ゆめとわのblog

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カテゴリ:顔面・頭部 > そしゃく

  顎に関係する症状といえば、顎関節症、反対咬合、噛みしめ食いしばり癖、歯ぎしり癖、片噛み癖、といったところでしょうか。
 これらの症状に共通していることは、そしゃく筋から力が抜けない、あるいはついついそしゃく筋に力が入ってしまう、ということです。顎から力が抜ければ大きな問題にはなることはありませんが、本人の意思や自覚に関係なく筋肉に力が入った状態、筋肉が収縮したままの状態が存在するので、問題を解決することがしばしば厄介になってしまいます。
 「どうすれば力が抜けるのか?」この問題はそしゃく筋に限らず全身の筋肉に当てはめることもできます。力を抜くことができればリラックスできますし、呼吸も楽になります。ところが、それがなかなか実現できないので、いつもスッキリしない状態、常に不定愁訴を抱えた状態になってしまいます。

骨格がしっかりしていれば筋肉から自然と力が抜ける
 私はしばしば骨と筋肉の関係について、骨は筋肉が自らを動かすための「足場」という表現を使います。
 私たちがコンクリートやアスファルトなど地面のしっかりしたところに立ったり、歩いたりするときは安心できますので余計な力を使わずにすみます。ところが足場がとても不安定な場所を歩かなければならないとき、例えば細い吊り橋などを渡らなければならないとき、精神的にとても緊張しますが、からだも硬直して動きがとても悪くなります。筋肉もこれと同様です。基本的に骨と骨の間に筋肉があって、筋肉が伸び縮みすることによって骨を動かすので動作が生まれます。この動作を生み出すとき、筋肉は必ず一方の骨を足場にして自らを伸縮して他方の骨を動かします。腕の動きであれば、肘から肩関節にかけての上腕骨を足場に上腕二頭筋、上腕三頭筋という筋肉が伸縮して肘から手首にかけての前腕を動かして肘の曲げ伸ばしを行います。ですから上腕骨がしっかりしていないと上手く肘を曲げることができなかったり、あるいは力を抜いても筋肉がこわばったままなので肘が伸び切らない状態になってしまいます。
 このように筋肉の能力を十分に発揮してもらうためには、その条件として骨格の安定がとても大切です。

側頭筋と咬筋02

舌骨上筋群と舌骨下筋群

 さて、顎関節の動きや顎関節の状態にこのことを当てはめて考えてみます。
 細かい部分では違っている点もありますが、ざっくり表現しますと、顎を閉じる、つまり上顎骨に下顎骨を近づける働きをする主な筋肉はそしゃく筋(外側翼突筋を除く)です。反対に顎を開く(開口)ための主な筋肉は舌骨上筋群と呼ばれる筋肉です。ですから私たちが食事や会話などで顎を使うときは、そしゃく筋と舌骨上筋群がタイミングよく伸びたり縮んだりしながら協働して顎を動かしているということになります。
 重力がありますので、下顎を引き上げる方が引き下げるよりたくさんの力を必要とします。ですからそしゃく筋の方が舌骨上筋群よりはるかに筋力が強くなっています。

 さて、ここで顎を開く動作をそしゃく筋を中心に考えてみます。
 そしゃく筋には体表から触ることのできる側頭筋と咬筋があります。
 側頭筋はしばしば片頭痛おこす側頭部の側頭骨及び前頭骨を足場に、下顎骨の筋突起につながっています。収縮することで下顎骨を引き寄せて口を閉じ、弛緩伸長することで下顎骨を落として開口する動作を行います。
 咬筋は頬骨から耳にかけて繋がっている頬骨弓を足場に下顎骨のエラ(下顎角)につながり、側頭筋同様収縮することで下顎を引き上げ、弛緩伸長することで開口する動作を行います。

内側翼突筋と外側翼突筋

 体表から触ることのできないそしゃく筋として内側翼突筋と外側翼突筋があります。
 内側翼突筋は頭蓋骨の深部にあります蝶形骨を足場に下顎骨(下顎角)の裏側につながっています。口の中に指を入れて頬の内面を触ろうとするとき、歯茎と頬肉の間に壁のように硬くなっているものがありますが、それが内側翼突筋です。収縮することで下顎を引き上げる点は咬筋や側頭筋と同様ですが、それ以外に下顎を横に動かして、そしゃく時の複雑な動きを可能にしています。
 外側翼突筋は、蝶形骨を足場に顎関節のところで下顎骨につながっています。収縮すると顎関節で下顎を少し前に出します。この動きはとても繊細で、閉じて半ばロックがかかったような状態の顎関節からロックを外す働きをします。つまり外側翼突筋の収縮は他のそしゃく筋とは反対に開口に働きます。

 ですから、口を開く動作では咬筋、側頭筋、内側翼突筋が弛緩伸長し、外側翼突筋が収縮しなければなりません。筋肉の弛緩伸長は、簡単に表現しますと“リラックスして力が抜ける”ことです。
 ここで足場の話を思い出していただきたいのですが、安心感と共にリラックスして力が抜けるためには足場がしっかりしている必要があります。つまり側頭骨、頬骨弓、蝶形骨が安定していないとこれらの筋肉から上手く力が抜けないことになります。自分では一生懸命力を抜こうと努力するのですが、それは無理なのです。

顎が落ちるという感覚
 リラックスしているとき、あるいは無意識のとき、口は閉じているけれども顎は少し開いて奥歯が離れた状態になっているのが普通の状態です。口呼吸にならないように意識している人は奥歯を噛み合わせて口が開かないようにしているかもしれませんが、それは噛みしめ状態、つまりそしゃく筋が作動して少し収縮している状態です。収縮力はそれほど強いものではありませんので、短時間のことであればほとんど問題にならないと思いますが、何時間にもわたってそのような状態を続けていますと、そしゃく筋はこわばった状態になってしまい頭痛を招いてしまうかもしれません。このような人は、ご自分では噛みしめている意識はありませんので、「頭痛の原因は噛みしめです」と指摘されても腑に落ちず納得ができないかもしれません。しかし実際には、そしゃく筋から力が抜けない状態で、側頭筋の収縮が側頭部を圧迫して起こす緊張型頭痛になっています。

