私たちの肉体に備わっている感覚器官には目(視覚)、鼻(嗅覚)、耳(聴覚)、舌(味覚)、皮膚(触覚)の五つがありますが、それぞれに、ときどき不具合になったり不調になったりすることがあります。あるいは生涯、不具合を背負いながら生きていかなければならない人もいます。
 「感覚器官と心(マインド)とは密接につながっているので、感覚器官の在り方は私たちの感情を左右する」という考え方もありますように、私たちが人生を快適に過ごすためには、感覚器官を常に調子の良い状態に整えておく必要があるのかもしれません。

 さて、今回は耳(=聴覚)に関係するトラブルの一つ、低音難聴について取り上げてみます。

 いろいろな事情があって「腰が破壊された」ようになり、私のところに4年程通われている人が、この正月に低音難聴になってしまったと訴えて来られました。
 この人は、かつて腰がほとんど使い物にならない状態でしたので、顔と首と肩に力を入れて頑張ることでからだを支えて生きているような状態でした。現在は腰の具合も良くなり、日常生活にはそれほど支障をきたさない程度の状態になっていますが、首肩に力を入れやすい癖はまだ抜け切れていません。ですから、頭や首は慢性的に硬くなっています。しかしながら、耳の状態に問題が出たのは今回が初めてでした。
 医師の診断によりますと、検査データ的に「明らかに低音難聴であり、このまま状態が進行するとメニエル病に移行する可能性もあって、そうなるとめまいで何時間も起き上がれないような症状になることもある」と言われたそうです。
 かつては腰が破壊されて寝たきり状態の日々を送っていたのに、今度はメニエルで同じような状態になるのはどうしても避けたいと私に仰いました。

 以前にもお話しさせていただいたこときましたが、耳に関連する問題では、
  1. 頚椎4番を中心とした頚椎と首に関係する筋肉
  2. 頭蓋骨の歪み
  3. 腎臓
の3項目をまず確認します。
 これ以外にも原因となる要因は考えられますが、多くの場合で、以上の3項目を整えますと耳の症状は軽快、または改善します。

頚椎4番を中心とする頚椎の歪みと関連する筋肉

 頚椎4番が耳の機能に関係するという学術的根拠はないかもしれません。しかし、私が勉強した中で「耳を傾けるという動作は首を少しかしげる仕草ですが、この時中心になるのが頚椎4番であり、頚椎4番の状態が悪いと耳の機能に不調が現れる」という文言がありまして、それが私の心の中にずっと残っています。ですから、私は耳の機能の問題に関しては必ず頚椎4番を整えることにしていますが、耳の機能と頚椎4番は「確かに関係がある」といつも感じています。

頚椎の歪みに関係する主な筋肉


 頚椎4番に関わる筋肉としましては、肩甲挙筋(けんこうきょきん)と斜角筋(しゃかくきん)が代表的ですが、それらの中でも後斜角筋は影響力が強いと感じています。

斜角筋の中の後斜角筋

 後斜角筋は第2肋骨と頚椎4~6番を繋いでいますので、第2肋骨が歪みますと後斜角筋が変調をきたして頚椎を歪ませるという理屈が成り立ちます。他の斜角筋が変調しても頚椎に影響を及ぼしますが、経験的に、後斜角筋の影響が最も強いと考えています。
 そして第2肋骨の歪みは手の第1背側骨間筋や人差し指の筋肉のこわばりが原因となっている場合があります。パソコンのマウス操作が多い人や手書きで筆圧の高い人、人差し指と親指に力を入れて包丁を使う人、物を掴む人は、この傾向にあります。
 また、肩甲挙筋は目の疲労と関係しますので、コメカミがカチカチに硬くなっていて指圧すると痛みを感じる人なども頚椎が歪んでいる可能性があります。
 その他にも頚椎4番を中心に頚椎を歪ませる要因はありますので、それらを確認しながら筋肉を整えることで頚椎の歪みを修整することが大切だと考えています。

