ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 お臍(へそ)は胎児と母親の間で栄養や老廃物の交流を行った証としてすべのて哺乳動物にあります。出産後、臍の緒は切断され、体に残った部分もやがて壊死して脱落しますが、その痕として残ったものが”臍”です。
 臍は腹直筋の真ん中に穴が空いたものですが、内部(内臓)とは切り離されて独立しているように見えますので、医学的には注目される器官ではないようです。ところが、よく見ますと膀胱の筋膜とつながっていますので骨盤内臓には何らかの影響力を持っているようにも思えます。しかし臍についての確たる情報はとても少ないが現状です。ですからここでは、これまでの例を取り上げて臍の役割について私の意見を述べたいと思います。

・臍曲がり
 辞書によりますと「ひねくれていて素直でないこと」となっていて、人の性格についての言葉ですが、実際、体を見ると臍が曲がっている、つまり臍が正中(真ん中)にない人がたくさんいます。これは体が捻れているということです。
 私は施術において時々臍を触ります。洋服を着た上に、更に厚手のタオルを掛けた上から触りますので、だいたいの見当をつけて指先で臍の場所を手探りします。ところが時々、なかなか探り当たることができないことがあります。臍がかなり正中からずれているからです。皆さんの臍は真ん中にありますでしょうか。ずれているなら、それは体が捻れているということです。

・臍も変調をおこす‥‥生理機能に影響が出る
 2歳児をもつお母さんから「子供が全然食べなくて‥‥。検診で体重が増えないので、先生から虐待しているのかと疑われないかと‥‥」と相談されたことがあります。こんな小さな子は、体のどこがどうとか言う段階ではなく、やはり臍に問題があるのかもしれないとまず考えた方が良いと思います。そこで子供さんを連れてきてもらいました。さっそく臍を見ましたが、臍が穴になっていませんでした。出臍ではなく、臍のところに「―」(横線)があるだけでした。これは臍(の皮膚)がゆるんでいるということです。この”ゆるみ”によって内臓の働きが不十分になってしまい、食欲が出ないのかもしれない、と私は考えました。
 それから10分くらい、指先をそっと優しく臍に当てました。心の中で「締まってくれ」という思いを込めて。すると「―」が開いて穴らしき様子に変わりました。その後、お母さんにやり方を教えて「一日に何回か、しばらく続けてみてください」とお話ししました。一週間後くらいにお母さんがやってきて「あれからすぐにご飯を食べるようになって、体重も少しずつ増えてきてホッとしてます。」ということでした。

・臍を触ると”ゾッとして気持ちが悪い”という人
 その人は現在43歳ですが「胎児の時の記憶がある」と仰るので、普通とはちょっと違うのかもしれません。体のあちらこちらに不調を抱えていて、それを整えるために腹筋の調整が必要でした。「臍を触りたい」と言ったところ
「自分でもゾッとして触れない。」との返事でした。”ああ、相当変調がつよいのかなぁ”と私は思いました。それならなおさら臍を整えなければなりません。何回か通っていただき信頼も得ていた方なので、「うまく触りますから」と言って施術をしていきました。最初はかなり緊張していたようですが、何回かやっていくうちに変調が弱まってきたのか、今では平気で触ることができるようになりました。
 腰痛の原因の一つとして腹筋の働きが悪いというのがあります。本来、腹筋と背筋のバランスで正しい立位や坐位が保てるのですが、腹筋の働きが悪いと背筋だけでその仕事をしなければならなくなります。それが背筋がカチカチになった腰痛を招きます。
 この方の仰った「胎児の時の記憶」は悪い方の記憶です。ですから直感的に、”お腹は臍を直さないと直らないな”と思ったのです。臍の変調が直ることによって悪い記憶も消化してくれるといいのですが。

