ゆめとわのblog

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2019年08月

(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

 私が毎日数人の人達を観察していますが、顔の下がっている人は大変多いです。と、申しますか、程度の差こそあれ、ほとんどの人の顔は下がっています。地球に重力があって、その中で生活している以上、それは仕方のないことでもあります。
 しかし健康面において不調や不具合がでる程、あるいは美容的に問題を感じる程、顔が下がってしまうのは改善したいところです。

 「顔が下がる」というのは、その人の本来の状態に比べて頭蓋骨の顔面部が歪んで下がっているということです。加齢によって顔の皮膚や筋肉がたるんで顔が下がったように見えてしまう場合もありますが、ここでは顔の骨格が下がっていることを中心に説明させていただきます。

 「頭蓋骨が歪んで下がってしまうなど有り得ない!」と思われている人は多いと思いますが、しかし、実際そのようなことは普通に起こっています。
 そして、顔の骨格を下げてしまう理由はいくつもありますが、大きく二つに分けますと、頭蓋骨の関節(縫合)や顔面・頭部の筋肉の問題が原因になっている場合と、顔面頭部以外の原因で顔の骨格が下がっている場合があります。

 今回は、顔面・頭部以外の原因で顔が下がってしまうことについての話になりますが、太股の筋肉が問題になる場合について取り上げます。
 太股の前面には膝を伸ばす働きをする大腿四頭筋(だいたいしとうきん)があります。筋肉についてある程度知識のある人は「大腿四頭筋」という名前はご存じだと思います。
 この大腿四頭筋は、四つの頭(起始=筋肉のはじまり)を持つ筋肉で、膝のところで合流して一つの停止(筋肉のおわり)となりますので、このような名前になっています。つまり、元々は4つの別々の筋肉であったのですが、そのことが施術の実際ではとても重要です。
 からだの基本的な仕組みとして全身の筋肉(骨格筋)は必ず他の筋肉と連動して働きます。大腿四頭筋の四つの筋肉はそれぞれ連動する筋肉が違いますので、「筋トレ」では大腿四頭筋を一つの筋肉として扱うかもしれませんが、整体的には別々の筋肉として扱う必要があります。

 大腿四頭筋の中の一つに内側広筋(ないそくこうきん)があります。大腿骨の内側に沿って位置し、太股の中程~膝にかけての内側面に筋腹が感じられますが、内股の人はこの筋肉が硬くこわばっています。(こわばる≒いつも収縮している状態)

 さて「内側広筋がこわばると顔の中央が下がる」という現象が起きます。
 顔が下がってしまう、あるいは顔を下げてしまう原因は幾つもありますが、内側広筋が強くこわばりますと、腹直筋の中央ライン部がこわばりますので、みぞおちや胸骨を下に引っ張り、喉の中央ライン、オトガイ(下顎の先端)、鼻筋といったところを引っ張ります。
 大きく息を吸い込むと胸や肩が上がって顔の方に迫ってきますが、なんとなく胸郭の中央部や喉の上がり方が悪いと感じたり、制限されているように感じる時は、内側広筋のこわばりが原因している可能性が高いと考えられます。

内股=内側広筋のこわばり

 たくさんの人を見てきた経験から申し上げますと、内股の人は内側広筋が強くこわばっています。そして内股の人の内側広筋をゆるめるために施術するポイントを探していきますと、ほとんどの場合、母趾の内側にたどり着きます。
 例えば、着物を着て草履で歩くときは、普通に歩くように膝を上げて足を大きく前に出して歩くことはできません。ですから内股歩きかガニ股歩きになってしまいます。そういうこともあってか、昔の男性にはガニ股の人が多く、女性には内股の人が多いという印象があります。実際、着物の女性は内股歩きがスマートであり、着物を着て大股で歩くのは不格好に見えます。
 その、チョンチョンとした内股歩きでは足の向きが「ハの字」になるわけですが、すると地面を蹴るところが足底の内側になりますが、一番力を使う部分は母趾第一関節の内側になります。ですから、その部分が強くこわばって硬くなります。皮膚が厚くなってマメができている人も結構います。

 この部分のこわばりはスネ(脛骨)の前面、少し内側の筋膜に緊張をもたらし内側広筋にこわばりをもたらします。そして恥骨から胸骨に向かう腹部のセンターラインにこわばりをつくり、胸骨上の筋膜~首前面のセンターライン、喉仏(後頭隆起)~オトガイにつながる筋筋膜を収縮状態(こわばり)にします。
 この一連のこわばりライン上には胃(みぞおち)がありますので、慢性的に胃の調子は冴えることなく、胸骨も下がっていますので胸が少し窮屈で、息を大きく吸う深呼吸をしても気持ち良いとは感じないと思います。鎖骨の形は「V字」で、首の前面から胸にかけての部分が広く感じられ上を向き続けることは辛く感じてしまうことでしょう。
 そしてオトガイ(下顎の先端)が下がっていることから、その延長線上にある人中(鼻の下)、鼻、眉間など顔のセンターラインも下がっています。
 オトガイは常に下方に引っ張られていますので、食事や会話など口を閉じる動作でそしゃく筋を通常以上に強く使わなければなりませんので、そしゃく筋もこわばり、噛みしめ癖の人と同じような症状(側頭部の頭痛、顎関節の不調など)を持ってしまう可能性も出てきます。
 また、内側広筋のこわばっている人の特徴として、太股が硬く棒のような感じで、膝関節の伸びが悪いというのがあります。長時間仰向けで寝ることは苦手に感じるのではないかと思います。

