ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 パソコン業務を行っている人は、猫背になりやすい傾向があります。
 猫背にもいくつかのタイプがありますが、肩関節で上腕骨が前に突出しているようなタイプでは、大胸筋の胸骨部がこわばっている可能性も考えられます。大胸筋胸骨部がこわばると胸の中央にある胸骨に上腕を引きつける状態になりますので、いわゆる胸が広々としていなくて狭くなり、息苦しい感じになります。息を吸っても胸が広がらないので空気が十分に入って来ないのです。

 さて、話は少し変わりますが、物を掴むときに中指、薬指、小指の指先に力が入らず上手く握れないので、手のひらの筋肉を使って掴んでしまう人がいます。
 これを専門用語を使って言いますと、深指屈筋の働きが悪いので小指対立筋や短小指屈筋を使って掴んでいる、となります。

短小指屈筋と小指対立筋


 深指屈筋が使えない状況はいくつか考えられますが、スマホ操作やスマホゲーム、携帯ゲームなどで親指を回転させたりしている人の場合、親指を後ろ(手の甲側)に引き上げる筋肉(短母指伸筋)がこわばっていますが、そのような人はこの傾向にあります。

深指屈筋


 手のひらの手首付近の膨らみは親指側と小指側の2つがありますが、親指側を母指球、小指側を小指球と言います。
 小指球は小指対立筋、短小指屈筋、小指外転筋のはじまり(起始)が集まったっものですが、上記のような傾向の人は小指球の深部がとても硬くなっているはずです。ぐっと力を入れて指圧するとかなり痛みを感じるか、あるいは硬すぎて最初のうちはなんの痛みも感じないかもしれません。

 小指対立筋は胸の大胸筋の胸骨部と連動関係にあります。短小指屈筋は大胸筋の鎖骨部と連動関係にあります。

大胸筋


 大雑把に申しますと、大胸筋胸骨部がこわばると肩関節で上腕を前に突出させながらさらに胸の中央方向に引きつけます。大胸筋鎖骨部がこわばりますと、鎖骨を引き下げながら外側(腕の方)に歪めます。
 ですから、小指球の硬くなっている人、つまり小指を中心に中指、薬指、小指の指先を使って物を掴んだり握ったりすることのできない人は、胸が狭くなって鎖骨が外下方にずれ、肩も前に出た状態になっていると考えられます。そして、胸が広がらないので呼吸も浅くなっていると考えられます。
 また、その他にも鎖骨が本来の位置にありませんので、それによる弊害も生じています。首の動きが悪かったり、噛みしめや歯ぎしりの癖を持っているかもしれません。

 深指屈筋の働きが良くなるようにすることで、これらの問題は改善しますが、具体的な対策は個別に見ないと的確に云々できません。
 しかしながら、今回はスマホ操作、スマホや携帯ゲームで親指をたくさん使うという前提で話題にしていますので、そのような人の場合は、短母指伸筋を指圧などでストレッチすることがよろしいかと思います。

深指屈筋


 短母指伸筋はちょっと入り組んだところにありますので、的確に捉えることはできないかもしれませんが、前腕の甲側、手首から4?5センチメートル肘の方に上がったところの人差し指の延長線上、骨(橈骨)の際の深部に指先を入れるように指圧します。最初は周りの筋肉も硬いのでなかなか指圧の指が奥まで入らす短母指伸筋に届きませんが、しばらく指圧を続けているうち筋肉に届くようになると思います。そして、届くと、とても強い痛みを感じると思いますが、そのまま持続指圧を続けていますと硬さがゆるみ、心地よい痛みに変わると思います。ぜひ、底までやってみてください。
 すると、物を掴むとき、これまでとは違って指先に力が入り「握る」ということの意味が理解できると思います。

 ずっと左側を下にして横寝をしている人がいます。
 かつて腰をひどく傷め重度の腰痛持ちだった経験がありますが、横寝を続けているので慢性的な左側腰痛の状態です。

 さらに今回来店されたときには、以上の状況に加え、左側の腎臓が腫れていて肋骨に圧迫され続ける不快さと痛みも加わりかなりつらい思いをしていました。

 腎臓は、大雑把に「ストレスが溜まると腫れる」と言うこともできます。腎臓が腫れると肋骨に圧迫される状況になりますので、痛みや不快感を感じますが、場所的に腰痛と間違えられることもあります。