・臍を毎日洗うことについて‥‥皆さんはどうしてますか?
 30歳の女性ですが、頭痛と目の不調と気持ちが悪いという症状でした。定期的に来ていただいている方なので、体の癖などは把握しています。それで今回の症状は全身の血液循環に問題があるのではないかと思いました。
 臍を中心にしたお腹の部分は全身の血液循環に影響があるようです。その部分に手を当てると筋力がアップします。例えば高齢になって歩くことが心もとなくなった方に「お臍の辺りに手を当てて歩いてみてください。」と言ってやってもらいますと、足がスムーズに動くようになります。階段を昇るのも片手で手すり、もう片方の手でお腹に手を当ててもらいますと、力が出て昇り方が軽やかになります。
 それで、この方の腹筋を触っていきますと臍がゆるんでいました。しばらく臍に施術をしていますと、気持ち悪さも軽減し、目の見え方も少し良くなってきました。「どうして臍がゆるんでいるのかな?」と尋ねますと、「え! 毎日洗ってますけど」という返事でした。お風呂に入ると必ず臍の中まで洗うということでした。自分を振り返ると臍を洗うことなどめったにしませんので、「え! 本当!」と思わず返してしまいました。まったく洗わないのは良くないと自分も反省しましたが、毎日洗うのもどうかと思いました。臍の中はとても敏感だと思えたからです。
 今日インターネットで臍の掃除についていろいろ見てみましたが、医学的に確定的な情報は得られませんでした。
 不潔にするのは確かに良くない、しかし毎日洗うというもの敏感な皮膚の働きに影響を与えるのではないかと思えるのです。現に、この方の臍もゆるんでいましたし。
 さて、この件につきましては今後も情報を集めてみたいと思いますが、いずれにせよ臍がゆるんでいる状況は血液循環を弱めてしまうということだけは確かです。試しにお臍に手を当ててみてください。そうすることで手に力が入るようになったとか、冷たい足が少し温まったとか、頭がスッキリしてきたとか、そういう変化があるならば、それは臍がゆるんでいるということです。毎日寝るときに3分くらい手を当てることをしていくとだんだん臍がしっかりしてくると思います。ただし、手は優しく当ててください。穴に指を入れていっても良いですが、優しくやってください。

 背中の張りは首・肩のこりとはひと味違って、とてもうっとうしいものです。家具の角などに背中をグイグイ押しつけて張りを取ろうとしたことのある人も多いと思います。
 背中の張りは、この肩甲骨の内側部分、その少し下、腰のすぐ上、という場所に現れますが、その場所によって考えられる原因が異なります。肩甲骨の内側より少し下の場合は胃の不調も考えられます。腰のすぐ上のところであれば腎臓の位置でもありますので、それらのことも視野に入れて考える必要があります。また猫背が強い人は構造的にいつも背中が張った状態になります。
 今回は特別猫背というわけでもないのに肩甲骨の内側が張って不快感や痛みを感じる場合について説明します。
 ”こり”と”張り”の区別は一般の人にはわかりづらい点でもあります。施術者としての立場で簡単に説明しますと、”こり”は揉みほぐすことによって改善できるものです。筋肉の中に老廃物や水分が溜まってしまい筋肉がコチコチに硬くなっているものと考えてよいと思います。”張り”は筋肉がこわばっている、つまり縮もうとしている状態です。筋肉自体がこわばっている場合と、骨と骨の距離が本来より離れてしまったために筋肉が緊張してこわばってしまう場合があります。

背中(菱形筋)のハリ

 肩甲骨の内側には菱形筋があります。菱形筋は背骨と肩甲骨の内縁をつないでいて肩甲骨を動かす働をします。背中の張りを訴える人で最も多いのはこの菱形筋のこわばりです。そしてその中でも一番多い原因は肩甲骨が外側にずれてしまったことによるものです。肩甲骨が外側にずれると、菱形筋はその肩甲骨を元の位置に引き戻そうと働きます。つまり縮もうとしますが、それによるこわばりが”張り”です。
 数々の人を見てきた中で、肩甲骨が外側にずれてしまう原因のほとんどは前鋸筋のこわばりによるものです。

