ゆめとわのblog

ホームページとは違った、より臨場感のある情報をお届けしたいと思っています。 また、テーマも整体の枠を飛び出してみたいと思います。 ホームページは以下です。 http://yumetowa.com/ お問い合わせはメッセージ欄でお送りください。

 無呼吸症候群を気にされている人は最近増えているようです。少し前まではいわゆる「中年」以降の男性に多い症状と考えられていましたが、今は30歳代の男性や、女性の人でも気になっている人が結構いらっしゃるようです。
 また、「しゃべり」に関して、滑舌が悪い、喋っていると息苦しくなってしまう、大きな声が出せない、発声が長く続けられない等々、困っている人もいらっしゃいます。

 今回は、舌に関係して、私が気になること、また最近発見したことなどを説明させていただきたいと思います。

舌のトレーニングは要注意

 無呼吸症候群に対する対処法として舌を大きく出したり、回したりするトレーニング方法が有効であるという情報があるようです。
 そのトレーニング法について、「どう思いますか?」と度々聞かれます。
 そして、この問いに対する私の応えは一貫して「止めてください」です。

 無呼吸症候群の原因の一つとしまして、舌(舌筋)がたるんでいるので、寝ている間にそのたるみが気道に落ちてきて、気道を塞いでしまうために無呼吸状態になってしまうというのがあります。
 ですから対策として、舌筋を鍛えてたるみを解消する必要がある、という理屈のようです。

 そして、その情報通り、真面目に、一年間毎日トレーニングを続けている人(女性)が来店されました。
 この女性の来店の目的は、頭痛と顎周りを中心とした顔面のこわばりと、首肩の張りの解消でした。現在は精神的ストレスもかなり強いとのことで、知らず知らずのうちに噛みしめてしまっているとも仰いました。
 そして、顔のこわばりに対する施術行いながら喉周辺を触ったときに、かなり硬くなっていましたので、「喉周辺が硬いのですが、何かありましたか?」と尋ねたところ、舌のトレーニングの事を話してくださいました。
 「一年間、毎日舌のトレーニングをしていたのでは、喉周辺がこれだけ硬くなるのもわかる」と内心思いました。そして、喉元~舌骨周辺~オトガイ(顎先)にかけのこわばりをじっくりゆるめていきました。
 すると次第に顎周辺~喉元にかけてのこわばりはゆるんでいき、顔のこわばりも解消されて、顔の表情が豊かになりました。首や肩からも力が抜けて「あぁ、ゆるんだあ~!」と仰いました。

 この女性は60歳代ですが、テレビの情報番組を見て「無呼吸症候群にはならないぞ」ということで、舌を大きく出すトレーニングを毎晩数分行っているとのことでした。

 情報番組の情報は、良いような、悪いような、どちらもあると思いますが、気をつける必要があるのだろうと思います。
 普通の人にとって、情報番組の情報が正しいか誤りかを識別することは非常に難しいことです。テレビなどでは、その情報は「正しい」というのを前提としていますし、「テレビが言うのだから、まず間違い」と私たちの多くは思っていますので、つい信じてしまうのは仕方のないことかもしれません。
 ですから、私は、「とりあえず2週間やってみてください」、そして2週間続けても良い効果や変化が感じられないなら、それは止めたほうがいいです、と申し上げたいです。
 からだに対して適切なトレーニングであれば、2週間も続けていれば必ず変化が現れると思います。そして、不適切なトレーニングであれば、速ければその場で、遅くても2週間で、悪い影響が現れると思います。
 今回の舌のトレーニングは、後者(2週間)の方だと思いますが、喉元や顎周辺や顔が硬くなったり、首や肩にコリを感じるようになると思います。

 さて、舌(舌筋)はからだの中でも非常に複雑な筋肉の一つです。
 筋肉には腕や足の筋肉などのように骨格を動かして動作を生み出す「骨格筋」と、食道や胃や小腸・大腸といった内臓系の「平滑筋」があります。
 カエルやカメレオンは舌を長く伸ばして獲物を捕獲しますので、その舌は私たちの手と同じような働きをしています。ですから、舌は骨格筋の側面を持っていると考えることができます。私たちは喋るときに舌を操りますが、それも骨格筋としての性格を現しています。ところが、食べ物を口に入れた後、そしゃくにともなって舌を巧みに使います。そして食塊を嚥下して食道~胃に送りますので、その意味では、舌は消化系の内臓の働きも担っています。ですから舌筋は内臓系の筋肉としての側面も持っています。
 
 ちょっと話は難しくなりますが、手や足を動かす骨格筋は、意志によってコントロールできる随意神経によって支配されています。一方、内臓系の筋肉は意志に影響されない自律神経によって支配されています。ですから舌筋は、随意神経と自律神経の両方の支配を受けている筋肉になります。
 舌筋を鍛えるためのトレーニングで舌を動かし続けたとします。それは随意神経のコントロールですが、舌からしますと普通とは違う種類の随意神経系です。普通は発声したり、喋ったりする種類の神経信号ですが、大きく舌を出し、その状態で大きく動かすのは舌からしますと不自然な神経信号であり行為です。
 このようなトレーニングを続けていますと、やがて舌はその運動を「普通の行為」にするために少し変質するようになります。舌先でいろいろな技をする人がいますが、舌には順応性と可能性があるのだと思いますが、舌筋は変化する可能性に富んでいる筋肉であるとも言えます。

舌を大きく出す行為は舌筋を強く収縮させる行為です。

 舌のトレーニングによる舌筋の強い収縮行為が1回、1日、1週間、あるいは2週間であれば、まだ大きな問題を起こすようなことにはならないかもしれません。ところが、半年、1年と続けていますと、それはある種の変化を固定化してしまう危険性があります。形状記憶に似た状態をもたらしてしまうとも考えられます。
 毎日のようにトレーニングを継続していますと、舌筋はこわばった状態になり、それがやがて固定化してしまいます。そして、そのこわばりはやがて周囲の組織に影響を及ぼすようになり、喉(甲状軟骨、甲状腺)や顎関節周辺や顔面の筋肉にこわばりをもたらすことになります。そして、それがからだのいろいろな不快感や不調を招いてしまう可能性があります。
 舌が強くこわばったり、あるいは反対にゆるんだりして働きが悪くなりますと、それは当然、自律神経経にも影響を及ぼします。スムーズな嚥下ができなくなったり、呼吸が不調になったりする可能性も考えられます。(現に、舌の問題で呼吸が悪くなっている人はたくさんいます)

 わざわざ無理なトレーニングをしなくても、普通に食べて、普通に喋っているだけで舌はたくさん動きますので、それで十分だと私は思います。本来、私たちのからだはそのようにできているはずです。
 誰とも会話することなく、食事でのそしゃくも不足しているのであれば、舌のトレーニングは或る程度必要かもしれませんが、そうでないのであれば全く必要ないと、私は考えています。