内股による内側広筋のこわばりは手強い

 内股のスタイルでなくても内側広筋がこわばっている人はいます。
 例えば、O脚の人の多くは膝から下(下腿)が外側にずれていますが、すると太股内側の筋肉には「外側に引っ張られる」という負荷がかかりますので、内側広筋を含む膝内側の筋肉はこわばってしまいます。あるいは太股(大腿骨)と膝下との関係がずれたり捻れたりしますと、やはり内側広筋は影響を受けこわばったりします。しかし、これらのこわばりはO脚状態を改善したり、膝関節の状態を改善すれば解消されてしまいます。
 ところが、長い年月内股状態で生活してきた人は、内側広筋や長内転筋、薄筋など太股内側の内転筋に力を入れて歩いていましたので、それらの筋肉自体が強くこわばってしまっています。
 40歳、50歳、60歳と、内股で生きてきた人たちに対して内転筋をゆるめる施術を行うのですが、形状記憶のようにしぶとくて、なかなかこわばり状態を解消することができません。何度も何度も同じような施術を繰り返さなければならないという現実があります。
 「使い方が変わらなければ、状態は良くならない」というのが整体的な原則です。つまり、形を整えたとしても使い方が以前と同じであれば、結局元の状態に戻ってしまうということです。ですから使い方が変わるように整えるのが整体師としての仕事ですし、内股の人に対しては、内股ではない歩き方や立ち方ができるようにすることが先ず大切なことです。そしてそのためには内側広筋の強いこわばりを解消することがキーポイントになりますが、それがなかなか手強いのです。

内側広筋のこわばりを解消するためのセルフケア

 原因の別に関わらず、内側広筋のこわばっている人のほとんどは母趾先の内側が非常にこわばっていて、奥がマメのようになっています。

 これを揉みほぐすことは有効です。母趾の第一関節付近から母趾先に向けて揉みほぐしたり指圧を加えたりします。この部分の表層は硬くなっていますので、なかなか奥まで圧が届きません。ですから最初のうちは痛みを感じることはないかもしれません。だからといって「特にこわばっているわけでもなさそう」と判断して、それで終わりにしては何の意味もありません。1分、2分、3分と揉みほぐしたり、奥の方へ圧を加えたりしているうちにだんだんと痛みを感じるようになり、やがて痛みが増して非常に痛く感じるようになります。ここからが本番です。
 その痛みに耐えながらも圧を加え続けていますと痛みが少し和らいだり、太股の内側が温かくなったり、あるいは反対に涼しく感じたり、伸びたように感じたりするような変化が現れると思います。そこまで行うことがポイントです。
 馴れないうちは、片方の母趾先だけで10分くらい掛かってしまうかもしれません。しかしやがて要領がわかるようになりますと3分で大丈夫になるかもしれません。
 このように母趾先のその部分がゆるみますと、それまで曲がっていた母趾がなんとなく伸びたように見えると思いますし、第一関節もゆるみますので、首や足首を回すように、母趾先を第一関節のところで回すことができるようになると思います。


 今回は、内側広筋のこわばりによって顔のセンターラインが下がってしまうことについて説明しました。顔だけでなく、胸のセンターラインが下がり、みぞおちが圧迫されて胃の調子も悪くなり、息を大きく吸うことができません(胸が上に上がりきらない)ので、呼吸も浅くなってしまうという状態を招いてしまう可能性があります。
 内股の人に限らずO脚の人も含めて内側広筋のこわばっている人は、スタイルのことだけでなく生理機能にも影響が及んでいることを知っていただければと思います。
 そして顔を下げてしまうからだの筋肉は、まだまだありますので、追々取り上げていきたいと考えています。

追記
 この記事の元原稿は2018年2月に書きました。今回の投稿で文章を少し修正しましたが、加えて2019年8月に投稿しました「恥骨と恥骨結節の大切さ」の中で、恥骨結節と内側広筋の関係について記しました。そちらも参考にされてください。

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 骨盤前面の中央には恥骨結合という頑丈な関節があります。

 この恥骨結合が硬直化しているのか、左右の恥骨間が狭くなっている女性がたくさんいます。
 恥骨および恥骨結合と鼡径部は股関節や骨盤前面の血液やリンパの“流れ”の要になる部分ですので、上半身と下半身の流通を快適に保つためにはとても大切です。
 そして、恥骨と恥骨結合は思いの外、重要な役割を果たしているようです。今回は、恥骨結合を中心にした話題です。

 例えば電車に乗って座った時、男性の多くは股間について殆ど意識しないと思います。隣の人に迷惑を掛けないように意識するかもしれませんが、膝の間が開かないようにと意識することはほとんどないと思います。
 ところが女性は、スカートを履いていることが多いせいなのか、無意識的に股間を締めて膝が開かないようにしているように察します。電車だけでなくオフィスでも、レストランなどでも同じかもしれませんが、このような行動は自然と太股の内側(内転筋群)に力を入れる体勢ですので、自ずと左右の恥骨間は狭くなり、恥骨結合が硬くなってしまう原因になると思われます。

恥骨結合と内側広筋

 太股前面には有名な大腿四頭筋(だいたいしとうきん)がありますが、その中の一つ、内側広筋(ないそくこうきん)が太く硬くなっている女性がたくさんいます。筋肉はこわばって常に収縮している状態になりますと硬く太くなりますので、膝の内側が太くて硬いと感じている人は内側広筋がこわばっている可能性が考えられます。

