ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 “足つぼ”、”足リフレ”の施術にはエステの施術に近い、あまり痛みを感じないものと、強い痛みを感じる施術があります。テレビ版組などで話題性のために取り上げられるのは、まるで罰ゲームのように強烈な痛みを感じる場面になりますが、実際、足裏や足の指(足趾)には強烈に痛みを感じるポイントがあります。
 今回は足裏で、とても強い痛みを感じる部分についての話題です。と申しましても足の反射区(足裏のツボ)についてではありません。
 普段はまったく気にならないけれど、実は非常に強くこわばっているポイントが足裏の深部にあります。そして、それによってふくらはぎや太股がおかしな状態になっていたり、骨盤が歪むなど体型に影響を及んでいることがあります。また、その影響が手先にまで及んで、ペンの握り方がおかしかったり、筆圧に問題があったり、箸が上手く使えなかったりという問題が生じている場合もあります。

足裏(足底)の一番深い場所

 足裏は地面と接触するばしょですから、とても強靱にできています。筋肉も三層あって、その表層に厚い筋膜(足底腱膜)がありますので、本来は裸足でも生活できるようになっているのだろうと思います。
 
 今回、取り上げますのは足底の最も深くにあります長腓骨筋腱(ちょうひこつきんけん)と前脛骨筋腱(ぜんけいこつきんけん)の関係と、その影響についてです。
 「腱」というのは筋肉が骨に繋がる部分のことですが、手と足の腱は細長くなっていて、人形劇で人形を動かす紐のような役割をしています。つまり、筋肉の本体(筋腹)が伸び縮みすることによって腱を動かしますが、それによって腱の繋がっている骨が動くという仕組みになっています。

 足底の最も深いところには、足趾の奥の骨(中足骨といいます)同士を結び付ける骨間筋(底側骨間筋と背側骨間筋)があります。主な働きは中足骨同士を結び付けることで足の骨格を安定させ、体重の重みなどに負けない足を保つことですが、もちろん足趾を動かす時にも働きます。そしてふくらはぎの長腓骨筋、前脛骨筋、後脛骨筋の腱があります。

 多くの人達に共通する実態としまして、これら前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋と、それらが連動している他の筋肉の変調が、からだの歪みや動作の不具合に繋がっているケースが多くあります。
 一例を簡単に紹介します。

 前脛骨筋は手の親指を曲げる短母指屈筋、長腓骨筋は親指を伸ばすときに使う短母指外転筋、後脛骨筋は親指を閉じる母指内転筋と深い関係にありますので、これらの筋肉が変調をおこしますと、手の親指の働きがおかしくなったり、手の形がおかしくなったりします。そして、ペンや箸の持ち方がおかしい、手や腕を使う時に脇が開いてしまう、腕立て伏せをすると肩に負担が掛かる、息を大きく吸うことができない、股関節で太股が外に出っ張ってしまう、いつも太股やふくらはぎの外側が張っている、O脚になりやすい、靴が外側(小趾側)ばかり減ってしまうなどの症状がもたらされる可能性があります。

長腓骨筋と前脛骨筋の関係

 ここで、とても多く見受けられるケースを例にだして説明させていただきます。
 私のところに来店される人達は、からだの何処かの調子が悪い状態です。そういうこともあってか、多くの人達が踵重心(踵に重心が乗っている)の状態です。ふくらはぎに張りを感じやすい、というのは踵重心の人の特徴でもありますが、O脚やその傾向にある人も踵重心です。

 踵に重心が乗っている人は、そのままでは不安定で後に倒れてしまいますので、下腹を前に出して、反り腰の状態にしてバランスを保つようになります。この状態では、足の指を曲げて「足趾で踏ん張る」立ち方になってしまいますが、それが足底の深い部分に影響をもたらすことになります。足趾を曲げて踏ん張る状態は、必然的に第1背側骨間筋や土踏まずのところに力が入ってしまうのです。
 ちなみに重心の位置が正しい人は、立っていても決して踏ん張る状態にはなりません。

 このような状況が常態化しますと、当然土踏まずの筋肉はこわばることになりますが、最も深いところにあります第1背側骨間筋や長腓骨筋腱の停止部(中足骨付着部)のこわばりは頑固なものになります。すると第一中足骨は内側に捻れた状態なりますが、それによって前脛骨筋腱が引っ張られ、前脛骨筋もこわばった状態になります。
 つまりふくらはぎの外側面にあります長腓骨筋と前脛骨筋の両方がこわばって張った状態になりますので、「常にふくらはぎの外側に張りを感じてうっとうしい」といった心境になってしまいます。
 この状態を解消するためには、第1背側骨間筋や頑固にこわばっている長腓骨筋腱の状態を改善しなければなりません。ですから私は、指圧やその他の手技で念入りにし施術を行うのですが、これがとても強い痛みを伴います。
 施術が痛いのは心苦しいのですが、「かなり痛いですけど‥‥」と前置きしながら、状態が良くなるまで施術を行っています。


 今回取り上げました“足底深部の強いこわばり”は、「雑草の根」に似た存在に喩えられます。つまり、雑草が邪魔だから草刈りをしたところで根が土中に残ったままですと、また同じようにすぐに雑草が生えてきてしまいます。しばらく、あるいは永遠に雑草とお別れしたいのであれば、「根こそぎ」除去しなければなりません。
 足底深部に「芯」のように存在するこわばりが残っていますと、一時的に状態が良くなったとしましても再び同じような症状が現れてしまいます。
 ですから、私はそのような気持ちで施術を行っています。しかし、それまでのからだの使い方の癖が改善されませんと「しばらくするとまた根付いてしまう」という状況になってしまいます。「
 ほとんどの人は、症状が軽くなりますと来店されなくなります。しかし、こんかいのような場合は、使い方の癖」が改善されるまで来店していただきたいと思っています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
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 上の写真は私の店舗の看板ですが、からだは一繋がりのものであり、手と足はつながっていますし、頭とお腹や背中も繋がっていて、必ず関連し合っているということ是非多くの人に理科していただきたいという思いを持って開業いたしました。開業から13年になりますが、その思いは今も全く変わりません。
 私の施術は、からだが一繋がりで繋がっていることが大前提となっています。ですから、他の多くの整体師やセラピストとは考え方も施術方法も全く異なっていると思います。そのことが解りやすい例が昨日ありましたので、紹介させていただきます。
(開業当時は、「身体」あるいは「体」と漢字で表記していましたが、今はなんとなくひらがなの方が私はしっくりきますので「からだ」と表記しています)