舌のトレーニングより、舌の位置が大切

 無呼吸症候群に関して、舌が気道を塞がないようにするためには、舌の位置とむくみの無い状態の方がよほど大切であると私は考えています。そして、現に、そのような結果がもたらされています。
 以前に取り上げたことですが、舌の位置は呼吸と喋りにとって重要です。舌が正しい位置にある人は、口を閉じてリラックスした状態でも口蓋(口の中の天井)を少し押し上げるような状態になっています。それは上顎骨を微力ながら持ち上げている状態ですので、鼻骨も上がり副鼻腔に空気を通しやすい状態にします。また、そしゃく筋など顎に関係する筋肉を作動させなくても口を閉じていられますので、頭部もゆるんだ状態なり、呼吸に合わせて頭蓋骨が拡がることを可能にします。つまり、静かでゆったりとした呼吸が可能な状態になります。

 これとは反対に舌の位置が下がって下の歯を押してしまうような場合(低位舌)は、そしゃく筋を脱力させた状態では、口が開いてしまいますので口呼吸になってしまいます。口呼吸を避けるために口を閉じようとしますと、顎先やそしゃく筋を収縮させることになりますが、それは顔に力が入った状態であり、頭部も硬くなります。上顎骨も下がり鼻骨も下がりますので、副鼻腔には空気が入らず、ゆったりリラックスした良質の呼吸は望めなくなります。
 また、舌の位置が下がっていることは、舌に締まりがなく、ゆるんでいることでもあり、そのゆるんだ舌筋が気道に落ちて無呼吸になる可能性も考えられますし、イビキをかく可能性も高まります。

 さらに、無呼吸症候群を考えるときに、舌のむくみも気になるところです。
 東洋医学では「舌の大きさ」を体質を診断するときの尺度の一つとしています。舌は心臓と関連性のある器官とされていますが、体質が弱くなりますと舌が腫れて大きくなり、口からはみ出すようになると考えられています。そしてその目安が「歯痕(しこん)」と言いまして、舌が歯を押してしまうために舌の縁に歯型がついてしまう状況です。鏡の前でご自分の舌をだして観察したときに、歯型があるようでしたら注意が必要です。
 舌がむくんで大きくなった状態は、当然気道を塞ぎやすくなりますので無呼吸症候群やイビキの原因になります。
 ですから、舌のむくみを解消しなればなりませんが、舌だけのむくみを改善することは不可能です。東洋医学では舌と心臓が密接な関係にあると申し上げましたが、即ち、心臓の働きも含めて全身的にむくみを改善する必要があります。
 (参照 循環のポイント‥‥鎖骨下静脈と鼡径部
 あるいは、口の中で「舌が邪魔」なほどに余っているように感じるのであれば、心臓の状態についても確認する必要があるかもしれません。

舌や周辺の動きに関して大切な首の筋肉

 何年も舌の動きと喋りに関して苦しんでいる青年がいます。まともに喋ることができなくなってしまったきっかけは、英語の発音練習をしていて、かなり舌に無理を強いてしまったことだと本人は仰っていますが、確実なところはわかりません。
 喋ることができなくなって、病院(言語聴覚士)やボイストレーニングのところなどを頼ったそうですが、何の改善も見られなかったようです。
 現在は、舌の動きも戻って言葉は普通に喋ることができるのですが、喋りながらのブレス(息継ぎ)ができないので、息苦しくなって喋れなくなるといった状態です。
 この青年は、長年の苦労によってか、あるいはトラブルを起こしたときのトラウマによるものか、舌や喉を動かすときに、どうしても口先から喉元にかけての部位しか動かさない癖になっています。

 ここで構造的な話題になりますが、学問的な見解として、舌と喉を動かす筋肉は舌骨を境にして二つの群に分かれています。舌骨は喉仏(甲状軟骨)のすぐ上にありますが、舌骨から頭蓋骨の下顎にかけての筋肉群を舌骨上筋群、舌骨から胸にかけて筋肉群を舌骨下筋群と言います。



 顎を開いて開口する場合、顎を閉じる働きをするそしゃく筋がゆるんで伸びますが、同時に、舌骨から下顎骨に繋がっている顎二腹筋(前腹)と顎舌骨筋、そしてオトガイ舌骨筋が収縮して下顎を舌骨の方に引き寄せます。
 また、食物を嚥下して食道に送る際は、食塊を飲み込む最初の段階で一度喉仏(甲状軟骨)が上にあがり、そして下がって「ゴクン」という嚥下動作が完了します。
 この嚥下動作では舌骨上筋群と舌骨下筋群が協働して舌骨と喉仏(甲状軟骨)を動かすことになります。そして唾を飲み込んだり、発声で声帯を動かしたりするときにも、同じように舌骨上筋群と舌骨下筋群が協働して甲状軟骨を動かします。(声楽家の喉仏が大きく上下に動くのはビックリしますが、これらの筋肉の働きによるものです)
 ですから、舌骨上筋群と舌骨下筋群、そして口を閉じる働きをするそしゃく筋の状態が良ければ、舌に関係する動作は滞りなく行えるという理屈が成り立ちます。
 ところが、実際は、それだけでは事足りません。

 舌と喉を動かすためには、僧帽筋や頭板状筋など首の背面の筋肉がしっかり働ける状態にあることが必要になります。

 頚部(首)を前後二つに分けたとき、舌や舌骨や喉、舌骨上筋群や舌骨下筋群は前側にあります。そして僧帽筋や頭板状筋、肩甲挙筋は後側に属しています。(胸鎖乳突筋も後側に属している筋肉と考えます)
 舌や舌骨、甲状軟骨に直接繋がっている筋肉のすべては前側にありますので、前側の筋肉の働きだけで、そしゃく、しゃべり、嚥下などの動作は完了できると理屈ではそうなります。しかし、実際は後側の筋肉が働かないと前側の筋肉がスムーズに働くことはできません。

 話を青年に戻しますが、彼は現在、毎日そしゃく筋や舌骨上筋群や舌骨下筋群を意識的に動かすように努力しています。顎の使い方を工夫したり、息の吸い方や吐き方を自分なりに調整しながら、昨日より今日、今日より明日、ちょっとずつでも前進しようと努力し続けていますが、どうしても首の前側だけに意識を向かわせてしまいます。
 「もっと首の後側を意識して顎を動かしてみて」とアドバイスするのですが、首の後側の感覚が乏しいので、使い方がまったく解らないと言います。