 さて、例えば椅子に座ってからだを緊張感から解放しますと下顎がスッと落ちるように動きます。夜、眠るために布団に入って目を閉じますと自然と顎がゆるんで下顎が落ちます。状態の良い人は、このようになっているはずです。そしてそのような人は、食物をモグモグとそしゃくする際、顎を開く時にも同じように「顎が落ちる」感じで顎関節が動いているのが感じられると思います。
 ところが、このような説明にまったく納得できない人、何のことやらさっぱり理解できない人、そのような人もいます。結論を先に言いますと、そのような人は顔の骨格が下がっている人です。
 「顎が落ちる感覚」というのは咬筋、側頭筋、内側翼突筋がゆるんで、あとはほとんど重力によって下顎が下がっている状態であると言い換えることができます。頭蓋骨の骨格がしっかり安定していれば、容易に咬筋、側頭筋、内側翼突筋から力を抜くことができますので、重力任せにしておくことができます。
 反対に、顔面が下がって頭蓋骨が不安定な状態の人は、咬筋、側頭筋、内側翼突筋から力を抜くことができません。顎関節を開くために、下顎骨を下に引っ張る舌骨上筋群を通常以上に働かせて下顎を引き下げなければなりません。このような状態の人は、リラックスするために奥歯が噛み合わない状態をつくろうと試みても、舌骨上筋群を収縮させた状態を保たなければならないため、とても疲れてしまいます。ですから、奥歯を噛み合わせた状態(=咬筋、側頭筋、内側翼突筋が少し収縮した状態で、舌骨上筋群が作動していない状態)の方が楽に感じられると思います。布団に入って眠りにつくとき、奥歯を合わせていた方が落ち着くのであれば、顔の骨格が下がっているか、頭蓋骨が不安定な状態である可能性が高いと考えられます。

骨格が自然と持ち上がるのが正常?
 結論を先に言いますと、顎を開こうとしたとき、つまり下顎を下げようとしたとき、自然な反応(反作用)として上顎骨、頬骨、前頭骨、側頭骨などが僅かに上に動きます。そのようにしてからだは頭蓋骨を安定させ、顎関節が脱力できる状態にしているようです。
 鼻筋の一番上、眉間の辺りに軽く指を当てて観察してみます。普通の状態の人であれば、下顎を下ろそうとするのと同時に眉間がわずかに上に動くのが感じられると思います。眉間のすぐ上には前頭筋という表情筋がありますが、それが微妙に収縮するのも感じられると思います。
 ところが、頭蓋骨の下がっている人、表情筋の働きが悪い人などはこのようには動きません。顎を開くときに脱力することができないため力を必要としてしまいます。
 正常に近い状態の人は食物をそしゃくする場合、下顎を下ろすときにはほとんど力を使いません。ですから、顎を引き上げて噛むときにだけ力を使えばよい状態す。往路は休んで、復路だけ力を使うようなリズムでそしゃくすることができます。一方、顎を開くときにも力を使わなければならない人は、往路も復路も力を使う状態ですから、息を抜いて休むことができないので筋肉は疲労しやすくなります。
 こういう意味でも、頭蓋骨を整え、表情筋の働きを整えることは大切なことだと言うことができます。

食物を噛みながら息苦しくなってしまうのは異常な状態
 食事中のお喋りが好きな人は、口に物を入れた状態でクチャクチャしながら噛んだり喋ったりする傾向があります。それは行儀の良いことではありませんが、整体的な観点では特に問題はありません。ところが、お喋りしながら食べているわけでもないのに、口を閉じてモグモグ噛み続ることができず、クチャクチャ噛んで、噛んでいる途中で息継ぎしなければならないような人や子供がいます。その状態は整体的に見て芳しくありません。
 顔の骨格が下がっていたり、表情筋(顔面神経)の働きが悪かったりしますとモグモグそしゃくしながら鼻から息を入れることができにくくなります。ですからすぐに口を開いて口呼吸をしてしまいます。あるいは食べながら口呼吸をするため、モグモグせずにクチャクチャ口を開いてそしゃくするようになります。(親御さん達はお子さんのこのサインを見逃さないで欲しいと私は思っています。)
 そうなりますと歯ぎしり、噛みしめ、首肩の凝り、浅い呼吸、胃腸の不調といった症状を招きやすくなります。それは小さなお子さんでも同じです。本人はまったく自覚していないかもしれませんが、3歳とか5歳とかの幼児でも肩こりになっているのを見たりします。お腹が硬くなって、顔が下がっているのです。
 乳幼児でも足裏が硬くなっている子がたくさんいます。硬く平らなところばかりを歩いていることが原因の一つだと考えられます。足裏が硬くなって腹筋がこわばり、頭蓋骨を下に引っ張ってしまうので顔が下がります。すると、そしゃくが上手くできなくなりますが、そういう一連の流れが考えられます。

「顎先が小さい?」‥‥舌骨上筋群や喉がこわばっている
 反対咬合ではありませんが下顎が少し前に出る傾向にある人が、「私の顎が小さいのはどうしてですか?」 と、まったく予想外な質問をされました。私は下顎が目立つような感じを気にしているのかな? と思っていたからです。「顎は十分に大きいけれど」と一瞬心の中で思いましたが、「そうか、顎先からすぐに喉の膨らみになっていることを指摘しているのか」と思い直しました。
 「顎の下(底面)がスッキリしていない」、「首と喉と顎の境がよくわからない」、「喉が硬く大きくなっている」と感じている人はこの方と同じような状態にあります。 下顎の底面には、顎を下に引っ張って開口させる舌骨上筋群があります。そして、喉のすぐ上にある舌骨から首の前面を胸骨まで繋いでいる舌骨下筋群があります。
 普通に食べたり喋ったりしている程度の顎の開閉では、舌骨上筋群が働くだけで事足りるため、舌骨下筋群を使うことはあまりないと言います。欠伸するほど大きく口を開いたり、声楽家や歌手の方が声帯の能力をフルに引き出して歌うときなどは舌骨下筋群がたくさん使われます。
 顎の底面が狭く、すぐに喉仏にぶつかってしまうような人は、舌骨上筋群も舌骨下筋群もこわばっているということですが、その理由は二つ程考えられます。
 一つはすでに記しましたが、骨格が不安定な状態なので開口時にそしゃく筋から力を抜くことができず、主に舌骨上筋群の力で下顎を引き下げなければならない時です。舌骨上筋群に通常以上の負荷をかけることになりますので、筋肉がこわばり、硬く太くなってしまいます。
 顎が落ちる感じで開口できる場合は、舌骨上筋群に負担を掛けることもありませんので、リラックスした状態で顎を使うことができます。ですから筋肉が変調状態になることはありません。

