ゆめとわのblog

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カテゴリ: 上肢

 今回は肘関節に関係する話題です。
 肘はぶつけやすいところですから、机やテーブルにコツン、壁にゴツン、とぶつけていながら、そのことをすっかり忘れてしまっている人も多いと思います。
 ところが、肘の打撲や捻挫、あるいは筋膜や皮膚の損傷が原因になって下半身や全身がむくんでしまっていたり、筋肉が張ってしまい、全身がいつもパツンパツンの状態になっている人もいます。

 肘周辺の損傷は、痛みがなくなりますとすっかり頭から離れてしまうくらいの目立たない出来事ですが、私たちの思いも掛けないところで不調や不具合の原因になっています。
 今回はそんな話題です。

肘の損傷と不具合

前腕の筋肉が常に張っていて硬い

 手指を操作する筋には手から指につながっている短い筋肉と、肘関節や前腕(肘と手首の間)から始まり手首を超えて手指につながっている長い筋肉があります。
 今回のテーマは肘関節ですから、前腕にある長い筋肉と肘関節との関係が主な題材です。

 ご自分の前腕を触ったときに「硬いなぁ」とか「コリコリだなぁ」「張っているなぁ」と感じる人は前腕に筋肉がこわばった状態になっているわけですが、それが手指の使い過ぎによるものであれば、手や手指をよくマッサージすることでこわばり状態は改善して前腕は軟らかくなるはずです。
 ところが、たいして手を使っていわけでもなく、重い物を持っているわけでもないのに前腕や手の筋肉が硬くなっている人がいます。あるいは、マッサージしてもほとんど効果を感じられない人がいます。
 「パソコンをちょっと使だけでも、親指のつけ根がコリコリと硬くなってしまう」というような人もこの類いだと思います。
 このような人は肘関節が歪んでいる可能性が高いのですが、その原因としてかつての肘関節の打撲や捻れがあるかもしれません。

 YさんはデスクワークでたくさんノートPCを使っています。
 PC操作では、キーボードの上に手のひらを乗せた状態でキーボードを叩くのが本来の在り方だと思います。このことはきっと誰もが「そうだ」と同意すると思いますが、問題は、肘を下ろした状態で手のひらを真っ直ぐに、どこにも力をいれることなくキーボードに置くことができるかどうかです。

 そのためには、肘関節で確実に腕の向きが変わることができなければなりません。肘関節で前腕をしっかり内側に捻ることができなくて方向変換が中途半端な状態ですと、手首でさらに手を内側に捻る動作を加えなければキーボードに手のひらを置くことができません。親指のつけ根がすんなり自然に着くような手の置き方はできません。
 たとえば腕立て伏せをするように肘をしっかりと曲げたとき、すんなり肘を曲げきることができなかったり、あるいは手のひらが前を向くのではなく内側を向いて小指側が前になるようでは、それは肘関節が好ましい状態ではないと判断することができます。

 さて、Yさんは肘関節で前腕を十分に内側に捻る(回内動作)ことができませので、キーボードに手を置くためには手首を捻らなければならない状況でした。そして、この状況は特に親指のつけ根が浮いた状態になりますので、例えば親指でスペースキーを叩くときには親指を普通の人以上に強く曲げて使わなくてはなりません。ですから、そのための筋肉(短母指外転筋)が使い過ぎの状態になりこわばってしまいます。
 「ちょっとパソコンを操作すると、親指のつけ根がすぐに張ってしまい辛くなる」としばしば訴えます。

 以前に「前腕を捻る‥‥円回内筋と回外筋」で説明しましたが、肘関節を内側に捻る動作は回内筋が主体になった行われなければなりません。諸々の理由で回内筋がしっかり働けない状況ですと手首の方形回内筋を使って前腕を内側に捻るようになりますが、本来それは不自然な状態です。そしてこの不自然な状態で親指を使うようになりますので、それは親指つけ根の酷使状態となりますので、すぐに筋肉はこわばってしまい辛くなってしまうと考えることができます。

 回内筋が上手く働けない理由はいくつか考えられますが、Yさんの場合は肘関節で上腕骨と尺骨の関係が歪んでいたことが原因でした。
 「付着している骨が不安定なので筋肉の働きが悪い」という項目に該当します。そして肘関節が不安定な理由は、かつて肘を打撲したことでした。

 肘のところには神経(尺骨神経)が通っていますので、肘をどこかにぶつけますと、小指の先にかけてジーンと強烈な痛みを感じることがありますが、ちょうど肘頭の神経の通っているあたりに損傷がありました。靱帯なのか筋膜なのか判別が難しいのですが、その損傷によって肘関節が少しグラつく状態になっているために肘関節に関係する筋肉(上腕三頭筋長頭と内側頭、上腕筋、回外筋など)が変調状態になってしまい、「前腕の筋肉がコリコリに硬くなっている」状態を招いていました。そして、その影響で回内筋がしっかり働けない状況でした。
 その損傷してゆるんでいる部分をじっくりと施術し、いつも使っている(摩法の石ような)ダイオードを貼りますと、肘廻りの変調していた筋肉は状態が良くなり、前腕の硬さは速やかに改善し、そして自然と親指のつけ根のこわばりと張りも解消されました。

 Yさんは、かつての肘の打撲により肘関節が不安定になったために前腕や上腕の筋肉がこわばって張ってしまい硬くなっていました。さらにその影響で前腕を内側にしっかり捻ることができないのにパソコンを操作しなければならない状況でしたから親指を酷使する状態となり、いつもそこに辛さを感じていたという状況でした。
 ですから肘関節の損傷部位を整えることで、この問題を改善することができました。
 そして、肘をぶつけている人はたくさんいると思いますので、そのような人は肘関節を整えてみてください。きっとからだの状態が良い方向に変わると思います。




肘の内側の損傷で全身のむくみ

 上記では肘関節の回内動作(前腕を内側に捻る)が上手くできな症例を取り上げましたが、今度は反対に肘関節で前腕を外側に捻る動作(=回外動作)が上手くできない状況が原因で全身的にむくんだ状態になってしまっている症例を取り上げます。

 Aさんは現在、週3日勤務の事務の仕事をしています。仕事内容はそれほどハードではありませんし、たくさん歩いていることもないのですが、常に下半身がパンパンの状態で、腕もパンパンしています。全身がむくんでいる状態ですが、水分が溜まった単なるむくみとは違って筋肉も全身的にこわばっていますので、からだ全体が硬く腫れているような状態です。

