ゆめとわのblog

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カテゴリ:体力・免疫力 > エネルギー

 当院では、まずベッドに伏臥位(うつ伏せ寝)になっていただいた状態から施術を始めることが多いのですが、それは症状の別に関わらず、全身の状況を確認するところから施術に入りたいと考えているからです。
 背面の歪みを観察し、軽く擦ってからだを揺らしながら背骨の状況、筋肉の大きな変調、骨盤の状態などを確認していきます。
 そして時々、「この人は今、胴体(上半身)が本来よりも長くなっていて短足に見える状態だ」と思うことがあります。

 骨盤の位置が本来より下がってしまい、お尻も垂れてしまっているために短足に見えることもあります。
 あるいは、骨盤と胸との間が間延びしたようになっていて胴が長くなっていると感じる場合もあります。
 今回は、からだの歪みの一つとして、胴(上半身)が本来よりも長くなっている状態について取り上げてみます。

筋骨格系の問題で上半身が長く見える

 私たち日本人は欧米人やアフリカ系の人達と比べますと、お尻が下がって短足に見える傾向があります。実際に脚の長さが違う面もありますが、お尻(=骨盤)の在り方次第で見栄えといいますか印象がかなり違ってきます。

 骨盤が前傾していてお尻がプリッと上がっている人達は、やはり脚が長く見えます。反対に骨盤が後傾していてお尻の肉も下がっている場合は、実際以上に脚が短く見えてしまいます。
 ですから傾きも含めて骨盤のあり方はスタイルにとって重要です。

 そしてもう一つ、骨盤の傾きにも関係することですが、実際に骨盤の位置が下がってしまう場合があります。
 それは、お尻の筋肉である小殿筋と中殿筋に関係しています。

 小殿筋も中殿筋も骨盤(腸骨)から始まり、大腿骨の大転子というところに繋がっています。ですから、股関節で大腿骨を外側に開く(外転)働きがあると、解剖学などの専門書には記載されています。書物によっては股関節の内旋など違う働きをするとの記述もありますが、概して、小殿筋も中殿筋も同じような働きを行い、股関節を支え、歩行を支えるために働く筋肉であるとされています。

 ところが、私はまったく別の見方をしています。
 それは連動する筋肉のことを知ることでわかります。
 小殿筋は中殿筋に比べて短い筋肉ですが、膝関節では膝裏にある短い膝窩筋(しつかきん)と連動します。上半身の肩関節ではやはり短い棘上筋(きょくじょうきん)と連動し、肘関節でも短い肘筋(ちゅうきん)と連動します。
 短い筋肉は大きな動作に関わるよりも、関節において骨と骨の関係を正しい状態に整える役割を有していると私は考えています。
 ですから小殿筋は、股関節で骨盤と大腿骨の関係を適切な状態に保つ役割として重要です。

 一方、小殿筋より大きくて筋の長さも長い中殿筋は動作を支え、姿勢を保つ働きをします。理想的な状態で立つことのできる人は、立った時にお尻にエクボができますが、それは中殿筋の働きによるものです。

 そして、歩行の時に片脚立ち状態をしっかりした状態に支える役割を担っていますが、上半身で歩行運動に関わる腰方形筋(ようほうけいきん)と連動関係にあります。歩くときにお尻(=骨盤)がプリッ、プリッと左右交互に持ち上がるようになりますが、それは中殿筋と連動して上半身の腰方形筋が収縮することで骨盤を引き上げている姿です。
 ですから、中殿筋の働きが悪い状態になりますと、腰方形筋も収縮力を発揮することができませんので、骨盤の動きが感じられないトボトボとした、脚だけで歩いているような歩き方になってしまいます。

 さて、小殿筋も中殿筋も股関節を支える重要な筋肉ですが、互いに拮抗する関係になることがあります。つまり小殿筋が収縮してこわばった状態になりますと、中殿筋はゆるんで伸びた状態になります。そして、このような状態の人がたくさんいます。

 小殿筋と連動する筋肉の一つに膝裏の膝窩筋がありますが、膝裏がボーン膨らんで張っているような人のほとんどは膝窩筋がこわばった状態になっています。

 膝窩筋がこわばってしまう理由はいくつかありますが、踵重心やO脚で膝の裏側にテンションが掛かってしまう人(反張膝など)はこわばっている可能性が高いです。また、足首が硬くなっていて上手く軽やかに回すことのできない人も膝窩筋がこわばっています。
 足首の問題はもっと詳しく説明しなければならないと考えていますが、簡単に概要だけ申し上げます。

 足首(足関節)にはいくつもの大きな靱帯があります。捻挫の症状はその靱帯が損傷して伸びてしまったためにもたらされますが、足首の運動が足りなくなったり、あるいはしゃがみ込んだ姿勢や重心の掛かり方が偏ったりしますと、捻挫とは反対に靱帯が縮んで硬くなってしまいます。
 足首を回すと痛みを感じたり、あるいは一部(足首より前)は動くけど踵も含めた足全体を回旋することができないような人は足首の靱帯が硬くなっていると考えられます。
 足首の靱帯が縮んで硬くなりますと、ふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)を足の方(=下方)に引っ張る状態になります。
 そしてこの時、膝関節に注目しますと、脛骨が下方に引っ張られたことによって大腿骨との関係で微妙に隙間が大きくなってしまいます。すると大腿骨と脛骨の関係を適切に保とうと働いている膝窩筋は自身を収縮させて関節を保持しようと頑張るようになりますが、これが膝窩筋のこわばり状態を招いてしまいます。

 膝窩筋のこわばりは筋連動の関係にある小殿筋をこわばらせますが、それによって拮抗する中殿筋はゆるんで働きの悪い状態になります。そして、それがお尻のたるみに繋がります。
 さらに、中殿筋と筋連動の関係にある腰方形筋もゆるんでしまいますので、肋骨と骨盤との間(距離)が拡がってしまい、胴が間延びしたような状態になりますし、骨盤が下がった状態になってしまいます。

 以上がよく見かける、小殿筋と中殿筋の関係による胴が間延びした状態の例ですが、小殿筋がこわばってしまう理由は膝窩筋のこわばりによる以外にもありますし、中殿筋がゆるんで腰方形筋の働きが悪くなる理由もいくつかあります。
 ですから、お尻を上げて脚が長く見えるようにしたいと考えるのであれば、小殿筋と中殿筋の状態に着目して、からだを整えることが筋骨格系での施術方法になります。

エネルギー不足で上半身が長くなってしまう

 上記で説明しました筋骨格系の問題で”胴長に見える”状態を整えることは、たいして難しいことではありませんが、なかなか手強い状況もあります。
 それは骨盤を中心とした、からだの中心部が力不足の状態になっていて、腹筋や腰部背筋の働きが悪いために胴長になっている状況です。

 からだを上半身と下半身に分けて考えたとき、肋骨(胸郭)から上を上半身、骨盤から下を下半身として、骨格のない(背骨はありますが)お腹と腰部をその繋ぎ役として見ることができます。
 繋ぎ役である腹筋と腰部背筋がしっかりしているのであれば、それは体幹がしっかりしているということであり、全身が一繋がりのものとして一体的に機能できます。

 例えば、手先を動かして作業するときでも、筋肉連動の仕組みによって足元や下半身からの力を利用することができますので、手先や手の筋肉はたいして疲れません。(同じ仕事をしても、疲れをあまり感じないような人はこのタイプに入ります。)
 ところが繋ぎ役である腹筋と腰部背筋の働きが悪い状態になりますと、上半身と下半身の動きに連動性がなくなってしまいます。手先を動かすときなど、足や下半身の筋肉はその動きに関わることができなくなりますので、腕や肩の力だけで作業を行うようになってしまいます。すると必要以上に力を入れなければならない状態になりますので顔や首に余計な力が入ってしまい、首肩のコリが強くなってしまう可能性が高くなります。もちろん手や腕の筋肉もこわばります。

