本日来店された常連の女性が、昨日投稿したブログに記した「邪気」について「それは気体?」というような質問をされました。
 「邪気」というのは東洋医学(中医学)で使われている概念です。「正気」に対する「邪気」なのですが、それは「気」(≒エネルギー)の世界の言葉ですから、現代科学しか知らない私たちには難解な概念だろうと思います。
 「気体」というのは空気のことですから、物質世界の言葉です。目視で物質的に捉えることはできませんが、酸素や炭酸ガスや窒素などと現代科学的に分析できます。ですから、これは「気(エネルギー)」の領域とは違う世界の言葉となります。

 私はよく知っているわけではありませんが、おそらく量子力学的にはエネルギーと物質は同じものの違う側面として捉えるのだろうと思います。ですから、量子力学的には「気体」と「気」(正気・邪気)は同じレベルで論じることが出来るのかもしれませんが、私は実務者ですので、実務的に便利になるように考える習慣があります。
 そこで、私は大胆にも、私たちの普通に知っている”からだ”は三つのからだが合わさったものだと考えています。
 一つは、眼に見えて触ることの出来る”物質次元のからだ”、つまり肉体です。
 もう一つのからだは、気のからだです。東洋医学では経絡(けいらく)とか経穴(ツボ)という専門用語が使われますが、それは”気のからだ”を取り扱っていると解釈しています。
 そして、三つ目は”心の次元からだ”です。感情とか、精神面とか、それらも実務的にとりあえずこの次元のからだに含めています。

 「気」の話題をだしますと何か眉唾もののような印象を持つ人もいます。この概念は私たちが習ってきた現代科学ではほとんど取り扱っていないからだと思います。それは「眼に見えない(観察することが出来ない)ので信じられない」との思いからだと思います。しかしながら「心」は見ることが出来なくても、確かに存在していることは誰もが知っています。ですから、通常は「心と体」という分け方するわけですが、それについては違和感を感じる人はほとんどいないと思います。

 「気(エネルギー)」は見えません。しかし私たちが生きていることの証しである「呼吸」は「気」を代表する現象です。呼吸が止まった状態、それは気の出し入れ(呼気と吸気)が途絶えた状態のことですが、そうなりますと傷一つない肉体があったとしても私たちは”生きている人間”と認めることが出来なくなります。そういう意味で「気」は大切であり、多くの人がよく解らないと考えているであろう「気」について、私は”気のからだ”という見方をして自分の実務に活かすようにしているわけです。

 ですから施術を行うときには、筋肉や骨格という”物理的なからだ”と、呼吸やツボに関連する”気のからだ、そして感情や精神面も含めた”心のからだ”の三つの面で観察することがしばしばあります。
 単に膝が痛いとか、五十肩だとか、腰痛など肉体的不具合だけの場合は、ほとんど肉体面でしか見ませんが、呼吸が絡んできたり、感覚器官の問題があったりしますと”気のからだ”も見るようになります。
 また、他者の心理面にはなるべく立ち入りたくありませんので、”心のからだ”については普通は何も考えずに接しています。しかし「どうしてもこの問題を解消しないとからだ(肉体)がよくならない」と感じるときは、心のからだも観察することがあります。

 ところで、インドの哲学には「五つの鞘(さや)」という概念があります。「ハイヤーセルフ」とか「本当の自己」とよばれるもの、「真我」と定義されるものは「因果の鞘」「理知の鞘」「心の鞘」「呼吸の鞘」「食物の鞘(=肉体)」の五つの鞘に覆われているという概念です。因果の鞘が最も上位であり、肉体がもっとも下位の鞘になるのですが、この概念にしたがいますと、私が表現している”心のからだ”が上位、”気のからだ”が中位、”物質的なからだ”が下位となります。そして、それぞれの”からだ(鞘)”は互いに関わり合っています。
 つまり、”心”に変化が起こりますと、それは”気”に影響を及ぼし、そして”肉体”の何かが変化することになるのですが、認識しなければならないことは、この変化は必ず起きるということです。心が喜んだり悲しんだりしても、気の流れはまったく変化しなかったり、肉体に何の変化も起きなかった、ということは”あり得ない”という認識が施術者の私にとっては重要です。この上位から下位につながる変化は必ず起きます。もし、私が技術者として未熟であれば、その変化が捉えられません。ですから、私は技術力を上げるように、もっと精進しなければならないということになります。
 また、肉体の変化が気の流れを変化させ、心に影響を与えることもあります。たとえば、胸郭の状態が悪くなったり、胸まわりの筋肉が変調して、肺呼吸が上手くできない状態になりますと、呼吸が悪くなり息苦しくなるとともに”気のからだ”の状態も悪化します。すると息苦しさから不安を感じたり、イライラしたりと感情に変化が生じるようになります。つまり”心のからだ”も影響を被ることになります。
 このことについては、「感覚器官と心の動き」についての哲学的話がありますが、それは機会があれば紹介したいと思います。

 いわゆる修行者やヨギ(ヨガの達人)は心が外的要因によって影響を受けない不動心をもっていますので、肉体的変化がストレートに心に変化を及ぼすことはないかもしれません。しかし多くの普通の私たちは、心の振れ方に差異はあるものの肉体的変化や気の変化によって心が変わってしまいます。ですから、普段から快適な肉体と、快適な呼吸を保つようにすることが心の安定と幸福感にとって必要なことであるということになります。

 今回の話題は、あくまでも私の私見です。こんなことを思いながら施術していると知っていただければ‥‥。


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