ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

2015年07月

 世の中がまぶしすぎてサングラスをかけないと目が開けられない、視界に黒いものが見えてしまう(飛蚊症)、目の奥が痛い、乱視や目やに等々、目の症状はいろいろですが、眼科では解決できない状態があります。今回は首の斜め前面にある前斜角筋の強いこわばりによってもたらされてしまう目の症状について、これまでの経験からお話しさせていただきます。

前斜角筋から腋の下にかけてのラインにこわばりがあると目が不調になる
 首の骨(頚椎)から鎖骨の直下にある第1肋骨につながっている斜角筋という首の運動と呼吸に関係する筋肉があります。(頚椎から第1肋骨につながっているのは前斜角筋と中斜角筋、頚椎から第2肋骨につながっているのは後斜角筋)

斜角筋02

 斜角筋の中で前面にあるのが前斜角筋ですが、この斜角筋のラインを延長していきますとちょうど腋の下の前鋸筋につながります。目がまぶしくてサングラスがないと日中外に出られない、目やにが出てくる、視界に黒いものが現れてしまう(飛蚊症)、目が乾くなどの症状があって、さらにこの前斜角筋のラインがこわばっているようなら、それは施術経験的に言って、斜角筋のこわばりに根本的な原因がある可能性が高いです。

前斜角筋から前鋸筋にかけての「こ」

 本日、飛蚊症の方が来店されました。右目の斜め右上方向に黒いものがかなり大きく現れているということでした。座っていただき骨格や筋肉の状態を確認すると、案の定、右側の前斜角筋が強くこわばっていました。その部分を軽く押さえただけでも痛がります。前斜角筋がこわばっていたのは第1肋骨の位置が悪いことと頚椎の中ほどが左側にずれていたからです。第1肋骨のずれによって前斜角筋と中斜角筋はこわばり、さらに頚椎がずれていることで前斜角筋がさらにこわばってしまったため、軽く圧するだけで痛みを感じるほど強いこわばりとなってしまったのだと思います。
 試しに私の手で、こわばっている前斜角筋を(手動で)ゆるめますと、視界の黒いものが動き出しました(本人の弁)。それに加えて腋の下の前鋸筋のこわばりをゆるめますと更に黒いものは視界の上の方に移動していき、視界から遠ざかるようになるということでした。これで、前斜角筋から前鋸筋にかけてのラインに原因があることがわかりましたので、その後の施術においてそれを整えました。
 この方の職業は画家ですが、右手で筆を持ち、左手にはドライヤーを持って絵の具を乾かしながら色を重ねていく方法で絵を描いていくとのことです。「絵を描いているときに、首の右側にピキッと音がして、それから数時間後に視界に黒いものが現れた」ということでしたので、施術するポイントも的を絞ることができ、一度の施術で症状は改善しました。「飛蚊症は治りにくい」という通説があるので、画家という職業上のこともあって、改善までに時間がかかるのではないかと配していらっしゃいましたが、すんなりと改善しましたので、とても安心した様子でした。

 また、目がまぶしくて昼間は外に出たくないという方が月1~2度のペースで一年間ほど来店されていました。症状は10年ほど前からとのことでした。この方も結局は前斜角筋から前鋸筋にかけてのライン上に根本的な原因がありました。しかし、長い年月で眼球の運動に関係する筋肉も硬くこわばっていましたし、その影響で首や肩~背中にかけて慢性的な非常に強い凝りもありました。全身の血流が停滞している感じでしたので、その分、改善までに時間がかかってしまいました。「時はエネルギー」ということなのでしょうか、症状を長く患っている人は、やはりその症状自体が力を持っているようで、なかなかすぐに改善できないこともあります。「形状記憶」のように器質的に変化してしまうと、その時は良くなったとしても時間の経過とともに元の状態に戻ってしまう力が働くようです。「三歩進んで二歩下がる」状態がしばらく続くことがあります。
 この方の場合、しばらくはそんな感じでした。施術が終わって帰られるときには、太陽が燦々と輝いていてもサングラス無しで普通に目を開いて外に出ることができましたが、2週間後に来店されるときにはやはりサングラスをかけて来られるという状態が半年ほど続きました。その後は来店されるペースが3週間に一度となり、やがて用事ができると優先順位が逆転し、来店を1週間延ばされるようになったりして、最後の三ヶ月は月一度のペースになりました。そして最後の時はサングラスをかけずに来店されるようになりましたが、それ以来もう三ヶ月以上来店されていませんので、症状は改善されたのでははないかと思います。