 ときどき、このような状態の人を見ますが、その原因を私は「エネルギー不足の状態」と考える時があります。
 からだが「エネルギー不足」という状態を論理的に説明することは難しいのですが、感覚的に、やはり「体幹のエネルギーが足りない状態」というのが一番しっくりきます。

 それは仕事や作業のしすぎなどオーバーワークによってからだが疲れ、力が足りなくなってしまったという状態とは異なります。そうであれば休息をとることで解決することができます。
 あるいは、冷えなどの理由で筋肉の働きが悪くなったり、血流やリンパやエネルギーの循環が悪くなって力不足の状態になってしまうことがありますが、それとも違います。

 例えば風邪など引いて高熱がでてしまい、一日中布団の中で寝ていたとします。やがて高熱が治まり、頭も軽快になってきたので布団から出て何か食べようと起き上がろうとしたときに、何となくお腹や腰に力が入らなくなり、歩き方もフラフラしてしまうことがありますが、それに近い状況かもしれません。
 からだのエネルギーが高熱と闘うことに総動員されていたので、体幹のエネルギーがスカスカの状態になってしい、しばらくはエネルギー不足の状況になってしまう、そんな状況です。

 このように考えますと、この状態を解消するためには、本来体幹にあるはずのエネルギーが別の場所に行ってしまったのを(体幹に)呼び戻さなければならないということになります。
 東洋医学の「気の世界」に「導引」という手法がありますが、このことを指しているのかな? などと思ったりします。

 さて、ではどのような施術によって体幹のエネルギー不足状態を解消するかということになりますが、私は「筋肉を使える状態にすること」が肝心だと考えています。
 抽象的な表現ですが、この表現が最も正しいと思います。そして「使えない状態を、使える状態にする」というのは、私の仕事の核心的なところでもあります。

 からだに潜んでいる秘密の一面ですが‥‥、不思議なことに筋肉は、周辺環境を整えて、その筋肉が働きやすい状況になりますと、自ずと働くようになります。そして、その状態で働きだしますと自然とエネルギーが増大するようになります。(ただし、その筋肉にダメージがあったり、よほど疲労したり体力が衰えてしまったりした場合は違います。)
 つまり、エネルギーを高めるためには筋肉が適度に使われることが必要で、そのためには骨格が整っていて重心移動がスムーズに行える状況にあるなど、周辺環境が整っている必要があるということです。
 反対から申しますと、周辺環境など含めて筋肉が働ける条件が整っていませんと、働かせたくても働くことができないということです。

 ほとんどの人は、筋肉は「使えば、使えるようになる」と思っています。例えば腹筋が使えない状態なら、腹筋運動などトレーニングをすることによって腹筋の筋力が強くなりますので、腹筋が使えるようになるだろうと考えていると思います。
 ところが、それは誤解です。このブログでは何度となく申し上げてきましたが、重心移動が正しく行えないと目的の筋肉は作動することができません。

 少し前のブログで取り上げましたが、例えば座った状態で上半身を前傾させる運動では、腹筋が働いて下腹部の踏ん張りによって上半身の前傾を保てている状況が本来のあり方です。ですから、上半身を前傾するに従って恥骨付近に力が溜まってきます。

 しかし、これができない人がいます。上半身を前傾させる動作を背骨や腰部の筋肉で支えてしまうような人です。坐骨に重心(前傾運動の支点)が残ったままで上半身を屈めてしまうので、背中側の筋肉で動作を行ってしまうのです。
 腹筋を使って前傾動作のできる人は、動作の最初に重心を坐骨付近から恥骨の方に移しながら前傾動作を行います。ですから見かけ上は、恥骨や下腹部が前方に出るような感じで上半身を前傾させるようになります。

 重心の在り方によって作動する筋肉は厳密に限定されます。ですから、いくら腹筋を鍛えて筋力をアップしようとも、恥骨に重心が移らなければ腹筋は効率よく作動しません。「腹筋を使おう」「腹筋を使いたい」と意識しても、願っても、それは無理なのです。

 そして上半身の前傾運動だけでなく、私たちの日常生活の動きのほとんどで腹筋と背筋は交互に使われるようになっています。
 例えば歩く動作においては、上げた前足を着地するまでの過程では腰部が少し反って重心が後側(軸足)にありますので、背筋が主に働いています。しかし着地した前足が軸足に変わり、地面を蹴るようにからだを前方に移動する段階では、骨盤の前側に重心が移動して腹部前面の筋肉が仕事をするようになります。
 デスクワークにおいては、椅子に座り続けていますと腰が疲労しますので、しばしば姿勢を変えて座面に当たる場所を前後左右にちょこちょこ動かしたりします。それは無意識的な行為ですが、重心の掛かっている場所を変えることで、働く筋肉が特定の筋肉に偏らないようにしているということです。腹筋を使ったり、腰部の筋肉を使ったり、腹筋でも右側を使ったり、左側を使ったりして、特定の筋肉が疲労しないようにしているわけですが、それができるためには重心移動が思い通りにできる状態になっていなければなりません。腰や殿部を傷めたりして、ある一部分が体重の負担に耐えられない状態になっていますと、思い通りの重心移動は実現しなくなってしまいます。

 また、筋肉には特性がありまして、収縮し続けたり、伸ばされ続けたりと、同じ状態を長く続けていることが苦手です。
 収縮し続けたり、過度に使われ続けますと、こわばったり、あるいは疲弊して働きの悪い状態になってしまうことがあります。
 反対に、使われない状態が長く続いたり、伸ばされたまま長時間放って置かれますと、伸びきって戻らなくなったゴムやバネのような状態になって上手く収縮することができなくなってしまうことがあります。
 仮に、骨盤の後側(坐骨)にある重心を前方(恥骨)に移動することができない状態だったとしますと、それは腹筋を上手く使うことができない状態ということです。本人の感覚では「お腹に力が入らない」と感じるかもしれません。
 すると腹筋ではなく背筋ばかりを使ってしまうようになりますので、背筋は疲弊し、腹筋は収縮できない状態を招く可能性があります。

 実際、私が体幹のエネルギー不足と感じるタイプの人の姿勢は、背中が丸まって猫背気味で、骨盤が後ろに倒れている傾向があります。
 骨盤が後ろに倒れているということは、座った時に坐骨より後側に重心が掛かっているということですから、座った状態では常に背中側の筋肉ばかりに負担が掛かるようになってしまいます。
 ですから、体幹の背中側は背筋が使われすぎて疲労し、働きが悪くなって伸びた状態になっています。また、お腹側の腹筋はほとんど使われませんのでゆるんで伸びた状態になっています。
 この状況を言葉で表現しますと「腹筋と背筋の働きが悪いので骨盤と胸が離れて胴が長くなってしまった」ということになりますし、私は「エネルギー不足で胴長の状態になっている」と感じて表現しています。

 ですから、この状況を脱して体幹を本来の状態に戻すためには、恥骨側に重心を乗せることができる状態にして、腹筋を使えるようにすることが必要です。
 腹筋が使えるようになれば背筋に掛かる負担も減りますので、背筋の疲弊状態も解消することができます。体幹において腹筋と背筋のバランスが良くなりますので、エネルギー不足と感じた状態は解消されることになります。

 「おなかに力が入らず、内臓の働きも今一で、背中や腰の辺りがいつも張っている」と感じ、何となく胴も長くなったと感じるようであれば、以上のような状態なのかもしれません。



 以上、本来の姿よりも胴長に見えてしまう状況につきまして、筋骨格系の観点と、エネルギー不足の観点で説明させていただきました。

 先日、高校時代のクラブ仲間と忘年会を行いました。私以外は会社勤めの仕事をしています。来年は私たちは60歳になりますので定年が間近に迫っています。再雇用を考えている友人、別の会社への就職を考えている友人など、それぞれですが、平均寿命が延びた現在は60歳を超えても皆、まだまだ働かなければなりません。
 こんなことを思いますと、みんな歳をとっても若々しく元気でいてほしいと思います。そして、歳をとっても顔の皺は少なく、背中もスッと伸びた状態でいることは、生き甲斐と活力に満ちた生活を送る上で重要なことだと思います。