左手首の損傷で、右肩関節が動かせなくなった

 その中年の女性Bさんは、惣菜を作る仕事をしています。ですから包丁もたくさん使っていますし、両手をたくさん使っています。
 2週間ほど前に、仕事中につまずいてしまい前方に転んでしまいました。その時に左膝を床で打撲し、左手の掌側をかなり強く床に打撲したとのことです。そして、左手首はかなりの衝撃で腫れ上がったそうですが、転んだ直後から右肩に異変が現れ、すぐに右肩関節の動きが制限されるようになってしまい、右腕を動かすと激痛を感じるようになってしまったということです。
 「左手と左膝を打撲したのに、どうして右肩が動かせなくなったのか??? (自分の記憶にはないけど)もしかしたら右肩も打撲してしまったのか?」という思いを抱え、整形外科を受診されました。
 右肩のレントゲンでは異常は見つからず、原因のわからないまま医師からは「五十肩のようで、半年はかかるかなぁ」という診断がなされ、痛み止めの内服薬と湿布が処方されたということです。ところが日が経つほどに状態が悪くなり、痛みが耐えがたいほどになったので、「なんとかして欲しい」ということで来店されました。

 右肩の状態を確認しますと、正面に真っ直ぐには90°くらいの高さまでは腕を上げることができますが、それ以上は無理で、腕を横に動かす動作は痛くてほとんどできない状態でした。症状としては五十肩によく似ています。しかし、じわじわと五十肩(肩関節周囲炎)が悪化して腕が動かせなくなることはよくあることですが、ケガでもしない限り、普通の状態から「急に動かせない」状態になることは、ほとんどあり得ません。ですから、私としましては当初聞かされた左手と左膝の打撲がとても気になりました。

 Bさんのケースで申し上げれば、左手と左膝の打撲について説明したものの整形外科の医師は、症状のある右肩周辺ばかりを診察の対象としていました。ところが、「ひとつながりのからだ」が大前提の私は、右肩のことは後回しにして、左手と左膝に着目することから施術を始めました。
 ベッドに仰向けの状態で寝ていただき、左手及び左膝の打撲に関連するところから観察を始めました。
 左手のケガによって左腕の筋肉の働きが悪くなり、鎖骨の位置が狂ってしまい右肩に影響を及ぼすことは充分に考えられることです。ですから、左手首周辺の打撲箇所と鎖骨の関係、頚椎との関係などを探っていきました。すると、左小胸筋(しょうきょうきん)と左小菱形筋(しょうりょうけいきん)が非常にこわばっていて、第6頚椎から第1胸椎が強く左側に捻れているのが確認できました。

 また、小菱形筋は内股の薄筋(はくきん)と関連性がありますので、薄筋を確認しますとやはり深部が硬く張った状態にこわばっていました。そして小菱形筋と薄筋の関係では、薄筋がこわばったことによって連動する小菱形筋がこわばってしまったという順番になっていました。小菱形筋の強いこわばりは頚椎や上部胸椎をきつく捻れさせた状態にしていましたが、その影響で右肩の動きが制限されている可能性が考えられました。

 膝の打撲によって膝関節が不安定になり薄筋がこわばってしまうことは十分に考えられることですが、実際、そのような側面もありました。ところが膝関節を安定させるだけでは薄筋の状態が少し良くなるものの、深部の強いこわばりが解消される状態にはなりませんでした。右肩の動きは少し良くなるものの痛みは残ったままになっています。

 膝周辺を施術した後は、手首の施術に移りました。Bさんは「血管がこんなに浮き出るほど腫れたんですよ」と仕草をまじえて話してくださいましたが、そんなにも腫れたのであれば、深部の組織は弱り、働きはかなり悪くなっているだろうと察しまして、手首周辺の深部を丁寧に手当てしていきました。
 じっくりと施術を行っていますと、次第に薄筋深部のこわばりがゆるんでいき、小菱形筋のこわばりもゆるんでいきました。そして筋肉の強い張りで捻れていた頚椎や胸椎の状態が改善していきました。そこで仰向けになったままの状態ですが、右腕をいろいろと動かしてもらいますと、それまで痛みを感じていた動作が普通にできるようになっていたので、本人はビックリした様子でした。

 その後ベッドに座っていただき、膝周辺を再度チェックして整え、手首には弱った組織を修復させるために「お灸膏」を貼りました。
 「お灸膏」は最近知り合った、ちょっとお気に入りのシールです。こういった弱った箇所の修復を促すために、私は通常はダイオードを用いるのですが、手首の掌側であり、惣菜づくりの仕事でもありますので、貼ってもすぐに取れてしまいます。ですから、剥がれてもご自分で貼ることができる「お灸膏」をしばらくの間貼り続けていただくことをお願いしました。ちなみに膝の打撲で弱ってしまっているところにはダイオードを貼りました。

 これでBさんに対する施術は終了です。
 右肩の痛みや運動制限はすっかり良くなりました。手首周辺と膝周辺の弱まった部分が回復してくれば
それですっかり元の状態に戻ると思います。
 そして、今回は右肩の症状であったにも関わらず、私は右手も右肩も一切施術しませんでした。筋肉の状態を確認するために何度か触りましたが、施術は行いませんでした。
 施術中、Bさん本人は「ココが痛い」と左指で痛い箇所を私に訴えてきましたが、私はすべて無視した感じで左手や左膝周辺ばかりを施術していましたが、施術が終わると右肩がすっかり良くなっていたので驚いていました。

 私の施術を経験された人はご存じだと思いますが、私が施術する場所は症状が出ているところとは大きく離れているところが多いです。足や膝や腰の痛みに対して手を施術したり、背中や首の症状に対して足を施術したりしますが、それは筋肉の連動、骨の連動という仕組みを介して、私たちのからだは本当に一繋がりになっているからです。
 今回は、そのことを象徴するケースでしたので、紹介させていただきました。