舌骨上筋_口腔底2

 二つ目は、舌骨上筋群の中で顎舌骨筋とオトガイ舌骨筋を主体に使っているからです。この二つの筋肉は下顎やオトガイ(顎先)の方に舌骨を引きつける働きをしますので、オトガイのすぐそばに舌骨を含めた喉が来てしまいます。すると舌骨と胸骨を繋いでいる舌骨下筋群は引っ張られた状態になりますので、こわばって硬くなってしまいます。このような方は反対咬合になりやすい傾向ですが、仕草によって顎先に梅干しのようなシワを持ったこわばりが発生します。最近はこのような人が増えたようにも感じます。

オトガイ舌骨筋・顎舌骨筋優位の顎ライン
 
 二重顎も含め下顎の底面がスッキリしていない場合、舌(舌筋)や舌骨上筋群がゆるんで落ちていることと、ここで取りあげましたように舌骨上筋群や喉がこわばって膨らんでいるようになっている場合があります。
 舌がゆるんでいる場合は、イビキや無呼吸症候群の危険性が高まります。舌骨上筋群や喉がこわばっている場合は、呼吸がしづらい、頭部への血行不良、目や鼻などの感覚器官に支障が現れる、舌の動きも含めてそしゃくや喋りに不具合を感じるなどの症状が現れる可能性が高いと思われます。

顎を上手に使うために
 噛みしめや歯ぎしり、食いしばり癖などの影響でそしゃく筋が強くこわばり、顎関節症になったり、顎の調子が悪かったり、頭痛や首のコリで辛い思いをしている人はたくさんいます。また、噛み合わせがしっくりいかないために不快な思いをしていたり、奥歯で食物を噛むことができない人もいます。
 時々、噛み合わせについてとても細かい情報を教えてくださったり、同時に学説的なことについて質問される方もいます。しかし現在の医学的な見解では、頭蓋骨はほとんど固定されていて「動かない」ということを基準にして理論が展開されているようですので、私のこのような話はまったく受け入れられないことでしょう。
 「頭蓋骨は簡単に動きます」そして、「だから頭蓋骨を直接動かしては危険です」という現場で実感している認識を土台として申し上げれば、「頭蓋骨は動かない」という見解でいる限り、医学は噛み合わせや嚥下やそしゃくに関する問題を解決することはできないと思います。

 自然現象は、作用があれば必ず反作用があるというのが法則です。下顎が下がれば上顎は反作用として上がります。下顎が上がれば、上顎は下がります。下顎は腹側(陰)であり、上顎は背側(陽)です。ですから下顎を自然に落とそう(下げよう)とするなら、同時に上顎が自然と上がる状態にしておかなければなりません。上顎は背側ですから、尾骨・仙骨から出発して後頭部にくっついている背筋がしっかりしている必要があるのです。
 その他にも、眼鏡をかけ続けているため鼻骨が下がり上顎が下がっている、ご飯をあまり噛まないのでそしゃく筋の働きが悪くなり、側頭骨が歪んで上顎が下がってしまう、いつも下を向いているので首の後面が伸びてしまい上顎が下がっている、というのもあります。
 いずれにせよ、陰と陽は一対であり、互いに影響を及ぼし合う関係ですから、下顎の動きを快適にしようと考えるならば、上顎側(背側)を良い状態にしておかなければなりません。これを平たく表現しますと、「頭蓋骨が安定していて顔が下がっていない状態」が顎を上手に使うためには必要だということになります。

 顎の問題で悩まれている方は、原因として考えられる要素としていろいろあるかもしれませんが、骨盤、背筋、首という視点で考え直してみますとヒントになることが浮かんでくるかもしれません。


顎関節の動き01
顎関節の動き02

顎関節の動き03

顎関節の動き04

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 食べることは栄養を補給するために必要不可欠なことですが、栄養を補給する目的であれば健康食品や薬などいろいろな方法があります。しかし、私たちは口を動かして食べたいという本質的な欲求を持っています。
 “そしゃくする”ということは、その運動によって筋肉が鍛えられ、脳の血流が良くなり、唾液が出て消化が良くなる、という生理機能的な効用をもたらしますが、それ以外にも“心地良くなる”という内面的な効果があります。
 ただし、快適なそしゃくができなければ「噛むのはかったるい」「顎が疲れる」といった反応になりますので「噛むと心地良い」ということにはまったく賛同できないことでしょう。

快適なそしゃくとは?
 スティック野菜をパリパリ噛むことが好きな人と嫌いな人がいると思います。顎を大きく動かしてそしゃくすることができる人は口腔の深いところ(奥歯の方)で噛み砕きながらパリパリ・モグモグしますが、それを快適に感じると思います。ところが顎を大きく動かすことができない人や反対咬合の人は、オトガイ(下顎の先端)の方に力を入れて噛むようになりますので、口先の方だけ動かして噛むような状態になってしまいます。また、この状態では噛む力も弱いので、硬いものは苦手に感じてしまうことでしょう。

閉口筋_咬筋・側頭筋

 ところで、顎を大きく使ってそしゃくすることのできない人に、「口先の方を使って噛んでいますよね?」と問いますと、ほとんどの人の反応は「?」マークです。何を言われているのか意味不明に思われるようです。物心ついた頃からずっとその噛み方ですから、それが普通だと思っています。顎関節がおかしくなった経験があったり、歯科治療や何かのアクシデントをきっかけに「噛み方が変わった」「長くかみ続けることが苦痛になった」と感じている人は、このことが解るようですが、そうでなければ解らないかもしれません。
 「噛み合わせがおかしくなった」という訴えはよく聞きますが、「噛み方がおかしくなった」という訴えはあまり聞くことはありません。しかし、噛み方がおかしくなることはよくあることですし、毎日を快適に暮らす上で、大切なポイントになると思います。

 さて、このことに関しまして私が今着目している筋肉があります。それは舌骨上筋群と呼ばれていますが、喉元にあります舌骨と下顎の骨をつないでいる筋肉で、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、顎二腹筋という名前がついています。

舌骨上筋_口腔底

 “そしゃく”は“食物を噛む”ことが根本ですから、顎を閉じたり開いたりする運動が基本的な動作になります。(実際はもっと複雑です)
 それは顎関節を支点として、下顎骨を引き上げたり、引き下げたりする運動のことですが、下顎骨を引き上げる筋肉は閉口筋と呼ばれ、そしゃく筋である咬筋、側頭筋、内側翼突筋が主体になります。下顎骨を引き下げる直接的な筋肉は舌骨上筋群であるオトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、顎二腹筋(前腹)です。
 実際のそしゃく運動は、舌筋や表情筋なども動員して複雑になりますが大雑把に申しますと、以上の通りです。