 そして太股の内側には大伏在静脈が通っていますので、内側広筋やその他の内転筋がこわばった状態になりますと膝関節での静脈血の流れもわるくなり、膝周りがむくんだ状態になりやすくなります。
 体型的には痩せているのに、膝周りがスッキリしなくて、太股の内側が太いと感じている人がいますが、その原因は内側広筋や内転筋群のこわばりによる可能性が高いと思われます。そして内股の人にこの傾向は強いかもしれません。

1)内股と内側広筋

 内股の人の最大の特徴は太股内側にあります内転筋群や内側広筋が強くこわばっていることです。そのこわばりは非常に頑固な状態、つまり形状記憶のような状態になっていますので、筋肉に変調のない普通の状態に戻すことに時間と労力がかかります。

 私は内股の人に対して「どうして内股になってしまったのだろう?」「どこを調整すれば内股状態が良くなっていくのだろうか?」と考えるときに、着物や浴衣を着た状態での動作をイメージして下半身各部の使い方を思い浮かべています。
 そうしますと、例えば歩くときには靴を履いて、大きな歩幅でさっそうと歩く姿は想像できません。小股で主に膝から下を使いながら、足はつま先側が狭くなった「ハの字」型で、小趾側を前に出しながらつま先から着地するような、ツンツンと突っ込むような歩き方が頭に浮かんできます。(音をたてない「忍び足」ができない歩き方です。)
 両膝は少し内側を向き合い、擦れるようにして膝を前に出すようになりますので、内側広筋がたくさん使われるようになります。それは内側広筋がこわばる理由の第一ですが、さらに、股(恥骨結節)を締めるようにして動きますので、左右の恥骨間は狭まった状態になります。骨盤も狭くなりますが、恥骨結節も硬くなります。そして、それが内側広筋のこわばりを頑固な状態にしているのではないかと考えています。

参照‥‥内股について

2)腰椎椎間板ヘルニアと内側広筋

 腰椎椎間板ヘルニアは坐骨神経痛を伴う腰部の疾患ですが、MRI診断などで発症部位は特定することができますが、その原因を探し出して(手術以外の)効果的な治療を行うことは難しいようです。
 「第4腰椎と第5腰椎の間が狭くなって、椎間板が潰された状態ではみ出し、神経を圧迫している」というのが一番多いのかもしれませんが、では、「どうしてその椎間が狭くなってしまったのか? どうすれば椎間が拡がるのか?」という問いには、医学はなかなか的確な答えを出してくれないようです。

 さて、私が知る限り、同じ椎間板ヘルニアでもいろいろなケースがありますが、今回のテーマに関連してのケースを紹介いたします。

 腰椎が軽く側弯状態になっていて、それが椎間板を扁平させる原因になっていることがあります。
 腰椎椎間板ヘルニアの症状の多くは坐骨神経痛です。
 坐骨神経は第4、第5腰椎と仙骨の椎間を通って骨盤の中に入り、そして殿部から再び表に現れて太股の裏を下方に降りていく太い神経ですが、この神経が圧迫されるなどの理由で異常な状態になりますとシビレ、痛み、筋肉の異様なこわばりなど坐骨神経痛の症状が現れます。

 腰椎を側弯状態にする原因としまして、腰部筋肉のこわばりがあります。骨盤と腰椎にに関係する筋肉としましては、脊柱起立筋群、腰方形筋、外腹斜筋、内腹斜筋、大腰筋などがあります。

 例えば右側の内腹斜筋がこわばります(常時収縮状態)と右側の胸郭と骨盤の間が左側に比べて狭くなります。
 (左側を下にして)横に寝転びながら左手で頭を支えてテレビや雑誌などを見る姿勢では背骨が「Cの字」型に歪みますが、右側の内腹斜筋がこわばりますと同じような状態になります。そうなりますと腰椎の椎間は右側が狭くなりますので、椎間板が圧迫されて右側にはみ出す可能性が生じます。そして、それが神経を圧迫して坐骨神経痛の症状が現れるという理屈が成り立ちます。
 食卓に普通に座っている間は何も感じないけれど、食後、畳に横になってテレビを見始めると脚が重くなったり、シビレを感じたりすることがあるという人は、このような原理で坐骨神経痛が発症している可能性が考えられます。

 腰椎が「Cの字」型に歪んでいる場合、その原因の多くは筋肉の問題ですから、右側の内腹斜筋、外腹斜筋、腰方形筋などを整えますと、腰椎が真っ直ぐになり、ヘルニア状態は改善されて症状は消失すると考えることができます。
 ところが、それらの筋肉を整えても腰椎の側弯が僅かに残ってしまう人がいました。そしてその原因を追及していったところ、なんとかたどり着いたのが内側広筋のこわばりであり、恥骨の変位でした。
 右側の恥骨が僅かに浮いた状態になっていたために内側広筋がこわばっていたのですが、そのこわばりが腰椎の際の筋肉(脊柱固有筋群)に連動して、第3~4腰椎の右側が左側に比べて硬くなっていました。その部分は狭い範囲でしたが、キュッなっていて、硬い側弯状態をもたらしていたのです。
 浮いていた右側の恥骨を整えることで内側広筋のこわばり状態が解消したのですが、同時に腰椎右側の硬いこわばりも取れて、腰椎に余裕が生まれました。
 結局、この人に対しては右側の内腹斜筋を整え、内側広筋を整えることをしましたが、それで例の左側を下にして横になり、背骨が「Cの字」になる姿勢をしてもらっても、右下肢に何の異常や違和感も現れない状態を実現することができました。
 あらためて恥骨の大切さを感じた次第です。

