ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

2015年04月

 転んだり、どこかに体をぶつけたりした直後や、あるいはしばらくしてから不調や不具合が現れることがあります。今回は打撲による筋筋膜のダメージが原因で不調や不具合になってしまった例を取り上げます。

頭を打撲した後しばらくしてから胸が痛くなり、呼吸がつらくなった
 この方は後期高齢者になったばかりの人です。2週間ほど前に部屋の中で転んでしまい、テーブルに額の右側を強くぶつけてしまいました。直後は激しい頭部の痛みと腫れに襲われましたが、「ぶつけたのだから、それは仕方がない」ということで痛みと腫れが治まるのをじっと耐えていました。だいたい1週間ほどでそれらの症状は消えたのですが、その後、胸が痛くなりだし、息を深く吸うことができず、腕を前に伸ばすこともできなくなりました。「別に、胸を打撲したわけでもないのに、おかしいなぁ~」と重いながらも一向に症状が改善する気配がないため、私のところに来られました。
 この方とは長年のお付き合いですから、私の施術のことはよくご存じで、また整形外科での診察や治療のこともよくご存じで、「整形外科に行く前にみてもらおうと思って」と来店されました。
 本人は”胸(肋骨)の痛み”という訴えで来られましたが、胸には打撲による外傷(青くなるとか)もなく打撲した記憶もないということでしたので、頭の打撲が原因である可能性が高いと考えました。
 
腹直筋と外腹斜筋

 仰向けで寝ていただき体をみますと、胸から腹部にかけて大きく左側(反時計回り)に捻れていました。外腹斜筋が強くこわばってしまい、胸郭を捻らせるとともに肋骨の動きを制限しているため、息を吸う動作がしにくい状態であることがすぐにわかりました。そして胸郭の捻れと外腹斜筋の強いこわばりの影響で腕を前方に出す筋肉(前鋸筋)がうまく作動しないため、棚の上に手を伸ばすとか、物を拾うという動作ができなくなっていることもわかりました。
 頭部をみますと打撲した額の右側から右側頭部にかけて耳のすぐ側まで頭皮(筋膜)がフニャフニャにゆるんでいました。このゆるみによって鎖骨や上部の肋骨が右側に大きくずれ、それによって前鋸筋がゆるんでしまい、その反動で外腹斜筋がこわばってしまったのだと判断しましたので、施術としてはひたすら頭部のゆるみを改善することだけに絞りました。30分くらいずっと頭部のゆるんでいるところに手を当てていました。それだけで徐々に筋膜がしっかりしてきましたが、それとともに胸郭の捻れも改善し外腹斜筋のこわばりもとれてきました。それから寝た状態で大きく深呼吸をしていただき、胸の痛みがないのを確認すると、腕を前方に突き出してもらいました。肩甲骨が十分に前に出せる状態であることを確認すると座ったり立ったりしていただき、いろいろな動作をしていただきました。
 呼吸も動作もすべて大丈夫ということで施術を終えましたが、頭部の打撲が治まった後から胸に痛みが出だしたことを考えてみました。
 頭部の打撲直後の状態をみたわけではないので予測になりますが、おそらく打撲による炎症で、打撲直後の筋膜はこわばっていたと思います。その後、日が経つに従って炎症が治まると筋膜のこわばりも解消したのですが、打撲によるダメージは残ったままですので、打撲箇所やその周辺の筋膜が強くゆるんだ状態に転じたのだと思います。それが胸の痛みの根本原因ですが、こういう経緯で「頭の痛みがよくなってから胸が痛み出した。」
という時間差的な状態になったのだと思います。
 高齢者がよく口にする「歳をとると後から痛みがやってくる」という文句に通ずるものがあるのかもしれません。