オトガイ舌骨筋と顎舌骨筋のこわばり状態

 ところで私が観察したところ、同じ舌骨上筋群でも顎二腹筋(前腹)とオトガイ舌骨筋、顎舌骨筋では働き方の性質が異なります。顎二腹筋(前腹)はオトガイを舌骨の方に引き寄せますが、オトガイ舌骨筋と顎舌骨筋は舌骨をオトガイの方に引き寄せるように働きます。
 この違いが実際のそしゃく動作でどういう違いになるかと申しますと、顎二腹筋を収縮させて口(顎)を開いた時には、下顎が後方(耳の方)に引かれますので顎関節が大きく動きます。一方、オトガイ舌骨筋や顎舌骨筋を働かせて口を開く時には舌骨や喉が前に動く形になりますので顎関節が動くというより喉元が動いてそしゃくをするような状態になります。ですから、口先だけで噛んでいるような感じです。

 「ア」を発声するために開口するとき、普通は顎二腹筋を使いますので下顎は耳の後方に動くのがハッキリと感じられます。「イ」を発声するときには、顎関節よりも下唇の下(オトガイ)に力が入るのが感じられると思いますが、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋が収縮します。
 ですからオトガイ舌骨筋、顎舌骨筋を使って噛んでいる人は、顎先から下唇にかけてと下顎の縁がこわばりますので、その辺りを指圧しますと痛みを感じます。また、喉もこわばりますので、顎の底面から喉や首にかけて硬くなり、厚みが増します。正面から見た時、首がスッキリせず、顔と首との境界もぼやけてしまうと思います。そしてこのような人は「そしゃくすることが心地良い」とは感じないと思います。
 他方、顎二腹筋を使って噛んでいる人は顎関節が大きく動きますし、そしゃく筋も上手に使えますので噛む力も自然と強くなります。硬いものを噛むことも平気です(歯や歯茎が弱くなければ)。顎関節の動きが大きくなるわけですが、それは筋肉を大きく伸びやかに使っていることと同じですので、「そしゃくすることは心地良い」と感じると思います。

鼻骨の状態が舌骨上筋群に影響を与える?
 私の鼻骨は今、少し下がっています。この状態で煎餅を噛んでみますと顎関節が大きく使われている感じはしません。しかし口先だけで噛んでいる感じでもありません。次に鼻骨を上に持ち上げながら噛んでみますと、顎関節が軽くなり、顎が大きく使われるようになります。そして今度は鼻骨を引き下げて噛んでみますと口先の方だけで噛むようになり、奥歯を使って噛むことができなくなってしまいます。ですから、鼻骨の状態が噛み方の影響を与えることがわかります。
 また、筋肉の状態も鼻骨によって変化することが観察できます。鼻骨を上げますと顎二腹筋の状態がしっかりします。鼻骨を下げますと顎二腹筋がゆるんで顎舌骨筋とオトガイがこわばります。
 鼻骨は下がりやすい骨です。眼鏡を使っている人の多くは鼻骨が下がっていることでしょう。花粉症の季節は、たくさんの人の鼻骨が下がります。花粉症で鼻炎が悪化する理由の一つは鼻骨が下がってしまうことだと私は考えています。
 
 鼻骨が下がってしまう理由は幾つか考えられます。
 最近の眼鏡は軽いとは言え、やはり重みがありますので、眼鏡を使っている人はどうしても鼻骨が下がってしまいます。

後頭骨と鼻骨の関係性

 鼻骨と後頭骨はシーソーのような関係になっています。つまり後頭骨が上がると鼻骨が下がるということです。後頭骨は背骨や背筋(脊柱起立筋)を介して仙骨とつながっていますので、いつも姿勢が悪く背筋がゆるんだ状態になっている人は後頭骨が上がってしまいます。また仙骨や骨盤が下がっている人も後頭骨が上がってしまいます。
 東洋医学の考え方では鼻と肺は密接な関係ですが、実際、胸の状態と鼻骨は関係性があります。現代医学的には、胸腺の働きはほとんど無視されたような状況ですが、胸(胸骨)を触ると鼻骨が上がる場合があります。胸骨、あるいは胸腺は免疫系と関係がありますので、そこにエネルギーが与えられる(手で触る)と鼻の状態が良くなると考えることができます。 鼻づまり、くしゃみ等の症状の時に胸に塗る「ヴィックスヴェポラップ」はこのことを応用していると思います。
 実際、今の私は胸に手を当てると下がっている鼻骨が上がります。

ちょっとした“差”が、心地よさを決める
 「口を開く時に舌骨上筋群のどの筋肉を優先的に使っているか?」というのは、あまりにも細かく、マニアックな内容かもしれません。しかし実際に調子の悪くなった人、たとえば滑舌が悪かったり、舌が思うように動かせなかったり、喉がつかえたり、満足に噛むことができなかったりする人に対しては、こういう細かい点をチェックして調整しなければ症状を改善に向かわせる糸口に辿り着けなかったりします。反対咬合の人も、それを直そうとするのであれば、とても重要なポイントです。

 私たちは美味しい物をたべると心が高揚して楽しくなります。アルコールも、好きな人にとっては気分を高揚させたり、心を落ち着けたりすることに利用できます。その他にも趣味を楽しんだり、自分の嗜好にしたがって満足感を得て気分を高揚させたりしています。これらのほとんどは舌や目や耳など感覚器官を通じて取り入れた外部からの刺激がもたらしてくれるものですが、そういった外部の物が全くなくても心地よさを感じることのできる内的な道具も幾つか持っています。
 そして、その中の一つが“そしゃく”であると私は思っています。もう一つは“歩行”で、きっとその他にもいくつかあると思います。
 快適にそしゃくしていれば、それだけで自ずと心地良くなります。「心地よさとは、どういう状態で、そのためには脳から○○というホルモンあるいは化学物質が放出されている」と科学者は分析されるのかもしれませんが、私はそこには理由付けは必要ないと思っています。哺乳動物の一種である私たち人間は、生まれたばかりの赤ちゃんが母親の乳房に唇を吸い付けて一心不乱にそしゃく筋を働かせて乳を吸いますが、それが本来の姿だと思います。そしゃくすることが本来の状態であって、本来の状態になれば、“自ずと心地良くなる”のだと私は考えています。ですから、内的に心地良くなりたい、安らかな気持ちになりたい、リラックスしたいと考えるのであれば、快適なそしゃく、正しい噛み方を身に付ける必要があるのではないかと思います。