恥骨の損傷による影響

 現在30歳前後のOさんは、子供の頃はおてんばだったようで、たくさんのケガを経験しています。そのケガの中に恥骨に関係する出来事は2つありました。
 一つは子供の頃遊んでいて転び、地面に正面から恥骨を強打したことでした。
 もう一つは鉄棒遊びをしていて、股(恥骨の下方)に鉄棒を強く強打したことでした。
 Oさんは親からのDVなどもあり、その影響でいろいろな症状を抱えています。
 その症状の一つに、どうしても首肩顔に力が入ってしまい、反対に腹部や下腹部には力が入らないために、肉体面での「頑張りが効かない」というものがあります。そして、それは恥骨の一つ目のケガ、正面から打撲したことに関係がありました。
 恥骨をそっと触りながら観察していきますと、右側の恥骨に骨膜がゆるんでいる部分がありました。打撲によって骨膜が損傷したのだと思います。
 骨膜は骨を包む筋膜ですが、骨に栄養を与えたり情報を与えたりする役割も担っていますので骨の生育や在り方にとって重要です。骨折した場合、骨が元の状態にもどったとしても骨膜が損傷したままだったり、捻れていたり、皺が寄っているように感じられるままだったりする場合があります。 そのような状態では関係する筋肉は十分に力を発揮することができません。そして、その状態は自然治癒することなく何十年経ってもそのままになっていることが多々あります。強い捻挫などによる靱帯の損傷も同じような感じですが、痛みがなくなると「それで大丈夫」と考えられているようです。しかし、それでは不十分です。ですから、骨折や捻挫は、形だけでなく機能が正常に戻るまでしっかりと直す必要があります。

 話をOさんに戻しますが、その恥骨の骨膜が損傷していると思われる部分に手を当ててケアをしますと、顔から力が抜け、首肩の筋肉もゆるみ、だるさを感じて力が入りにくいと訴えていた手や腕にも力が入るようになりました。
 恥骨に関係する、例えば腹筋や骨盤底筋などの働きが良くなったために体幹がしっかりするようになったのだと思います。

 二つ目の恥骨下方の損傷につきましては、さすがに私は手をあてることはできませんので、Oさん本人に手を当てていたでき、私が言葉で指示しながらセルフケアをしていただきました。Oさんの右目は瞳が少し内に向いてしまう斜視だったのですが、恥骨のケアをしていただきますと、その斜視が改善されていきました。本人もビックリしていましたが、希望の光が灯った瞬間でした。
 このことについての原理は、まだ私にはわかりませんが、恥骨と恥骨結合の大切さを再認識した現象でした。
 

恥骨結合へのケア

 ガニ股の人を除いて、多くの人は恥骨結合が硬くて左右の恥骨間が狭まっていると思いますので、硬くなった恥骨結合をゆるめ、恥骨および骨盤をゆったりさせる目的のケアを紹介させていただきます。

 お臍に手をあてて、その手をゆっくり下方に降ろしていきますと恥骨の手前で骨の存在感を感じることができます。それが恥骨であり、右と左の対になっています。そしてその間に恥骨結節がありますが、ご自分でケアされるなら直接的に恥骨結節に手を当ててゆっくりそっと持続的な指圧を行うことで恥骨結節の硬さをゆるめることができます。あるいは、恥骨結節を直接触るのはなく、左右の恥骨に手をあてて、そっと、しかししっかりと両手を1㎜くらい拡げる感じで、縮んでいる恥骨結節を伸ばすようにゆるめてもよいかと思います。

 私が施術で行う時は、深く恥骨結節を触ることはしませんので、恥骨と恥骨結節の上辺に手をあてて行っています。
 どのくらいの時間、手を当てていればよいかということに関しましては個人差がありますので、それぞれ「適当な時間で」という答えになってしまいます。
 人によっては最初の2~3分間はほとんど変化を感じることもなく、その後次第に内側広筋や内転筋やふくらはぎの筋肉から力が抜けていくのが感じられ、さらにケアを続けていますと全身がゆるんで脚もほっそりし、お腹がゆるんで胃の調子も良くなったりすることもありました。

 セルフケアにとって大切なことは、心を静かにして集中(フォーカス)することです。私は実際、その部分の細胞に語りかけるような気持ち、細胞の言葉に耳を傾けるような集中力で施術を行っていますが、“手当て”とはそういうものだと思います。
 ですから、テレビやスマホを見ながらだったり、何か別の考え事をしながらだったりでは、セルフケアの効果はまったく望めないと思います。願望みたいな邪心があっても効果は薄いと思います。
 最初は、なかなか効果が実感できないかもしれませんが、自分のからだを心の底からいたわる気持ちで毎日粘り強く行っていただければ、コツがつかめると思いますし、必ずやからだから何らかの反応が返ってくると思います。

 また、例えば出産後のケアが不適切だったりして、恥骨結合や仙腸関節がゆるんだまま戻らず、骨盤が不安定になって様々な症状が現れてしまっている人もいらっしゃると思います。この場合は、「ゆるめるケア」ではなく、「締めるケア」「機能を回復させるケア」が必要です。
 本当に軽い力で恥骨結節にソーッと手を当ててじっくりエネルギーを注入するようなイメージでケアを行うようにしてください。ケアが上手くいきますと、ズーンと重苦しさを感じたり、からだの別の部分が反応したりする状態が訪れるかもしれません。嫌な感じでなければ、ケアを保持しながらその状態をじっくり観察してください。大切なことはフォーカスを途切れさせないことです。するとやがて、ズーンという感覚やその他の反応も自然とおさまっていくと思います。そのようなことを何回か繰り返していれば恥骨結節は能力を回復して、骨盤がしっかりすると思います。