前斜角筋から前鋸筋にかけてのライン
 斜角筋は前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3本がありますが、首と肋骨を結んでいて、首の運動や呼吸時に胸郭を引き上げる働きを行っています。噛みしめの癖を持っている人は斜角筋がこわばりますので、首が硬くなって動かしづらくなります。「首が凝って動きが悪い」と感じる時は大方斜角筋のこわばりが原因です。
 斜角筋の中で前斜角筋と中斜角筋は頚椎と第1肋骨をつないでいます。ですから前斜角筋のこわばりを考えるときには噛みしめと第1肋骨の状態をまず考える手順になります。
 
前鋸筋02

 腋の下にある前鋸筋は、肩甲骨の内側縁と肋骨のほとんどを結びつけている筋肉です。肩と腕を前方に突き出す働きをしますが、パソコン業務の多い今日、キーボードを操作するために多くの人が腕を前に出していますが、それによって前鋸筋が強くこわばっている人が大変多くなっています。そして前鋸筋は第1肋骨にもつながっていますので、そのこわばりは第1肋骨を外側にずらすことになります。噛みしめの癖によって前斜角筋はこわばり、前鋸筋のこわばりによってさらに前斜角筋は強くこわばってしまうという状態になってしまいます。

前斜角筋の「こ」で鎖骨の内側が痛む

 また右利きの人は、右側の胸郭(肋骨)が下がる傾向にあります(腹直筋のこわばりによって)ので、第1肋骨は下方向に引っ張られることになり、それらが重なって前斜角筋及びその周辺の組織はとても固くなってしまいます。すると下顎の底面、舌のつけ根辺りから鎖骨の内側の凹みにかけて突っ張った状態となり、それが目の働きに大きく影響を与えてしまうのではないかと私は考えています。こうなってしまいますとコメカミを押して目の疲労を取ったところで、あるいはいろいろな目薬をさしたところで、それらは何の効果ももたらさない単なる気休めになってしまいます。

前斜角筋のこわばりによるその他の影響
 斜角筋は、それ自体が多少変調をおこしたとしても首の運動が少し突っ張る程度で、腰や股関節が痛む、膝が痛む、腕の自由がきかないなどとは違い、日常生活での動作にそれほど大きな影響を与えることはありません。しかしながら、頭部や全身の血流にとっては非常に重要な筋肉です。前斜角筋のすぐ前面を鎖骨下静脈が通っています。鎖骨下静脈には頭部からの静脈、ほとんど全身の体表の静脈、そして全身のリンパが合流します。鎖骨と第1肋骨の狭い隙間を静脈が流れて心臓に還りますが、前斜角筋がこわばりますと、肋骨と鎖骨の関係に歪みが生じ鎖骨下静脈の流れに影響を及ぼします。顔がむくんだり、場合によってはふくらはぎや足先のむくみまでもがこの静脈の滞りによってもたらされることがあります。

鎖骨下静脈2

 また、前斜角筋のすぐ後に中斜角筋がありますが、その二つの筋肉の間に神経(腕神経叢)と鎖骨下動脈が通っています。腕神経叢は腕~手先にかけての神経の大元です。頚椎ヘルニアやムチウチなど頸部の損傷によって手先にしびれが出ることがありますが、それはこの神経の状態が悪くなったからです。筋肉はこわばると太く固くなりますので、前斜角筋の強いこわばりによって神経が圧迫されてしまう可能性は十分に考えることができます。