 私は腎臓の腫れに対しては反射区を利用した施術を行います。腎臓の反射区は足裏の中央少しつま先寄りにありますが、腎臓の腫れている人の場合、その反射区の奥が硬くなって膨らんでいます。施術としてはその硬い膨らみを指圧するなどして解放するようにします。
 大抵は、この施術によって腎臓の腫れや膨らみは解消されますが、この度はなかなか良い結果にたどり着くことができませんでした。

 ところで東洋医学では腎臓と耳は深い関係があるとされています。
 ですから、私は左耳を確認してみました。聴力には問題はありませんでしたが、耳につながる首筋(胸鎖乳突筋など)がガチガチに硬くなっていました。揉みほぐそうと少し圧をかけただけでもとても痛がる状態でした。
 「これがきっと腎臓の問題につながっている」と直感的に思いました。

 いつも左側を下にして寝ていることから、肩甲骨周辺のどこかにゆるんでしまっているところがあり、その影響で左耳につながる筋肉が硬くなっているのだろうと予想しました。
 結局、腕の付け根と肩甲骨の境界付近の広背筋が伸び切った状態になっていて、それが原因で首筋が硬くなり、さらに左腰部の筋肉も硬くなっていました。

 結論としては、ストレスと左肩を下にして寝ていることによる広背筋の疲弊が原因で、腫れた腎臓(耳とも関係)が肋骨だけでなく腰部の硬く縮んだ筋肉にも圧された形で制限を受けていたために、腰痛+腎臓の腫れという症状になっていたのだと思われます。
 そして、硬く縮んでいた腰部の筋肉によって腎臓はさらに圧迫を受けていたためにリンパや血液など水分の流れが滞ってしまい、反射区だけの施術では解放ができなかったのではないかと思いました。

 多くの人達が横寝をしているようです。からだも歪むし、今回のような状況を招く可能性もありますので、なるべくやめたほうが良いと思うのですが、なかなか癖を治すのは難しいようですね。

 受験のシーズンも一段落したようですが、現在の受験生は昼は学校、夜は塾と、休日もなく勉強し続けなければならないようで大変ですね。
 小学校4年生の頃から知っている女子が、大学受験が終わり時間が取れるようになったということで来店されました。「腰痛ベルト無しでは5分も座り続けていられない」という、腰痛の訴えです。
 考えられないくらい重たいリュックサックを毎日担いで、高校と塾に通っていたようです。

 長く座り続けていられない腰痛は、その原因が幾つかのパターンに別れますが、この女子の場合は重たいリュックサックを担ぎ続けたことによる踵重心が主な原因でした。その他に肩の筋肉の疲労も関係していました。

腹横筋はコルセットの役割

 一般に「腹筋」と呼ばれている筋肉は専門的には四つに分かれます。「腹筋が割れる」で有名なカラダの中央にある筋肉は腹直筋と言います。そして腹直筋に斜め横や横から接続している二つの腹斜筋(外腹斜筋と内腹斜筋)と深部に腹横筋があります。
 大雑把に表現しますと、上半身の縦方向の動きに関しては腹直筋の働きが主体となります。からだを捻るなどの動作では腹斜筋が主体となります。そして、トイレでいきんだり腹圧を高めてからだを支える働きは腹横筋が主体となっています。
 どの筋肉も腰痛に関係はしますが、「座り続けられない」という症状は、腹横筋の働きが悪いことがまず考えられることです。

腹横筋断面図


 そして、この女子の腹横筋を観察しますと、案の定、腹横筋がゆるゆるになっていてほとんど働けない状態であることがわかりました。つまり腰部を支える自然のコルセットが機能していないということです。これでは立ち続けたり、座り続けたりすることは困難なので、ぎっくり腰を患ったわけでもないのに腰痛ベルトを装着し続けて、腹横筋の働きを腰痛ベルトに代替してもらわないと過ごせないことがわかりました。
 そして、腹横筋がしっかりしていないので、他の腹筋や腰部の筋肉(脊柱起立筋や腰方形筋など)がガシッとこわばって体幹を支える仕事もしていることがわかりました。

足底の踵の「こ」


 ところで、足裏の踵の筋膜が固くなると腹横筋の働きが悪くなることがわかっています(私は施術を通して知っています)。
 そこで解決しなければならない問題が浮上します。踵重心の状態を改善しないと、立ったり歩いたりすることで踵に余計な負担が掛かりますので、踵は硬くこわばってしまいます。ですから踵重心を改善しない限り、すぐにまた同じ症状を発症することになっていまいます。
 重たいリュックサックを担ぐことは、それが背中に担いでも、お腹側に担いでも、立位のバランス、つまりお腹側の筋肉の使い方と背中側の筋肉の使い方のバランスが正常ではなくなりますので、踵重心になってしまいます。
 ですから受験が終わって、重たいリュックを担がなくてもよい状況になれば、次第に踵重心の状態は改善されていきますから、腹横筋の問題による腰痛は自ずと改善されていくものと思われます。

