ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 私の暮らす町は神奈川県小田原市の北部で「片田舎」と表現できる場所かもしれません。現在は都心まで通勤できる交通手段もありますが、田んぼや畑がたくさんあり、お年寄りの方もたくさんいます。  
 高齢者の皆さんはとても人が良く、おそらくテレビ報道や病院(医師)の言うことにはほとんど疑問を持たない人たちばかりだと思います。

 私は整体師として仕事をしていますが、ワクチン接種をした方々のほとんどが左肩(三角筋)に問題を抱えていることがとても気になっています。
 利き手と反対の三角筋に注射されていますので、肩や腕に違和感を感じたとしても普段の生活ではそれほど不都合を感じないようです。ですから「まさか注射針が原因だとは‥‥」と皆さんが反応されます。

 先月中旬以降、高齢者に対しては7回目の接種が行われているようですが、三角筋の損傷状態が原因となってからだに不具合が生じてしまった高齢者が毎日のように来店されます。

 本日来店された女性は7回目の接種を一週間前に受けたということでした。毎月2回定期的に来店されている方ですから、からだの様子は十分にし知っています。ところが、本日はこれまで一度も訴えたことのない症状でした。歩くと左股関節が痛むもので、本人は「地べたに座った状態で草取りをしていたのが原因かな?」と仰いました。
 からだを観察していきますと、左側下肢の長内転筋が強くこわばっていました。そして、それが原因して恥骨筋がゆるんでしまい、股関節がズレた状態になっており、それによって歩行時にかかる荷重が耐えられない状態でした。
 結局のところ、左肩の三角筋後部線維が損傷状態(ゆるんでいる)になっていたために左腕の上腕筋が強くこわばってしまい、その筋連動によって内腹斜筋―長内転筋がこわばっていたのです。
ですから、私は損傷状態にある左三角筋後部線維のところを回復させるように施術を行いました。そして、それで股関節の問題も解決して歩行時の痛みも消失しました。

 高齢者ではありませんが、7月にワクチン接種をしたという50歳くらいの男性が手首の腱鞘炎と左肩の痛みで来店されました。
 結論を申しますと、この男性も左肩三角筋の損傷が大元の原因でした。つまりワクチン注射の針です。(この男性は3回目まで接種)
 最初は左肩の違和感から始まり、その違和感が次第に強くなり、胸の方まで硬くなって左腕の置き場が定まらず夜中は何度も寝返りを打つようになってしまったと言うことです。本人はその寝返りが原因で左肩と左腕おかしくなり、そして手首の腱鞘炎になってしまったと思っていたようです。
 左手首の腱鞘炎に関しては、左腕の使い方に不自然さが生じ、それが蓄積した感じで筋肉のバランスが崩れて手首周辺の骨格が歪んでしまっていたのが原因でした。手指の動きに関係する筋肉を調整してバランスを回復させることで腱鞘炎もその場で解決しました。

 その他にも、ワクチン注射の針が三角筋の損傷状態を招いてからだに不具合が生じているケースはたくさんあります。
 ゴルフのスイングがおかしくなって膝や足首周辺の負担が増えたり、洗濯物を干そうとしても肩(腕)が上まで上がらなかったり、五十肩のような症状を呈したり、顎が歪んで顎関節症になってしまったり、急に左首~肩にかけての張りが強くなったり、本当に症状は多岐にわたります。

 ワクチンを接種する側の医師や看護師は「三角筋の損傷」など気にしていないかもしれませんが、整体的な観点で重要なポイントです。三角筋の筋線維が損傷状態になりますと、腕が肩からぶら下がったような状態になり、腕が重たく感じます。それが違和感として感じられるのかもしれませんが、その状態を放置していますと違和感が症状に変わり、そして不具合に変わるという具合に進んでいきます。
 そこまで把握していただき、丁寧に、筋線維を傷めないように気を使いながら注射針を挿入していただきたいと願います。