 “首・肩の凝りと目の不調”は関係性が深いと思われている方は多いと思います。ですから、目の調子が悪いときには「肩こりをほぐさなければ」と体操をしたり、自分でマッサージをしたり、あるいは私と同業者のようなところに行き施術を受けることもあるかもしれません。ところが今回取り上げた“前斜角筋や第1肋骨が関係する”ような場合は、いくら揉みほぐしたり、ストレッチをしたりしても、その効果はきわめて一時的なものになってしまうことでしょう。
 根本的な原因をしっかりと突き止め、適切に対処すれば、それまで何カ所もの眼科医院や治療院を訪れても症状が改善しなかったものも確実に改善されていくと考えています。

「かけ算が苦手になった」「物事の理解力が弱くなった」「頭がいつもボーッとしている」「思ったことがなかなか言葉にならない」等々、頭の回転(脳の働き)が悪くなったと感じている人は結構いるようです。あるいは“自分は子供の頃から頭が鈍い”、”他者からとろい人だと思われている”、と自覚されている人もいます。
 それが病気、あるいは先天的なものであるならば、整体の出る幕はないかもしれません。しかし後天的な何かの要因で、あるいは”最近なんとなく頭の働きが悪くなった”と感じているようであるならば、整体で良くなる可能性は高いと考えています。

 頭の回転が悪いということは、脳内の血流が悪くなっていると考えることができます。実際、施術で頭を触ると、頭の中が詰まっていて流れが滞っているように感じることがあります。そのような時はいくつか質問をしたり、暗算で九九をしてもらったりします。頭の中で暗算をしている時は内部で血流が活発になるのを感じることができます。ところが状態の悪い人は血流が上がりません。そして九九の途中でつかえてしまったりします。あるいは4の段とか7の段とかになりますと暗算が終わるまでにかなり時間がかかってしまうかもしれません。
 こういう時は思考回路の神経伝達がうまくいっていないと考えることができます。何かを考えようとしても思考回路の働きが悪いために、考えがまとまらなくなり途中で挫折してしまうかもしれません。あるいは頭には思い浮かぶのだけど、いざそれを言葉にしようとしても、その回路の働きが悪いためにうまく言葉にできず、自己嫌悪を感じて人と話すことがものすごいストレスになってしまったり、あげくは自分は鬱なのではないかと疑うようになってしまったりする人もいます。
 小学生のお子さんをお持ちの親御さんは、お子さんが算数をはじめ勉強の成績が悪く、言っていることも支離滅裂で“とろい子”と感じているかもしれませんが、それは単に脳内の血流が悪いだけかもしれません。血液の流れが戻れば“とろい子”から“普通の子”にすぐにでも戻ると思います。
 
脳の働きと蝶形骨の歪み

 脳内の血流が悪くなっている一番の原因は頭蓋骨の歪みになりますが、その他にも片噛みの癖、噛みしめの癖、口呼吸、横寝、目の凝りなども原因としてあげられます。また、呼吸の状態が悪ければ酸欠状態になり当然脳の働きも悪くなります。
 頭蓋骨の中で脳は蝶形骨という骨を台座としておさまっています。ですから蝶形骨の位置が悪くなりますと脳の働きに影響が出ます。(学者やお医者さんは認めないと思いますが)
 脳の血流をアップさせるために私が試みることの第一は蝶形骨の位置を整えることです。蝶形骨は頭蓋骨の内部にあって、外側からは目尻の少し上のところで少し触れることができます。この場所はいわゆる“こめかみ”に相当する部分であるため、目が凝っていると硬く腫れたようになってしまい直に骨を感じることが難しくなる部分でもあります。
 蝶形骨は頭蓋骨の内部で、上顎骨・側頭骨・前頭骨・後頭骨などと接していますし、内部のそしゃく筋(内側翼突筋、外側翼突筋)とつながっていますので、片噛みや噛みしめの癖、顔の歪み、骨盤~背骨の歪み、肩甲骨の歪みなどをはじめ、体の歪みの影響を受けます。蝶形骨をすっかり整えることはおそらく難しいだろうと思いますが、一定の許容範囲内に位置を整え、骨がグラグラしないようにしっかりさせることで頭蓋骨内の血流をアップさせることができますし、そうすることで脳の働きを高めることが可能になります。
 また蝶形骨の歪み以外では、例えば目の使いすぎなどで眼球の働きに関係する筋肉が強くこわばりますと、そこで血流が滞ってしまい、やはり脳内の血流は悪くなります。目は脳の一部が外に飛び出したものですから、目の働きや瞳の輝き具合などを目安に脳の血流状態を把握することもできます。目がかすむ、目が疲れやすい、視力が悪くなった、目の奥が痛む等々、これらは近視や乱視、老眼など一般的に眼球そのものの問題と考えられていますが、脳の血流が悪くなったことが原因である場合もあります。私の顔や頭蓋骨に対する整体の特徴の一つは、施術の後「目がはっきりする」というのがありますが、それは脳の血流が良くなったからではないかと考えています。

