先日、私見ですが、”三つのからだ”というブログを投稿しました。食物からなる”物質的なからだ=肉体”、呼吸に関係する”気(エネルギー)のからだ”、そして”心(≒感情や精神作用を含む)のからだ”、私はみなさんのからだを以上の三つに分けて考え、対処するようにしていますという内容でした。今回はその中の”気(エネルギー)のからだ”についての話題です。

 現在、毎月2回のペースで整体の勉強会を行っています。と言いましても、コロナウイルスのこともありまして、今は生徒さん一人と私とモデルの3人で細々と行っていますが‥‥。
 そして本日は「エネルギーの流れを変える」というテーマで勉強会を行いました。

 ”デトックス”は現代に生きる私たちには重要なテーマです。食物が多種多様にあって、グルメで‥‥痩身のためにデトックスする必要がある、というのも重要ですが、整体的な面では不要なエネルギーを体外に排出するという意味でのデトックスが重要です。東洋医学的に言いますと”邪気を体外に排出する”ということになりますが、SNSやインターネットで毎日溢れるほどの情報を頭に入れていますので、それらによって頭の中はいっぱいになり、思考を巡らす場所がなくなっているように見える人もいます。あるいは、ストレスや諸々の感情を表に出すことが出来なくて自分の中に溜め込んでいて苦しんでいる人もいます。

 呼吸は、吐き出す息(呼気)と吸い込む息(吸気)のことですから、本来、吐き出すことからスタートします。吐き出すことで肺の中が空になり、そして新鮮な空気を取り入れる動作が肺呼吸であり、それが自然の在り方ではないかと思います。
 ところが、皆さんに「少し深い呼吸を呼吸をしてください」とお願いしますと、大概は息を吸うことから動作を始めます。つまり私たちの多くは、まず取り入れることから始めたがっているのかもしれないと感じてしまいます。「不足」という深層心理の現れかもしれないなどと思ったりもします。

 さて、勉強会の内容に戻りますが、私たちのからだは呼吸だけでなく、気のからだはその他のところでも体内と体外の交流、つまりエネルギーのやり取りをしています。
 掌や足裏はその場所です。頭頂部には”百会(ひゃくえ)”というツボ、サハスラーラと呼ばれるチャクラがありますが、そこや会陰、その他にも耳の穴などいくつかの場所があります。
 たとえば掌を拡げたときに、そこからエネルギーを吸っているのか、あるいは排出しているのか、というのを観察することができます。
 掌や足裏は本来、エネルギーを排出する場所だと私は考えています。腕と足を大きく伸ばして「伸び」をしたときに、掌や足裏から気(エネルギー)が気持ちよく発散できるようであれば、それは良い状態です。その排出エネルギーに乗せて、ストレスや嫌な感情、頭を埋めていた情報などを出してからだを風通しの良い状態にすることができます。

 しかしながら、こういった「伸び」をしても邪気(不要なエネルギー)を出すことのできない状態というものがあります。つまり、外界から気が体内に向かってどんどん入ってきてしまう状況です。このような状態になりますと、必要のないエネルギーが体内に蓄積されますので、不快感を感じますし、しばしばそれらは生理活動に影響を及ぼし、肉体的な不具合や不調を招くようになったりします。
 そして本日のテーマは、このように外界から気が入ってしまう状況を逆転して、掌や足裏からエネルギーが放出できる状態にするためにはどうしたら良いか? というものでした。

 おそらく意識を使えば、それはすぐに可能でしょう。心を集中して掌や足裏から邪気が出ていくイメージを保つことで、肉体はそのように働きだすと思います。ストレッチやヨガや気功やさまざまな呼吸法はおそらくこのような原理を利用しているのだと思います。
 ところが、まったく意識しない状態でも、常にそのような状態に肉体を保つことも可能です。そして、それが「整体」という療法の真髄かもしれません。

 背骨(脊椎)の在り方はいろいろな面で肉体の大きなことから細かいことまで関係が深いと言えます。上部頚椎が上を向いているのか下を向いているのかで呼吸や頭の働きに影響が出たりします。胸椎や腰椎の向きや捻れによって逆流性食道炎を招いたり、胃腸の働きに影響が出たり、腰痛や神経痛になったりと肉体にいろいろな影響を与えますが、それは肉体の面だけでなく”気のからだ”にも影響を及ぼすことがあります。

 本日のモデル:Mさんのケースを例にあげてお話しします。
 Mさんは左右の掌から気を吸ってしまう状況でした。しかし、上を向いていた第4腰椎を操作して正すと、掌から吸い込む状態が止まるようになりました。ですから、もっと根本的な原因になっている脊椎を修正すれば、エネルギーの流れを逆転できる可能性があることがわかりました。
 ですから、その根本原因になっている脊椎を探して、腰椎の一つ一つ、胸椎、そして頚椎の一つ一つを観察していきました。すると、第3・第4頚椎が第4腰椎とどうように上向きの状態になっていました。そして、これらを操作して正しますと、掌だけでなく頭頂の百会からも気が放出される状況になることがわかりました。つまりMさんが無意識の中で外界から気を体内に吸い込んでしまっている原因は第3第・4頚椎の歪みが原因であることが分かったということです。
 ですから、あとは「どうしてこれらの頚椎が歪んでいるのか?」という本当の原因を探していく作業になります。
 第3・第4頚椎の前面には舌骨があります。ですから、舌骨や喉周辺を観察してみました。すると筋肉や筋膜がとてもこわばっていて、舌骨が前方に歪んだ状態になっていました。つまり舌骨が本来よりも前に歪んでいる分、頚椎も前方に引っ張られていて歪んだ状態になっていることがわかりました。
 そして、最終的には下唇の下にあります下顎の先端(オトガイ)周辺の筋肉が硬くなっていることが原因であることにたどりつきました。Mさんは下向き加減の姿勢が多くて、オトガイ周辺に力が入りやすい状況だったのかもしれません。
 ですから、オトガイ周辺のこわばりを5分間ほどの持続的指圧でゆるめましたが、その途中で足裏がスウスウするようになり、掌も涼しくなっていき、反面からだの中は温かくなっていくと仰っていました。

 施術が終わって確認しますと、座位の姿勢も良くなり、腰の動きも良くなっていました。そして「からだがスッキリとした」と仰っていました。
 整体勉強のモデルですから、必要以上のことは何もしていません。ただオトガイ周辺のこわばりをゆるめただけです。それだけで、体内のエネルギーの流れがすっかり変わり、体内にあった不要な気(エネルギー)が出て行ったので、肉体は軽やかになり、気の流れが改善するとともに血行も良くなったと思いますので、からだ温まったのだと思います。

 本日はこのような勉強会をしました。
 おそらく、実際にはかなり高度な内容だったと思います。

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