ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

2018年11月

 私のところに来店される人は圧倒的に女性が多いのですが、足や足裏に対する悩みを持たれている人もかなりいます。女性の場合は、やはりヒールの高い靴を履く確率が高いからなのでしょうか、それとも肉体的に足の筋肉が弱いからでしょうか、外反母趾、内反小趾なども含めて男性に比べて明らかに足を気にされている人が多いです。
 扁平足は男性の方が多いように思いますが、男性はそのことをあまり気にしない傾向があります。感覚が鈍いのかもしれませんが、あるいは筋力が強いので少々扁平足でも支障を感じないのかもしれません。

 さて、今回の話題は小趾側のアーチについてです。
 足裏には内側(母趾側)と外側(小趾側)に縦アーチがあり、足の中程を横切るように横アーチがあるます。これらのアーチは歩行時にクッションの役割をしていますが、歩き方にバネを与えているとも言われています。

足のアーチ(内側・外側)


 母趾側のアーチが崩れますと、いわゆる扁平足状態になってクッション作用が乏しくなります。地面からの衝撃を直に受けるようになりますので、歩くことや立ち続けることが辛く感じてしまう、などと言われています。
 足の横アーチが崩れますと、開帳足になって足指のつけ根(MP関節部)に負担が掛かりますので、指(足趾)のつけ根のところにマメができ、痛みを感じたりするかもしれません。外反母趾や内反小趾の人はこのような状態になっている場合が多いのですが、それは母趾側と小趾側のアーチが崩れていることと関係しているように思います。
 今回取り上げました小趾側のアーチは、扁平足や土踏まずには直接関係していないと思われていますので、あまり話題には上りませんが、私はかなり重要な役割を果たしていると考えています。

 まず、小趾側アーチがしっかりしている状態に整えた場合の効用について説明させていただきます。
①姿勢
  • 立位での足のバランスが良くなりますので、「足裏全体でしっかり立っている感じがする」「心地良く立てる」「足全体を使って歩くことができる」などの感想をいただきます。
  • 頭と胴体と骨盤や殿部がバラバラで一体感が感じられず、出っ尻出っ腹状態の人が小趾アーチを上げてしっかりさせることだけで、すっかりスタイルが変わったことがありました。イメージ的に表現しますと「潰れていたからだが伸び伸びとした」という感じになりました。

②腹部
  • 小趾側アーチの要は第5(小趾)中足骨ですが、この骨が上がりますと鼡径部も上がります。すると恥骨周りが変わりますし、腹筋に余裕が生まれますので内臓の働きも良くなります。
  • 鼡径ヘルニア(脱腸)で悩んでいた妊婦さんが、鼡径部が上がったことで小腸の収まりも良くなり、すっかり悩みは解消されました。
  • 胃下垂になりやすく、慢性的な胃腸の不調に悩んでいた人が、鼡径部が上がったことで腹筋による締めつけが解消されたためか、胃腸の調子が良くなりました。

③顔面とその周辺
  • 目を開けるのが楽になったとよく喜ばれます。
  • 喉の位置が少し上昇しますが、嚥下が楽になった人もいました。
  • 舌の位置が上がります。顎を閉じるのに力を使わなくなりますので、口周りが楽になります。噛みしめ癖を改善することに貢献します。また、滑舌が良くなり喋りが楽になります。

 ざっと、上記の様な感じで効果が実感できると思います。


小趾側アーチがしっかりするとどうなるかを体感してみましょう

小趾アーチを上げた比較

 上の写真では、サラシを5回折った厚みのものを使いました。折ったままの状態では1㎝くらいの厚みになりますが、それを実際に踏むと5㎜程度のものになると思います。ハンカチでも小さなタオルでもよいと思いますが、あまり硬くない素材のものを使っていただいて、小趾側のみ、下に敷いてみてください。両膝が中心部に寄ってきたり、腹部がしっかりして伸びやかになったりするのが実感できると思います。
 小趾側アーチが少し上がるようにしただけですが、これまでとはすっかり変わった感じがすると思います。小趾側アーチがすっかり崩れている人は、これだけで地球との関係が変わったように感じるかもしれません。


