昨晩、娘の会話で「土踏まずのところが盛り上がったインソールを使うと足が疲れにくい」という話を耳にしました。歩くと少し痛いけど足の疲れは減るということでした。私としてはちょっと気になる話だったので、すかさず娘に立ってもらい足を確認しました。扁平足ではないのですが、それに近い状態でした。体重がかからない状態では足の縦のアーチはあるのですが、立つとそのアーチがぐっと減ってしまいます。
 
 足には重力(体重)を分散して疲労を防ぐために横と縦と外側の3つのアーチがあります。横のアーチがない人は足の5本指が広がっていて「だんびろ」とか「ばんびろ」とか言われているかもしれません。外反母趾・内反小趾のひとは横アーチがない場合が多いですね。外側のアーチについてはまた後日取り上げようと思いますが、今回娘の足を観察して気になったのは内側の縦アーチです。土踏まずはそのアーチによってもたらされているわけですが、そこが盛り上がったインソールが販売されているということは扁平足気味の人がたくさんいるということなのでしょうか。

足骨格内側面
扁平足

 さて、足の内側には第一中足骨、内側楔状骨、舟状骨という骨があります。この3つの骨が上の方に引っ張り上げられているのでアーチができています。ですから扁平足気味の人は、この3つの骨が下がってしまっているということです。
 第一中足骨と内側楔状骨と舟状骨に関係する筋肉は、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)と後脛骨筋(こうけいこつきん)です。後脛骨筋は舟状骨を引っ張り上げるというよりも、舟状骨、楔状骨など足裏の骨をしっかりさせる意味合いの方が大きいかもしれません。
 内側の縦アーチをつくるために第一中足骨と内側楔状骨を引っ張り上げているのは前脛骨筋です。この筋肉は、歩くとき前足になった親指を浮かせる働きもしていますので、ちょっとした段差でも足がつまずきやすい時などは、前脛骨筋の働きが悪くなっていることが考えられます。つまずきやすくなり、(アーチがないため)立っているのが疲れやすいので、「足がだいぶ弱くなってきた。歳かなぁ?」などと感じている人がいますが、歳には関係なく単に前脛骨筋の働きが悪いだけかもしれません。

 娘を立たせたまま、両腕の筋肉を少し操作しました。するとグニャッとなっていたアーチがしっかりして「立ちやすい!」となりました。娘の腕を触ったところパンパンに張っていましたので、前脛骨筋の働きが悪くなっているのは手の方に問題があると思ったからです。
 筋肉には連動性という仕組みがあります。前脛骨筋は体の前面少し外側の筋肉と連動性があります。(専門的になりますが、前脛骨筋―外側広筋―外腹斜筋―三角筋―上腕二頭筋―橈側手根屈筋―短母指屈筋と連動します。)
 前脛骨筋をたくさん使うような運動をしたわけでもないのに働きが悪くなっているのは、連動する筋肉のどこかに働きが悪いところがあるからです。多くは、普段たくさん使っている“手”に原因があります。ですから実際に整体で整えるとしたら、手を施術することになります。昨晩は家で仕事などしたくなかったので、手に問題があると思ったものの、それは別の時に整えることにして、とりあえず橈側手根屈筋をちょっと操作してみただけです。

足三里

 一般の人にこんな筋肉連動の話をしても難しいので、毎晩ケアしていただければそれなりに効果がでると思われることを一つ提案させていただきます。
 「足三里(あしさんり)」という非常に有名な、効果の期待できるツボがちょうど前脛骨筋にあります。そこの深い部分を親指の先で強く押し続けてください。場所は、強く押すと「ズーン」とか「ジーン」とか感じるところです。片方ずつ2分くらい押し続けますと、なんとなく血の巡りが良くなり体の雰囲気が変わってくる感じがすると思います。それをやっていただくと前脛骨筋の働きが良くりますので、足のアーチがしっかりすると思います。

 土踏まずの盛り上がったインソールがどんなものかわかりませんが、素材が硬ければやはり体には負担になると思います。体重を分散させて足に負担がないようにするのがアーチの役割ですから、そのアーチ部分が沈まないのであれば、地面からの衝撃は直接的に足裏にきます。インソールを使うのであれば、素材を良く吟味していただきたいと思います。