それにしても、この2年半で7回も接種しなければならないワクチンと、その注射針の損傷という現実は、普通に考えると「異常事態」ではないでしょうか。

 以前にも少し触れましたが、整体的観点でのワクチン注射の絵以外について改めてお伝えしたいと思います。

 ワクチン注射は肩関節近くの三角筋に打つ筋肉注射ですが、それは筋線維を傷める可能性がかなり高いようです。 私の近くのクリニックでは現在、6回目の接種が行われていますが、注射針を同じ筋肉に6回も接種すれば、筋線維が損傷状態になる可能性はたかく、いろいろな弊害が生じることは当然のことだと私は思います。 利き手とは反対側の肩に注射しますので、腕を高く上げる動作などしなければ筋肉がおかしいことは認識しづらいので、あまり話題にはのぼらないようですが、実は皆さん、確実におかしな状態になっていると私は認識しています。

「洗濯物を干すのがしんどくなった」との訴えはかなり多くあります。高齢者の人は「歳のせいで筋力が弱ったからかな?」と思っている人が多いようですが、ワクチン接種したところにピップエレキバン(80)を正確に貼ると症状は改善しますので、注射針の影響だとわかります。「ゴルフで飛距離が出なくなった」という訴えもありました。注射針を刺した三角筋(後側が多い)がゆるんでしまうので、スイングスピードにも影響が出る他、ボールに当たるインパクトがピシッといかず力が抜けたような感じになってしまうようです。

注射針に弱い人は不可解な症状も

体質的に注射針に弱い人もいます。その方の症状は少し不可解でした。顔の右側が押し込まれたようになっているとのことでした。右顎も、右目も、右耳も全部潰されているような、ギューッとした感じになっていると訴えました。観察しますと、私は以下のように感じました。頭蓋骨に対して中身が右側に寄っているような、つまり頭蓋骨の左側には隙間があって、右側に寄っている分、脳も口(口腔)も頭蓋骨に納まっている器官や組織が頭蓋骨の右側にぶつかってせき止められているような、そんな感じです。「中身を左側に戻せば、いろいろな症状は消失する」と感じました。そして、何処かに中身を戻せるポイントがあるのではないかと、探しました。その結果たどり着いたのが、左側の腕のつけ根辺りから左胸にかけての腑抜けのような感じの部位です。そして、その時に「もしや三角筋では?」と思い、「ワクチン接種は何回しましたか?」と尋ねました。「3回」と答えが返ってきましたので、左側三角筋の損傷部位をさがしました。肘を曲げた状態で腕を真横に水平挙上ができませんでした。この状態は三角筋中部線維に問題があることを示しています。次に、肘を曲げた状態で腕を後方に引くようにしてもらいました。これは三角筋後部線維の状態を確認するためのテストです。ワクチン接種をしていない右腕を後方に引きますと、三角筋が収縮してグイッと腕が引けるのが本人の自覚として確認できます。ところが問題の左腕の場合は、腕のつけ根に力が入らず右腕のようにはできません。それでも無理して引こうとすると首の筋肉に痛みが出てしまいました。三角筋後部線維にも損傷があることがわかりました。

 そこで常套手段ですが、損傷状態のところに貼って使うダイオードを3ヶ所貼りました。三角筋中部線維に1ヶ所、後部線維に2ヶ所です。 それによって左腕から左肩の問題は改善しましたが、同時に左首の張りもとれ、困っていた顔面右側の症状も一気に解決しました。左三角筋の状態が回復したことによって頭蓋骨の中で右側に寄っていた中身が本来の位置に戻ってきたのだと思われます。

 「ここまで影響が強いとは?」と内心思いました。 それぞれの体質や体力の状態によって異なるとは思いますが、注射針が合わない人(ちなみに本人には合わないという自覚はないかもしれません)の場合、こんなような不快感を味あわなければならない状況にまでなってしまうのですね。 さて、「頭蓋骨の骨と中身がズレている」と言われても、どんな状態なのかほとんどの人には理解できないと思いますし、ほとんどの人は信じないかもしれません。しかし、整体の現場ではしばしば出会す症状なのです。 そして「なんとなくわかる!」と実感として理解できる人もいるかと思いますが、「そんなことお医者さんに言っても信じてもらえない!」という、正にそのような症状は実在しますし、改善する方法もきっと見つかります。