 これまで「上昇する力」や「舌の在り方」について取り上げてきました。そして、今回の「エネルギー不足」の話も含めて、私たちのからだに潜んでいる見えざる仕組みを知っていただき、活用していただき、人生100年時代を生き抜いていただきたいと思っています。90歳まで背筋の伸びたからだでいて欲しいと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 私たちのからだは外界と「気」のやり取りをしながら生理現象を行っているようだ、という話を前回させていただきました。
 そして、手のひらと足裏は体内から外界に向けて気を放出する出口になっていて、そこから気が放出されている状態が望ましい、という話をさせていただきました。

 今回は具体例を示して、前回の続きをさせていただきます。

腎の気は足裏から出す

 しばしば腰痛と間違われるのですが、腎臓が膨らんで肋骨を圧迫しているために腰部から背中にかけて辛い思いをしている人がいます。

 腎臓は胸郭(肋骨)の下部~腰部にありますので、膨れたり腫れたりしますと下位肋骨を内側から押すようになります。
 仰向けで寝たりしと肋骨は背中側から内臓を押し上げるようになりますが、その刺激で腎臓のある辺りが辛くなり、耐えがたく感じる場合があります。あるいは、膨れや腫れが慢性化して硬くなりますと、常に肋骨を圧迫する状態になりますので、どんな体勢でも常に辛くなるという状態を招きます。
 この状態を「腰痛が悪化した」と感じる場合がありますが、からだを前後に動かしたり、左右に捻ったりすることに何の不自由さもなければ、骨格や筋肉の問題ではありません。つまり筋骨格系の腰痛ではありませんので、マッサージなど行っても症状はまったく改善しません。

 このように腎臓は膨らんだり腫れたりすることがあります。それが腎機能と関係しているのかどうかはわかりませんが、疲れが溜まったりしますとこのような状態になりやすいと思います。

 腎臓が肋骨を圧迫しているような状態に対しては、私は次の3点を考えながら施術を行います。
 ・耳と腎臓との関連性
 ・静脈系に問題があるか
 ・気の流れが停滞しているのか

耳と腎臓の関連性

 東洋医学の考え方では、腎臓と耳には深い関係があります。
 そして実際、このことは現象として現れます。

 耳が過敏な状態であったり、頭蓋骨が歪んで耳の位置がずれていたりしますと、その影響で腎臓が膨らむ、あるいはむくむことがあります。また反対に、腎臓の状態が思わしくなかったり、膨れた状態になりますと耳の機能に変調が現れることがあります。
耳の問題‥‥低音難聴 参照)

 耳が過敏な状態とは、それまではほとんど気にならなかった騒音などの音が気になるようになったり、音がうるさく感じたりする状態です。その他に、耳に膜が張っているように感じ音がこもったり、自分の声が頭の中で響いたりする耳管に関係する症状、難聴や耳鳴りなども腎臓と関係している場合もあります。
 これらのように耳の状態がおかしく、同時に腰部(腎臓のところ)に不快感や圧迫感を感じるようであれば、腎臓の膨れや腫れの問題を耳との関連性で考えてみるべきだと思います。

静脈系に問題があるか

 静脈とリンパをあわせてここでは静脈系と呼びますが、静脈系の停滞はむくみにつながります。ただその場合、腎臓だけがむくみということにはなりません。顔や手や足などもむくんでいて、さらに腰部が辛いようでしたら、静脈系のことも考えに入れて対処する必要があると思います。

 ただし私は、どんな人に対しても静脈系は必ず確認して整えるようにしています。私のような仕事は動脈系よりも静脈系を整えることに適していると思います。静脈系についての詳細はこちらを参照してください。

気の流れが停滞している

 通常、からだは足裏から気を放出していますが、その流れを利用して腎臓は自身が放出すべき、いわば「邪気」とか「不要となった気」と呼べるものを放出していると私は思っています。
 ですから、足裏から気が放出できない状態になりますと、腎臓に気が溜まってしまう状態になってしまいます。私はそんなふうに考えています。
 この状態が長引きますと、腎臓が気で溢れたようになり、膨らんでしまうのではないかと思います。そしてその膨らみが肋骨を圧迫して辛くなったり、あるいは腰部(腎臓のあるところ)を手で圧迫すると「ウッ」と不快に感じて思わず声がでてしまう状況になってしまうのだと思います。

 昨年から整体療法の勉強会を行っていますが、先日の勉強会では「気の流れ」をテーマにしましたが、ちょうど参加者の一人の腎臓が少し膨らんだ状態になっていました。背部から腎臓のあるところを圧迫しますと「うっ」と声を出してしまうような不快感を感じます。
 「足裏から気が放出できるようになると、どう変化するか?」
 ということで勉強会を進めました。足裏から気が放出できるようにするためには、基本的には膝から下(下腿と足首と足)を整えることがポイントです。
 施術の詳細は省略しますが、骨格と筋肉を調整しますと、気が出る状態に変化しました。私が施術したのではなく、他の参加者に考えてもらいながら実際にやってもらいました。左右への施術で20分間くらいの時間を要したと思います。そして座ってもらい、腎臓の状態を確認し、さらに圧迫してみましたが、膨らみはなくなり、圧迫による不快感もなくなっていました。
 「腎臓で停滞していた気が足裏から出ていったので、膨らみが消え、腎臓に余裕が生まれた」ということだったと思います。

腎臓の反射区を利用して腎臓の状態を整える

 腎臓の膨らみ状態の程度によりますが、膨らみが大きく硬くなっているような場合は、実際の施術では上記で挙げました3つのことを実行しますが、さらに腎臓の反射区を利用します。
 「反射区」とはいわゆる「足つぼ療法」と呼ばれる施術の時に用いるツボ(正確には反射区)のことですが、そこを刺激することで対応する臓器に影響を与えることができるとされる部分のことです。

 腎臓の反射区は手のひらと足裏にありますが、私は両方を利用します。
 足裏の反射区を刺激するときは、「ここから気が出て行ってね!」という思いを込めて施術をします。そしてその後で手のひらの反射区を刺激しますが、この時の思いは「この刺激が腎臓に伝わって気の巡りが活発になり、腎臓の気がどんどん足裏に向かって欲しい」というものです。

 よほど腎臓の膨らみが頑固な状態でない限り、耳を整え、静脈系を整え、気の流れを整えて腎臓の反射区を刺激しますと、大概はそれで腎臓の膨らみは解消して、腰部に余裕が生まれます。それまで溜まっていた気が抜けていきますので、スッキリしてからだが軽くなった気になると思います。
 ところが、たまになかなかスッキリした状態にならない人がいますが、そのような人は長年の慢性化により腎臓の膨らみがとても頑固な状態になってしまった人だと思います。

頭や心の中のモヤモヤは手のひらから出す

 頭痛や頭重とは違いますが、何となく頭の中がモヤモヤしていたり、たくさん詰まっているように感じる時があります。静脈の流れが悪くて、頭の中に血液がたくさん残っているような場合もありますが、その他に、やはり「気」やその類のものが停滞していると感じられる場合もあります。
 多くの人は、深い眠りの時以外、ずっと頭の中で何かを考え続けていると思いますが、その思考も頭の中に残ったままですと、それは邪気と同じような影響を及ぼすのではないかと思います。
 本人はストレスが多いと感じているだけかもしれませんが、頭の中が「想いで満タン」といった感じの人が時々来店されます。