頭蓋骨の歪み

 大概の人は頭蓋骨が歪んでいます。歪みのない人などお目にかかったことはありません。その歪み具合が軽微であればほとんど問題を起こしませんが、歪みが大きくなって許容範囲を超えたり、頭蓋骨が不安定な状態になりますと、いろいろと症状が現れます。
 耳に関係することでは頭蓋骨の中で側頭骨を中心に考えて対応していきます。ベッドに仰向けで寝ていただいた状態で、頭頂部の方に私が座って施術を行うのが基本ですが、まず左右の耳の位置と耳(耳介)の安定度(くっつき具合)を確認します。難聴であれ、耳鳴りであれ、閉塞感や圧迫感であれ、問題のある方の耳は不安定な状態になっていることがほとんどです。
 「耳が取れそうですね」などと言いますと、皆さん一瞬ギョッとしますが、実際そのような感じがします。耳たぶをつまんで引っ張ると耳が取れてしまいそうなそんな感じがするのです。それは、つまり骨(側頭骨)と耳(耳介)にズレが生じているということなのですが。

耳の構造3

 耳が聴覚器としての健全に機能するためには外耳と中耳と内耳と脳に通じる神経のすべてが一体感をもって働いている必要があるわけですが、私が表現しています「耳が不安定=取れそう」な状態は、外耳と中耳や内耳の関係に一体感が失われていることを意味します。ですから左右の耳がバランス良く安定して頭部(頭蓋骨)にくっついている状態にする必要があります。そして、そのためには頭蓋骨の骨格としての歪みを整える必要性や、側頭骨と鎖骨や肋骨につながっています胸鎖乳突筋(きょうにゅうとつきん)とそしゃく筋の状態を良い状態に整える必要があります。

腎臓と耳の関係

 東洋医学では耳と腎(単に腎臓のことだけではない)には密接な関係があると考えられています。
 そして経験的に申し上げて、それは正しいと感じています。血液検査での数値データがどうであるかは知りませんが、腎臓の働きが弱い人や疲労の溜まった人は腎臓が腫れた状態になることがあります。それはしばしば腰痛と勘違いされることもありますが、腎臓が腫れて大きくなってしまうために肋骨から圧迫された状態になり不快感や痛みを感じるからです。
 一過性の耳鳴りや難聴(膜が張っているように聞こえるなど)などの症状を持っているときに、腎臓のところ(腰部のすぐ上、肋骨との境辺り)を手で圧迫すると痛みや不快感を感じるような場合は、耳と腎臓との関連性における問題が表面化していると考えられます。

腎の位置と足の反射区

 このような場合、私は足や手にあります腎臓の反射区を刺激するなどして、腎臓の腫れがなくなるように施術を行います。それだけで耳の状態が良くなることもありますし、上記の頚椎とその関連を整えること、頭蓋骨を整えることを併せて行うことで腎臓の腫れが引いて耳の状態も良くなることがあります。

 さて、冒頭に登場していただいた低音難聴と診断された人とはもう長い付き合いですから、からだのいろいろなことや性格なども知っています。そして低音難聴になってから一週間も経っていませんから、すぐに改善できると思いました。
 施術の内容は上記に説明しましたとおりです。腎臓に問題はありませんでしたので、頚椎と関連する筋肉を整え、頭蓋骨の歪みを整えました。それで難聴の状態はだいぶ良くなりましたが、どうしても引っ掛かることが一つだけ残りました。
 それは右側頭部~右肩にかけて、また右胸~右腕~右手にかけてリラックス感が戻ってこないことでした。からだの全体的な面ではすっかり脱力して、呼吸も深くなりリラックス感が漂っているのですが、今申し上げた部分だけ力が入ったままになっていたのです。「これは別な力の問題だ」と直感的に思いました。

バイオリズム? 霊的何か? ???