小趾側アーチは「上昇する力」か?
 以前の投稿で内在する「上昇する力」について触れました。私たちは重力のある地球上に暮らしていますので、加齢などによって細胞の力が衰え始めますと重力に負けた状態で暮らすようになってしまうのかもしれません。
 その現れの一つが「重力に押しつぶされたような体型」です。

白人とアフリカ人

 以前にも使わせていただいた写真ですが、左側の人は前屈みになりながら歩いていますが、重力に負けた状態で歩いているように私には見えます。右側の人は重力を意に介さずさっそうと、伸び伸びと歩いているように見えますが、この違いは足元の違いによるものだと思います。そして、小趾側アーチがこの違いに大きく影響しているように感じます。

・鼡径部が下がらないように
 時々「出産後に体型が変わってしまうのは骨盤が拡がるからだ」と言われることがあります。施術者としての実感として、骨盤と体型とには深い関係があると思うことも多いです。そして「下っ腹」にフォーカスをあてますと、骨盤の中でも鼡径部の状態が体型に深く関与しているように感じます。
 鼡径部は、お腹と太股の境である「股関節にある溝」周辺のことですが、そこには骨盤前面の恥骨と腸骨の上前腸骨棘を結んでいる鼡径靱帯があります。鼡径靱帯の下には大きな動脈と静脈、そしてリンパ管が通りっていてリンパ節もたくさんありますので、上半身と下半身の境部として常に血流やリンパの流れを良くしておきたいところです。

鼡径部と小腸など

 ここで整体的にちょっと不思議なことを申し上げます。鼡径靱帯は骨盤と一体化した状態にありますので、骨盤が前傾しますと恥骨部は下がります(下を向く)ので鼡径靱帯及び鼡径部も下がります。そして骨盤が後傾しますと鼡径靱帯及び鼡径部が上がる状態になるのが理屈です。ところが実際には、そうはなりません。厳密に申し上げますと「形の上ではそうなりますが、力の方向がそうなりません。骨盤を後傾させても鼡径部は上を向いてくれません」ということになります。
 数学で「ベクトル」について勉強されたと思います。それは「→」で現され「向きと大きさをもった量」のことと説明されますが、私はからだの骨も筋肉も筋膜もベクトルを持っていると感じています。位置が上や下、右や左に歪んでいることが重要なのではなくて、その骨や筋肉や組織が「どの方向に、どれくらいの力で向いているのか」が重要だと思っています。その意味で鼡径部が上を向いていて欲しいと思っています。そして、そのためには小趾側のアーチがしっかりと上がっている必要があります。

 これは小趾側アーチが崩れている人に対して行う施術によってわかる変化なのですが、ベッドに仰向けになっていただいた状態で、小趾側のアーチが上がるように私の手で小趾中足骨や立方骨周辺を押し上げますと、それに伴って鼡径部内部の筋肉や組織がググッと少し動いて鼡径部が少し上昇します(上向きのベクトルになる)。そうなりますと鼡径部を筋肉の出発点としている腹筋がゆるみますので、腹部に余裕が生まれます。それまで呼吸をしていてもほとんど動くことのなかったお腹が静かに動き出すようになります。人によってはそれまで硬い腹筋に抑圧されていた内臓が少し解放されますので、お腹が鳴り出す場合もあります。
 そして次に喉や舌の位置が上がりますので、下顎から喉にかけて余裕が生まれたようになります。舌が上がりますと口の閉じ方が変わります。
 「口を結ぶ」という表現がありますが、その状態は口輪筋や口周りの筋肉を使って口を閉じますので、顎先(オトガイ)に筋肉の収縮瘤(梅干し)が生じます。いかにも力を使って口を閉じている感じですが、このような状態の時は舌が下がっています(下の歯列のところに舌先がある)。
 舌が上がりますと、口を閉じたときに舌が口蓋(口の中の天井)を塞ぐような感じになりますが、その力を使って口を閉じるようになりますので、口周りの筋肉やそしゃく筋はリラックスしたままの状態で口を閉じ続けることができるようになります。顔からも力が抜けますので、柔らかい顔つきになります。また、目元も上がり目が開きやすくなります。