 Aさんは30歳代前半ですが、しばしば首の調子が悪くなりますし、毎日のように頭痛に悩まされているとのことです。Aさんは高校時代まで新体操をやっていて開脚なども大きくできますし、からだが硬いわけではありません。ところが筋肉はこわばった状態なのです。
 これらの状況から推察しますと、Aさんは本来、からだは軟らかく筋肉も軟らかいのですが、何かの理由によって全身的に筋肉がこわばった状態になっており、それによって静脈やリンパの流れが停滞して全身がパンパンした状態になってしまっていると考えられます。
 ですから、その「何かの理由」を探し出して特定し、それを修正する必要があります。

 Aさんは過去に大きなケガや故障は経験した記憶が無いとのことです。新体操の練習においてもケガは無かったとのことです。
 ですから、手首や肘や肩の関節、股関節、膝関節、足首などの状態を確認する作業から始めました。関節の状態を初めに確認するのは、むくみは関節の歪みに密接に関係しているからです。
 すると右の肘関節が不安定になっているのがとても気になりました。そこで肘関節を90°に曲げた状態で回内動作と回外動作を行ってもらいました。内側に捻る回内動作はそれほど問題はありませんでしたが、外側に捻る回外動作では、肘関節で回外を行うことができずに手首のところで外側に捻っている状態でした。つまり、肘関節の回外がまともにできない状態です。
 「右肘が歪んでいて力が入らないけど、何かこころ当たりはありますか?」と尋ねましたが特に思い当たることはないとのことです。
 そこで新体操の競技について尋ねながら、からだの使い方などを連想していきました。肘を打撲したり酷使したりすることはないだろうか? ボール競技で肘でボールを受けたりして筋肉を傷めたりしないだろうか? リボンやその他の競技で肘を傷めるようなことはないだろうか?
 よく解りませんでしたが、改めて詳しく肘周辺を観察しますと上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)が前腕の橈骨に付着している部分(腱)周辺がゆるんだ状態になっているのがわかりました。そしてその部分に手を当てて、ゆるんだ状態を補い、そして再度回外動作をしたもらいますと、今度はしっかりと回外動作を行うことができました。

 ここに問題があったのです。その後、ゆるんでいる部部にしばらく手を当て続けていました。すると2分くらい経過した頃から、太股や鼡径部の硬い膨らみがやわらいでいきまして、筋肉からも力が抜け出し、その流れが次第に全身に及ぶようになりました。
 頭も首周りも楽になり、呼吸も大きく深くできる状態になっていきました。肉厚だった手の親指つけ根(母指球)も中身が消えたように薄くなり、全身がリラックスした状態になっていきました。
 さらに10分、15分と手当ての状態を続けていきました。パンパンだったジーンズはスカスカな状態になり、ウエストも細くなっていきました。
 右肘だけの問題で、これほどまで全身に影響が及んでいたということですが、改めて人体の不思議さ、人体に隠されている秘密を知ることになりました。


 ここで簡単に回外動作と筋肉の関係について説明します。
 肘関節で回外動作を行う代表的な筋肉は2つあります。ひとつは回外筋(かいがいきん)です。そしてもうひとつは今回取り上げました上腕二頭筋です。
 回外筋と上腕二頭筋は解説書などによりますと、ともに「回外に働く筋肉」となっていますが、肘を伸ばした状態で前腕を回外する動作では回外筋が収縮し、肘を曲げた状態では上腕二頭筋が収縮して回外動作が行われるという違いがあります。
 Aさんの場合、上腕二頭筋に問題がありましたので、肘を曲げた状態で回外動作を行うことが苦手な状況でした。このような状態の時にドアノブを握って外側に捻るような動作をしますと、手首を捻って動作を行うようになりますので、それはそれで別な不具合を招く恐れがあります。

つい忘れてしまう肘の打撲

 冒頭に、肘をコツンとぶつけても日常生活への影響が感じられなければ、それは一時的なことであり痛みが消えてしまえば、皆さんすぐにそのことを忘れてしまうようです。それはそれでOKなのですが、肘関節が不安定になるような影響が残っていますと、「手に力が入らない」「腕の筋肉がいつも硬い」「親指のつけ根が太くて硬い」などの症状が現れます。そして既に取り上げましたように全身がむくむなどの症状の原因になる可能性もあります。そして、それ以外にもいろいろと症状が現れますが、それらをいくつか簡単に紹介します。

坐骨神経痛の原因が肘の歪みだった

 常に坐骨神経痛を感じている状態は治まったのですが、横になってリラックスしていたりすると症状が現れると訴える人がいます。座っていても大丈夫、立っていても歩いていても大丈夫、それなのにからだを楽にしていると症状が現れるというのは、坐骨神経痛の現れ方としては異例の部類に入ると思います。そして結局、その原因は肘の歪みによる影響でした。その人は昔、頬杖をたくさん着いていたし、今も自宅で転がりながらテレビを見るときには肘で頭を支える(片側の頬杖状態)姿勢をするとのことです。つまり頬杖によって肘関節が歪み、その肘に荷重がかかる状況になると頚椎や背骨や股関節が歪み、坐骨神経痛の症状が現れるのではないかと私は考えました。

ヨガのブリッジができない

 仰向けの状態で背中を浮かせ、手と足でからだを支えるブリッジの状態をつくるためには、手首を最大限に背屈して掌を地面に着ける必要があります。
 掌が真っ直ぐ着地できるかどうかは重要な要素になります。

 そして、そのためには肘関節での回内が十分に行える状態でなければなりません。回内が不十分な状態ですと、小指側は着くけど親指側は浮いてしまいますが、それを補うために手首を捻るようになります。するとその捻れはからだの別の部分にも及びますので、正しいブリッジの姿勢を築くことができなくなってしまいます。

片側の足の着地感がいつも気に入らない

 肘関節を曲げて、そこに買い物袋やバッグを引っ掛ける癖を持っている人は肘関節内側の筋膜が損傷していたり、あるいは筋肉がゆるみ過ぎの状態になっていて肘関節で前腕がすこし離れた状態になり不安定になっている場合もあります。そして肘関節の不安定さは肩関節、股関節、膝関節、足首へと連動し、下半身が不安定で足の着地感がいつも気になる状況を招くこともあります。
 手で重たいバッグを持ち続けることは苦痛なので、つい肘に引っ掛けてしまう人もいるかと思いますが、それはそれでリスクもあります。
 「極力、持ち歩くバッグは軽くしてほしい」と私は思っています。


 今回は肘関節について取り上げましたが、からだにある大きな関節‥‥肩関節、肘関節、手首、股関節、膝関節、足首は、どれも大切です。
 その他にも小さな関節はたくさんありますが、大きな関節が歪みますと全身的にバランスが変化しますし、循環に影響が生じます。ですから、まず大きな関節がしっかり整うようにと私は施術を心がけています。

 膝関節は変形しやすい関節ですが、骨と骨の関係が歪んでいる状態であれば、筋肉や靱帯を整えることで関節を良い状態に整えることはできます。ところが、軟骨やその他の大事な組織が消耗して無くなってしまうなど器質的に変化してしまいますと、手術によって人工関節に置換しなければならなくなったりします。股関節も肩関節も同様です。

