ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

僧帽筋の「ゆ」による首の傾き
 この何日かで、首の傾きを修正してほしいという人が二人ほど来ました。
 一人は“お父さん”で、いつも赤ちゃんを寝かしつけるのに左肩に赤ちゃんの顔をのせるように抱っこしているという人です。もう一人は、高校生の時(10年以上まで)ずっとカバンを左肩にかけて通学していたという人です。
ともに僧帽筋の上部線維がゆるんで伸びてしまったという状態でした。
 この修正方法は単純ですが、僧帽筋線維の中で弛んでしまっている部分の働きを回復させることです。それはその部分に指先をあてて細胞の働きが良くなるようにするだけのことです。
 しかし、ちゃんとその部分にピンポイントであたらないと何の効果もありません。また、弛み具合(ダメージの強さ)によって一度の施術だけでは回復しきれないため、日々ご自分でケアしないといけない場合もあります。
 今回はお二人の内、高校生の時にカバンを掛け続けていた方の人は、日々のケアが必要な方でした。ケアの方法はお教えします。

からだが歪むから内臓がおかしくなるのか、内臓がおかしくなるからからだが歪むのか。

 故橋本敬三氏が開発された“操体法”は一時期とても注目を集めNHKのテレビ番組でシリーズとして取り上げられた程でした。整体業界の関係者の中では今でも有名ですが、私も橋本氏を尊敬している一人です。(と言って私が操体法による施術を行っているわけではありません。)
 
 橋本氏の著書の中に以下のような文面があります。

 「このように考えますと、『内臓がわるいのでからだの調子がわるい』というのが間違いだということがわかると思います。実際は内臓がわるくてからだの調子がわるいのではなく、からだの調子をわるくするような状態にしておいたから内臓がわるくなっているのです。
 最初にからだの基礎構造が歪み、腰が痛いとか、からだの調子がなんとなく変だとかいうように自覚されてくるのです。
 それをかまわないでおくと、働きがわるくなってきます。このときには、ある部分、このばあいに胃としますと、そこに集中してあらわれてくるのです。尿の出がわるくなったとか、下痢するとかいうように、働きがわるくなった結果が出てきます。
 さらにこの状態が進行すると、胃にキズがついて、胃潰瘍という現代医学で診断できる病気にもなるわけです。胃が痛む、嘔吐、吐血、下血などの自覚症状もあらわれます。
 ところが、これになかなか気づかず、胃にキズがついたことが原因で、からだがだるかったり、尿の出がわるくなったり、下痢になったりしているように考えがちです。しかし、事実はまったく逆であり、からだがだるいというように歪みがあるから、それが蓄積・進行してついには胃にキズがついたのです。
 だから、胃についたキズがふさがるにしても、からだの歪みがよくなることからはじまります。その過程は、まず最初にからだのだるさや気分のわるさがとれて快適になってきます。それによって胃の働きがよくなってきますから、キズもふさがってくるわけです。こういう順序で胃潰瘍が治るのです。」

 以上が正しいかどうかは私には結論づけることはできません。ただ言えることは、現代医学のアプローチとは全く違うということです。
 以下、また橋本氏の言葉が続きます。
 「胃にキズがついていれば、まずそのキズをふさごうということから発想する。だから、からだの調子がおかしいといって病人が医者にかかると、まず病気の個所がないかをさがしはじめます。次々と検査して働きのわるい部分を見つけて、ここがわるいからからだの調子もわるいという診断を下して、わるい部分を治そうとするのです。これが現代医学のやり方です。
 わるい部分があったから診断をくだせるけども、そこまで進んでいないがからだの調子がわるい、そういう患者にはこたえられないわけです。物事をさかさまに考えているため、健康から病気に傾斜することも、病気から健康に回復していく仕組みもはっきりしないのです。そして、『過労のせいだ』とか『ノイローゼ気味だ』『自律神経失調症だ』と、あいまいにして逃げざるをえないわけです。」

 橋本氏は元々西洋医学の医師として長い年月を費やし、そのアプローチの仕方に対する疑問を抑えきれなくなって自ら操体法を開発されましたので、上記の内容は信用できるものだと私は考えています。