 このような状態は、上の二人の男性が歩いている写真の、右側男性のように重力に負けない姿を築く力になると思います。そして、その力を「内在する上昇する力」だと私は考えています。そして、上昇する力を発揮するための条件の一つとして「小趾側アーチがしっかりしていること」が必要なのだと考えています。

 ちなみに、上昇する力を発揮するためには足首にあります距骨の状態も重要です。バネのある歩き方をするためには、母趾側の縦アーチがしっかりしていることよりも、からだをちゃんと距骨に乗せることの方が効果的です。


小趾側アーチを整える
 インターネットでいろいろな情報を見ますと、足裏のアーチをしっかりとさせるためには、足底筋膜や足底の筋肉を鍛えることが重要だとされています。「ま、それはそうだけど、それだけでは全然不十分だ」と私は考えています。的を射てないと言いますか、核心を外した内容に感じてしまいます。
 私が足のアーチを整える場合は、骨格にフォーカスします。整体の一つの手法として「隣り合う骨を観察していきながら、どの骨が歪みの大元になっているかを特定する」というのがあります。
 たとえば小趾側アーチが崩れている場合、それは小趾中足骨が下がっているとか、沈んでしまっているということです。ですから小趾中足骨と隣り合う骨がどうなっているのかを観察することから施術を始めます。

足の骨2

 小趾(5趾)中足骨と隣り合う骨としては立方骨、4趾中足骨、あるいは小趾(5趾)基節骨があります。例えば立方骨が歪んでいることによって小趾中足骨が沈んでいるのであれば、立方骨の歪みを修正することを考えます。それは立方骨に繋がっている筋肉の影響かもしれませんし、立方骨と隣り合う踵骨、あるいは舟状骨や外側楔状骨の歪みが原因になっているかもしれません。
 このようにどんどん比較作業を繰り返しながら、最終的に「この骨の歪みを修正すれば、それまでの過程の全部の骨が整い、小趾中足骨の状態がしっかりする」という骨を見つけ出し、それを整えることになります。
 そのために筋力をつけなければならないのであれば筋トレは必要になりますし、どこかの靱帯をゆるめることが必要であればそのような施術を行います。過去の捻挫が原因で靱帯が機能していない状態であれば、適切に対処します。このように、小趾側アーチを整えるための施術は少し手間が掛かります。


「上昇する力」は小趾側アーチだけではない
 私は勝手に「内在する上昇する力」と呼んでいますが、それは重力に負けることなく上(天)を目指す力のことであり、そういう力が私たちのからだには元々内在していると考えています。そしてその力は一般的な傾向として、若い頃は力が強く、青年期を超えますと加齢とともに徐々に弱くなるようです。
 若い頃は何の努力をしなくても頬が垂れたり、お尻が垂れたりすることはありませんが、それはその力が旺盛だからだと考えることができます。壮年期を超えますと筋トレなどをして努力をしても顔やお尻やお腹は垂れやすくなりますが、それは細胞に内在する上昇する力が弱まるからではないかと私は考えています。
 
 ところで、上昇する力が表面化する現象としましては、目が開きやすくなる、舌が上がる、鼡径部が上がるなどがありますが、そういう状態になるための骨格的指標がいくつかあります。
 小趾側のアーチがしっかりしていることはその中の一つですが、その他には膝小僧(膝蓋骨、膝のお皿)がしっかりと定位置に収まっていて下がっていないこと、上部頚椎が下を向くことなく頚椎が前弯していること、仙骨が前傾していることなどです。
 それぞれを説明し始めますと長くなりますので、それは別の機会にしますが、いわゆる「ストレートネック」と指摘される状態は上部頚椎が下を向いた状態ですので、舌の位置も顔も下がります。単に「肩が凝りやすい」とか「首が張ってしまう」という症状が現れるだけではなく、上昇する力が弱まりますので重力に負けてしまうからだになってしまう可能性があります。腰椎が後弯して骨盤も背中も丸まったような姿勢が得意な人は、前に進むのが苦手で推進力が発揮できませんが、それは「やる気が出てこない」ことと関連性があるとの話もあります。ですから、是非改善していただきたいと思います。