 また、不安や心配、苦しみや悲しみといった感情が胸に溜まっている人もいらっしゃいます。どうしてそれが右胸かなのか理由はわかりませんが、右胸の鎖骨の下辺りが硬く膨らんでいて、そこの深部を揉みほぐしますと強い痛みを感じる人がいます。
 それが単純に、右胸が硬いだけの問題であるならば、しばらく揉みほぐすことによって柔らかくなりますので、私はそれほど考えません。
 ところが、その硬さが影響して腰が張っていたり、頭部が歪んでいるなどの状況になっていますと、「柔らかくなればいい」と簡単には片付けられません。やはり根本的な原因を追及して、そのような状況にならないことを考えなければなりません。

 精神的ストレスも含めて頭の中を窮屈にしている思考の数々、心(胸)の片隅に巣くってしまったしつこい感情、これらは健康を害し、からだを歪める可能性があります。ですから、からだから排出する必要があります。そして余裕のある頭と心を取り戻していただきたいと思います。

 しかし、このしつこいものを「どうやって出したらいいの?」と、反論されると思います。

 そこで、そのための効果的な方法は、手のひらから放出される気と一緒に、外に出してしまうことだ、と私は考えています。

 手のひらから出すための最も簡単な方法は、手のひらを最大限に拡げることです。太陽に向かって、あるいは大空に向かって手を高々と上げ、手のひらを思いっきり拡げます。
 この状態をしばらく続けていきますと、手のひらの拡がりは大きくなると思いますが、次第に手のひらの真ん中辺りがムズムズしたりスースーしたりし始めると思います。それは気が抜けていく合図のようなものです。そして、その後はしばらくの間、普通にしていても気が通って抜けていく感じがしていると思います。そして、少し頭がスッキリしたり、心がスッキリしたりするのではないかと思います。

 私は整体師として、常にそのような状態であるようにするために、肘や手首や手指を整えます。
 頭や胸からの気は、肩関節~肘関節~手首(手関節)などの関節が歪んでいますと、なかなか流れ出てくれません。そして、これらの関節が慢性的に歪んだ状態になっている理由は、昔の古傷が治りきってないことによる影響と現在の手指の使い方の癖による影響が考えられます。
 詳細は専門的になってしまいますので、ここでは説明しきれませんが、前回記しましたように、手を握ってグーを作るときに人差し指側と小指側のどちらを主に使っているかは重要なポイントになります。
 人差し指と親指側を主体に手を使う人は、字を書く時に筆圧が強くなってしまいます。スラスラ字を書くという感じではなく、いろいろな動作で肘を挙げて脇が開いた状態になってしまう特徴があります。そして首や肩に力が入ってしまいますので、首肩のコリを感じやすくなります。
 そしてこのような人は、前腕(肘から手首にかけて)が内側に捻れ(回内位)ていますが、その反動で上腕(二の腕)が外側に捻れ(外旋位)、さらに肩(上腕骨)が前に出ているという特徴があります。手首も内側に捻れ、親指のつけ根が少し内側に落ち込んでいるかもしれません。
 これはパソコンやスマホを多用している人に多く見られる特徴ですが、このような人達はおそらく気が放出されていませんので、頭や心がスッキリしている状態ではないと思います。

 現在、かつてバイクで転んでしまい、右肩周辺を打撲した影響で不調を抱えている青年が来店されています。当初は、右肩関節周辺の問題以外に呼吸が苦しく、不安症で、少し鬱気も感じるという状況でした。
 これらの症状の主な原因は、右肩周辺と右腕の筋肉の損傷が治りきっていないことによって右腕と右肩の関係がおかしかったからです。
 初回の施術はその辺りの損傷を施術することに集中しましたが、それで呼吸が楽になりました。呼吸が楽になって頭部に酸素が十分行き渡るようになったのだと思いますが、それで不安症も改善したとのことでした。
 2週間後に2度目の施術を行いましたが、その間のことについて尋ねますと、呼吸の苦しさはかなり軽減し、鬱気も消え、不安症の方も良くなったとのことでした。
 しかし私の観点では、まだ手のひらから気が出る状況ではありませんでしたので、そうなることができれば彼の心理的な状況ももっともっと良くなるだろうと思いました。
 そんなことを思いながら、先日4回目の施術を行いました。思いの外、右肩周辺の回復が遅いので「打撲だけではないのかなぁ?」と思いました。そして、改めてからだをいろいろ観察していきました。
 すると、右足首で足趾のつけ根の靱帯が伸びているのを見つけました。捻挫痕のような感じです。そこを調整しますと右腕の状態がパシッとし始め、気が通るようになるを感じました。
 これでやっと手のひらから気が出る状態になることができます。そうなれば、もっと頭の中がスッキリするでしょうから、良い状態で安定すると思います。

 「人間は考える葦である」という有名な言葉がありますが、私たちは深い眠りにあるとき以外、ずっと考え続けています。ですから次から次へと思考が生まれているわけですが、それらがいつまでも頭に残っていますと、それは不調を招きます。
 私は皆さんの頭を触ったときに、「詰まっているなぁ」と感じることがあります。大概は頭部の右側が詰まっていて、実際後頭部の右側が大きくなっています。(そのように頭蓋骨が歪んでいる)
 そして、そんな時は「右手のひらから出して頭を軽くしたい」と思います。施術時間に余裕があれば、そのようにしています。


 今回の話題に対する説明をどれだけの人が信じてくれるかわかりませんが、私は実際に体験していること、つまり私の真実をそのまま記しました。
 そして、このようなことは実際に勉強会でのテーマにしていますので、誰もが知って体験することができます。もちろん、来店された方も知ることができます。
 頭や心がスッキリしない人、不安や恐れとどう対峙すればよいかと悩んでいる人、腰部が辛く感じている人、からだの中に気が停滞していると感じている人、そんな人は機会があればご来店ください。

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 今回は、現代医学(科学)ではまったく無視されているような「気」についての話題です。

 昨年から月二回のペースで整体の勉強会を行っていますが、参加者に私の手のひらを見せて、
 「私の右手からは気が出ていますが、左手からは出ていません。」
 「左手の方は親指と人差し指の間の辺りでは反対に気が入っていってますが、わかりますか?」
 と、唐突に尋ねてみました。
 
 普段は、現代科学に基づく解剖学の用語を使って勉強会を進めていますので、「気」のことに関しては皆さんほとんど無知の状態です。

 「エッ????」という反応でしたが、

 「とりあえず、私の手のひらを触って、左右を比べてみてください」と言いました。

 最初は、戸惑うばかりといった反応でしたが、
 「右手の方は、手のひらの中央部分から何かが出ているような気がしませんか?」
 「左手の方は、同じ部分にそのような感じがないことはわかりますか?」
 と誘導しますと、
 「そう言われると、そのような気がする」と反応が返ってきました。
 いきなり「気」のことを問われても、それは戸惑うばかりだったと思います。

 次に、私は両手を握ってグーを作りました。
 そして、また尋ねました。
 「右手と左手で握り方が違うのですが、何処がどう違いますか?」

 答えは、右手の握り方では、小指と薬指側が中心になってグーを作っていて、左手の方は人差し指と中指を中心にグーを作っているということでした。
 つまり、手のどこを主に使って握る動作を行っているのか、使っている筋肉と気との関係を知って欲しかったのです。

 唐突ですが、
 運動会のリレーで、バトンを握るとき、どこで握るのが良いか? ということにも通じるのですが、小指側を中心に握るのが正しい在り方です。そうであれば、走るときに肩に力が入りませんので、腕を大きく振ることができますし、走りながら「バトンを落としてしまうかも」という心配も感じません。
 反対に、親指と人差し指側を主に使ってバトンを握ってしまう人は、自然と肩に力が入ってしまいますので走りが遅くなってしまいます。また、バトンを落としやすいと不安も感じてしまいますので、ギュッと強く握るようになります。ですから、益々肩に力が入った走り方になってしまいます。