 今はあまり言われることがないかもしれませんが、かつて「バイオリズム」という言葉と考え方が流行った時期がありました。自然界にはリズムがあって、一年を通しての季節的なリズム、一日の中では太陽や月がもたらすリズムがありますが、私たち個々人にもそれぞれに特有のリズムがあって心身の状態に影響を及ぼしているという考え方です。バイオリズムがプラスの波にあるときは健康を維持し快適に暮らすことができますが、マイナスの波になってしまうと不調や不具合が現れる可能性が高くなるといった内容だったでしょうか。
 また、非科学的な話になりますが、「憑依霊」あるいは「地縛霊」の影響でからだに不具合が生じるという現象も実際にあるかもしれません。(といいますか、おそらくあるのだろうと思います。)
 私は仕事柄毎日のように不調や不具合を抱えた人たちに接していますが、明らかな理由が見つからないのに突然のように不具合になってしまい、あれよあれよという間に状態がどんどん悪化してしまったという人が来店されることもあります。施術を行いますと一時的に良くなるのですが、またすぐ悪い状態に戻ってしまったり、施術しながら「うまくいかない」と思えてしまったりすることもあります。
 そんな時は強い無力感を感じるのですが、「今の自分の能力ではここまでか」と思ったりします。しかし、そんなに苦しんでいた人も何日か過ぎますと、何もしなくても自然と状態が改善していたりすることもあります。自然治癒力が発揮されて状態が良くなったと考えることもできますが、そういうのとは違った印象を感じることも多々あります。こういう体験を何度もしますと、やはりまだまだ未知で不可思議な力があって、肉体に影響を与えることもあるのだと実感します。(それは単に「波動」とか「気の流れ」という概念では説明できないエネルギーだと思っています。)

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 話を来店された人のことに戻しますが、この人の最後に残った右胸・右側頭部~右手にかけての力みの取れない感じは、不可思議な力によるものだと感じました。そして「どうすればこの状態が改善するのか?」と思いを巡らせた結果、右の手首に黄色と緑色の紐をブレスレットのように結んでみることを試しました。「色の力」を借りてみたのです。
 そうしますと一瞬のうちに力みは取れて、すっかりリラックスした状態になりました。そしてベッドから起き上がっていただき、耳の状態を確認しますと「とてもスッキリして、よく聞こえるし、聞こえ方にも違和感がなくなった」となりました。
 
 私は時々施術の中に色の力を取り入れることがあります。太陽光の中の可視光線は七色に分解して観察することができますが、それは電磁波としての周波数がそれぞれに異なっているということです。つまり、特定の色は特定の作用を持っている有していると考えることができます。赤外線に近い赤色は暖色ですが、ものを温める作用があります。つまり色はある働きを持ったエネルギーであると考えることができるわけです。
 本日は目に弱点をもたれた人が来店されまして、この2週間ほど非常に調子が悪いと訴えられました。いろいろお話しを聞きますと、2週間前にある漢方系の食物(薬剤)を食べたとのことです。それでからだを観察しますと右半身が詰まった状態になっていまして腫れぼったい感じでした。施術をしながら右足踵内側を触りますと硬いしこりが奥の方にできていました。「ここが詰まってしまいデトックスできない」と私は思いました。漢方系の薬剤の効用で体内の老廃物をデトックスしたいのに踵内側が詰まって出て行かないのか、あるいはその薬剤そのものが詰まってしまい体内循環を阻害する要因になってしまっているのかわかりませんが、踵内側が詰まった状態になっているために右半身の流れが悪くなって目の不調が悪化しているのだと思いました。そこでしつこく踵内側を施術(揉みほぐし)しましたがなかなか手強くて良い状態になりません。「何かの色で解決しないだろうか?」と思いながら揉みほぐしの施術をしていましたが、なんとなく「赤色が良いのでは?」という思いが頭の中に浮かびました。
 そこで赤色の紐を足首に巻いてみました。すると少しずつ右目の開きが良くなり、次第に顔の雰囲気が落ち着いてきました。赤色が踵内側の詰まりを解消してくれて循環が回復し、目の状態が良くなったのだと思いました。

 皆さんが普段身につけている宝石やブレスレットやペンダントなどの装飾品、肩こり緩和の目的で首に巻いているチタンや磁気のネックレスなどは、良いか悪いかは別にして、必ずからだに影響を及ぼしています。ですから、流行だからとか、欲望心からとかで安易に選ばない方が良いと思います。私から見ますと、間違っている人がたくさんいます。

 今回は低温難聴の話題から、エネルギーの話に拡がってしまいましたが、私たちの感覚器官は非常に精妙な存在ですから、常に快適な状態に保てるよう大切にいたわる心で接していただきたいと思っています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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