ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 今回は筋肉の話題です。
 ふくらはぎの外側に第3腓骨筋(だいさんひこつきん)と呼ばれる小さな筋肉があります。そして、この筋肉が非常に強くこわばっている人がたくさんいます。
 第3腓骨筋は足首を曲げる時に働く筋肉ですが、特に小趾側を引き上げる時に働きます。
 骨格的に問題があったり筋肉の働き方に問題があったりして股関節内側の筋肉を使って股を上げることが出来ない人は、太股やふくらはぎの外側の筋肉を使って歩くようになりますが、すると第3腓骨筋がこわばってしまいます。
 内股やO脚の人は、大方第3腓骨筋がこわばった状態になっていると思います。

 今回、第3腓骨筋のこわばりを取り上げた理由は2つあります。
 一つは、膝関節が歪んでしまい、膝の裏側が腫れぼったくなってしまい、リンパや静脈の流れも悪くなりますので、慢性的に下半身に違和感や不快感を感じ右ようになってしまう可能性が高くなることです。
 もう一つは、膝関節に不具合や不調を感じる頻度が高くなることです。第3腓骨筋と兄弟のような関係にある筋肉に長趾伸筋(ちょうししんきん)がありますが、これらの筋肉がこわばりますと、深くしゃがみ込むことができなかったり、しゃがんだ状態から立ち上がる時に膝やふくらはぎの外側に痛みを感じるようになったりします。あるいは、常にふくらはぎの外側に筋肉の張りを感じるようになるかもしれません。

 今回は第3腓骨筋のこわばりによる影響と日々のセルフケアについて説明させていただきます。

第3腓骨筋と長趾伸筋

 膝下から足首にかけてを一般的にはふくらはぎ、英語ではレッグ(reg)と呼びますが、専門用語では下腿(かたい)と言います。
 下腿には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の2つの骨があります。
 膝関節の外側にある骨の出っ張りは腓骨(腓骨頭)ですが、その骨に沿うようにして足首を超え、足につながっている筋肉を腓骨筋と呼びますが、それは3つあります。

 第3腓骨筋はそれらの中で最も小さい筋肉ですが、他の2つの腓骨筋とは違う特徴として外くるぶし(外果)の前を通過していることがあります。
 ですから第3腓骨筋がこわばりますと、外果が前にずれたり、足の小趾側に近づいたりするといった現象が起きます。(小趾中足骨を腓骨の方に引き寄せる結果として)

 そしてこのことは腓骨が歪んで、膝下の腓骨頭の位置がずれる状態を招きますが、それによっていろいろな弊害が生じます。

膝裏の腫れぼったさ

 膝関節の裏側は凹んだ状態になっているのが、正しい在り方です。膝関節の裏側では、ふくらはぎ(下腿)~太股(大腿骨)につながっている腓腹筋と反対に大腿骨から下腿につながっている大腿二頭筋(だいたいにとうきん)と半腱様筋(はんけんようきん)・半膜様筋(はんまくようきん)が交叉していますので、交叉している部分(膝関節裏側外側部)には筋肉と腱による盛り上がりあります。ですから、その間(膝関節裏側中央部)は相対的に凹んだ状態になります。(膝窩と呼ばれます)

 ところが何かの理由で大腿骨と下腿の関係に歪みが生じますと、その凹み(膝窩)は消えてしまい、反対に腫れぼったい感じになってしまいます。
 このような人は意外に多くいますが、そのほとんどの人は「脂肪」や「むくみ」による膨れだと思っているようです。
 「むくみ」であることは半分当たっています。膝関節が歪んだことによって膝周辺の静脈やリンパの流れが停滞してしまい、むくんだ状態になるからです。
 むくみ以外では、筋肉のこわばりが腫れぼったさの原因です。筋肉はこわばりますと、硬く太くなりますので、膝裏やその周辺やふくらはぎやが太くなってしまうのです。
 ですから、膝裏をスッキリした状態にしたいのであれば、膝関節の歪みを整えて筋肉のこわばり状態を解消する必要があります。
 膝関節の歪みを放って置いたまま、たくさんマッサージなどをしたところで、少しの間はスッキリ感を味わうことができるかもしれませんが、根本的な解決には繋がりません。

 膝関節の歪みによる筋肉の変調(こわばって太くなる)や位置のずれが原因と考えられますので、関節の状態を改善しませんと、根本的な問題解決には結びつきません。いくらマッサージなどしても「その場限り」の改善となってしまいます。

 さて、第3腓骨筋が強くこわばりますと、膝関節でふくらはぎの骨(脛骨と腓骨)が外側後方にはずれ、足首にかけて内側に捻れた状態になると私は感じています。この表現は実際にはかなり大げさですが、解りやすいイメージを思い浮かべていただくためには、適当な表現だと思います。

 細かく説明しますと以下のようになりますが、マニアックすぎると思われる人は、「第3腓骨筋がこわばると膝関節が外側に外れたような状態になって、膝裏が硬く膨らんでしまう」と簡略して理解していただければと思います。

 第3腓骨筋が強くこわばった状態になりますと、ふくらはぎ(下腿)が足首に掛けて内側に捻れるような状態になります。その原因は先ほど申しましたが、外くるぶし(外果)が前下方に引き寄せられた状態になってしまうからです。
 下腿全体を包んでいる筋膜(皮下筋膜)も腓骨(外果)の動きに合わせるように捻れますので、下腿全体を足首にかけて内側に捻れさせる力が働いてしまうからだと考えられます。そして、その反動のように、膝関節の周辺では腓骨頭が後に動くような力が働いてしまいます。つまり、膝関節で腓骨頭は後下方に歪み、さらに後ろ向きの力が働いてしまいます。 
 言葉にするととても解りにくい説明になってしまいますが、結論的に申しますと、腓骨が、足首周辺では前の内側に引っ張られ、膝周辺では後下方に引っ張られるような状態になってしまうということです。普通に考えますと、このような状態は「起こりえない」となりますが、皮下筋膜のバランスを取る働きによってこのような状態になるのではないかと、私は考えています。