 私は時々マグレインやピップエレキバン(最も磁力の弱いタイプ)やお灸膏を貼ることを推奨することがあります。これらは、おそらく「肩こり」など筋肉が硬くなってものを和らげる目的の製品だと思いますが、私が使う目的はそうではありません。打撲や損傷や使いすぎなどで筋肉の働きが悪くなっている部分の働きを補い、その部分の修復を促す目的で用いています。ですから、磁力や刺激が弱いものを選んでいます。

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 今年の梅雨はここ数年とは違った様相で、梅雨入りする直前は気温の高い日も続き「今年も猛暑なのかな~」とガッカリした気持ちになりました。ところが梅雨入りしてからは気温がガクンと下がり、肌寒い日が何日か続きました。この気温の大きな変化にからだが適応しきれず、体調を壊した人も多かったようです。
 今回は「天候不順によって感覚と呼吸状態が悪くなってしまった」という話題です。

 毎週来店されています女性のAさんは、「胸の周りが突っ張って苦しく、肩こりもいつもより酷く、体調が悪い」と訴えました。細身のAさんは日頃から胸回りが不快になりやすい傾向がありますが、今回はいつもより状態がかなり悪いということでした。
 からだを観察しますと、呼吸をしていても胸郭はほとんど動かない状態でした。そして肩甲骨がいつもより下がっていて骨盤方向に近づいていました。僧帽筋を触りますとゆるんだまま収縮しない状態でした。

 肩甲骨が本来の位置よりも下にあるということは、首筋の筋肉(肩甲挙筋)や背中の筋肉(菱形筋)に辛い状態をもたらしますので、肩甲挙筋と菱形筋は緊張してこわばります。そして、それが「辛い肩こり」として感じられたのだと思います。

脳神経の中の副神経

 脳神経は脳幹僧帽筋をコントロールしている神経を副神経と呼びます。副神経は脳幹にあります脳神経の一部ですが、僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配しています。

 Aさんの場合、副神経の働きが悪かったようで、僧帽筋の収縮力が乏しい状態になっていて肩甲骨が下がっていました。そして胸鎖乳突筋の働きも悪かったので鎖骨も胸郭も下がった状態になっていましたが、胸鎖乳突筋と連動して胸郭を動かす外肋間筋と内肋間筋がほとんど働かない状況でした。ですから胸式呼吸がほとんどできない状態でした。
 私たちは普通の状態では無意識のうちに呼吸を行っていますが、それは横隔膜を中心とする腹式呼吸と外肋間筋と内肋間筋を働かせて胸郭を拡げたり狭めたりする胸式呼吸の両方を行っています。そしてどちらかがうまく行かなくても息苦しさを感じますし、実際、酸欠状態のような症状をもたらすこともあります。

 Aさんは胸式呼吸が行えず息苦しさを感じていましたので、普段以上に息を吸い込むことに意識を向けて胸を開こうとします。ところが肋骨は反応してくれませんので、Aさんの思いからしますと「胸(胸郭)の周りの筋肉や筋膜が突っ張っているために息が気持ちよく吸えない」と感じてしまったのだと思います。
 そしてこれらの問題を解決するためには、副神経の働き、つまり脳幹の働きが本来の状態になるように整えることが必要です。それによって僧帽筋の働きが戻って肩甲骨の位置が整い、胸鎖乳突筋の働きが戻って鎖骨と胸骨の位置が整うのと同時に、外肋間筋と内肋間筋が働きが戻ってくると私は考えました。
 Aさんが訴える症状、すなわち「首肩の強いコリや張り」「胸回りが突っ張って苦しい」の二つは脳幹の働きを整えることで一挙に解消されると感が増して、そのような施術を行いました。

仙骨周辺への施術‥‥オステオパシーと自然現象

 私たちの業態の一つにオステオパシーと呼ばれる考え方と方法(技術)があります。オステオパシーの詳細につきましては、私は無知に等しい状態ですので語ることはできませんが、その技術の一つに「頭蓋骨調整法」があります。説明によりますと「頭蓋骨にやさしく触れ、縫合を整復し、脳脊髄液の流れを促進させ、中枢神経系の働きを高めることにより、様々な効果を期待できる技術です」とあります。
 そして、今回のAさんのケースではこの「頭蓋骨調整法」が頭をよぎりました。そして私は、「もしかしたら大きな気温の変化で骨盤が冷え、脳脊髄液の流れが悪くなったために脳幹の働きが低下しているのかもしれない」と考えました。そこで頭蓋骨ではなく仙骨と尾骨の境辺りを中心に、手を当てたり擦ったりしてみました。5分間くらい施術を続けていましたが、すると僧帽筋と胸鎖乳突筋の働きが戻り、肩甲骨と胸郭の位置が整っていきました。ベッドにうつ伏せの状態でしたが、呼吸の度に胸郭が動くようにもなりました。

 仙骨部への施術を行った理由についてもう一度整理して説明させていただきます。

  1. 肩甲骨が下がり、胸式呼吸ができない原因は、脳神経の中の副神経(僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配)の働きが鈍っているからだと考えました。
  2. 脳神経は脳幹の働きに依存していますので、脳幹全体の働きを本来の状態に戻そうと考えました。そのために私ができる範囲のことは、血流(椎骨動脈→脳底動脈)と脳脊髄液の流れを整えることですが、今回は自然現象(天候)による影響が怪しかったので、脳脊髄液の方に的を絞りました。
  3. 脳脊髄液の流れを整えるための考え方と方法論としましてオステオパシーがあります。その技術の中の頭蓋仙骨療法を参考にしまして、仙骨と尾骨の境目辺りを中心に仙骨部を手当てしたり、擦ったりしました。

 Aさん以外にも、同じように僧帽筋と胸鎖乳突筋の働きが鈍っていて呼吸状態が悪い人が何人か来店されました。目の見え方が悪かったり、顔がたるんでいたり、耳の調子が悪かったりと脳神経の働きに関係する症状を訴えておりましたが、これだけ天候がおかしくなりますと脳に対する影響が具体的に見える形で現れることを知りました。

