ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

2015年11月

 私の業界もネット予約システムが少しずつ浸透しているようです。
 ネット予約を管理するのは、しょっちゅうパソコンを見ていないといけないので、私のように一人で営業しているところでは業務が煩雑になるかなと思い、これまでは敬遠してきました。
 しかし、営業時間外に予約のメールをいただいたりすることもしばしばありますので、このたび試験的な意味も込めて取り組んでみることにしました。
 その準備に当たって業者さんから「取材シート」なるものに記入するよう頼まれまして、それを書き上げました。それはそれで簡潔な情報として役に立つかもしれないと思い、下記に列挙します。

○姿勢の改善
(原因)
パソコンでのデスクワークは肩と腕を前に出す姿勢です。椅子に座り続けることでお尻が硬くなり骨盤が歪みます。その影響で背骨を真っ直ぐ保つための背筋の働きが悪くなり猫背になってしまうことが考えられます。
また、お腹の冷えで腹筋の働きが悪くなるため、姿勢を保つための腹筋と背筋のバランスが崩れ、からだを真っ直ぐにしていられなくなることもあります。

(アプローチ)
肩甲骨の位置を本来の状態に戻すための指圧と揉みほぐし、硬くなっている骨盤底を弛め骨盤調整をして背中の筋肉の働きが良くなるようにするなどの施術を行います。
また、腹筋の働きが良くなり伸びやかになるための施術やかかと体重を改善するための施術を行います。

(クライアントの声)
施術後は姿勢を正すために意識的に背中を伸ばすようにしたり、顎を引いたりする必要はなくなり、ごく自然に姿勢が改善され、かかと体重も改善するので、足がしっかり地面についてからだも伸びやかになると言われます。

(施術への不安に対して)
背骨や首の骨をボキボキするような手技は一切ありません。筋肉が硬く凝り固まっているところ、たとえば足先や指先、手のひらなどは凝りを取るとき短時間痛みを感じるかもしれませんが、その時限りのことで後を引くことはありません。それらの凝りが取れますとからだは芯からリラックスします。
その他の施術はソフトですので痛みを感じるようなことはありませんからご安心ください。

○疲れている、だるい、疲れにくいカラダになりたい
(原因)
血液やリンパ液の循環が悪いことが原因のほとんどだと思います。静脈とリンパの流れが悪いと体内でできた老廃物が組織に停滞してしまうので、細胞が活力を失いこのような状態になると予想できます。首・肩・目・顎周辺の凝りも血行を悪化させる要因ですが、上半身では鎖骨と肋骨の関係、下半身では鼡径部(股関節)が血液とリンパの循環に強く影響を与えます。からだが捻れている、骨盤が歪んでいる、これらは全身疲労の原因として大いに考えられます。また深い呼吸ができないことも原因になります。

(アプローチ)
首・肩・目・顎周辺の凝りは、指圧や揉みほぐしによって半分くらいは改善されます。上半身の循環にとても深く関係する鎖骨と肋骨の不正な関係は上半身の歪みですから、それを解消するようにします。そして股関節や鼡径部は骨盤の歪みや下肢筋肉の変調が深い関わりを持っていますので、骨盤調整とともにふくらはぎや足裏、足指などへの施術を行うようになります。
浅い呼吸を改善するためには、肋骨の状態を整えること、腹筋を整えること、そのような施術になります。

(クライアントの声)
鎖骨と肋骨の関係、鼡径部などを調整して血液循環を整えますと、まずむくみが改善されます。リンパマッサージやむくんでいる箇所を揉みほぐしたりするわけでもないのに、パンパンだった太ももや足、手のひら、それらに余裕ができ目も開いて視界が明るくなりますので、それは驚きとともに喜ばれます。
さらに呼吸が深くなりますと全身の筋肉がゆるみ心からリラックスできるようになりますので、温泉に浸かった後のような感じになると喜ばれます。