 膝関節で、腓骨頭を後下方に歪める力が働くことによって、腓骨頭から大腿骨に繋がっています大腿二頭筋(だいたいにとうきん)短頭にはテンションが掛かります。そして大腿二頭筋短頭は何とか腓骨(腓骨頭)を本来の位置に戻そうとしますので、腓骨を大腿骨の方に引き寄せようとしますが、それによって筋線維がこわばり、太股裏側の外側が棒のように硬くなってしまうことがあります。(実際には大腿二頭筋短頭と外側広筋や大殿筋の一部がこわばります)
 そして膝関節で腓骨頭が後下方に引っ張られた状態は膝裏の深部にあります膝窩筋にも影響を与え、膝裏が硬くなると同時に膨れあがった状態になる原因になります。

第3腓骨筋への施術

 実際、第3腓骨筋のこわばりによって膝関節の裏側が硬く腫れぼったくなっている人の第3腓骨筋は、頑固にこわばっています。
 「どうしてこんなに硬くなるのだろう?」と不思議に思いながら施術を行うこともありますが、長年の、からだの使い方の癖による蓄積なのかもしれません。
 ですから、私はただひたすらにこわばっている第3腓骨筋とその付着部(停止)である外くるぶしから小趾側にかけての硬さをゆるめる施術を行うのですが、施術を受ける側もかなりの痛みを感じてしまいます。

 そして片方15分くらい掛けてゆるめていきますと、外側後方にずれていた膝関節も「しっかりはまった」と感じるようになりますし、内側に捻れていた足首周辺の状態も改善されるようになります。左右両方で30分くらいの痛い施術になりますが、その後は、膝周辺もスッキリして膝裏に凹みが現れるようになります。
 足の着地状態も良くなって「足全体でしっかり立っている感じがする」と皆さん言います。そして「これがこの人の本来の脚の状態だ」と私は感じるのです。
 太くても、細くても、スマートな状態というものはありますし、それが本来であり、魅力的だと感じます。

軟らかすぎる足首の弊害

 今は私のからだも硬くなってしまいましたが、数十年前、運動をたくさんしていた頃の私は結構からだが軟らかい方でした。
 しかし、踵を上げないまま、膝を曲げてしゃがみ込むことはできませんでした。

踵を上げないでしゃがむ

 ところが、写真のように膝を揃えたままの状態で踵を上げることなくしゃがみ込むことが難なくできる人がいます。
 私が若い頃の時代、いわゆる「ヤンキー」と呼ばれていた人達の代表的なスタイルは股を開いて地べたにしゃがみ込む姿でした。しかし、それは両膝が開いているからできるのであって、膝を閉じたまましゃがみ込む人はいなかったです。
 しゃがみ込み続ける姿としては野球の捕手が思い浮かびますし、相撲や剣道で行われる蹲踞(そんきょ)もそうですが、踵を浮かせて、足首にからだを乗せるような状態でしゃがみます。ですから、普通はそうであると私は思い込んでいました。

 踵を浮かすことなくしゃがみ続けていられる人がいることを知り驚いたのですが、そのような人達の多くが膝にトラブルを抱えやすい現実も知ることになりました。
 そのような人達は膝関節が悪いということではないのですが、「しゃがみ込むときに最後まで深く膝を曲げることが厳しい」とか、「しゃがみ込んだ姿勢から立ち上がる時に膝周辺やふくらはぎの外側に痛みを感じる」、「膝がはまっていないように感じ、深く曲げるとツッパリ感を感じる」などの症状を時々訴えることがあります。

 このような状態の時は、第3腓骨筋や長趾伸筋(ちょうししんきん)や小趾外転筋(しょうしがいてんきん)が強くこわばっています。さらに関係する靱帯も硬く縮んだ状態になってしまいます。
 それは踵を上げることなくしゃがむことができ、その姿勢を苦に感じることなく長時間持続することができるので、これらの筋肉や靱帯が収縮しっぱなしの状態になっているからではないかと思っています。筋肉は収縮した状態を長時間持続しますと、こわばった状態になるからです。

 今は昔ですが‥‥、たとえば和式トイレでしゃがみ続けていますと、ほとんどの人は足首に対する負荷に次第に苦痛や居心地の悪さを感じるだろうと思います。ときどき立ち上がって足首を解放するなどして疲労感を和らげたくなるのだろうと思います。つまり、そうすることで第3腓骨筋や長趾伸筋の収縮状態を一端リセットして筋肉がこわばらないようにしていることになります。

 さて、このように踵を上げることなくしゃがむことの出来る人は、そのしゃがみ込んだ姿勢が楽だと言います。
 大工のTさんは、たとでば建築現場での業者同士の打ち合わせの祭、30分くらいであれば平気でしゃがみ続けていられると言います。そして、その姿勢が最も楽だと言うのです。
 ところが、しばしば膝がおかしくなり、ふくらはぎの外側が「張って、張って!」と訴えるようになります。
 「その姿勢が楽かもしれないけど、足首には負担なので、踵を上げないでしゃがみ続けるのは止めてください」と私は申し上げます。
 そして、「蹲踞(そんきょ)のように、踵を浮かせて足首の前面を伸ばすようにしてしゃがむようにしてください。」と申し上げます。
 何故なら、そうすることで第3腓骨筋や長趾伸筋はこわばらなくなり、足首前面の靱帯は縮んだ状態にならないからです。

セルフケア

 第3腓骨筋および長趾伸筋のこわばりを改善するためのケアは、単純にこわばって縮んだ状態になっている筋肉を指圧等で引き伸ばすようにストレッチすることです。
 私は仕事として行っていますので、それぞれの筋線維に的を絞って施術を行いますが、普通の人は長趾伸筋と第3腓骨筋を区分けして把握することはできませんし、自分で自分のふくらはぎを伸ばす姿勢や作業は疲労しやすいとも言えます。ですからある程度的を絞って、外くるぶしの上4~5㎝くらいのところの深部にあります筋肉のコリッとした塊をゆるめるように指圧してください。