 通常、口を開いて下顎を下げるとき、鼻から息が入ってきますが、この時に同時に僧帽筋がゆるんで肩甲骨が少し下がります。そして頭板状筋は収縮して首の後面をしっかり支える働きをします。もし、頭板状筋が収縮できなかったり、あるいは僧帽筋(上部線維)がゆるまず肩甲骨が下がらない状態になりますと、顎を上手くゆるめることができず、顎を開いても鼻から息を取り入れることができません。

 この状態をそしゃく動作で説明しますと、一般的にそしゃくは「モグ・モグ」ですから、口を閉じた状態のままで顎だけ上下左右に動かしています。
 例えば「モグ」の「モ」のときに顎を開いて、「グ」の時に顎を閉じたとします。普通であれば、「モ」のときに鼻から息が入り、「グ」の時に鼻から息が出ていきます。このような仕組みになっていますので、口を閉じたまま「モグ・モグ」していても息苦しさを感じません。
 しかし、これができない状態ですと、「モグ・モグ」していると苦しくなってしまいますので、口を開けて「クチャ・クチャ」そしゃくするようになってしまいます。

 喋るときも同様です。私たちは喋りながら(=息を吐きながら)、無意識に、合間合間で瞬間的に吸気を行っています。それをブレスと言いますが、効率よいブレスを可能にするためには、首の後側の筋肉の働きが不可欠になります。その他に舌や鼻が下がっていないこと、舌骨筋群の状態が良いこと、頭皮や頭部の筋筋膜が硬すぎないことなどが条件になりますが、僧帽筋をはじめとして、後頚部の筋肉の状態が隠れた要となります。

 この青年が、どうアドバイスしても上手くブレスができず、すぐに息苦しくなってしまい、喉元の動きばかりを気にするようになってしまいますので、究極の策としまして、ベッドにうつ伏せになった状態で顔だけ上げた状態になってもらいました。普通に見ますと姿勢の悪い格好ですから、良いことだと思われませんが、後頚部の筋肉を収縮した状態にしたかったので、あえてこの格好をしてもらいました。

 すると、これまで長い間の苦しみが何処かに行ってしまったかのように、ごく普通に喋ることができるようになりました。後頚部の筋肉を収縮したままの状態にしたわけですが、それによって前頚部の舌骨上筋群、舌骨下筋群、舌筋がリラックスして使えるようになり、ブレスもごく普通にできるようになりました。そして長い時間喋り続けることが可能になりました。
 後頚部の筋肉を収縮させたことで、頭部と頚部をしっかり支えることができる状態になったのですが、それによって鼻腔が拡がり、自然と顎から力が抜くことができるようになったことも要因の一つだと思います。そしておそらく、頭板状筋を収縮させたことで僧帽筋をゆるめることが可能になり、開口と同時に息が吸える状態になったのだと思います。

 「この首の後側の使い方を、からだで覚えて‥‥!。これまでとは全く違った感覚だと思うけど、今までの使い方の癖を脱するために、うつ伏せになり、声を出して本を朗読するなどして、首全体を使って舌を動かす感覚を覚えて欲しい。」と申し上げました。

 その後、うつ伏せ状態を解除して、座った状態になりますと、やはり上手く使えなくなり、息苦しさが戻ってしまいました。しかし、また一つ、前進のための光明が見えました。
 後頚部の状態がこんなにも舌やその周辺の動作に影響を与えるとは私自身思っていませんでした。良い発見ができたと思っています。



 これまで舌についても何度か取り上げてきましたが、私はやはり、とても重要なものだと考えていますし、舌の重要性を益々感じるようになっています。
 舌は味を感じる感覚器官の一つであると同時に、喋りやそしゃくや嚥下の要ともなる大切な行為器官でもあります。
 ですから、大切に、大切にしてください。
 妙なトレーニングなどして舌を壊さないでください。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 誰もがスマホを使い、さらにデスクワークではPC操作が主流になっていますが、それによって肩(肩甲骨)が前に出て、胸が狭くなっている人がたくさんいます。
 そのような人達の多くは「猫背」など普段の姿勢を気にしていますが、それだけでなく、日々の生理機能にも悪影響が出ていますので、今回はそのことを題材にしたいと思います。

猫背‥‥肩が前に出るとむくみやすくなる

 多くの人達が気にしている猫背は背中が丸くなるのが特徴の一つですが、その他に左右の肩甲骨の間が拡がってしまい肩先が前にでてしまうことや、首が前にでてしまうという特徴があります。
 左右の肩甲骨間が拡がっていますので、そこに筋肉の張りができてしまい、常にそれが気になっているかもしれません。(背中の張りや痛み① 参照)
 肩甲骨の間が拡がってしまうのは、肩甲骨を前に引き出す筋肉がこわばっているからですが、それは腕を前に出している姿勢が多いこと、脇を開いて肘を浮かせた状態で手を使ってしまう癖を持っていることなどが主な原因です。

 さて肩甲骨が前に出た状態は、見方によって、背中側が拡がり胸側が狭くなった状態です。鎖骨は肩甲骨と一対になっていますので、肩甲骨の回転に合わせて鎖骨も位置を変化するようになります。

 鎖骨の位置が本来よりずれますと鎖骨と第1肋骨の間にあります鎖骨下静脈の血管が圧迫をうけ、静脈の流れが悪くなります。そして鎖骨下静脈には全身のリンパ液も合流していますので、肩甲骨の位置がずれたことによってリンパの流れも悪くなってしまうということになります。体液(血液+リンパ)の心臓への還りが悪くなりますので「全身がむくむ」という状況を招くことになります。
 頭の中も血液が溜まって循環の悪い状態になりますので、常に頭がスッキリせず重たくて、酸欠に近い症状を感じやすくなる可能性があります。つまり、ボーッとして思考力や集中力が乏しくなり、眠気に襲われやすい状況です。(鎖骨下静脈 参照)

上腕骨頭と頚椎と呼吸

 肩甲骨が前に出ている状況に加え、さらに腕(上腕骨頭)が前に出ている人もたくさんいます。
 上腕骨頭が前に出てしまう理由はいくつかありますが、その中の一つに親指と人差し指ばかりを使っている手指の使い癖によるものがあります。

 二の腕(上腕骨)の内側に烏口腕筋(うこうわんきん)があります。この筋肉は親指を動かす短母指外転筋(たんぼしがいてんきん)や長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)の影響を受けてこわばることがあります。

 たとえば、スマホの文字入力やゲームで親指を頻繁に動かしますと短母指外転筋、長母指外転筋は酷使されることになりますが、そうしますと烏口腕筋もこわばってしまい、それによって上腕骨頭が前に出てしまうということがおこります。

 そして上腕骨頭が前に出ますと、骨連動の関係で上部胸郭(肋骨)が相対的に後方に下がるようになってしまいます。つまり胸元が少し凹んだような感じになるわけですが、それは胸郭上部(第1~3肋骨)が後方に歪み、さらに鎖骨と胸骨も喉の方に近づいたからです。見た目としては、鎖骨が埋もれてハッキリ見えないように感じるかもしれません。