 そして、それは「気」の流れと関係しているのですが、そのことを勉強会の参加者に知っていただきたいと思ったのです。
 手のひらから気が出ている人は小指側を中心に握りますが、それは理にかなっています。
 手のひらから気の出ていない人は親指側を中心に握りますが、それは理に反していますので、からだが不調や不具合を招く可能性が高くなります。
 これが簡単な説明ですが、整体療法の入門としてとても大切なことです。

体内と外界(体外)をやり取りしている「気」

 「気」とは何か? という問いに対しては、私はほとんど答えることができません。
 以前、私が今の仕事を始めて間もない頃、「気」とかオーラとか、そういう面に敏感な人がいまして、私が施術をしている最中、クライアントのからだから「黒い煙のようなものが出ている」と言われたことがあります。
 私の目には何も見えませんでしたし、その頃は気に対してもそれほど敏感ではありませんでしたので、「あ~、そうなんだ」ぐらいにしか思いませんでした。しかし、長い間この仕事をしていますと、私も少しずつ気に対して敏感になり、今は「気の流れ」がなんとなくわかるようになっています。
 そして、次のような見解を持つようになりました。

 からだやからだの部位から気が放出されているとき、それは良い状態です。
 からだから気が出ていない、あるいは外界から体内に向けて気を取り込んでいるような状況は改善が必要な状態です。
 からだ(体内)と外界(体外)は「気の流れ」を通して影響し合っていますが、それが最も顕著にわかるのが、手のひらの中心部と足の裏の土踏まずのところです。その部分は全身的な「気」の出入り口のような役割を担っているのかもしれません。

 私は当初、状態の良い人は足裏や手のひらから気が放出されていますので、いわゆる「邪気」がからだから出ていっている、デトックスされているから好ましい状態だと思っていました。
 ですから、手のひらや足裏から気の出ていない人、気が逆に体内に吸い込まれているような人は、体内で生産される不要な気(=邪気)が出せないので体調が悪くなってしまうのかもしれないと思っていました。
 ところが、それはどうも違うようです。

 私は「気」についての見識があるわけではありませんので、体内での気の巡り方を知っているわけではありません。ただ、状態の良い人は体内の気が充実していて、それをどんどん放出しているかのように感じています。
 手のひらの真ん中あたり、足裏の真ん中から土踏まずにかけてのところからスーッと涼しい空気が抜けていっているように感じます。
 そして状態の悪い人はそのようには感じられず、気の流れが停滞しているか、反対に外からの気を体内に向けて吸い込んでいるように感じています。

「気の流れ」と施術時の私の反応

 私の行っている整体療法は解剖学をベースに、骨格筋と筋膜と骨格を対象としていますので、現代科学で説明のできる類のものです。
 ですから「気」についての詳細を知っているわけではありませんし、「気」を前面に出して施術を展開しようとも考えていません。
 しかしながら、西洋医学(現代医学)ではまったく無視されている「気の存在」を、私は実感として認識しています。さらに施術においては気の流れを指針として頼りにしています。

 また私の手の話に戻りますが、勉強会の参加者の一人に、「気」に敏感に反応する女性がいます。
 彼女自身は自覚しているわけではないのですが、私の(気の出ていない)左手を見ますと上瞼が少し落ちて眠たそうな表情になります。そして左手を見続けますとテンションがどんどん下がってしまうようになります。
 反対に、気の出ている右手を見ますと、瞳が大きくなるように瞼が開き、顔の表情も元気になっていきます。
 そして、彼女は私の手だけでなく、別の人の足裏を見ても同じような反応をします。

 私の左手の「気が出ていない部分」(親指と人差し指の間、生命線のあたり)は実は「気を吸い込んでいる」のだと私は捉えています。
 彼女が私の左手を見たときにテンションが下がってしまったのは、彼女の中にある「気」が私の左手に取られてしまったからかもしれまん。もし彼女が、誰かに気を取られても大丈夫なくらい元気な状態、気が充実している状態、あるいは取られてもすぐに気を補充したり生み出すことのできる状態であったならば、テンションが下がることはなかったのかもしれません。

 そんな、彼女の反応を考えながら、私自身はどんな反応をするのか、それを探ってみました。
 すると、私は施術において、気の出ていない手のひらや足の裏を見たり触ったりしますと舌が下がってしまうことがわかりました。そして、施術を行ってその部位所が整い、気が出るようになるにつれ、次第に舌が上がっていくのがわかりました。
 舌が「上がる・下がる」は、「ら行=ら・り・る・れ・ろ」の喋り易さで判別できます。舌が上がっている状態では、苦もなくスラスラと素速く「ら行」を喋ることができます。
 舌が下がってしまいますと、一々舌を持ち上げてからでないと舌先が動きませんので、素速く「ら行」を喋ることができませんし、喋りたい気分にはなりません。

 クライアントの足や手を施術しながら無音の声で「ら・り・る・れ・ろ」と喋ってみます。施術部位の状態が良くなりますと舌が上がってスラスラと動かすことができますので、施術法が間違っていないことが確認できます。そして、どこまで施術を続けるべきかの判断もできるようになります。
 これまでは、いわゆる経験に基づく「見当」を頼りに施術の具合を決めていましたが、これからは、「気が出るようになって私の舌が上がるまで整える」という指針がはっきり持てるようになりました。

「気の流れ」の停滞における症状

 どんな症状であれ、それが筋骨格系の影響によるトラブルであれば、それは物質的な、つまり解剖学的な分野でのアプローチを行うことから施術を始めます。それが私のやり方です。もっと解りやすく申しますと、筋肉と筋膜と骨格を整えることから施術を始めます。

 しかし、「気の流れが停滞している」ことが原因で症状が生じている場合もあります。
 例えば、頭の中がストレスや思考で詰まった状態になっていて、モヤモヤしたり、ボーッとしたり、あるいは鬱(うつ)のように感じてしまっている場合などです。
 また、心情的に胸が苦しい場合も同様です。心配や不安や恐怖、あるいは怒りなど感情的な問題は胸を圧迫します。
 これらのような場合は、その余分なものを手から放出してしまうのが良いのではないかと思っています。
 思考や感情も気と同じレベルのものだと考えますと、たくさんあっても邪魔で、脳や心の正常な働きを狂わせるかもしれません、ですから、溜めずにどんどん放出してしまうのが良いと考えますと、その出口としての場所は手のひらではないかと思っています。
 また、背中や腰が張ってしまい「寝ていても辛い」という場合があります。それは慢性的な胃の張り、腎臓の膨らみによるものかもしれません。そんな場合は、気が胃や腎臓、あるいは他の臓器に溜まっていて流れていない可能性も考えられます。
 こんな時は足裏から出してしまう=足裏から気が出ていくように整えることで、症状が改善される場合もあります。

 これらにつきましては具体的な症例がありますので、次回に紹介いたしますが、長年の悩みが、気を放出できるからだに整えることで解決する場合もあります。


 私は昔、中国で、気功師による施術を受けたことがあります。
 私のからだに一切触れることもなく、部屋の窓を全開にして、外気から気を取り込んで私に送り、治療するという理屈だったと思います。
 しかし、私には何をされているのかサッパリ解りませんでした。そして何の効果があったのかもサッパリ解りませんでした。この治療は外気功による治療だということです。
 また、中医学の講習で、自分で行う気功も教えてもらったことがあります。自分で自分の気をコントロールすることによって、からだを強くするというものでしたが、内気功と呼ばれています。
 そして、実際のところ外気功も内気功もよく解りませんでした。

 このように「気」は、わかる人には解るけど、わからない人にとってはサッパリ理解できず「まやかし」と受け取られてしまう場合もあります。
 ですが、中国で初めて経験してから30年が経って、今は、その存在をしっかり認めることができるようになりました。
 細かいことは解らなくても、「気」(あるいは「プラーナ」)が体内を巡り、外界とやり取りしながら私たちの生理現象に大きな影響を与えていることを知るようになりました。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
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(ずっとブログばかりを書いてきましたので、ゆめとわのホームページは放置したままになってきました。現在、ホームページを新しく作り始めていますのが、その中に記載する文章ですから、ちょっと固い話題ですが、最後まで読んでいただければ幸いです)