恥骨と鼡径部

 長年仕事をしていますが、恥骨や恥骨結合に着目するようになったのは最近のことです。それまでは、例えば下半身のむくみに関しては「鼡径部の流れ」を中心に腸腰筋や大腿部の筋肉を調整することに主眼をおいていました。
 ところが恥骨と恥骨結合に着目し、それらを調整することで、もっと大きな効果を期待できることがわかりました。
 ですから新たな認識として、むくみのないスッキリとした下半身を実現するためには、恥骨、恥骨結合、鼡径部に主眼を置くことが重要で、加えて骨盤全体の在り方も大切だということが言えると思います。


 膝の内側が太くなって、膝周りがスッキリしていない人はたくさんいます。それは骨格の歪みだったり、内転筋や内側広筋のこわばりが原因であることはわかっていました。ところが内側広筋のこわばりを合格レベルまで解消することはなかなか難しいことでした。
 しかし、恥骨と恥骨結合のことを知ってからは、一つの壁をクリアした感じがします。

 骨盤は、私たちのからだの基礎です。その骨盤が窮屈な状態では、私たちの生理機能は十分な状態であるとは言えません。しっかりしながらも、ゆったりとしている骨盤の在り方が理想だと思います。そしてそのためには、今回取り上げました恥骨と恥骨結合、骨盤後方の仙腸関節、そして会陰と称される骨盤底の在り方が重要だと私は考えています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 私は神奈川県小田原市在住ですし、店舗も同市内にあります。小田原名物は小田原城と蒲鉾かもしれませんが、箱根の玄関口のような場所でもありますので、観光に来られる人達がかなり多い街です。
 小田原駅前で土産物店を経営している50歳代の男性Hさんは、夏休みや年末年始など繁盛時期になりますと、忙しさにからだが悲鳴を上げてしまい疲れを癒したいと来店されます。平成30~31年に掛けての年末年始には、かなり体調を悪くして病院通いをするようになってしまいました。私のところにも例年になく、毎週のように来店されていました。一月が終わる頃になりますと、体調も回復され、来店することもなくなりましたが、先週に電話が入りました。
 「夏休みになったので忙しくなったのかな?」とも思いましたが、例年はお盆明け頃に来店されることが多いので、ちょっと不思議に思っていました。
 昨日(7/30)、Aさんが来店されました。すると「6月に入って自律神経がおかしくなったのか、全然ご飯が食べられなくなり、激痩せして非常に辛く、仕事をずっと休んでいる状態です。」「今月の半ば頃になって、やっと病院で処方される栄養剤が飲めるようになり、体重が少し戻ってきたのですが、ご飯は全然食べる気になれなくて‥‥。心療内科にもかかったんですが、薬を処方されても全然良くならなくて。」と話されました。

 Hさんはビックリするほど生気に乏しく、顔色も顔つきも悪く、今にも倒れ込みそうな感じでした。私の店から徒歩で5分くらいの所にお住まいですが、何とか私のところまで歩くことができ、「ようやくたどり着いた」という感じでした。

 このような場合、何をどうしてあげれば良いだろう? と、一瞬躊躇するような思考が湧き上がります。
 しかし、「ともかく、からだをよく観察するところから始めよう」と考え直して施術を開始しました。
 うつ伏せの状態になっていただき、首肩周りをじっくり揉みほぐすことから施術を始めましたが、揉みほぐしながら背中の状態、肋骨の動き、そして何より呼吸の状態を慎重に細かく観察していきました。
 ところで、「ご飯が食べられない」というキーワードは「胃の不調」を連想させます。胃の不調は背中の張りとなって現れることが多いのですが、背中の張りはそれほどではありませんでした。ですから、胃自体が悪いということではないように思いました。
 「自律神経」は内臓を動かす神経のことです。世の中の多くの人は「自律神経の不調=ストレスや精神的問題」と連想されるようで、Hさんも当初受診された内科で自律神経の問題を指摘されたために、心療内科を受診するに至りました。自律神経と心理や精神は直接的に結びつく関係にはありません。自律神経と胃の不調は直接結びつく関係にあります。なぜなら自律神経は内臓をコントロールする神経のことだからです。このあたりの認識につきましては、お医者さんがもっとしっかりと周知させなければならないことだと思います。自律神経失調=心理的ストレス、精神安定、鬱、心療内科などと結び付けて認識している人が多いのは巷の情報が誤っているからですが、大事なことなので、積極的に誤りを正し、正確な情報が広まるようにしていただきたいと思います。