前鋸筋

 前鋸筋は肩甲骨と肋骨をつないでいる強力な筋肉です。肩や腕を前方に突き出す働きをします。ボクサーがパンチを繰り出す。何か重たいものを手で押して動かす。そんな時に主体となって働く筋肉です。ところが、そんな運動はまったくしていないのに前鋸筋がこわばっている人がたくさんいます。「どうしてかなぁ?」と、いろいろ考えてみました。するとパソコン作業でキーボードを打つ、スーパーの商品揃えをするのに腕を伸ばす、重たいものを抱えて運ぶなど、腕を前に出して何かの動作を繰り返すことによってこわばることがわかりました。さらに、うずくまって寝る姿勢でも前鋸筋が働き肩甲骨の間が広がってしまうことがわかりました。横向きで寝ている人は要注意です。

 肩が前に出ていて鎖骨付近が狭くなっていると感じている人のほとんどは前鋸筋がこわばっています。胸が狭くなっているので呼吸が浅くなります。また、前鋸筋のこわばりは肋骨の動きを制限するので更に呼吸は悪くなります。そして背中がいつも張っているので不快感を感じています。
 背中の張りを解決するとともにこれらの問題を解決するためには前鋸筋のこわばりを解消することが必要です。よいストレッチ方法があれば良いのですが、ぱっとしたのが見つかりません。ストレッチの本などをいくつか見ましたが、納得できるものはありませんでした。それだ私なりに考えてみました。それが次の写真です。

前鋸筋のストレッチ

 但し実際のところ、強くこわばってしまった前鋸筋をゆるめる効果はすぐにはでませんので継続していただくことが必要です。それくらい前鋸筋は強力な筋肉です。またやり方を間違えると首や肩にばかり力が入ってしまい、前鋸筋を伸ばすのではなく肩甲骨を後に引き上げる動きになってしまいます。肩と腕はリラックスして脇腹だけを伸ばすようにやっていただきたいと思います。
 施術では直接前鋸筋を指圧してゆるめます。けっこう痛みをかんじますが、即効性はあります。来店された方には自分で指圧して前鋸筋をゆるめる方法を教えています。

 その他に背中(肩甲骨の内側)が張ってしまう、つまり菱形筋がこわばってしまうものに、肩甲骨が上下にずれるというのがあります。肩甲骨を上に引き上げる働きをするのは肩甲挙筋で、目の疲労に関係します。(最初の図を参照してください)僧帽筋の下部線維がこわばりますと肩甲骨を引き下げます。そしてそれは多くの場合、骨盤のずれに由来します。これらは実際のところ、専門的な施術が必要です。

 例えば中腰になって何かの作業をするとき、皆さんは左右の足腰に同じように重心が掛かっているでしょうか。
 大工さんで、月に一回以上来店される方がいます。この方はしばしば左の太ももやスネ、右の腕が痛くなってしまいます。「昨日、一日中カンナを使っていたので右腕が痛くなった」ということで本日来店されましたが、相変わらず左脚は張っていて少し痛いようでした。私としてはこの方の膝に力がないことがずっと気になっていたのですが、いつも別のところに痛みを発症するので、なかなか膝に集中して施術を行うことができませんでした。今日は腕の方をさっさと済ませ、膝をじっくりする時間がありましたので、その様子から皆さんにとって役に立つのではないかと思うことを取り上げて説明します。

 私が学生だった頃は、“根性”という言葉が普通に通用していました。私は高校時代、野球部に所属していましたが、時にはかなりきつい練習もしました。そして“しごき”もそれほど悪いイメージの言葉ではありませんでした。“しごき”は体を鍛えるために必要な場合もあるのかもしれない、などと思ってもいました。つまり、“しごき”と“鍛え”に大きな差があるとは認識していませんでした。
 ところが今の仕事に従事するようになり、いろいろ勉強していくうちに、“しごき”と“鍛え”はまったく異なるものだと知るようになりました。
 筋力をアップさせるためにはトレーニングが必要ですが、それは決して“しごき”であってはなりません。故障につながるだけで筋力がアップすることはありません。
 “鍛え”と“しごき”の違を簡単に言いますと次のようになります。その目的とする筋肉がトレーニングによって“負荷(重み)”を感じ「鍛えているなぁ」と自覚がある場合は“鍛え”のトレーニングで意味のあるものです。ところが、目的とする筋は空虚な感じがしていて他の筋肉に負担がかかり、トレーニングを続けることで痛みや辛さばかりを感じるようなら、それは“しごき”です。