エアコンによる初夏の冷えに注意

 もう初夏の季節ですから、湯船にゆったり浸かることもなくシャワーだけで済ませてしまう人が多くなってきたと思います。施術後、皆さんに入浴について尋ねますが、高齢でないほとんどの人は「シャワーだけ」と答えます。
 もしかしたら湯船に浸かってゆっくり過ごすという習慣を持っているのは私たち日本人だけかもしれませんが、それ故に私たちは湯船に浸かって一日の疲れを癒すとともに、からだを温める必要があるということでもあります。
 今回、私は仙骨部分を擦って温めるような施術をしましたが、それでかなりの改善が見られましたので、からだ(お腹と腰部)を温めれば、天候不順など自然界から受ける悪影響も緩和されると考えることができます。
 そして、エアコンからの風はからだを冷やしますが、この時期はギックリ腰になりやすい時でもあります。また、オフィスでの仕事でむくみが増えたり、目の見え方が悪くなったり、耳や喉の調子が悪くなったりすることが感じられたのであれば、それはからだの冷えに関係があるかもしれません。

 エアコンによるからだの冷えが気になったり、天候不順や気圧変化による影響が気になったりしたときには、意図的にゆっくりと湯船に浸かってみてはいかがでしょうか。脳脊髄液の流れが良くなって不調が緩和されるかもしれません。


 この原稿を書こうと思い始めたのは先週の木曜日(6/13)にAさんが来店され、その終末にかけて来店された人達の何人かが同じような状態だったからです。
 最近は天候も良くなり気温も安定していますので、もう同じような状態の人はそれほど来店されないと思っていました。しかし状態はAさんほどではありませんが、同じような傾向の人がその後も来店されています。
「梅雨時って、こうなのかなぁ?」などと感じているところです。

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 これまで「舌」の重要性について、幾度となく取り上げてきました。私は実際に施術を通して舌が持つ強い力と神秘性について体験していますので、その重要性を、おそらく皆さんよりもよく認識していると思います。
 感覚器官としての舌は味を感じるという役割があります。食べ物が「美味しい」とか「まずい」とか私たちは感じて判断しますが、本来、舌が味を感じるのは、食べて良い物と食べてはいけない物を選別するためです。私たちの感覚を満たすことよりも、それ以前に、生命を守るという大変重要で、根源的な役割が舌にあることを私たちはもっと認識する必要があるのかもしれません。
 行為器官としての舌は、「しゃべる」という役割を担っています。例えば泥酔して舌が回らなくなりますと、何を言っているのか聞き取れなくなりますが、このことだけを取り上げましても「舌は発音や発声の要である」と言うことができます。そして発声に関して考えますと、舌の他に、声帯(喉)、気管(呼吸)、唇と頬なども絡んできますが、これらを整えることも舌の状態を整える上で重要な項目になります。
 また、生活習慣病の中で舌と関わる病態として有名なのは無呼吸症候群ですが、実際には、噛み合わせ(反対咬合含む)、噛みしめ癖、口呼吸、緊張(リラックスできない)などの症状とも舌は深く関わっています。
 今回は、舌の状態とからだの緊張との関係を中心に、舌の状態を整えることの重要性について取り上げてみます。

口を閉じてもリラックス状態でいられるために

 たとえば整体的な、あるいは解剖学的な観点で「口を閉じる」ことについて考えますと、一般的にはそしゃく筋と口輪筋(表情筋)の話が中心になるかと思います。
 解剖学関連の書物によりますと、そしゃく筋は下顎を引き上げて顎を閉じる働きをする筋肉だと解説されています。食物を噛み砕き、口の中でモグモグするときに中心になって働く筋肉です。
 顎を閉じるための筋肉ですから、口を閉じる時には当然働き続けていると考えることができます。ですから、寝ているときにポカーンと口を開けてしまったり、昼間でも力を抜いた状態や何かに夢中になった状態になると口が開いてしまうのは「そしゃく筋の働きが悪いのかもしれない」という考えに方に行き着くかもしれません。
 また、顔面神経麻痺などになって表情筋が働かない状態になりますと、口輪筋が収縮できなくなりますので「口笛を吹く」動作のように唇を閉じることができなくなります。子供達の中には「よだれ(涎)」を垂らしてしまう子がいるかもしれませんが、それは唇の締まりが悪いことの現れでもありますので「口輪筋の働きが悪い」という考えに行き着くかもしれません。

 私もこの仕事に携わってしばらくは、そのような考え方をしていました。しかし、「寝ている間も(口呼吸にならないよう)、口を閉じ続けるためにそしゃく筋を働かせ続けるのは疲れはしないだろうか?」、「口をポカーンと開いた、間抜け顔にならないよう、唇を結び続けるのは疲れはしないだろうか?」というとても素朴な疑問を抱き続けていました。
 そして最近になって、口を閉じながらも、唇が開かない状態を保ちながらも、リラックスして、さらにそしゃく筋や口輪筋から力が抜ける状態が存在することを、理屈とともにしっかり認識することが出来るようになりました。
 それは「舌の力によって口を閉じる」というものです。
 良い状態になりますと、自然と舌が上がってきて、口蓋(口の中の天井)にピタッと貼り付くような感じになるのですが、それによって口が閉じるようになります。そして同時にそしゃく筋や口輪筋からは力が抜けて、それらがゆるんでいく感じがするようになります。

 一般の人は、舌の上がり、下がりと言われても何のことかピンとこないかもしれません。そこで、ちょっと試していただきたいのですが、首のつけ根(第7頚椎)を中心に、ガクッと頭をさげるように首を前に傾けますと、相対的に舌が上がって口蓋を押しつけるような状態になるかと思います。下を向いていますので当然、顎(そしゃく筋)に力を入れなくても口は閉じた状態になっています。

 次に、今度は首のつけ根を中心に首を後方に倒して上を向くような状態にします。すると舌が下がって口の底の方に沈んだようになります。そして口も開き気味になりますので、この状態で口をしっかり閉じた状態を維持するためには顎関節の筋肉(そしゃく筋)を働かすことになります。
 首の角度によって舌が上がったり下がったりするのを実感していただけたと思いますが、これと同じような状況が通常の立位や座位の姿勢の時にも起きています。そして、通常は舌が上がっている方が「良い状態である」と言うことができます。

 舌が上がりますと、舌の力を利用して口を閉じた状態を苦もなく維持することができます。そしてさらに良いことは、舌が口を閉じてくれていますので、そしゃく筋をゆるめることができます。すると口を閉じていても上下の奥歯は離れた状態になりますし、口輪筋に力を入れなくても唇も閉じた状態になりますので、口呼吸にならないばかりか、表情もゆるやかになります。つまり、口は閉じていても顎周辺からは力が抜け、表情も緩やかになりますので、とてもリラックスした状態を維持することができます。