 ところで、Hさんの呼吸は非常に悪い状態でした。「この呼吸では自律神経は不調になってしまう」と私は感じました。
 自律神経は、その字の現すように、私たちの意志の影響を受けることなく、言わば「勝手に動いている神経」のことです。(不正確な表現ですが)興奮状態をもたらす交感神経とリラックス状態をもたらす副交感神経のバランスによって血管や内臓をコントロールして私たちの生理機能を維持している神経ですので、原則的に私たちの意志ではどうにもできません。血圧のコントロールも自律神経の担当ですが、「血圧を下げたい」、あるいは「血圧を上げたい」と念じたところで、そのようには働いてくれません。
 ですから、おそらく現代医学の領域では「薬によって自律神経をコントロールする」ということが定説になっているのだろうと思われます。
 ところが、伝承とか伝統医学的考え方に立ちますと「呼吸や生活習慣によって自律神経のバランスを整えることは可能である」ということになります。
 ヨガ、丹田呼吸、剣術や武術、合気道、気功、太極拳‥‥、これらは呼吸の可能性を追求する側面を大いに持っています。ですから、伝統的に自律神経を整えて健康を実現する手段でもあると言うことができます。

 話題をHさんに戻します。からだを観察した結果、私が感じたのは、まず何よりも呼吸の状態を良くすることから始める必要があるということでした。
 呼吸の状態が良くなれば「全身がダメ」という状況から脱して、「どこが大元の原因になっているのか?」という肉体面でのウイークポイントが見えてくると思ったからです。今はともかく全身的に活力をアップすることが大事で、食事が摂れて、眠ることができる状態になってもらうことが何よりも必要なことだと感じました。
 そして、そのためには一にも二にも「呼吸」を整えることから始めるべきだと思いました。

よい呼吸とは

 ところで、どんな呼吸が良くて、理想的なのでしょうか?
 生まれたときから死ぬときまで、心臓の働きと呼吸は一時も止むことがありません。そのくらい身近なものですから、普段は呼吸について考えることはないと思います。
 ところが喘息や過呼吸や息苦しさなど、呼吸系のトラブルを経験しますと、私たちは呼吸について考えるようになります。そしてインターネットやテレビや雑誌や本などからいろいろな情報を得て「どれが最も良いのだろう?」と考え始めます。そして迷いが生じるかもしれません。

 「やっぱり腹式呼吸が最も大切で、そのためには横隔膜の働きが重要で、横隔膜を鍛えるにはどうしたらよいのだろう?」と質問してきた青年がいました。
 「腹式呼吸ができていれば、胸式呼吸はおろそかになっていても良いと考えているのですか?」と聞いてみました。
 すると「胸式呼吸よりも、いろんな意味で腹式呼吸を優先させるべきだと本にありましたよ。横隔膜はどう鍛えたらいいのですか?」と仰いました。
 このような思い込みを持たれている人は、もしかしたら多いのかもしれません。私自身、この仕事に携わっていなければ、そう思っていたかもしれません。
 「腹筋は鍛えてもよい筋肉ですが、横隔膜は鍛える必要のある筋肉ではないですよ。働きが良い状態になるように整える、というのが正解だと思います。」
 「腹筋を鍛えるように筋力トレーニングなどをして、万一こわばった状態になってしまいますと、横隔膜がゆるむことができなくて息を深く吐き出せなくなるかもしれません」
 「息が深く吐き出せないということは、古い空気(二酸化炭素)が肺に残ってしまったままの状態になるということなので、それはそれでからだに悪い影響を与えることになりますよ」と申し上げました。

 私が呼吸を観察するポイントは下記のように5つくらいあります。

  1. 頭蓋骨が呼吸に合わせて動くかどうか? 副鼻腔に吸気は通っているか?
  2. 鎖骨や胸郭の上部(肋骨)が吸気に合わせて大きく緩やかに動いているかどうか?
  3. 胸郭下部と横隔膜がうまく連動して腹式呼吸が行われているかどうか?
  4. 呼吸に合わせて骨盤が動いているかどうか?
  5. 吸気と呼気の流れが頭から足ま連動性をもって一繋がりになっているかどうか?

 呼吸運動が肺に酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する、ガス交換を行うためだけの役割であれば、上記の5項目の中の1つでも行われていれば、それで大丈夫です。窒息することはありません。
 ところが、それでは決して健康とは言えません。5項目を全部達成できないとしても、健康を維持したいと考えるのであれば①~③までは必ず実現しなければならないと私は考えています。

 一つ一つを要点だけ簡単に説明してみます。

  1. 本来、吸気の過程に合わせて頭蓋骨と骨盤は拡がる仕組みになっています。鼻から吸った空気は副鼻腔を通過しますが、それに合わせて側頭部が拡がります。そして、この頭が拡がる動きに合わせて脳内の血流がアップするように私は感じます。
     目の疲労や噛みしめなどによって側頭部の筋肉(=側頭筋)や頭皮(筋膜)が硬くなっていますと、頭蓋骨は動きませんので、副鼻腔に吸気を通すこともできませんし、脳内の血流もアップしないと思われます。すると脳が酸欠状態に近づきますので、頭がボーッとしたり、常に眠気に襲われたり、集中力がないために考え事ができなかったりという状態になってしまう可能性があります。


  2. 胸式呼吸のスタートは、鎖骨と胸郭上部(第1~第3肋骨)が上がりながら拡がる動作から始まるのが正しい状態だと思います。
     長い会話での瞬間的な息継ぎ、テンポの速い歌を歌っているときの一瞬のブレス、それらを行うためには瞬時に鼻腔を通して肺に空気を入れる必要があります。ゆっくりと腹式呼吸をしていたのではタイミングが遅れてしまいます。この意味でも、腹式呼吸だけでなく胸式呼吸も同じように重要であると言うことができます。


      100メートル走やマラソンなどで一生懸命走った直後は、息を切らせてしまったためにゼイゼイと肩を揺らした激しい呼吸を行いますが、それがここで言う胸式呼吸というわけではありません。安静時でも、息を吸ったときに鎖骨や第1~第3肋骨あたりが盛り上がるように動いて拡がるようになるのが望ましい状態です。