筋肉を鍛えるトレーニング
 目的の筋肉が負荷の重みを感じ、それに対抗して頑張っていることが自覚できる。軽い筋肉疲労を感じるが、それは心地良いもの。
 
しごきのトレーニング
 目的の筋肉には負荷が感じられず、その他の筋肉が頑張っているように感じる。続けていると関節や別の筋肉が痛みだすようになる。

中間広筋のトレーニング

 本日来店された大工さんは、左側の膝関節の力に深い関係をもつ中間広筋(大腿四頭筋の中の一つ)の働きが良くありませんでした。この方に写真のように立位で膝を90°くらい曲げてもらう姿勢をとってもらいました。すると膝頭のちょっと上の部分に力と重みが集まるはずです。この時「膝上の筋肉が重みを感じ鍛えているという感じがしますか?」と聞きました。すると「右側は重さを感じて筋肉が働いている感じがするが、左側は筋肉を使っている気がしない。空虚な感じがする」ということでした。両足で行っているのですが、左側の筋肉が耐えられないので自然と右側ばかりに重心が移動していたのかもしれません。
 この姿勢を10~30秒くらい持続する運動が中間広筋を鍛えるトレーニングなのですが、この方のこの時の状態では左側の筋肉を鍛えることにはなっていません。しばらく続けると左側はスネの方に痛みをかんじるようになりました。これは“しごき”になってしまいます。
 その後、体をいろいろ調整して左右均等に重みと筋肉の頑張りを感じられるようにして施術を終えました。そうなればこの同じトレーニングは筋肉を鍛えるものに変わります。そして「毎日このトレーニングをやってください。ただし、左側に重みを感じられないようであれば、やらないでください」と申し上げました。

 整形外科などでは、膝が痛ければ太ももの前面にある大腿四頭筋鍛えるトレーニング、四十肩や五十肩であれば、重りをぶら下げて肩を回すトレーニングなどを指導するようです。お客さんに「どの点に注意してするように言われましたか?」と尋ねると、注意点については皆さん忘れてしまったのか仰らず、「○○回しなさい」という回数のことしか覚えていません。それはとても危険なことだと思います。
 “鍛え”は筋力アップをもたらす。“しごき”は体を壊す。このことを是非覚えていただきたいと思います。

 ちなみに肩の関節が少しおかしくなると、痛みを感じながらもついつい回してしまう人が多いのですが、それはまさしく“しごき”です。“やって欲しくないので筋肉は痛みを出して訴えている”と考えてください。

 昨晩、娘の会話で「土踏まずのところが盛り上がったインソールを使うと足が疲れにくい」という話を耳にしました。歩くと少し痛いけど足の疲れは減るということでした。私としてはちょっと気になる話だったので、すかさず娘に立ってもらい足を確認しました。扁平足ではないのですが、それに近い状態でした。体重がかからない状態では足の縦のアーチはあるのですが、立つとそのアーチがぐっと減ってしまいます。
 
 足には重力(体重)を分散して疲労を防ぐために横と縦と外側の3つのアーチがあります。横のアーチがない人は足の5本指が広がっていて「だんびろ」とか「ばんびろ」とか言われているかもしれません。外反母趾・内反小趾のひとは横アーチがない場合が多いですね。外側のアーチについてはまた後日取り上げようと思いますが、今回娘の足を観察して気になったのは内側の縦アーチです。土踏まずはそのアーチによってもたらされているわけですが、そこが盛り上がったインソールが販売されているということは扁平足気味の人がたくさんいるということなのでしょうか。