(施術への不安に対して)
目の凝りに対してはコメカミへの指圧、顎の凝りは硬くなった咬筋をほぐしますので、多少痛みは感じます。しかし「痛気持ちいい」という声が多いです。
からだの歪みや骨盤、鼡径部の調整は主に手指や手のひら、足裏や足指、ふくらはぎへの施術で行います。これも施術している部分は短時間の痛みを感じると思いますがその場限りのものです。
“ソフト整体”という感じにはなりませんが、無理に何かを動かしたり、骨を操作したり、カラダをひねったりすることはまったくありませんので、不安は感じないと思います。

○歳を重ねる度の不調
(原因)
加齢による体の大きな変化は体力と柔軟性の低下に集約されるかもしれません。あとはホルモン分泌の変化による体質の変化でしょうか。
体力が低下しますと、昔の古傷が再び症状をもたらすようになります。若い頃に捻挫や骨折やムチウチをしたとして、しばらくすると痛みや腫れは消え動作もできるようになりますので、それで完治したと思っている人がほとんどです。ところが若い時は体力があるので完治していなくても不具合を別の筋肉が補ってくれます。そのため症状が表には現れなくなります。しかし加齢とともに補う力が弱くなったり、体調を崩して体力がなくなったりすると、過去の完治していない傷の影響でからだに不具合が出る可能性が高くなります。
あるいは完治していない傷の影響でからだが歪んで使い方がおかしくなりますが、そういうことが積み重なって現在の不調になっている可能性も考えられます。

(アプローチ)
過去の捻挫、ムチウチ、骨折などは完治していない限り多かれ少なかれからだに影響を及ぼしています。また、手術の縫い痕も影響があります。それは何十年経ってもかわりません。ですから、まずそれらをしっかり治しながら、からだの歪みを取っていき、何よりも呼吸が改善されるようにします。呼吸は自律神経調整の窓口ですから、普段の呼吸が良くならなければ体調を良くすることはできません。
過去の影響が一回で解決するものもあれば、数回施術しないと解決しないものもあります。また、四十肩や五十肩の経験のある人は、それらもしっかり治す必要があります。

(クライアントの声)
40年ほど前に仕事で無理をして薬指の第一関節が曲がったままの人がいました。薬指は思いの外、からだ全体に影響を及ぼします。それを10分くらいの施術で改善し、動かすことができるようになりましたが、それによってからだがリラックスできるようになりました。本人は40年ぶりに動くようになった薬指に感動していました。

(施術への不安に対して)
古傷や手術痕の場所は筋肉や筋膜、靱帯の働きが悪くなっています。足首を捻挫した人は、靱帯が伸びたままになっていますので足首がグラグラしています。それに対する施術は、靱帯の伸びている部分に指先を当てるだけのとても優しい施術です。同様に働きが悪くなっている部分を改善するための施術は“手当て”のように優しいものです。

○肩こり
(原因)
肩こりの症状は2つに大別できます。一つは老廃物や水分が流れず滞って筋肉や組織がコチコチに硬くなってしまったもの。もう一つは筋肉や筋膜が張ってしまったため辛く感じ、動作で痛みを感じるものです。
「凝り性」は体質的に、あるいは心理的な影響で肩に力が入りやすく、血液やリンパ液の流れが悪くなりやすいということですが前者にあたります。頭をたくさん使う仕事ばかりしていたり、同じ姿勢を続けていることが多いと肩に力が入りっぱなしになり首や肩が凝ってしまいます。
また、パソコン作業など手をたくさん使う仕事をしていますと、手先の筋肉がこわばりますが、そのこわばりが肩や首までつながってしまい筋・筋膜に張りができてしまいます。あるいは首の骨や肩甲骨がずれますと、それによって張りができてしまい動作がしづらくなります。筋肉は「張ると太くなる」性質をもっていますので、これらが後者の肩こりに該当します。