 ところで、第1肋骨と第2肋骨には頚椎から斜角筋が繋がっていますが、骨が後方にずれますと斜角筋はこわばります。斜角筋はこわばりますと肋骨(胸郭)の方に頚椎を引き寄せますので、つまり、首が前に出てしまう姿勢となってしまいます。
 さらに、斜角筋はそしゃく筋と連動関係にありますので、本人の意志や癖とは関係なく常にそしゃく筋がこわばった状態になってしまい、噛みしめによる頭痛や顎関節の不調、緊張した表情などの症状を招く可能性が高くなります。

 そして、これらの鎖骨が埋もれ上部胸椎が凹んだ状況は肺を圧迫する、あるいは息を吸っても胸が広がらない状況を招きますので、吸気が中途半端になってしまいます。「もっと気持ちよく息を吸いたい」と感じますし、酸欠状態を助長します。

・上腕骨頭だけが前に出ていることもある

 多いのは肩が前に出ていて、さらに上腕骨頭も前に出ている状況ですが、肩の位置は良いのに上腕骨頭だけ前にでているという場合もあります。
 ご自分は「決して猫背ではない」と思っていても、首の横(斜角筋)が硬くて押すと痛みを感じるし、気持ちよく息を吸うことが難しいと感じるのであれば、上腕骨頭だけが前に出ているのかもしれません。

 また、上腕骨頭が前に出ている人は、筋肉連動の関係で大円筋(だいえんきん)がこわばります。脇の下の後側の壁が硬く感じ、手で摘まむと痛みを感じますが、背中側にあります大菱形筋(だいりょうけいきん)の働きが悪くなりますので、手を後ろに回す動作が十分にできなくなります。さらに歩行においても内股の筋肉(大腰筋と大内転筋)があまり働きませんので、股関節の外側ばかりを使って歩いているように感じると思います。

肩甲骨と上腕骨頭と立ち方や歩行の関係

 詳細は省きますが、肩甲骨が前に出ている、あるいは上腕骨頭が前に出ている人は、大腰筋の働きが悪くなり、大腿筋膜張筋に力が入りやすくなります。つまり、股関節では太股の内側ではなく外側に力が掛かってしまう状態になります。

 ですから、太股~ふくらはぎにかけて外側に重心が逃げてしまいますので、O脚になってしまう可能性が高まります。
 猫背気味で姿勢の悪い人は「自動的にO脚に進んでしまう」ということを私はここで申し上げていますが、実際、そのようになっている人がたくさんいます。
 私たちのからだは筋肉にしても骨格にしても「連動性」がありますので、一箇所を限定して、そこだけを修正を完了させることは不可能です。
 肩甲骨や上腕骨頭が前に出いているので、一生懸命肩周りを揉みほぐしたり、ストレッチして骨格を正しい状態にしようとしても、あるいは骨格をポキポキして整えようとしても、それは困難です。
 O脚を矯正するために膝を縛り付けて骨格を矯正しようとしても、あるいは特殊な靴を履いてO脚にならないようにと試みても、それは理屈に合わない行為です。かえって股関節や膝や足首の関節を傷めてしまうかもしれません。
 それよりも、上腕骨頭が前に出てしまった根本的な原因、たとえば短母指外転筋の硬いこわばりをほぐしたり、手首や肘関節の捻れが解消されるようなことを行った方が効果的です。

 肩甲骨が前に出ないように、パソコンやスマホを操作するときに「肘を下に降ろす」、ボクササイズのトレーニング後は肩甲骨を後に戻すようなストレッチを行いなどした方が良いと思います。
 そして上腕骨頭や肩甲骨の位置が正しい状態になれば、股関節~太股の内側の筋肉が使えるようになりますので、自ずと両膝は寄り、次第にO脚状態は改善されていきます。(O脚がすっかり固定化してしまった場合は、他の手段も必要)


 今回は、「肩が前に出ている」という、大変多く見られる骨格の歪みについて取り上げました。些細なことと言えば、それまでですが、呼吸を改善して楽に生きる、ドライアイを改善する、歩くことが心地良くなる、立ち仕事でも疲労を少なくする、といったことに関係する話題でした。
 

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 いつも背中の張りや不快感を訴える人がいます。胃の調子も悪く、呼吸も中途半端な感じで、息苦しさを感じやすいと訴えます。
 肋骨(胸郭)に関係する筋肉(肋間筋、大胸筋、上後鋸筋)や背中の筋肉(脊柱起立筋群、広背筋)がこわばった状態で、息を吸いたくても胸が思うように開いてくれないような状態です。
 施術を行ってこれらの筋肉をゆるめますと、胃の調子や呼吸も改善し、ご本人は楽な状態になります。しかし何日かすると、また背中が辛くなり、呼吸も中途半端な状態に戻ってしまっていました。

 「どうしてなのかなぁ?」と熟考していたところ、「もしかしたらお腹の筋肉が使えないので、背中側の筋肉だけで頑張って生きているのかもしれない」という思いが浮かんできました。
 そして、お腹の筋肉が使えるようにからだを調整しますと、背中の辛さが和らぎ、呼吸も楽になった状態が長持ちするようになりました。

 今回は、お腹に力が入らない、つまり腹筋が上手く使えないために背中に大きな負担が掛かってしまい、からだに不調を感じてしまう話題です。


腹筋が働けない状態とは?

 椅子に座った状態(できれば足を浮かした状態)で、上半身を前傾していきます。30°程度曲げた状態で保持したときに、どこに力を入れて上半身を支えているかを観察します。
 この時、腰部や背中(背骨)の筋肉を主に使ってしまい、しばらくそのままの状態を保ったときに腰や背中が辛くなるようであれば、それは腹筋を働かすことが上手くできない状態です。そして、このような人は、意外に多いです。
 腹筋が使える人は、真っ直ぐ座った状態から上半身を前傾していくときに、背中ではなく下腹に力を入れながら上半身を支えています。このような状態であれば、腰部は辛さを観じることもありません。

 私たちは日々の暮らしの中でたくさん上半身を前傾させています。立った状態から座る時にも、座った状態から立ち上がる時にも上半身を前傾させて頭を沈めるようにしなければ動作をスムーズに行うことはできません。もし上半身を前傾することができなければ、ドスンと尻餅をつくように座らなければなりませんし、ギックリ腰のときに椅子から立ち上がるように背中をまっすぐにしたまま立ち上がらなければなりません。
 物を拾うとき、座りながら会釈をするとき、掃除機を掛けるとき‥‥、中腰になったり上半身を屈んだりする動作は日常生活の中でとても多いのですが、もし腹筋が働けない状態であれば、背骨を支えるために背筋や腰筋のみで頑張らなければなりません。
 そして、このような人は常に背筋に力が入っている状態ですから、腰部はこわばり、背中は常に張っている状態になってしまいます。