     胸式呼吸が上手くできない状態では、喋っていてもすぐに息苦しくなりますので「長い会話はしたくない」と思ってしまうかもしれませんし、すぐに溜め息をついてしまうようになるかもしれません。

  3. 肋骨と横隔膜と腹式呼吸
     腹式呼吸の中心は横隔膜です。横隔膜を動かす神経は頚椎にあります。
     カエルは息を吸うときに首を大きく膨らませますが、私たちの場合、その仕組みが胸の下まで降りてきて横隔膜になっているということです。


      横隔膜は胸部と腹部の境界ですが、ゆるんだ状態では天井が高いドーム状になっています。息を吸う動作に合わせて横隔膜は収縮しますが、すると天井が下がってきて横隔膜の上にある肺は膨らむようになります。この仕組みを利用して肺に空気が入る仕組みになっています。そして吸気時にドーム状の天井が平らになるように下がるわけですから、横隔膜の下にある胃と肝臓と大腸(横行結腸)などの内臓器官は圧迫されることになります。ですから、息を吸うときにお腹が膨らんで、息を吐くときにお腹が凹むようになるのが普通の腹式呼吸の正しい在り方であると言えます。(特殊な腹式呼吸もあると聞きます。)

     ところで、横隔膜は胸郭(肋骨)を足場にして伸縮を繰り返す筋肉です。ですから、肋骨や胸椎が歪んでいますと筋肉の働きが悪くなることがあります。

     腹式呼吸が上手くできない人に対しては、神経的な面で頚椎の歪み、筋肉の働きの面で肋骨、胸骨、胸椎を確認しますが、第7胸椎あたりの歪みは腹式呼吸に強い影響力があるようです。座った状態で第7胸椎を整えますと、スーッと大きく肺に空気が入って腹式呼吸が上手くできるようになることが多いです。

     尚、腹式呼吸で息を吐くときには腹筋が収縮して胸郭を下げる動作が必要になります。ですから腹筋の働きが悪い状態ですと、最後まで息を吐き出すことができない、長く息を吐き続けることができない、などの状態になってしまう可能性があります。そしてお腹の冷えは腹筋の働きを悪くする最も多い理由ですし、人によっては筋力不足が原因である場合もあります。


  4. 呼吸と骨盤の動き
     呼吸(肺呼吸)運動の中心は胸ですから、上記の①~③までの状態に問題がなければ、「呼吸に問題がある」といった状況にはなりません。ところが、「しっかり寝ているのに疲れが取れない」「ストレスを解消することができない」「からだがスッキリしない」「リラックスできない」という症状を感じてしまうかもしれません。

     からだの中心は骨盤です。そして骨盤は上半身と下半身の交流場所でもあります。骨盤が固かったり、歪みが大きかったりしますと、上半身と下半身の連絡が分断された状態になりやすくなります。

     例えば、デスクワークで一日の長い時間を座り続けた状態で過ごしますと、骨盤が椅子の座面に接する坐骨周辺や骨盤底(会陰)が固くなってしまいます。すると骨盤は後傾気味になってお尻は下がりますが、上半身が呼吸に合わせて大きく動いていても骨盤は無関係な状態、「上半身だけ勝手にやってて」というような状態になってしまいます。

     このような状態の人に対しては骨盤底や坐骨周辺がゆるむような施術を行いますが、そうしますと速やかに呼吸の波に合わせて骨盤が躍動する感じになります。そして呼吸のリズムが変わります。それまでは「息を吸って~、吐いて~」という呼吸の往復運動が鼻~お腹までで折り返していたものが、鼻(頭)~骨盤までに伸びますので、リズムがゆったりとしてきます。そして、この状態がしばらく続きますと、からだはどんどんリラックス状態になっていきます。

     いつもこのような状態でいることは難しいかもしれませんが、なるべくこのような状態を保ったまま眠り続けることができれば、疲れは解消し、頭もスッキリして、ストレスも何処かに消えてしまうかもしれません。

     赤ちゃんや幼い子供たちは、スヤスヤと気持ちよさそうに眠りますが、呼吸に合わせて骨盤もきっと動いていることでしょう。


  5. 頭~足まで、一繋がりの呼吸
     本来、呼吸運動は「波」です。そして理想的な呼吸の波は、頭の天辺から足先まで一繋がりで流れていきます。
     鼻孔~副鼻腔を通して取り入れた吸気は脳下垂体の前面をかすめるようにして咽頭に送られ気管をとおして肺に入っていきますが、この一連の運動は胸鎖乳突筋が収縮して鎖骨と胸郭を持ち上げ、外肋間筋を作動させて胸郭を拡げる一連の運動を誘発します。同時に横隔膜が収縮して腹筋がゆみ、お腹が膨れる腹式呼吸が行われますが、その流れは骨盤に拡がり、足先やふくらはぎに溜まっている静脈血やリンパを骨盤の方に引き上げる働きを誘発するようになります。

     股関節(鼡径部)や膝関節や足関節(足首)などに問題がなければ、?の骨盤の動きに合わせて、下半身の血液やリンパが動いて鼡径部まで戻る道を進みます。その状況は観察眼を鍛えることでしっかり把握することができますが、このような状態こそ理想的であり、呼吸によって「リラックス→浄化」が実現できる段階だと思います。