 余談ですが、お腹が大きくなった妊婦さんは踵重心になりますので、それが腰痛になりやすい理由でもあると思います。
また、お腹が突出しているお父さんや、腰に寄っかかるようにして下腹を前にだしているおばさんたちも、踵重心による腰痛を患いやすいと言うことができます。

 夜の銀座で働いている女性が定期的に来店されています。普段はドレスを着て仕事をいしているとのことですが、冬の寒い時期は着物で接客する方がからだの負担が少ないということで、この時期は着物で仕事をしているとのことです。
 先日プライベートで静岡県の久能山を訪れ、たくさんの階段を登り降りしたとのことです。普段運動をそれほどしていないので筋肉痛が激しかったようですが、その数日後になって副鼻腔が腫れぼったくなり発声することが困難になったということで来店されました。

 来店されたときには声もかすれ、普通に会話することも困難でした。
 状態としては、頬骨のところにある副鼻腔(上顎洞)も眉間のところの副鼻腔(前頭洞)も詰まった状態で腫れぼったくなっていました。病院での診察では副鼻腔の炎症ということで、抗生物質が処方されたようです。

 筋肉は連動する仕組みを持っています。そして副鼻腔にも筋肉連動の影響は及びます。まだ正確に把握しているわけではありませんが、上顎洞は外肋間筋、前頭洞は内肋間筋と関係が深いようです。

四対の副鼻腔


 例えば目の下の頬骨のあたりが硬くなっていたり腫れぼったいようですと、上顎洞の副鼻腔の働きに支障が生じるようです。顔の中心に力が入りやすい癖を持っている人は頬骨が中央に寄り、鼻翼から頬にかけて硬くなっていますが、すると上顎洞の副鼻腔に空気が通らなくなり、そこが詰まったり、炎症が生じる可能性が生じるようです。
 あるいは、眉間に力が入る癖をもっている人は額の副鼻腔である前頭洞に空気が通らなくなり、そこが詰まったり炎症を起こす可能性が考えられます。

 また、外肋間筋は外腹斜筋(上腕二頭筋長頭?三角筋前部線維?外腹斜筋?外側広筋?前脛骨筋という連動)と、内肋間筋は内腹斜筋(上腕筋?内腹斜筋?長内転筋?後脛骨筋という連動)とも関係が深いようです。

肋間筋02

 外肋間筋が収縮すると肋骨を引き上げますので、胸郭は上方に動き胸が広がります。つまり外肋間筋は息を吸う動作に直接関与します。ところで、息を吸うときだけ外肋間筋が収縮するなら問題はないのですが、常に収縮した状態=こわばった状態になっていますと、胸郭が下がらなくなりますので息を吐き出す効率が悪くなります。さらに臨床的に気になるのは、胸郭が上がって広がったまま(胸板が厚くなる)になっていますので、それ以上息を吸い込むことも難しくなります。いわゆる過呼吸状態に近い感じです。
 一方、内肋間筋は収縮することで肋骨を下げますので、胸郭は下方に動き胸郭自体も薄く平たくなります。この作用によって肺から息を吐き出す動作がスムーズにいきます。しかしながら内肋間筋がこわばった状態になっていますと、息を吸う動作をしようとしても胸郭が上がって来ませんので、胸が広がらず息を肺に効率よく入れることが難しくなります。

 私の観察によれば、上顎洞の副鼻腔への通りが悪い状態になっている人は外肋間筋がこわばっている傾向がありますし、前頭洞の副鼻腔の通りが悪い人は内肋間筋がこわばっている傾向があります。ですから、おでこ(前頭洞)にも頬(上顎洞)にも両方とも吸気が通らない人は、外肋間筋も内肋間筋もこわばった状態になっていて、胸郭は固まったようにガチガチの状態になっています。胸郭(肋骨)をマッサージすると嫌な痛みを感じると思いますが、この女性がそのような状態でした。