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 歯ぎしり、噛みしめ、食いしばりが癖になりますとからだに悪い影響を与えることはこのブログで幾度か取り上げてきました。肩こり、首の痛み、頭痛といった直接的な症状を招く可能性が高まるだけでなく、顔やからだに歪みをもたらすため、肩関節、股関節、膝関節などに不具合が生じる可能性もあります。胸郭の歪みによって呼吸が悪くなったり、動悸や胸の圧迫感、のどの詰まり感といった症状をもたらすことはありますが、その原因は“噛みしめ癖”だったということもよくあることです。
 テレビやいろいろな媒体を通じて「普段は奥歯を合わせないようにしましょう」「噛みしめないように常に注意を払いましょう」みたいな情報は多くの人にも届いていると思いますが、それだけではまったく不十分で解決には至らないと私は常々思っています。
 寝ている間に行ってしまう噛みしめや歯ぎしりは“注意のしようがない”ですし、マウスピースで歯ぎしり対策に効果を期待するといった考え方は理解できません。マウスピースを使えば、確かに歯は守られますし歯茎に対する衝撃や圧力が減ることは考えられます。だからといって噛みしめてしまう癖を軽減させる道理にはつながりません。反対に、マウスピースの厚さの分、顎が開いた状態になりますので、呼吸の可能性がでてきますし、噛みしめる筋肉(=そしゃく筋)には余計に力が入ってしまうのではないかと思えてしまいます。


噛みしめと正しい咀嚼の咬筋の違い

 噛みしめ状態=そしゃく筋の緊張状態は、必ずからだの筋肉のどこかに緊張状態をもたらします。噛みしめ状態が解除できなければ、芯からのリラックスは望めないと私は考えていますので、「どうして噛みしめてしまうのだろう?」というのが長年の課題でした。今でも「多くを知った」とは思っていませんが、改善に向けての道筋は「ある程度見えてきた」と思っていますので、今回のブログで説明させていただきたいと思います。

噛みしめてしまう理由を二つの側面から考えてみる
①エネルギー循環が悪い可能性
 私たちは馬鹿力を出そうとするとき、歯を食いしばって最大限の力を発揮しようとします。それは噛みしめる筋肉(=そしゃく筋)が全身筋肉の司令塔のような役割をしているからです。先ずそしゃく筋を収縮させることによって全身に力がつたわります。ポカンと口を開いたままでは強い力を発揮することは難しくなります。
 また、例えば鉄棒にぶら下がったとして、最初のうち、手や腕などが疲労していない間は歯を食いしばることもなく平然と鉄棒を握り続けることができます。ところが手や腕が疲労してきますと口元に力が入り出し、いよいよそれだけでは耐えきれなくなりますと歯を強く食いしばって頑張ろうとします。
 この2つの現象の時、一つはエネルギーをたくさん回して強い力を発揮しようとする時、もう一つは筋肉が疲労状態になっていてそのまま放置すると今のからだの状態を維持できなくなってしまう時、私たちは食いしばったり、噛みしめたり、歯ぎしりをするのかもしれません。(心理的ストレス状態などを除いて)

 このように考えますと、からだから力を抜いた状態(リラックス状態)では体内エネルギーが順調に回らないため“噛みしめてエネルギーを回そうとしている可能性がある”と考えることができます。あるいは、寝た状態ではからだの何処かが機能低下や機能不全の状態にあるため“内臓の働きを保つことができないので、歯ぎしりをして頑張っているのかもしれない”と考えることができます。

股関節の歪みと噛みしめの関係

 昼間は心臓のポンプ力で動脈を回しているので、肩関節や股関節などが多少歪んでいても血液を循環させることができます。しかし夜中は、心臓は休養時間となって機能を低下させるため血圧も低下します。夜中は小腸に血が集まって、その日に摂取した食物栄養を血液の中に吸収します。その力は心臓のポンプ力よりはるかに小さいので、肩関節や股関節に歪みがありますと全身の循環が上手くできなくなってしまうのではないかと思います。
 実際のところ歯ぎしりの悩みを持っている人には、股関節に歪みや問題を抱えた人が多くいます。四十肩や五十肩の経験者で、肩関節の状態を中途半端にしている人などには、噛みしめ癖を持った人が多くいます。

 また循環の問題では“冷え”も考えなければなりません。寒いところに長時間いますと、からだがとても冷たくなって血液循環が低下すると共にからだが震えだしたり、顎がカタカタしたりします。これは熱をつくるためにからだが勝手に起こす反応ですが、歯ぎしりの原理にも通じるように思います。

 以上、エネルギー循環や血液循環の問題で歯ぎしり、噛みしめ、食いしばりを起こしてしまう可能性について取りあげました。

②筋連動の影響でそしゃく筋が収縮している可能性
 筋肉が硬くなっている場合、それは“肩こり”などと同じように単純に凝り固まっている場合と、筋肉自体が収縮していて硬くなっている場合があります。単純に凝り固まっている場合は揉みほぐしたり指圧したりしますと初めのうちは強く痛みを感じますが、次第に気持ち良さが感じられるようになります。いわゆる「痛キモ」状態です。ところが筋肉が収縮してこわばっている場合は、軽く触れただけでも痛みを感じたり、引き伸ばそうとしますと辛い痛みだけを感じ「痛キモ」の感じにはなりません。

 単に噛みしめや歯ぎしりの癖によって顎周辺がガチガチに硬くなっている場合は、筋肉の使いすぎによる硬さ(硬結)なので指圧を続けることで硬さは次第にほぐれていきます。
 一方、筋肉(そしゃく筋)が収縮状態にあって硬くなっている場合は、収縮している原因を解決しなければなりません。それをせずに硬い部分を強く指圧して無理やり柔らかくしようとしますと強い痛みを感じ続けますし、筋肉を損傷してしまう可能性すら出てきます。