打撲によって四十肩(五十肩)のようになってしまった
 この方は4ヶ月ほど前に転びそうになって洗面台の縁に右肩前面を強く打撲したということです。その直後から腕が上がらなくなり整形外科を受診されました。レントゲンによる診断で、「骨に異常はありません。打撲がよくなれば‥‥」と言われたそうです。しかし、打撲がよくなっても腕が上がらない状態は改善されず、「洗髪で右手が使えない」ということで来店されました。
 話を聞いただけで、肩(肩甲骨)に腕をくっつけている腱板や腕の挙上に働く大胸筋や上腕二頭筋や三角筋がダメージを受けていて機能が回復していないことだろうと予測できました。
 この場合の施術は、ダメージを受けて機能が低下している筋肉を回復させるために、ただひたすら手を当てるだけです。肩関節の一番深いところに回旋筋群(腱板)があります。まずはそこから手当てしますので、深いところに指先を当てていき、ゆるんでフニャフニャしているところを探しては筋細胞の働きが良くなるように願い続けます。その次は少し浅めの筋肉=大胸筋や上腕二頭筋の腱の部分、最後に三角筋のゆるんでいる部分を施術していきます。まったく力は使いませんので、施術を受けている側は何をしているのかもどかしく感じるかもしれません。
 「今、何をしているのですか?」「四十肩(五十肩)になって腕が上がらないのですか?」と質問されました。
 施術を続けながら、「打撲によってダメージを受け、機能が回復していないところに手を当てて回復させているんです。この場合は、これしか方法がないのです。腕が上がらないからといって無理やり腕を上げようとか、揉みほぐそうとかするとダメージを受けたところが更にダメージを受けるかもしれないので、そういう施術はしません。」
 「四十肩は骨格が歪んで関節に違和感を感じることから始まるのですが、何となく関節がしっくりしないので、多くの人が腕や肩を回したりしますが、すると筋肉に無理な力が掛かるためやがて腕が上がらなくなったりします。それでも同じようなことを繰り返していますと筋肉がダメージを受けて伸びてしまいます。すると肩関節で肩甲骨と腕の間が拡がってしまうので、やがて腕が肩からぶら下がったような状態になります。そこまで状態が進んでしまうと腕の重みだけでもつらく感じるようになってしまいます。寝ているだけでも関節がジンジンしだすようになり、腕を抱えていたくなりますが、そこまでなってしまうと重症です。」
 「今回の場合、四十肩の重症状態と同じような感じですが、ただ、打撲による筋肉のダメージだけが原因なので、それさえ回復すれば症状は改善されると思います。四十肩の場合は骨格の歪みという問題が絡んでいますが、それがない分、施術はいたって単純です。」と説明しました。
 この方は遠くにお住まいで度々来店されることは無理だろう思いましたので、なんとか1回で洗髪ができ、日常生活に支障のないところまで改善したいと思いましたので、80分の施術時間の内60分近く、ただただ手を当てているだけの施術を続けました。その後座っていただき、腕を上げていただいたりして頚椎の歪みなども微調整し、実際に洗髪の仕草をしていただいたり、いろんな動作をしていただきました。真上まですっかり腕が上がる状態まではなりませんでしたが、腕を上げてもしっかりと右手に力が入り通常の日常生活では支障のない状態までにはなりました。

 これまで幾度となく申し上げてきましたが、症状を改善するためには何よりもそうなったきっかけ(原因)を知ることが一番です。そして状態をこじらせないことも大切です。
 原因がはっきりしていれば、ただそれを修正するだけですみます。
 一人目の方は胸が痛くなって呼吸がつらい状態でしたが、その原因は頭部の打撲ということがはっきりしていました。もし本人が“頭と胸とは関係ない”と思い、頭部の打撲について私に話してくれなかったら、私は胸からいろいろと原因を探る手間をかけなければならなくなっていたことでしょう。時間もかかるし、効率の良い施術にはならなかったと思います。
 お二人目の方は注意深い方でした。整形外科や接骨院を受診していましたが、そこでのリハビリや治療を信用して、腕をぐるぐる回すようなことをしていましたら症状が悪化するばかりでなく状態がこじれ、体のいろんなところに不調が及んだかもしれません。骨格も歪んでしまい、一度の施術でここまで改善することは難しかったように思います。注意深さによって自分の体が嫌がることはしなかったことが功を奏したのだと思います。

 軽い打撲や軽微な損傷は、自然治癒力によって回復することがほとんどだと思います。しかしすっかり筋肉や筋膜がダメージを受けてしまったようなものは、多くの場合積極的に改善を試みた方が良いように思います。そしてダメージを回復させるためには手当てが一番だと、私はそう考えています。 