 脳が後方にズレているような状況では、目がショボショボしたり、見えづらかったり、眼圧が高くなるような影響もありますが、この状態は頻繁にみうけれらます。

おすすめ

 ワクチンを1年に何回も接種すること自体、異常だと私は思いますが、どうしても接種するのであれば、注射針を刺した心に速やかに弱いピップエレキバン(80番を推奨)を貼ってください。 若い成長期にある人たちは新陳代謝が活発な分、自己治癒力も旺盛なので、時間とともに注射針の影響は消失するかもしれません。ところが中高年以降は自然治癒力は弱いので回復までに時間がかかるか、あるいは完全には回復しないかもしれません。高齢者であれば尚更のことです。 その完全ではない、つまり損傷状態のときに動作を行って筋肉を使いますと、状態が悪化することが予想されます。もしかしたら、注射針が原因で五十肩になってしまうかもしれません。 この状況を防ぐためには、私はすかさずピップエレキバンを貼ることをおすすめします。 そして、現に1回目の接種では接種後しばらく辛かったが、エレキバンを使った2回目以降は「全然大丈夫」という人がいます。 エレキバンは手軽ですから、強くおすすめします。    

 バレエ(踊り)をされている50歳代の女性の方ですが、左側股関節の安定と力感が乏しく、プリマが心地良くできなくて不安定だと言います。
 その直接的な原因は大腿骨を外旋する働きをする筋肉の一つ、大腿方形筋の働きが悪いことです。

大腿方形筋の働き

 大腿方形筋は手首を内側に捻る方形回内筋と連動関係にありますが、左側の方形回内筋も働きが悪い状態で、その働きを回復させるように操作しますと大腿方形筋の働きも良くなり、プリマが安定してできるようになります。

大腿方形筋と連動する筋
  「どうして方形回内筋の働きが悪くなったのか?」が解ると根本的な対策ができます。
 前腕→上腕→腋窩(脇の下)と観察していきますと、腋窩のところで上腕二頭筋(短頭)がゆるんでいてタルタルな状態でした。そして脇を絞って上腕を体幹に引き寄せる動作が上手くできませんでした。そしてその原因は大胸筋肋骨部(腹部)線維が損傷状態になっていて収縮できないからでした。
 
 「ここが損傷しているようですが、過去に何かありましたか?」と尋ねますと、乳がん検査で細胞を採取するために乳房脇から太い注射針を刺したことがあると仰いました。……結局、それが根本原因でした。
 注射針を刺したところは今でも圧痛がありました。大胸筋の損傷部位が回復していないのです。
 ピップエレキバンの「80」を損傷節に貼りました。しばらく貼り続けることで損傷部位が少しずつ回復していくこと促しました。
 
〇今、左肩~腕にかけて力が入らなかったり、違和感を感じたり、腕が上がらなかったりする症状が続出しています。
 それはワクチン注射による三角筋の損傷によるものです。筋肉に注射針をブスッと刺すことは丁寧に行わなければ、筋線維を傷めます。

 私たちのからだは体幹と四肢で成り立っています。体幹は骨盤~背骨~頭部という骨格と関連する筋肉のことであり、四肢は上肢2つ(左右の腕~手)と下肢2つ(脚~足)です。
 整体的な観点で言いますと、体幹が歪んだりおかしくなりますと全身的に機能が低下します。腰痛や首・肩の痛み、頭痛などの症状はこの一部ですが、体幹が歪んだりおかしくなる原因の多くは四肢の問題によるものです。平たく言いますと、手先や腕、足などの使い方やそれらの筋肉や骨格に生じたのいろいろな問題が体幹のさまざまな問題の原因になっていることが場合が多いのです。
 その他には感覚器官がある顔面部の問題、つまり目の使い方や酷使、噛み方、歯ぎしり、口呼吸などの問題が体幹に影響を及ぼしていることも多々あります。
 ギックリ腰や打撲、肉離れ、手術等々、体幹に直接的損傷が生じた場合は別として、体幹の多くの問題の原因の殆どは四肢か顔面部(感覚とそしゃく)の問題が引き起こしていると言えます。