噛み合わせの問題で頭の回転が鈍ることもある
 30歳代の、働き盛りの女性がしばしば計算間違いをして、会社の上司から「かけ算できるの?」と言われ少しショックを受けて来店されました。「考え事ができないし、計算していても全然頭が回らなくて‥‥」と仰っていました。「私、馬鹿になってしまったんですかね?」と落ち込んでいました。
 頭を触ると、中身が詰まりきったような感じで、血の流れがほとんど感じ取れませんでした(もちろん生命を維持する血流はしっかりしているのでしょうけど)。それで九九をしてもらいました。3の段を最初に声を出してしていただきましたが、3×8のところでつかえてしまい「答えが出てこない」と言いました。頭蓋骨を確かめますと、右側のこめかみがこわばっていて目が疲れていることの他に、下顎が大きく右側にずれていました。また噛み合わせを確認すると、左側が浮いていて噛み合わない状態でした。左側で噛むことができないため、いつも右側ばかりで噛んでいるので右側の咬筋ばかりがこわばり、さらに噛のみしめの癖もあって頭蓋骨への血液の流れが滞ってしまっていたのだと思います。目も右側ばかりを使っている偏りがあって、それも影響していました。その他には右側の脇の下(前鋸筋)もこわばっていましたが、それも血流を悪くする大きな原因です。思考回路がうまく働かないだけでなく、右耳の聞こえ方も悪く、右目の見え方も悪かったです。
 それらを全部整えましたが、そうしますと頭の中もスッキリしたようで、九九の暗算もスラスラできるようになりました。九九の暗算は脳の働きを確かめる目安になります。脳の働きが快調であれば、スピーディーに答えがどんどん浮かんできますが、働きが鈍いときはスピードがかなり遅くなってしまいます。

頭部が捻れている人は多い
 多くの人が頭が右側に傾いていたり捻れています。見るにしても噛むにしても顔の右半分ばかり使っていることが原因であることが多いのですが、その他にも右手ばかりを使って作業をしているというのもあります。
 自然界は渦を巻きながら成長と維持を行っているのが法則ですから、誰でも多少はねじれを持っています。まったく捻れていないというのは、自然界の法則に反しますので、おそらくあり得ないだろうと思います。しかし、捻れ方が度を越えますと体の働きにいろいろと不都合が現れるようになります。
 頭蓋骨が範囲を越えて捻れますと当然蝶形骨も歪みます。そして最初は目の見え方や疲れ方、耳の聞こえ方などから違和感や症状が感じられるようになるかもしれません。そして状態が進みますと思考回路への影響が自覚されるようになるかもしれません。仕事中にそれまではなかった睡魔が襲ってきたり、集中力がなくなってきたり、何かを考えようとしても面倒に感じるようになったり、という症状が一番先に感じられるのかもしれません。
 転んで顔周辺にケガをしたとか、ムチウチになったりという外傷の後は頭部が歪んでしまっている可能性が高いのですが、それ以外に内臓の不調で頭蓋骨が歪んでしまうこともよくあります。その他には日頃の噛み癖、噛みしめ癖、目の使い癖など感覚器官の使い方の偏りに起因していることが一番多いのですが、イヤホンで音楽をよく聴いているというのも原因になり得ます。
 歪みの原因が外傷か、内臓か、使い癖か、という点をしっかりと把握して適切に対処することが症状改善の要になりますので、施術をご希望の時はそのあたりの情報を正確に教えていただく必要があります。特に内臓の不調と顔の歪みの関係は、多くの人が「まさか‥‥」と思うところですが、胃腸の不調やそれに対する内服薬の影響で顔が歪んでしまうことはよくあることです。
 顔のことを専門用語では「内臓頭蓋」と呼んだりしますが、つまり顔は内臓の延長線上にあるもの、もっと言えば、“内臓が表に飛び出したものが顔”であるとも言えるからです。ですから内臓の調子が悪いときは肌が荒れたり、目の下にクマができたり、噛み合わせが合わなくなったり、舌を噛みやすくなったり、口内炎ができたり、鼻の調子が悪くなったりしますが、それらは顔が歪むことと関連し合っていると私は考えています。私の母は思い込みから鎮痛剤としてエキセドリンを飲むことがよくありますが、すると決まったように翌朝顔が歪んでいて、「頭がスッキリしない」と言い出します。頭の中(思考)では鎮痛剤が自分に良い効果をもたらすと思い込んでいますが、胃や腸はその薬が嫌いなので、小さな子供が体をくねらせて嫌がるのと同じように内臓がくねってしまい、それが顔を歪ませているのではないかと思っています。