 ストレートネックは比較的容易に改善できますし、腰椎の後弯は時間がかかりますが改善可能です。小趾側アーチをしっかりさせることも含めて、いつまでも重力に負けることなく伸び伸びと暮らしていけるからだを維持していただきたいと思っています。

以上の様な私の考え方は以前に少しだけ勉強したことのあるインド哲学を参考にしています。それによりますと、宇宙を構成する元素は「空・風・火・水・土」の五つで、すべての物質はその五元素でできているとのことです。そして、この五元素の中で唯一、火の元素だけが上へ上へと上昇する性質を持っています。ロウソクの炎がまったく重力を無視して真っ直ぐに上昇するのは、炎は火の元素で満ちているからだと考えられています。そして量の大小は別にして、どんな物質も必ず5つの元素で構成されていると考えられていますので、物質としての水(H2O)にも火の元素(原理)が含まれている理屈になります。
 一般的には、水は100℃で沸騰して気化して上昇しますが、それは熱を加えることで火の元素が力を増したからだと考えることもできます。さらに100℃に満たなくても、海の水や道路に撒いた水は太陽の光を浴びて気化(蒸発)して上昇しますが、それは水に内在する火の元素が太陽の光と熱によって活性化され、力を増したからだと考えることもできると私は思っています。(科学的には湿度との関係で考えるようですが)

 ところで「火」は燃焼(=酸化)によってもたらされますので、私たちに内在する上昇する力は細胞の中のミトコンドリアの活動が生み出しいることになります。(細胞内のミトコンドリアが糖質と水を燃焼(=酸化反応)させてエネルギー物質を生み出しています)
 ですから、子供や若い人達は食欲が旺盛ですが、食べたものはどんどん燃焼されますので、上昇する力が増大すると考えられます。そして、加齢や体調不良などであまり食べられなくなりますと上昇する力も弱まってしまう、つまり重力に負けやすくなってしまうと考えることもできます。

 上昇する力をこのように考えますと、小趾側アーチとの関連性はないように思いますが、現実として、小趾側アーチをしっかりとした状態に整えますと、上昇する力がアップして舌が上がりますので、ミトコンドリアの活動と何らかの関係があるように思われます。ですから、「小趾側アーチを整えると上昇する力がアップする」ということではなく、「上昇する力をアップさせるためには、小趾側アーチを整えることも必要な要素の一つである」と言えるのだと思います。
 

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
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 今回は短い話題ですが、最近の出来事から参考になればと思い書かせていただきました。

 20歳代前半の女性が「子供の頃から姿勢が悪く、毎晩歯を食いしばっているので改善したい」ということで来店されました。
 私との最初の会話は(いつものことですが)、「子供の頃とは、具体的にはいつですか? 小学生の時ですか? その前ですか?」というところから始まります。そして、時期、この場合は、姿勢が悪くなったと自覚した時期がだいたいわかりますと、次に「その頃に何かケガなどをしましたか? あるいは何かありましたか?」と質問を続けることになります。ところが「子供の頃にケガをした記憶はない」との返事でした。
 初対面で、根掘り葉掘り細かいことを尋ねることに躊躇する心はあるのですが、「姿勢が悪い」といった、私たち専門家からすると“漠然とした訴え”に思えることに対して、施術につなげるヒントを得るためには仕方のないことです。

 背の高い細身の女性で、立位では姿勢が悪いという印象はないのですが、座ると背筋を伸ばし続けることができません。腰が丸まってしまうので、自ずと肩甲骨の部分も丸まってしまい、すっかり猫背になってしまいます。
 パソコン業務や事務仕事などが多い人は猫背になりやすい傾向がありますが、その猫背とは違い、まだまだ若いのに高齢者が背中を丸めてしまうような、力ない猫背です。
 「やはり、からだのどこかがおかしくて猫背になってしまう」と私は感じました。