噛みしめ癖と舌

 心理的ストレスなど精神的要因で食いしばったり、噛みしめたり、歯ぎしり癖になったりすることはあると思いますが、ここではそれらを抜きにして、あくまでも肉体的なことだけで説明させていただきます。

 噛みしめ癖にしても歯ぎしり癖にしても、その本質はそしゃく筋を収縮させる行為です。
 ですから、そしゃく筋を収縮状態にしないことが対策となります。巷の情報として、あるいは「ためしてガッテン」でも取り上げていましたが、「(意図的に)噛みしめないようにする」「気がついたら奥歯を離す」などが対策として有効だとされているようですが、賢い方法ではないと私は思っています。
 まず、眠っているときに「噛みしめないようにする」ことは、普通に考えて無理です。意志の強さで可能になる場合もあるかもしれませんが、このようなことを思いながら寝たのでは「快適な睡眠」は不可能でしょうし、それによる弊害も現れるのではないかと思います。

 さて、これまでにも説明してきたことですが、筋肉が収縮してしまう=こわばってしまう理由は二つです。一つは筋肉の使い過ぎであり、もう一つは骨格が歪んでいたり、何かに引っ張られているので、その力に対抗するために収縮してしまうという筋肉の条件反射のような状態です。
 スルメや硬い物などを噛み続けますと、そしゃく筋はこわばってしまいます。あるいは、片側ばかりで噛んでいますと、そちら側のそしゃく筋がこわばります。これは筋肉の使い過ぎによって筋線維がこわばってしまった(収縮したままゆるまない)状況ですが、形状記憶に似ているしつこさがあります。
 また、たとえば右側ばかりで噛んでしまう片噛みの癖を持った人は顎先が右側に寄りますが(=下顎が右側に捻れる)、すると下顎骨が左の顎関節で(側頭骨から)少し離れた状況になります。この状況は骨格が歪んだ状況ですが、それによって左側のそしゃく筋はこわばってしまいます。

 また、そしゃく筋は下顎を引き上げる働きをする筋肉ですが、反対の働きをする筋肉=下顎骨を引き下げる働きをする筋肉(舌骨上筋群や舌骨下筋群など)がこわばって常に下顎骨が下方に引っ張られている状態になりますと、そしゃく筋はその力に対抗して顎関節を閉じようとしますので、通常より収縮力を高めた状態になります。そしてこの状態が長引きますとそしゃく筋がこわばった状態、つまり噛みしめた状態と同じになってしまいます。

 そして、さらに今回話題にしておりますように、舌が下がった状態になっておりますと、口を閉じた状態を維持するためにはそしゃく筋を収縮し続けなければなりません。ですから、そしゃく筋がこわばり、噛みしめ状態になってしまいます。

 口を閉じたときに、顎先(オトガイ)が梅干しのようになってしまう状態は、口先や顎先の筋肉を収縮させて口を閉じているということですから、舌が下がっている可能性が高いと言えます。そして、このような人はとてもたくさんいますが、単純に考えて、口を閉じる時に顔に力が入っているということですから、本人の自覚に関係なく、顔の表情筋やそしゃく筋は緊張状態になっています。頭痛を感じたり、首肩のコリを感じたりするのは当然のことと言えます。

舌の位置を整えるために

 「出っ尻・出っ腹」についての投稿で、第6頚椎と第4腰椎の在り方が重要だという説明をさせていただきましたが、舌の位置には第7頚椎と第5腰椎の在り方が関係しているようです。
 これまで、舌の位置を上げるためには「内在する上昇する力」が必要であり、そのためには腹筋の在り方や鼡径部が下がっていないこと、小趾側のアーチが崩れていないことが大切であると説明させていただきました。これらの項目は、舌の位置のことだけでなく、からだを快適な状態に保つうえで大切なことですから是非実現していただきたいのですが、今回は、更に最終的な要として第7頚椎の在り方が重要であるという内容です。つまり、小趾側のアーチがしっかりしていて鼡径部の状態が良く、腹筋の状態が良かったとしても第7頚椎の状態が悪い場合は、残念ながら舌の位置を良い状態に保つことができません。

 専門家ではない一般の人に頚椎の細かいことを云々させていただいてもピンとこないと思いますし、内容が難しいと思いますので、こうして説明させていただいても心苦しいところではあります。
 そこで、先ほど試していただきましたように、第7頚椎を中心に首を前に倒しますと舌が上がって口蓋を押し上げるような状態になることを再度確認していただきたく思います。そして、首を真っ直ぐに戻していただき、第7頚椎の棘突起を上方に引き上げてみてください(=第7頚椎の椎体は下を向く)。この時に同じように舌が上がって口蓋にくっつくような状況になるのであれば、それは元々の状態として、第7頚椎が上を向いていた影響で舌が下がっていたということです。

 私は施術において‥‥、ベッドに仰向けになっていただいた状態の時に第7頚椎を直接操作して、舌がどうなるかを確認します。第7頚椎の椎体を下向き(棘突起は上向き)にしたときに舌が上がって、そしゃく筋や口周辺から力が抜けることが確認できましたら、いかにして第7頚椎をその状態にもっていくかを考え、実行します。
 第2頚椎や第4頚椎が捻れていて第7頚椎が上向きになっていることもあります。あるいは、斜角筋がこわばって第6頚椎が下向きになっていることが影響している場合もあります。その他にも胸郭や胸椎との関係や鎖骨との関係でそうなっている場合もあります。
 そして、この第7頚椎の修正に加えて、鼡径部が下がっていないこと、腹筋がこわばって胸郭を下げていないこと、小趾アーチが崩れていないことなどを確認していき、必要に応じて修正していきます。