足骨格内側面
扁平足

 さて、足の内側には第一中足骨、内側楔状骨、舟状骨という骨があります。この3つの骨が上の方に引っ張り上げられているのでアーチができています。ですから扁平足気味の人は、この3つの骨が下がってしまっているということです。
 第一中足骨と内側楔状骨と舟状骨に関係する筋肉は、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)と後脛骨筋(こうけいこつきん)です。後脛骨筋は舟状骨を引っ張り上げるというよりも、舟状骨、楔状骨など足裏の骨をしっかりさせる意味合いの方が大きいかもしれません。
 内側の縦アーチをつくるために第一中足骨と内側楔状骨を引っ張り上げているのは前脛骨筋です。この筋肉は、歩くとき前足になった親指を浮かせる働きもしていますので、ちょっとした段差でも足がつまずきやすい時などは、前脛骨筋の働きが悪くなっていることが考えられます。つまずきやすくなり、(アーチがないため)立っているのが疲れやすいので、「足がだいぶ弱くなってきた。歳かなぁ?」などと感じている人がいますが、歳には関係なく単に前脛骨筋の働きが悪いだけかもしれません。

 娘を立たせたまま、両腕の筋肉を少し操作しました。するとグニャッとなっていたアーチがしっかりして「立ちやすい!」となりました。娘の腕を触ったところパンパンに張っていましたので、前脛骨筋の働きが悪くなっているのは手の方に問題があると思ったからです。
 筋肉には連動性という仕組みがあります。前脛骨筋は体の前面少し外側の筋肉と連動性があります。(専門的になりますが、前脛骨筋―外側広筋―外腹斜筋―三角筋―上腕二頭筋―橈側手根屈筋―短母指屈筋と連動します。)
 前脛骨筋をたくさん使うような運動をしたわけでもないのに働きが悪くなっているのは、連動する筋肉のどこかに働きが悪いところがあるからです。多くは、普段たくさん使っている“手”に原因があります。ですから実際に整体で整えるとしたら、手を施術することになります。昨晩は家で仕事などしたくなかったので、手に問題があると思ったものの、それは別の時に整えることにして、とりあえず橈側手根屈筋をちょっと操作してみただけです。

足三里

 一般の人にこんな筋肉連動の話をしても難しいので、毎晩ケアしていただければそれなりに効果がでると思われることを一つ提案させていただきます。
 「足三里(あしさんり)」という非常に有名な、効果の期待できるツボがちょうど前脛骨筋にあります。そこの深い部分を親指の先で強く押し続けてください。場所は、強く押すと「ズーン」とか「ジーン」とか感じるところです。片方ずつ2分くらい押し続けますと、なんとなく血の巡りが良くなり体の雰囲気が変わってくる感じがすると思います。それをやっていただくと前脛骨筋の働きが良くりますので、足のアーチがしっかりすると思います。

 土踏まずの盛り上がったインソールがどんなものかわかりませんが、素材が硬ければやはり体には負担になると思います。体重を分散させて足に負担がないようにするのがアーチの役割ですから、そのアーチ部分が沈まないのであれば、地面からの衝撃は直接的に足裏にきます。インソールを使うのであれば、素材を良く吟味していただきたいと思います。

 多くの“めまい”は、内耳(三半規管)がある側頭骨(耳のある骨)のズレや鎖骨下静脈(鎖骨と第1肋骨の間)の流れを改善することによって速やかに改善していきます。施術としては1回か2回ですむのがほとんどです。ところが今回の方のめまいはなかなか強敵でした。
 その方は70歳近くの女性です。10月11日に来店され、「斜め右上を向くとグワングワン目が回ってしまう」というのが症状でした。過去のめまいの状況について話を伺うと「40代の時と50代の時に一回ずつめまいの症状があって病院で治療を受けたがなかなか回復せず、40代の時は1年くらい、50代の時は1年半くらい症状が治まらなかった。」「病院に行っても治療らしきことはせず薬を出されるだけなので、今回は病院には行っていない。」ということでした。
 ベッドに横になったもらい、めまいのテストをしました。めまいのテストは、首を横と縦に何回か振ってもらい、それぞれ筋肉の働きが落ちるかどうか、つまり身体から力が抜けてしまうかどうかを確認する単純なものですが、これがけっこう的確に当たります。めまいの兆候を持っている人は、頭を動かした後、軽ければ1秒くらい、状態が重ければ5秒とか、しばらくの間力が入らない状態になってしまします。横に回したとき力が抜ける場合は内耳に問題があり、上下に振ったとき力が抜ける場合は血流に問題があるのではないかと私は考えていますが、それが正しいかどうかはわかりません。目安としているだけです。そしてこの方は横も縦も両方力が抜けてしまう状態でした。
 その後、頭蓋骨を整える施術と鎖骨下静脈の流れを整える施術を約1時間ほど行いました。そしてテストしたところ施術前よりはだいぶ良くなりましたが、それでも少しだけ力が抜ける状態でしたので、もう一度来ていただくことにしました。なお、当初の訴えである右上を向いたときにめまいがするというのはおさまりました。ただ、帰りがけ玄関で靴を履いて立ち上がったときにクラッとしたようなので、今回のは普通のめまいとは少し違うのかな? と思いました。