 私が子供だったときも親に「姿勢良くしなさい」としょっちゅう注意されていましたし、小学生の子供さんも時々来店されますが、男子のほとんどはクネクネしていて姿勢が良いとは言えません。ですから普段の悪い姿勢が定着してしまい猫背になる可能性もありますが、この女性の場合、そうではなく、きっと何かの理由があって姿勢が保てなくなってしまったと感じました。
 それで、更に質問を続けました。「それでは、寝ている時に歯を食いしばってしまう癖になってしまったのは、何かきっかけがありますか?」
 すると小学校5年生の時に「食事で噛んでいたときに顎が外れそうになって‥‥、思い切り口を閉じたら顎がガクッとして‥‥、とても痛かった。それからかなぁ」と仰いました。
 「もしからしたら、これかなぁ」と私は思いまして、ベッドに仰向けになっていただき、しばらく顎関節周辺を施術してみました。
 「顎がガクッとして、とても痛かった」ということから連想できますことは、顎関節にある“関節円板”が傷んだのか、そしゃく筋の“外側翼突筋”が傷んだのか、ということです。
 
外側翼突筋と関節円板

 5分間ほど施術した後、もう一度座っていただきました。すると骨盤が少し立つようになっていて、良い姿勢もなんとなく保てるような感じになっていました。そこで、「原因はこれでほとんど間違いない」と思いまして、その後30分近く顎周辺を施術しました。
 問題があったのは左顎関節でしたが、それが影響して右側のそしゃく筋が強くこわばっていました。しかし、時間の経過とともに右顎が弛みだし、やがて噛みしめ状態は解消されていきました。
 施術が終わって再び座っていただきますと、すっかり姿勢も良くなり、猫背が解消された状態になりました。顎もゆるんで「まずまず」という感じになりました。

 きっと小学校5年生の時から姿勢が悪くなってしまったのだと思います。それから10年以上、親や学校の先生などから姿勢について指摘されたり、注意され続けてきたのではないかと想像できますが、本人も辛かったことでしょう。
 表からは見えない、本人も自覚することができないからだの不具合によって、姿勢を保つにも保てない状態だったわけです。
「どうしたらよいか解らない」、きっとそんな状況で来店されたのだと思います。

 このブログでは、以前から古傷の影響、手術の影響などについて取り上げていますが、そのような影響で現在不調を抱え続けている人もたくさんいると思います。
 何か心当たりのある方がいらっしゃいましたら、是非一度ご来店ください。理由が解って、疑問が晴れるかもしれません。

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 O脚修正の3回目は膝下から足首周辺と足についてです。
 前回説明させていただきましたように、O脚の人は膝窩筋のこわばりなどによって膝関節でふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)が外に飛び出したようになり、かつ内側に捻れていますが、多くの場合、その状態が足首に向かうにつれて悪化しています。つまり、膝関節のところでは小さな内側への捻れだったものが、足首手前では捻れ方が大きくなっているということです。
 この直接的な原因はふくらはぎの皮下筋膜(皮膚の下にある膜)が捻れた状態になっているからです。器と中身があったとして、器が捻れてしまったので中身もそれに合わせるように捻れてしまったという状況に似ています。
 そして、ふくらはぎの筋膜が捻れてしまう原因は膝窩筋のこわばりだけでなく、膝下の筋肉の変調と足首周辺の靱帯や筋膜などの状態です。膝下の筋肉がアンバランスな状況になって足首に負担が掛かるようになりますが、それに耐えるために足首周辺の靱帯や筋膜が硬くなって対抗している姿が感じられます。
 この状況が慢性化して何年、何十年と経ちますとO脚は頑固なものになり修正するにも手間と時間を要することになります。