(アプローチ)
実際のところ、肩こりで辛い思いをしている人は“凝り”と”張り”の両方を併せ持っています。“凝り”に対しては揉みほぐす施術を行います。一般的には両肩で20~25分の揉みほぐしを行い、その後で“張り”を取るための施術を行います。噛みしめなどの癖を持っている人は咬筋をゆるめ、目が凝っている人はコメカミを指圧します。また、手の凝りは肩の張りにつながりますので、手や手指のこわばりを取ったり、肩甲骨の位置を正しくする整体施術を行います。

(クライアントの声)
肩こりを揉みほぐすだけでは、その時は気持ちが良いのですが満足を得られることは少ないです。“張り”が取れ、首や肩の動きが軽くなり、頭もすっきりしてはじめて満足が得られます。
1時間近い時間とお金を使って「肩こりから解放されてスッキリしたい!」という望みは、首肩の揉みほぐしだけでなく、目の凝り、手や腕の張りを改善して達成されます。

○腰痛
(原因)
腰痛の原因は様々です。痛みを発する場所は腰部ですが、直接的原因の一番は骨盤の歪みです。打撲やケガ、ギックリ腰などで直接骨盤や殿部周辺を損傷した場合は、それが原因として腰痛を招いています。しかしそうではない場合は、別の要因によって骨盤が歪み、腰部の筋肉や筋膜が張って痛みにつながっています。そしてこちらの方が圧倒的に多いのが現実です。
姿勢や手足の使い癖、歩き方の癖、見方の癖それらが原因となってからだ歪み、骨盤の歪みにつながって腰部に無理がかかっている、というイメージでしょうか。
また、お腹が冷えて腹筋の働きが悪くなるだけでも腰痛になります。膝が悪くても腰部に負担がかかって腰痛になることがあります。ですから、腰痛の原因は様々です。

(アプローチ)
骨盤や股関節を整えることが腰痛改善の第一段階です。その上で、腰部に張りをもたらしている要因をひとつひとつ解消していくようになります。
骨盤は中心の仙骨・尾骨と左右の腰骨(完骨)のバランスで成り立っていますので、そのバランスを崩している原因を特定してそれを施術するようになります。ふくらはぎから足にかけての筋肉や手の筋肉の変調、頭蓋骨や肩甲骨の歪み、それらが骨盤のバランスを崩す要因として考えられますが、それ以外にギックリ腰などは仙骨・尾骨や腰椎自体に歪みをもたらしますので、それらの中でどれが本当の犯人になのかを見極めて対処することが大切です。

(クライアントの声)
腰痛は、よっぽどひどい場合を除いて、あるいは特殊な場合を除いて
常に腰を酷使している仕事を行っている人は、腰部の筋肉がその重労働に耐えられるように硬くこわばっています。筋肉が変質していると言っていいかもしれません。それが腰痛の原因になっていますが、また腰部を守ってもいます。

○骨盤のズレや開きを感じる
(原因)
産後の骨盤の問題は、開いた骨盤が元に戻りきっていないということです。出産に際して靱帯、筋肉、筋膜のすべてがゆるみますが、それらのうちどれかのゆるみ切った状態にあると考えることができます。
加齢による骨盤の開きは、骨盤底の筋肉が硬くこわばっていることが原因だと考えられます。骨盤底が硬くなりますと、骨盤下部が狭くなり、上部が開くという状態になってしまいます。また、加齢にかぎらず座っている時間が多くなりますと同じような状態になりますので、デスクワークが多い人はその可能性があります。
骨盤状態は上半身の筋肉と下半身の筋肉のバランスで成り立っていますので、右手ばかりを使っているとか、右側に重心を乗せて立っている、背中を丸める姿勢や猫背である、というも骨盤の状態に影響を与えます。

(アプローチ)
産後の骨盤のように、ゆるんでしまった筋肉・靱帯に対しては、その部分にじっくり手を当ててゆるみを解消するようにします。それによって次第に開いていた骨盤がしまった状態に変化します。
加齢や座りすぎなどによって骨盤底が硬くなってしまったものに対しては、まずそれをゆるめます。
これら以外はからだの筋肉のバランスを整えることで対応します。からだが歪めば当然骨盤は歪みます。ですから骨盤のズレや開きを改善するためには、からだの歪みを修整することが不可欠です。