 「どんな枕も合わなくて、いったいどんな枕にすればいいのか?」という質問をよく受けます。テレビショッピングなどを通じて枕をいくつも買ったり、独自に枕をあつらえたりしてみても、どうしてもしっくりと合うものに巡り会えないという話をしばしば耳にします。
 私はもう何年も枕を使用していません。スポーツタオルを四つ折りにして、そのうえに頭を置いて寝ています。普通はそれで大丈夫なのですが、時折もう少し高さがほしくなることがあります。そんな時はきっと体が歪んでいるのだろうと考えていますが、それでも睡魔に負けてすっかり寝入ってしまいます。
 体型的に申せば、首が前にでいる人は枕の高さがある程度必要だということになります。低い枕だと顎が上がってしまい、上を向いたような感じになってしまうので口呼吸になりやすくなってしまいます。しかし枕が高すぎると首の後ろ側が伸ばされた状態になりますので、首を痛める可能性も高くなりますし、肩こりの原因もなると思います。

 さて、枕の高さや材質に関係なく、首の後ろ側や後頭部に何かが当たること自体が不快に感じる状態というのがあります。時々「襟の高い服を着ると肩がこる」という人がいますが、このような場合も同じ状況だと考えられます。
 筋肉や筋膜(筋筋膜)が正常な状態ではなく、変調してゆるんだ状態になりますと、そこに物が当たることが不快で耐えられなくなり、別な場所にこわばりをつくってしまいます。ハイネックの服を着て筋筋膜がゆるんでいる首の部分に生地があたると肩につながっている筋肉がこわばってしまうため「肩がこってしまう」となります。筋筋膜がゆるんでいる首や後頭部に枕があたることによって喉や胸の筋筋膜がこわばってしまうと、呼吸がしづらくなってしまうことも考えられることです。床に入って“さあ寝よう”と思ってもなかなか寝付けない場合は、このことが原因なのかもしれません。
 筋筋膜がこのような状態の時には、どんな枕でも“合わない”と感じられるでしょう。それは枕の問題ではなく、筋筋膜の変調が原因です。反対に、筋筋膜の状態がしっかりしていれば、どんな素材の枕でも違和感は感じないと思います。(枕の高さは別にして)
 
筋筋膜の変調

 話は変わりますが、椅子にすわると腰が張ってきて痛くなってしまう場合があります。太ももを座面につけないように浅く座っていると大丈夫ですが、深く座ると腰痛や坐骨神経痛になり耐えられなくなったりします。こういう場合は、太もも裏側の筋筋膜が変調してゆるんでいるからだと考えることができます。
 その他にも、“仰向けで眠ることができない”、“うつ伏せで寝た方が朝が楽”というような場合は、背中の筋筋膜に変調があるため、その部分を床につけたくないということなのかもしれません。

変調‥こわばり=あたると痛い、ゆるみ=あたると他のところに痛みが出る
 筋筋膜が収縮したままの状態で伸びない状態を“こわばり”、反対に伸びきった状態で収縮することができないのを”ゆるみ”と私は表現しています。
 “こわばり”は筋肉が硬く太くなるのが特徴ですが、伸びない状態ですので、何か物が当たるとその部分が痛みを発します。歩きすぎたり、走り込んだ後などにふくらはぎの筋肉がパンパンに張ってしまい、マッサージなどをすると痛みを感じることがありますが、それは筋肉がこわばってしまっているからです。マッサージをしばらく続けていますとこわばりの状態が緩和していきますので、その後は揉まれることが気持ちよくなったりします。
 “ゆるみ”は筋筋膜が伸びきってしまい中抜けしたような状態で、頑張ることができないのが特徴です。物が当たったり、重みが掛かったりするとそれらに負けて耐えられなくなりますので、その部分ではなく他のところがこわばり痛みを出したりします。こういう場合は刺激の強いマッサージは禁物です。擦ったり、そっと手をあてて筋筋膜の状態を回復させるようにするのが原則です。但し、別なところに原因があって、その部分がゆるんでしまっている場合が多いので、根本的な原因を探し出してケアしなければ効果は期待できません。ある方は太ももの裏側がゆるんでいるため椅子に深く座ることができませんでしたが、その原因は背骨(胸椎12番)がぐらぐらしていて不安定だからでした。背骨を安定させると太もも裏側のゆるみが解消するため深く座ることができるようになりますが、背骨が不安定である原因を探し出し、それを整えるという施術が必要になります。