そしゃく筋に影響を及ぼす頚部の筋肉

 歯ぎしり、噛みしめ、食いしばりに直接関係しているそしゃく筋は、胸鎖乳突筋、斜角筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋など首周りの筋肉と連動関係にありますので、それらの筋肉の状態によってこわばったり(収縮)ゆるんだり(弛緩)します。骨格の歪みは首回りの筋肉に変調をもたらし、その影響で連動するそしゃく筋がこわばって噛みしめ状態になってしまいます。
 「肩や胸の骨格が歪んでいると、それだけで本人の意志には関係なく、噛みしめた状態になってしまう」という現実が現れてしまうのです。
 ほとんどの人は、奥歯が噛み合っていなければ“噛みしめた状態ではない”と考えています。しかし実際には、歯がくっついていなくても筋肉的に“噛みしめ状態”は存在します。そしゃく筋が常に収縮して緊張している状態です。そしてこのような状態の人に施術を行い、そしゃく筋が緊張状態から解放されていきますと「顎がゆるんで下顎がだんだん離れていく」という驚きに近い感想をいただきます。意志に関係なく顎が動いてゆるんでいくからです。

 以上記しましたとおり、“噛みしめ”に対して施術を行う時には、噛みしめの原因がエネルギー循環にあるのか、それとも筋連動の影響によるものなのかを識別しなければなりません。

 実際の施術では、一つの噛みしめ状態を解除するために、からだから得た情報を元に幾つかのアプローチを行っていきます。そして、その人が噛みしめてしまう原因を特定していき、日常生活での注意事項としてアドバイスしています。
 噛みしめてしまう原因は人それぞれですが、多くの人に共通して見受けられるものもありますので、以下に幾つか取りあげてみます。

筋連動による噛みしめ状態の例
・親指の先のこわばりが影響して噛みしめ状態になる
 その若い男性は学生の頃、毎日毎日勉強ばかりしていたということです。顎周辺の問題と座り続けることができないという問題を抱えています。顎周辺の問題はそしゃく筋のこわばりによる噛みしめ状態です。座り続けることができない問題は骨盤(特に仙骨)を立てることができないので、骨盤に体重を乗せることができないからです。座っていてもすぐに寝そべった状態になってしまいます。
 勉強を続けていたことで、ペンを使い続けていたことと、腋の下を開き続けていた(=両肘を上げた状態)ことが連想できました。筆圧も高いので親指と示指に力が入ってしまう癖を持っていることもわかりました。

母指外転筋「こ」による咬筋の「こ」

 この方の問題を改善する要は、右手親指先の強いこわばりを取ることでした。学生時代何年も親指に力を入れていたことから、爪の横から母指球にかけて根深いこわばりがあり、それによって肩甲骨が影響を受け、右のそしゃく筋にこわばりが生じていました。施術で母指のこわばりを解消していきますと、顎が次第にゆるんでいきました。顎の問題はそれだけでほとんど良くなりました。さらに骨盤も立つようになり、座り続けることが可能になりました。

 スマホ操作などで親指の先を酷使している人はたくさんいます。それが噛みしめの原因、顎関節症の原因になっている可能性も考えられます。右手母指をたくさん使ってスマホを操作している人で、顔の右側が左に比べて縮んでいたり下がっていたりしていると感じているなら、それは母指先のこわばりが原因かもしれません。

・胸が下がっているために噛みしめ状態になっている
 バストの位置が下がったように感じている人は「加齢のせい?」と考えているかもしれませんが、多くの場合、実際に胸郭、つまり肋骨全体が下がって骨盤に近づいているからです。その原因についてはここでは取り上げませんが、胸が下がった結果として首の筋肉が緊張します。するとそれはそしゃく筋に連動し、自ずと噛みしめ状態を招いてしまいます。その他にも喉の調子が悪くなったり、舌も硬くなりますので滑舌が悪くなったり、息苦しさを感じ続けたりするかもしれません。
 この問題を解決するためには胸郭を正しい位置に戻すことが必要ですが、それは腹筋の状態(縮んでいる)を改善することがポイントになります。お腹が冷えていると腹筋が縮んで胸が下がってしまうことはよくあることですが、それ以外では足や足底の問題が原因になっている場合が多くあります。硬く平なコンクリートのなど上を歩いている現代人は、足や足底が柔軟性を失いこわばってしまう傾向にあります。そのこわばりが腹筋のこわばりにつながり胸を下げ噛みしめ状態や舌の硬さをもたらしている可能性があります。足首を柔らかく動かしたり、足底や足趾を揉みほぐしたり、硬くなっている踵の両側を揉みほぐしたりすることは対策として有効です。

・膝下の骨がずれていることによる噛みしめ状態
 欧米人に比べますとO脚だったり、O脚気味だったりする割合が高いのが私たち日本人の体型ですが、それが膝下の骨(脛骨と腓骨)の外側へのずれによるものだとしますと、いろいろと問題が生じてきます。

下腿が外側にズレる

 膝下の骨が外側にずれる理由はいくつかありますが、一番多いのは太股外側の筋肉が緊張(収縮)して膝下の骨を外側に引っ張っていることです。立った時に足の小趾側に体重が掛かってしまう人(重心が外側に逃げてしまう人)は、この傾向にあります。膝下が外側にずれますと太股内側の筋肉は緊張して張ります。(途中の原理は省略しますが)すると結果的にそしゃく筋は収縮します。顔の表情にも緊張感が生じると思います。
 また膝下の骨は外側だけでなく後側(踵側)にずれることもよくありますが、すると股関節の働きや鼡径部の血流にも影響が生じ、エネルギー循環の問題から噛みしめや歯ぎしりの問題を生じてしまうことも考えられます。
 階段をゆっくり降りることが苦手な人(パタッと足を着いてしまう人)、正座した状態から立ち上がるのが苦手な人、「膝小僧が目立つ」と感じている人は膝下が後方にずれているかもしれません。

 以上の項目以外にもそしゃく筋がこわばってしまう原因はありますが、最近目立つのは以上の3項目です。

 「たかが噛みしめや歯ぎしりくらいで‥‥」と思われる方はたくさんいらっしゃると思います。私もかつてはそう思っていました。ところが、からだを整えることを追求していきますと、どうしても噛み方や噛みしめや歯ぎしりの問題と歩き方の問題を解決する必要があると思うようになりました。それらの問題をおスルーしてしまうと施術の効果は一時的なものになってしまうからです。
 しかし現実的なところでは、60分とか80分とか限られた時間の中でお客さんの要望に応えなければなりませんので、そしゃく筋の状態を整えたり、歩き方まで観察する時間はなかなか取ることができないことがほとんどです。
 願わくは、そしゃく筋と歩き方を整えることを目的にご来店いただければと思います。この二つの項目を整えるためには全身をチェックしなければなりませんので、結果として全身の整体になりますので。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com