舌と直筋系と任脈

 ここで「舌」という筋肉の塊について、皆さんに知っていただきたいことを説明させていただきます。

 解剖学者の三木成夫先生(故人)によりますと、私たちの体幹(胴体)の前面には、骨盤底(会陰)を出発点として正中線に沿って左右二本の筋肉(直筋系)が頚部まで走っているということです。それは外陰部の筋肉であり、腹直筋につながり、胸郭(胸骨)で消えたようになりますが頚部前面で頚直筋(胸骨舌骨筋など)として現れます。そしてその終末が「舌」になるということです。途中にあります横隔膜は呼吸運動の要ですが、それはこの直筋系が体内に落ち込んでできたものであるということです。
 ですから、舌、前頚部(喉)、胸骨(の筋膜)、横隔膜、腹直筋、骨盤底は生物学的に一続きのものであると考えることができ、それぞれが密接に関係し合っているということになります。
 これを東洋医学的な面で捉えますと任脈(ニンミャク)のことであり、生命維持にとって非常に重要なライン、急所のたくさんある場所ということになります。

 舌は、締まりがなくなったり働きが悪くなって弛みますと下がり(沈み)ますが、すると気道を狭くしますので呼吸に悪影響を及ぼす可能性があります。そして、それは単に気道を狭くすることだけでなく、同じ系列である横隔膜の働きも弱まりますので無呼吸症候群になる可能性も生じます。さらに連動して骨盤底の筋肉も働きが悪くなりますので、内臓下垂や泌尿系のトラブル、失禁などの症状を招く可能性もでてきます。
 あるいは反対に、お腹の冷えなどの影響で腹直筋の働きが悪くなりますと、横隔膜の働きが悪くなり、喉の調子も今一で、舌が下がって喋りづらくなるといった不調を招く可能性もでてきます。

リラックスして暮らすために‥‥舌との関係で

 単純な話ですが、奥歯を噛みしめた状態でリラックスすることは無理だと言えます。何故なら、そしゃく筋は全身筋肉の司令塔のような役割を担っているからです。そしゃく筋が収縮しますと自律神経の交感神経が優位な状態になると言ってもいいのかもしれません。
 例えば、そしゃく筋の一つである側頭筋が収縮しますと頭を締め付ける状態になります。頭が締め付けられた状態で、あるいは、しばしば頭の筋肉が緊張した状態で、芯からリラックスすることはとても難しいことです。
 ですから、リラックスした状態で快適な睡眠を得たいと望むのであれば、そしゃく筋がこわばった状態にならないように、噛みしめた状態にならないようにすることを考えなければなりません。そして、そのための望ましい状況が、舌の力で口が閉じ、そしゃく筋がゆるんだ状態でも口を閉じ続けていられる状態を実現することです。

 口が開いた状態で眠りますと口呼吸になります。口呼吸は汚れた空気を気管や肺に入れることになりますので、からだに負担を掛けることになります。免疫系が酷使されて抵抗力が弱まる可能性が生じると思います。
 口呼吸を避けるために「口を閉じて寝よう」と心に決めて寝ますと、そしゃく筋を収縮し続けることになりますが、それはリラックスを遠ざけてしまいます。さらに下がった舌は下の前歯を押し続けますので、噛み合わせに影響が現れ、それも不調や不快の原因になる可能性があります。

 精神的ストレスの多い現在、私たちは知らず知らずのうちに緊張しながら生きています。それは大人に限ったことではないと思います。小さな子供たちも、たくさんの情報を浴びて、頭の中が一杯一杯になっているかもしれません。ですから、せめて肉体的な面だけでも緊張の少ない状態、リラックスできる状態を保ちたいものです。
 私はこれまで、歯ぎしりや噛みしめ癖、手を握ってしまう癖などについていろいろと考えてきましたが、今回取り上げました「舌の在り方」は問題解決のための要になるような気がしています。ですから今は、施術時間に余裕のあるときは、皆さんの舌の状態を整えるようにしています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 現在の社会ではまったく考えられないことですが、今から45年くらい前、私が中学性だった頃、学校の廊下を走っているところ生活指導の先生に見つかりますと、呼び止められ、「歯を食いしばりなさい」と言われて、頬にピシャッとビンタ(平手打ち)が飛んできました。そして、それはごく当たり前の光景のように「あの先生に見つかったら仕方がない」とみんな普通に思っていた時代でした。
 学校の先生が拳骨(げんこつ)でコツンと軽く頭を叩いて、生徒の行動を戒めることも普通に見られる光景でした。
 しかし、その後の社会の変化とともに、このような指導は体育会系運動部など、一部を除いてすっかりなくなったと思っていました。私の子供は30歳を超えましたが、幼い頃にお尻を一回ピシャッと叩いたことはありましたが、それ以外、手を挙げたことはありません。

 さて、定期的に来店されている40歳を超えたAさん(女性)がいます。Aさんの両親はかなり厳しかったようで、子供の頃はしばしば頭を叩かれ、時には竹刀でバシッと叩かれたそうです。親心がどうであれ、このような体罰は、精神的な面では根深い恐怖心につながり、恨みの感情をもたらすことになります。現在は親子断絶状態になっていますが、父親の話題がでるだけで、恐怖心に襲われ精神的に不安定な状態になってしまいます。そして、頭部への体罰の影響は精神面だけでなく、肉体的な面でも厄介な状態をもたらします。

 Aさんは慢性的に腰が悪く、しばしば左腰部の肋骨下部辺りをビリッと伸ばしてギックリ腰状態になっていました。通常は、このような場所を損傷してギックリ腰にはならないのですが、「どうして、いつもこの場所なんだろう?」と私は不思議に思っていました。
 彼女は腰の状態が安定したこともあって、一家で昨年4月に小田原から離れて別な場所に引っ越されました。その後も毎週来店されていますが、左腰は気になるものの、ビリッと損傷してしまうこともなく安定した日々を送っていました。ところが連休明けぐらいに、久々にビリッといつもの場所を伸ばしてしまいました。そして、先日来店された時には左耳と左目が塞がっているような状態になっていて、左こめかみや左顎がガチガチにこわばった状態なっていました。文学的に表現しますと「左前から来るものを絶対受け付けないように顔の左側を閉じてシャットアウトしている」といった状態です。
「左前からのものを絶対受け入れたくない、とからだが表現していますが、左前方に嫌なものでもあるのですか?」と尋ねてみました。
 すると、「4月に娘の学校で席替えがあって、隣になった男子がどうも娘と合わないみたいで、帰宅すると毎日のように不満を言うようになったんだけど‥‥、その男子の家がちょうど左、目の前の家で、なんとなくそれから、その家が気になってしまって‥‥」と仰いました。
 このくらいの嫌なことは誰もが日常的に経験することですから、それで一々からだがおかしくなってしまっては「たまったものではない」と思われると思います。ところが、精神的に恐怖心や不安を持っている人は、このくらいのことでも大きな影響を受けるようです。