 結局、その後何回か来ていただいたのですが、「午前中は大丈夫だけど夕方になると症状が現れる」「今日は大丈夫かな、と思っていたけど布団を上げ下ろししたときにめまいがした」「一昨日は治ったかと思ったけど、昨日は朝からめまいがひどかった」「めまいというかクラッとすることはあったけど時間は5秒くらいで短くなった」など症状が一進一退を繰り返す状態が2週間ほど続きました。
 そして私もいろいろ考え、最初の簡単なテストのやり方だけでなく、書類を見てもらい、その文字がしっかり見えて頭に入るかどうか、それをやや下を向いた状態、やや上を向いた状態、右を向いた状態、左を向いた状態で確認してもらったりしました。立った状態、座った状態でどう変化するかなどもテストしました。
 そうしますと、座った状態で右目だけ角度によって文字がにじむことがわかりました。座った状態で見え方が変わるということは、鼡径部(股関節)に問題があることが予測できまして、もも上げをしてもらうと案の定右側の上げ方がちょっと不自然でした。その後、過去のいろいろな病歴や不具合歴などを尋ねていきますと、かなり前に美容師の仕事をしていてドライヤーをかけると左肘が痛くなり腱鞘炎になったことがあるということでした。
 左腕は全体に筋肉が張った状態でしたが、確かに肘はゆるんでいました。そしてそのゆるんだ左肘を修正してしっかりさせると右目の状態が良くなりました。さらに鼡径部で血流が悪くなっているので、そこも調整しました。そして3日後に再び来ていただくことにしました。
 
 再び来店されたとき3日間の状態をお尋ねしましたが「一度だけ、夕食の後しばらくテレビを観ていて立ち上がるときに少しクラッとしたが、あとは大丈夫だった」ということでした。この方はめまい以外にも左膝に力が入らなくて階段の上り下りで膝頭が痛むという症状を持っていたようで、鼡径部と左肘とこの左膝の状態を整えるように施術して、今度は5日後に来ていただくことにしました。
 5日後、「もう、めまいの方はすっかり大丈夫です。あとは膝だけです。」と仰いました。結局めまいを改善するのに3週間以上かかってしまいましたが、私にもよい経験になりました。これまでめまいに対しては、耳を整え、鎖骨下静脈を整えれば良いと思っていたのですが、目の見え方も考慮に入れなければならないし、鼡径部も関係するのだということがわかりました。

 二日酔いで布団に入ると天井がグルグル回ってしまうものも含めて、めまいは内耳にある三半規管の機能がおかしくなっている場合と、椅子から立ち上がったりするとき脳への血流が間に合わず一時的な脳貧血をおこしてクラッとしたりしてしまう場合とがあります。
 きっとこの方は左肘がおかしくなってからずっと右目への血流が悪く一時的な軽い脳貧血状態だったのだと思います。それだけでは自覚症状として不調をかんじる程ではなかったのですが、それに他の要因が重なったとき、はっきりとした症状として、めまいが現れたのかもしれません。それが40代の時と50代の時に一回ずつ、そして今回だったのではないでしょうか。
 今回、左肘を改善することによって、また鼡径部を整えることによって、不調のベースとなっていた血流の問題は改善されたと思います。ですから、もうこのように手強いめまに悩まされることはないかもしれません。そして、そうあって欲しいと願っています。

 めまいに限らず、同じような不調や不具合を時々繰り返してしまう人は、根本的な問題としてこの方と同じように血液循環不良が隠れているかもしれません。そんなことを今回は実感しました。

↑このページのトップヘ