呼吸が悪く、頭に酸素が行き渡らない
 口呼吸は頭の回転を鈍らせる原因の一つです。私たちは表向きには肺で呼吸をしています。鼻から取り入れた空気は副鼻腔を通過するときにバイ菌や汚れを除かれ、湿度と温度が調整されて肺に送られます。副鼻腔を通過することによって肺で効率よくガス交換できるようになりますし、肺や気管支がバイ菌類から守られる仕組みになっています。また私の個人的な感じ方としては、空気が副鼻腔を通過するときの電気的な刺激が脳下垂体の活性化に何らかの役割を果たしているのではないかと思っています。(鼻から吸った空気を額の中央部―前頭洞という副鼻腔・眉間の上―まで引き上げると、そこを中心に頭蓋骨に振動のようなものが広がります。)
 口呼吸では、副鼻腔を活用することはできません。口から入った空気は扁桃腺などのリンパ節はあるものの、ほとんど汚れなどが除去されないまま気管支~肺に入ってしまいます。喫煙はしていなくても、汚れた空気は肺に入ってしまうのです。それは体に余計な負担をかける結果を招いてしまいます。口呼吸は何とか改善しなければならない癖です。

 また、肺呼吸ばかりが呼吸ではありません。呼吸の目的は空気中から酸素を取り出して血液の中に溶かし込み、それを全身の細胞に届けて細胞の活動を維持することです。ですから、呼吸運動に合わせて頭~足先まで酸素が届けられるような感覚を感じられるような状態になることが大切です。息を静かに吐いていったとき、頭の天辺まで血液が昇り、足先の血管が拡がるような感覚が得られる状態が理想です。私はお客さんに対して「頭の中に注目してください。息を吐いたときに頭の中が拡がり、血液が巡る感じがしますか?」「目を閉じて心の目で足先をしっかり見ることができますか? そして息を吐いたときに、それが足先までしっかり届けられますか?」などと抽象的な問いかけをしますが、これができているかどうかはとても重要だと思います。

足先まで意識が届くか

 意識が届けば呼吸は届きます。股関節や膝や足首などの何処かに捻れがあると足先まではっきりと意識を届けることはできません。同様に首や頭蓋骨に歪みがあったり、どこかで流れが滞ってしまうところがあると、頭の中が詰まっているように感じられ頭をスッキリさせることはできません。
 頭の中の果てしなく複雑な活動は神経の働きによって行われています。そして神経を活発に働かすためには酸素が必要です。酸素は血液が運びますので、血の巡りが悪くなりますと酸欠状態になってしまい、脳の力を十分に発揮することができなくなってしまうという理屈です。