 ところで、このような話になりますと、風水とか、方位避けとか、おまじないや祈祷の類に思いが向かう人も少なからずいらっしゃると思います。それはそれで、解決するために取るべき手段の一つであるかもしれないと私も思います。ですが、私はその前にやるべきことがあると考えています。

 先ほども申しましたが、Aさんはずっと左側に問題を抱えています。左半身の機能が今一つ不十分な状態ですから、左腰部を損傷しやすいですし、左側から受ける刺激に対して感覚器官の反応も悪いと考えることができます。ここでいう感覚器官の反応というのは、感覚器官の処理能力と同じことですが、左耳を通して入ってくる音(音波)の処理速度が若干遅く、左目から入ってくる光(色と形)の処理速度も若干遅いので、それらの情報をスムーズに処理しきれない状態になりやすいのです。ですから、左側からのやってくる様々な刺激をあまり受け入れないように、自然とからだが情報受け入れを制限していると考えることができます。そして、このような状態に加えて、精神面での根深い恐怖心や不安が増幅されて、左側をシャットアウトしてしまうという反応になったのかもしれません。

 ですから、左側からの刺激に対する処理能力が上がって、普通の人と同じレベルになることができれば、少々嫌な感情を抱いたとしても、このような状態にはならないのではないかと私は考えました。
 そこで私が思い出したのは、かつてAさんが子供の頃に、親から何度も頭を叩かれたことです。それによって頭皮やその下の筋膜は必ず損傷しているはずですから、それらをケアして状態が良くなれば左半身の機能が向上する可能性があると考えました。
 そこで座っていただき、頭部の損傷部位探しを行いました。20~30年前の損傷であっても頭部には今尚、たくさんの癒えていない損傷部位があります。そして、その中で左半身の機能に直接関係する部位を探し出さなければなりません。

 その方法は、実は単純です。まだ左腰部の、2週間程前にビリッと損傷してしまいギックリ腰状態になってしまった傷は治りきっていませんので、座ったまま左側に上半身を捻る動作は苦手な状態です。しかし、左半身の能力を悪化させている頭部の損傷部位にピンポイントで手を当てることができれば、左腰部の筋肉はあり程度収縮することができるようになるはずです。そして大きく左側に上半身を捻ることができるようになるはずです。それを目安にして、何カ所か「ここが関係しているかも」と思えるところに手を当てていきました。すると額と頭頂の境目、髪の生え際より少し頭頂寄りの高さで、中心ラインより少し左側のところに筋膜が凹んだままになっているところがありましたが、そこに手を当てると上半身を左にしっかり捻ることができるようになりました。ここが施術の対象ポイントです。
 そしてそこにジワーッと手指を当ててしばらくケアしていますと、次第にジーンと重苦しい感じがやってきます。そしてそれはやがて消えていきますが、それがケア(手当て)を終了する目安です。するとからだ全体もしっかりしますが、左目や左耳は、より開いた状態になり、左顎や左こめかみの状態も柔らかくなって首にあったこわばりも取れました。左半身の機能が向上した現れです。
 「この状態であれば、少々嫌なものを見たり、聞いたりしても、からだが自然と消化(情報処理)してくれるので、影響はほとんどないと思いますよ」と申し上げました。
 頭部にはこの他にも機能を回復させる必要のある損傷部位(筋膜)がまだまだたくさん残っています。「本当に、こんなにたくさん叩かれたんだなぁ」と内心思いつつも、時間は掛かりますが、これらを丁寧に回復させていけば、からだはもっともっと元気になるのだろうと思いました。

舌の働きに影響する頭部の損傷

 昨年の1月から整体の勉強会を始めていますが、その生徒さんの一人、Bさん(女性)は、子供の頃に転んで頭部を強く打撲した経験を持っています。
 「その打撲痕は傷として今も尚、からだに必ず悪い影響を及ぼしていると思うので、損傷部位を探して手当てしてみましょう」と勉強の一環も兼ねてやってみました。
 その損傷部位は、後頭部の、正中線より少し右側にありました。
 
 舌について、過去のブログで何回か取り上げたことがあります。噛みしめ癖や噛み合わせの不調、無呼吸症候群、喉の不調や違和感などを感じている人は大抵、舌の位置が下がった状態になっています。このことはまた詳しく説明しようと考えていますが、舌の位置が狂っていますと発声にも影響がでます。
 Bさんの舌の位置は下がった状態でした。喉元も硬い状態で、発声にも少し不満があったようです。

 私がBさんの後頭部の、損傷部位に手を当てますと喉元が変化を始めました。そして、しばらく手を当て続けていますと、Bさんの声が変わってきました。舌の位置が上がって顎や顔から力が抜け始め、目の働きも向上して、楽に目が大きく開くようになりました。
 この頭のケアをした当日は、「自分の声がこんなにもからだの中で響くことにビックリしました。そして、からだがしっかりして、帰りの道中、歩くことがとても心地良かったのです。こんなにもからだって変わるんですね。」と後日報告してくれました。
 「ただ、日が経つにつれ、あの素晴らしかった感覚がだんだん薄れ、一週間もすると元の感じに戻っててしまった」とも言いました。そうなんです。損傷部位は治癒することなく長い年月放置された状態でいますと、それが当たり前であるかのように、つまり形状記憶のようになってしまうようです。ですから、しばらくの間は毎日セルフケアすることが必要になります。ケアを繰り返すことで、やがて形状記憶状態から解放され、ケアしなくても大丈夫な状態になるようです。

 50歳を超えた男性Cさんは、声優が本職です。最初に来店されたのは5~6年前でしたが、満足に喋ることができなくなって仕事ができなくなってしまったとのことでした。東京にお住まいですが、現在は月に一度のペースで来店されています。膝に持病を抱えていますので、そのケアと喋りに関係するケアのためです。
 喋りに関してはしばらく良かったのですが、「この4月に舞台をこなした後から、舌の動きが悪くなってしまった」と、今回は少し沈んだ様子で来店されました。
 状態を確認しますと、舌の位置がかなり下がってしまったようで、それが原因で舌の動きが悪くなっていました。特に「ら・り・る・れ・ろ」とラ行を発声する時は、舌の位置が上にないと、一々舌を持ち上げてから舌先を動かさなければなりませんので、自分が思っているよりも「舌の動きが付いてこない」と感じてしまいます。そして、一つ一つの発声で舌を持ち上げる動作が必要になりますので、喋ることで疲れを感じやすくなってしまいます。「舌が重たい」と本人は感じるのかもしれません。