 さて、今回はその一つの例を取り上げます。そして、とてもたくさん見られる状況です。

 私たちのからだの中心は骨盤ですが、その次くらいに中心的な存在は背骨(脊椎)です。脊椎は首の頚椎、肋骨のある胸椎、そして腰部の腰椎に分けられます。
 腰椎は5つありますが、この在り方が全身的にかなり重要です。

 腰椎は前弯しているのが本来の在り方です。第1腰椎、第2腰椎、第3腰椎は後ろに反った形状になっていますが、つまり椎骨(椎体)は上向きの状態になっています。第4腰椎はほぼ正面(地面と平行)を向いていて、第5腰椎は下向きの状態になっています。そして、第3~第5腰椎のところの曲がり(前弯)がとても重要で、その在り方が背骨全体の状態に大きな影響を与えていると言っても過言ではありません。


頚椎と腰椎の関係01

第3腰椎の在り方と下半身のエネルギーの流れ

 第3腰椎はその椎体が少し上を向いている状態が望ましいのですが、時々正面や下を向いた状態になっている人がいます。

第3腰椎と下肢のエネルギーの流れ

 結論的に言いますと、第3腰椎が上を向いた状態にある人は、下肢の内側をエネルギーが足から骨盤(お尻の内側)に向けて上昇するように流れています。そして下肢の外側は反対に骨盤から足に向かって流れている循環になっています。(他の脊椎の関係で、そうでない場合もあると思います。)
 つまり、エネルギー的に見ますと、大地(地球)からのエネルギーをからだのセンターラインが吸い上げ、そして体内から排出すげきエネルギーはからだの外側を通って排出されている、と解釈することができます。

 そして第3腰椎の椎体が下を向いている状態の人は、この循環が反対になっています。このような人を観察したり触りますと、太ももの内側の筋肉がたるんでいて十分に機能していないように感じます。
 「内転筋を鍛えた方が良い」などと理学療法士やトレーナーの方々に指導されたりアドバイスされたりする方も多いようですが、エネルギーの流れ方が良くなければ、せっかく筋肉を鍛えても、その能力を発揮することができませんので、結果的に日々の生活において「トレーニングの効果はあまり感じられない」と感じてしまうと思います。

靴擦れと第3腰椎の関係

 第3腰椎が下向きになっている原因はいくつかあります。
 ストレートネックは頚椎の前弯が失われてしまっている状態ですが、同じようにストレート腰椎もあります。背中を丸めて座る癖を長年している人は腰椎の前弯が失われしまいますが、それも一つの原因です。
 他の腰椎に歪みなどがあることの影響を受けている場合もあります。
 そして、今回お話ししたいのは靴擦れが原因している場合のことです。

 第3腰椎が下を向いてしまう直接的な理由の一つに広背筋がこわばっている状態があります。バンザイをしたときに脇の下の背中側筋肉に張りを感じて心地良いバンザイが出来ない人は、広背筋がこわばっている可能性があります。
 そして、広背筋にこわばりをもたらす原因の一つに踵のアキレス腱付着部に靴擦れによる塊が関係していることがあります。踵の真後ろよりちょっと外側は腓腹筋外側頭の延長がアキレス腱となって踵に付着している部分ですが、そこに問題がある場合です。
 靴擦れを何度もしますと、その部分が硬くなり塊のような物ができますが、そのちょっと下のところは塊とは反対に腑抜けのような感じになります。

靴擦れ

 結論を言いますと、その腑抜けのようになっている部分が根本的な原因となって腓腹筋外側頭がゆるんだ状態となり、その影響によって広背筋がこわばり、そして第3腰椎が下向きになってしまうという流れとなります。
 ですから、踵にできた塊を指圧や揉みほぐしなどでゆるめることに併せて、腑抜けになっている部分にエネルギーを与えてしっかりさせる施術を行うことをします。
 また、マグレインやピップエレキバン(80)などでその腑抜け部分を補うことも有効です。

「まさか靴擦れが影響しているなんて?」と皆さん思われますが、そんな些細だとおもわれるようなことの影響でからだのエネルギーの流れが変わってしまうことはよくあることです。