 誰もが知っていることですが、私たちの生命を維持するために呼吸は何よりも大切です。しかし呼吸は生命維持だけでなく、私たちの感覚器官を正常に、快適に働かすためにもとても重要です。体の器官の中で脳は一番酸素を消費しています。それは各器官の中で一番細胞の働きが活発であり、私たちの感覚の及ばないところで膨大な仕事をこなしているということです。目を働かせる、耳や鼻、口を正常に機能させるために、あるいは思考を巡らすために脳は非常にたくさんの酸素を必要としていますので呼吸の状態が悪くなって酸素が不足気味になりますと、感覚器官の働きが鈍るとともに頭の回転も悪くなってしまいます。ですから毎日を、頭がスッキリとクリアな状態で過ごすためには、体が正しい呼吸ができる状態にある必要があります。

血圧と頭の働き
 血圧は心臓から上、つまり頭部に血液を送るために必要なポンプ(心臓)の圧力であると考えることもできます。高血圧になってしまうのは、首や頭部の血管が硬くなったり細くなったりして血液の通りが悪くなってしまったため、心臓が普通以上に圧力を高めないと頭部に血液が行き渡らなくなってしまうからだとも考えることができます。動脈硬化の他、首や肩の凝りが強くなって血管が筋肉の圧迫を受けて細くなってしまうことも原因の一つとして挙げられます。この場合は、マッサージなどで凝りを解消することで高血圧が改善されます。あるいは血管は交感神経(自律神経)の働きで締まりますので、交感神経の働きを刺激する精神的緊張状態を解除し、リラックスして副交感神経が優位になるようにすることで高血圧の改善を図ることもできます。
 また、“頭になかなか血が届かないから心臓は血圧を上げてしまう”と考えますと、高血圧の人は脳内の血液循環が悪い傾向にあるという結論にいたります。
 低血圧の場合は、程度によりますが、やはり脳への血液供給が不足しやすく酸欠状態になりやすいと考えることができます。通常は120~130の圧力で脳内への血液供給が順調になされているわけですから、血圧が100に満たないような状態では脳貧血状態となってしまい、脳の働きが不十分になってしまうという理屈になってしまいます。低血圧は心臓の働きが弱いということになりますが、私は「もしかしたら心臓が十分に働くことのできない状態なのかもしれない」と考えて低血圧に対処しています。
 心臓は胸郭の下側、中央の少し左側に位置しています。肋骨の籠の中、左右を肺に挟まれ下には横隔膜があります。肺も横隔膜も呼吸の要となる器官ですので“心臓の働きと肋骨”、“心臓の働きと呼吸運動”はともに密接な関係があると考えることができます。
 これまでの経験では、低血圧や不整脈、動悸などは肋骨の状態を修正することで改善されることが多くありました。胸郭が右方向に捻れているため、左側の肋骨が常に心臓を圧迫しており、心臓が十分に働くことができなくて低血圧になっているというのはけっこう多いと感じています。
 本日、会社の健康診断で血圧が90-48という女性が来店されましたが、肋骨の状態を改善し呼吸の状態を改善すると速やかに124-70になりました。脈も弱々しかったものが力強くなりました。(但し、脈搏が健康診断では40そこそこだったようですが、それは施術後も53までしか上がりませんでした。)
 低血圧のため毎朝起き上がることがなかなかできず、さらに頭も一日中ボーッとしたままで楽しくない毎日を送っているような方は肋骨の状態を修正してみる価値は十分にあると思います。

 先日、お客さんから「右脳を使って、絵で記憶すると脳の力を十分に発揮することができて驚くべき状態になる」という話を聞きました。その方はどこかで講習を受けられたようです。記憶に関しては、左脳の百倍以上のポテンシャルが右脳にはあるということです。私は頭の回転が鈍くなっていそうな方には「身近な方の顔を額にイメージしてみてください」とやってもらうことがあります。そして「額のどこにイメージができましたか?」と尋ねます。そのイメージが額の中央であれば問題はないと考えますが、左側だったり、右側だったりするようであれば頭蓋骨を修正する必要があると判断します。これには学術的根拠はありません。ただ私の感覚として額の中心でイメージが展開されるのが本来の状態であると感じているからです。
 九九を暗算すれば答えが次々と額の中心に浮かび上がり、何かを記憶するときには、それが絵としてクリアに額の中心で処理され頭の中に入っていくようになることが理想のように思います。そしてそれは頭蓋骨を整えることで可能だと考えています。