 ところで、数日前、中年の女性が数年ぶりに来院されました。「更年期がやっと終わって‥‥」と第一声です。今回来院された目的を尋ねると、「プールでめまいがして、フラフラっとしゃがみ込んだときに階段にお尻を打ってしまい、それから腰の調子が悪いので何とかしてほしいと思って」という答でした。
 腰の方は、おそらく打撲で仙腸関節か仙骨あたりがゆるんでしまった影響だと思いましたので、それほど難しい問題ではなく気にならなかったのですが、「更年期」「めまい」という言葉が引っかかりました。
 腰痛への施術をしながら「めまいってどんな感じだったのですか? 他に何か症状はありますか?」と尋ねますと、「いつもノドにタンみたいなものがへばりついていて、咳をして切ろうとしても落ちて(離れて)くれなくて、常に咳をしているからそれで疲れてしまって。それが毎日毎日辛くって‥‥。」「病院でタンを切る薬とか出してもらっているけど全然効かなくて。」「更年期のせいかも、とお医者さんは言うんだけど、もう(更年期は)終わっているはずだし‥‥。」という答でした。
 この方は、のどの問題は整体とは無縁だと思っていたようで、整体のことはまったく頭にないままこの2年ほど病院通いを続けていたようです。(「2年間も辛い思いをしていたのか」と私の心)
 腰の方が一段落した後、のどの方に取りかかりました。
 顎の右側の下のところに大きな膨らみ(こわばり)があり、そこに引きつけられるようにのどが右側に寄っていました。この捻れで空気の通りも悪くなり炎症を起こしタンが絡みやすくなったのでしょう。さらにのどが捻れているため咳をしてもタンが切れずにのどにへばりついたままになっているのだろうと想像しました。
 ですから私のすることは二つで、一つは顎の右下にある膨らみを解消すること、もう一つはのどに捻れをもたらしている原因を探し出し、それを修正することです。(細かい施術内容は省きます。)
 これまで2回施術を行いましたが、だいぶ楽になったようです。昼でも夜中でも常に咳をしていたものが、夜気にしないで眠れるようになったと1回目が終わって2日後に来られたときに言っていました。明日また来院されますが、経過を聞くのが楽しみです。

 橋本氏の文面を引用した後に、この話をさせていただきましたのは、からだの歪みが“めまい”や”のどの不調”という内的症状をもたらしていて、歪みを改善することで内的症状が改善される実例の一つだからです。
 私たちの体を“容器とその中身”というとらえ方で考えますと、容器は専門用語で体壁つまり骨格や体表の筋肉など、中身は内臓とその働きにあてはめることができます。
 そして、中身がおかしくなると容器が歪むのか、あるいは容器が歪むと中身がおかしくなるのか、のどちらが正しいのでしょうか? 見解によってどちらも正しいという結論になってしまうかもしれません。
 私は整体師ですから、“容器が歪むと中身もおかしくなる”という立場で仕事をしています。
 ただ申し上げたいことが一つ。それは容器をいじってはいますが、それは容器のことだけではなく、その先にその中身の状態が変化することを常に頭に入れていることです。整体を行うと必ず内臓の働きに影響がもたらされますし、反対から見れば、内臓の働きに不調があったとしても、それは整体的にアプローチする方法が必ずあるということです。(○○に効くツボ、という単純な話でありません)
 来院される方は、私がこのように考えているということを少しでも知った上で来ていただければありがたいと思っています。

 お腹の冷えが胃の不調につながるというお話しです。
 本来は噛みしめによる顎関節の不調で当院を訪れた女性なのですが、慢性的な胃の不調を抱えていて病院で処方される胃薬を欠かすことができない状態です。
 この方は寒い季節だけでなく真夏の暑さが厳しいときでもお腹が冷えています。「アイスクリーム好きですか?」と尋ねると「毎日食べるのが生きがいの一つ」とのことです。毎日のアイスクリームはまずいです。アイスクリームは半ば氷を直接胃の中に入れているようなものです。お腹が冷えないわけがありません。私は「では、アイスを口の中で溶かしきってから飲み込んでください。」とはかない抵抗を示すのですが、どうするかは本人次第です。

 この方はだいたい月に一度くらいのペースで来店していました。胃の調子を整えるためではなく、噛みしめによる顎関節の不具合を調整するためです。(噛みしめてしまう原因は心理的ストレスによるものです。その原因は職場にあるので、回避できません。)
 ところが私が気になってしまうのは胃の方です。
 「ただお腹を温めて大切にするだけで良くなるのに‥‥」とつい心の中で思ってしまいます。
 元々の体質に加えアイスクリームという敵がいて、それを月に一度お腹を温めたからといって根本的な解決にはつながりませんが、それでも私の思いを伝えるために必ずホットパックでお腹を温めながら、腹筋の働きがよくなるような施術を行っていました。
 そして前回、業務で使っているホットパックを貸し出しました。「これをレンジで2分30秒チンして、寝るときにお腹にのせてください。毎日やってください。」と言葉を添えて。

 その後2月経っても音沙汰がありません。「毎日ちゃんと温めているのかなぁ。調子はどうなのかなぁ」、などと時々思い出しては気になっていました。
 そうしたら、一昨日電話が入って「顎がまたガクガクで‥‥。でも、毎日温めていたら胃はすごく調子いいです」と予約の電話が入りました。
 昨日来店されましたが、確かに胃の状態は良いようです。お腹の感じも良くなっていて呼吸も楽にできていました。ただ、咬筋がものすごく硬くなっていて顎の不具合は増強していました。
 「同じようなものを見つけて買ったので返却します」とホットパックを返してくれました。

 レンジでチンして温めるホットパックは薬局などで手軽に手に入りますが、実際のところあまり良いとは思いません。ここで使っているのは、30分くらいしか実用的な温度を保つことはできませんが、湿気を含んだ熱を出してくれるものですし、結構高温になりますので短時間でお腹を温めることができます。ちょうど蒸しタオルで30分くらい温度を保ってくれるようなものです。
 この方が買われたのは6000円くらいと仰っていました。