(クライアントの声)
骨盤が良くなると立ち姿がスマートになります。背筋を真っ直ぐにするために背中に力を入れたり、お腹を引っ込めたりするようなことをしなくても、自然と背筋が伸び、顎が引かれ、楽に立つことができるようになります。その変化だけでも、からだが変わったことを実感できると思います。

(施術への不安に対して)
骨盤を矯正するために、太ももや骨を押し込んだり、引っ張ったり、海老反りのような感じで伸ばしたりするようなことは一切ありません。骨盤が自然に整うように筋肉を調整していくのが私のやり方です。背骨をボキボキすることも一切ありません。ですから安心して施術を受けていただけると思います

 前回に、骨盤の歪みは“骨盤だけに着目するのではなく、からだ全身との関係性から考える必要があるという趣旨を記しました。
 ですから、実際の施術に際しては
 ①からだの歪みが骨盤に影響を与えているの場合
  ‥‥上半身からくる影響か、下半身からくる影響かを見極める必要
 ②骨盤の歪みがからだに影響を与えている場合
  ‥‥骨盤の中で、仙骨・尾骨と左右の完骨では、どの骨の歪みが全体に影響を与えているのか
 以上の二つを一番最初に判断することからはじめます。

①からだの歪みが骨盤に影響を与えている場合
・上半身からの影響で骨盤が歪んでいるケース
 上半身で歪みを起こす元となりやすいのは、顔(目、顎)と手や手先です。噛み癖、噛みしめや食いしばりの癖、歯ぎしり癖、これらは顎の状態に影響を与えます。また目の使い方の癖、つまり片方の目ばかりを使って物を見ているとか、右側を見ていることが多いとか、ということですが、これも上半身に歪みをもたらす原因になります。目と顎(口)の偏りは顔(頭蓋骨)を歪ませますが、後頭骨が歪みますと、それと対になって連動している仙骨も歪んでしまいますので骨盤全体が歪むことになります。
 
目の偏りと骨盤の歪み

 また、私たちは手をたくさん使って作業を行っていますが、それによって手や手先がたいへんこわばっています(ほとんどの人は自覚していませんが)。そのこわばりは、腕の筋肉~胸筋~腹筋を伝わって骨盤に影響を与えます。
 普段はあまり重い物を持ち歩かないのに、ある日遠出をして終日片手に重いカバンなどを持ち続けていた後で、何日かたって腰痛になってしまうということがありますが、それは手の筋肉が能力以上に酷使されたのでこわばってしまい、それが骨盤の歪みを引き起こしてしまったためだと考えられます。
 事務職などで終日椅子に座ってパソコンを操作している人は、強弱は別にして慢性的に腰痛を抱えている可能性が高いです。一つは座り続けていることで骨盤底筋が硬くなってしまったこと、もう一つは手のこわばりが骨盤に影響を与えてしまったことが原因であると考えることができます。
手と腹斜筋と骨盤の歪みの関係性

 以上のように上半身の歪みが骨盤に影響を与えている場合は、原因のほとんどは顔と手にありますので、それらを施術によって整えることが改善策になります。そして予防としては、目の使い方、噛み方、噛みしめや歯ぎしり癖を改善するか、それができなければ、毎日の終わりに偏ってしまった状態をセルフケアしてよりニュートラルに近い状態に一端戻すことが必要です。ただし、上半身の歪みで骨盤が歪んだ場合は、当然下半身にも歪みは伝わっていますので、次に挙げる下半身の歪みの影響も考える必要があります。