 ですから、大きな関節に問題が生じたと感じたのであれば、速やかに対処されることをおすすめします。ただし、適切に対処できる専門家に相談してください。すべての整形外科がそうであるとは思っていませんが、レントゲンを撮って経過観察だけ行い、痛みに対しては湿布や痛み止めだけで対応するようなところは避けた方が賢明だと思います。結局のところ症状は徐々に進行し、やがて手術しなければならない状況になってしまう可能性があるからです。

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 もうだいぶ前のことですが、家族の者が部屋のドアノブを換えてくれと言い出しました。ドアノブを回すのが痛くて辛いということでした。
 まだ私が今の仕事を始める前のことでしたから、「なんでそれくらいのことが痛いのかな?」と内心思っていました。

 ところが、今はこのことがしっかりと理解できます。ドアノブを回すはたらきをする筋肉が上手く働かない状態だったわけです。
 今回の話題は、肘から先(前腕)や手首を回す働きをする筋肉についてですが、パソコン業務の人、テニス肘の人、腱鞘炎で苦しんでいる人、そのような人達には参考になる話だと思います。

前腕を捻る回内動作と回外動作

 肘から手首までを専門用語で前腕(ぜんわん)と言いますが、前腕を内側に捻る動作を回内(かいない)、外側に捻る動作を回外(かいがい)と専門用語で言います。

回内に働く筋肉
 前腕の回内動作に関わる筋肉は三つほどあります。
 動作の主動筋は回内筋は円回内筋(えんかいないきん)です。
 そして手首の辺りで前腕を回内させる方形回内筋(ほうけいかいないきん)があります。
 また、主たる働きは手首を内側に曲げる動作ですが、前腕の回内を補助する橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)があります。

 前腕には二つの骨があります。肘関節から親指側にある骨を橈骨(とうこつ)と言い、小指側にある骨を尺骨(しゃっこつ)と言いますが、回内動作は尺骨を軸にして橈骨が尺骨に対して回旋して近づき、そして交叉していく形で行われます。
 ですから尺骨側(上腕骨)に足場を置いて、橈骨を強く引きつけ交叉させる筋肉である円回内筋の働きがとても重要になります。

 たとえば、円回内筋が上手く収縮できない状態になったとします。円回内筋は肘の近くで前腕を回内させますが、それが上手くできなくなりますと、手首近くの方形回内筋を必要以上に使って前腕を回内することになります。あるいは、前腕の回内運動を補助する程度に使われる橈側手根屈筋が必要以上に収縮して前腕の回内を行おうと試みるようになります。
 すると以下のような状況になります。

  1. 円回内筋が働かないので肘部分での回内が鈍くなり、
  2. 方形回内筋がこわばるので、いつも手首が内側にひねれた状態になり、
  3. 橈側手根屈筋がこわばるので、前腕の内側(屈側)がパンパンに張った状態になって肘付近が硬くなる。

 そして、実際このような状態の人が非常に多いのです。

回外に働く筋肉

 前腕を外側に捻ること回外と言いますが、上腕にあります上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)と肘関節近くにあります回外筋(かいがいきん)が協働して前腕の回外運動を行います。
 その他にも前腕の後面(伸筋側)にあります筋肉(長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、腕橈骨筋、長母指外転筋など)も回外運動を補助しています。



回内と回外のバランス
 ところで、前腕を回内する主動筋である円回内筋は肘関節の近いところにありますので、作動させて収縮しますと肘関節で前腕が内側に捻れる回内運動が行われます。そしてこれが正しい在り方です。
 仮に回外筋がこわばった状態になっていたとします。
 これは肘関節付近で前腕には外側に捻る力が働いているということですから、円回内筋を働かせて前腕を内側に捻ろうとしても、なかなかスムーズに回内運動を行うことができません。
 しかし、ドアノブを回したり、パソコンのキーボードを叩いたり、ペットボトルのキャップを開けたりと、前腕を回内させなければならない状況はたくさんあります。
 そして、このような状況では、円回内筋が上手く働けない状況をカバーするために方形回内筋や橈側手根屈筋、あるいは手指の筋肉を使って前腕を内側に捻るようになってしまいます。
 しかし、これらの筋肉の本来の仕事は別にありますので、これらの筋肉は酷使状態となり、腱鞘炎などの問題を引き起こす可能性が生じるようになります。

 また、反対に方形回内筋や円回内筋がわばった状態になりますと、前腕を外側に捻る回外動作を邪魔することになります。「外側に回したくても内側に引っ張られてしまう」という状況になってしまいます。
 私たちの日常動作では腕を内側に捻る回内運動の方が外側に捻る回外運動よりも多いです。ですから回内運動に関わる筋肉がこわばりやすいのですが、それによって「回外動作の力が入らない」状況になることがあります。
 そして、力が入らないのに無理して回そうとしますと、回外筋や周辺の筋肉が耐えられなくなって痛みを発するようになることがあります。

 これが「ドアノブを回すのが痛くて辛い」ということの根本的な原理です。
 ですから、この問題を解決するためには、円回内筋や回外筋の働きを邪魔する状況を解消することと、円回内筋と回外筋の働きがしっかりと行えるように筋肉の状態を調整することが必要になります。

 ところで、回内と回外に関わる問題を解決しようとするとき、打撲やケガなどにより回外筋や前腕の伸筋群を損傷したなどの場合を除き、臨床的には回内に関わる筋肉や骨格を調整する方法をとることが多くなります。それは回内に関係する筋肉の影響力が強いということでもあります。ですから、以降は回内に関わる筋肉の問題に絞って説明を進めていきます。

円回内筋の働きを邪魔する要因

 回外筋は前腕の外側(伸筋側)にありますが、同じ伸筋側にある筋肉は前腕の回外に協力したり、それらの筋肉と連動関係にありますので、前腕の伸筋側が硬く張っているような場合は、円回内筋の働きを邪魔する状態になっていると判断することができます。

 ところで、回外筋は手の第1背側骨間筋と連動関係にあります。
 第1背側骨間筋は親指と人差し指の間にありますが、私たちが物を掴む作業では必ず使いますのでこわばりやすく、そのこわばりが強く慢性化してい傾向が強い筋肉です。
 ですから、第1背側骨間筋がこわばっている状況が回外筋に連動して、回外筋がこわばっている状態になっています。

 また親指を操作する筋肉はいくつかありますが、たとえばスマホのゲームや文字入力で親指を上げたり(=伸ばしたり)下げたり(=曲げたり)する動作を頻繁に行いますと、これらの筋肉(短母指外転筋、短母趾屈筋、長母指外転筋、長母指伸筋など)がこわばります。それによって前腕の伸筋がこわばって円回内筋の働きを邪魔するようになりますが、このような状態の人もたくさんいます。