 筋肉が強くこわばって硬くなっている段階では、指圧してもほとんど痛みを感じないと思います。しかし指圧を続けていますと硬さが和らいできますが、そうなりますと痛みを感じるようになり、そしてだんだん痛みが強くなると思います。そして、ここからが勝負です。痛いからといって指圧の力をゆるめないでください。
 その痛みは強くなりますが、やがて少しずつ弱まっていき、そしてほとんど痛みを感じない状態になります。ここまでやっていただきたいのです。これで、その部分のこわばりが解消されたことになります。

 次にケアしたい場所は外くるぶしの下から小趾にかけての広い部分です。第3腓骨筋と長趾伸筋の腱が通っている部分になりますが、それらも含めて皮下筋膜も硬くなっています。
 この部分は指圧よりも少し軽めの力で、ぐるぐるマッサージするのがよいと思います。大丈夫な人はゲンコツを握った状態で軽くゴリゴリするようにマッサージしてください。
 その刺激が強すぎると感じる人は人差し指・中指・薬指の指先を使ってぐるぐるとほぐしてください。
 このケアもマッサージを進めているうちに痛みが増えてきて、そして痛みが和らいでいくようになります。ですから、そこまでケアを続けていただくことがポイントになります。

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電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
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 以前にも情報発信したことですが、現在、細々と月2回のペースで整体の勉強会を行っています。
 私は整体の施術は「技術」だとかんがえていますし、私たちの仕事は職人の世界に分類されるモノではないかと思っています。ですから技術力が高まれば、自ずとそれに見合った結果がもたらされると考えています。
 私は「腰痛」を取り扱いますが、医学の世界では腰痛の代表的な病態として腰椎椎間板ヘルニアがあります。そして症状が悪化しますと整形外科的に手術を行ったりしますが、その成功確率=症状が解消される確率は○○%程度などと、確率を持ち出して手術を評価したりしています。
 これは職人(技術)の世界とは違った捉え方です。技術力があれば確実に成功しますし、失敗に終わったとするなら、それは技術力が乏しかったということだと私は考えています。
 私たちのからだには未知の部分がたくさんあります。ですから、一つや二つや、いくつも成功しても、どうしても克服できなくて失敗に終わってしまうこともあります。ですから究極的には、私はいつも技術力不足の状態であり、常に学び続けなければならない状況にあります。

 さて、現在勉強会に参加されている女性から、同業者のある本をいただきました。彼女は私の整体についてよく知っている人ですから、きっと私にも参考になるだろうと思われてくださったのだと思います。
 その本には私の好きな三木成夫先生の話題も登場しますので、興味深く読んでみました。そして「なるほど」と今後の課題にしたくなる新たなテーマも載っていました。
 ところが、思わず反発心が頭をもたげる内容もありました。
 詳細は省力しますが「私たちの骨格の歪み方には決まった法則性がある」といった主張をされているのですが、それが解せませんでした。
 私は長年の経験として、このような歪み方をしている人が多いのは知っています。しかし、反対に歪んでいる例外も少なからず知っています。ですから、「右利き、あるいは右側に重心を掛けている人はこのような歪み方をしている傾向がある」と、そして「もちろん例外もある」と記して欲しかったと、同じ技術者としては思ってしまいます。

 今の世の中は「○○を食べると痩せる」「○○は膝の痛みに効く」などと、興味をそそられる事柄に対して断定的に強く表現した方が受け入れられやすいのかもしれません。皆さんの視線が得られやすいのかもしれません。それは商売としては「是」とされるものだと思いますが、技術系を気取っている私は反発心をいだいてしまうのでした。

ゆめとわの整体に興味がある人へ

 ここからが今回の本題です。
 この新型コロナの自粛期間を利用して、私が行っていて、勉強会で説明している施術についてのサイトを作り始めました。
 私が行っている施術について興味があり、専門家を目指したいと考えている人を対象に作っていますので、専門用語が普通に出てきます。ですから、まったくの素人の人には解りづらいかもしれませんが、興味がありましたが是非ご覧になってください。

ゆめとわの整体 参考書サイト

 私は「理屈は必ず現象として現れる」と考えています。ですから、「理屈のための理屈」や「推論による確率」のようなものは除外しています。

  • 筋肉が痛むのは何故か?
  • 骨格の歪みとはどういう現象を指しているのか?
  • 何をもって骨格が歪んでいるというのか?

 まだまだ入門編しかありませんが、上記のようなことを説明しています。

 また、当初の話題に戻りますが、骨格を観察する技術力がしっかりしていれば、「私たちの骨格の歪み方は○○だ」と決して断定できないことがわかります。
 そして、そのような技術力を身につけたセラピストがたくさん増えることを期待しつつ、私の知っている知識と技術をオープンにしていきたいと考えています。

 日々現場で仕事をしながらですので、掲載の速度は遅いと思いますが、今後は施術の実践について記していこうと考えています。

 なお、筋肉の一般的な説明や、整体に関する一般的な知識等は他の書籍などを参考にしていただきたいと思っていますので、それらは抜け落ちています。

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 今回は頻尿などの症状で苦しんでいた人の話題です。二人の40歳代の女性AさんとMさんの具体例を報告します。

子宮筋腫が大きくなって頻尿になってしまった

 Aさんが来店されたのは2年半ぶりのことです。来店された症状は腰痛で、結局それは軽いギックリ腰でした。久々の来店でしたので、いろいろと話しをしていたのですが、その話題の一つが2年ほど前から子宮筋腫が大きくなり、この半年はちょくちょくトイレに行かなければならないほど頻尿になってしまったとのことでした。
 自宅近くにある温熱療法の治療院で治療を受けると少し症状は緩和するけど、それでも効果は長持ちせず時間が経つと頻尿状態に戻ってしまうとのことでした。

 「子宮筋腫と頻尿は関係あるの?」と質問されました。
 「膀胱と子宮は隣接しているので、筋腫が大きければ膀胱が圧迫されて頻尿になることは考えられますよ」と私は応えまして、「ところで、筋腫の大きさはどのくらいですか?」と尋ねました。
 「だいたい10㎝くらい」とAさん。
 「それは、影響はあるでしょう」と私は言いました。