・下半身からの影響で骨盤が歪んでいるケース
 顔や手の影響で上半身が歪み骨盤に影響を与える場合は、途中に腕、肩、胸、腹や背中という部位を経由しますので、からだが元気であれば、そこで歪みを吸収して自動調整し、骨盤にそれほど影響が及ばないケースも考えられます。しかし、下半身の歪みは途中で吸収される部位が少ないため、ほとんどダイレクトに骨盤に影響を与えてしまうという現実があります。
 私は骨盤の調整であれ、腰痛の改善であれ、まず足裏やふくらはぎから施術を始めます。最初に足とふくらはぎを整え、その上で骨盤が歪んでいる原因を改めてチェックし直し、次の作業に移るようにしています。足やふくらはぎを施術していると、その人の歩き方や下半身の使い癖がイメージとしてなんとなく頭の中に浮かんできます。そして太ももや骨盤底の筋肉をチェックしていきながら最終的に“どう整えようか”という作戦と施術の段取りが決めて施術を進めていくことにしています。

 下半身の影響で骨盤が歪んでしまうケースは様々ですが、外反母趾、内反小趾、扁平足、足首の捻挫痕、骨折痕、肉離れ痕、手術痕、膝の問題というのは原因となる可能性の高いものです。
 過去の捻挫や肉離れ、骨折痕などは、現在痛みがないから関係ないと考えている人がほとんどですが、痛みがなくとも筋肉がしっかり働けない状態であれば大いに関係します。それらを見直すことは骨盤矯正にとって重要です。

②骨盤の歪みがからだに影響を与えている場合‥‥骨盤自体に原因がある場合
 骨盤自体がからだの様々な不調の原因になっているケースで考えられることは、ケガと骨盤底の柔軟性不足と産後ケア不足などです。
 ケガというのは、打撲、骨折、ギックリ腰、尻もち、手術などです。
 骨盤底の柔軟性は加齢とともに失われる傾向にあります。また座り続けることが多いとやはり柔軟性は失われます。骨盤底が伸びないと全身の筋肉が伸びない、骨盤底が硬くなると坐骨間が狭くなり骨盤が後傾してお尻が下がる、と前回記しましたが、骨盤矯正で骨盤底を整えることは最も大切なことかもしれません。
 時々産後ケアの一環として骨盤矯正のために来店される人がいます。産後三ヶ月前後が一番効果的な時期かもしれませんが、何年経ったとしても産後の骨盤矯正をされた方が良いと思われる人はけっこういます。出産時にはホルモンの力で、通常はガチッとしてほとんど伸びることのない恥骨結節や骨盤の靱帯が大きく伸びて骨盤は上部も下部も拡がります。産後安静にして、ケアを適切に行っていれば通常は3ヶ月から半年ほどで骨盤はほとんど元の状態にもどるとされていますが、今の世の中、産後の安静を3ヶ月も保つことはなかなかできないというのも実情です。ですから、産後の骨盤変化が気になる方は、一度専門家に確認していただいてはどうでしょうか。

・仙骨・尾骨と完骨
 たとえばギックリ腰をして腰がいたくなった場合、ほとんどの人は腰部の痛みを発しているところに湿布を貼って痛みを軽減しようとします。それは正しいことです。痛みのあるところを冷やせば痛みが緩和するからです。ところが、実際に症状を改善しようとする場合は原因のあるところに施術を行わなければ意味がありません。そして統計的に見ますと、その場所は仙骨や尾骨周辺であることがほとんどです。そしてその中でも一番多い場所は仙骨と尾骨の間(関節)の中央よりちょっと右側の部分です。この部分の筋膜にちょっとした傷がついてしまいギックリ腰の症状になってしまったのです。この部分はからだの中心部の中の中心ですから、ちょっと傷がついて本来の働きができなくなっただけで全身に影響が及んでしまいます。
 どうして“中央のちょっと右側”なのか、その理由はわかりませんが、そうなりますと仙骨の上部(仙骨底)は右側に歪みます。仙骨が少し時計回りに回転した状態です。そして右側の完骨(腸骨)は外側に動き、左側の完骨は後傾します。