 以上、円回内筋の働きを邪魔する要因について説明しましたが、その多くは手の使い方による筋肉の変調状態(コリやこわばり)が根本的な原因になっています。ですから、第1背側骨間筋や長母指外転筋や短母指外転筋などをよく揉みほぐすことでこの状況を改善することが出来ます。
(その他に、足の方からの影響で円回内筋の働きを邪魔している状況もあります。)

円回内筋の働きを高めるために

 作業で前腕の回内動作をたくさん行っているなどの事情や、あるいは円回内筋を損傷したというようなことのない限り、円回内筋そのものの働きが悪くなることは考えにくいことです。
 ですから、円回内筋の働きが悪い場合、それは連動関係にある筋肉の影響によるものである可能性が高いと言えます。

 手のひらの親指のつけ根には母指球と呼ばれる膨らみがあります。親指を動かすための筋肉がいくつか密集しているので、厚みが増して膨らんだ状態になっているわけですが、最も深い部分に母指対立筋(ぼしたいりつきん)があります。

 母指対立筋はとても地味ですが、小指の先と親指の先をくっつけるような動作をするときに働く筋肉です。手のひらにおいて母指を内側に捻る(回内させる)筋肉であるとも考えられますが、この筋肉は円回内筋と連動関係にあります。ですから、母指対立筋の状態を良くすることで円回内筋の状態を良くすることが可能になります。
 そして実際、母指対立筋の状態が悪くて円回内筋の働きが悪くなっているケースがたくさん見受けられます。

 また、方形回内筋も前腕を回内する働きをする点で円回内筋と共通していますが、同じような働きをする筋肉は、場合によっては拮抗関係になることがあります。
 方形回内筋がこわばったことによって、円回内筋がゆるんで働きの悪い状態になってしまうことがあるのですが、このような状態の人も多くいます。

 回外筋がこわばっていて円回内筋の働きを邪魔している場合、それでも腕を内側に捻らなければならないとき、私たちは方形回内筋を酷使して手首を内側に捻るようになります。
 すると方形回内筋はこわばった状態になりますが、それが理由で円回内筋の働きが悪なります。ですから、円回内筋の働きを回復するためには方形回内筋のこわばり状態を解消する必要があるということになります。

 さらに、円回内筋は肩関節では肩甲下筋と連動しますが、四十肩・五十肩の症状を持っている一部の人の場合、それが理由で円回内筋の働きが悪くなっている場合もあります。

 ですから、円回内筋の働きや状態を整えるためには、母指対立筋や肩甲下筋を良い状態にし、前腕の回内運動を邪魔する回外筋や伸筋群のこわばり状態を改善する必要があるという結論になります。
そして、実際、私はそのように施術を行っています。

円回内筋の働きが悪い人は脇が開いているのが特徴

 円回内筋は肘関節のところで前腕を内側に捻る働きをしますので、筋肉の働きが悪い状態では肘関節のところではなく、手首のところで腕を内側に捻る動作をすることになってしまいます。それは方形回内筋や手指の筋肉を使っているということなのですが、腱鞘炎などのトラブルを招く可能性が生じます。

 たとえば、コーヒーカップを口元に持っていき、飲もうとする動作をしたとき、肘が開いて脇があいてしまうのであれば、それは円回内筋の働きが悪く、肩関節で腕を内に捻ることで円回内筋の働きを代償しているということです。
 円回内筋の働きが良い状態であれば、コーヒーカップを口元に持っていく段階で既に肘関節で前腕が回内するのと同時に、肩関節でも(円回内筋と連動する)肩甲下筋が働きますので、脇を締めて肘が下がった状態でも腕を内側に捻ることができるようになります。
 そしてこのような状態の人は、どんな動作をしても肘が地面を指すように、脇が締まった状態でいることができますので、からだを壊す可能性も低く、効率の良いからだの使い方をすることができます。

その他の症状

 「ドアノブを回すと痛みを感じて辛い」という話から話題がだいぶ拡がりましたが、前腕の回内も回外も肘関節のところで行われるのが正しい在り方です。

 たとえば、赤ちゃんを抱えたお母さんは、抱っこをしながら手首を捻っていろいろな作業をしたりします。赤ちゃんを抱いている状態では肘関節で腕を捻ることは出来ませんので、方形回内筋を酷使する状態になります。そしてこのような状況を続けていますと手首の関節を歪めてしまう可能性が高くなりますが、それによって腱鞘炎になってしまうかもしれません。

 また、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は肘付近の伸筋(長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋や指伸筋)の炎症であるとされていますが、私の見方ではそれらの筋肉の損傷です。ギュッとラケットを握るときにはこれらの筋肉が収縮するのですが、その収縮が上手くできないために痛みを発してしまう状況がほとんどだと思います。
 そして、これらの筋肉が損傷してしまう原因として円回内筋や回外筋の酷使や使い方の間違いが考えられます。親指と人差し指を中心にラケットを握る癖になっていますと、第1背側骨間筋がこわばりますが、それが回外筋に連動します。
 また、サーブなどでスライスをかける動作は肩関節での内旋、肘関節での回内動作ですので円回内筋の酷使になります。
 ですからテニス肘を改善するためには、損傷した筋肉の回復と、回外筋と円回内筋などの調整の両方を行う必要があります。安静などによって損傷部位の回復を促すだけでは、片手落ちで、またすぐにテニス肘の状態になってしまう可能性があります。



 今回の話題は肘関節で前腕を捻ることに関してでしたが、ほとんどの人は普段、何も気にしていないと思います。
 それはそれでけっこうなことだと思いますが、手首や肘の痛み、腱鞘炎、腕のだるさなどの症状が現れたときには、今回説明させていただいたような要因が内在していますので、そのことを頭の片隅に入れていただければ幸いに思います。

 そうすれば、ちょっとしたことができない状況を見て、「そんなこともできないのか?」などという誤解をいだくこともないと思いますし、「根性で頑張れ」などという考えにも至らないと思います。
 スポーツや、からだの動きを指導するような立場の人には是非、理解していただきたいと考えています。
 

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 手の指を動かすと痛みを発する症状に腱鞘炎(けんしょうえん)があります。また、指を曲げ伸ばしするときに関節が引っ掛かって動きがギクシャクしたり、指を曲げた状態から伸ばそうとしてもなかなか伸ばすことができす、急にカクンとなって伸びるような、スムーズな指の曲げ伸ばしができない“バネ指”と呼ばれる症状があります。ともに腱と腱鞘(けんしょう)に関係する症状です。