 「背中が痛くて辛い」「背中が痛くて仰向けで寝ることができない」と訴えてこられた方を施術するに際して最初に確認することは、背中のどの部分が張っていて辛いのかということです。そして実際にどの筋肉が張りや痛みの原因となっているのかを細かく正確に把握することが重要です。“だいたいこの辺り”のような大雑把なとらえ方では、施術を行ってもまったくかいぜんされないという結果に陥ってしまうことがあります。

背中の張りや痛みの区分

 肩甲骨の内側を中心に、肩甲骨から肩にかけて張りや痛みであれば、それはたいがい肩甲骨のずれによる筋肉の張りが原因となっています。
 肩甲骨の下部から肋骨の下部にかけて腫れや張りや硬さが見られる時は、胃・膵臓などの消化器系や腎臓など内臓の不調が原因となっていることが多いですが、猫背や背骨の弯曲が強いことなどが原因となっていることもあります。
 そして、その下、肋骨の下縁から骨盤にかけての部分に張りや痛みがある場合は腰痛として対応しますが、施術者として一番気を使うのは、図に示した②の“肩甲骨下部の張りや痛み”に対する対応です。

内臓の影響による背中の張りと痛み
 肩甲骨下部から肋骨下部にかけての張りや痛みの場合、胃などの消化器系の不調や腎臓の腫れが原因となっている場合があります。実体験として実感している人も多いと思いますが、胃の調子が悪くなるとなんとなく背中が張ってしまったり重くなって息苦しさを感じたりすることがあります。
 胃、膵臓、十二指腸、小腸、大腸など内臓器官も筋肉でできていますので、収縮したり伸張したりすることはもちろん、硬くなったり柔らかくなったりします。筋肉はこわばると太くなりますので、例えば何らかの理由で胃の筋肉がこわばりますと硬くなって太くなるため背中側の胸郭(肋骨)を圧迫することになります。胸郭が内側から圧迫されますと胸郭の外側にある骨格筋はその圧迫に抵抗するように緊張しますが、これが背中の筋肉がこわばりであり、背中の筋肉が張ってしまう理屈ではないかと思います。
 こうなりますと胸郭の内側では胃が硬くなって動きも悪いので消化機能が不十分な状態になり、胃もたれや逆流性食道炎などの症状をもたらすかもしれません。胸郭の外側では一つ一つの肋骨を結び付ける筋肉(外肋間筋、内肋間筋)や肋骨に付いている脊柱起立筋などがこわばるため張りと痛みを伴うようになります。するとこれら骨格筋のこわばりは肋骨の動きをさらに制限しますので、胃は益々動かなくなるし呼吸もしづらくなります。このような悪循環に陥りますと、この状態が慢性化してしまうため、“辛くて夜も眠れない”などという状態になるのではないかと思います。
 背中をマッサージして骨格筋の張りやこわばりを改善することで、一時的に楽な状態になることはできますが、元々が内臓の不調から始まった症状であれば、内臓の不調が改善しない限り同じ状態を繰り返すことが考えられます。ですから胃の不調が原因で背中に張りができたと考えられるのであれば、一時的に断食をして胃を休ませるようにした方が良いのかもしれません。

 本日、まさにこのような方が来店されました。肩甲骨下部の背筋(脊柱起立筋など)はゴリゴリにこわばって太くなっていました。肋骨に張り付いているような深層にある筋肉はコリコリでした。すぐに胃の不調を疑いましたので、本人に胃の調子を尋ねますと、逆流性食道炎でかなり調子が悪いとのことでした。「病院の薬では背中の張りと痛みは取れない」ということで私のところにきたのだということです。
 こういった場合、整体の施術でできることは限られます。東洋医学的な“ツボ”や手と足裏にある内臓の反射区を利用することが主な対応策になります。その他には腹筋の状態を整え、胸郭の動きを制限する筋肉の状態を整えることが施術内容になります。