ギックリ腰でよく見られる状態

 また、尻もちをついた痕で一番気になるところは尾骨です。尾骨が曲がったり捻れている人をよく見かけます。私たち人間は尾骨がすっかり退化していますが、犬が喜びを表現するために激しく尻尾をふりますが、それを見ると尾骨と尾骨を動かす筋肉の強さが連想できます。その尾骨が曲がったり捻れたりしますと、当然骨盤は歪んでしまう、と私は単純に思います。ですから階段で足を滑らせて尾てい骨を強打した、転んで尻もちをついた、あるいは高いところから飛び降りて着地したときにお尻に響いた、という経験があるなら、それはからだの不調の根本原因かもしれません。

 今、定期的に顔の整体を受けに来られている若い女性がいます。顔面全体が少し下がっています。施術した直後はそれなりに良くなるのですが、1週間後に見るとまた下がっています。当人が言うには、今年の3月頃からなんとなく顔が下がったような気になり、いろいろな情報を頼りに自分で顔をいろいろいじっていたら6月くらいから顔の歪みが顕著になってきたということです。私は「何かケガしたとか、尻もちをついたとか、捻挫したとか、そういう心当たりはありませんか?」と尋ねていたのですが、「特に何もありません」という返事でしたので、本人の訴え通り顔や頭部ばかりを施術していました。「施術後と1週間後では状態が変わってしまうのは、よほど頭部や顔面部の筋膜がダメージを受けていたのかな?」と思っていたのですが、先日、二日連続で施術する機会がありました。一日目の施術を終えて、次の日来店された顔を見ると、やはり施術後よりも若干顔が下がっています。それで、もう一度最初から経緯を聞き直してみました。「3月の、ちょっと顔の状態が気になりだした、その少し前に何かあったのだと思うけど、思い出せないですか?」「2月に何か変わった事しませんでしたか?」などと質問をしていきました。すると2月に初体験のスキーをしたということでした。「では、たくさん転んだでしょう?」と聞きますと、「特別痛くはなかったけど、初めてだったのでたくさん転んだ。」ということでした。
 それで骨盤を見ると仙骨の真ん中くらいの筋膜がゆるんだ状態で、仙骨が少し下がっていました。 強い打撲ではなかったのでからだの動きには支障が感じられませんでしたが、軽いダメージを数多く重ねたことで筋膜の状態が悪くなったままになっていたのです。仙骨と後頭骨の関係については前回記しましたが、仙骨が下がると後頭骨は上がります。そして後頭骨が上がると顔面は下がりますので、これがベースにあったため顔への施術を行っても時間とともに顔が少し下がってしまったのです。

 骨盤自体の歪みの中で仙骨と尾骨はこのように重要な位置を占めています。尻もち、ギックリ腰、打撲、それらの傷は場合によっては何年も何十年も残ったままになっている可能性もあります。それによって仙骨・尾骨と左右の完骨の関係がおかしくなった骨盤の歪みとなっているかもしれません。

・骨盤底の硬さ 
 骨盤底は会陰とも呼ばれ、下半身での腹側(陰)と背側(陽)の境目という、からだのバランスをとるという意味で大切なところであり、からだの中心(骨盤)を支える中心の中心というところでもあります。
小さい子供
 赤ちゃんや小さい子供は骨盤底がとても柔らかい状態です。その柔らかさが全身に伝わり、からだのどこもかしこも柔らかい状態です。一方、加齢を重ね高齢になっていきますと骨盤底の柔軟性は失われ、全身の筋肉も硬くなってしまいます。動作にもスムーズさが乏しくなり、しなやかな動きは期待できなくなっていきます。また、骨盤底の筋肉は腹直筋と一体のように繋がっていますので、骨盤底が硬くなると腹直筋も硬くなり伸びが悪くなるため、からだの前面に伸びやかさがなくなり、歩くときも少し前屈みになってしまいます。硬い腹筋に制限されて胃や腸も動きが悪くなりますので、食欲や栄養吸収、便通などに影響が出る可能性もあります。さらに横隔膜や舌筋とも連動しますので、肺活量が減り呼吸が浅くなって滑舌にも影響が出る可能性も考えられます。
 すっかり様式に変化してしまった私たちの生活では骨盤底を伸ばす動作は非常に少なくなっています。和式トイレに座る動作は股関節を大きく使い骨盤底を伸ばす動作ですが、そういうこともすっかりなくなってしまったので、誰もが骨盤底が硬くなってしまう状況であるとも言えます。また年齢に関係なく、仕事で一日中椅子や車に座っているような状況は骨盤底を硬くさせます。