腹筋が弱いことと、腹筋が働けないことは違う

 「腹筋が働けない」状態を改善するためには「どうすれば良いのか?」ということに関して、多くの人は「腹筋を鍛える必要がある」と考えかもしれません。それは素直で純粋な考え方です。しかし、正解ではありません。
 腹筋が「弱い」のであれば、鍛えて強くする必要があります。ところが「筋肉が働けない」ことと「筋力が弱い」ことは観点が違いますので、同じカテゴリーで考えることはできません。(但し「筋力が弱すぎて働けない」という状態は存在します)
 筋肉が働けない状態を解決するための正解は「働ける状態にする」ことです。
 そして、そのためのキーワードは「重心移動」です。

働く筋肉の受け渡しと重心移動

 私は学問的専門家ではありません。ですから、言い方が正解かどうかはわかりませんが、「すべての運動の秘訣は重心移動に他ならない」と考えています。

 先ほど例として挙げました、座った状態で上半身を前傾していく運動を例にして説明してみます。

 骨盤の坐骨に重心があって真っ直ぐに座った状態のときに、背骨がしっかりと骨盤に乗っている状態ですと、腹筋にも背筋にも大して負荷は掛かっていません。骨盤が骨と骨の関係で上半身を受け止めています(骨盤に背骨が乗っている状態)ので、周りの筋肉はリラックスできます。ただし、坐骨に荷重がかかっていますので、長時間その状態を維持しますとお尻が痛くなります。ですから椅子に座っている場合は、背もたれに寄りかかるなどしてお尻(坐骨)の負担を軽減するようになります。
 この時、重心は坐骨から後に移動して骨盤を少し倒す姿勢になりますが、腰部や殿部の筋肉に負担が掛かるようになります。するとお尻や腰が疲れを感じますので、普通は倒れた骨盤を立てて、再び坐骨で座るようになります。私たちには無意識にこのような動作を繰り返し、重心の掛かる場所を少しずつ移動しながら、一箇所に負担が掛かり続けないようにしています。

 ところで、坐骨に掛かっていた重心を後方に移動して、お尻と腰で座る状態にしたとき、腰とお尻の筋肉、つまり背面の筋肉に負担が掛かるようになりました。すなわち、重心の後方移動によって背面の筋肉が作動した(作動させられた)状態になったわけです。
 これを同じ理屈で前面に当てはめて考えてみます。座った状態で上半身を前傾させるときに重心を坐骨から前方に移動させて恥骨に掛かるようにしますと、恥骨や鼡径部に繋がっています腹筋が作動するようになります。つまり、重心が前方に移動したことによって腹筋が働くようになったわけです。
 以上をまとめますと、私たちのからだは、骨盤を後方に倒して重心を後方に移動したときに背面の筋肉(腰部や殿部)の筋肉で頑張るようになり、重心を前方に移動(骨盤を前傾)したときに腹筋で頑張るようになる仕組みになっているということです。
 ですから、重心の移動によって頑張る(主体となって収縮する)筋肉が変わっていくということでありまして、バケツリレーのように働く筋肉がスムーズに受け渡されていく姿がそこにはあります。
 この仕組みによって筋肉はスイッチのオンとオフのように、頑張ったり、休んだりを繰り返すことができますので、疲労の蓄積が緩和できるようになっています。
 いつも重心が後方に固定されている人は、背筋や腰筋ばかりを使い、腹筋はほとんど使われない状態になりますので、背中や腰が辛くなりやすいと言えます。


重心移動がスムーズになるためには

 私たちのからだにはポイントとなる関節があります。そして、これらの大切な関節は関連性があります。
 以下のどの関節も重要ですが、立位で土台となる足関節(足首)とその要である距骨(きょこつ)の在り方は、「扇の要」のような役割を担っているのかもしれません。
 整体業の仕事として、膝関節を整えたり、骨盤や股関節を整えたり、肩関節や頚椎を整えたりすることが多いのですが、足関節における距骨、足のアーチなどを整えることはとても重要だと実感しています。

環椎後頭関節
 頭部と頚部との境には環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)がありますが、頚椎の頭蓋骨がスッと乗っておさまっている状態が理想です。しかし実際には、首が前に出ている人が多いので、首と頭部を繋いでいる筋肉はいつも緊張状態になってしまいます。これが首・肩のコリや張りの主な原因だと考えられます。

第7頚椎と第1胸椎の関節
 首を胴体に繋ぐ所には第7頚椎と第1胸椎の関節があります。
 頚椎はゆるやかに前弯していますが、胸椎は反対にゆるやかに後弯しています。この接点である第1胸椎の関節面にバランス良く頚椎が乗っている状態が理想です。バランスが良ければ、第1胸椎が受ける頭部と頚部の重さはほとんど負担になりませんので、頚部と胴体を繋いでいる筋肉はリラックスできます。そしていつでも自由自在に首や頭を動かすことができるようになります。

腰仙関節
 背骨と骨盤の境には第5腰椎と仙骨を繋いでいる腰仙関節があります。立位の時、この腰仙関節には頭部・頚部を含めて上半身の重みがすべて乗っかるようになります。 背骨全体の状態が良く、骨盤もしっかりした状態であれば、苦もなく腰仙関節は上半身の重みを受け止めることができるようになっています。座った状態でも同様です。
 この腰仙関節が安定した状態の時には、重心移動は容易にできますので、今回話題になっています「お腹に力が入らない」という状況にはなりません。

膝関節
 膝関節は立ったり、しゃがんだり、中腰になったりと、下半身の運動においてとても大切な働きを担っていますし、非常に負荷が掛かるところでもあります。
 膝関節が不安定な状態ですと、普通に力を抜いて立っていることが難しくなります。立ち続けていますと膝が痛くなる場合もありますが、足首や股関節、腰、背中に痛みが現れることもあります。ですから、膝関節を安定させるためにも、大腿骨が脛骨の上にしっかりと乗っておさまっている状態を保つことが大切です。しかしながら、膝関節が歪んでいる人は多いです。

足関節
 足首(足関節)は全身の重みを受け、さらに足が地面から受ける諸々に刺激や負担に対応するために重要な働きを担っています。
 足首を挫いて捻挫状態になりますと、立っていることが辛くなりますし、歩行などで地面からやってくる刺激や圧力に耐えられなくなってしまいます。
 ですから、足関節は非常に重要です。頭と首の関係、首と胴体の関係、上半身と骨盤の関係、これらが正しく膝関節が安定していたとしても、足関節が歪んで機能不全の状態になっていますと、私たちは満足な立ち仕事ができなくなってしまいます。

