首・肩のこりに加えて背中の張りを訴えてこられる方も多くいます。背中の張りで、肩甲骨の内側の部分については“肩甲骨が外にずれているため”ということで、既に説明しました。
今回はそこよりも下の部分の張りや痛みについて説明します。場所としては腰の少し上のところで、肋骨の下部から肋骨が終わる部分です。なお猫背の人の場合は、それより上のところ、ちょうど猫背の山のところ辺りから下側にかけて筋肉がコリコリに張っていることがよくありますが、それは今回にはあてはまりません。
この部分には腎臓があります。そして腎臓は腫れるというか、むくんだ状態になることがしばしばあるようです。そうなりますと、そこには肋骨の下部がありますので圧迫されて不快感や張り感を感じるようになります。状態がひどくなりますと、じっとしていてもそこに痛みを感じるようになります。ただ、そのような状態になった人に血液検査の結果などを伺っても特に腎臓関連で引っかかることはないようですので、腎臓の機能そのものには問題がないのかもしれません。(腎臓は血液をきれいにする働きと尿をつくる働きです。)
ところが耳の働きに問題がでることがしばしばあります。耳鳴りだったり、膜がかかったような音になる一種の難聴状態です。めまいの兆候も少し出る場合があります。
東洋医学(中医学)では、腎と骨と耳はつながりのある関係です。“腎”とは生命力に深い関係があるとされています。老化が進み腎の力が衰えていくと耳が遠くなり、骨も弱くなる、といった関連性になっています。このことが現代科学的に見て正しいかどうかはわかりませんが、私の仕事は“結果が良くなれば、現代科学的根拠がなくてもかまわない”という立場ですから、腎臓が腫れていて背中の張りを訴える方には、耳を整え、腎臓の反射区を施術するなどの方法をとっています。
耳を整えるのは“顔の整体”になります。それについては技術が必要なので普通の人にはちょっとできないことですが、腎臓の反射区を施術することは誰にでも簡単にできます。反射区への施術は手のひらと足裏がやりやすいと思います。反射区はツボとは違いますので、ピンポイントである必要はありません。「だいたいこの辺り」で大丈夫です。そこを強めの力で指圧します。けっこう奥の部分を押す感じです。反射区の部分は他の部分と違って、強く圧をかけますと、体の別のところにジーンと響く感じがすると思います。その部分を持続的に押し続けます。するとある瞬間から、そこがじわーっとほぐれるようになるのが感じられると思います。そこまでやってほしいです。
そしてその後で、背中の張りを感じていた部分を触ってみてください。少し柔らかくなったり、余裕ができたように感じられませんでしょうか。
疲れが溜まりすぎると“生きる力”が弱まるせいで腎臓がむくんでしまうのかもしれません。そしてそれを放っておくと耳に不調がでてしまうかもしれません。背中の下部、腰の上部に張りや辛さを感じる方は、腎臓反射区への施術をやってみてください。