からだのセンターラインにエネルギーが集まるようにしたい

 長年整体の仕事をしていますと、筋肉や骨格のことだけでなく、体内を流れているエネルギーに着目することが多くなります。
 からだが楽になる、からだを楽に使う、という状態を築いて保つためには、からだを効率よく使える状態に整えるわけですが、そのためにはエネルギーの流れがキーポイントであるように感じます。

からだのエネルギーの流れ(背面)

 私たちは人間ですが、それは脊椎動物でもあります。元々は骨盤しかないような動物が、海の中で泳ぐために進化しました。それは頭進といって、骨盤の顔(口)に相当する部位が頭として骨盤から分離するように離れて魚のような状態になったのですが、その間に背骨ができたのが脊椎動物です。
 ですから、私たちは骨盤から力をもらって活動をしている生命体であると考えることができます。手先を動かすのも骨盤は関係しています。ギックリ腰などで骨盤を損傷しますと、とたんに力が使えなくなってしまい椅子から立ち上がることもままならなくなります。
 たとえばペットボトルを開けるために両手を捻るとき、骨盤からの力がもらえなければ、手や腕の筋肉だけでその動作をしなければならなくなります。それまで無意識に簡単にできていたものが、手に意識的に力を入れて頑張らないと蓋も開けられない状態に鳴ってしまいます。そして、そんな状態が続きますと手の筋肉がおかしくなってしまいますが、それが影響して肩関節痛や腰痛や膝痛を招いてしまうこともあります。
 このような状況はからだの使い方が非効率な状態です。つまりエネルギーの流れが悪い状態です。
 骨盤の中心~背骨というからだの中心ラインにエネルギーがしっかりと流れている状態では、どんな動作をしても骨盤の力、つまり力の源泉から力を得ることができるので効率が良く、楽に動かせる状態となります。

 ヨガや筋トレやいろいろな健康法でからだを鍛えようとされている方は、このポイントを抑えることが大切だと思います。
 なぜこのようなことを言っているのかは、健康に気遣いながらからだのためにいろいろやっている人でも、このようなことはまったく考えていない人が殆どだからです。一整体師からのアドバイスとしえ言わせていただきました。

(今回は文章だけですし、とても専門的でありマニアックです。一般の人には解りにくい内容です。)

 現在70歳くらいの人形職人が毎月からだのメンテナンスの為に来店されています。人形制作が仕事ですから、長時間椅子に座り続け、両手を前に出しながら細かい作業をされているとのことです。
 仕事がら腱鞘炎のような症状に悩まされることは多いようです。ですから、毎回、手~前腕~肩にかけては細かく観察しながら調整を行っています。
 本日は、両手が握りづらくなっていて、特に右手の人差し指が途中までしか曲げることができない症状を訴えました。
 「また腱鞘炎なのかな?」と心配していましたが、両手が同時におかしい、というのは普通はあり得ないことなので、症状の原因は他にあると思いながら施術を進めていきました。