 階段をバタバタバタと駆け降りることはできても、ゆっくり、じっくり降りることのできない人がいます。上り坂はまったく苦にならないけど、下り坂を歩いたり走ったりするのが苦手な人もいます。このような状態の人は膝(太股)の前面にある中間広筋(ちゅうかんこうきん=大腿四頭筋の一つ)の働きが悪い人です。登山で、登りは大丈夫だったのに下山になると膝がカクカクしてしまった経験のある人は多いと思いますが、それは疲労によって中間広筋の働きが悪くなってしまったからです。このように中間広筋は”膝の粘り”に深く関係する筋肉です。


 では、膝に粘りが足りない人は中間広筋が弱いのでしょうか? また、そのような人は中間広筋を鍛えるトレーニングをした方が良いのでしょうか?
 膝にトラブルを抱えた人が整形外科を受診しますと、リハビリとして大腿四頭筋を鍛えるトレーニングを指導されたり勧められたりする場合があるようですが、私は疑問を感じます。

”筋肉の働きが悪い”ことと“筋力が弱い”こと

 例えば、トレーニングジムに通うなどして筋肉を鍛えていて、中間広筋の筋力もバッチリの人が、転んで膝を打撲したとします。すると本来の筋力を発揮することができなくなりますので、階段をゆっくり降りることができなくなってしまいます。膝に力が入らなくなってしまったからです。
 このような状態の人に対して「膝を強くする必要があるので、大腿四頭筋を鍛える運動をしてください」という指導は適切でしょうか? それは「不適切」であると多くの人が思うと思います。まずは打撲の傷を治すことが優先です。傷が癒えれば筋力が発揮できる状態に戻りますので、階段をゆっくり降りることができるようになるからです。鍛える必要があるとすればそれからです。

 上記の例では、打撲の傷によって筋肉がその能力を十分に発揮することのできない状態なりました。それは“筋肉の働きが悪い状態”です。そう考えますと、“筋肉がしっかり働くことのできる状態にする”ことが適切な対処法であるということになります。
 仮に、歩くと膝がカクカクし、階段を普通に降りることができない高齢者が来店されたとします。「ああ、この人は中間広筋の働きが悪いんだな」と私は思います。そして「どうすれば中間広筋の働きが良くなるのかな?」と考えながらからだを観察していきます。
 その後、中間広筋の働きが良くなるように施術を展開していきますが、その上でやはり筋力が不足している判断すれば、中間広筋を鍛えるための簡単なトレーニングをしていただくようアドバイスさせていただきます。「筋肉の働きが良い状態になった上でトレーニングを行えば効率よく筋力をアップさせることができる」と考えるからです。
 筋力を発揮することのできない状態で、筋肉に負荷を掛けるトレーニングは「しごき」であり、苦痛でもあるし、からだを壊すことにつながると私は考えています。仮に中間広筋の筋力がアップしたとしても、どこか別のところがおかしくなってしまうかもしれません。

 お腹が冷えると腹筋の働きが悪くなります。「腹筋の働きが悪くて胸が上がってしまい、うまく息を吐き出すことができないので‥‥」と申し上げますと「では、腹筋を鍛えれば良いのですか?」という反応が返ってきます。ほとんどの人が「働きが悪い」ことの対応策は「鍛えること」と考えてしまうようですが、正解は「働きの良い状態に戻す」ことです。なぜなら筋肉の正常な(本来の)状態は「働きの良い状態」だからです。必要に応じて必要な分だけスムーズに収縮し、必要に応じて必要な分だけスムーズに弛緩伸張できる状態が筋肉の働きが良い状態です。
 筋肉を鍛えることは、筋力を強くすることですので、働きを良くすることとは意味合いが違ってきます。そして筋肉の働きが良くなるためには、あるいは筋肉の働きが良い状態を保つためには、幾つかの必要条件があります。

筋肉がしっかり働くための必要条件

 私たちのからだの筋肉は3つの種類に分けられます。骨格の安定とからだの運動に関わる骨格筋(こっかくきん)と内臓の働きを行っている平滑筋(へいかつきん)と生涯一時も休むことなく働き続ける心臓の筋肉である心筋(しんきん)です。それぞれに特徴がありますが、これらの筋肉がしっかり働いてその役割を十分に果たすためには幾つか必要条件があります。
 まず血液が届かなければ筋肉(筋細胞)は働くことができませんので、動脈に問題がないこと、加えて二酸化炭素(炭酸ガス)や老廃物も去って行かなければなりませんので静脈に問題がないことも必要条件になります。
 心筋や内臓の平滑筋は自律神経によってコントロールされています。また私たちの意志に従って骨格筋は働くわけですが、そのためには神経(随意神経)に問題があってはいけません。ですから中枢神経と末梢神経に問題がないことが必要条件になります。
 冬の寒い朝は、手先がかじかんで思い通りに動かせなくなります。私はこの時期、朝一番のお客さんを迎える前に3分間ほど湯で手を温めています。そうしないと手先に力が入らず施術を行うことができないからです。ですから、筋肉をしっかり働かすための条件として熱エネルギーが必要だということになります。そしてこのことは心筋や内臓の平滑筋にもあてはまりますので、お腹を冷やすと内臓の働きが悪くなって体調を崩したり病気になる確率が高まります。面倒でもちゃんと湯船に浸かってからだを芯から温めてください。
 肩こりや腰痛に効果があるとされているピップエレキバンは磁気エネルギーを利用して筋肉の状態を良くしようとするものです。整形外科や接骨院でかける低周波などの電気治療器は、からだに電気を流して筋肉の状態を良くしようとするものです。何故なら私たちのからだには微弱ながら電気が流れているからです。神経の働きも筋肉の収縮も、細胞内での出来事も、実はすべて電気的な現象です。私たちの肉体が行っている生命現象のすべては電気仕掛けですので、電気エネルギーは必要条件になります。地球が自転していることによって自然と私たちには磁気と電気エネルギーが与えられていますが、その流れがおかしくなりますと筋肉の働きは悪くなります。
 筋肉に損傷がないことは必要条件です。当然と言えば当然ですが、筋肉が打撲したり傷ついたりしますと電気エネルギーの流れが悪くなります。足首を捻挫しますと、炎症が治まり痛みや腫れが引いた後でも足や足首に力が入らず頼りない状況が続きます。それは損傷が治りきっていないということですが、電気エネルギーの流れが悪いために筋肉がしっかり働いてくれない、あるいは筋肉や靱帯がしっかり治ってくれないということです。
 手術などでメスを入れますと、大なり小なりその影響は必ず残ります。そのマイナス要素に対してどう対処して付き合って行くのか、そういう課題が残ります。

 さて、ここからは少し専門的になりますが、「加齢」という言葉でかたづけられ、本人も「そんなものか」と半ば諦めてしまう症状を改善するために、筋肉の持っている能力をしっかり発揮するために必要な条件になります。

・筋肉に変調がないこと

筋肉は使いすぎますと、つまり収縮ばかり行っていますと、しばしば収縮したままの状態になってしまいます。筋肉の中に硬く凝り固まって伸びてくれなくない部分ができてしまいます。それを「筋肉がこわばった状態」「筋肉の中のこわばり」と私は表現しますが、筋肉が変調を起こした一つの状態です。
 またこれとは反対に、使いすぎて疲労してしまい、あるいは伸ばされたまま放っておかれて疲弊してしまい、収縮することができなくなってしまうことがあります。打撲や損傷によってこういう状態になることもありますし、肉離れやギックリ腰などもこの状態です。筋肉が部分的に収縮できなくなってしまった状態を「疲弊した状態」あるいは「ゆるみ過ぎた状態」と表現していますが、日常的にあらゆる筋肉の中に見られる筋肉の変調です。熱が足りなくて、血行が悪くて、神経の働きが悪くて、筋肉がうまく収縮できなくなることがありますが、それもこれとおなじ変調状態だと考えて対処することになります。