ホームページ http://yumetowa.com

 「奥歯を抜いてから体調が悪化し、顔や首に引きつりを感じるようになった」「歯科治療で歯を削られた後から、どこで噛んでよいのかわからなくなり、体調がどんどん悪化した」というような訴えや問い合わせが時々きます。
 “そしゃく”は私たち人間に限らず、哺乳動物にとって最も根源的な動作であり行為ですから、そしゃくが満足にできなくなりますと、からだはバランスを失い、体調は悪化の一途を辿ってしまうと考えられます。その意味で“歯”は非常に重要です。

 歯の問題がからだに強く影響を与えて体調を悪化させてしまった幾つかの例をあげてみます。

①からだの歪みを食い止めていた歯を削られてしまったために顔立ちが変わり、体調が悪化した
 誰もが大小の差はあれ、からだに歪みを持っています。歯ぎしりをしたり、噛みしめてしまったりするのはその歪みのせいかもしれません。例えば、かつて足首を捻挫した、あるいは膝を傷めたというような経験がありますと、からだは自然と下半身の方から歪み始めます。からだが若く、あるいは健康で体力が十分なときは、その歪みを下半身の筋肉が自然に調整して影響が上半身まで及ばないようにしているかもしれません。ところが体調が悪くなり、体力が低下しますと筋肉の調整能力が低下するために歪みが上半身~頭部へと伝わってしまいます。頭部には脳があり、顔面には繊細な感覚器官がありますので、歪みが頭部の方まで及びますと感覚器官の能力が低下したり、頭の回転が悪くなったりします。ですから、からだはそうならないように自然と歯や顎のところで歪みを食い止めようとしている可能性があります。
 具体的には、何かに集中しているとき、つまり脳をフル回転で働かせているとき、知らず知らずのうちに噛みしめる癖を持っている人がいますが、それはからだの歪みが頭部に及ばないように特定の歯を合わせることで阻止しているのかもしれません。頭部が歪んでしまいますと脳がフル回転で働けなくなるからです。見方を変えますと、集中力を高めるためのスイッチが特定の歯を合わせる行為だということになります。(人それぞれに集中力を高めるための癖を持っていると思いますが、それは脳が活発に働ける状態をつくるためのものなのかもしれません。)
 このように上の特定の歯と下の特定の歯を合わせること=噛みしめることでバランスを取っていたものが、その特定の歯を削られてしまったがためにバランスがとれなくなり、頭の状態がおかしくなったり、目や耳といった感覚器官の働きがおかしくなってしまったという例があります。
 「その歯がからだのバランスを維持するための支えだったのに、それができなくなったので、どこでバランスを取ったら良いのかまったくわからない。」いろいろな歯科医院を巡り、そう訴えたのに、なかなか理解してくれる歯医者さんはいないと訴えていた方がいました。

腹側と背側の境(上顎と下顎)

 以前に申しましたが、下の歯がある下顎骨は腹側(陰)で、上の歯がある上顎骨からは背側(陽)です。ですから歯の上下は正しくからだの陰と陽の接点です。正しい噛み合わせが重要であることの理由の一つは、陰陽の接点にズレが生じますとからだ全体の陰陽バランスがおかしくなってしまうからです。

 さて、からだの歪みは下顎と上顎に捻れを生じ、例えば下顎を右側に上顎を左側に歪ませます。このままですと顔も歪みますが頭も歪み、脳の働きが悪くなったりします。幸い、顎つまり歯は、ある程度思い通りに動かすことができますので、無意識のうちに自分(からだ)の都合の良いように噛み合わせを変えて頭の歪みを最小限に食い止め、脳の働きが低下しないようにすることができます。その現れが仕事や勉強で集中力を発揮しなければならないときに、ついつい噛みしめてしまう癖だと考えられます。特定の歯を噛みしめることによって何とかバランスを維持していると言ってもよいと思います。
 このような状態の時に、その肝心の歯を抜いたり削ったりしてしまいますと途端にからだはバランスを維持することができなくなってしまいます。あるいは何処か別の場所を使ってバランスをとろうとします。例えば首の右側筋肉を収縮させてバランスをとる場合は、いつも首を右に倒した状態になりますし、あるいは歯の合わなくなった側の唇(口角)を強く収縮してしまうために口が曲がった状態になってしまうかもしれません。歯を抜いてしまった場合は、入れ歯やインプラントで対応しなければなりませんが、削った場合はどう処理すればよいのか、専門家に聞いてみたいところです。
 かつて来店された方は、削ってしまった歯が噛み合うように他の歯も削ったようですが、結果は最悪の状況になってしまったということです。そしゃく筋は削ることができませんので、噛み合わせようとしますとそれまで以上に筋肉を収縮させなければなりません。ですから、結果的に噛みしめ(そしゃく筋の収縮)がきつくなってしまいます。あるいは歯を合わせただけでは微妙に筋肉が余ってしまいますので、そしゃく筋がたるんでしまい頬のハリが失われ、顔立ちがすっかり変わってしまったりします。
 ですから、抜歯や歯を削ることは慎重に考え抜いてから行っていただきたいと思います。歯科医の中には、歯のことばかりに注目してからだの歪みについてはほとんど考えない先生方もいるようですので、患者として妥協することなく治療方針について質問するなど、対応する心構えが大切だと思います。