 さて、このような状態を整体的に解決する方法を考えたときに、外肋間筋と内肋間筋を中心に、それぞれの変調を改善することで対応しようと考えました。

 外肋間筋は「外腹斜筋―外側広筋―前脛骨筋の連動関係」と深い関係がありますので、例えば前脛骨筋がこわばっていますと外肋間筋がこわばってしまう可能性は高いと考えられます。
 そこでヒントになったのが、久能山に行き、たくさんの階段を昇り降りしたことの影響と和装の草履や足袋と前脛骨筋の変調です。下り坂や階段を降りる動作では、中間広筋と外側広筋が酷使されます。登山などで上りはふうふうしながらも心地良く昇れるのに、下山した後で膝がガクガクしてしまう経験をしている人もいるかと思いますが、それは上りと下りでは主に使われる筋肉が異なることと、下りでは「筋肉の粘り」が必要になりますので、太もも筋肉が変調を起こしやすいからです。(中間広筋と外側広筋がかなり変調していましたが、外側広筋の変調は前脛骨筋の変調へとつながります。)
 また、和装の草履の鼻緒はちょうど前脛骨筋の停止に近いところに当たりますので、前脛骨筋が変調を起こす可能性も考えられます。そして案の上、前脛骨筋の停止付近がとてもこわばっていて、揉みほぐすと強い痛みを感じました。


鼻緒と前脛骨筋腱

 痛みはかなり激しかったですが、痛みに耐えていただきながら揉みほぐしていきました。3分程した後には痛みも和らぎましたし、目的であった外肋間筋のこわばりも解消されていきました。鼻の通りも少し良くなり声のかすれも良くなりつつありました。

 次に内肋間筋のこわばりの変調に取り組みました。
 この女性は元々眉間に力を入れてしまう癖を持っていますので、素地として前頭洞の通りが悪く、内肋間筋がこわばりやすい傾向があります。
 それに加え、今回は中間広筋が疲弊状態にあったことの影響が内肋間筋のこわばりを強くしていました。
 久能山に行く前は気にならなかったことで、その時気になっていることに足袋が母趾と2趾の間に「食い込んで痛い」という訴えがありました。
 詳細を省いて結論だけ申しますと、たくさんの階段を降りたことで中間広筋が疲弊状態になっていましたが、それは短母趾伸筋がゆるむという形で連動します。そして、その影響で母趾と2趾の間の筋膜がこわばってしまい、そこに足袋の凹んだ生地が接触するので痛みを発していました。痛いので気になってそこに力が入るようになるので、さらに痛みが強くなるといった状況です。ですから短母趾伸筋のゆるみ過ぎの変調を解消することでこの症状は治まりますが、そのためには中間広筋の状態を回復させることが必要となります。
 そして中間広筋の変調が、結論として眉間~額にかけてのこわばりをもたらしていて前頭洞の通りを悪くしている原因になっていました。
 右足首はこれまで幾度となく捻挫をした経験があるようで、慢性的に短母趾伸筋(中間広筋―恥骨筋等々に連動)の働きが悪い状態なので右側の恥骨の位置も歪んでいて腹筋から喉元の筋肉まで少し変調していますが、それが眉間に力が入ってしまう要因の一つだと思われます。

 今回の整体に対する結論としては、足指や足元の問題が、階段をたくさん昇り降りしたことで胸郭を硬くして副鼻腔の通りに影響をもたらしていたということです。そして一時的な副鼻腔炎となり、喉元まで影響を受けて声が出なくなったしまったという一連の繋がりが考えられます。
 施術が終わりますと、本来の声まですっかり戻ったわけではありませんが、普通に会話ができるようになりました。仕事ができるようになったのでホッとしたようです。

 今年の梅雨は例年に比べ非常に早く開けましたが、同時に気温がものすごい勢いで高くなりました。寝苦しさに辛い思いをされている人も多いかと思います。
 この一週間くらいに来店された人たちの中の数人に、例年にはない特徴的な症状がありました。
 それは背中の下部の痛みや不快感、肋骨が終わったあたりの脇腹や腹部のハリ感や重苦しさなどの症状ですが、一般的で通常に見受けられる背中の痛みや腹部の痛みとは様相が違います。

 背中の下部には腎臓がありますので、腎臓がむくんだ状態になっていて痛みや重苦しさを感じる場合がありますが、それとも違いますし、腰痛で痛みを感じる場所より上の部分になります。
 腹部もみぞおちや下腹部周辺に不快感や重苦しさや痛みを感じる場合は多いのですが、そことも違って肋骨との境界辺りに硬いものができ、それが重苦しかったり痛みを発しています。
 このような症状を訴える人が毎日のように来店されていますので、私としても初めての経験です。