 そして、これまで何度も説明してきましたが、足関節において距骨(きょこつ)は非常に重要です。距骨が正しい状態にありますと、前にも後にも、左にも右にも、重心の移動がいとも簡単に行えるようになります。距骨が捻れていたり、倒れていたりしますと、安定した立位を保つことができませんし、重心移動に手間取ってしまいますので、運動における「筋肉の受け渡し」がスムーズに行えません。ですから、からだに不調や不具合を生じたり、「運動が苦手」という状況になったりしてしまうでしょう。

参照: 距骨(きょこつ)‥‥足関節の安定と歩行と重心移動


 帝王切開やお腹を手術した経験のある人は、腹筋の働きが今一つしっかりしていない状態になっている可能性があります。
 ですから、そのような人達は尚更「スムーズな重心移動」が大切です。腹筋の働きが今一つの状態は、自ずと重心の前方移動を避ける傾向になっていると考えられます。それによって手術前と術後では体型やからだの使い方が変わってしまい、いろいろな不調を感じるようになってしまうかもしれません。
 そのように感じている人は、是非、足関節や膝関節を整えて、骨盤を良い状態にし、重心移動がスムーズに行えるからだを目指していただきたいと思います。そうすれば、最初は弱いながらも腹筋が使えるようになり、やがて腹筋が鍛えられて、手術の傷を補いながら普通の人のような状態になれるのではないかと思います。
 1年先、3年先、5年先の自分の在り方を改善するためには、「お腹に力が入る」ことは重要だと考えています。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html


(過去に投稿した記事を修正加筆したものです)

 踵(かかと)が痛くなる足底筋膜炎という症状があります。歩くと踵が痛くなったり、ひどい場合には軽く触れるだけでも痛みを感じますので、立ったり歩くことができなくなったりします。
 整形外科を受診しますと足底筋膜炎と診断されたり、あるいは踵の骨に棘ができて筋肉や筋膜を刺激するので痛みを発すると診断される場合もあります。その他には踵骨後部やアキレス腱皮下、踵骨下の滑液包炎などという診断もあります。
 しかし、診断はされても即効性のある有効な治療手段はないようで、「そのうち良くなる」みたいな感じで痛み止めと湿布薬で診察が終わってしまうようにも聞きます。

 地面に踵を着けたり、何かで踵を刺激しない限り、寝ている状態では痛みを感じないのであれば、それは筋肉や筋膜の問題であると考えることができます。



ふくらはぎの筋肉と踵の痛み

 さて、刺激を受けると痛みをだすということは、筋肉や筋膜がこわばっていると考えるのが原則です。
 足裏の皮膚の直下には足底筋膜があります。そしてその下には、小趾外転筋、短趾屈筋、母趾外転筋があります。これらの中のどれかが強くこわばっているので圧力や刺激を受けると痛みを出すと、まず考えてみます。
 筋肉や筋膜がこわばるということは、“縮んでいる”あるいは“縮みたがっている”ということですから、伸ばされたくない状態になっています。この状態の時に体重が掛かったり、刺激や圧力を受けますと、筋・筋膜は強制的に伸ばされる状況になりますので拒否反応として痛みを発します。

 踵の問題は足底(足裏)の筋肉や筋膜との関係もありますが、ふくらはぎの筋肉がこわばっていることによってもたらされている場合が多くあります。
 足底筋膜の中央部と短趾屈筋はふくらはぎの外側の筋肉(腓腹筋外側頭)と関連性があります。腓腹筋外側頭のこわばる理由はいくつかありますが、骨盤や膝関節の問題による影響を受けている場合もあります。踵の痛みを同時に膝関節の内側も時々痛むといった場合は、膝関節の歪みが原因になっている可能性が高いと思います。

足の骨格の歪みと踵の痛み

 「アキレス腱」と呼ばれています踵骨腱は腓腹筋(外側頭と内側頭)とヒラメ筋が足首近くで一緒になって踵の後側につながっていますので、教科書的に考えますと、ふくらはぎの裏側のほぼ中央を通って踵骨の中央部に付着しているのがバランスの良い状態です。

 ところが、腓腹筋の外側頭と内側頭のバランスが悪かったり、足の骨格が歪んでいて踵骨が内側か外側のどちらかに偏っていたりしますと、アキレス腱の付着部も偏った状態になります。
 アキレス腱の付着部が偏って歪んだ状態になりますと、それに合わせるように足底筋膜や短趾屈筋が変調状態になりますので、炎症を起こしやすい状態になってしまうと考えることができます。つまり、かかと重心でいつも踵に余計な荷重掛かっていたり、履き物が合わなくて踵に負担が掛かったりしますと、炎症を起こしてしまう可能性が高くなります。

 実際、足の骨格は踵骨だけでなく、距骨と脛骨や腓骨の関係も含めて歪んでいる人が多いのですが、踵の炎症によって痛みを発している人に対しては、足の骨格を整え、アキレス腱付着部の偏りを除去することは有効です。

血行不良と踵の痛み

 私は症状の原因を「老化現象」や「加齢による影響」と結論づけることにとても抵抗感を感じています。病院に罹ると、医師が「歳だから‥‥」とすぐに言い出すと、高齢者の人はよく訴えますが、確かに、失礼な話だと思います。
 しかしながら一方で、老化現象や加齢による影響は確かに存在します。その一つが寝ている間の血行不良です。
 朝、起きがけ、ベッドから降りようと床に足を着けたときに踵が痛み、何歩かあるいていると痛みが消える、というのであれば、血行不良が第1の原因だと考えることができます。
 筋肉が正常に働くための必要条件の中に、血流と温度があります。血流が不足していますと、筋肉はうまく伸びることができなくなりますので、踵を着けたときに足底筋膜や足底の筋肉、あるいはふくらはぎの筋肉やアキレス腱が痛みを発することは考えられることです。体温が足りなくても同じ事が言えます。
 このような場合は、何歩か歩くなどして、運動による血液循環が開始されますと自然と痛みは消失します。あるいは、高齢者などで寝ている間に熱をつくり出すことができない人は、起床後1時間ほどしますと、筋肉が正常に働き出しますので痛みが消失すると思います。

炎症が酷くなったら整形外科に

 筋肉だけでなく、私たちの体組織は炎症に弱いものです。風邪をはじめとする内臓系の炎症は発熱と機能低下を招きますが、筋骨格系の炎症は発熱に加え痛みも伴います。
 炎症に対しての対処は、まず冷やして、そして安静にすることです。ですから湿布薬は有効です。そして炎症が治まるまで安静にして刺激を与えないことが望ましいのですが、立つだけで踵は地面からの刺激と体重による圧力を受けますので、安静状態を保持することができません。
 立ち仕事をしないで済むことができる環境であるならば、それほど炎症は酷くなりませんので、上記に挙げたように筋肉や筋膜を整えたり、足の骨格を調整することで、症状は改善に向かうと思います。
 しかしながら、立ったり、歩いたりしなければ仕事にならないというのであれば、刺激や圧力を受け続けることになりますので炎症が悪化する可能性が高まります。

