時々、「この人、骨盤の位置がもっと上にあるはずなのに?」と思えることがあります。骨盤が後に傾くとお尻が下がってしまうのですが、そういう人はかなり多くいます。これは下半身を整えていくうちに自然と改善できますが、骨盤そのものが下がってしまっている場合はなかなか厄介です。
 このような人は、”かつてはもっとジーンズ姿が決まっていたのに”とか、”もっとウエストにくびれがあったのに”とか“だんだん脚が短くなってしまっているようだ”とか感じているかもしれません。
 さて、骨盤が下がるということを筋肉の働きという観点で考えてみます。
 お腹側では、肋骨(胸郭)と骨盤を結ぶ主な筋肉には腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋があります。これらの筋肉を整えることはそう難しくありません。これらの筋肉の働きが悪い場合は骨盤の前側が下がります。そしてこのような人もけっこういます。
 一方、背中側では脊柱起立筋群が首から骨盤までつながっていますが、これらの筋肉の働きが悪い場合は骨盤の後ろ側が下がります。このような人も多くいますが、この脊柱起立筋群を整えることもさほど難しいことではありません。
 骨盤全体が下がっている人の場合、上記に加え別の筋肉の働きも悪いということがわかってきました。一つは大腰筋であり、もう一つは腰方形筋です。
 大腰筋(ホームページでも紹介しています)は背骨の前面と股関節(大腿骨小転子)を結んでいますが、その働きは“もも上げ”をしたり、腰椎をしっかりさせ立位での姿勢を正しく保つことなどです。もも上げ運動や自転車こぎなどですぐに疲れてしまう人は大腰筋の働きが悪いのかもしれません。
 腰方形筋は肋骨の下部と骨盤(腸骨)を結んでいます。その働きは上体を横に曲げる(側屈)ことです。上体が動かない場合は、骨盤を引き上げますので、いわゆるモンローウォークなどのように歩行時に骨盤が左右に揺れる動きを生み出す筋肉と考えてもよいと思います。腰方形筋の働きが悪いと、歩き姿に若さが見受けられなくなってしまうと言っていいかもしれません。

大腰筋02
腰方形筋

 さて、骨盤全体が下がっている問題を解決するためには、大腰筋と腰方形筋の働きを良くする必要があると私は考えています。これらの筋肉はいわゆるインナーマッスルでありケガとか大きな衝撃とかがないかぎりそう直接的に傷めるところではないと考えられます。ですから多くの場合、別の筋肉が傷むか疲弊し、その影響(連動性)で働きが悪くなっていると思われます。実際の施術では、その筋肉を探し出し、それを修正するようにします。
 加齢にともなって歩き方に若さが失われているのであれば、日常生活での癖が原因であると考えられますし、捻挫や骨折や手術やスポーツなどで過去に体を酷使したことがあるならば、それらの中に原因がある可能性が考えられます。先日来店された方は、数年前に受けた顔への強い整体手技によって全身に不調が現れ、その中のひとつが”骨盤の位置が下がって短足になった”というものでした。またフラダンスは腰方形筋をたくさん使う踊りですが、踊り続けることによって筋肉が疲弊してしまうということも考えられます。

 “体型の変化”という視点では、骨盤周りの変化は大きなウエイトを占めます。
 “骨盤が拡がると太るといわれているので骨盤を締めてほしい”という要望が多いのですが、それだけでなく、骨盤の位置そのものの変化も注目していただければと思います。