ここのところ何人か、めまいと吐き気や気持ち悪さを同時に抱えた方が来店されました。
 “めまい”の場合、私はまず内耳に問題があるのかもしれないということを頭に描いてお話しを聞いていきます。そしていろいろテストするのですが、内耳の三半規管の問題でめまいを起こしている場合は、多くの場合、音の聞こえ方も左右の耳で違っています。ところが今回の幾人かの場合は耳の聞こえ方には問題はありませんでした。
 寝返りをうつとめまいがしてしばらくの間気持ち悪くなってしまう。起き上がろうとすると気持ち悪くなり軽くめまいがしてしまう。布団に入ると気持ち悪くなり吐き気を感じる。安静にしていても気持ち悪い。こんな症状の方々でした。そしてこれらは耳の問題ではありませんでした。

 これらの方々に共通していたのは首が捻れていたことです。片山洋次郎さんがお書きになった本の中に「頚椎4番が捻れているとめまいを起こしやすくなる」という内容があります。もうだいぶ前に読んだのですが、施術をしながら、ふとそのことを思い出しました。そして頚椎4番やその前後の頚椎が正しい位置に戻るよう施術を行いますと、確かに症状が改善されました。
 片山洋次郎さんとは面識がありませんし、知り合いからの紹介で8~9年ほど前に本を何冊か読んだだけですが、とても専門的で、当時の私には解りにくいことも多かったのですが、今また読み返すとうなずけることもたくさんあります。

 「頚椎4番の捻れはめまいを引き起こす可能性がある」と言ったところで、医学的には「なんのこっちゃ?」と一向に認められないと思いますが、現実として、実際にめまいや気持ち悪さが改善されたわけですから、私の見方も一枠拡がった感じがしています。
 
 症状に対して私が着目するポイントは以下の通りです。
 ・めまい‥‥耳の働きや位置の問題、リンパや血流の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・気持ち悪さ‥‥血流や血圧の問題、呼吸の問題、胸郭の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・吐き気‥‥耳の問題、呼吸の問題、胸郭の問題、首の捻れ(頚椎4とその前後)
 ・不安感‥‥呼吸の問題、胸郭の問題、頭部の血流の問題、頚椎
 
頸部側面

 ところで、頚椎4番は図に見るように“のど仏(喉頭隆起)”の少し上にあります。ですから、頚椎4番を中心にその前後が捻れていますと、舌骨や声帯(喉)も捻れますので、舌の働きや発声に問題が生じます。舌を噛みやすくなったり、声がかすれたり、あるいは大きな声が出せなくなってしまうかもしれません。“頚椎4番の捻れ”と言っても普通の人にはわかりづらいことですが、鏡を見たときのど仏の位置が真ん中ではなく、どちらかにずれているようであれば、それは頚椎4番が捻れていると考えられます。耳鼻科や内科で治療を受けても、あるいは薬を飲んでもなかなか治らないめまいや吐き気に悩まれている方が、のど仏の位置が真ん中でない場合は、専門家に頼んで頚椎を正しい位置に戻してもらってみてください。症状が速やかに改善するかもしれません。但し、直接頚椎を動かして矯正しようとするカイロプラクティックや整体院を訪れる場合は十分に注意してください。ボキボキっとやりたがる専門家は避けた方が良いと思います。万が一頚椎が損傷しますと、それは大きな災いを招く可能性があります。
 ちなみに私は、決して直接骨をボキボキっと動かすことはしません。これまでの例では、片噛みや噛みしめの癖で頚椎1番がずれ、その反動として頚椎4番が反対方向にずれていたり、肩甲骨や肋骨がずれていることで頚椎が捻れていたりと、根本的な原因は他にある場合がほとんどです。人差し指を使いすぎていることが原因の場合などもあります。(マウスをクリックしすぎたなど)

追記:私の業界も忙しくなりつつあるシーズンを迎え、なかなかブログを記す時間が取れなくなってきましたが、今後も投稿は続けていく思いでいます。