 特に女性にとっては“お腹の冷え”は大敵だと思っています。婦人科系の不調や病気で悩まれている方には是非、お腹を積極的に温めることをお勧めします。また、今は健康でも、予防のためにお腹を温めてください。これから寒い季節に変わっていきますので、”シャワーで済ます”ということはなくなるかもしれませんが、湯船にゆっくり浸かる時間を増やしてください。そして腹巻きなどもしてください。

 一月に一度くらいのペースで訪れる若い女性がいます。細かい内容はよく知りませんが、彼女は朝から夜遅くまで一日中パソコンに向かった仕事をしています。右手でマウス、左手でキーボードをこなすような仕事だそうですが、とても集中力の強い人で、仕事に取りかかったら時間を忘れて熱中してしまうということです。
 彼女の悩みは目が見えにくくなり、画面が見づらくなると仕事に集中できずストレスが溜まることです。今流行のドライアイなどの病気ではなく、目がかすんだりモヤモヤがかかったりするうち“見てるけど見えない”状態になってしまうとのことです。
 当初は、目の使いすぎ、いわゆる“疲れ目”ではないかと思いました。確かにコメカミの辺りもパツンパツンに張っていましたし、目の周りの筋肉もこっていました。これらの張りやこりを取れば良くなるのではないかと思いまして、そのような施術を行いました。ところが「まだ見えない」と言うのです。
 それでは、原因は別のところにあるに違いないと思い、いろいろと質問を始めました。
 「マウスは普通の形で、人差し指でクリックするの?」
 「画面は正面にあるの?」
 「画面の見方は下向き加減ですか、上向き加減ですか?」
 「机と椅子はどんな感じですか?」 等々
 すると、「椅子に座っていても足は地面から浮いている」という気になる答えが返ってきました。
 つまり、足が浮いているということは、坐位の姿勢を保つために股関節付近に力が入り続けている可能性があるということが推測されます。そして整体ベッドの高さを調整してベッドにそのような姿勢で座ってもらいました。股関節から下肢にかけて筋肉を調べていくと案の定、長内転筋の股関節付近がとても硬くなっていました。「このこわばりを取れば目が開くかもしれない」と思いまして、本人はけっこう痛がりましたが、それをほぐしていきました。すると姿勢も良くなり、明らかに目が大きく開いていくのがわかりました。そして「見えるようになった!」と彼女の答えが返ってきました。
 足が浮いているのが良くなかったのです。ですから「机と椅子の高さを調整して足がちゃんと床に着いて股関節に力が入らないようにしてください。」と言いました。ところが「机も椅子も変えることはできない。」という返事です。
 「では、どうしよう?」と考えました。そして一つの案として、何か足置きになるような台を置いて、その上に足を置いて作業するように進言しました。

 今は、台を置いて仕事をしているとのことです。それでも股関節に力を入れてしまう癖はそう簡単には治らないようで、仕事に集中してしまうとすっかり忘れてしまうとのことです。それでも、以前のように“ものすごく硬い”というこわばりではありませんので、施術も簡単で短時間ですみますし、来店される間隔も長くなっています。きっとそのうち“目が見えない”悩みから解放されるときが来るのではないかと思っています。

 さて彼女の場合を少し説明します。彼女の目の不調は目の酷使や疲れ目も原因ではありますが、それ以外に血液循環が悪いことが考えられます。普通、顔の血液循環については、鎖骨下静脈の流れに注目しますが、彼女の場合は鼡径部での循環不良が原因だと思われます。
 体全体の血液循環に関しては二つのポイントがあります。(動脈は省きます)
 一つは鎖骨下静脈。ここには上半身と頭と体表の静脈血とリンパが集まりますが、最終的に心臓に戻る前に鎖骨と第1肋骨の間という非常に狭いところを通過しなければなりません。体に歪みがありますと、ここの流れが悪くなりますので、顔がむくんだり、手がむくんだり、頭がボーッとしたりする症状が現れます。
 もう一つは股関節の前面に位置する鼡径部です。下肢からの静脈がここを通過して内臓からの静脈と合流して心臓に戻るのですが、この鼡径部もとても狭い場所です。(写真参照)

鼡径部01

鼡径部02

  鼡径部には縫工筋、腸骨筋、大腰筋、恥骨筋、長内転筋などの筋肉と鼡径靱帯に囲まれた三角形の隙間があります(大腿三角)。その狭い中に大腿動脈、大腿静脈、リンパ管が通っています。
 座り続けますと腸骨筋、長内転筋はこわばってしまいます。腰痛などで大腰筋や腸骨筋がこわばる場合もあります。筋肉はこわばると太く硬くなるので、鼡径部の隙間がさらに狭くなり、大腿動脈、大腿静脈、リンパの流れを悪くします。
 
 目のトラブルは、だいたい顔周辺や上半身の調整で対応できるのですが、今回のように鼡径部の、それも長内転筋という鼡径部の端っこに位置する筋肉の状態が影響を与えることを知ると、体の仕組みはまだまだわからないことだらけだと、改めて実感しました。

↑このページのトップヘ