 「しかし、内臓が下垂していなければあまり影響はでないかもしれない」と私はつけ加えました。
 「そういえば、このところ下腹がぽっこりと出るようになってしまって。」
 「内臓下垂と関係あるの?」とAさん。

 「下腹が出てしまったということは、鼡径部が下がったということなので、内臓下垂につながる可能性がありますよ」
 「そうであれば、鼡径部が上がるように整えることで内臓が上がって筋腫がそれほど膀胱を圧迫しなくなるかもしれません。」「頻尿が改善する可能性は考えられますよ」と私は言いました。

 そして、鼡径部が上がって下腹がスッキリするよう全身を整えていきました。

 「どうして鼡径部が上がると内臓があがるの?」とAさん。
 「鼡径部は骨盤の前面から内臓がこぼれ落ちないように、道路のガードレールのような役割をしているので、鼡径部をしっかりさせることで内臓の収まりが良くなるんです。」「だから下腹もスッキリしてウエストも細くなると思いますよ」
 「また、私たちのからだには『上昇する力』があって、その力を発揮するためには鼡径部や舌が上がっていなければならなくて‥‥鼡径部はそういう意味でも大切なところなんです。」と私は言いました。

 このあと、「上昇する力」についていろいろ問答がありましたが、キーワードとして私はミトコンドリアの働きと鼡径部・舌・喉・足のアーチとの関係などについて応えながら施術を進めていきました。

 施術を終えたとき、まだ頻尿の問題については様子を知ることはできませんでしたが、ウエストが細くなって、下腹が引っ込んだことは実感されていました。そして、腰の状態も非常に楽になったとのことでした。

 その後、一週間ほどして来店された時に様子を伺いましたが、頻尿はかなり改善されていて、職場で午前中は一度もトイレに行かないで済むようになったとのことでした。
 「頻尿になる前とほとんど変わらない感じになった」
 「それまでは15分くらいしか持たない感じだったのでいつもそわそわしていたけど、そんな心配はまったくなくなった」とのことでした。

腰椎の問題で頻尿になり、下腹部に強い不快感

 Mさんの症状は幾つもありました。喉の痛みと不快感、腰痛、極端な頻尿、下腹部~陰部にかけての熱感と強い不快感、火照り、頭痛などです。
 座ることが非常に辛くて、横になるもの辛いので、一日中立った状態で過ごしているとのことです。夜もほとんど眠ることができないので、肉体的にも精神的にもまいっていしまい困り果てている様子でした。

 Mさんは更年期障害に該当する年齢でもあり、火照りや下腹部の不快感など、その影響もあるのかと思いそれなりに対応はしてきたとのことですが、最近になって座っていることが全くできなくなってしまったので、他に原因があるのではないかと考え、私のところを紹介されて来店されました。

 初回は、喉の痛みと不快感が最も気になるということと、全身をリラックスさせたいという要望でしたので、一通り通常の施術を行いました。
 頭痛、腰痛、頻尿、火照り等の症状に対応するつもりで、首肩を揉みほぐすことから始め、腰部では腎臓が膨らんでいましたので腎臓の反射区を刺激したり、骨盤を整えたりしました。
 腎臓が膨らんでいたことから、それが影響して頻尿になっていたのかもしれないと考えたり、全身がカチカチに硬くなっていましたので、血流も悪く、首から上への血流不足なども考えられます。そして、それによって火照りや頭痛といった症状がもたらされたのかもしれないとも考えました。
 また、喉の痛みと不快感は頚椎を整え、甲状舌骨筋など喉周辺の筋肉を整えることで症状は解消しました。
 一通り施術を終えますと、「スッキリして楽になった」ということで帰られましたので、その後、Mさんのことはほとんど気に留めていませんでした。

 ところが、2週間ほどしますとまた来店されまして、「まったく座っていられなくなってしまった」「あの時はスッキリしたけど、しばらくするとまた火照りが始まり、特に下腹部から陰部にかけて火照りが酷く、昨晩、一昨晩と全然眠れなくなってしまった」と仰いました。
 「ただ、腰の下の方を少しマッサージするとちょっと症状が落ち着くので、腰とか骨盤とかが関係しているのでは?」とも仰いました。

 そこで、今回は腰部に着目して施術を行うことにしました。
 細かく骨盤と腰椎を観察していきますと、第5腰椎が少し前方にすべっているのが確認できました。(正確には第4腰椎と第5腰椎の関節部分が前方に落ち込んでいました。)そして仙骨が後方にずれていて更に後傾していました。
 「これが原因かな~?」と疑いを持ちながら、いろいろ様子を探っていきました。

 そうであれば、下腹部から陰部にかけての火照り(熱感)や不快感は神経異常の症状であるとも考えられます。極端な頻尿も神経の働きがおかしくなっていることが原因なのかもしれません。
 また、座っていることができないという症状も、第4腰椎~仙骨にかけての不安定さが原因である可能性があります。骨盤(仙骨)と背骨(腰椎)との接点が不安定で、骨盤に上半身を乗せることが耐えられないと考えることができます。
 このようなことを思いながら、腰椎と仙骨の状態を修正する施術を行っていきました。

 ところで、Mさんの下半身は内股状態です。太ももが内側に少し捻れているのですが、それは子供の頃からの体型だということです。

 ところで、腰椎と大腿骨は大腰筋を介して直接的な関係があります。大腰筋は腰椎の椎体を起点(起始)として大腿骨の小転子というところにつながっていますので、内股で大腿骨が内側に捻れている状況は大腰筋をこわばった状態にします。
 つまり太ももが内側に捻れた内股状態の人は大腰筋がこわばってしまい(=収縮状態)、腰椎を前下方に引っ張っている状態になっている可能性があります。
 ですから、まず内側に捻れている大腿骨の状態を正すことから施術を始めました。
 大腿骨を内側に捻る(内旋する)働きをする筋肉には大腿筋膜張筋と小殿筋がありますが、それらの筋肉は強くこわばっていました。ですから、そのこわばり状態を解消するために多くの時間を足裏や踵や足首周辺の施術に費やしました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋のこわばり状態が弱くなるにしたがって、前方に落ち込んでいた腰椎が少しずつ少しずつ後方に戻ってきましたので、この施術が正しい方向性であることはわかりました。