 枕が合わない、寝て起きると背中が張っている、なかなか眠りにつくことができない‥‥これらの原因を枕や寝具にしたがる傾向の人がけっこういますが、私から見ますと「そうではなく、体が整っていないから」と言いたくなってしまいます。そして高いお金を出して枕をあつらえたり、高級寝具を買うのではなく、体を整えるだけで全部解決してしまうのに、と思うこともしばしばあります。

 心や精神の状態が体の働きや調子に影響を及ぼしたり、体の調子が精神面に影響を及ぼすことは、私たちが毎日体験していることです。ですから、これは当然と言えば当然のことなのですが、科学的、医学的にはその関連性の仕組みがすっかり解明されているわけではありません。
 心理的に落ち込むことがあると体が重く感じ、持久力も集中力も低下してしまうのはどうしてなのか? 風邪を引いて体の調子が悪くなると、心が弱くなってやる気が低下してしまうのはどうしてなのか? 私たちの誰もがこういうことを経験しているにも関わらず、未だ科学は“どうしてなのか?”に対して明確な答えを出していないように思います。

 さて、心や精神の働きによって私たちの思考が生まれるとします。一方、体(肉体)は物質ですから、そうしますと、心と体の関連性は思考と物質の関連性に置きかえることができます。将来的に、思考が物質に変わり、物質が思考に変わるということが科学的に証明できるようになれば、心や精神面が体に影響を及ぼし、体が心理面・精神面に影響を及ぼすということが明らかになり、私たちの“心と体の健康”に対し科学的にも医学的にも研究がもっともっと進むのだと思います。
 残念ながら今はまだ、思考と物質の関連性に関して答えを出せずにいますので、原因がわからない病気に対しては「気のせい」とか「思い過ごし」のような、患者にとっては不愉快な、とても曖昧な診断が非常に多くなっているのではないかと思います。

 ところで、私たちの筋肉を働かせるには神経の働きが必要です。脊髄損傷などで神経の伝達が途中で途絶えてしまうと、足を動かそうと思っても足を動かすことはできません。ですから脳と体を繋ぐ物質として神経(神経伝達物質)があることがわかります。
 もう一つ脳と体を繋ぐ物質としてホルモンがあります。ホルモンは体にいくつかある内分泌腺から血液中に分泌されるわけですが、それを最終的にコントロールしているのは脳の中の下垂体です。
 ホルモンにはたくさんの種類がありますが、それ自体は卵のようなものであり、卵の黄身の中に暗号化されたメッセージ(命令)が書かれていると考えられているようです。その卵が血液の中を流れていき、必要とする細胞に受け取られると、細胞はメッセージを解読しその命令に従って働き出します。例えばステロイドホルモンは体を修復し、炎症を抑えて癒すための物質ですが、副腎皮質という内分泌腺でつくられます。体が傷ついてステロイドホルモンが必要な状況になったとき、脳下垂体は副腎に対して「ステロイドホルモンをつくって分泌せよ」というメッセージの入ったホルモンを分泌します。副腎はそのホルモン(命令書)を受け取ると、副腎皮質においてステロイドホルモンを製造し始め、どんどん血中に流し始めます。やがてステロイドホルモンが全身に回り、その役割を果たして体の損傷が癒えますと、今度はステロイドホルモン分泌中止の命令書が再び脳下垂体から副腎に対して分泌されステロイドホルモンの製造が終了します。こんな要領で脳下垂体、つまり脳は全身の細胞の働きをコントロールしていると考えられています。
 ですから脳と体を繋ぐ物質として神経伝達物質とホルモンがあることがわかります。それでは、思考と脳の関係、つまり思考が神経伝達物質やホルモンに変換されることが解明できれば、心や精神面と体との関連性が解ることになりますが、それは今後の科学の進歩に期待するほかありません。

