加齢にともなって瞼が大きく開かなくなる人もいらっしゃいますが、それを外科的手法で改善する眼瞼下垂の手術が流行った時期がありました。
私も幾人かそのような人に出会ったことがあります。手術を経験した人の総数に比べますとほんの微々たる数ですので大きな声で発言することはできませんが、どことなく不自然な感じがしました。そして、一人の方は「確かに瞼が開いて目は大きくなるのだが、『パッと目が開いている』という感じではないのよね~」と仰っていました。
今回は眼瞼下垂や「眠たそうな目」「目が開かない」といったことの話題ですが、私自身まだ考察を行っている最中ですので、途中経過のような感じの内容になっています。もう少し施術経験を重ねますと確たるものとして発表できると思いますが、その時はホームページの方で発表したいと考えています。
もう何年も隔週で来店されているデザイナーの40歳代の男性がいます。この人の最大の悩みは、目がはっきりと開かないことです。そして同時に、頬や顎周りの肉が膨らんで垂れてしまい、年齢以上に老けた感じになってしまうことも気になっています。
来店当初は、噛みしめる癖、仕事柄パソコンのマウスをたくさん使うことや座り続けることの影響、そしてデザインに夢中になると足に力を入れてしまう癖をもっているので、それらのことが原因として考えられるのかなと思い施術を行っていました。
骨盤や腰椎を調整すると目が大きく開くようになりました。あるいは、頚椎や胸椎を調整したり、喉の位置や硬さを調整したりすると目が大きく開いたりもしました。硬い足裏の筋肉を弛めても目が開くようになりました。
しかし、その状態が長く続きませんでした。来店される度に「どこかに大元の原因があるはずだ」と思いながら、いろいろとやってきましたが、どうしても原因にたどり着きません。
「目が開かないのは血行不良だろうか?」
それであるならば「脳への血行を邪魔している場所はどこだろうか?」
そんな観点で、毎回からだを観察しては施術を行ってきました。
そして、現在は足の「大衝(ダイショウ)」というツボの奥を刺激することで、目がパッと開く状態になることがわかりましたので、そこへの施術を毎回行うようにしています。
するとかなりの長時間、目が開いた状態、そして同時に舌が上がって頬がスッキリした状態を保つことができるようになりました。
ですから、仕事の作業に集中したときに足に力が入ってしまう癖は、目が開かないことの原因になっていることは十分に考えられるというところまでは解明できるようになりました。
ところでこの男性は稀なタイプの人です。大衝への刺激において深いところに強めの刺激が届いているときには、目がまん丸になるくらい大きく開いて「目が開かない人」には到底見えませんが、刺激する力少し弱かったり刺激する部位所がちょっと浅くなったりしますと、見る見る間に瞼が落ちてきて眠たそうな顔になってしまいます。施術がちょっと変化するだけで、目の開き具合が極端に変わるのです。
もう長いことこの仕事をしていますが、これまで、自分なりにあらゆる対処をしても「原因がわからない」と思うことはいくつかありました。あるいは自分の力量では対応できないと感じる症状もいくつかありました。そして、この方の症例も今のところその一つに入ると感じていました。ただ一時的であるにせよ、明らかに症状が改善される状態にはなることができますので、必ず解決策は見つかると思っています。
目が開かないことをどう考えるか?