 利き手は右ですし、人差し指は動かさなくても痛みを感じるということなので、右手から観ていきました。
 前腕の伸筋群は殆どがこわばっていました。深層にある回外筋、長母指外転筋、長母指伸筋、短母指伸筋、示指伸筋、表層の指伸筋、短橈側手根伸筋などです。これだけの伸筋群が揃ってこわばっているということは肘関節が歪んでいると判断することができます。ちなみに肘筋もこわばっていました。
 先ず考えられることは尺骨が上腕骨に対して回外方向に回旋している可能性です。そして上腕の筋肉を確認すると上腕三頭筋内側頭が強くこわばっていました。ここでの結論としましては、上腕三頭筋内側頭が強くこわばっていることで、尺骨を上腕の内側に引っ張り上げるようにしていることで、肘関節で前腕(尺骨)を回外方向に回旋させていたということです。
 ですから、上腕三頭筋内側頭のこわばりを解消すれば、肘関節が本来の状態に戻る可能性があります。前腕の伸筋群の起始は上腕骨外側上顆ですから、尺骨が回外位になってしまったことで伸筋群の起始と停止の間が広がり、それぞれの筋肉がこわばってしまったのかもしれません。
 ところで上腕三頭筋内側頭は小円筋と連動関係にありますが、小円筋も当然こわばっていました。そして小円筋のこわばりをゆるめると上腕三頭筋内側頭のこわばりもゆるむことが確認できたので、施術は小円筋のこわばりを解消する方へと進んでいきます。
 小円筋と連動している筋肉を私は把握しきれていないのですが、胸郭の捻れと小円筋の変調には関連性があります。この方の胸郭は下部の部分、それは第7肋骨以降、腹側方向に捻れていました(CCWの捻れ)。そしてその捻れを戻すと小円筋のこわばりは解消しました。
 そして胸郭が捻れている原因は腹横筋がゆるんでいることが原因でした。
 踵重心などで、踵の底の筋膜がこわばって硬くなりますと腹横筋はゆるみます。その他には、腹直筋のある部分がこわばりますと腹横筋はゆるみます。ですから、踵への施術を行いました。そして腹直筋を確認したところ端のラインにこわばりがありました。このラインは胸骨甲状筋―腹直筋―恥骨筋―中間広筋という連動ラインです。胸骨甲状筋を確認するために喉元を触りますと、オトガイ舌骨筋や顎舌骨筋がこわばっていて舌骨を前上方に引っ張り上げている状態になっていました。この状況によって甲状軟骨も上方に引っ張られてしまっているために胸骨甲状筋がこわばっていることがわかりました。ですから、オトガイ舌骨筋と顎舌骨筋をゆるめるための施術を行いました。これらによって腹横筋の状態は改善し、胸郭の状態もよくなって小円筋及び上腕三頭筋内側頭のこわばりがとれました。前腕の伸筋群のこわばりもとれました。
 
 この状態で、手を握る動作をしていただきました。すると、かなり楽には握れる状態になったのですが、人差し指
の引っかかりは残ってしまうとのことでした。示指伸筋にこわばりがあるわけではありませんから、別の理由で示指の関節に歪みが生じているのだと判断しました。
 「橈骨にも問題があるのかな?」と思いました。浅指屈筋や深指屈筋において示指に関係が深いのが橈骨だからです。
 そこで肘関節において上腕骨と橈骨の関係をもう一度チェックしました。
 橈骨に上腕二頭筋が停止している辺りにこわばりを感じました。上腕二頭筋長頭が強くこわばっていました。そして、上腕二頭筋長頭がこわばっている理由を探しますと、鎖骨が内側に歪んでいて三角筋前部線維がこわばり、それが上腕二頭筋長頭のこわばりへと連動していました。上腕二頭筋長頭のこわばりによって橈骨が回外しながら上腕骨の方に引き寄せられた状態になっていましたが、それによって示指につながる浅指屈筋と深指屈筋が変調を起こし、さらに虫様筋も変調していたようです。

 鎖骨が内側に歪んでいる原因は胸鎖乳突筋鎖骨頭がこわばっていたからですが、その原因を探していきますと肩甲挙筋のこわばりによって第1頚椎と第2頚椎が下向きの状態になっていたからでした。
 肩甲挙筋は目の疲労(外眼筋のこわばり)と関係しますので、コメカミの辺りを指圧してゆるめました。そして、肩甲挙筋のこわばりが解消すると胸鎖乳突筋の変調も改善し、鎖骨が本来の位置に戻り上腕二頭筋長頭のこわばりも取れました。
 右手人差し指の曲がりも良くなりましたが、左側は何もしていないにもかかわらず、左手の不調も改善していました。

 結局、いろいろ施術しましたが、最後の決め手は目の疲労の解消でした。
 ご本人にそのことを申し上げたところ、「ここのところ老眼が進んでしまい、なかなかよく見えないので目を凝らして仕事していた。」とのことでした。
 腱鞘炎になると、回復までにある程度時間が掛かって仕事に支障がでること懸念していたようですが、目の疲労が大きな原因であったことがわかり、そして今回の施術で問題が片付いたので、ホッとされて帰えられました。
さっそく眼鏡をつくりに行くと仰ってました。

 今回は私にとってもレアなケースでした。胸鎖乳突筋の鎖骨頭がこわばると鎖骨が内側に歪むことを知ることができました。

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