・筋膜の状態が良いこと

私たちがイメージする一般的な筋肉は、細い筋線維が薄い筋膜に包まれ、それが幾つか集まって束になり、その束をまた筋膜が包み、さらにそれを束にしたものを更に筋膜が包んだものです。このように筋肉を包む筋膜は筋肉を束ねて名前の付く一つの筋肉にまとめ上げる働きをしています。


 さらに心臓や肺やその他の臓器も膜に包まれていますし、腹腔や胸腔といった体内の体腔も膜に包まれています。これらの仕切りのような膜によって臓器や器官はある程度一定の位置に保たれるようになっていると言います。また皮膚の下にも筋膜(皮下筋膜)があって全身を一枚のシートで覆うような状態にしています。
 骨は骨膜に覆われていますが、骨格筋はその腱が骨膜に繋がることによて骨に繋がっています。
 これらの膜はすべて筋膜と同じものですが、その働きについてはまだまだ解っていないことが多いようです。組織や器官や臓器や骨をガードしたり、体内での位置を決める働きをしているだけでなく何らかの情報をそれらにもたらしている可能性もあるということです。

 たとえば一般的な肩こりは、筋肉の中の水分が溜まったまま抜けていかないので筋肉がコリコリに硬くなった状態ですが、もっと細かく観察しますと、筋線維とそれを包んでいる筋膜との間に水が溜まってしまったものか、あるいは筋膜と筋膜の隙間に水分が溜まったままになっているものかもしれません。そう考えますと「筋膜を整えることで肩こりを改善する」という方法が思いつきますが、現にそのようなやり方を提唱している専門家もいます。
 私の実際の施術では筋膜を施術する割合が高いです。筋肉の変調を整えるためには筋膜にアプローチするのが最も効果的な方法かもしれません。
 体表を覆う皮下筋膜はしばしば捻れを起こしますが、その捻れによってからだが歪んでまったりすることがあります。骨格の歪みを修整することも大事ですが、筋膜の捻れを正すことも整体にとっては重要です。

・協働筋と拮抗筋の状態が整っていること

 ある筋肉を収縮させて動作を行うとき、その筋肉だけが収縮しているわけではありません。その筋肉の収縮を補助したり、動作の効率を上げるために他の複数の筋肉が同時に収縮します。それらの筋肉を共働筋、あるいは協働筋と呼びます。


 また、ある筋肉が収縮して動作をする場合、その筋肉と反対の働きをする筋肉がゆるんで伸びる必要があります。例えば上腕二頭筋を収縮させて肘を曲げるときは、上腕の背面にあります上腕三頭筋がゆるんで伸びなければなりません。もし上腕三頭筋にこわばりがあってうまく伸びることができなければ「肘を曲げたくても曲げられない」という状況になります。このように肘を曲げる働きをする上腕二頭筋に対して、肘を伸ばす働きをする上腕三頭筋を拮抗筋と呼びますが、拮抗筋にこわばりなどの変調がありますと動作がスムーズに自在に行うことができなくなってしまいます。

・付着する骨格が安定していること

 心臓や内臓の臓器や器官は直接骨に接していませんので、心筋と平滑筋は骨や骨格とは関係が薄いと思われるかもしれません。しかし、“からだの歪み”という観点で考えますと、歪みによって心筋や内臓平滑筋の働きも影響を受けますので「骨格の安定はすべての筋肉に対して影響を及ぼす」と言うことができます。そのように前置きした上で骨格筋について説明させていただきます。
 骨格筋は一部顔面の表情筋などを除いて、骨と骨の間にあって、収縮したり弛緩伸張したりすることによって骨を動かし、からだに動作をもたらす働きをしています。


 また肘関節を引き合いに出して説明させていただきますが、肘関節を曲げる働きをする筋肉には先ほど取り上げました上腕二頭筋の他に上腕筋があります。上腕筋は上腕骨と前腕の骨である尺骨を繋いでいますが、収縮することによって尺骨を上腕骨の方へ引き寄せ肘を曲げます。この動作では、上腕骨が土台となって上腕筋が収縮することで尺骨を引き寄せることを行っていますので、上腕筋にとっての土台、あるいは足場である上腕骨が安定している必要があります。もし上腕骨が不安定でグラグラしていますと、上腕筋は正常に、効率よく働くことができなくなります。私たちが平で安定した道路を歩くのと、足場が不安定な沼地のようなところを歩くのでは、緊張感や歩き方が変わってしまうのと同じことです。
 ですから、骨格筋の能力を十分に発揮してもらうためには足場である骨格が安定している必要があります。
 そして骨格を安定させる働きをするのもまた骨格筋であるという現実があります。「骨と骨を繋ぐ短い筋肉が骨格を安定させ、その上で長い筋肉が働いて動作を起こしている」というような感じで捉えていただければよいかと思います。

以上が筋肉がしっかり働くための必要条件になりますが、もう一度整理しますと、以下の通りです。

  • 血流(動脈・静脈)に滞りがない
  • 神経が正常に通っている
  • エネルギー(熱・電気‥‥)が必要量あり、流れに滞りがない
  • 筋に損傷や変調がない
  • 筋膜の状態が良いこと
  • 協働筋と拮抗筋に変調がない
  • 付着する骨が安定している

筋力よりも働きの良い状態が必要

 筋力を強くするためには筋肉に負荷を掛けてたくさん使うこと、つまりトレーニングが有効です。しかし整体的な観点で、あるいは日常的な健康を実現するという観点で考えますと、筋力が強くなることはそれほど好ましいというものでもありません。筋力が弱いよりは強い方が良いかもしれませんが、筋力が強くても変調があって働きが悪ければからだは歪みます。からだが歪みますといろいろな問題を起こしますし、内臓の働きにも悪影響を及ぼす可能性が高まります。
 ですから、日常生活に必要な筋力は確保しなければなりませんが、筋力を強くするよりも筋肉の働きが良くなることを考えていただきたいと思います。毎日5000歩も歩けば足腰に必要な筋力は十分に確保できると思いますし、筋肉連動の原理から、歩くだけでも体幹や手の筋肉もそれなり動きますので、特別に腕や手指を鍛える必要もないと私は思います。それよりも首・肩から力が抜けて腰を中心にからだを動かすことを身につけていただくことの方がよっぽど大切だと思います。そして、そのためには正しい呼吸をしなければなりません。
 正しい呼吸を実現するためにはからだの歪みを改善する必要があり、そのためには筋肉や筋膜の働きが良くなるようにする必要があります。ですから、上記に示した必要条件をよく見直していただきたいと思います。

 からだが冷えますと熱が足りなくなりますし、血流が悪くなりますので内臓の筋肉も含めて筋肉の働きは悪くなります。面倒でも、湯船に浸かってからだを芯から温める習慣を身につけましょう。
 同じ作業を長時間続けていますと筋肉がこわばったり、あるいは疲弊してしまい変調を起こします。ですから使い方のバランスを考えましょう。
 片噛みの癖、目の使い方の偏り、パソコンのしすぎ、スマホの使いすぎ(眼の疲労や下を向いている時間が長くなる)などは、筋肉の働きを悪くし、からだに歪みをもたらします。


 さて、冒頭にとりあげましたような、中間広筋の働きが悪く膝の粘る力が足りないような場合、拮抗筋の問題が原因になっていることが多いようです。中間広筋は大腿四頭筋の一部ですから膝を伸ばす働きをします。ですから一般的に拮抗筋として考えられる筋肉は膝を曲げる働きをする筋肉です。ハムストリングとして知られる太股裏側の筋肉(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)やふくらはぎの腓腹筋がそれに該当します。しかし、実際には同じ大腿四頭筋の中の大腿直筋が中間広筋の拮抗筋となって膝の力に問題をもたらしていることが多いです。