まだ、自分なりに確定的な結論がでたわけではありませんが、解決に辿り着ける可能性を強く感じていることがあります。それは眼球と瞼との連動性が大きく関与しているのではないかということです。
眠っているときに瞼を開いてみると白目になっている人が時々います。それは、寝ている状態では眼球が上に回転(上転)して瞳を隠している状態になっているからだということのようです。そして自分でも瞼を閉じたときに眼球がどう動くかを観察してみますと、まるっきり上を向くわけではありませんが、少し(20~30°くらい?)上を向くように感じます。そして瞼を開ける動作に合わせて、眼球が下向きに動いて正面に降りてくるように感じます。
神社や仏閣で手を合わせ瞼を閉じますと視線が心に向きやすくなりますが、そのことと関係があるのかもしれませんが、この瞼と眼球との連携した動きが問題解決への大きなヒントになるのではないかと考えました。
つまり、瞼が落ちて眠たそうな目になっている人は、眼球が上方向に引っ張られた状態になっているので自ずと上瞼が下がってしまうるのではないかと考えてみました。そうであるならば眼球を上方向、つまり頭の後の方に引っ張っている力を解除することで、自ずと瞼も大きく開くようになるのではないかと考えることができます。
そして実際に実験をしてみました。右目の開きが今一つパッとしない方に対して「顔を動かさずに瞳だけ下を向けて、どこまで見えるか左右で比べてみてください」とお願いしました。すると案の上、右眼球は下に動かしにくいので見える範囲が左目より狭くなっていました。右の眼球は上転(上に向く)する方向に力が働いているので、最後まで下を向くことができないということです。そして、眼球と瞼の連動性から考えますと、眼球に上転の力が働いていることは同時に、瞼を閉じる方向に力が働いていることになりますので、目を開けても瞼をパッと大きく開くことができないために、いつも眠たそうな目をしている状態になっているのではないかと思いました。
さらに考えられることの一つとして、常に眼球が上転傾向になっているはずですから、正面を見るときでも右目は眼球を下に少し動かした状態にしないと見ることができないはずです。普通に目を開いて何かを見ていても右目を動かす筋肉は働き続けるために疲労しやすくなりますので、眼精疲労を感じるでしょうし、肩こりを感じ続けることになるのだろうと思います。
さて、現代人の多くは眼精疲労の傾向にあります。テレビを見続ける、スマホやパソコン画面を見続けるなど、眼球を大きく動かすことなく一点を見続ける時間がながいわけですが、骨格筋の性質の一つとして「同じ状態を保ち続けることが苦手」というのがあります。筋肉は収縮と弛緩を繰り返している状態が快適です。呼吸の吐く息と吸う息の動作によって全身の骨格筋が収縮と弛緩を繰り返していますので、寝ている時やリラックスしている時が本来は快適です。
ですから同じところを見続けるというのは、ある筋肉は収縮しっぱなしの状態、別の筋肉は弛緩しっぱなしの状態になってしまいますので不快感がやってきますが、それが疲労感であり、その状態が蓄積して慢性的な眼精疲労に繋がるのだと思います。そして、それはこめかみの硬さとして表面に現れます。
何故、眼球が上向きの状態になってしまうのか?
眼球を動かす筋肉(外眼筋)は6つありますのが、その中の眼球を上方に動かす筋肉がこわばった状態になっていることが考えられますが、それはどうしてなのだろうか?
筋肉には連動性がありますので、後頭部やあるいは頚部の筋肉のどれかがこわばっているために外眼筋に影響を及ぼしている可能性が考えられますが、それはどの筋肉なのだろうか?
あるいは、脳への血流や頭蓋骨の歪みなどと関係しているのだろうか?
といったことがこれから解明していかなければならない作業になりますが、おそらく深部にある筋線維とか頭部の繊細な部分と関係していると思われますので、なかなか手間のかかる作業になります。
しかし、これまでの経験から、きっと答えは見つかるだろうと思っています。
今回は、ここまでの内容です。
はっきりとした答えが出せない中途半端な内容ですが、「眠たそうな眼」「どよ~んとして目の周り」「パッと開かない瞼」という症状に対して解決する方向性が見えてきたという報告となります。
ちなみに解剖学的な視点で考察しますと、眼球を動かす運動は脳神経の中の動眼神経、滑車神経、外転神経が支配していますので、それらの神経の中のどれかに問題が生じている可能性があるということになります。
このような考え方に立ちますと、大掛かりな内容になりますので「大変だ」ということになりますが、筋肉の状態は神経ばかりが関係しているわけではありません。神経の働きが正常であっても他の要因で筋肉が変調を起こしてこわばったり、ゆるんだりしてしまうことはたくさんあります。
もし現在、眼瞼下垂の手術を考えている人がいらっしゃいましたら、もう少しお待ちいただければと思います。
次の春までには、解決策は見つかるのではないかと予想しています。
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