 大腿筋膜張筋と小殿筋の状態がある程度改善しましたので、次に仙骨が後傾している問題に取り組みました。
 Mさんの仙骨は単に後傾しているだけでなく、後方に出っ張った状態になっていました。ですから第4腰椎と第5腰椎の関係だけでなく、第5腰椎と仙骨の関係も悪かったわけです。
 骨盤内の臓器に対する神経は仙骨から出ていますので、仙骨の状態を改善することで膀胱の働きや下腹部から陰部に掛けての感覚異常などにも対応できるかもしれません。そのように私は思いました。

 仙骨の整え方は、実際いろいろ複雑でしたのでここでは説明を省略しますが、頚椎や頭部からの影響もありました。
 60分間、ほとんどの時間を腰椎と骨盤の調整に費やしましたが、前方に落ち込んでいた腰椎、後方に出っ張り後傾していた仙骨などはすっかり整いました。
 そして、ベッドに座っていただいた状態で、5分間くらいいろいろ微調整を行っていました。そしてその後、座っている間の様子を伺いました。
 「座っていることの辛さはまったく感じないし、違和感も火照りも感じない。ごく普通な感じです。」という返答でした。
 一応、症状の原因に対する予想も正しかったようで、思惑通りの結果は得られました。

 そして、第4腰椎と第5腰椎のこと、内股で大腿骨を内側に捻る筋肉が硬くこわばっていることなどが主な原因であることを伝えまして、「もし、また違和感などを感じるようになりましたら、太ももを外側に捻るようなストレッチを行ってください。あぐらをかいてしばらく座ってみるだけでも症状は緩和されると思いますよ。」とアドバイスして施術を終えました。

神経と血流について

 子宮筋腫ができてしまう理由、そして筋腫が大きくなってしまう理由については未だ原因が明確ではないようです。女性ホルモンの分泌には関係性が見られるようですが、はっきりしないことも多いようです。ところで、私は若い女性に子宮筋腫に限らず婦人科系の病気が目立つのが気になっています。
 女性ホルモンは卵巣が分泌しますが、そのコントロールは脳で行っているとされています。脳下垂体から血液の中に分泌される性腺刺激ホルモンが卵巣に届いて女性ホルモンが産生さる仕組みになっているとのことです。
 ですから、血流は重要です。脳と卵巣との間の血流状態に問題がありますと、女性ホルモンの分泌に問題が生じると考えることができるからです。

 また、子宮や膀胱、骨盤内臓物に関係する神経としては自律神経の骨盤内臓神経(副交感神経)と随意神経の陰部神経(感覚神経と運動神経)がありますが、どちらも仙骨(仙髄)に深く関係しています。
 そして神経というのは、神経管(ファイバー)とその中で働く神経伝達物質で構成されていますので、神経管も神経伝達物質もどちらも重要です。
 神経管を養うために動脈が伴行していますので、神経の働きという面でも血流は重要ということになります。

 Mさんが感じていた下腹部から陰部にかけての熱感や不快感は陰部神経の異常状態が原因だったかもしれません。
 腰椎が前に落ち込んだことで神経管が圧迫されて内部の神経伝達物質の働きがおかしくなったのかもしれません。あるいは正座をし続けるとやがて血流が途絶えて脚がしびれだしますが、同じような原理で感覚神経である陰部神経の反応がおかしくなったり、骨盤内臓神経が異常状態になったのかもしれません。

 私にはどちらが本当の原因かを判断する能力はありませんが、いずれにしても血流を邪魔する要因を除去して血液の流れを改善することは必要不可欠です。また、神経管を圧迫するような要因を除去するために、骨格を整えることも大切だと考えることができます。

内臓下垂を改善する‥‥鼡径部の大切さ

 Aさんに話題を戻しますが、Aさんの場合は子宮筋腫が大きくなって膀胱を圧迫しているために頻尿になってしまったという可能性が考えられました。子宮が大きくなる現象としましては妊娠があります。妊娠初期にはやはり膨らんで大きくなった子宮が膀胱を圧迫するために頻尿になったり、残尿感が残ったりする症状が現れると言います。ところがある時期を過ぎますと、子宮が膨らむ向きが上方(お臍の方)になるので、膀胱への圧迫が消えて頻尿や残尿感の症状が消えるということです。
 ですから、同じ理屈で考えますと、たとえ10㎝大の子宮筋腫であったとしても、その向きが上方に向かうようであれば膀胱への圧迫は改善すると考えることができます。

 胃下垂は内臓下垂の代表的な症状ですが、小腸が下垂して骨盤内臓物を圧迫する状況もあるかと思います。鼡径ヘルニア(脱腸)はその典型例ですが、妊娠が進んで子宮が大きくなり、鼡径部を圧迫して鼡径ヘルニアに近い状態になった妊婦さんをケアしたことがあります。
 その人は足首周辺が静脈瘤状態でしたが、体表の筋膜(皮下筋膜)がゆるんだ状態になっていて、鼡径部も下がった状態になっていました。お腹が大きいのに、加えて鼡径部も下がっていましたので、お腹が骨盤からはみ出てしまうような状態でした。私はひたすら筋膜の状態を整えることと、鼡径部を上げることの施術に専念していました。何回かの施術で鼡径部も安定し、鼡径ヘルニアに近い状態も足首周辺の静脈瘤も改善して無事出産されましたが、そのときに鼡径部の在り方は内臓の収まり方にとって大変重要だと知ることができました。

 Aさんに対しては鼡径部が上がるような施術も行いましたが、おそらくそれによって内臓全体の収まりが改善したので、筋腫で膨らんだ子宮が膀胱を圧迫する状態も改善されたのではないかと思います。
 女性で下腹が出ていることが気になっている人も結構いますが、それは「脂肪がついた」というよりも鼡径部が下がって内臓下垂の状態になっている方が多いのだと思います。
 ですから、鼡径部が上がるように調整することで、スタイルに対する悩みはけっこう解決できるのではないかと思っています。
 鼡径部の上げ方については、これまで幾度かブログに記してきましたので、そちらを参考にしていただくのもよいですが、ちょっとセルフケアでは難しいかもしれません。