 ここで、“腱”と“腱鞘”について少し説明させていただきます。
 腱は、筋肉の延長線上のもので、骨に付着する部分を言います。筋肉はそれ自身が伸び縮みをして骨格を動かしますが、それが骨に結合する部分では腱と呼ばれる結合組織(伸び縮みしないとされている)に移行します。腱の太さや長さは筋肉によって様々ですが、手指や足趾の運動に関わる腱はとても長いものになっています。
 例えば手の指を曲げる筋肉に浅指屈筋・深指屈筋がありますが、その筋肉の中心部分(筋腹)は手ではなく、前腕(肘~手首までの部分)にあります。これらの筋肉は手首の手前で細い腱に変わり、各指につながります。ですから手のひらには腱しかないということになります。(手には手首を超えた部分(手根)から始まる短い筋肉もあります。)

 手指や足趾につながっている腱は、操り人形を操作する紐のようなものだとイメージしていただいてもよいかと思います。そして手や足の内部では、これらの腱がスムーズに動くことができるよう、腱の一つ一つがそれぞれの腱鞘(けんしょう)というトンネルにくるまれています。つまり指を曲げ伸ばしする動作は、腱鞘というトンネルの中を腱(紐)が往ったり来たりしているという姿に他なりません。
 腱鞘の内部は腱がスムーズに動けるよう非常に滑らかになっています。ところが何かの理由で腱と腱鞘の間で摩擦などが生じますと、そこが炎症が起こし腫れたり痛みを発したりするようになってしまいます。そしてこれが腱鞘炎の始まりです。また、腱が腱鞘の中で引っかかってしまい一時的に動けなくなってしまうと、バネ指の状態になってしまいます。

腱鞘の圧迫や捻れが主な原因と考えられる

 腱と腱鞘の関係は、腱鞘という滑らかなトンネルの中を腱がスベリながら往ったり来たりするという関係ですが、腱鞘が何らかの理由で捻れたり歪んだりして本来の在り方ではなくなりますと、腱と腱鞘との関係に歪みが生じます。するとどこかに摩擦が生じて軽い炎症が起きることになります。軽い痛みを感じるかもしれませんが、それを無視して、あるいは我慢して同じように使い続けていますと、炎症が悪化して痛みが増し、腫れが生じるようになります。腱鞘が腫れ(内側に膨らむ)ますとそれだけで腱を圧迫した状態になりますので、腱の動きは制限された状態になってしまいます。それでも腱を動かし続けていますと炎症はどんどん悪化して、じっとしていても痛みを感じるようになり、ちょっと動かすだけで猛烈な痛みを感じるようになってしまうかもしれません。また、炎症は周りの組織にも拡がりますので、外見的にも腫れが目立つようになると思います。ここまで症状が進みますと、本格的な慢性的腱鞘炎です。

腱鞘が捻れる理由

 腱鞘は手指と手首、足首にたくさんありますので、腱鞘炎を起こすのもこの部位になります。そして私たちは手指をたくさん使いますし、手首や足首も頻繁に動かしていますので、これらの関節は歪みやすい傾向にあります。

 実際、手首で手が内側に捻れている(回内位)人はたくさんいますし、親指の関節が捻れている人もたくさんいます。このような人達は腱鞘もそのような状態になっているわけですから、腱鞘炎予備群と言えるかもしれません。手首や親指を内側に捻るような動作を続けていますと、炎症を起こす可能性は高いと思います。
 私は職業として毎日いろいろな人の手を見ていますので、手指や手首が捻じれていることはすぐに解りますが、一般の人は自分の手指や手首が捻れているかどうかは判断できないかもしれませんが、毎日パソコン業務をしている人、包丁をたくさん使っている人、文字を書くときに親指と人差し指に力を入れてしまう人、そして最近ではスマホゲームで親指を頻繁に使っている人は間違いなく内側に捻れています。ですから、そのような人達は一日の終わりに手首を反対側に捻るストレッチなどを行っていただきたいと思います。

腱鞘炎とバネ指に対する施術

 腱鞘炎もバネ指も腱と腱鞘の関係ですから、施術は同じようなものになります。
 施術の基本は腱鞘の捻れを解消するために関節の捻れや歪みを解消することです。そして、まずは症状の起こっている部位を整えるようにしますが、その関節の問題だけでなく他の関節が歪んでいることが大元の原因になっている場合も多くあります。



 例えば、腱鞘炎の部位が右手親指のMP関節であった場合、CM関節や手首(手関節)の捻れや歪みが影響していることは間違いありませんが、それらだけでなく肘関節や肩関節、あるいは反対側(左側)の肩関節の問題が原因になっていることすらあります。
 ですから、その人のいろいろな使い癖や環境、生活習慣、ケガや出来事なども尋ねながらの施術になることがほとんどです。

 腱鞘の炎症も軽微で症状が軽いのであれば、腱鞘の捻れを解消することで多くの場合、症状はかなり改善します。それはその場で実感できることです。
 ところが炎症や状態が重度であったり、症状がすっかり慢性化してしまっている場合などは、腱鞘の歪みや捻れを解消しただけでは症状の改善が感じられない場合があります。腱鞘が炎症に耐えられるように器質的に変化していたり、腱そのものが器質的変化してしまった場合などは、捻れが解消されても腱と腱鞘との間に滑らかさや隙間が戻ってこないので腱の動きに大きな変化が現れないこともあります。(ちょっとの変化しか感じられない)

今の私たちは手首が捻れやすい

 私のところに最初に来店された時は、カルテのようなものに自筆で記入していただきますが、その様子を見ながら手の使い方を観察することがあります。親指と人差し指に力を入れてペンを持っている人が意外に多いのですが、このような人達は手首が捻れやすいと言えます。デスクワークのほとんどをパソコンで行っている人は常に前腕(肘から先)を内側に捻った状態(回内位)で指を動かしていますので、そうするための筋肉(回内筋、方形回内筋)がこわばった状態になっています。すると手首も同じように内側に捻れていますので、親指のつけ根の関節(CM関節)が落ちてしまったような歪み方をしています。この状態で手指を使っていますと腱鞘炎になる可能性が高まります。



 病院等では腱鞘炎に対して「使いすぎ」という診断が多いようですが、私の見方は違います。手首や指が捻れた状態のままで使い続けているので、状態が次第に悪化していき、ある時、強い痛みを感じるようになったり、満足に動かすことができなくなったりするのだと考えています。ですから改善のためには、手首や指の捻れを修正することが要になります。