 例えば階段を昇るとき、膝に力を入れて脚を伸ばし、からだを持ち上げますが、その時には大腿直筋と内側広筋が主に働きます。反対に階段を降りるときには、中間広筋と外側広筋が主に働いて軸脚の膝を粘らせ、反対側の足が下の段に着地することを可能にします。「上りは大腿直筋、下りは中間広筋」という合い言葉のように、私の頭の中には記憶されています。
 ですから登山に際して、山頂を目指して山を登っていく時には大腿直筋がたくさん使われます。すると大腿直筋は使い過ぎでこわばりますが、それは拮抗関係にある中間広筋に「ゆるんでうまく収縮できない状態」をもたらします。この状態で山を下りますと膝に力が入りませんのでカクカク、あるいはプルプルした状態を招いてしまいます。

 今は市町村で経営している公的なトレーニングジムも増え、手軽に器具をつかって筋力アップのトレーニングを行うことができます。汗をかいて発散することは、心理的ストレス解消としても、肉体的疲労回復としても、とても有効な手段だと思います。適度な運動は健康を維持するためにも大変役に立つものだと思います。
 しかし、「不具合を筋力アップで克服しよう!」という考え方には、素直にうなずけません。からだの不具合には原因があります。ですから不具合の原因を正し、不具合を直した上でトレーニングを楽しんでいただければと思います。
 私たちのからだには「耐性力」がありますので、不具合があって当初は痛みを感じていたとしても、運動を続けているうちに痛みが消えてしまうことがあります。昔の「根性論」的発想は、この耐性力に根ざしていたのかもしれません。
 あるいは、若く、からだにエネルギーが溢れているような状態であれば、不具合があったとしても他がカバーしてくれますので乗り切ることができるかもしれません。しかし加齢とともに体力が落ち、中年期あたりからカバー力が弱くなりだしますと「昔の古傷が‥‥」と不具合を放っておいたツケが廻ってきたりします。

 筋力を強くすることと、筋肉の働きを良くすることは、まったく別物であることを、皆さんにも知っていただき、健康を維持するために筋肉の働きを良くする環境に暮らしていただきたいと思います。
 先ほども申しましたが、からだを冷やさないこと、良い呼吸をすること、噛み方や目の使い方が偏らないこと、からだに少し負荷を掛ける程度の心地良い運動をおこなうこと、精神的な面を除くとこのようなことが大切ではないかと思います。


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 2年前に頚椎ヘルニアの手術を行った後から肩こりが辛くなり、慢性的な腰痛に悩まされている50代の女性が来店されました。お仕事は和菓子の販売で、長い時間立ちっぱなしで動くこと(歩き回るなど)もあまりないということです。
 
 からだを観察しますと、背面の首~背中~骨盤にかけてピーンと張り詰めた太い筋がありました。強い脊柱起立筋のこわばりなのですが、これが原因で腰を動かすと痛みを発することが一目瞭然です。また、仕事で立ち続けてことだけも腰痛を感じるとのことでしたから、他にも問題があることが予想されました。

手術痕の影響_頚椎ヘルニア

 頚椎ヘルニアの場所は頚椎5番と6番の間で、手術は首の前面を切開して行われていました。
「横に切っているのか‥‥」というのが私の最初の印象でした。手術については全く知りませんので、頚椎ヘルニアでは横に切るしかないのかもしれません。ところが、このブログで何度か説明してきましたとおり、からだの中のエネルギーの流れは原則として縦方向です。横方向にメスを入れることは、大きな幅でエネルギーの流れを弱めてしまうことになります。
 「ちょっと厄介かな」と思いながらも、手術でメスを入れたところを人差し指の腹で隠すように手を当てました。1分くらい手を当ててますと、強く張っていた首筋がゆるみはじめました。そして背中や腰部を確認しますと、同じように最初の時の強いこわばりに変化が起こっておりまして、筋を強く圧してもそれほど痛みを感じなくなっていました。
 それで、手術でメスが入った部分に粘着力の弱い1㎝幅の絆創膏を貼りまして皮膚を補い、エネルギーが少しでも多く流れる状態にしまして、残りの「じっと立ち続けるだけでも腰が痛くなる」問題に取り組みました。

 前回のO脚に関する投稿で「次回は膝関節で膝窩筋がこわばっていることについて」という主旨の予告をさせていただきましたが、この方の膝窩筋もこわばっていまして、その影響が腰痛に反映されていました。

膝窩筋

 私たちのからだには、姿勢のそれぞれで、より効率良く、より楽な状態になれるような仕組みがあります。座った時には骨盤(坐骨)にからだを乗っけることが座った姿勢を楽に保つ仕組みです。そして立った姿勢を楽に保つための仕組みの一つとして“膝がロックしてからだの重さを骨で受け止める”というのがあります。本来、脚(下肢)の骨格は大腿骨と脛骨・腓骨に膝関節で分かれていますが、それを膝関節をロックすることで、あたかも一本の骨のような状態にして、太股やふくらはぎの筋肉の負担を軽減するようにしています。
 例えば床の上に長座して膝関節をを90°くらい曲げた状態にします。そこからゆっくり膝を伸ばしていきますと、床と一直線になる手前で膝下(脛骨)少し外側に廻ります。この脛骨の外旋によって膝がロックされ、大腿骨と脛骨が一直線のようになります。今度は床の上にすっかり伸びた状態の膝関節を浮かすようにして膝を曲げ始めますが、その曲げはじめの最初の段階で脛骨が僅かに内側に捻れます。このちょっとした脛骨の内旋によって膝関節のロックが外れ、膝を曲げることができるようになります。
 そして、この時にロックを外すために働く筋肉が膝窩筋です。膝窩筋は膝を真っ直ぐ伸ばした立位の時には少しゆるんで膝関節のロックを可能にし、膝を曲げるときに収縮して脛骨を内旋させて膝のロックを外し膝関節がスムーズに動くことを可能にしています。歩く動作では、膝が伸びたり曲がったりする度に弛緩したり収縮したりを繰り返しているわけです。
 さて、この膝窩筋がこわばって弛緩しない状態になったとします。すると膝関節がロックされませんので、立位で大腿骨と脛骨の一体化はおこなわれません。見かけ上は膝が真っ直ぐになっているように見えても、実は少し曲がった状態で立っています。太股の筋肉もふくらはぎの筋肉も楽な状態にはなりません。ですから、立ち続けていることは非常に辛いことです。そしてそれが腰痛となって現れたりします。

 この女性が、長時間の立ち仕事が腰痛を招いていしまう原因はここにあります。
 膝窩筋がこわばる理由については小殿筋、棘上筋、肘筋との連動なども考えられますし、他の要因かもしれません。それをじっくり探っている時間はありませんでしたが、足裏の母趾と2趾の間の踵近くがひどくこわばっていまして、それを指圧でゆるめますと膝窩筋もゆるみましたので、立ち続ける動作をそこに力を入れて支えていたのかもしれません。
 
 膝窩筋のことは近いうちに投稿しようと原稿を書き始めています。その中で詳しく説明したいと考えています。
 今回は頚椎ヘルニアの手術を受けて慢性腰痛になってしまった方が来店されましたので、一つの情報としてお知らせしようと思い、臨時的に投稿させていただきました。
 頚椎ヘルニアに限らず、手術をしようかどうかと考えられている人の参考になればと思います。
 また外科の先生の目にとまるのであれば、医学界が無視しているように見受けられる予後の問題の一つとして、「手術痕がからだに及ぼす影響」があることを知っていただき、患者さんの予後についてもっと考えていただきたいと、そう思います。

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