     足先にあった古い血液や古いリンパ液が他の老廃物などと一緒に回収されることになりますが、外呼吸(肺呼吸)と内呼吸(細胞呼吸)が一体化した状態であり、私たちに生来内在している「呼吸の力」の偉大さや深遠さを感じることができると、私は感じています。

頭の硬さ

 私はHさんの呼吸状態がまず上記①~③をクリアできる状態になることを目指して施術を行いました。自律神経を整えるための第一歩は呼吸を整えることだと考えているからです。
 しかし、頭の側頭部と後頭部が異様に硬い状態で、①の頭が呼吸に合わせて拡がるような動きはなかなか実現できません。
 側頭部が硬い理由は「食いしばり」です。この一月間、よっぽど辛かったのだと思います。肉体的辛さに耐えるために歯を食いしばって頑張っていたのだと思いました。
 後頭部~首のつけ根に掛けての異様な硬さはかなりのもので、普段はなかなかお目にかかることのできないほどのものでした。「どうしたら、こんなに硬くなるのだろう?」と思いながらも、この硬さがゆるまない限り頭に血液が行き渡らないような感じがしました。
 20分間くらいは、側頭部と後頭部の硬さをゆるめるためだけの施術を行いましたが、本人も痛かっただろうと思います。

 今回は60分間の施術でしたが、施術を終えると顔色はだいぶ良くなっていました。目つきや顔つきも戻ってきて、普通の状態の時の雰囲気になっていました。
 ただ、心はまだ落ち込んだままで、光の見えない暗闇の中にいるような、そんな感じに見えました。
 「また、近いうちに必ず来てください。まだまだ調整しなければいけないので。」と申し上げました。

翌日の来店

 翌日の夕方、Hさんから電話が入りました。「今日も、昨日のような施術をお願いしたいのですが‥‥」という内容でした。
 来店された時の様子は、昨日の施術直後の感じとは違っていました。
 「その後、どうでしたか? 今日はどんな調子でしたか?」と私は最初に尋ねました。
 冴えない様子で
 「今日は一日中頭(後頭部)が痛くて‥‥」
 「そして、いろいろな感情が湧き上がってきて‥‥。友人から電話が入ると、それだけで泣けてきたり‥‥、ともかく自分の感情を抑えるのが大変で」
 と仰いました。精神的落ち込みが強まったとも考えられましたし、あるいは、うつ状態で無感情に近かった状態から少し解放されて、感情が表に出てきたとも考えられました。そのあたりにつきましては何が正解か、私はよく解りませんし、担当分野でもありませんので、早速昨日と同じように首肩を揉みほぐすことから施術を開始しました。
 相変わらず後頭部から首にかけては張りが強かったですが、その他のところ、肩、背中、腰部から殿部、下半身などは、前日の状態とは変わっていて緊張感がかなり緩和していました。当然呼吸についても観察していましたが、「まあまあできている」と言った感じでした。
 そして昨日と大きく違っていたのは、Hさん自ら施術を受けながら会話を始めたことです。6月28日に真鶴(車で30~40分くらいの所)までラーメンを食べに行き、楽しみにしていたラーメンの味がまったく感じられないことに気づいたことから症状を認識し始めたということです。味覚がわからなくなり、頭がボーッとし始め、時々記憶が飛んでしまう症状が現れ、どんどん体調が悪くなり食事もできなくなって、あっという間に10㎏以上痩せてしまった、というような話をうつ伏せ状態で施術を受けながらしてくれました。
 その後、仰向けになっての施術を行いましたが、会話は途切れることなく、合計40分間くらいは会話をしていた感じでした。
 ここまで会話が継続してできるようになったということは呼吸状態も良くなってきたと判断することができます。私の見解では、自律神経回復のための第一歩はクリアできたということです。
 味覚の問題、頭痛の問題、記憶がところどころ飛んでしまう認知症に近い状態、食欲の問題、不眠の問題などを考えますと脳神経、脳幹、脳への血流などが頭に浮かんできます。また、食いしばりによるそしゃく筋の強いこわばりは頭痛の原因の一つであり、脳への血流にも関係ある事柄ですが、「どうして食いしばってしまうのか?」という課題も解決していかなければなりません。

 施術のおわりに、顎関節周辺がコチコチに硬くなっていることを認識していただき、指圧して、あるいは大きなあくびをして、硬くなっているそしゃく筋を少しずつでもストレッチしてほしいと申し上げました。



 今は3日目の8月1日、18時ですが、Hさんからの電話はありませんので、本日の来店はないと思います。状態が少しでも落ち着いていれば良いのですが‥‥。

 この度は具体例としてHさんを引き合いに出しましたが、私が申し上げたかったことは、「自律神経と呼吸は関係が深いですよ」ということです。
 自律神経系のトラブルに対し、現代医学では脳や血管の活動に働きかける薬で対応していますが、その他にも呼吸状態を良くすることで対応できることも知っていただきたいと思いました。
 薬は飲み続けているうちに、からだに耐性ができ「量を増やさなければ効かない」という状態を招く可能性があります。それは、漢方薬であっても同じだと思います。
 薬の効きが悪くなるという状況になりますと、「自分の状態が悪化しているのではないか」という不安に襲われるかもしれません。そうしますとマイナス思考に陥って負のスパイラルにはまり込んでしまう危険性さえ出てきます。
 ですから、別のアプローチとして「呼吸状態を良くする」という手段があることを知っていただき、薬と呼吸の両面で対応していただくのが良いのではないかと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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