今回は頻尿などの症状で苦しんでいた人の話題です。二人の40歳代の女性AさんとMさんの具体例を報告します。

子宮筋腫が大きくなって頻尿になってしまった

 Aさんが来店されたのは2年半ぶりのことです。来店された症状は腰痛で、結局それは軽いギックリ腰でした。久々の来店でしたので、いろいろと話しをしていたのですが、その話題の一つが2年ほど前から子宮筋腫が大きくなり、この半年はちょくちょくトイレに行かなければならないほど頻尿になってしまったとのことでした。
 自宅近くにある温熱療法の治療院で治療を受けると少し症状は緩和するけど、それでも効果は長持ちせず時間が経つと頻尿状態に戻ってしまうとのことでした。

 「子宮筋腫と頻尿は関係あるの?」と質問されました。
 「膀胱と子宮は隣接しているので、筋腫が大きければ膀胱が圧迫されて頻尿になることは考えられますよ」と私は応えまして、「ところで、筋腫の大きさはどのくらいですか?」と尋ねました。
 「だいたい10㎝くらい」とAさん。
 「それは、影響はあるでしょう」と私は言いました。

 「しかし、内臓が下垂していなければあまり影響はでないかもしれない」と私はつけ加えました。
 「そういえば、このところ下腹がぽっこりと出るようになってしまって。」
 「内臓下垂と関係あるの?」とAさん。

 「下腹が出てしまったということは、鼡径部が下がったということなので、内臓下垂につながる可能性がありますよ」
 「そうであれば、鼡径部が上がるように整えることで内臓が上がって筋腫がそれほど膀胱を圧迫しなくなるかもしれません。」「頻尿が改善する可能性は考えられますよ」と私は言いました。

 そして、鼡径部が上がって下腹がスッキリするよう全身を整えていきました。

 「どうして鼡径部が上がると内臓があがるの?」とAさん。
 「鼡径部は骨盤の前面から内臓がこぼれ落ちないように、道路のガードレールのような役割をしているので、鼡径部をしっかりさせることで内臓の収まりが良くなるんです。」「だから下腹もスッキリしてウエストも細くなると思いますよ」
 「また、私たちのからだには『上昇する力』があって、その力を発揮するためには鼡径部や舌が上がっていなければならなくて‥‥鼡径部はそういう意味でも大切なところなんです。」と私は言いました。

 このあと、「上昇する力」についていろいろ問答がありましたが、キーワードとして私はミトコンドリアの働きと鼡径部・舌・喉・足のアーチとの関係などについて応えながら施術を進めていきました。

 施術を終えたとき、まだ頻尿の問題については様子を知ることはできませんでしたが、ウエストが細くなって、下腹が引っ込んだことは実感されていました。そして、腰の状態も非常に楽になったとのことでした。

 その後、一週間ほどして来店された時に様子を伺いましたが、頻尿はかなり改善されていて、職場で午前中は一度もトイレに行かないで済むようになったとのことでした。
 「頻尿になる前とほとんど変わらない感じになった」
 「それまでは15分くらいしか持たない感じだったのでいつもそわそわしていたけど、そんな心配はまったくなくなった」とのことでした。

腰椎の問題で頻尿になり、下腹部に強い不快感

 Mさんの症状は幾つもありました。喉の痛みと不快感、腰痛、極端な頻尿、下腹部~陰部にかけての熱感と強い不快感、火照り、頭痛などです。
 座ることが非常に辛くて、横になるもの辛いので、一日中立った状態で過ごしているとのことです。夜もほとんど眠ることができないので、肉体的にも精神的にもまいっていしまい困り果てている様子でした。

 Mさんは更年期障害に該当する年齢でもあり、火照りや下腹部の不快感など、その影響もあるのかと思いそれなりに対応はしてきたとのことですが、最近になって座っていることが全くできなくなってしまったので、他に原因があるのではないかと考え、私のところを紹介されて来店されました。

 初回は、喉の痛みと不快感が最も気になるということと、全身をリラックスさせたいという要望でしたので、一通り通常の施術を行いました。
 頭痛、腰痛、頻尿、火照り等の症状に対応するつもりで、首肩を揉みほぐすことから始め、腰部では腎臓が膨らんでいましたので腎臓の反射区を刺激したり、骨盤を整えたりしました。
 腎臓が膨らんでいたことから、それが影響して頻尿になっていたのかもしれないと考えたり、全身がカチカチに硬くなっていましたので、血流も悪く、首から上への血流不足なども考えられます。そして、それによって火照りや頭痛といった症状がもたらされたのかもしれないとも考えました。
 また、喉の痛みと不快感は頚椎を整え、甲状舌骨筋など喉周辺の筋肉を整えることで症状は解消しました。
 一通り施術を終えますと、「スッキリして楽になった」ということで帰られましたので、その後、Mさんのことはほとんど気に留めていませんでした。