 しかしながら、脳は神経以外にホルモンによって体をコントロールしていることは解っていますし、私たちの耳に馴染んでいる“ステロイド”、“卵巣ホルモン”、“甲状腺ホルモン”、“女性ホルモン”などの物質は本来的に脳のコントロールによって分泌されていて、それは私たちの思考にも関係があるという認識はしっかりと持っていた方がよいと思います。
 病院ではアレルギーや様々な炎症を抑える薬としてステロイドホルモンが飲み薬や外用薬として処方されます。ステロイドについては過去から現在に至るまで様々な見解がなされていますが、知っていただきたいことは、それは本来“脳の命令によって副腎で製造される物資である”ということです。個人的な見解としては、ステロイドの使用はあくまで一時的なものにし、常用はなるべく避けるべきであると考えています。常用によって常に血中にステロイドが存在している状況になりますと、脳からの命令や副腎の働きに異常が生じる可能性が考えられるからです。

 私の母はリウマチを患い、数年にわたり投薬による治療を行ってきました。その薬の中にはステロイドが含まれていました。昨年末に大学病院に入院し退院しましたが、その後の処方薬の中にも少量ながらステロイド薬が入っていました。退院後の様子については以前に記しましたが、3月に入っても時々頭がフワーッとして目が霞み、血圧が高くなる症状がでました。血液検査のデータではリウマチの状態は改善されていたということもあり、ステロイドを飲むことを止めさせました。これには私なりの確認方法で、ステロイド薬が体の働きを弱めているということが確認できたからです。“リウマチは改善されたし、ステロイドは体の働き(筋力)を弱めている”ということで止めたということです。(リウマチが改善されていなければ、飲み続けてもらったと思います)
 そして、それまで続けていた毎朝のマッサージの中に、副腎の働きに関係するマッサージを加えました。足の反射区の副腎の場所は、東洋医学の“湧泉”というツボの場所と一致しますが、そこを丁寧に指圧するマッサージです。それと“万能のツボ”とされる“合谷”への刺激です。量は減ってきたとは言え、長年飲み続けてきたステロイドを止めることに当初は不安も感じましたが、そのことによる弊害は一月近く経った今もまったくありません。そしてそれまで時々あった血圧の上昇と、頭がフワーとして目がかすむ状態も見られなくなりました。認知症の方も、普段接している感じでは症状がとても小さくなったように感じています。
(ちなみに、3月末に病院の先生から電話をいただき、リウマチの方は寛解したということでした。完治ではないが、臨床的に問題ないという意味だそうです。もう通院は必要なくなりました。)
 
内分泌腺

 ホルモンについてはまだまだ解っていないことがたくさんあるようです。医学的に胸腺はホルモンを分泌していないとされていますが、米国の大金持ちの中には“若返り”のために胸腺ホルモンを注射しているという話も聞いたことがあります。胸腺は胸骨の裏側にあって子供の頃に一番発達するが、思春期頃から萎縮し始め成人になると働いているのかどうかも解らなくなってしまうそうです。脳の松果体からはメラトニンというホルモンが分泌されていますが、それ以外の働きは良くわかっていません。しかし、霊性を追求している人たちにとって胸腺や松果体は非常に重要な働きを担っていることが遙か昔から知られています。ヨーガにおける7つのチャクラは、副腎、性腺、膵臓、胸腺、甲状腺、松果体、脳下垂体といった人体の内分泌腺に対応していると考えられています。

 ステロイドは体を癒すためのホルモンですが、癒やしが必要な状態が多くなると血中にステロイドが溢れたような状態になるそうです。するといつの日にか体の細胞はステロイドの中毒になり、常にステロイドを要求する状態、つまり常に癒やしが必要な状態になるという話もあり、それが慢性的なうつ状態を招くのではないかという見解もあります。これらの真偽はともかくとして、思考と体をつなぐ物質としてホルモンが重要な役割を担っているのは、おそらく間違いのないことだと思います。

 私はセラピストとして胸腺について非常に興味があります。霊性の面では心臓のチャクラであり、東洋医学的には?中という特別なツボであります。整体的には、体が環境のいろいろを感じ取るセンサーの中心であると考えています。実際に体を触っていきますと、胸(胸郭)が閉じているときと開いているときがあって、それによって安心感が出たり、不安な気持ちになったりと心理面でも変化します。
 胸腺に関してはなかなか情報を得ることができませんが、いずれまた取り上げたいと考えています。