O脚の人の足首と足

長趾屈筋の強いこわばりによって捻れるふくらはぎ
 O脚の人だけでなく、ふくらはぎが足首に向かって内側に捻れている人はかなり多くいます。内股の人は間違えありません。それ以外にもかかと体重の人、上半身を前に倒しながら歩いている人、足を引きずるように歩いている人などはその可能性があります。

長趾屈筋のこわばりと脛骨の捻れ

 さて、このふくらはぎに内側への捻れをもたらす筋肉を長趾屈筋(ちょうしくっきん)と言います。長趾屈筋につきましては以前にも取り上げましたが、ふくらはぎの一番奥、脛骨の内側面から出発し、脛骨の縁に沿って下り、内くるぶしのすぐ下を通って2~4趾の指先(末節)に繋がっています。収縮することで母趾(足の親指)以外の指先を曲げる働きをします。O脚の人の場合、足の外側に重心が掛かっていますので、歩行時などで普通の人以上に長趾屈筋を使うことになります。ですから、O脚の人の長趾屈筋は強くこわばってしまいますが、それによってふくらはぎが足首に向かって内側に捻れていきます。
 そして実際の現象として、長趾屈筋のこわばりをゆるめていきますと、ふくらはぎの内側への捻れは改善していきます。

足首内側の靱帯などを整える
 O脚ではないとしても足の外側に重心が掛かってしまう、あるいは重心が外側に逃げてしまうような立ち方の人は多くいます。内股の人もその傾向にありますし、過去に足首を捻挫した経験のある人もそうなりやすいと言えます。
 そして足の外側(小趾側)に重心が掛かったまま何年もあるいは何十年も経過してしまった人は、足首周辺の靱帯や筋膜(屈筋支帯含む)が柔軟性を失った状態になっています。そして前述の長趾屈筋の強いこわばりもあいまって、ふくらはぎの皮下筋膜を内側に捻れさせO脚特有の足首状態をもたらしているようです。

O脚の人の足首と足2

 重心が小趾側にある人の特徴の一つとして、足首が内側に倒れている(内反状態、足首の内側が縮んで外側が伸びている)ことがあります。その直接的な原因として、外くるぶしが下がっていること、足首内側の靱帯が縮んでいること、かかとの内側の屈筋支帯と呼ばれる結合組織(筋膜)が縮んでいることなどが考えられます。

 足首周辺には幾つもの靱帯があります。靱帯は筋肉のように伸び縮みする働きをするものではありませんが、直接骨と骨を結び付けている紐や鎖のような役割りをしています。強い衝撃や引っ張りがあったとしても頑張って骨と骨の間がある範囲を超えて離れないようにしています。
 捻挫は足首をくじいたりして頑丈な靱帯でも耐えられないような力が掛かってしまったために、靱帯が伸びてしまったり損傷してしまった状況ですが、そのために関節がグラグラして不安定になってしまいます。そして靱帯は伸びたり損傷したりすることだけでなく、硬く縮んだ状態になることもあります。

足首内側の靱帯

 足首の内側には三角靱帯がありますが、小趾側重心の人はこの靱帯が縮んで硬直しています。それによって母趾側の土踏まずが内側に持ち上がった状況になり、かかとが内側に入った内返し状態の足首になっています。この状態を改善するためには、指圧などの手法により靱帯の硬直を解除する必要があります。

足首の屈筋支帯

 また、内くるぶしからかかと内側にかけて屈筋支帯(くっきんしたい)という結合組織がありますが、これも硬くなって縮んでいます。そして、かかとの内側にはアキレス腱が延長して筋膜となった部分もありますが、O脚の人などはこれらがとても硬くなっています。足首を正しい状態に戻すためには、これらを揉みほぐして柔軟性を回復する必要がありますが、揉みほぐしには痛みを伴います。

足首外側を整えて小趾側アーチを整える
 O脚や小趾側に重心が掛かってしまう人の足首外側では、外くるぶしが下がっていて、かかとの外側~小趾先にかけてダラッとして頼りない感じになっています。足首の内側が硬くなって頑固な状態とは相対的で、外側は頼りない感じです。