 腱鞘炎にならずとも手首が本来の状態ではない人は、本当にたくさんいます。仕事でパソコンを使っている人のほとんどは手首が捻れたりずれたりしています。
 手首が捻れますと腱鞘も捻れます。手首がずれますと腱鞘は圧迫を受けます。指の捻れやずれも同様です。そのために、最初は軽微な炎症で、手指の動きに違和感も感じないほどのものだったものが、同じ状態で使い続けていますとやがて指の動かし方に違和感を感じるようになります。それでもさらに同じ状態で使い続けていますと、指を動かすことのできないほどの痛みに襲われるようになるかもしれません。
 ここまで状態が進みますと炎症はかなりひどくなっていますので、腱と腱鞘との間に隙間が見られない状態になってしまうため、“手術”という言葉もお医者さんから聞かされることになるかもしれません。
 ばね指も上記とほとんど同じような状況です。ただ、これまでの経験で申し上げれば、ばね指や“曲がりきらない指”の場合は、単にその側の手指や手首の問題だけでなく、反対側の腕や肩、あるいは全身的な捻れが影響している場合もあります。

 腱鞘炎やばね指に限らずからだの不具合は、症状が出た後、速やかに対応すればすぐに改善できると言えますが、我慢に我慢を重ねてこじらせてしまった場合は、すぐに改善するとは言い切れません。
 症状がでてから整形外科を受診し、それでも駄目で何件かの接骨院に行き、発症から何ヶ月も経ってから私のところに来店されるという人が実際のところほとんどです。何とか1回で痛みを感じない状態にしたいと思いながらいつも施術にあたっていますが、慢性化して、器質的に変化してしまったものは、そう簡単にはいかないというのが正直なところです。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
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 中高年の女性に多く見られる、手指の第一関節が腫れて曲がってしまうヘバーデン結節は学問的に原因がよくわかっていないようです。症状の進行過程においてはかなりの痛みを伴いますが、来店される人たちの話によれば、整形外科では「曲がりきってしまえば痛みは消えるから‥‥」と言われ、改善は半ば諦めるしかないような雰囲気を感じ取るとのことです。
 40歳くらいになりますと、それまでしなやかだった手や手指が次第にゴツゴツし出し、中年の手に変わっていくのは仕方のないことであるかもしれません。しかし、いつまでもしなやかな手でいたいと願う女性心理をもっと汲み取って、医学界はなんとか改善に向け努力していただきたいと思います。

 さて、ヘバーデン結節になってしまった人、あるいはその傾向を持っている人に対し、私が行っている施術について説明させていただきます。
 ところで、私たちは冬場の寒い時期など布団に入っても最初の内は寒いため体を丸めたくなります。縮こまってからだの温度を逃がさないようにしようと無意識に行います。この状態を筋肉にあてはめて考えますと、からだの屈筋(腹側)を縮め、伸筋(背側)を伸ばして体温の放出を防いでいる、となります。夏場の暑い時期は反対に腹側を伸ばして体温を放出しようとします。
 私はからだのこの根本的な原理がヘバーデン結節改善のためのヒントになると考えました。「きっと指が縮みたがっているんだ」と考えたのです。


 ヘバーデン結節は手指の第一関節が腫れたり、痛みを出したり、曲がったりする症状ですが、手指を曲げる筋肉には二つの種類があります。一つは浅指屈筋(せんしくっきん)と言いまして、手指の第二関節を曲げる筋肉です。この筋肉は肘より上の骨(上腕骨)から出発し、途中から腱になって第二関節の先(中節骨)に付着しています。
 もう一つは浅指屈筋の深層にあって、肘より下の骨(橈骨と尺骨)から出発して、腱が第一関節の先(指先=末節骨)に付着しています。母指先を曲げる筋肉を長母指屈筋、その他の四指先を曲げる筋肉を深指屈筋と言います。
 ここで大事なことは、手指を曲げる筋肉は指先(第一関節)を曲げる筋肉と第二関節を曲げる筋肉では別々であって、指先を曲げる方が深い位置、骨に近い位置にあるということです。そして指先を曲げる筋肉はインナーマッスルであり、持久力が強い性質であるとともに、一度不具合を起こすしますとなかなか元に戻りにくい性質を持っています。鉄棒にぶら下がった時、疲れてくると手が弛んできますが、最後は指先だけで何とか引っかけて頑張りますが、それは指先の深指屈筋に持久力があるからです。


 さて、ヘバーデン結節は第一関節が腫れて痛みだし、やがて指先が曲がってしまう症状ですが、それは深指屈筋が縮んだ状態になっているのに浅指屈筋が縮まないために次第に第一関節が詰まってしまうからではないかと私は考えました。詰まり方が激しくなりますと関節で炎症が起こりますので痛くなります。そして詰まり方も限界を超えますと指先は第一関節で曲がった状態になって安定しますので、炎症が治まり痛みが消えるのではないかと思います。
 ですからヘバーデン結節を改善するためには、縮んでしまった深指屈筋が伸びるようにすることです。深指屈筋が伸びれば第一関節の詰まりは解消しますので、痛みが消失するとともにやがて腫れもおさまります。指先がすっかり曲がってしまった場合は、関節の変形という問題も絡んできますので深指屈筋を伸ばすことだけでは解決しませんが、それでもだいぶ楽になることでしょう。関節のこわばりをとる施術をしばらく続けていれば、次第に指が伸びる状態にもっていけると考えています。

お腹の奥(腹筋深部)の冷えが原因になっている可能性

 深指屈筋は体のなかで一番深層の筋肉ですから、同じ深層筋の影響を受けます。これまでの経験で申し上げれば、腹筋の深い奥の部分のこわばりを改善しますと指先の詰まりは改善されます。“あれほど痛かった指先”が15~20分、お腹を施術するだけで解消されるようになります。
 そして、腹筋の深部がこわばってしまう原因としても最も多いのはお腹の冷えですが、寒いとからだを丸めて縮こませてしまうのと同様、冷えると深層屈筋は縮みたがってしまうのです。

 上記の場合以外では、足の指先が曲がっている人は手指先も曲がりやすい傾向があります。
 筋肉は連動しますので、深層筋は深層筋とつながりやすい傾向があります。外反母趾・内反小趾の他、足裏全体で上手く立てない人は足の指に力を入れて(指先を曲げて)からだを支えようとします。その状態が長く続きますと、寝ていても足の指は曲がったままの状態になってしまいます。つまり足指の屈筋が慢性的にこわばった状態になってしまったのです。そしてそのこわばりは連動して、腹筋をこわばらせ、手の深指屈筋をこわばらせてしまう、という可能性も考えられます。

尺骨の歪みが原因になっている場合

 中年の女性が「左手小指の第一関節が腫れて痛い」ということで来店されました。整形外科のレントゲンで確認したところ骨には異常は認められないとのことでしたが、同時に、医師からヘバーデン結節の疑いが濃厚であると言われたようです。小指の第一関節は腫れて小指先が少し曲がっていましたが、中指と薬指の第一関節も詰まった状態で赤くなっていて、確かにヘバーデン結節の初期段階であることが確認できました。
 10年ほど前に、左手小指先を打撲して腫れ上がり、それから指先が曲がってしまったとのことですが、打撲した時を除いて10年間「特に痛みは感じなかった」とのことでした。痛みを感じるようになったのはこの1ヶ月くらいで、症状の原因は思い当たらないとのことでした。