足つぼ・整体 ゆめとわ
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 呼吸に関係する筋肉と骨格の動きについて、今一つ理解できないので説明して欲しいという要望がありました。
 横隔膜が腹式呼吸の要であることは理解されているようですが、息を吸ったときに腹筋がゆるむということに合点がいかない様子でした。
 ですから、今回はその方の疑問に応える内容ですが、皆さんの参考になれば幸いです。

吸気と呼気

 呼吸は吸気と呼気の組み合わせのことですが、息を吸う過程は吸気であり、息を吐く過程は呼気です。
 一般に言われている「呼吸」は肺呼吸、または外呼吸のことですが、肺に空気を取り入れる運動と肺から空気を吐き出す運動であるとも言えます。

 ところで、私たちの肺にはほとんど筋線維は存在しないと言われています。ですから、肺は自身の力で膨らんだり縮んだりすることはできません。周辺筋肉の働きや骨格の変化に依存して膨らんだり縮んだりしています。

 肺の周辺骨格は胸郭であり、肋骨と背骨でできている籠のようなものですが、胸郭の底面には胸部(肺と心臓と食道)と腹部の境界となる横隔膜があります。
 横隔膜は筋肉ですが、弛緩しているときは天井が高くなったドーム状の形をしています。そして収縮しますと天井が降りてきて平らに近づく仕組みになっています。

 肺活量の高い人は肺の中に5000cc以上の空気が入りますが、からだの大きさをほとんど変えることなく、どのようにしてそれだけの空気を肺の中に取り入れるのかは、ちょっとした人体の不思議です。

横隔膜と肺の容量

 さきほど横隔膜が胸部と腹部の境になると申しましたが、胸郭内部の容量を拡げる一つの方法は、横隔膜を収縮してドーム状になっている天井を下げることです。
 単純に考えますと、それによって肺が下の方に拡がることができますので、その分だけ空気を取り入れることができるようになります。
 また、横隔膜に接している胃や肝臓は圧迫されてお腹が前に膨らむようになりますが、これはこれで重要な意味があります。

胸郭(肋骨)の動きと筋肉

 肺を膨らませる方法のもう一つは胸郭の容積を増やすことです。
 そして、その具体的な方法は胸郭の厚みを増すことです。

 胸郭を形成している肋骨の間には外肋間筋と内肋間筋があります。外肋間筋は収縮することで下位の肋骨を引き上げる働きをします。そして、内肋間筋は収縮することで上位の肋骨を下方に引き下げる働きをします。



 上図の左図のように通常時胸郭を形成している肋骨は腹側に向かって斜め下向きの状態になっています。
 吸気の動作に移ったとき、外肋間筋が収縮して下位肋骨を引き上げますが、外肋間筋の筋線維は斜め前方に向かって走っていますので、収縮することで下位肋骨を斜め後方に引き上げるようになります。ですから、上図の中央図のように斜め下方に向かっていた肋骨が平らに近い状態になります。つまり、胸郭の厚みが増すようになるのですが、それは胸郭が拡がることを意味します。

吸気動作‥‥横隔膜と胸郭運動の合わせ技

 胸郭の厚みが増して胸郭が拡がることと、横隔膜が下がることの両方で胸郭内の容積が大きく増えるようになりますので、肺の中に空気がたくさん入るようになります。
 ただし、胸郭と骨盤との間には腹筋群がありますが、吸気の時に腹筋が弛緩伸張しませんと外肋間筋が頑張っても肋骨を引き上げることができなくなります。
 ですから、一連の吸気動作の中で腹筋の状態も重要な要素になります。

胸式呼吸‥‥胸鎖乳突筋と斜角機と小胸筋

 また、胸郭を引き上げる働きを行う筋肉には胸鎖乳突筋、小胸筋、斜角筋などがあります。解説書などによりますと、これらの筋肉は「吸気動作を補助する」となっている場合もあります。
 そして、胸鎖乳突筋は鎖骨と胸骨を、斜角筋は第1~第2肋骨を、小胸筋は第3~第5肋骨を引き上げる働きをしますので、一般に言われている「胸式呼吸」を行う働きに関係しています。

 瞑想とか、ヨーガとか、その他の修行的な呼吸法は別にして、ごく普通の日常生活を送る中では、胸式呼吸も腹式呼吸もどちらも重要です。
 ですから「どちらを優先させるように呼吸をしたら良いか?」という問いや発想は意味のないことだと私は考えています。

 私たちは言葉を喋りながら無意識に息継ぎをしますが、その時は腹式呼吸ではなく、瞬時に胸郭を引き上げて必要量だけ空気を吸い込む胸式呼吸が主体になります。その意味で、胸式呼吸は大切です。
 たとえばカラオケなどでテンポの速い歌を歌うときには、瞬間的な息継ぎが必要ですが、胸式呼吸が上手くできない状態ですと息苦しくなったりリズムについて行けなくなったりします。
 高齢者が伴奏のリズムと合わなくなってしまうのは、リズム音痴になったというよりも、思っている具合に胸式呼吸ができなくなってしまうからかもしれません。

腹式呼吸‥‥横隔膜が要

 椅子に座って休んでいるときや、横になっているとき、寝ているときなどは腹式呼吸の重要性が増します。
 腹式呼吸の要は横隔膜の運動になりますが、その収縮と弛緩の波(リズム)は全身のリズムにつながります。そして、そのリズムが足先、手先、頭部まで拡がることで骨格筋はそれに合わせてゆるやかに収縮し、また弛緩します。
 それは全身の波動を形成しますし、マッサージ効果をもたらします。ですから腹式呼吸がスムーズに行われることによって疲労回復やリラクゼーションが実現すると考えることができます。
 からだは、朝目覚めたときに本来は疲労が取れてスッキリしているはずですが、目覚めたときからからだが重くて疲労感を感じるようであれば、それは腹式呼吸が上手くできていないからかもしれません。