 さて前回も記しましたが、骨盤底が硬くなる、つまり骨盤底筋がこわばりますと左右の坐骨間が狭まり、恥骨と尾骨の間も狭まります。お尻の底がすぼまった体型になってしまいます。
骨盤底のこわばりによるO脚

 そうなりますと、股関節では大腿骨の角度を本来より少し開かないと脚が途中でクロスしてしまいますので立っていられなくなります。本来、大腿骨は膝にかけて内側に向かっているので、左右の膝内側が接近するようになっているのですが、完骨の角度が変わったために大腿骨の角度が垂直に近くなってしまいます。当然左右の膝は離れた状態になりますので、結果としてO脚になってしまうという理屈になります。高齢者の多くがO脚状態に近くなってしまう理由はここにあるのかもしれません。
 ですから施術では骨盤底に柔軟性が戻るようなことを行います。加齢や座り過ぎなどで単純に骨盤底筋がこわばっているだけなら筋肉をゆるめることが主になります。あるいは骨盤底がこわばってしまった理由が他にあるなら、それを主体に施術することになります。
 かかとと骨盤底は関係性がありますので、かかと体重で常にかかとに無理がかかっているような人は、かかとのこわばりを取る施術と、かかと体重を改善する施術を行います。
 また以前に記したとおり、骨盤底筋は腹直筋を経由してはるばる舌まで続いていますので、例えばお腹が冷えて腹直筋がこわばったり、姿勢が悪く下顎が前に出て喉元がこわばったりしますと骨盤底筋にも影響が出ます。それらを全部チェックして根本的な原因を改善するのが専門的な施術の進め方になります。

・産後の骨盤
 出産に関連して伸びるところは子宮、腹部の筋肉と筋膜、骨盤底の筋肉と筋膜、恥骨結合、そして骨盤に関係する靱帯です。出産後、時間の経過とともにこれらが元の状態に戻れば体型的にも骨盤の歪みとしても問題はないことになります。
 私の場合、出産直後の骨盤を触ることはありませんが、産後3~6ヶ月くらいの骨盤を触ることはよくあります。産後3ヶ月前後の骨盤は“フワフワ”といった頼りない感じです。6ヶ月でも“しっかりした骨盤”の状態にはなっていません。しかし1年も経つと骨盤は“カシッ”とした感じになります。すっかり妊娠以前の元の状態です。
 出産に向かって腹部の筋・筋膜を弛め、骨盤の靱帯を弛めるのはホルモンの働きによるものですが、出産後、元の姿に戻すのもホルモンの働きによるものです。ですから、本来はからだの生理機能に任せるのが道理で整体が出る幕はないのですが、腹筋を整え、靱帯を整え、からだが元に戻る過程を邪魔する要素を排除するために施術を受けていただくのは意味のあることだと思います。ホルモンの分泌は脳と関係しますが、仙髄と呼ばれる仙骨部分も大切だと私は考えています。
 また、産後数年経過しても骨盤の開きが戻らないという場合は相談していただきたいと思います。骨盤には構造的な仕組みがありますし、靱帯、筋膜、筋肉といったものが協力し合って正しい骨盤の状態を築き上げています。“グイッ”とやったり、“ボキボキ”とやる骨盤矯正では、産後の骨盤矯正にはならないと思います。

↑このページのトップヘ