 施術は、まずヘバーデン結節状態を解消することから始めました。ヘバーデン結節の初期段階にある指は中指、薬指、小指ですが、これらの深指屈筋は尺骨側から出ています。ですから、尺骨の状態は関係します。普通の状態であれば、尺骨の手首近くの突出(豆状骨)は小指の延長線上に薄ら膨らんだ感じで存在しています。ところがこの女性の場合、その位置が薬指の延長線上であり、手首から少し離れた場所にあり、更に大きく突出していました。つまり尺骨がかなり捻れた状態になっていました。そして、その原因の一番は、上腕骨の背側にあります上腕三頭筋長頭(じょうわんさんとうきんちょうとう)が強くこわばっていて尺骨を引っ張り上げていることでした。


 上腕三頭筋長頭は仙骨や足の母趾の伸筋(長母趾伸筋(ちょうぼししんきん))と関係していますので、「左足や足首に何かありませんでしたか?」と尋ねてみました。すると、年末(2ヶ月前)に捻挫したとのことでした。さらに3年程前に母趾の先、爪との境辺りに物を落として骨にヒビが入ったことがあったと仰いました。
 「これがヘバーデン結節の大きな原因だ」と私は思いました。そして外くるぶしの後側、捻挫で伸びてしまった靱帯に施術を行い、母趾先の骨折したところに施術を行いますと、上腕三頭筋長頭のこわばりは解消して、尺骨の位置がかなり改善し、中指、薬指、小指の指先の詰まりは改善しました。第一関節部分が赤く腫れぼったい感じだったのですが、それも消失しました。
 そして、それから10年前に打撲して曲がって閉まった小指の第一関節に対して施術を行いました。こちらの方は、一回の施術で解決できる状態ではありませんでしたが、ヘバーデン結節状態が解消されたことで、強く圧しても、動かしても痛みを感じることはありませんでした。
 以上で、この女性が来店された目的は達成したのですが、私はどうしてもこの女性の手や腕の使い方が気になっていました。この人は母指と人差し指を中心にして手を使う状態になっていました。普段、筋トレが好きで軽いバーベルを持ち上げるようなトレーニングもしているとのことですが、傘をバーベルに見立てて、両手で持ち上げる動作を繰り返していただきますと、案の上、母指球側でバーベル(傘)を支えるように動かしていました。このような人は脇を開けた状態で肘の曲げ伸ばしを行いますので、前腕(肘から下)が内側に捻れやすく母指と人差し指を中心に手を使ってしまいます。そして、この癖も尺骨を捻れさせる原因になります。
 このような場合、「小指側を中心に力を使ってバーベルを持ち上げたり、包丁を持ったりするようにしてください」とアドバイスすることで簡単に済ますこともできますが、実際のところ、からだの状態だが狂っていますので、このような使い方しかできない状態になっています。ですから、やはりこの状態も改善しなければなりません。
 「いつ頃からペンの持ち方がおかしくなりましたか?」と質問しました。なかなか思い出せないようですので、「子供の頃からおかしかったですか? それとも大人になってからですか?」と再度尋ねますと、「そういえば三年ほど前に、右脚の太股の裏側を伸ばしたことがあって、それからかなぁ?」と仰いました。
 それで、太股の裏側を確認しますと肉離れ状態が残ったままになっている部分を発見しました。そして、その部分を手当てしますと、自ずと小指側に力が入って物を掴むことができるようになりました。バーベル(傘)の持ち方や上げ方にも変化がでたのを自覚されました。

 この女性は東京の大田区にお住まいですので、2時間半くらいかけて来店されました。当初予約をされた時点では「小指だけのことなので短時間の施術で」ということでしたが、実際には左足の母趾先骨折部分、左足首の捻挫痕、右太股裏の肉離れ痕、の三箇所を施術することになりました。
 たかが小指先のヘバーデン結節のこと、「そんなにたくさん施術することもないだろう」とお考えになるかもしれませんが、いろいろな状況が折り重なってヘバーデン結節状態になっているということがわかるケースでした。


 この女性のケースでは尺骨の状態がおかしくて深指屈筋でも尺骨に関係の深い中指、薬指、小指がヘバーデン結節の初期状態になっていましたが、橈骨の状態がおかしくなった場合などでは、親指や人差し指がヘバーデン結節になる可能性が高くなります。

 

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 パソコン業務でコピー&ペーストを頻繁に行うなどショートカットキーを多用している人は、左手の小指の第一関節周りが非常にこわばっている可能性があります。そして、その影響でからだに不調な状態になっているかもしれません。
 ショートカットキーの使い過ぎが原因で、背中の左側が張って痛くなり、左側の坐骨神経痛になってしまった人が来店されました。

 来店時のこの人の状況を説明いたします。
 ベッドで伏臥位(うつ伏せ)になっていただいたときに、左側の肩甲骨が背骨の方に大きく寄っていて肩甲骨内側の筋肉が盛り上がった状態になっていました。そして坐骨神経痛を発症した左側殿部では、大腿骨が股関節から少し離れた状態になっていました。

左肩甲骨と大転子

 坐骨神経痛になってしまう原因はいくつかありますが、殿部の仙骨~大腿骨に繋がっています梨状筋(りじょうきん)の強い張りが原因となっている場合が多いです。坐骨神経は骨盤の内部から骨盤外に出てくるときに梨状筋と他の外旋筋群の間隙を通過しているのですが、梨状筋がこわばって硬くなりますと、その部分で坐骨神経を圧迫するようになり神経痛のいろいろな症状が現れます。(梨状筋症候群と呼ばれます)
 この状態は一般的な受け止めでは、「お尻がすごく硬くなって神経痛の痛みやしびれを感じる」といった感じだと思います。ですからこのような場合、施術では梨状筋のこわばりが解消されて、お尻に柔軟性が戻るようになることを目指すことになります。

梨状筋と坐骨神経2

 さて、この人の場合、今回梨状筋がこわばってしまったのは、股関節で大腿骨が本来の位置よりも外側にずれてしまったことが原因です。梨状筋の出発点(起始)である仙骨と終着点(停止)である大腿骨大転子との間が広がったために梨状筋は引き伸ばされた状態になりますが、その力に対抗しようとして梨状筋は収縮状態になります。これを梨状筋の緊張状態と表現してもよいと思いますが、このような原理で梨状筋が硬く太くなって坐骨神経を圧迫するようになります。
 ですから、大腿骨(大転子)の位置を本来の位置に戻す作業が必要になります。