 運動が大変好きな人が踵の炎症による強い痛みの状態になりました。私は施術者として、筋肉を整え、骨格を整えることで対応していました。すると施術後は症状が少し緩和します。本当はそのまま安静を保っていただきたいのですが、仕事もありますし歩行しないわけにはいきません。それでも2~3度施術を行いますと、症状も大分緩和し、歩行ではそれほど痛みを観じない状態になりました。ところが運動が好きなその人はランニングを行ってしまいました。すると、その後、強い痛み襲われると伴に炎症がかなり悪化してしまいました。
 もうまともに歩行もできない状態になってしまいましたので、その人は整形外科を受診して痛み止めの注射を行いました。その後炎症は速やかに治まり、普通に暮らせるようになりました。
 その状態は私も確認しました。踵にあった筋肉のこわばり状態も良くなっていて炎症の腫れもだいぶ治まっていました。「注射ってすごいなぁ」と内心思いました。
 ところが、その人はその後テニスをしてしまい再び炎症状態になってしまいました。そして、その後二回、痛み止め注射を行いました。そして今は「もう大丈夫」という状態になってます。

 踵の炎症に対して、整形外科では「踵骨の棘が筋膜を刺激して炎症をおこしている」という見解が多いようです。これに対しては私は懐疑的です。なぜなら棘があっても大丈夫な人はたくさんいるからです。
 しかしながら「踵」という立つと刺激を受け続ける場所ですから、炎症を緩和するための注射は有効だと思います。この人のようにランニングやテニスなどをすることがなければ一度の注射で済んだのだと思いますが、そうであれば、それはとても良いことだと思います。

 今回のテーマである「踵の痛み」に関しては、炎症を取り除く意味で整形外科を受診されることは良いことだと思います。ただし、血行不良による痛みの場合は、炎症とは違いますので、効果は期待できないと思います。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html

 女性の人に多い訴えの一つとして、ふくらはぎの張り、スッキリしない膝裏、あるいは伸びきった膝裏があります。
 これらは”かかと重心”が主な原因ですが、O脚への入口の一つでもあります。そして、心地良く歩くことのできない原因にもなります。
 ですから、このような状態の人は「歩くことが必要なことは解っているけど‥‥」、陽気が暑いとか寒いとか、いろいろな言い訳を浮かべてはついつい歩かないことを選択する傾向にあるようです。

 しかし私は、魚が水の中を泳ぎ続けることが必要なように、私たちにとって歩くことは必要不可欠なことだと思っています。
 「ふくらはぎは第2の心臓で‥‥」「静脈瘤にならないように‥‥」といういろいろな理屈はありますが、そんな理屈の前に、そしゃくすることと歩くこと、これは脊椎動物として、哺乳動物として必要不可欠なことだと思います。
 犬を飼っている人は、愛犬の健康のためには散歩を欠かすことがないと思いますが、同様に私たちにとっても歩くことは重要です。
 ところが、かかと重心の人は歩くことが嫌いになっています。心地良いとは感じません。通勤で歩かなければならないので歩きますが、休みの日までウォーキングしようとは思わないかもしれませんし、ジョギングの方が好きかもしれません。

 大切なウォーキング、それが心地良いと感じて好きになるためには、先ず、かかと重心を改善する必要があります。
 そういう思いで今回の原稿を記しました。

かかと重心の人は立つとふくらはぎが張る

 すでに幾度となく説明させていただきましたが、立った時にかかとに重心がある人はふくらはぎ裏側の筋肉に負担がかかりますので、当然ふくらはぎの裏側はこわばって張ります。

 「どうしていつもふくらはぎがカチカチに硬いのだろう?」と感じていらっしゃる人は、かかと重心の状態であると考えることができます。
 「立ち仕事が多いので、ふくらはぎが硬くなってしまう」と思っている人が多くいます。確かに立ち続けることは下半身に大きな負担となりますので、ふくらはぎに限らず、太股や足底や足趾も硬くなってしまいますが、かかと重心の状態か、正常な状態かで、疲労度は大きく変わります。

かかと重心と膝裏の負担‥‥反張膝の危険性

 かかと重心の状態が常態化しますと、立位の時、膝の裏側が負担に耐えきれなくなって、膝関節が本来以上に反った状態になる可能性があります。
 この状態を「反張膝」と呼びますが、O脚の人の特徴でもあり、膝関節が不安定な状態になりますので、膝痛や膝のトラブルを招く可能性が生じます。

 かかと重心の人は骨盤が後傾しますので、お尻は垂れます。そして下腹が前に出る体型になってしまう確率が高くなります。

 膝裏がいつも腫れぼったく、スッキリしないと感じている人は要注意です。反張膝は膝関節の歪みにつながりますので、今は大丈夫でも将来加齢が進んだときに膝が弱くなり、腰痛を抱えるようになってしまうかもしれません。

ストレートネックはかかと重心になりやすい

 どうしてかかと重心になってしまうのでしょうか?
 それは、「悪い姿勢が原因である」と言うこともできますが、細かく観察しますと幾つかのポイントがあります。そして、その中の一つにストレートネックがあります。
 整形外科などで「ストレートネック」と診断されている人はたくさんいます。
 「ストレートネックだから首や肩が凝りやすい」と思い込んでいる人が多いので私はビックリするのですが、整形外科ではストレートネックの改善方法は教えてくれないようです。

 私たちの背骨(脊柱)は24個の脊椎(7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎)が繋がってできていますが、頚椎と腰椎は少し前弯しています。そして間にある胸椎は少し後弯していますが、それによって脊柱全体のバランスが保たれています。

 そして頚椎が前弯していることで、首を反って顔(頭)を上に向けることが容易にできますし、腰椎が前弯していることで腰部を反ることが容易になっています。また胸椎が後弯していることで、中腰や物を拾うなど、上半身を下に向けて屈む動作がしやすくなっています。

 一つの傾向として、頚椎の前弯が乏しくなりますと腰椎の前弯も乏しくなって、ストレートネックになると同時に腰部で腰椎が真っ直ぐな状態に近くなります。そして本来はゆるやかな後弯をしている胸椎は、上部が後弯、下部が前弯の状態となり、いわゆる猫背の状態になります。