②親知らずを抜いてバランスを失うこともある
 親知らずを抜いたために体調を悪くした人もけっこういます。「親知らずは必要性のないもの」という認識が私たちの頭にあるのか、歯科医から抜歯を勧められると躊躇することなく抜いてしまう人もいるようです。親知らずの必要性についての真偽は私にはわかりませんが、それまで親知らずを使ってそしゃくをしていた人にとっては“必要なもの”のはずです。反対に、もし親知らずがそしゃくの邪魔をしているのであれば、“不要なものかもしれない”と言えるのかもしれません。その辺りの見極めは自分自身の状況を自己責任で観察しなければならないと思います。医師任せで親知らずを全部抜いてしまい、後になって大変後悔している人を何人も知っています。
 話しはそれますが、かつて内臓の中で脾臓は“人体になくてはならない器官”という認識がなく、比較的安易に摘出してしまう傾向にあったようです。しかし現在では脾臓の役割についての再認識が進み、摘出について慎重な意見も出ているようです。
 「不要なものが生えてくるだろうか?」というのは私の個人的な感想ですが、もし親知らずによる悪影響をそれほど感じないのであれば抜かない方が良いのではないかと思います。
 抜歯は一時的とはいえ、必ず歯茎を傷つけます。歯茎がおかしくなると必ずからだに影響が現れます。その一つが舌が硬くなることですが、舌は私たちがイメージしている以上に全身に大きな影響力を持っています。発声に影響が出ます。そしゃくと嚥下に影響が出ます。目の動きに影響が出ます。呼吸に影響が出ます。その他にもまだまだあります。これらの影響については、実際に私が目の当たりにしてきたことです。
 ですから、親知らずであれ、他の歯であれ、「簡単い抜いて欲しくない」と、そう思います。抜歯に慎重な歯科医院は治療に時間がかかるので“まどろっこしい”と感じるかもしれませんが、将来的にはそちらを選択した方が良いと私は思います。

③歯科矯正は慎重に考えていただきたい
 そしゃくが足りない現代人は顎の発達が悪く、その影響で歯並びが悪くなる傾向にあるようです。ですから昔に比べて歯科矯正をしている子供さんや若い人たちも多くいます。昔は矯正のための装具も針金が表に出て目立つものだったのですが、今はいろいろな工夫がなされて矯正中の外見が普通の人と変わらない感じにできるため歯科矯正が多くなっているのかもしれません。
 歯科矯正についての直接的な懸念は二つあります。一つは歯茎が弱くなることです。これについては以前にも書きましたし、先ほども触れました。もう一つの懸念は、装具で上顎骨の動きを妨げてしまうことです。上の歯が付いている上顎骨は左右二つに分かれています。呼吸で鼻から息を吸う時、上顎骨は関節部分を境に外側に拡がりますが、装具を付けてしまいますとこの動きを阻害することになります。ですから満足な鼻呼吸ができなくなり口呼吸をするようになってしまいます。口呼吸が脳の働きや健康に良くないことは広く知れ渡っていますし、このブログでも取り上げました。
 歯並びが悪いことはいろいろな不都合につながりますし見栄えも良くありませんから、歯科矯正を選びたいという気持ちは理解できます。しかし将来的なことを考えるなら、できるかぎり慎重に考えていただきたいと思います。「せめて抜歯はして欲しくないなぁ」というのが、私見ですが、私の率直な願いでもあります。
 実際、30歳くらいから顔がたるみ始めて顔貌が気になりだしたり、あるいは舌が硬くなって呼吸や嚥下に違和感を感じるようになっている人がいます。歯茎がゆるむといろいろな問題につながるのです。それはそれで対応方法はありますので、過去に歯科矯正をしたからといってネガティブになることもないのですが、そのデメリットも知っていただきたいと思います。

 ここで私自身の話をさせていただきます。
 私は20歳代半ばまで野球に取り組んでいました。ボールを投げる時、バットで打ち返す時、野球選手は歯を食いしばります。ですから、毎日毎日強い力で食いしばってばかりいたことになります。これは野球に限らず強い力を必要とするスポーツ選手も同様です。ですから、20歳くらいですでに歯はガタガタでした。野球をやめて33歳頃だったと思いますが、インプラントを何本か入れました。それから20年以上経っていますが、インプラントを入れた部分の顎骨は細くなっています。その他にもダメな歯がいくつかありまして、一つは歯茎の中で折れてしまっています。折れているので歯科医の先生は抜歯することを強く勧めましたが、周りの歯も弱いのでブリッジは架けられず部分入れ歯にするしか方法がないとのことです。かつてのインプラントのために顎骨も弱くなっているので、もうインプラントは考えない方がよいと言われました。結局、歯茎の中で折れた状態のままその歯は放置しています。歯茎の中で歯が折れた状態は、当然歯茎に負担をかけます。歯茎のその部分はいつも傷ついた状態のままです。ですから頭蓋骨は当然歪みます。しかし私は整体師ですからケアの方法を知っています。毎晩湯船の中で3分くらいその歯茎の部分に手を当ててケアをしていますが、それだけで頭蓋骨の歪みは元に戻ります。
 ですから歯科矯正のために、あるいは他の理由で抜歯をしたからといってネガティブになる必要はありません。改善する方法はあります。ただ、歯を抜いたり、歯槽膿漏などで歯茎の状態を悪くしますと顔や頭やからだに影響が及ぶことを知っていただきたいですし、そうなった場合は毎日のケアを行って欲しい、と思います。

 “老化”のシンボルとして、歯がなくなる、耳が遠くなる、頭の回転が悪くなる、脚が弱くなる、というものがありますが、それは“そしゃく”の問題が深く関係しているように思います。“そしゃく”は私たちのからだの原動力です。それは私たち人類を含め、哺乳動物の宿命です。生まれたばかりの赤ちゃんは、目もまったく見えないのに母親の乳房にくらいついて一生懸命乳を吸い取ります。なによりも最初に無我夢中になって行う行為が乳飲みですが、この行為が“そしゃく”の始まりです。哺乳動物だけが唇を持っていますが、それは“そしゃく”をするためです。蛇やワニなどの爬虫類はそしゃくして消化するのではなく、丸飲みして胃で消化します。つまり、“そしゃく”が哺乳動物の体力の源であると考えることができます。“牛がモグモグと草を食べている姿”それを連想してください、と私はよく申し上げますが、そのようにそしゃくして、そしゃく筋を常に鍛えていただきたいのです。すると私たちのからだはしっかりします。柔らかい食物ばかりが横行している今日、私たちは昔の人に比べてそしゃくが足りていません。この事実をすっかり何処かに放ってしまって、栄養価が高い食品やサプリメントなどを追い求めたり、あるいは反対に過剰な糖質をデトックスして痩せるための方法などが流行る傾向にありますが、それよりも「そしゃくをしっかりした方が効果が高いのでは‥‥」と思ったりします。
 そして“そしゃく”も歯や歯茎が健康でなければ満足にできません。ですから、歯や歯茎は大切にしていただきたいと思います。

 尚、歯や歯茎に問題があったとしても、からだの歪みが軽微であったり、あるいは筋力、体力が充実していてバランスが良ければ体調不良に悩まされるといった状況にはならないようです。ですから、私自身も含めて、そのような人は普段の体調管理に十分気をつけていただきたいと思います。 

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