 ところが、2週間ほどしますとまた来店されまして、「まったく座っていられなくなってしまった」「あの時はスッキリしたけど、しばらくするとまた火照りが始まり、特に下腹部から陰部にかけて火照りが酷く、昨晩、一昨晩と全然眠れなくなってしまった」と仰いました。
 「ただ、腰の下の方を少しマッサージするとちょっと症状が落ち着くので、腰とか骨盤とかが関係しているのでは?」とも仰いました。

 そこで、今回は腰部に着目して施術を行うことにしました。
 細かく骨盤と腰椎を観察していきますと、第5腰椎が少し前方にすべっているのが確認できました。(正確には第4腰椎と第5腰椎の関節部分が前方に落ち込んでいました。)そして仙骨が後方にずれていて更に後傾していました。
 「これが原因かな~?」と疑いを持ちながら、いろいろ様子を探っていきました。

 そうであれば、下腹部から陰部にかけての火照り(熱感)や不快感は神経異常の症状であるとも考えられます。極端な頻尿も神経の働きがおかしくなっていることが原因なのかもしれません。
 また、座っていることができないという症状も、第4腰椎~仙骨にかけての不安定さが原因である可能性があります。骨盤(仙骨)と背骨(腰椎)との接点が不安定で、骨盤に上半身を乗せることが耐えられないと考えることができます。
 このようなことを思いながら、腰椎と仙骨の状態を修正する施術を行っていきました。

 ところで、Mさんの下半身は内股状態です。太ももが内側に少し捻れているのですが、それは子供の頃からの体型だということです。

 ところで、腰椎と大腿骨は大腰筋を介して直接的な関係があります。大腰筋は腰椎の椎体を起点(起始)として大腿骨の小転子というところにつながっていますので、内股で大腿骨が内側に捻れている状況は大腰筋をこわばった状態にします。
 つまり太ももが内側に捻れた内股状態の人は大腰筋がこわばってしまい(=収縮状態)、腰椎を前下方に引っ張っている状態になっている可能性があります。
 ですから、まず内側に捻れている大腿骨の状態を正すことから施術を始めました。
 大腿骨を内側に捻る(内旋する)働きをする筋肉には大腿筋膜張筋と小殿筋がありますが、それらの筋肉は強くこわばっていました。ですから、そのこわばり状態を解消するために多くの時間を足裏や踵や足首周辺の施術に費やしました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋のこわばり状態が弱くなるにしたがって、前方に落ち込んでいた腰椎が少しずつ少しずつ後方に戻ってきましたので、この施術が正しい方向性であることはわかりました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋の状態がある程度改善しましたので、次に仙骨が後傾している問題に取り組みました。
 Mさんの仙骨は単に後傾しているだけでなく、後方に出っ張った状態になっていました。ですから第4腰椎と第5腰椎の関係だけでなく、第5腰椎と仙骨の関係も悪かったわけです。
 骨盤内の臓器に対する神経は仙骨から出ていますので、仙骨の状態を改善することで膀胱の働きや下腹部から陰部に掛けての感覚異常などにも対応できるかもしれません。そのように私は思いました。

 仙骨の整え方は、実際いろいろ複雑でしたのでここでは説明を省略しますが、頚椎や頭部からの影響もありました。
 60分間、ほとんどの時間を腰椎と骨盤の調整に費やしましたが、前方に落ち込んでいた腰椎、後方に出っ張り後傾していた仙骨などはすっかり整いました。
 そして、ベッドに座っていただいた状態で、5分間くらいいろいろ微調整を行っていました。そしてその後、座っている間の様子を伺いました。
 「座っていることの辛さはまったく感じないし、違和感も火照りも感じない。ごく普通な感じです。」という返答でした。
 一応、症状の原因に対する予想も正しかったようで、思惑通りの結果は得られました。

 そして、第4腰椎と第5腰椎のこと、内股で大腿骨を内側に捻る筋肉が硬くこわばっていることなどが主な原因であることを伝えまして、「もし、また違和感などを感じるようになりましたら、太ももを外側に捻るようなストレッチを行ってください。あぐらをかいてしばらく座ってみるだけでも症状は緩和されると思いますよ。」とアドバイスして施術を終えました。