体幹を支えるコルセットのような働きをする腹横筋

 「腹筋と背筋」と一般的によく用いられる用語ですが、腹筋には四種類の筋肉があります。最も認識されている腹筋はお腹に四角い割れ目をつくる腹直筋です。その他にも腹部から背中にかけて斜めに交叉するように走っている外腹斜筋と内腹斜筋があります。そして、地味な筋肉ですが、最も深部に背中から腹部にかけて真横に走っている腹横筋があります。

腹横筋

 私たちのからだは背中(背骨)を除いて、胸郭(肋骨)と骨盤との間がすっかり開いていて動きやすい構造になっています。ですから体型もいろいろで、中高年になるとお腹が出てきますが、それは腹部には骨格がないので、お腹が出たり、大きく出たり、反対にお腹が凹んだスリムな体型になることが可能になっています。
 ところが腹部に骨格がないということは、人体骨格としては不安定になってしまいますので、それを補うように腹横筋がコルセットのように働いて体幹をしっかりとした状態に保っています。

腹横筋の働きが悪いことが原因

 先ほど申し上げたような症状を訴えてきた人に共通して見られたのは腹横筋の働きが悪い状態でした。腹横筋の働きが悪い、というのは筋肉に締まりがないということですから、コルセットがゆるゆるの状態になっていると考えていただければと思います。
 すると上半身はグラグラの状態になってしまい、肋骨も背中側では背骨から離れたような感じになりますし、お腹側では胸郭の下部が広がった状態になってしまいます。これは体幹がとても不安定な状況ですから、からだは自ずと他の筋肉を使って体幹をしっかりするように働きます。つまり普段以上に幾つかの筋肉を強く収縮させるようにして体幹をなるべく安定に保とうとします。
 そして、この普段以上に収縮力を強めてこわばってしまった筋肉が痛みを発したり、重苦しさの原因になります。そしてその場所はおそらく、胸郭と腹部や脇腹の境あたりや骨盤との境界辺りだと思います。そこは背中側では腎臓、お腹の右側では肝臓の位置になりますので、人によっては、普通の背中の痛みや腹痛より恐怖感を覚えるかもしれません。

 このような状態の人はまだ数人しか見ていませんが、腹横筋に問題を起こしている原因には幾つかのパターンがあります。
 一つは目の向きと腹横筋は関係が深いという連動性がありますので、瞳が内側に寄っているような状況の人は腹横筋の働きも悪くなっていると考えられます。
 また、股関節の状態と腹横筋の働きにも関係性があります。股関節が不安定でスムーズにしっかりと歩くことができない状況の時は、腹横筋がゆるんでいる可能性があります。
 しかし私の直感としては、この急激な高温化が深く関係しているのではないかと感じています。いわゆる「お腹の冷え」です。
 これだけ高温になりますが、湯船に浸かることなくシャワーだけで済ましてしまう人は大変多いのですが、気をつけなければならないことです。
 体感としては、エアコンの冷気はたいして影響していないと感じるかもしれませんが、実は影響力が強いものです。そして、冷気は体内に蓄積していると私は感じています。日中もエアコン、そして寝苦しいので夜中も弱いにエアコン、といった生活をされている人も多いかと思います。それはそれで実際のところ仕方のないことですので、せめて一度湯船に浸かって、体内の冷気をリセットしていただきたいと思います。
 一端体内冷気をチャラにして、そしてエアコンにあたり、冷たい物を飲んだり、アイスクリームを食べるようにして欲しいと思います。シャワーだけで済ますと冷気は着実に蓄積していきます。当然胃腸の働きは悪くなりますし、体力も落ちますので熱中症に罹りやすくもなるでしょう。そして、腹横筋は最も深部の筋肉ですから、お腹の冷えは直接的に影響します。筋肉は冷えに弱いのです。

 腹横筋は腹圧を保つ働きをしています。下っ腹に力を入れるときには腹圧が非常に大切ですが、それは便通にも関係します。
 「下腹部に力がはいらない」「便秘ではないけど、最後まで出きらないのでスッキリしない」と感じている人は、腹横筋の働きが悪い事が原因であるかもしれません。
 そのような人はお腹をよく温めたり、あるいは体操として肛門を締めるような、内股~お尻の内側にに力をいれて収縮させるような運動を行ってみてください。股関節の状態と腹横筋は関係が深いと私は認識しています。

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