 さて、ストレートネックは頚椎の前弯が失われてしまった状態のことですが、その要になるのは第2頚椎の状態だと考えられます。
 頚椎の場合、第1頚椎を環椎(かんつい)、第2頚椎を軸椎(じくつい)と呼びます。そして、この二つの頚椎を合わせて上部頚椎と呼ぶことがありますが、頭蓋骨との関係でとても重要な役割をしています。
 ストレートネック状態の場合、上部頚椎の棘突起が上を向いた(つまり椎骨の前面は下を向く)状態になるわけですが、そうしますと頭蓋骨の後頭部(後頭骨)が上に歪みます。そして、顔面は下がることになりますので、ストレートネックは顔が下がる原因の一つであるということになります。

 上部頚椎の棘突起が上を向いてストレートネックになってしまう理由はいくつかあります。
 頚部の筋肉(肩甲挙筋や斜角筋)の状態がおかしくなりますと頚椎は歪みますが、その影響が上部頚椎に及ぶことも考えられます。
 あるいは後頭部と頚部の境には後頭下筋群がありますが、後頭下筋群がこわばって上部頚椎の棘突起を引っ張り上げてしまうことがあります。そして、このケースが最も多いのかもしれません。
 後頭部と首との境のあたりに手を当てて観察したときに、その部分が分厚く硬いようでしたら、ストレートネック状態である可能性が高いと言えます。

 ところで、上部頚椎の棘突起が上を向いてストレートネック状態になった場合、それは腰椎の前弯を乏しくさせる原因になります。
 腰椎の前弯が失われますと骨盤(仙骨)との関係で、骨盤が後傾することになります。つまりお尻が下がります。

 さらに骨盤の位置も少し後に下がることになりますが、それは全身のバランスの中で、股関節の位置が少し後方にずれるということです。骨盤の後傾と股関節の位置が後方にずれたことで、自ずと重心がかかとに掛かってしまう状況を招いてしまいます。
 ですから、腰椎の前弯を理想的な状態に保つことは重要ですし、そのためには上部頚椎を中心に、頚椎も良い状態に保つ必要があります。

 実際、かかと重心の人に立っていただき、私が後方から手で第2頚椎棘突起をちょこんと下げるだけで、重心がかかとから前方に移動するのを体感してもらうことができます。
 ストレートネックは首や肩のコリだけでなく、腰椎の在り方やかかと重心にも絡んできますので、是非改善してください。
 その最も簡単な方法は下の写真のように、第7頚椎を中心に首を前屈させたり反ったりする運動を日々行っていただくことです。

 全身の中で骨盤は下半身の始まりであるのと同時に上半身を乗せる基礎(土台)です。ですから仙骨と下部腰椎の関係は重要で、そこが柔軟で且つ粘り強い状態が大切です。同様に頚椎と胸椎との関係では、つまり首の土台という意味では、第7頚椎と第1胸椎の関係が柔軟でしっかりしている必要があります。
 ところが、現代社会で生きている私たちは、画面を見たり書物を読んだりして下を向いていることが大変多くなりました。ですから首が前に出ている人が大変多いのですが、そのような人達は頭を上下に動かすときに上部頚椎のところを使ってしまう癖になっています。
 頚椎の土台である第7頚椎を中心に、首や頭を動かすように私たちのからだはできているのに、そのように使っていない人が大変多いのです。
 第7頚椎を中心に首を使っていない人は、腰椎と仙骨の間も柔軟性が乏しい状態になっています。ですから、この状態を改善するためには、第7頚椎を中心に首を上下に動かす練習を一日に何度か行うことをお勧めします。それによって腰椎と仙骨の間も自然と連動して使われるようになりますし、ストレートネックの改善にも繋がります。さらに、第7頚椎を中心に首を動かすことは、肩こりの筋肉であります僧帽筋や肩甲挙筋を使うということですから、首肩のコリも軽減すると考えられます。
「頚椎①‥‥ストレートネックと上部頚椎」 参照) 

 
距骨(きょこつ)に乗ることができない

 足は、立った時に最終的に全身の体重が乗っかるところであり、地面との接点として全身を支える役割を担っていますので、足首の関節(足関節)の状態は全身のバランスにとって非常に重要です。
 膝下を垂直に降りる骨に脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)がありますが、この二つの骨が直接つながっている骨を距骨と言います。

 ですから脛骨と腓骨を伝わってくる体重の負荷は足関節で距骨が受け止めて足全体に分散させるのが本来の在り方です。
 足底には「土踏まず」と呼ばれる部分を含めアーチがあります。その大切な役割は、距骨で受け止めた体重の負荷を足底のアーチがバネのように働いて分散することです。この仕組みによって足や足首に対する負担は軽減します。
 いわゆる偏平足でアーチが失われた状態ですと、体重の負荷を分散することができませんので、足と足首に対する負担が大きくなりますので「立っているとすぐに疲れてしまう」という状態になってしまいます。

 ところで、かかと重心の人は距骨ではなく踵骨(しょうこつ)の方に重心が掛かっているわけですが、その理由の一つとして「距骨が不安定で体重を受け止められない」というのがあります。つまり、上記で説明してきましたように、からだのバランスとしてかかと重心になってしまう場合と、距骨が機能不全の状態で踵骨に重心を乗せざるを得ない状況があります。

 「足首を曲げるのではなく、距骨にからだを乗せるようにする」という表現は、おそらく皆さんにとっては非常に解りにくいと思います。しかし、私は距骨を調整するに際して、この表現が実体験として理解できる状態になるまで整えようと考えています。

 施術の詳細は省きますが、「乗せる」あるいは「乗っている」という感覚は、からだを楽に動かすためには大切です。
 頭部は首に乗っていることが大切です。
 首は第7頚椎と第1胸椎に乗っていることが大切です。
 背骨は骨盤(仙骨)に乗っていることが大切です。
 太股の骨(大腿骨)は膝関節で脛骨にしっかり乗っていることが大切です。
 そして足関節では、距骨にからだが乗っていることが大切です。
 
 そして、上記にあげた各関節は関連し合っています。つまり、距骨にしっかりからだが乗る状態になっていれば、自ずと膝関節、腰、首などの部位も良い状態になる可能性があります。
 このことについての詳細は、また別の話題として取り上げたいと考えています。


 一般論として、私たち日本人は欧米人や他の人達に比べて骨盤が後傾してお尻が下がり、実際より短足に見えてしまう傾向があります。それを民族性という言葉で片付けてしまうことができるかもしれませんが、かかと重心の人が多いというのも理由の一つではないかと思っています。
 最近の若い人達は、脚も長くなり、スタイルも良くなっているように私は感じますが、それであれば尚更かかと重心は残念に思えてしまいます。

足つぼ・整体 ゆめとわ
電 話  0465-39-3827
メールアドレス info@yumetowa.com
ホームページ http://yumetowa.com
web予約 http://yumetowa.com/sp/reserve2.html

↑このページのトップヘ