。そして、どこまで施術を続けるべきかの判断もできるようになります。
 これまでは、いわゆる経験に基づく「見当」を頼りに施術の具合を決めていましたが、これからは、「気が出るようになって私の舌が上がるまで整える」という指針がはっきり持てるようになりました。

「気の流れ」の停滞における症状

 どんな症状であれ、それが筋骨格系の影響によるトラブルであれば、それは物質的な、つまり解剖学的な分野でのアプローチを行うことから施術を始めます。それが私のやり方です。もっと解りやすく申しますと、筋肉と筋膜と骨格を整えることから施術を始めます。

 しかし、「気の流れが停滞している」ことが原因で症状が生じている場合もあります。
 例えば、頭の中がストレスや思考で詰まった状態になっていて、モヤモヤしたり、ボーッとしたり、あるいは鬱(うつ)のように感じてしまっている場合などです。
 また、心情的に胸が苦しい場合も同様です。心配や不安や恐怖、あるいは怒りなど感情的な問題は胸を圧迫します。
 これらのような場合は、その余分なものを手から放出してしまうのが良いのではないかと思っています。
 思考や感情も気と同じレベルのものだと考えますと、たくさんあっても邪魔で、脳や心の正常な働きを狂わせるかもしれません、ですから、溜めずにどんどん放出してしまうのが良いと考えますと、その出口としての場所は手のひらではないかと思っています。
 また、背中や腰が張ってしまい「寝ていても辛い」という場合があります。それは慢性的な胃の張り、腎臓の膨らみによるものかもしれません。そんな場合は、気が胃や腎臓、あるいは他の臓器に溜まっていて流れていない可能性も考えられます。
 こんな時は足裏から出してしまう=足裏から気が出ていくように整えることで、症状が改善される場合もあります。

 これらにつきましては具体的な症例がありますので、次回に紹介いたしますが、長年の悩みが、気を放出できるからだに整えることで解決する場合もあります。


 私は昔、中国で、気功師による施術を受けたことがあります。
 私のからだに一切触れることもなく、部屋の窓を全開にして、外気から気を取り込んで私に送り、治療するという理屈だったと思います。
 しかし、私には何をされているのかサッパリ解りませんでした。そして何の効果があったのかもサッパリ解りませんでした。この治療は外気功による治療だということです。
 また、中医学の講習で、自分で行う気功も教えてもらったことがあります。自分で自分の気をコントロールすることによって、からだを強くするというものでしたが、内気功と呼ばれています。
 そして、実際のところ外気功も内気功もよく解りませんでした。

 このように「気」は、わかる人には解るけど、わからない人にとってはサッパリ理解できず「まやかし」と受け取られてしまう場合もあります。
 ですが、中国で初めて経験してから30年が経って、今は、その存在をしっかり認めることができるようになりました。
 細かいことは解らなくても、「気」(あるいは「プラーナ」)が体内を巡り、外界とやり取りしながら私たちの生理現象に大きな影響を与えていることを知るようになりました。

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