横隔膜の運動と内臓の関係

 また、横隔膜は収縮することで胃や肝臓や大腸(横行結腸)を圧迫しますが、横隔膜が弛緩することでこれらの臓器が圧迫から解放されます。
 この圧迫と解放をゆっくりと繰り返す状況は胃や大腸の運動につながる点で大切ですし、特に肝臓にとっては重要です。肝臓は静脈系の臓器です。ですから、周りの筋肉などの力を借りて内部の血液を動かしています。
 私たちの食べた栄養などは小腸で血液の中に吸収されますが、その栄養などを含んだ血液が肝臓に送られます。血中の有害物質は肝臓の中で解毒され、栄養物質は様々な化学変化を受けて私たちの細胞活動にとって必要な物質に変換されます。そしてその即戦力と化したエネルギーの高い血液が心臓に還り、動脈に乗って全身の細胞に分配される仕組みになっています。
 ですから、肝臓で処理された血液は速やかに心臓に還る必要があるのですが、先ほど申した通り肝臓は静脈系ですから、他の力に依存して血液を循環させなければなりません。そして、この時に横隔膜の収縮・弛緩による圧迫と解放が役立つことになります。
 それは乳搾り(ミルキングアクション)と同じ原理です。圧迫を受けたときにギュッと絞られ、心臓に向かって血液は送り出されます。ですから、肝臓の働きにとって腹式呼吸による横隔膜の運動はとても大切であると言うことができます。

 川などで水の流れが停滞しますと、澱んで害虫が発生したりします。ですから、清潔を保つためには水は常に流れていなければなりません。
 血管や臓器の中を流れる血液も同様に考えることができます。速度は別にして、血液は常に流れている必要があります。肝臓の中の血液はとてもゆっくり流れていますので、ちょっとしたことで流れが停滞してしまうと考えられます。ですから、尚更肝臓の働きに関係する横隔膜の運動には注意深くあるべきだと思います。
 そして、横隔膜を良い状態に保つためには、呼気の在り方が重要です。

呼気の重要性と筋肉

 肺呼吸における肺の働きで最も重要なことは、静脈血の中にある古い炭酸ガスを体外に放出して新しい空気から酸素を取り出して動脈血の中に吸収するガス交換を行うことです。
 ですから、炭酸ガスを含んだ古い空気は全部体外に出したいとです。肺の中に炭酸ガスを含んだ古い空気が残っていますと、肺の健康にとっても良くありませんし、ガス交換の効率を悪くしますので、なるべく古い空気は残したくありません。
 そして、そのためには呼気をしっかり行う必要がありますが、吸気時に収縮した筋肉が今度は弛緩・伸張する必要があります。
 つまり、横隔膜、小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、外肋間筋などです。

 ところで、たとえば歯ぎしりや噛みしめの癖を持っている人は胸鎖乳突筋や斜角筋が常にこわばった状態になっています。ですから上手く弛緩伸張できませんので、しっかりとした呼気動作を望むことができなくなります。
 あるいは、パソコン業務やスマホ操作などで母指をたくさん使っている人は外肋間筋がこわばっている可能性が高いので、いつも息を吸っているのと同じ状態になっている可能性があります。
 これらの人は内肋間筋を働かせて肋骨を下げ、胸郭を薄くして容積を減らそうとしても、なかなか思うようにいきません。
 また、お腹が冷えているなどの理由で腹筋の働きが悪い状態ですと、やはり胸郭を下げることができませんので、「最後まで息を吐く」ということができなくなってしまいます。

 苦しくなるまで息を吐き出しますと、何も考えなくても反動として空気はたくさん肺に入ってきます。それが私たちのからだの自己防衛能力です。
 ですから、呼気が上手く出来ない人に対しては、「吐ききったところから、さらに吐いてください! 腹筋を絞るように吐ききってください!」という練習をしてもらっています。
 呼吸が上手くできないと自覚している人は、「呼吸」は息を吸うことから始めると思っていますが、そんな人はまず吐くことから呼吸を始めるようにするのがよいと思います。「吐けば自ずと空気は入ってくる」、これが自然な在り方です。

 こういう練習を毎日繰り返していますと、次第に腹筋の働きも良くなり、胸が下がるという感覚が理解でき、やがて首肩や顎などから力が抜けるようになると思います。


 以上、呼吸運動に関して筋肉の働きと骨格の変化を中心に説明した来ました。
 しかし、心臓の拍動と同様に、呼吸とは生命体としての根本ですから、本来は何も考える必要のないもののはずです。理屈を考えながら呼吸を行うこと自体がおかしなことであり、現代社会に生きる私たちは、そのくらい自然界から逸脱してしまっているのかもしれません。
 

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 新型コロナウイルスの影響が長引く中で、多くの人が長い時間マスクを装着しています。ほとんどのマスクは、耳にゴムを引っ掛けて装着するタイプですが、それによるからだへの負担と弊害、そして、日々のケアについて説明させていただきます。

マスクを着けると頭がボーッとする

 もう花粉症の時期も終わりに近づいていますが、毎週来店されているMさんが2月初旬から花粉症対策のためにマスクをつけ始めていました。
 そして、来店されると「マスクをつけると何となく頭の中がボーッとするようで‥‥。」と仰いました。
 「それはマスクのゴムに耳が負けてしまっているんです」と私は答えました。
 「???」と、たぶんMさんは思われたと思います。

 ところで、軽い難聴や軽いめまいなどを訴える人には、耳が本来の位置よりズレていたり、あるいは「耳が取れそう」と私が感じるくらい耳のつけ根がゆるんでいることがあります。
 「耳が取れそう」という状態を言葉で説明するのは非常に難しいのですが、当人は耳を軽く引っ張られただけでも不安感を感じたり、不快感を感じたりする状態だと表現できるかもしれません。

 このような状態のときはマスクのゴムといった軽い刺激ですら、からだは嫌がります。そしてその「嫌!」という反応がMさんの場合は、頭の中がボーッとする状態だったのです。