 私は勉強会などで筋肉と骨格の関係を説明するときに、しばしば電柱とそこに張られている電線の関係を例に取り上げています。筋肉の最大の特徴は自ら伸び縮みすることですから、その時の能力の範囲内で伸びたり縮んだりしている分には問題は生じません。それはストレッチ運動を体験すればわかることだと思います。筋肉がジワーッとスムーズに伸びていく感覚は心地よいものです。ところが限界近くまで伸場されますと「それ以上伸ばさないで!」というサインが痛みとして現れます。ですからストレッチは心地よい範囲内で行うのが原則となります。
 もし、痛みを感じてもさらに伸ばそうとしますと、筋肉は自己防衛のために収縮する力を発動します。引き延ばされる力に対抗するためです。そしてこの状態は緊張状態であり、筋肉がこわばった状態ですから、筋肉はピーンと筋張って柔軟性を失い硬く太くなります。
 この原理を筋肉と骨格の関係にあてはめますと、筋肉が直接つないでいる骨と骨の間が本来の状態よりも離れますと、それは筋肉が引っ張られている状況と同じですから、筋肉はこわばり、硬く太くなります。そして反対に骨と骨の間が狭まりますと、筋肉はたるんだ状態になりますので、本来の能力(=収縮力)を発揮することができなくなります。筋肉の働きが不十分な状態です。

電柱と電線の関係

 さてこの人の場合、梨状筋の起始である仙骨と停止である大腿骨大転子の間が広がってしまったために梨状筋がこわばってしまったのですが、「なぜ間が広がったのか?」をまず考えなければなりません。
 股関節で骨盤と大腿骨を繋いでいる筋肉は幾つかありますが、一般に腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれている腸骨筋(ちょうこつきん)と大腰筋(だいようきん)は大きな影響力を持っています。
 そして腸骨筋は肩甲骨内縁にあります小菱形筋(しょうりょうけいきん)と、大腰筋は大菱形筋(だいりょうけいきん)と連動関係にありますが、ここでこの人の左側肩甲骨が本来よりも背骨に近づいている状況が絡んできます。

菱形筋と腸腰筋

 股関節で大腿骨が本来の位置よりも骨盤から離れているということは、腸骨筋と大腰筋の働きが悪く、大腿骨を骨盤に引き寄せる力が弱くなっている可能性が考えられます。ということは連動関係にあります小菱形筋や大菱形筋の働き=収縮力も悪くなっているはずです。
 この人の場合、左側の肩甲骨が背骨に近づいている、つまり小菱形筋と大菱形筋が直接つないでいる骨と骨の間が本来よりも狭くなっている状況ですから、これら二つの筋肉は働きの悪い状態になっています。
 繰り返しになってしまいますが、以上の状況から予想できますことは以下のとおりです。
  1. 左側の肩甲骨が背骨に近づいていることで小菱形筋と大菱形筋が収縮力を発揮できない状態になっており、
  2. それが連動する腸骨筋と大腰筋に及んでそれらの筋肉も収縮力の悪い状態になっているために大腿骨が股関節から遠ざかった状況をもたらし、
  3. 梨状筋が引っ張られて強くこわばってしまい坐骨神経を圧迫して坐骨神経痛を発症してしまった。
 ですから左側の肩甲骨の位置が坐骨神経痛の主な原因であるという予想となりますが、実際、私の手で左側の肩甲骨を本来の位置に引っ張りだします(背骨に近づいていたものを外側に動かして引き離す)と大腿骨の位置が骨盤に近づき、梨状筋のこわばりも改善しました。ですから、今度は「何故、肩甲骨が背骨に近づいてしまったのか?」という問題に取り組むことになります。

小指先の強いこわばりと僧帽筋と背中の痛み
 この人の仕事は終日パソコンでのデスクワークです。そして左手でのショートカットキーを頻繁に使っているとのことです。ショートカットキーを頻繁に使っている人の特徴として、小指の先端、第一関節の周辺が強くこわばっていることがあります。左手でのショートカットキーを頻繁に使っているのであれば、右手の小指に比べて左手の小指先が少し曲がったようになっているかもしれません。それは、小指先を軸にしてキーを押さえたまま他の指を操作しますので、どうしても小指に負担が掛かってしまうからです。

小指先の「こ」

 そして、この第一関節周辺の強いこわばりは手や腕の筋肉や筋膜のこわばりへとつながり、体幹の方につながっていきますが、この人の今回の場合は、僧帽筋(そうぼうきん)の中部線維の強いこわばりを招いていました。
 僧帽筋は背骨を起始(出発点)として肩甲骨を覆うように肩甲骨の外端(肩峰と肩甲棘)に付着していますので、こわばる(収縮する)ことで肩甲骨を背骨に近づけていました。さらに、僧帽筋中部線維の強いこわばりは「背中左側の痛み」を招いていました。

中部僧帽筋「こ」による菱形筋の「ゆ」

 小指先の強いこわばりは、第一関節付近の深部に、「コリッとしたマメ」のような存在として確認できます。第一関節付近の硬いところを揉んでいますと、次第に表面が柔らかくなりますが、そうしますと揉んでいる手先が奥の方に届くようになります。すると、この硬いマメのような塊を感じることができるようになりますが、その塊はちょっと圧するだけでもかなりの痛みを伴います。しかしこの硬い塊をほぐさないと様々な問題が解決しませんので、痛みをこらえていただきながら揉んだり、指圧し続けることになります。そして、2~3分くらい施術を行っていますとマメ状の塊が柔らかくなりますが、同時に僧帽筋のこわばりも解消されて肩甲骨の位置が本来のところに戻るようになります。
 
 上記で説明させていただきました理屈が正しければ、肩甲骨の位置が本来のところに戻りますと小菱形筋と大菱形筋の張りと働きが戻りますので、連動する腸骨筋と大腰筋の働きも回復して大腿骨と骨盤との関係が正しくなり、梨状筋のこわばりが解消されるはずです。そして坐骨神経の症状はなくなるはずですが、実際、そのようになりました。

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 この人は元々左肩の酷い五十肩をなんとかして欲しいということで来店されました。腕を抱えていないと夜も眠れないほどの重症でしたが、今は、まだ完全に良くなったとは言えませんが、ほとんど日常生活には支障がない程度になっています。
 「もしかしたら五十肩の原因もショートカットキーの使いすぎから始まったのかな?」などと思ったりしています。

 実際、コピー&ペーストなどで頻繁にショートカットキーを使われている人は多いと思います。右手や右腕や右肩に比べて「どうも左側が気になる」とか「左側が辛い、うっとうしい」などと感じているのであれば、それは小指先のこわばりが原因である可能性もあります。けっこう痛みを感じると思いますが、第一関節付近を「強い痛みを感じ、そして痛みが和らいでいく」まで揉みほぐしてみてください。きっと左側の状態が変化すると思います。
 ただし、表面だけほぐしていたのでは痛みも感じませんし、効果もありません。

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