ずっと左側を下にして横寝をしている人がいます。
 かつて腰をひどく傷め重度の腰痛持ちだった経験がありますが、横寝を続けているので慢性的な左側腰痛の状態です。

 さらに今回来店されたときには、以上の状況に加え、左側の腎臓が腫れていて肋骨に圧迫され続ける不快さと痛みも加わりかなりつらい思いをしていました。

 腎臓は、大雑把に「ストレスが溜まると腫れる」と言うこともできます。腎臓が腫れると肋骨に圧迫される状況になりますので、痛みや不快感を感じますが、場所的に腰痛と間違えられることもあります。

 私は腎臓の腫れに対しては反射区を利用した施術を行います。腎臓の反射区は足裏の中央少しつま先寄りにありますが、腎臓の腫れている人の場合、その反射区の奥が硬くなって膨らんでいます。施術としてはその硬い膨らみを指圧するなどして解放するようにします。
 大抵は、この施術によって腎臓の腫れや膨らみは解消されますが、この度はなかなか良い結果にたどり着くことができませんでした。

 ところで東洋医学では腎臓と耳は深い関係があるとされています。
 ですから、私は左耳を確認してみました。聴力には問題はありませんでしたが、耳につながる首筋(胸鎖乳突筋など)がガチガチに硬くなっていました。揉みほぐそうと少し圧をかけただけでもとても痛がる状態でした。
 「これがきっと腎臓の問題につながっている」と直感的に思いました。

 いつも左側を下にして寝ていることから、肩甲骨周辺のどこかにゆるんでしまっているところがあり、その影響で左耳につながる筋肉が硬くなっているのだろうと予想しました。
 結局、腕の付け根と肩甲骨の境界付近の広背筋が伸び切った状態になっていて、それが原因で首筋が硬くなり、さらに左腰部の筋肉も硬くなっていました。

 結論としては、ストレスと左肩を下にして寝ていることによる広背筋の疲弊が原因で、腫れた腎臓(耳とも関係)が肋骨だけでなく腰部の硬く縮んだ筋肉にも圧された形で制限を受けていたために、腰痛+腎臓の腫れという症状になっていたのだと思われます。
 そして、硬く縮んでいた腰部の筋肉によって腎臓はさらに圧迫を受けていたためにリンパや血液など水分の流れが滞ってしまい、反射区だけの施術では解放ができなかったのではないかと思いました。

 多くの人達が横寝をしているようです。からだも歪むし、今回のような状況を招く可能性もありますので、なるべくやめたほうが良いと思うのですが、なかなか癖を治すのは難しいようですね。