反射区と内臓
 いわゆる“足つぼマッサージ=足リフレ”では、足裏にある反射区を刺激することで内臓の働きを整え体調を改善するという理屈がよく説明されます。私のところでも30分くらいの足リフレをやっていますが、正直なところ、この施術を単発に行ったところで内臓の働きが良くなるとは思えません。むくみを取って足をスッキリさせるには足リフレはとても良い施術だと思いますが、単発的な施術ではそれ以上は望めないと考えています。例えば週に一度、あるいは二週に一度くらいのペースで定期的に繰り返すのであれば、それは内臓の働きを全体的に整える効果は多いに期待できますが。
 ただし、反射区の一つ一つは確かに効果があると考えています。このブログでも幾度か紹介させていただきましたが、腎臓の反射区、小腸の反射区、そして今回対象となる胃・膵臓・十二指腸など消化器系の反射区は私もよく施術に取り入れています。そして、その施術方法は学校で習ったとおりではありません。学校では一つの反射区を数回指圧して刺激するように教えられましたが、私が現在実際に行っているのは、反射区にある“凝り”や”しこりのようなもの”が改善するまで入念に刺激し続けることです。一箇所の反射区を1~3分くらい指圧し続けることもよくありますが、そうしていると、ある瞬間にしこりがフワッと緩み始めるようになります。この状態にもっていくことが反射区の効果を実際の内臓に期待できる段階だと考えています。
 今回来店された方の胃・膵臓・十二指腸の反射区は本当に硬かったです。腎臓の反射区もかなり硬かったです。手と足裏のこれらの反射区をかなり入念に施術しまして、ふくらはぎにある足三里(胃経のツボ)も入念に指圧しました。それによって背中の張りは緩んできて、呼吸に合わせて胸郭が動ける状態にまではなりました。その後は、お腹側で胃と呼吸の動きを制限する腹筋の変調を改善して施術(60分)を終えました。
 ご本人は「楽になった!」と仰ってましたが、私としてはもう少し時間があれば、もっと楽にできたのではないかと感じました。
 内臓の不調に由来する今回のような背中の張りや痛みは、内臓が絡んでいるだけに「必ず改善する」とは言い切れません。しかし、病院の治療では顕著な改善が感じられないと思われている人も多いと思います。そんな場合は整体でも“やりよう”はあるということをお知らせしたいと思います。

内臓の不調以外の肩甲骨下部から肋骨にかけての背中の張り
 単純に骨格と骨格筋の関係でこの部分に張りができるもありますが、それは姿勢による影響が一番多いかもしれません。いわゆる“猫背”も度合いが強くなりますと、萬年「背中の張りがとれない」となってしまいます。
 背骨は横から見ますとゆるやかなS字のカーブ描いていて、ちょうど肩甲骨の下部が後弯の頂点になっています。猫背の姿勢では、この頂点部分に重みが強く掛かるため、それに対抗するように背中の筋肉がこわばって頑張るようになります。それが背中の張りとなり、痛みや辛さを招くことになるのだろうと思います。
 この場合も、マッサージなどで背中の筋肉の張りを改善すれば状態は一時的に良くなりますが、しかしそれは、あくまでも一時的な効果しか期待できません。根本的に改善するためには“猫背の改善”が不可欠になりますが、それについてはまた後日触れたいと思います。

 胃が不調になるから背中が張るのか? 背中が張るから胃の調子が悪くなるのか?
 それは、どちらもあり得ると思いますし、消化器系の調子と背中のこの部分の張りとは互いに関係し合っていると考えた方が良いと思います。
 「病院で胃の治療を行い調子が良くなってきたら、自然と背中の張りも取れてきた」ということもあるでしょうし、「背中の張りが取れてきたら胃の調子も良くなった」ということもあり得ます。
 もし、慢性胃炎などで長く病院での治療や薬に頼ってきたがなかなか状態が改善しないということであれば、一度整体の施術などを試みることをお奨めします。

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