 この時は、私はMさんの頭部周辺を施術して、耳がしっかりと安定した状態になるようにしました。そうすることで、外出時に装着する程度の、マスクのゴムの刺激であれば問題が無い状態になったと思います。
 その後も毎週来店されていますが、その時以来、この話題は一度も出ませんし、今も尚、新型コロナ対策でマスクを装着していますが、特に問題は感じていないようです。

頬がたるんで口角がさがり、口元に力が入らない

 顔を整える目的で定期的に来店されているSさんは、新型コロナのこともあってか、しばらくご無沙汰でしたが一月半ぶりに来店されました。
 そして、「口元がたるんで、ほうれい線が目立つようになって‥‥。それを直して欲しい」と仰いました。

 Sさんは終日パソコンを使う仕事に従事していますが、眼精疲労や座り続けることの弊害などがあって、顔が下がり、目元がこわばりやすいといった状態になりやすいタイプです。
 ですから、顔の問題とはいえ、全身を整える必要がありますので、今回も同じように施術を行っていきました。

 施術内容は毎回同じような感じなのですが、顔の下がりも改善して良い状態になりました。しかし、今回は口元を中心に頬や口角の筋肉が腑抜けのような感じで、垂れたままの状態に残ってしまっていました。

 「何か変だな?」と思いましたので、
 「頬の状態が戻らないのですが、何かいつもと違ったことでもしましたか?」
 「たとえば、エステで超音波をしたとか、電気を掛けたとか?」
 と尋ねました。
 「いえ、別に何もしていないし、思い当たることもないですが‥‥」という応えでしたが、
 「マスクをしているときが酷くなるのですが、口元に力が入らなくなり、ダラーッと垂れてしまうようで‥‥」とも仰いました。

 それを聞いてすぐに「これ(マスクのゴム)が原因だ!」と私は思いました。
 そこで、両耳の状態を確認してみました。
 先ほどのMさんのように「耳がゆるんで取れそう」という感じではありませんでしたが、ちょうどマスクのゴムが当たる耳たぶと頭との境辺りの筋膜がゆるんだ状態になっていました。
 そして、その筋膜のゆるんだところに手を当ててケアをしていますと、次第に口元や頬の筋肉に張りと力感が戻ってきました。

 SさんはMさんと違って、耳が不安定な状態ではありませんでしたが、仕事と通勤の長い時間にわたってマスクを装着し続けていますので、ちょうどマスクのゴムが当たり続けている部分の筋膜が疲弊した状態になってしまったのだと思います。
 そして、その影響で頬から口元にかけての筋肉と筋膜の働きが悪くなってしまっていたのです。
 私はその疲弊してしまった部分に3分くらい手指を当て続ける施術を行っていましたが、それで頬や口元の状態は良い感じに戻ってきました。

 この新型コロナの問題でマスクを装着しなければならない状況はまだまだ続くと思います。ですから、日々のセルフケアとして、寝る前に2~3分間、自分でそっと手を当てるケアをするようにアドバイスしました。
 「どこに、どのように手を当てれば良いですか?」とSさんは質問されました。
 「適切な場所と深さに手指が当たれば、ゆるんだ口元がしっかりするように感じますので、そうなるようにやってみてください。」と私は応えました。
 そして、「口元や頬を一生懸命マッサージなどしてもまったく無駄ですし、かえって逆効果になってしまう危険性もあるので、耳と頭の境のその部分だけケアしてください。」と申し上げました。

 今回は耳に掛けるマスクのゴムの弊害について、MさんとSさんの例で説明させていただきました。
 Mさんは耳の位置がずれていて、耳と頭のつき方が不安定なことが原因でした。ゴムによって耳が前に引っ張られた状態になりますと、からだはそれを不快に感じ、頭の働きが悪くなってボーッとする反応を呈しました。
 Sさんの場合は耳の状態に問題があったわけではありません。しかし、マスクのゴムという軽い圧迫ではありますが、それが長時間にわたって同じ場所に加わり続けたことによる弊害が現れました。その部分の筋膜が疲弊した状態になり、その影響で顔の表情筋や筋膜の働きが低下していしまい、頬が下がり、口元がゆるんでしまうという症状が現れました。

 私たちのからだは、このように思い掛けないことの影響で、不調を感じたり不具合を呈することがあります。
 そして、このような話題になりますと、「どの枕を選んだら良いのか迷ってしまう。」「枕を変えたばかりの時は調子良いんだけれど、使い続けているとやっぱり合わなくなってしまう。」という皆さんの話題をいつも連想してしまいます。
 それは枕が合わないのではなく、枕に当たっている面積が大きいと、その部分の筋膜が疲弊してゆるみ過ぎた状態になってしまい、圧迫に耐えられなくなって首や肩に力を入れて頑張ったり、歯ぎしりや噛みしめて頑張ったりしてしまうのだと思います。ですから、寝ていてもリラックスできなくて、それが辛いのだと思います。
 私たちのからだは寝たときに後頭部が枕(床)に当たるように出来ています。首は床に接触しないようになっています。ところが健康に良いとされている現在流行の枕は、首をサポートするという理屈で首に当たる面積がとても大きくなっているようです。
 少しの時間であれば、首がサポートされることの有益性が感じられると思います。しかし、その枕を使い続けていますと、やがて首の筋膜は枕からの圧や摩擦によって疲弊した状態になってしまうと思います。そしてやがて圧や摩擦に耐えられなくなり症状が現れるのだと思います。つまり、「床ずれ」と同じような感じです。
 そう考えますと、首はフリーになっている状態が好ましく、寝返りができやすい状況が好ましいと考えることができます。枕や床と接触していることが嫌になったらすぐに寝返りができて、頻繁に接触面を変えることができれば、皮膚も筋膜も疲弊することはありませんので。

 話しをマスクの話題に戻しますが、コロナに関係してまだまだマスクが必要な状況は続きます。
 Sさんのように長時間マスクを装着し続けることで色々な弊害や症状がもたらされる可能性は高いと思います。今回の話題が皆様の参考になれば嬉しいと思っています。

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