足の外側の骨格(小趾アーチ)

 O脚の人や小趾側に重心が掛かっている人は足が内反状態で、母趾側の土踏まずが浮いて小趾側が墜ちているのが特徴的ですが、そのため小趾側の縦アーチは失われた状態になっています。
 「偏平足」は母趾側の縦アーチが失われた状態で本来「土踏まず」として浮いている部分が地面に着いてしまう「平らな足裏」のことを言うようですが、小趾側の縦アーチも重要です。
 母趾側のアーチが失われますと、歩行時など地面からの衝撃に対するクッション作用の働きができないため、足腰に負担が掛かると言われています。このことにつきましても私は言いたいことがありますが、今は小趾側のアーチについて申し上げます。これまでたくさんの人に施術をしてきましたが、“下がった口角を上げる”、“目をパッチリと開くようにする”、“お腹の調子を整える”、”鼡径部をスッキリさせる”等々、からだを整える上で小趾側のアーチを整えることは重要です。
 少し前に“からだに内在する上昇する力”について云々させていただきましたが、小趾側のアーチはこの力に関係があるようです。そう言う意味でも、小趾が墜ちている人はそれを整えて小趾側のアーチをしっかりとしたものにしていただきたいと思います。
 尚、小趾側のアーチを整える方法は簡単には説明できません。幾つかのパターンによって小趾が墜ちてしまう状況になるのですが、O脚を改善する手段を用いれば小趾側アーチがしっかりとする、というものでもありません。しかし、O脚特有の足首状態を整えようとするなら、小趾側アーチを整えることは必要事項であるということです。

重度なO脚は足首が潰れた状態になっている
 上記に掲載した写真のモデルは私の母です。母は元々はO脚ではありませんでした。10年ほど前にリウマチを患い、左膝関節が変形してO脚状態になってしまいました。ですから、ずっとO脚だった人に比べますとふくらはぎの内旋(内側への捻れ)は軽微です。そして足首自体の状態もそれほど悪いわけではありません。
 ところが若い頃からずっとO脚で、高齢になって変形性膝関節症になり、膝の内側がいつも痛いような人、つまりO脚が重症化してしまった人の足首は潰れたような状態になっていることが多いです。
 そしてこのような人は、歩くときに、膝に体重の重みが掛かると膝下が外側に動き、足首に重みが掛かるときには足首の内側がグニュッと沈み込むような動きをしますが、からだがとても可哀想な状態だと思ってしまいます。

重症なO脚の足首

 ふくらはぎの骨が真っ直ぐ降りてきて、それを足首の骨(距骨)で真っ直ぐに受け止め、からだの重みが足裏全体に分散して拡がる状態が理想ですが、そのような人は「足首が立っている」と感じます。しかし、このような人が少ないのも実状です。
 しかしながら歩く度に足首がグニュッ、グニュッと曲がってしまうのは良くありません。O脚でなくてもこのような人はいます。是非直していただきたいと思います。



 これまで3回にわたり、O脚について説明させていただきました。
 1回目は股関節を中心に小殿筋に焦点を当てました。2回目は膝関節を中心に膝窩筋と脛骨の内旋に焦点を当てました。今回の3回目は足首周辺と足に焦点を当てました。
 同じO脚でも人それぞれ、細かい部分で違いはありますが、O脚を修正する上での基本的な考え方はこれで良いのではないかと私は思います。と言いますか、本当の意味でO脚を修正するためのであれば、必ずこの3つの項目は確認して修正しなければならないと考えます。

 また、現在いろいろと検証中ですが、上部頚椎(頚椎1番と2番)の状態はO脚に限らず様々症状において影響力があるようです。上部頚椎を整えることで、からだ全体の在り方が落ち着くようで、いろいろな不調や不具合が良い方向に向かいます。これについてはもう少し検証が進んだ段階で改めて説明させていただきたいと考えています。
 そして、今回ちょっとお話しさせていただきました「小趾側のアーチと上昇する力」につきましても、そのうち取り上げようと考えています。


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