 舌が下がってしまう理由はいくつかありますが、大腰筋の働きが悪くなることもその中の一つです。
 少し前の投稿(出っ尻・出っ腹)で、第6頚椎のことを説明させていただきましたが、第7頚椎が上を向いた状態になりますと、舌が下がる状態になってしまうようです。
 第7頚椎が下を向きますと第6頚椎と第4腰椎は上向き加減になりますので、腰椎の前弯が良い状態になります。この状況を反対から考えますと、大腰筋の働きが良くなって腰椎の前弯がしっかりしますと第4腰椎も第6頚椎も良い状態になって第7頚椎が下を向き、舌が上がる、といった状態になります。
 「この一月間に、これまでとは違ったことを何かしていましたか?」と尋ねました。
 すると「スポーツタイプの自転車ですが、足腰を鍛えるためにそれを使って仕事場に行くようにしてみました。」と仰いました。「ああ、これは影響しているなぁ」と思いました。
 普通の人であれば、自転車を漕ぐことは大腰筋を鍛える運動になります。しかし、この人はガニ股の人ですから、股関節の外側の筋肉(大腿筋膜張筋)を使って自転車のペダルを漕いでしまいます。すると大腰筋の働きは相対的に悪くなってしまいます。
 そこで、舌の動きが悪くなったときの応急対処法としまして、大腰筋の運動をアドバイスさせていただきました。

 大腰筋は腰椎のお腹側を出発して骨盤前面(鼡径部)を経由して大腿骨内側のつけ根(小転子)に付着していて、歩行時などで太股を持ち上げる働きをしています。収縮すると股関節で大腿骨が少し外側に回旋しますので、鍛え方としましては、床に仰向けの状態になっていただき、まず①脚を少し外側に回旋させた状態にします。そして、その状態のまま②真っ直ぐ上方に脚を上げます。高く上げますと別の筋肉が作動しますので、高さは30°くらいまでです。今回の場合、大腰筋を鍛える目的は腰椎の前弯を確保して腰椎を安定させることですから瞬発力は必要ありません。ですから、ゆっくり、じっくり脚を持ち上げます。そして上げた脚を降ろす動作も重要です。脱力して引力のままにドスンと降ろしては全く意味がありません。ゆっくり、そっと降ろし、床に触れそうになったところで再び持ち上げる運動を行います。
 大腰筋の働きが悪いと脚が真っ直ぐではなく、少し揺れながら挙上と下降を行ってしまうと思います。しかし、この運動をしばらく行って大腰筋の働きが良くなりますと、真っ直ぐスムーズに行うことができるようになります。

 そして、Cさんにその場でこの運動を片脚10往復ずつ行っていただきましたが、それだけで舌の動きは良くなりました。
 床に寝て行うことは「いつもでもできる」というものではありませんが、仰向けになることができなければ、椅子に座った状態で、同じように股関節で太股を少し外旋させた状態で、真っ直ぐ腿上げをすることでも効果は期待できると思います。(膝を曲げた状態では負荷が減りますので、回数を増やすなどで対処してください。)

 さて、以前に、Cさんが舞台の裏方などもやっていた若い頃、仕事中に何度も頭をぶつけたことがあると聞いたいたことを思い出しまして、「きっと頭の打撲も関係しているだろうな」と思いました。そして、頭頂部の凸凹しているところに手を当てますと、「舌の動きが軽くなった!」と仰いました。
 この部分は来店された当初(数年前)にも施術したところでしたが、やはり古傷として影響が出てしまったようです。加齢や疲労によって古傷の影響が現れたと考えることもできます。あるいは、この一月は天候、気候がかなりおかしくて寒暖差が激しかったですから、そのようなことの影響で古傷の影響が出てしまったと考えることもできます。
 しかし、こんな諸々も含めて、頭部の損傷は後々まで影響が及んでしまいますので、誰もが真剣に考えなければならないことだと改めて思いました。「頭部や顔面に打撃になるような行為は絶対にしてはいけない」と、社会全体が認識するために、このような事実をより多くの人に知っていただきたいと思っています。

髪の毛がある意味‥‥頭部の保護

 最近来店された女性は30代前半ですが、やはり両親からの虐待のような体罰で頭部や腹部に損傷を持っていて、それがからだの不調の原因になっていました。
 「私の娘と同世代でも、そのような現実があるのか‥‥」と私はショックを受けました。

 私たちは哺乳動物に分類されますが、人類がネアンデルタール人からクロマニヨン人、そして現代人へと進化する過程で、額が大きくなり体毛は減りました。額が大きくなったのは、おそらく大脳が大きくなったからだと思いますが、それによって現代人は知性的になったのかもしれません。そして体毛はかなり減りましたが、陰部と頭部だけはしっかりと残されたままになっています。それは大切な場所を保護するという意味だと考えられます。ですから、頭部はしっかり保護されなければならないところだと誰もがしっかり認識する必要があります。
 たとえ、お子さんの言動に腹が立ったとしても、決して頭と顔は叩かないでください。どうしても叩きたくなったらお尻にしてください。それも良いことではありませんが、頭や顔の損傷に比べたら後々の影響が比べものにならないくらい小さいものだと考えられます。



 私は頭の傷がからだに及ぼす影響について、たくさんの事例を通してよく知っています。ところが、ほとんどの皆さんは、そのことをご存じではありません。ですから、せいぜい言葉だけで伝えるだけの力しかありませんが、どうぞ頭部や顔面はとても大切に扱ってください。決して傷つけないと心に決めて欲しいと思っています。
 話のついでになりますが、小顔整体、コルギ、美容整形、これらに対しては慎重に決断してください。道理として的確に、正しく行っている専門家もたくさんいらっしゃると思います。ところが、それより多くの不適切な施術者もいると思います。そのような間違った人達によって頭部や顔面部を傷つけられますとその影響は必ず不調として現れると申し上げます。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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