  ここのところ何人か、めまいと吐き気や気持ち悪さを同時に抱えた方が来店されました。
 “めまい”の場合、私はまず内耳に問題があるのかもしれないということを頭に描いてお話しを聞いていきます。そしていろいろテストするのですが、内耳の三半規管の問題でめまいを起こしている場合は、多くの場合、音の聞こえ方も左右の耳で違っています。ところが今回の幾人かの場合は耳の聞こえ方には問題はありませんでした。
 寝返りをうつとめまいがしてしばらくの間気持ち悪くなってしまう。起き上がろうとすると気持ち悪くなり軽くめまいがしてしまう。布団に入ると気持ち悪くなり吐き気を感じる。安静にしていても気持ち悪い。こんな症状の方々でした。そしてこれらは耳の問題ではありませんでした。

 これらの方々に共通していたのは首が捻れていたことです。片山洋次郎さんがお書きになった本の中に「頚椎4番が捻れているとめまいを起こしやすくなる」という内容があります。もうだいぶ前に読んだのですが、施術をしながら、ふとそのことを思い出しました。そして頚椎4番やその前後の頚椎が正しい位置に戻るよう施術を行いますと、確かに症状が改善されました。
 片山洋次郎さんとは面識がありませんし、知り合いからの紹介で8~9年ほど前に本を何冊か読んだだけですが、とても専門的で、当時の私には解りにくいことも多かったのですが、今また読み返すとうなずけることもたくさんあります。

 「頚椎4番の捻れはめまいを引き起こす可能性がある」と言ったところで、医学的には「なんのこっちゃ?」と一向に認められないと思いますが、現実として、実際にめまいや気持ち悪さが改善されたわけですから、私の見方も一枠拡がった感じがしています。
 
 症状に対して私が着目するポイントは以下の通りです。
 ・めまい‥‥耳の働きや位置の問題、リンパや血流の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・気持ち悪さ‥‥血流や血圧の問題、呼吸の問題、胸郭の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・吐き気‥‥耳の問題、呼吸の問題、胸郭の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・不安感‥‥呼吸の問題、胸郭の問題、頭部の血流の問題、頚椎
 
頸部側面

 ところで、頚椎4番は図に見るように“のど仏(喉頭隆起)”の少し上にあります。ですから、頚椎4番を中心にその前後が捻れていますと、舌骨や声帯(喉)も捻れますので、舌の働きや発声に問題が生じます。舌を噛みやすくなったり、声がかすれたり、あるいは大きな声が出せなくなってしまうかもしれません。“頚椎4番の捻れ”と言っても普通の人にはわかりづらいことですが、鏡を見たときのど仏の位置が真ん中ではなく、どちらかにずれているようであれば、それは頚椎4番が捻れていると考えられます。耳鼻科や内科で治療を受けても、あるいは薬を飲んでもなかなか治らないめまいや吐き気に悩まれている方が、のど仏の位置が真ん中でない場合は、専門家に頼んで頚椎を正しい位置に戻してもらってみてください。症状が速やかに改善するかもしれません。但し、直接頚椎を動かして矯正しようとするカイロプラクティックや整体院を訪れる場合は十分に注意してください。ボキボキっとやりたがる専門家は避けた方が良いと思います。万が一頚椎が損傷しますと、それは大きな災いを招く可能性があります。
 ちなみに私は、決して直接骨をボキボキっと動かすことはしません。これまでの例では、片噛みや噛みしめの癖で頚椎1番がずれ、その反動として頚椎4番が反対方向にずれていたり、肩甲骨や肋骨がずれていることで頚椎が捻れていたりと、根本的な原因は他にある場合がほとんどです。人差し指を使いすぎていることが原因の場合などもあります。(マウスをクリックしすぎたなど)

追記:私の業界も忙しくなりつつあるシーズンを迎え、なかなかブログを記す時間が取れなくなってきましたが、今後も投稿は続けていく思いでいます。

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