神経と血流について

 子宮筋腫ができてしまう理由、そして筋腫が大きくなってしまう理由については未だ原因が明確ではないようです。女性ホルモンの分泌には関係性が見られるようですが、はっきりしないことも多いようです。ところで、私は若い女性に子宮筋腫に限らず婦人科系の病気が目立つのが気になっています。
 女性ホルモンは卵巣が分泌しますが、そのコントロールは脳で行っているとされています。脳下垂体から血液の中に分泌される性腺刺激ホルモンが卵巣に届いて女性ホルモンが産生さる仕組みになっているとのことです。
 ですから、血流は重要です。脳と卵巣との間の血流状態に問題がありますと、女性ホルモンの分泌に問題が生じると考えることができるからです。

 また、子宮や膀胱、骨盤内臓物に関係する神経としては自律神経の骨盤内臓神経(副交感神経)と随意神経の陰部神経(感覚神経と運動神経)がありますが、どちらも仙骨(仙髄)に深く関係しています。
 そして神経というのは、神経管(ファイバー)とその中で働く神経伝達物質で構成されていますので、神経管も神経伝達物質もどちらも重要です。
 神経管を養うために動脈が伴行していますので、神経の働きという面でも血流は重要ということになります。

 Mさんが感じていた下腹部から陰部にかけての熱感や不快感は陰部神経の異常状態が原因だったかもしれません。
 腰椎が前に落ち込んだことで神経管が圧迫されて内部の神経伝達物質の働きがおかしくなったのかもしれません。あるいは正座をし続けるとやがて血流が途絶えて脚がしびれだしますが、同じような原理で感覚神経である陰部神経の反応がおかしくなったり、骨盤内臓神経が異常状態になったのかもしれません。

 私にはどちらが本当の原因かを判断する能力はありませんが、いずれにしても血流を邪魔する要因を除去して血液の流れを改善することは必要不可欠です。また、神経管を圧迫するような要因を除去するために、骨格を整えることも大切だと考えることができます。

内臓下垂を改善する‥‥鼡径部の大切さ

 Aさんに話題を戻しますが、Aさんの場合は子宮筋腫が大きくなって膀胱を圧迫しているために頻尿になってしまったという可能性が考えられました。子宮が大きくなる現象としましては妊娠があります。妊娠初期にはやはり膨らんで大きくなった子宮が膀胱を圧迫するために頻尿になったり、残尿感が残ったりする症状が現れると言います。ところがある時期を過ぎますと、子宮が膨らむ向きが上方(お臍の方)になるので、膀胱への圧迫が消えて頻尿や残尿感の症状が消えるということです。
 ですから、同じ理屈で考えますと、たとえ10㎝大の子宮筋腫であったとしても、その向きが上方に向かうようであれば膀胱への圧迫は改善すると考えることができます。

 胃下垂は内臓下垂の代表的な症状ですが、小腸が下垂して骨盤内臓物を圧迫する状況もあるかと思います。鼡径ヘルニア(脱腸)はその典型例ですが、妊娠が進んで子宮が大きくなり、鼡径部を圧迫して鼡径ヘルニアに近い状態になった妊婦さんをケアしたことがあります。
 その人は足首周辺が静脈瘤状態でしたが、体表の筋膜(皮下筋膜)がゆるんだ状態になっていて、鼡径部も下がった状態になっていました。お腹が大きいのに、加えて鼡径部も下がっていましたので、お腹が骨盤からはみ出てしまうような状態でした。私はひたすら筋膜の状態を整えることと、鼡径部を上げることの施術に専念していました。何回かの施術で鼡径部も安定し、鼡径ヘルニアに近い状態も足首周辺の静脈瘤も改善して無事出産されましたが、そのときに鼡径部の在り方は内臓の収まり方にとって大変重要だと知ることができました。

 Aさんに対しては鼡径部が上がるような施術も行いましたが、おそらくそれによって内臓全体の収まりが改善したので、筋腫で膨らんだ子宮が膀胱を圧迫する状態も改善されたのではないかと思います。
 女性で下腹が出ていることが気になっている人も結構いますが、それは「脂肪がついた」というよりも鼡径部が下がって内臓下垂の状態になっている方が多いのだと思います。
 ですから、鼡径部が上がるように調整することで、スタイルに対する悩みはけっこう解決できるのではないかと思っています。
 鼡径部の上げ方については、これまで幾度かブログに記してきましたので、そちらを参考にしていただくのもよいですが、ちょっとセルフケアでは難しいかもしれません。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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